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JP3474007B2 - 有機官能基含有オルガノポリシロキサンの製造方法 - Google Patents

有機官能基含有オルガノポリシロキサンの製造方法

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JP3474007B2
JP3474007B2 JP27200094A JP27200094A JP3474007B2 JP 3474007 B2 JP3474007 B2 JP 3474007B2 JP 27200094 A JP27200094 A JP 27200094A JP 27200094 A JP27200094 A JP 27200094A JP 3474007 B2 JP3474007 B2 JP 3474007B2
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organopolysiloxane
hydrolysis
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organic
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JP27200094A
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正明 山谷
和之 松村
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機官能基含有オルガノ
ポリシロキサンの製造方法、特に反応活性の高い有機官
能基を含有しており、二量体等のオリゴマーからレジン
状までの多様なオルガノポリシロキサンを製造する方法
に関する。これらのオルガノポリシロキサンはレジン状
の粉末の場合には、多孔質化が可能であり、カラム等の
充填剤、各種酵素、金属化合物などの担持用固体として
有用であり、オリゴマーあるいはポリマーの場合には塗
料、コーティング材料、封止材、電気絶縁材、難燃剤と
して使用できる。さらに、これらの材料に本発明の有機
官能基と反応し得る化合物を含む場合には、本発明のオ
ルガノポリシロキサンは架橋剤としても使用できる。
【0002】
【従来の技術】有機官能基含有ケイ素系粉末物質の製造
方法については、すでに多くの提案が行なわれており、
これについてはテトラアルコキシシランとオルガノアル
コキシシランとをアンモニア触媒の存在下に共加水分解
−重縮合する方法(特開平4−114065号公報参
照)、この反応をフッ酸触媒の存在下で行なう方法(特
開昭62−166887号公報参照、日本化学会誌19
83(11)、P.1,577〜1,582参照)など
が知られている。
【0003】一方、ポリシルセスキオキサンを製造する
方法として、メチルトリメトキシシランのようなアルコ
キシシランを加水分解、縮合させる方法が知られてお
り、この場合、酸、塩基あるいはシラノール基含有化合
物を触媒として用いる手法が数多く報告されている。例
えば、特開昭60−118715号公報では酸触媒で加
水分解し、次いで系を塩基性とし、縮合反応を行ってい
る。また、特開昭61−854号公報ではトリアルコキ
シシランの部分加水分解縮合物を触媒として加水分解、
縮合反応を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば、上記
有機官能基含有ケイ素粉末を製造する上記の方法には、
(1)有機官能基の均一分散、分布(細孔内)、(2)
反応活性な有機官能基の保持、(3)多孔質性、(4)
操作性に問題点のあることが知られている。すなわち、
この(1)については、二酸化ケイ素粉末にシランカッ
プリング剤を噴霧処理する乾式法では均一に細孔内まで
処理することが不可能であるために、均一に分散、分布
するには湿式法(特に共加水分解)が良いとされてお
り、(2)については例えばエポキシ基のような高活性
の有機官能基含有ケイ素系粉末物質を製造する場合に、
酸あるいはアルカリ触媒を用いると有機官能基が破壊さ
れて失活してしまう問題点がある。(3)についてはゲ
ル化まで長時間を要する方法ではケイ素系粉末物質が徐
々に堆積するために余り多孔質なものが得られないが、
HFを用いると極めて短時間でゲル化が終了するのでケ
イ素系粉末物質を多孔質なものとして得ることができる
ことが知られているが、これには(4)の操作上の危険
性、などの問題点があるという難点がある。
【0005】また、エポキシ基に代表されるような反応
活性に富む官能基を含有するアルコキシシランを加水分
解、縮合させて、エポキシ基含有オルガノポリシロキサ
ンを製造する場合、前記の技術では次の如き欠点があ
る。 (1)多量の酸(シラノールも含む)あるいは塩基触媒
を含む系では、エポキシ基はH+による親電子作用ある
いは塩基による求核攻撃を受け、容易に開環あるいは重
合してしまい、安定にエポキシ基を残すことができな
い。 (2)一方、希薄濃度の酸あるいは塩基触媒を含む系で
は、加水分解、縮合反応自体が進行しずらくなり、また
加水分解反応によって発生したシラノール基が安定化す
るため、長時間反応を行う間に酸性を示すシラノール基
によってエポキシ基が開環するおそれがある。 (3)酸あるいは塩基触媒系では、反応終了後も縮合性
のあるシラノール基が多量に残存し、経時変化(例え
ば、増粘、ゲル化)を起こす場合がある。 (4)酸性、塩基性物質は腐食性物質のものが多いの
で、反応器材の腐食に対する技術的配慮が不可欠であ
り、また酸性、塩基性物質の安全性も高いとは言えな
い。
【0006】このように従来の技術ではエポキシ基を安
定に含有させ、かつ経時変化もなく操作性、安全性の点
で問題なく優れたエポキシ基含有オルガノポリシロキサ
ンを得ることは困難である。
【0007】しかも、酸性又は塩基性触媒を使用する系
で加水分解を行い、アルコキシ基を一定量残すために
は、添加水量を調節して部分加水分解を実施する必要が
あるが、水を大過剰とした系でも縮合の反応速度が遅い
ので、部分加水分解をする場合には、さらに縮合度が低
くなり、所望の重合度のものを、設計通り合成すること
が困難である。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、前
記した従来の欠点を解決すべく検討した結果、 a)有機官能基含有アルコキシシラン単独、あるいは b)上記有機官能基含有アルコキシシランと、アルコキ
シ基含有シラン化合物、アルコキシ基含有オルガノポリ
シロキサン並びにこれらのシラン化合物及びオルガノポ
リシロキサンを加水分解して得られるシリコーン化合物
から得られる少なくとも一種の化合物との混合物を、実
質的に中性の含フッ素化合物の存在下に加水分解、縮合
させた場合には、有機官能基及び/又はアルコキシ基あ
るいはシラノール基を含む各種オルガノポリシロキサン
を容易に製造出来ることを見出した。従って、本発明の
目的は操作性や安定性に優れた実質的に中性の反応系
で、有機官能基を含む各種オルガノポリシロキサンであ
って、場合によりアルコキシ基あるいはシラノール基を
さらに有機官能基と共に含むオルガノポリシロキサンを
製造する方法を提供することである。
【0009】すなわち、本発明者らは前記した従来技術
の問題点を解決することができるオルガノポリシロキサ
ンの製造方法を開発すべく種々検討した結果、有機官能
基を含有するアルコキシシラン単独、あるいはこの有機
官能基含有アルコキシシランとアルコキシ基含有シラン
