JP3478562B2 - 面発光体 - Google Patents
面発光体Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶パネル用バックラ
イト等に用いられる面発光体に関する。 【0002】 【従来の技術】ワードプロセッサーやラップトップ型の
コンピュータ等の表示装置として、薄型で、しかも見や
すいバックライト機構を有する液晶表示装置が多く用い
られている。現在、これらのバックライトはパネルの直
下に複数個の冷陰極管等の発光体と光拡散板を配したも
の、あるいはエレクトロルミネッセンス(EL)面発光
体によるもの等が採用されている。しかしながら、前者
の構成では表示装置全体が厚型になり、後者のものでは
薄型のものを得ることはできても輝度が不十分である上
に寿命が比較的短く、また高価である等の問題がある。 【0003】一方、透光性板の側端部に線状光源を有す
る導光板方式(エッジライト方式)のバックライトも各
種試みられているが、端面より入光した光はそのままで
は面状に発光しないため、透光性板の出光面あるいはそ
の裏面またはその両方を梨地状に粗面化したり、裏面に
反射層を形成し、出光面に光拡散層を設ける、などの処
理が行われている。しかし、これらの方法では表示素子
の形状が大きくなるに従い、出光面全域にわたって均一
な輝度を得ることが難しくなる。そこで、出光面の対面
反射層を光源からの距離に応じて薄くする等の加工を施
し、光の光路を幾何学的に変えることが試みられている
が、このような方法は精密加工を必要とする特殊形状と
しなければならず、製造コストが高くなるという欠点を
有する。特に導光板を合成樹脂により製造する場合、こ
のような特殊形状に加工するには、操作の複雑なインジ
ェクション成形に依らなければならず、簡便な押し出し
成形で製造することは不可能であった。 【0004】これに対して、導光板の内部に光を散乱さ
せる物質を混入させ、導光板の側部から入射した光を上
面にむけて略点状に発光させることが特開平2−247
685公報及び特開平2−271304号公報等に記載
されている。しかしながら、これらの公報にはどのよう
な組成でどのように導光板を作製したかは全く記載され
ていない。 【0005】透明な材料中に光を散乱させる物質を混入
した成形品としては、特公平3−62187号公報にそ
の例が記載されている。この成形品は、光拡散透過用成
形品であり、例えば、看板、証明具、表示灯などの保護
カバーとして用いられるものである。該成形品は背面か
らの光を上面から拡散放射するものであるが、本発明の
目的とする側面からの入射光を上面に拡散出射する導光
板としては全く使用できないものである。その理由とし
て、側面から入射した光は、入射面近傍にてそのほとん
どが拡散して上面に放射されるため、入射面から遠ざか
るに従い拡散光量が低下し、出射面全域にわたって均一
な光量で放射することができないためである。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、出光面及び
その背面に特別な処理を施すことなく、側面から入射し
た光をこれと直行する光出射面全域にわたって均一に放
射することが可能な面発光体を提供することを目的とす
る。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討し、その結果、特公平3−62
187号公報におけるガラス粒子の量を減らすことによ
り、驚くべきことに、側面から入射した光がその直行す
る光出射面全域にわたって均一に放射されるという新た
な知見を得、又、その性質が材料に限定されることなく
特定の条件により得られるという知見を得て、本発明に
到達した。 【0008】即ち、本発明は、平板状の面発光体であっ
て、対向する2つの側端面を入射面とし、平板上面を光
出射面とする面発光体において、該面発光体が透明粒子
を均一に分散含有する透明樹脂組成物の溶融成形により
形成されてなる成形品であって、該透明樹脂組成物が少
なくとも(A)溶融成形可能な透明樹脂、及び(B)
(A)成分の屈折率との差が0.005〜0.2の屈折
率を有し、かつ平均長径80μm以下、平均短径1μm
以上の透明粒子よりなり、(B)成分が下記式(1)及
び(2) 【0009】 【数2】 を満足し、予め溶融混合されてなる樹脂組成物であるこ
とを特徴とする面発光体である。 【0010】基材として使用される溶融成形可能な透明