化合物、アルコキシ基含有オルガノポリシロキサン及び
これらのシラン化合物及び/又はオルガノポリシロキサ
ンから得られるシリコーン化合物から選ばれる少なくと
も一種の化合物との混合物を加水分解、(重)縮合して
有機官能基含有オルガノポリシロキサンを製造するに際
して、加水分解・縮合触媒として実質的に中性の含フッ
素化合物、すなわち、分子内にSi−F結合を少なくと
も一個含有するフッ素含有ケイ素化合物あるいはフッ化
物の存在下に、目的に応じて適量の水又は含水有機溶媒
中で反応させると、液状あるいはオイル状のオリゴマー
から粉末状の幅広い状態の有機官能基を有するオルガノ
ポリシロキサンを得ることが出来ることを見出した。
【0010】本発明の方法により、例えば、有機官能基
含有オルガノポリシロキサンの粉末物質を得た場合、
1)細孔内部まで均一に官能基を分散させることがで
き、2)使用触媒は実質的に中性であるので反応性に富
む有機官能基も安定に組成化することが可能であり、
3)本発明で使用する含フッ素化合物触媒を用いるとH
F以上にゲル化時間が短くなるので反応時間を短縮する
ことが出来、さらに4)使用触媒は実質的に中性である
ので操作上の危険性もない、という利点がある。この場
合、得られる粉末物質は多孔性の微細な固体であり、カ
ラムの充填剤や各種酵素、金属化合物の担持用固体とし
て有用で有ることを確認した。
【0011】さらに、例えば、エポキシ基等の反応性の
高い有機官能基を有するアルコキシシランを上記含フッ
素化合物触媒の存在下で加水分解、縮合させれば反応活
性に富むエポキシ基等の基を損なうことなく安定に含有
した有機官能基含有オルガノポリシロキサンが得られ
る。この加水分解、縮合は速やかに進行し、反応系に添
加する水の量を調整することにより原料中に存在するア
ルコキシ基を完全に消失させたポリマーあるいはレジ
ン、又はアルコキシ基を一部残存させたオリゴマーある
いはポリマーも得ることが出来る。前者のポリマーある
いはレジンの場合、加水分解時又は加水分解後にモノア
ルコキシシランを添加すれば、ポリマー中に残存するシ
ラノール基をシリル化でき、得られた有機官能基含有オ
ルガノポリシロキサンはより安定化して、経時変化が殆
ど無いオルガノポリシロキサンが得られることを知見し
た。
【0012】本発明の前記目的は、加水分解・縮合触媒
として実質的に中性の含フッ素化合物を用いることを特
徴とする下記平均組成式(1)で表される有機官能基含
有するオルガノポリシロキサンの製造方法 Ym1 nSi(OR2)p(4-m-n-p)/2 ……(1) (式中、Yは置換あるいは非置換のアルケニル基、エポ
キシ基、(メタ)アクリロキシ基、アミノ基、メルカプ
ト基、水酸基、シロキシ基、エーテル基、ケトン基、エ
ステル基あるいは燐を含有する有機基、並びにポリ(ビ
ニル芳香族)単位、ポリエーテル単位及びポリアミド単
位を含む有機基から選択される官能基、R1は少なくと
も一種の炭素原子数1〜8の置換あるいは非置換炭化水
素基、R2は水素原子並びに炭素原子数1〜4のアルキ
ル基及びアルケニル基から選ばれる原子又は有機基、m
は0<m≦1、nは0≦n<2、pは0≦p≦2、但し
0<m+n+p≦3をそれぞれ満たす数である。)によ
り達成される。なお、本発明で言う”実質的に中性”の
含フッ素化合物とは含フッ素化合物それ自体がpHとし
て実質的に中性を示すことを意味するのではなく、水に
溶解した場合、F-イオンの対イオンがH+以外のイオン
である化合物を意味し、酸であるHFが中和されたもの
であり、弱酸性あるいは弱アルカリ性を示してもよい。
【0013】加水分解される原料としては、下記一般式
(2)で表される有機官能基含有アルコキシシラン Y−SiR1 a(OR23-a ……(2) (式中、Y、R1、R2はそれぞれ上記と同様な意味を有
し、aは0≦a≦2の範囲の整数を表す。)、又は上記
一般式(2)で表される有機官能基含有シラン化合物
と、下記一般式(3)で表されるアルコキシ基含有シラ
ン化合物、下記一般式(4)で表されるアルコキシ基含
有オルガノポリシロキサン及び下記一般式(3)のシラ
ン化合物と下記一般式(4)のアルコキシ基含有オルガ
ノシロキサンとの部分あるいは完全加水分解物の中から
選ばれる化合物との混合物 (R1)bSi(OR2)4-b ……(3) R1 cSiO(4-c-d)/2(OR2d ……(4) (式中、R1、R2はそれぞれ上記と同様な意味を有す
る、bは0≦b≦3を満たす整数、cは0≦c≦2を満
たす数、dは0.01≦d≦3を満たす正数、但し0.
01≦c+d≦3である。)が、使用される。
【0014】特に、式(1)のYがエポキシ基含有有機
あるいは(メタ)アクリロキシ基含有有機基で有るも
のはその高い反応性から各種用途があり好ましい。
【0015】本発明は上記知見に基づき完成したもので
ある。以下、本発明をさらに詳述する。本発明は実質的
に中性の含フッ素化合物を加水分解触媒として使用する
ことを特徴とする前記組成式(1)の有機官能基含有オ
ルガノポリシロキサンの製造方法であるが、まず加水分
解する原料を記載する。
【0016】原料としては、下記一般式(2)で表され
る有機官能基含有アルコキシシラン Y−SiR1 a(OR23-a ……(2) (式中、Yは置換あるいは非置換のアルケニル基、エポ
キシ基、(メタ)アクリロキシ基、アミノ基、メルカプ
ト基、水酸基、シロキシ基、エーテル基、ケトン基、エ
ステル基及び燐原子をそれぞれ含有する有機基、並びに
(ビニル芳香族)繰り返し単位、エーテル繰り返し単位
及びアミド繰り返し単位をそれぞれ含有する有機基から
選択される基、R1は少なくとも一種の炭素原子数1〜
8の置換あるいは非置換炭化水素基、R2は水素原子並
びに炭素原子数1〜4のアルキル基及びアルケニル基か
ら選ばれる原子又は有機基、aは0≦a≦2の範囲の整
数を表す。)を単独で使用するか、または上記一般式
(2)で表される有機官能基含有シラン化合物と、下記
一般式(3)で表されるアルコキシ基含有シラン化合
物、下記一般式(4)で表されるアルコキシ基含有オル
ガノポリシロキサン及び下記一般式(3)のシラン化合
物と下記一般式(4)のアルコキシ基含有オルガノシロ
キサンとの部分あるいは完全加水分解物の中から選ばれ
る少くとも1つの化合物との混合物 (R1)bSi(OR2)4-b ……(3) R1 cSiO(4-c-d)/2(OR2d ……(4) (式中、R1、R2はそれぞれ上記と同様な意味を有す
る、bは0≦b≦3を満たす整数、cは0≦c≦2を満
たす数、dは0.01≦d≦3を満たす正数で、但し
0.01≦c+d≦3である。)を、前記含フッ素化合
物の存在下で加水分解、(重)縮合させる。
【0017】上記一般式(2)のオルガノアルコキシシ
ランのYで表される非置換あるいは置換アルケニル基を
含有する基とは炭素数2〜10の低級アルケニル基で例
えば、−CH=CH2、−CH2CH=CH2、CH2=C
H(CH24−、CH2=CH(CH28−等であり、
フッ素等のハロゲン原子で置換されていてもよい。同様
に、エポキシ基含有有機基とは下記式で示されるものを
挙げることができる。
【0018】
【化1】
【0019】このようなエポキシ基含有有機基として
は、具体的には下記のものを例示できる。
【0020】
【化2】
【0021】(メタ)アクリロイル基含有有機基は下記
一般式で表されるものが挙げられる。
【0022】
【化3】CH2=CHCOOR4− CH2=C(CH3)HCOOR4− (式中、R4は炭素数1〜8の2価の炭化水素基であ
る。)
【0023】アミノ基含有有機基は下記一般式で表され
るものが挙げられる。
【0024】
【化4】H2NR5−、R6HNR5−、 R7 2NR5− (式中、R5はNH基を介在していてもよい炭素数1〜
10のアルキレン基、R6及びR7はそれぞれ炭素数1〜
10のアルキル基、フェニル基あるいはベンジル基を表
す。)
【0025】具体的アミノ基含有有機基としては下記の
ものが挙げられる。H2N(CH23−、C65NH
(CH23−、H2N−(CH210−C65CH2NH
(CH23−、CH3NH(CH23−、−(CH23
N(CH3)2
【0026】メルカプト基含有有機基は、具体的には−
36SH及び−C24−C64−CH2SHである。
【0027】水酸基含有有機基は−R8−OHで表され
る(式中、R8は炭素数3〜10のアルキレン基であ
る。)
【0028】シロキシ基含有有機基は、下記一般式で示
されるものが例示される。
【0029】
【化5】
【0030】具体例としては、−O−Si(CH33
−O−SiH(CH32、−O−Si(CH32−CH
=CH2、−O−Si(CH3265、−O−(Si
(CH32O)10−Si(CH33、−O−(Si(C
32−O)20−Si(OCH33が挙げられる。
【0031】エーテル基を含む有機基とは、一般式R10
−O−R11−で示される基でる(式中、R10は炭素数1
〜10のアルキル基あるいはアルケニル基であり、R11
はエーテル結合を含む炭素数1〜10のアルキレン基で
ある。具体的な有機基としては、CH2=C(CH3)−
OCH2CH2O(CH23−、CH2=CH−CH2−O
CH2CH2−O−(CH23−等である。
【0032】ケトン結合含有有機基とは、一般式R12
(O)CR13−で表される基である(式中、R12は水素
あるいは炭素数1〜10アルキル基、R13はカルボン酸
残基を含んでいてもよい炭素数2〜10のアルキレン基
である。)具体的なケトン結合含有基は下記化6で示す
基である。
【0033】
【化6】
【0034】エステル基含有有機基とは、一般式R14
OO−で表される基である (式中、R14は炭素数1〜18のアルキル基、アルケニ
ル基である。)具体的な基としては、C1735−COO
−(CH23−、CH2=CH−(CH215−COO−
(CH23−である。
【0035】燐を含む有機基とは、下記一般式の基であ
る。−(CH2n−P(R15)(R16) (式中、R15、R16はそれぞれ炭素数1〜6の飽和ある
いは不飽和の一価炭化水素で有り、nは1〜10の整数
である。)
【0036】(ビニル芳香族)繰り返し単位を含む有機
基とは下記一般式の繰り返し単位を有する基あるいはポ
リマー部分である。
【0037】
【化7】
【0038】エーテル繰り返し単位を含む基とは、一般
式−(Cm2m−O)n−の繰り返し単位を有する基ある
いはポリマー部分である (式中m=1〜4、n=2〜1.0×103
【0039】アミド繰り返し単位を有する有機基とは、
ポリカプラミド繰り返し単位、ポリへキサメチレンアヂ
ポミド繰り返し単位、ポリへキサメチレンセバカミド繰
り返し単位、ポリ−ω−アミノヘプタン酸繰り返し単
位、ポリ−ωーアミノノナン酸繰り返し単位等であり、
重合度は2〜1.0×103程度である。
【0040】前記各式中、R1は炭素数1〜8の置換又
は非置換の一価炭化水素基であり、具体的には、−CH
3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3、−CH(C
32、−CH2CH2CH2CH3、−CH(CH3)C
2CH3、−CH2CH(CH3)CH3、−C(CH3
3、−C(CH32−CH2CH3、−C65などが例示
され、これらの基はハロゲン原子等で置換されていても
よい。
【0041】また、R2は水素原子、低級アルキル基又
は低級アルケニル基であり、低級アルキル基としては特
に炭素数1〜5、低級アルケニル基としては炭素数2〜
5のものが挙げられ、具体的には、−H、−CH3、−
CH2CH3、−CH2CH2CH3、−CH(CH32
−CH2CH2CH2CH3、−CH(CH3)CH2
3、−CH2CH(CH3)CH3、−C(CH33、−
CH=CH2、−CH2CH=CH2、−C(CH3)=C
2などが例示される。これらの基Hハロゲン原子等で
置換されていてもよい。
【0042】また一般式(2)のaは0〜2の整数であ
る。これらの具体的な化合物を例示する。
【0043】CH2=CHSi(OCH33、CH2=C
HSi(CH3)(OCH32、CH2=CHSi(OC
2CH33、CH2=CHSi(CH3)(OCH2CH
32、CH2=CHCH2Si(OCH33、CH2=C
HCH2Si(CH3)(OCH32、CH2=CHSi
(OCH2CH33、CH2=CHCH2Si(CH3
(OCH2CH32、CH2=CH(CH24Si(OC
33、CH2=CH(CH24Si(CH3)(OCH
32 CH2=CH(CH24Si(OCH2CH33 、 CH
2=CH(CH24Si(CH)3(OCH2CH32
CH2=CH(CH28Si(OCH33 、CH2=C
H(CH28Si(OCH2CH33、CH2=CHO
(CH23Si(OCH33、 CH2=CHO(C
23Si(OCH2CH33
【0044】
【化8】
【0045】
【化9】
【0046】
【化10】
【0047】
【化11】
【0048】
【化12】
【0049】
【化13】
【0050】
【化14】
【0051】
【化15】
【0052】
【化16】
【0053】
【化17】
【0054】
【化18】
【0055】
【化19】
【0056】HS(CH23Si(OCH33、HS
(CH23Si(OCH2CH33、HS(CH23
i(CH3)(OCH32、HS(CH23Si(C
3)(OCH2CH32、CH3O(CH2CH2O)10
(CH23Si(OCH33、CH3O(CH2CH
2O)100(CH23Si(OCH2CH33
【0057】
【化20】
【0058】
【化21】
【0059】(C652P(CH22Si(OCH3
3、(C652P(CH22Si(OCH2CH33
(C652P(CH23Si(OCH33、(C
652P(CH23Si(OCH2CH33、(C
32N(CH23Si(OCH33、(CH32
(CH23Si(OCH2CH33、(CH3CH2CH2
CH22N(CH23Si(OCH33、(CH3CH2
CH2CH22N(CH23Si(OCH2CH33
【0060】H2N(CH22NH(CH23Si(O
CH33、H2N(CH22NH(CH23Si(OC
2CH33、H2N(CH22NH(CH23Si(C
3)(OCH32、H2N(CH22NH(CH23
i(CH3)(OCH2CH32、H2N(CH26NH
(CH23Si(OCH33、H2N(CH26NH
(CH23Si(OCH2CH33 、H2N(CH22
NHCH2−C64−(CH22Si(OCH33、H2
N(CH22NHCH2−C64−(CH22Si(O
CH2CH33、H2N(CH22NH(CH22NH
(CH23Si(OCH33、H2N(CH22NH
(CH22NH(CH23Si(OCH2CH33、H2
N−C64−Si(OCH33、H2N−C64−Si
(OCH2CH33
【0061】CH2=C(CH3)OCH2CH2O(CH
23Si(OCH33、CH2=C(CH3)OCH2
2O(CH23Si(OCH2CH33
【0062】
【化22】
【0063】
【化23】
【0064】CH3NH(CH23Si(OCH33
CH3NH(CH23Si(OCH2CH33、(CH3
O)3Si(CH23NH(CH22NH(CH23
i(OCH33、(CH3CH2O)3Si(CH23