樹脂としては、従来公知の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹
脂が挙げられるが、好ましくは、ポリカーボネート樹
脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂
等が挙げられる。 【0011】本発明において用いる透明粒子は上記の透
明樹脂(A)の屈折率との差が0.005〜0.2の屈
折率を有し、かつ平均長径80μm以下、平均短径1μ
m以上の粒子である。この条件を満足する限りその形状
は特に限定されず、例えば球状、ラグビー球状、彗星
状、円筒状、多角形状などの形状をとることができる。
また、2種以上の透明粒子を混合して用いることも可能
であり、その場合、各々の屈折率と各々の容量比の積の
和により全体の透明粒子の屈折率とする。このように透
明粒子は使用する透明樹脂の屈折率との差が0.005
〜0.2の屈折率を有する必要がある。さらにこの屈折
率の差が0.01〜0.1のものが好ましい。屈折率の
差が0.005未満の時は光の屈折効果が減少するため
に出光面に対して十分な光の放射が得られず、また、
0.2を越えると光の分散効果が高くなりすぎるために
出光面全域にわたる均一な光放射が得られない。透明樹
脂と透明粒子のいずれの屈折率が高いかは問題ではな
く、差のみが重要である。 【0012】本発明において、透明粒子の長径および短
径は、それを水平板上に置いて得られる投影像の最長の
径(長径)と最短の径(短径)で定義する。 【0013】平均長径と平均短径は少くとも100個の
透明粒子についてそれぞれ長径と短径を測定し、それぞ
れの平均値を算出することによって求められる。透明粒
子の平均長径および平均短径はそれぞれ80μm以下お
よび1μm以上であり、特に平均長径が40μm以下で
平均短径が5μm以上のものが好ましい。平均短径が1
μm未満では取扱いが不便であるばかりでなく、成形品
中で分散不良を生じ易く、また平均長径が80μmを超
えるときは容量比を高める必要があり、成形の際に樹脂
組成物の流動にむらを生じて光学的、機械的性質が不均
一になる傾向があるので、好ましくない。 【0014】本発明において、透明樹脂に添加される透
明粒子としては、上記の条件を満足するもので、透明樹
脂との溶融混練の際にその性質が変質しないもの、ある
いは、変質して上記条件を満たすようになるもののいず
れもが使用可能である。具体的には、ガラス粒子、透明
な無機化合物粒子、透明樹脂粒子等を挙げることができ
る。透明粒子は、使用する透明樹脂により適宜選択して
使用される。 【0015】ガラス粒子は市場から容易に入手すること
ができるが、特に無アルカリのものが好ましい。好まし
い具体例としてはアルミニウム−ホウケイ酸ガラス
(「E−ガラス」)および石英ガラスの粉砕品やビーズ
が挙げられる。 【0016】透明樹脂として、ポリカーボネート樹脂を
用いる場合、ガラス粒子と溶融混合することにより成形
品が着色することがあるが、その場合には、有機リン化
合物を添加することにより着色を防止することができ
る。しかしながら、ガラス粒子の含有量が少なくなれ
ば、ポリカーボネートの着色もほとんど見られなくなる
ため、そのような場合には有機リン化合物の添加は必ず
しも必要ではない。このような有機リン化合物として
は、特公平3−62187号公報に記載のものが使用で
きる。 【0017】透明粒子の配合量は、先ず上記式(1)を
満足する必要がある。換言すれば、透明粒子と透明樹脂
の合計容積に対する透明粒子の容積比が0.01未満の
範囲内にある必要がある。形成する面発光体の形状が大
きくなるに従い、透明粒子の含有量は下げたほうが好ま
しい。 【0018】更に透明粒子の配合量は、上記式(2)で
表わされるf値が、10以下となる量割合である必要が
ある。10を超えると光源付近で入射した光が拡散して
しまい、均一な面発光は得られなくなる。本発明におい
ては平均粒径Rは R=(平均長径+平均短径)÷2 で定義する。 【0019】本発明においては、透明樹脂及び透明粒子
よりなる組成物を素材とするが、該素材には所望により
他の添加剤、例えば他の熱安定剤、光安定剤、紫外線吸
収剤、離型剤、染顔料等を本発明の効果を損わない量範
囲で添加しても良い。また、透明粒子はカップリング剤
などで表面処理してあってもよい。 【0020】本発明の成形品は射出成形、押出成形、吹