H(CH22NH(CH23Si(OCH2CH33
(CH3O)3Si(CH23NH(CH23Si(OC
33、(CH3CH2O)3Si(CH23NH(C
23Si(OCH2CH33
【0065】
【化24】
【0066】
【化25】
【0067】[(CH33SiO]−Si(OC
33、[(CH33SiO]2−Si(OCH32
[(CH33SiO]3−SiOCH3、[(CH33
iO]−Si(OCH2CH33、[(CH33Si
O]2−Si(OCH2CH32、[(CH33SiO]
3−SiOCH2CH3
【0068】上記有機官能基含有アルコキシシラン類は
単独あるいは混合物として使用できるが、混合物で使用
する場合、同種の官能基を有するものとの混合物とする
ことが好ましい。
【0069】上記有機基の内、水素原子各基及び燐をそ
れぞれ含有する基は、最終製品であるポリオルガノシロ
キサンに存在して反応性基として作用するが、ポリマー
繰り返し単位を有する基は、反応性基と言うよりむしろ
ポリオルガノシロキサンを、例えば、他の樹脂と用いる
組成物として使用する場合に前記繰り返し単位を有する
ポリオルガノポリシロキサンは他樹脂との相溶性を著し
く改善する作用を有する。
【0070】式(2)の各種有機官能基含有アルコキシ
シランの内、エポキシ基あるいは(メタ)アクリロキシ
基を含む官能基含有アルコキシシラン類は特に好まし
い。エポキシ基としては、特にγーグリシドキシプロピ
ルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、2−[3、4−エポキシシクロヘキシ
ル]エチルトリメトキシシラン及び2−[3、4−エポ
キシシクロヘキシル]エチルメチルジエトキシシランが
好ましく、(メタ)アクリロイル基を含む官能基含有ア
ルコキシシランとしては、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメ
トキシシラン及びγ−アクリロキシプロピルメチルジメ
トキシシランが好ましい。
【0071】本発明では、有機官能基含有アルコキシシ
ランを含フッ素化合物触媒の存在下に加水分解・縮合反
応させれば、式(1)の有機官能基含有オルガノポリシ
ロキサンは得られるが、必要により、(イ)前記一般式
(3)のアルコキシ基含有シラン化合物、(ロ)前記一
般式(4)のアルコキシ基含有ジシロキサン及び(ハ)
上記シラン化合物及び/又は上記ジシロキサン化合物を
加水分解してポリマー化したものから選ばれる少なくと
も一種の化合物と組み合わせて使用できる。
【0072】一般式(3)において、R1、R2で表され
る基はそれぞれ式(2)に関連して例示したものと同様
なものであり、bは0、1、2、3整数である。従っ
て、一般式(3)のアルコキシシランはモノ、ジ、トリ
及びテトラアルコキシシランを表している。これらのア
ルコキシシランは後述する目的に応じてその少なくとも
一種を使用することが出来る。これらのアルコキシシラ
ンの具体例を以下に示す。
【0073】
【化26】
【0074】
【化27】
【0075】
【化28】
【0076】
【化29】
【0077】
【化30】
【0078】
【化31】
【0079】
【化32】
【0080】
【化33】
【0081】
【化34】
【0082】
【化35】
【0083】
【化36】
【0084】次に、一般式(4)のオルガノシロキサン
を例示する。
【0085】
【化37】
【0086】
【化38】
【0087】
【化39】
【0088】
【化40】
【0089】
【化41】
【0090】さらに、一般式(3)のシラン化合物と一
般式(4)のアルコキシ基含有ジシロキサンとを加水分
解してポリマーとしたシリコーン化合物も使用できる。
この場合、シラン化合物とアルコキシ基含有ジシロキサ
ンの使用割合はモル比で100:1〜1:100であ
り、重合度は1×103程度までのポリマーあるいはレ
ジンとしてもよい。
【0091】このシリコーンポリマーの構造は直鎖状、
分岐状、環状及びこれらが複合したものの何れであって
も良い。また、上記以外のものとして、例えば、シリコ
ーン樹脂として市販されているもののうち、炭素数1〜
4のアルコキシ基を含有しているものも使用可能であ
る。この場合、上記市販のシリコーン樹脂はシラノール
基を部分的に含有していても本発明のアルコキシ基含有
シリコーンとして使用可能である。
【0092】さらに、本発明においては、末端がシラノ
ール基のみのシリコーン樹脂も必要に応じて併用するこ
とが出来る。このような樹脂は例えば、商品名KR−2
82、KR−311として信越化学工業(株)より入手
可能である。
【0093】なお、これらのアルコキシ基含有シラン、
アルコキシ基含有シロキサン及び/又はシリコーン化合
物を使用する場合、それぞれ一種あるいは二種以上の混
合物として使用可能である。
【0094】前述の通り、前記一般式(2)で示される
少なくとも一種の有機官能基含有アルコキシシランは単
独で使用できるが、アルコキシ基含有シラン、アルコキ
シ基含有オルガノシロキサン及び/又はシリコーン化合
物と混合する場合、その混合比率は特に限定されるもの
でない。好ましくは、有機官能基含有アルコキシシラン
の割合は0.1〜100重量%であり、さらに好ましくは、1
〜100重量%である。すなわち、混合割合が0.1重量%未
満では、有機官能基が均一に最終オルガノポリシロキサ
ンに分布せず、相溶性及び反応性に劣り、好ましくな
い。上記範囲で使用するアルコキシ基含有シラン、アル
コキシ基含有ジシロキサン及び/又はシリコーン化合物
の種類及び量、触媒の量並びに加水分解用の水の量を適
宜調整すれば、所望の形態、すなわち、粉末固体、オイ
ル状あるいは液状の有機官能基含有オルガノポリシロキ
サンが得られる。
【0095】上記アルコキシ基含有シラン、アルコキシ
基含有ジシロキサン及び/又はシリコーン化合物ではは
アルコキシ基を加水分解基として使用しているが、他の
加水分解基、例えばオキシム基等を利用しても同様な結
果は得られるが、反応性、原料の入手性、経済性等の点
から本発明では前述アルコキシ基含有シラン、シロキサ
ンを使用する。なお、代表的な、使用可能であるオキシ
ム基としては−0−N=(CH3)−CH2CH3を例示
することが出来る。
【0096】次に、本発明の特徴である、加水分解・縮
合触媒である、含フッ素化合物について記載する。
【0097】本発明で使用する含フッ素化合物としては
第4アンモニウム塩化合物を含む含フッ素無機塩化合物
及び分子内に少なくとも一つのSi−F結合を有する含
フッ素無機、有機化合物の何れでも使用することが出来
る。
【0098】含フッ素無機塩化合物としては、例えば、
LiF、NaF、KF、CsFなどの1A族元素のフッ
素含有塩化合物、BeF2、MgF2、CaF2、Sr
2、BaF2などの2A族元素のフッ素含有塩化合物、
BF3、AlF3、GaF3、InF3、などの3B族元素
のフッ素含有塩化合物、TiF4、CuF2、ZnF4
SnF4、PdF3、SbF3、CrF3、YF3などの金
属元素のフッ素含有塩化合物、LaF3、CeF3、Pr
3、NdF3、SmF3、EuF3、GdF3、TbF3
DyF3、HoF3、ErF3などのランタノイド系のフ
ッ素含有塩化合物などを挙げることができるが、これら
の水和物でもよい。また、上記フッ化塩化合物がシリカ
ゲル、アルミナに担持された形のものでもよい。また、
フッ化第4級アンモニウム塩化合物としては、下記化4
2に示されるものを例示することができる。
【0099】
【化42】
【0100】有機化合物系のものとしては、FSi(O
CH33、FSi(OCH2CH3)3、FSi(OCH2
CH2CH33、FSi(OCH2CH2CH2CH33
2Si(OCH32、F2Si(OCH2CH32、F2
Si(OCH2CH2CH3)2、F2Si(OCH2CH2
CH2CH32、F3SiOCH3、F3SiOCH2
3、F3SiOCH2CH2CH3、F3SiOCH2CH2
CH2CH3等を具体例として挙げることができるが、S
i−F結合を含有していれば、ポリシロキサン、ポリシ
ラン化合物でもよい。また、無機化合物系のものとして
は、SiF4、Na2SiF6、(NH42SiF6等を具
体例として挙げることができる。
【0101】これらの中では、コスト、溶媒等に対する
溶解性、操作性及び安全性を考慮すると、本発明におい
ては、NaF、KF、(C494+-、Na2SiF
6が好ましく、より好ましくは、NaF、KF、(C4
94+-で有り、KF、(C494+-が最も好
ましい。
【0102】含フッ素化合物は、加水分解原料に直接添
加しても、水あるいは有機溶媒で希釈後添加してもよ
い。本発明における含フッ素化合物の添加量は、加水分
解を行うアルコキシ基含有有機ケイ素化合物全体に存在
するSi原子と使用含フッ素化合物中のFのモル比が
1:0.00001〜1:2の範囲で有ることが好まし
く、より好ましくはSi:Fのモル比が1:0.001
〜1:0.1の範囲である。Fのモル比が0.0000
1より低い場合には触媒としての効果があまりなく、反
応に長時間を要する。しかも、生成する有機官能基含有
オルガノポリシロキサンの性状もあまり良くない。一
方、モル比が2を超えると、ポットイールドが低下し
て、高コストになってしまう場合が生じる。
【0103】加水分解に使用する水の量によって原料の
有機官能基含有シラン、アルコキシシラン、シロキサン
化合物及び/又はシリコ−ン化合物の重合度が決まる。
例えば、使用するアルコキシシラン原料が、ケイ素原子
1個のモノマーである場合には、アルコキシシラン原料
1モルから、ケイ素原子Z個から成る少なくとも有機官
能基を含有するオルガノポリシロキサンを得るためには
(Z−1)/Zモルの水を、加水分解反応時に使用すれ
ばよい。加水分解反応に使用する水の量を1モル以上、
すなわち、アルコキシシラン原料と等モル以上、使用す
ると、分岐構造の多いレジン体となり使用原料の種類、
触媒量に応じて粉末状のオルガノポリシロキサンが得ら
れる。
【0104】本発明の製造方法においては、必要に応じ
てアルコ−ル類、エ−テル類、エステル類、ケトン類の
有機溶媒を使用してもよい。これらの有機溶媒の具体例
としては、メチルアルコール、エチルアルコ−ル、1−
プロピルアルコ−ル、2−プロピルアルコール等のアル
コ−ル類、ジエチルエ−テル、ジプロピルエ−テル等の
エ−テル類、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸エチ
ル等のエステル類、アセトン、ジエチルケトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類を
挙げることができる。また、上記溶媒と共に、ヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒を併
用しても良い。本発明においては、特にメチルアルコ−
ル、エチルアルコ−ル等のアルコ−ル類を使用すること
が好ましい。
【0105】溶媒の使用量は原料アルコキシシラン10
0重量部に対して0〜1000重量部である。さらに好
ましくは、0〜500重量部である。溶媒の量が100
0重量部を越えると反応装置などを大きくしなければな
らず、ポットイ−ルドも低下するため、経済的に不利で
ある。なお、溶媒の量が20重量部より少ないと、反応
系が均一にならない場合が生じる。この意味で、溶媒を
併用することが好ましい。
【0106】本発明を実施するための実際の反応操作と
しては、加水分解反応行う原料としてのアルコキシラン
類、シロキサン等、触媒として使用するフッ素含有化合
物、及び有機溶媒の混合系に、所定量の水あるいは水で
希釈した有機溶媒希釈液を滴下することが好ましい。
【0107】触媒の含フッ素化合物は、水系の方に添加
してもよい。混合系を水あるいは水希釈有機溶媒に添加
するといったように、添加順序を逆にすると反応系がゲ
ル化しやすくなるので好ましくない。
【0108】(共)加水分解/縮合反応は0℃〜100
℃の範囲で行えば良く、特に20℃〜80℃の範囲で行
うことが好ましい。なお、有機官能基含有シランに水及
び含フッ素化合物触媒を添加すると温度が上昇するが、
通常上記範囲を超えることはないので、そのまま反応を
継続すれば良い。加水分解、縮合反応は攪拌下に行い、
通常上記温度範囲で0.1〜10時間熟成すれば良い。
【0109】本発明で使用する含フッ素化合物触媒は
(共)加水分解/縮合反応を著しく促進するので、添加
した水は完全に消費され、しかもシラノ−ル基は殆ど残
存しなくなるので、初期に設計した通りの構造を有する
オルガノポリシロキサン化合物を得ることが出来る。し
かも、実施例で記載する通り、酸、アルカリ触媒を用い
る加水分解と異なり、有機官能基含有シランの中の官能
基は加水分解、縮合反応により損なわれることはない。
反応後、使用した触媒は除去するが、副生したアルコ−
ルを溜去した後濾別するか、疎水生の高い有機溶媒系に
変更した後、水洗すれば良い。生成物中の微量水分は、
乾燥剤あるいは共沸脱水等で除去したあと、溶媒を揮発
させる等、公知のあと処理法を採用できる。
【0110】以上の操作により、平均組成式(1)の有
機官能基含有オルガノポリシロキサンは得られるが、反
応条件、添加する水の量、原料の式(2)の有機官能基
含有シラン、式(3)の有機官能基を含有しないシラ
ン、式(4)のシロキサン及び/又はシリコ−ン化合物
の種類及び添加量等により、粉末状のレジン、オイル状
ポリマ−、液状オリゴマ−が得られる。これらの形態の
異なるオルガノポリシロキサンについて記載する。
【0111】加水分解に使用する水の量(モル)は、原
料中の全アルコキシ基(モル)の50倍モル以下である
必要がある。それを超えると、ポットイ−ルドが低下
し、経済的に不利となる本系では、アルコキシ基は殆ど
消失し、微量のOH基が残存する場合がある。必要に応
じてモノアルコキシシランと反応させることにより微量
のOH基は除去することが可能となる。特に、触媒量を
少なくすると、OH基を意図的に残存させることも可能
である。この場合には、触媒量が少ないので、縮合速度
は遅くなり反応に長時間を要する。残存OH基は一般的
に製品を劣化させる傾向があるので、意図的に残存させ
る以外は、出来るだけ少なくするのが良い。そのために
は、縮合反応後、有機官能基含有オルガノポリシロキサ
ンが生成した系にモノアルコキシシランを添加して加水
分解するかあるいは加水分解後にモノアルコキシシラン
を添加して反応させれば、OH基はシリル化されて、実
質上最終製品に存在しなくなる。シリル化のために使用
する、モノアルコキシシランの量は特に限定はないが、
好ましくは、モノアルコキシシランと有機官能基アルコ
キシシラン単独あるいはこれとジアルコキシシラン以上
のアルコキシシラン、シロキサン、及び/又はシリコー
ン化合物との混合物とのモル比で、0.01:3〜1:
3、さらに好ましくは0.1:1〜1:1である。一
方、水の量が1/2倍モル未満では、アルコキシ基が残
存する。
【0112】前述の通り、原料のアルコキシシラン等の
重合度は水の量によってきまるため、本発明の有機官能
基及びアルコキシ基含有オルガノポリシロキサンの重合
度はSi原子2個のダイマ−からSi原子数1×104