込成形など公知の成形方法の1種以上によって製造され
る。例えば射出成形によって最終形状の成形品とするこ
とにより、或は射出成形または押出成形によって前駆成
形体を得、更に該前駆成形体を吹込成形または熱成形も
しくは真空成形することにより最終形状の成形品とする
ことにより、製造される。上述の溶融成形においては、
透明樹脂及び透明粒子を予め溶融混合して得た組成物、
例えば、組成物ペレットを使用する。このペレット製造
においては、少くとも透明樹脂と透明粒子を夫々、分け
て押出機に投入することが望ましい。例えば、透明樹脂
をホッパーに入れ、その押出速度に対応して、透明粒子
をべント孔から連続的に投入する方法、或は透明樹脂と
透明粒子を別々に連続的にホッパーに投入する方法等を
用いることができる。 【0021】透明樹脂としてポリカーボネート樹脂を用
いる場合、有機リン化合物の投入方法は任意であるが、
ポリカーボネート樹脂と混合して投入する方法が便利で
ある。ペレットは前述の公知の成形方法に依って成形品
に成形する。 【0022】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。 【0023】透明樹脂として2,2-ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)プロパンから誘導されたポリカーボネート10
0重量部当たり0.1重量部のリン酸トリメチルを混合
した、屈折率1.58のポリカーボネート粉末に対し
て、表1に示す量比で屈折率1.56、平均粒径30μ
mのガラスビーズを用いて、押出機で溶融混練後押出し
て44mm×24mm×厚さ2,500μmの導光板を作製
した。 【0024】得られた導光板に対して、側面から入射し
た光がどれだけ均一に面上に放射されるかを、次の方法
により評価した。 【0025】導光板の短辺(24mm)に10mmの間
隔をあけて2個の発光ダイオード(緑色LED)を短辺
両面に計4個設置し、照光面以外の面には反射板として
白色プラスチック板を密着させ、試験サンプルとした。 【0026】図1に示すように、得られた試験サンプル
の照光面の3点(a,b,c)にて輝度を測定した。輝
度の測定には輝度計としてTOPCON社製「LIMI
NANCE METER BM−3」(商品名)を用い
た。結果を表1に示す。 【0027】 【表1】【0028】表1の結果から明らかなように、比較例1
では透明粒子としてのガラス粒子の含有率が高いため、
光源付近で光が拡散し輝度は高いが、中央付近のb点で
は輝度の低下が見られた。比較例2で用いた導光板はガ
ラス粒子は含有しておらず、ポリカーボネート単独から
なる樹脂板の表面にシボ加工を施し、手仕上げによるグ
ラデーション磨きを行ったものを用いた。このサンプル
は中央部(b)においては明るいが、両端部(a、b)
においては輝度の低下がみられ、肉眼に依ってもそのコ
ントラストが強いために輝度むらが目立っていた。これ
に対し、本発明による実施例1〜3のサンプルはほぼ均
一の輝度で発光していることが分かる。 【0029】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に面発光体
は、その表面に梨地加工などの特別の処理を施す必要が
なく、押し出し成形などの簡便な方法で作製することが
可能であり、量産化することができ、コスト低減を図る
ことができるものである。
イト等に用いられる面発光体に関する。 【0002】 【従来の技術】ワードプロセッサーやラップトップ型の
コンピュータ等の表示装置として、薄型で、しかも見や
すいバックライト機構を有する液晶表示装置が多く用い
られている。現在、これらのバックライトはパネルの直
下に複数個の冷陰極管等の発光体と光拡散板を配したも
の、あるいはエレクトロルミネッセンス(EL)面発光
体によるもの等が採用されている。しかしながら、前者
の構成では表示装置全体が厚型になり、後者のものでは
薄型のものを得ることはできても輝度が不十分である上
に寿命が比較的短く、また高価である等の問題がある。 【0003】一方、透光性板の側端部に線状光源を有す
る導光板方式(エッジライト方式)のバックライトも各
種試みられているが、端面より入光した光はそのままで
は面状に発光しないため、透光性板の出光面あるいはそ
の裏面またはその両方を梨地状に粗面化したり、裏面に
反射層を形成し、出光面に光拡散層を設ける、などの処