程度のレジンまで幅広い重合度のオルガノポリシロキサ
ンを製造できる。オリゴマー、ポリマー及びレジン、特
に、粉末状レジンの製造条件に関して以下記載する。
【0113】式(2)の有機官能基含有シランと、必要
により、式(3)のアルコキシシラン、式(4)アルコ
キシシロキサン及び/又はこれら式(3)、式(4)の
化合物から誘導されるシリコ−ンを用いて、残原料中の
アルコキシ基の1/2倍モル未満で実質的に中性の含フ
ッ素化合物の存在下に加水分解、(重)縮合反応させる
と、有機官能基とアルコキシ基をともに有するダイマ−
からSi原子10、000程度のポリマ−まで、水の量
の調整だけで容易に合成できる。特に、Si数が10程
度迄のオリゴマ−は架橋剤、一種のシランカップリング
剤等有機樹脂の改質剤として、有用であり好ましい。
【0114】有機官能基とアルコキシ基をともに有する
組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサンの内Y
がエポキシ基含有有機基であり、pが1≦p≦2の範囲
であるものは、特に好ましい。同様に、Yが(メタ)ア
クリロキシ基であるものも、その反応性から有用であ
る。
【0115】有機官能基とアルコキシ基とを共に有する
オルガノポリシロキサンの場合に、有機官能基含有アル
コキシシラン併用する場合、式(3)のシランはモノ、
ジ、トリ、テトラのいずれも区別なく単独あるいは二種
以上の組み合わせで使用することが可能であり、さらに
式(4)のシロキサンも単独あるいは組み合わせてさら
に前記式(3)のシランと組み合わせても使用可能であ
る。この場合、式(3)のシラン、式(4)のシロキサ
ン及び/又はシリコ−ン化合物は0〜99.9重量%ま
で、式(2)の有機官能基含有シランと組み合わせて使
用することができる。式(2)の有機官能基含有シラン
が0.1重量%以下では、得られるオルガノポリシロキ
サンに存在する有機官能基の量が少なくなりすぎて、そ
の効果を期待できない。好ましくは、前記有機官能基含
有シランの使用量は1.0重量%以上である。
【0116】次に、加水分解に使用する水の量(モル)
を原料中の全アルコキシ基の1/2〜50倍モルの範囲
にした場合について、説明する。この場合には、オリゴ
マーは得られずかつ理論的にはアルコキシ基は残存しな
いはずであるが、反応時間、触媒の量、水の量により、
多少のアルコキシ基あるいはシラノール基が残存する場
合もある。
【0117】上記、粉末状のシリコ−ン化合物を用い
ず、式(3)のシラン及び/又は式(4)のシロキサン
と有機官能基含有アルコキシシランを用いて粉末状の有
機官能基含有オルガノポリシロキサンを確実に得るに
は、トリアルコキシ以上のアルコキシ基を有する原料を
全原料の70重量%以上用い、かつ加水分解用の水の量
を全原料中のアルコキシ基に対するのモル比で1倍〜5
0倍とすれば良い。この比率以下であると、固体状ポリ
オルガノシロキサンは得られるが、塊状体となって粉末
状のものが得られにくい。
【0118】なお、本発明で得られる上記すべての液状
の有機官能基含有オルガノポリシロキサンオリゴマ−及
びポリマ−の他の樹脂との相溶性を向上させるために
は、前記したアルコキシシランの内フェニル基を含有す
るアルコキシシランを混合して反応させるのが好まし
い。更に、フェニル基を含有させることによって屈折率
が高くなる。この場合のフェニル基/Siのモル比率は
0.01:1〜0.9:1が好ましい。モル比が0.
1:1より低い場合は屈折率が十分向上せず、モル比率
が0.9:1を越える場合、目的の物質が液状とならな
い場合がある。より好ましくは、フェニル基/Siモル
比率が0.3:1〜0.7:1である。あるいは、繰り
返し単位のポリマー単位を有する有機官能基含有アルコ
キシランを用いれば、他樹脂との相溶性は改善される。
【0119】次に、本発明の好ましいより限定された態
様をさらに記載する。 この態様によれば、一般式(R1)bSi(OR2)4-b (式中、R1は非置換又は置換のアルキル基、フェニル基
の少なくとも一種を含む有機基、R2は水素原子、炭素
数1〜4のアルキル基、アルケニル基から選択される原
子又は基、bは0〜3の整数。)で示されるオルガノア
ルコキシシランと、一般式 Y−SiR1 a(OR23-a (ここに、R1、R2は前記と同じ Yは置換あるいは非
置換のアルケニル基、エポキシ基、(メタ)アクリロキ
シ基、アミノ基、メルカプト基、水酸基、シロキシ基、
エ−テル、ケトン、エステル、リン化合物を含む有機
基、ポリ(ビニル芳香族)、ポリエ−テル、ポリアミド
を含む有機基から選択される基、aは0〜2の整数。)
で示されるオルガノアルコキシシランとを、分子中に≡
Si−F結合を少なくとも1個含有するフッ素含有ケイ
素化合物あるいはフッ化物触媒の存在下に水あるいは含
水有機溶媒中で反応させて、一般式 Ym1 nSi(OR2)p(4-m-n-p)/2 (ここにR1、R2、Yは前記に同じ、m、n、pは0<
m<1、0<m+n+p<2。)で示される有機官能基
含有ケイ素計粉末物質を得ることを特徴とする有機官能
基含有ケイ素系粉末物質の製造方法が提供される。
【0120】この態様のR1は一般組成式(1)に関連
して示した前述非置換あるいは置換アルキル基及びフェ
ニル基を少なくとも一種類を含む有機基、R2も同様に
一般組成式に関連して記載した水素原子、炭素数1〜4
のアルキル基、アルケニル基である。
【0121】別の好ましい態様は下記エポキシ基及びア
ルコキシ基を含有するオルガノポリシロキサンの製造方
法である。すなわち、下記一般式(2’)で表される有
機官能基含有アルコキシシラン Y−SiR1 a(OR23-a ……(2’) (式中、Yは置換あるいは非置換のエポキシ基を有する
有機基、R1は炭素数1〜8の置換又は非置換の炭化水
素基から選ばれる有機基、R2は水素、炭素数1〜4の
アルキル基、アルケニル基から選ばれる原子又は有機基
である。また、aは0≦a≦2で表される整数であ
る。)、または上記一般式で表されるエポキシ基含有ア
ルコキシシランと、下記一般式(3’)で表されるアル
コキシ基含有シラン化合物及び下記一般式(4’)で表
されるアルコキシ基含有オルガノポリシロキサン (R1)bSi(OR2)4-b ……(3’) R1 cSiO(4-c-d/2(OR2d ……(4’) (式中、bは0≦b≦3を満たす整数、cは0≦c≦2
を満たす正数、dは0.01≦d≦3を満たす正数で
0.01≦c+d≦3を満たす。)を、前記含フッ素化
合物の存在下で部分加水分解・縮合させることを特徴と
する、下記一般式(1’) Ym1 nSi(OR2)p(4-m-n-p)/2 ……(1’) (式中、0<m≦1、0≦n<2、0<p≦2、0<m
+n+p≦3を満たす正数である。)で表される、エポ
キシ基及びアルコキシ基を含有するオルガノポリシロキ
サンの製造方法である。
【0122】上記一般式(1’)に於けるpは1≦p≦
2の範囲を満足する数であることが好ましい。さらに、
加水分解に使用する水のモル数が、加水分解前に於ける
原料中のアルコキシのモル数の1/2未満であることが
好ましい。好ましくは、上記製造方法で使用するエポキ
シ含有アルコキシシランがγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシランあるいは2−[3、4−エポキシシク
ロヘキシル]エチルトリメトキシシランである。さらに
好ましくは、前記含フッ素化合物がKFである。
【0123】さらに別の好ましい態様は、下記一般式
(5)で示されるエポキシ基含有オルガノポリシロキサ
ンである。 Ym1 nSi(OR2)p(OH)q(4-m-n-p-q)/2 ……(5) (式中、R1は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭
化水素、R2は水素原子、低級アルキル基又は低級アル
ケニル基)、Yはエポキシ基を含有する有機基であり、 0<m≦1 0<n≦1 0≦p<1 0<q<0.1 0<m+n<2
【0124】上記式(5)のエポキシ基含有オルガノポ
リシロキサンは、エポキシ基含有アルコキシシランを加
水分解してエポキシ基含有オルガノポリシロキサンを製
造するに際して、加水分解触媒としてSi−F結合を分
子内に少なくとも一個含有しているフッ素含有ケイ素化
合物又はフッ化塩を用いることを特徴とする方法により
製造される。上記方法において、エポキシ基含有オルガ
ノポリシロキサンの加水分解時又は加水分解後にモノア
ルコキシシランを添加するようにすることが好ましい。
これにより、残存OH基量を適度に調整することができ
る。
【0125】さらに、好ましい態様によれば、下記一般
式(2”) Y−SiR1 a(OR23-a ……(2”) (式中、R1は炭素数1〜8の置換又は非置換の炭化水
素基から選ばれる有機基、R2は水素原子、低級アルキ
ル基又は低級アルケニル基、Yはエポキシ基を有する有
機基、aは0、1又は2である。)で示されるエポキシ
基含有アルコキシシラン又はこのエポキシ基含有アルコ
キシシランと下記一般式(3”) (R1)bSi(OR2)4-b ……(3”) (式中、R1、R2は上記と同様の意味を有し、bは
0、2又は3である。)で示されるテトラ、トリ又はジ
アルコキシシランとの混合物と、下記一般式(4”) R1 3SiO(OR2) ……(4”) (式中、R1、R2は上記と同様の意味を示す。)で示さ
れるモノアルコキシシランとを、Si−F結合を分子内
に少なくとも1つ以上含有するフッ素含有ケイ素化合物
又はフッ化塩の存在下に加水分解することを特徴とする
エポキシ基含有オルガノポリシロキサンの製造方法を提
供する。
【0126】さらに、下記一般式(2”) Y−SiR1 a(OR23-a ……(2”) (式中、R1は炭素数1〜8の置換又は非置換の炭化水
素基から選ばれる有機基、R2は水素原子、低級アルキ
ル基又は低級アルケニル基、Yはエポキシ基を有する有
機基、aは0、1又は2である。)で示されるエポキシ
基含有アルコキシシラン又はこのエポキシ基含有アルコ
キシシランと下記一般式(3”) (R1)bSi(OR2)4-b ……(3”) (式中、R1、R2は上記と同様の意味を有し、bは
0、2又は3である。)で示されるテトラ、トリ又はジ
アルコキシシランとの混合物をSi−F結合を分子内に
少なくとも1つ以上含有するフッ素含有ケイ素化合物又
はフッ化塩の存在下に加水分解した後、下記一般式
(4”) R1 3SiO(OR2) ……(4”) (式中、R1、R2は上記と同様の意味を示す。)で示さ
れるモノアルコキシシランを反応させることを特徴とす
るエポキシ基含有オルガノポリシロキサンの製造方法を
提供する。上記式(2’)、(2”)のエポキシ含有有
機基を下記に示す。
【0127】
【化43】
【0128】
【化44】
【0129】また、式(3’)、(3”)で表される、
テトラ、トリ、ジアルコキシシランは下記の通りであ
る。
【0130】
【化45】
【0131】
【化46】
【0132】式(4’)、(4”)の具体的なモノアル
コキシシランを下記に例示する。
【0133】
【化47】
【0134】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。 実施例1 KF0.17g(3ミリモル)、水261g(14.7
モル)を攪拌機、温度計、冷却器を備えた500mlの
反応器に入れて攪拌混合した。ついで、ここにテトラメ
トキシシラン23.5g(150ミリモル)とγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン36.5g(15
0ミリモル)を混合したものを室温で3分間要して滴下
し、滴下終了後、室温で1分間攪拌したところ、無色透
明だった反応液が白色ゲル状に変化したので、さらに室
温で1時間攪拌したのち加圧ろ過器でろ別し、蒸留水、
つづいてアセトンで洗浄し、真空乾燥機を用いて80°
C、10mmHgで4時間処理して溶媒を除去したとこ
ろ、収率93%でγ−グリシドキシプロピル基含有ケイ
素系粉末物質31.8gが得られた。
【0135】このγ−グリシドキシプロピル基含有ケイ
素系粉末物質は嵩比重が0.27g/cm3、比表面積
715m2/gの極めて多孔質なもので、このもののC
PMAS−13C−NMRスペクトルを測定したところ、
図1に示したチャートが得られて、これにはエポキシ基
に由来するδ44.5ppm、51.5ppmの存在が
認められ、そのほかに分解物由来によるピークが認めら
れないことから、エポキシ基が損わずに安定に含有され
ていることが確認され[図6:原料としてのγ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランのチャート参照]、
これについてはチオ硫酸ソーダ法[実験化学講座、続
5、有機化合物の定性確認法(上)、p.518(丸善株
式会社)]による呈色反応を行ったところ、紅色を呈し
たのでエポキシ基の保持されていることが確認された。
なお、これについてはメチルグリニヤール法によって≡
Si−OH基の定量(≡Si−OHをメタンガスとして
定量)をしたところ、19.6mg当量/gであること
がわかり、微量分析の結果、炭素を30.7重量%含有
していることがわかったことから、このものは次式
【0136】
【化48】
【0137】で示されたものであることが確認された。
【0138】実施例2 実施例1におけるKFを(NH42SiF60.09g
(0.5ミリモル)としたほかは実施例1と同様にして
反応させたところ、滴下終了後1分間で反応液が白色ゲ
ル状に変化したので、以下実施例1同様に処理したとこ
ろ、γ−グリシドキシプロピル基含有ケイ素系粉末物質
が収率で89%で、30.4g得られ、このものは嵩比
重が0.28g/cm3、比表面積が702m2/gの多
孔質なものであった。
【0139】また、このものについて実施例1と同様に
CPMAS−13C−NMRスペクトルを測定したとこ
ろ、エポキシ基が損われずに安全に含有されていること
が確認されたし、このものは実施例1と同様の呈色反応
を行ったところ紅色を呈した。また、これについては≡
Si−OH基を定量分析したところ、これは21.3m
g当量/gで、微量分析の結果、炭素が30.3重量含
有していたので、このものは次式
【0140】
【化49】
【0141】で示されるものであることが確認された。
【0142】実施例3 実施例1における水を水223.2g(12.4モ
ル)、メタノール40.8g(1.38モル)とした他
は実施例1と同様にして反応させたところ、滴下終了後
5分間で反応液が白色ゲル状に変化したので以下実施例
1と同様に処理したところ、γ−グリシドキシプロピル
基含有ケイ素系粉末物質が収率93%で31.6g得ら
れたが、このものは嵩比重が0.29g/cm3、比表
面積が680m2/gの極めて多孔質な粉末であった。
【0143】実施例4 テトラメトキシシラン23.5g(150ミリモル)と
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン36.5
g(150ミリモル)を攪拌機、温度計、冷却器を備え
た500mlの反応器に入れ、攪拌混合したのち、ここ
にKF0.17g(3ミリモル)を水264g(14.