理が行われている。しかし、これらの方法では表示素子
の形状が大きくなるに従い、出光面全域にわたって均一
な輝度を得ることが難しくなる。そこで、出光面の対面
反射層を光源からの距離に応じて薄くする等の加工を施
し、光の光路を幾何学的に変えることが試みられている
が、このような方法は精密加工を必要とする特殊形状と
しなければならず、製造コストが高くなるという欠点を
有する。特に導光板を合成樹脂により製造する場合、こ
のような特殊形状に加工するには、操作の複雑なインジ
ェクション成形に依らなければならず、簡便な押し出し
成形で製造することは不可能であった。 【0004】これに対して、導光板の内部に光を散乱さ
せる物質を混入させ、導光板の側部から入射した光を上
面にむけて略点状に発光させることが特開平2−247
685公報及び特開平2−271304号公報等に記載
されている。しかしながら、これらの公報にはどのよう
な組成でどのように導光板を作製したかは全く記載され
ていない。 【0005】透明な材料中に光を散乱させる物質を混入
した成形品としては、特公平3−62187号公報にそ
の例が記載されている。この成形品は、光拡散透過用成
形品であり、例えば、看板、証明具、表示灯などの保護
カバーとして用いられるものである。該成形品は背面か
らの光を上面から拡散放射するものであるが、本発明の
目的とする側面からの入射光を上面に拡散出射する導光
板としては全く使用できないものである。その理由とし
て、側面から入射した光は、入射面近傍にてそのほとん
どが拡散して上面に放射されるため、入射面から遠ざか
るに従い拡散光量が低下し、出射面全域にわたって均一
な光量で放射することができないためである。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、出光面及び
その背面に特別な処理を施すことなく、側面から入射し
た光をこれと直行する光出射面全域にわたって均一に放
射することが可能な面発光体を提供することを目的とす
る。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討し、その結果、特公平3−62
187号公報におけるガラス粒子の量を減らすことによ
り、驚くべきことに、側面から入射した光がその直行す
る光出射面全域にわたって均一に放射されるという新た
な知見を得、又、その性質が材料に限定されることなく
特定の条件により得られるという知見を得て、本発明に
到達した。 【0008】即ち、本発明は、平板状の面発光体であっ
て、対向する2つの側端面を入射面とし、平板上面を光
出射面とする面発光体において、該面発光体が透明粒子
を均一に分散含有する透明樹脂組成物の溶融成形により
形成されてなる成形品であって、該透明樹脂組成物が少
なくとも(A)溶融成形可能な透明樹脂、及び(B)
(A)成分の屈折率との差が0.005〜0.2の屈折
率を有し、かつ平均長径80μm以下、平均短径1μm
以上の透明粒子よりなり、(B)成分が下記式(1)及
び(2) 【0009】 【数2】 を満足し、予め溶融混合されてなる樹脂組成物であるこ
とを特徴とする面発光体である。 【0010】基材として使用される溶融成形可能な透明
樹脂としては、従来公知の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹
脂が挙げられるが、好ましくは、ポリカーボネート樹
脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂
等が挙げられる。 【0011】本発明において用いる透明粒子は上記の透
明樹脂(A)の屈折率との差が0.005〜0.2の屈
折率を有し、かつ平均長径80μm以下、平均短径1μ
m以上の粒子である。この条件を満足する限りその形状
は特に限定されず、例えば球状、ラグビー球状、彗星
状、円筒状、多角形状などの形状をとることができる。
また、2種以上の透明粒子を混合して用いることも可能
であり、その場合、各々の屈折率と各々の容量比の積の
和により全体の透明粒子の屈折率とする。このように透
明粒子は使用する透明樹脂の屈折率との差が0.005
〜0.2の屈折率を有する必要がある。さらにこの屈折
率の差が0.01〜0.1のものが好ましい。屈折率の
差が0.005未満の時は光の屈折効果が減少するため
に出光面に対して十分な光の放射が得られず、また、
0.2を越えると光の分散効果が高くなりすぎるために
出光面全域にわたる均一な光放射が得られない。透明樹
脂と透明粒子のいずれの屈折率が高いかは問題ではな
く、差のみが重要である。 【0012】本発明において、透明粒子の長径および短
径は、それを水平板上に置いて得られる投影像の最長の
径(長径)と最短の径(短径)で定義する。 【0013】平均長径と平均短径は少くとも100個の
透明粒子についてそれぞれ長径と短径を測定し、それぞ
れの平均値を算出することによって求められる。透明粒
子の平均長径および平均短径はそれぞれ80μm以下お
よび1μm以上であり、特に平均長径が40μm以下で
平均短径が5μm以上のものが好ましい。平均短径が1
μm未満では取扱いが不便であるばかりでなく、成形品
中で分散不良を生じ易く、また平均長径が80μmを超
えるときは容量比を高める必要があり、成形の際に樹脂
組成物の流動にむらを生じて光学的、機械的性質が不均
一になる傾向があるので、好ましくない。 【0014】本発明において、透明樹脂に添加される透
明粒子としては、上記の条件を満足するもので、透明樹
脂との溶融混練の際にその性質が変質しないもの、ある
いは、変質して上記条件を満たすようになるもののいず
れもが使用可能である。具体的には、ガラス粒子、透明
な無機化合物粒子、透明樹脂粒子等を挙げることができ
る。透明粒子は、使用する透明樹脂により適宜選択して
使用される。 【0015】ガラス粒子は市場から容易に入手すること
ができるが、特に無アルカリのものが好ましい。好まし
い具体例としてはアルミニウム−ホウケイ酸ガラス
(「E−ガラス」)および石英ガラスの粉砕品やビーズ
が挙げられる。 【0016】透明樹脂として、ポリカーボネート樹脂を
用いる場合、ガラス粒子と溶融混合することにより成形
品が着色することがあるが、その場合には、有機リン化
合物を添加することにより着色を防止することができ
る。しかしながら、ガラス粒子の含有量が少なくなれ
ば、ポリカーボネートの着色もほとんど見られなくなる
ため、そのような場合には有機リン化合物の添加は必ず
しも必要ではない。このような有機リン化合物として
は、特公平3−62187号公報に記載のものが使用で
きる。 【0017】透明粒子の配合量は、先ず上記式(1)を
満足する必要がある。換言すれば、透明粒子と透明樹脂
の合計容積に対する透明粒子の容積比が0.01未満の
範囲内にある必要がある。形成する面発光体の形状が大
きくなるに従い、透明粒子の含有量は下げたほうが好ま
しい。 【0018】更に透明粒子の配合量は、上記式(2)で
表わされるf値が、10以下となる量割合である必要が
ある。10を超えると光源付近で入射した光が拡散して
しまい、均一な面発光は得られなくなる。本発明におい
ては平均粒径Rは R=(平均長径+平均短径)÷2 で定義する。 【0019】本発明においては、透明樹脂及び透明粒子
よりなる組成物を素材とするが、該素材には所望により
他の添加剤、例えば他の熱安定剤、光安定剤、紫外線吸
収剤、離型剤、染顔料等を本発明の効果を損わない量範
囲で添加しても良い。また、透明粒子はカップリング剤
などで表面処理してあってもよい。 【0020】本発明の成形品は射出成形、押出成形、吹
込成形など公知の成形方法の1種以上によって製造され
る。例えば射出成形によって最終形状の成形品とするこ
とにより、或は射出成形または押出成形によって前駆成
形体を得、更に該前駆成形体を吹込成形または熱成形も
しくは真空成形することにより最終形状の成形品とする
ことにより、製造される。上述の溶融成形においては、
透明樹脂及び透明粒子を予め溶融混合して得た組成物、
例えば、組成物ペレットを使用する。このペレット製造
においては、少くとも透明樹脂と透明粒子を夫々、分け
て押出機に投入することが望ましい。例えば、透明樹脂
をホッパーに入れ、その押出速度に対応して、透明粒子
をべント孔から連続的に投入する方法、或は透明樹脂と
透明粒子を別々に連続的にホッパーに投入する方法等を
用いることができる。 【0021】透明樹脂としてポリカーボネート樹脂を用
いる場合、有機リン化合物の投入方法は任意であるが、
ポリカーボネート樹脂と混合して投入する方法が便利で
ある。ペレットは前述の公知の成形方法に依って成形品
に成形する。 【0022】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。 【0023】透明樹脂として2,2-ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)プロパンから誘導されたポリカーボネート10
0重量部当たり0.1重量部のリン酸トリメチルを混合
した、屈折率1.58のポリカーボネート粉末に対し
て、表1に示す量比で屈折率1.56、平均粒径30μ
mのガラスビーズを用いて、押出機で溶融混練後押出し
て44mm×24mm×厚さ2,500μmの導光板を作製
した。 【0024】得られた導光板に対して、側面から入射し
た光がどれだけ均一に面上に放射されるかを、次の方法
により評価した。 【0025】導光板の短辺(24mm)に10mmの間
隔をあけて2個の発光ダイオード(緑色LED)を短辺
両面に計4個設置し、照光面以外の面には反射板として
白色プラスチック板を密着させ、試験サンプルとした。 【0026】図1に示すように、得られた試験サンプル
の照光面の3点(a,b,c)にて輝度を測定した。輝
度の測定には輝度計としてTOPCON社製「LIMI
NANCE METER BM−3」(商品名)を用い
た。結果を表1に示す。 【0027】 【表1】【0028】表1の結果から明らかなように、比較例1
では透明粒子としてのガラス粒子の含有率が高いため、
光源付近で光が拡散し輝度は高いが、中央付近のb点で
は輝度の低下が見られた。比較例2で用いた導光板はガ
ラス粒子は含有しておらず、ポリカーボネート単独から
なる樹脂板の表面にシボ加工を施し、手仕上げによるグ
ラデーション磨きを行ったものを用いた。このサンプル
は中央部(b)においては明るいが、両端部(a、b)
においては輝度の低下がみられ、肉眼に依ってもそのコ
ントラストが強いために輝度むらが目立っていた。これ
に対し、本発明による実施例1〜3のサンプルはほぼ均
一の輝度で発光していることが分かる。 【0029】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に面発光体
は、その表面に梨地加工などの特別の処理を施す必要が
なく、押し出し成形などの簡便な方法で作製することが
可能であり、量産化することができ、コスト低減を図る
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において、輝度測定の際の測定点を説明
するための斜視図である。
するための斜視図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F21V 8/00
G02F 1/13357
G02B 6/00
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 平板状の面発光体であって、対向する2
つの側端面を入射面とし、平板上面を光出射面とする面
発光体において、該面発光体が透明粒子を均一に分散含
有する透明樹脂組成物の溶融成形により形成されてなる
成形品であって、該透明樹脂組成物が少なくとも(A)
溶融成形可能な透明樹脂、及び(B)(A)成分の屈折
率との差が0.005〜0.2の屈折率を有し、かつ平
均長径80μm以下、平均短径1μm以上の透明粒子よ
りなり、(B)成分が下記式(1)及び(2) 【数1】を満足し、予め溶融混合されてなる樹脂組成物であるこ
とを特徴とする面発光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12867193A JP3478562B2 (ja) | 1993-05-31 | 1993-05-31 | 面発光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12867193A JP3478562B2 (ja) | 1993-05-31 | 1993-05-31 | 面発光体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06338206A JPH06338206A (ja) | 1994-12-06 |
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-
1993
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JPH06338206A (ja) | 1994-12-06 |
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