667モル)に溶解したものを滴下したところ、滴下終
了後ただちに反応液が白色ゲル状に変化したので、以下
実施例1と同様に処理した。その結果、γ−グリシドキ
シプロピル基含有ケイ素系粉末物質が収率99%で3
3.7g得られ、このものは嵩比重が0.31g/cm
3、比表面積が667m2/gの多孔質な粉末であった。
【0144】実施例5 アルコキシシランをγ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン22.6g(96.0ミリモル)とテトラメ
トキシシラン36.6g(240ミリモル)としたほか
は実施例1と同様に処理して反応させたところ、滴下終
了後1分間で反応液が白色ゲル状に変化したので、以下
実施例1と同様に処理した。この結果、γ−グリシドキ
シプロピル基含有ケイ素系粉末物質が収率99%で30
g得られ、このものは嵩比重が0.17g/cm3、比
表面積が780m2/gの極めて多孔質な粉末であっ
た。
【0145】比較例1 触媒を36%、塩酸水溶液30.4g(HCl:300
ミリモル)、水244.6g(13.589モル)とし
た他は実施例1と同様に処理して反応させたところ、滴
下終了後5時間で反応液が白色ゲル状になったので、以
下実施例1と同様に処理した。この結果、ケイ素系粉末
物質を収率86%で29.2g得ることができたが、こ
のものは嵩比重が0.86g/cm3、比表面積が14
3m2/gのものであり、このもののCPMAS−13
−NMRスペクトルを測定したところ、図2に示したと
おりのチャートが得られたが、このものはエポキシ基由
来のピークが消失しておりその分解物由来によるピーク
がδ64.6ppm、71.0ppmに存在しているこ
とが認められた。
【0146】実施例6 実施例1におけるγ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランをビニルトリメトキシシラン22.2g(15
0ミリモル)としたほかは実施例1と同様に処理して反
応させたところ、滴下終了後ただちに反応液が白色ゲル
状に変化したので、以下実施例1と同様に処理した。そ
の結果、ビニル基含有ケイ素系粉末物質を収率96%で
20g得ることができたが、このものは嵩比重が0.2
7g/cm3、比表面積が550m2/gの極めて多孔質
な粉末であった。
【0147】ついで、この粉末についてFT−IR測定
を行なったところ、図3に示したチャートが得られた
が、これには1,604cm-1にC=C伸縮に基づくピ
ークによりビニル基の存在が確認されたが、このビニル
基は過マンガン酸カリウム法[実験化学講座、続5、有
機化合物の定性確認法(上)、p.132(丸善株式会
社)]による呈色反応で紫色だった液が脱色したことか
らも確認された。また、これについては≡Si−OH基
定量分析の結果、これが31.4mg当量/gであり、
微量分析の結果、炭素を16.7重量%含有しているこ
とが確認されたことから、このビニル基含有ケイ素系粉
末物質は式 (CH2=CH)0.49(OH)0.13SiO1.69 で示されるものであることが確認された。
【0148】実施例7 実施例1におけるγ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランをスチリルトリメトキシシラン33.6g(1
50ミリモル)としたほかは実施例1と同様に処理して
反応させたところ、滴下終了後5分間で反応液が白色ゲ
ル状に変化したので、以下実施例1と同様に処理した。
その結果、収率84%でスチリル基含有ケイ素系粉末物
質が27.3g得られたが、このものは嵩比重が0.4
0g/cm3、比表面積が410m2/gの極めて多孔質
な粉末であった。
【0149】ついで、この粉末についてFT−IR測定
を行なったところ、図4に示したチャートが得られた
が、これには1,603cm-1にC=C伸縮、678c
-1に一置換ベンゼンのC−H面外角面に基づくピーク
が観測されたのでスチリル基の存在が確認された。ま
た、これについては過マンガン酸カリウム法(前出)に
よる呈色反応を行なったところ、紫色だった液が脱着さ
れたのでおスチリル基の存在が確認されたし、これは≡
Si−OH基定量分析でこれが24.2mg当量/g
で、微量分析の結果、炭素が41.9重量%含有してい
ることが判ったので、このものは式 (CH2=CH−C650.46(HO)0.15SiO1.695 で示されるものであることが確認された。
【0150】実施例8 実施例1におけるγ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランをγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン37.3g(150ミリモル)としたほかは実施例
1と同様に処理して反応させたところ、滴下終了後1分
間で反応液が白色ゲル状に変化したので、以下実施例1
に同様に処理したところ、収率80%でケイ素系粉末物
質が28.7g得られたが、このものは嵩比重が0.4
4g/cm3、比表面積が386m2/gの多孔質な粉末
であった。
【0151】ついで、この粉末についてFT−IR測定
を行なったところ、図5に示すチャートが得られたが、
これには1,718cm-1にC=O伸縮に基づくピーク
が観測されたことからγ−メタクリロキシプロピル基の
存在が確認されたし、これは過マンガン酸カリウム法
(前出)による呈色反応で紫色だった液が脱色されたこ
とからも確認された。また、これについては≡Si−O
H基定量分析でこれが16.5mg当量/gであり微量
分析の結果、炭素が32.6重量%含有していることが
判ったので、これは式
【0152】
【化50】
【0153】で示されるγ−メタクリロキシプロピル基
含有ケイ素系粉末物質であることが確認された。
【0154】実施例9 実施例1におけるγ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランをアミノプロピルトリメトキシシラン26.9
g(150ミリモル)としたほかは実施例1と同様に処
理して反応させたところ、滴下終了後ただちに反応液が
白色ゲル状に変化したので、以下実施例1と同様に処理
したところ、収率80%でケイ素系粉末物質が20.4
gが得られたが、このものは嵩比重が0.5g/c
3、比表面積が410m2/g多孔質なものであった。
【0155】ついで、この粉末について第1アミンに対
するRimini試験[実験化学講座、続5、有機化合
物の定性確認法(下)、p.1,044(丸善株式会
社)]を行なったところ、紫赤色を呈したので、これに
はアミノ基の存在することが確認されたし、これは≡S
i−OH基定量分析の結果、これが40.3mg当量/
gで微量分析の結果、炭素を19.2重量%含有してい
ることが判ったことから、このものは式 [H2N(CH230.45(HO)0.20SiO1.675 で示されるアミノプロピル基含有ケイ素系粉末物質であ
ることが確認された。
【0156】実施例10 実施例1におけるγ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランをメルカプトプロピルトリメトキシシラン2
9.5g(150ミリモル)としたほかは実施例1と同
様に処理し反応させたところ、滴下終了後ただちに反応
液が白色ゲル状に変化したので、以下実施例1と同様に
処理したところ、収率82%でケイ素系粉末物質が2
5.8gが得られたが、これは嵩比重が0.37g/c
3、比表面積が520m2/gの多孔質なものであっ
た。
【0157】ついで、この粉末についてニトロプロシド
ナトリウム法による呈色反応[実験化学講座、続5、有
機化合物の定性確認法(下)p.1,170(丸善株式会
社)]を行なったところ、紫赤色を呈したので、これに
メルカプト基の存在することが確認されたし、このもの
の≡Si−OH基を定量分析したところ、これは32.
6mg当量/gであり、これには微量分析の結果、炭素
が18.4重量%含有されていることが判ったので、こ
のものは式 [HS(CH230.48(HO)0.18SiO1.67 で示されるメルカプトプロピル基含有ケイ素系粉末物質
であることが確認された。
【0158】実施例11 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン100g
(424ミリモル)、メタノール100g(3.12モ
ル)を攪拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの
反応器に入れ、攪拌混合した。ここにKF0.5g(9
ミリモル)を水45.8g(2.54モル)に溶解した
ものを室温で3分間を要して滴下した。滴下終了後、4
4℃まで内温が上昇した。そのまま2時間室温で攪拌し
た後、トリメチルメトキシシラン8.8g(84ミリモ
ル)を1分間で滴下し、引き続き2時間攪拌した。その
後、エステルアダプターを反応装置に取り付け、トルエ
ン200gを加え、加熱しながらメタノールを溜去し
た。反応液を冷却後、水層と有機層とを分液し、有機層
を水で3回洗浄した。水洗した反応液に芒硝を加えて水
分を除去した後、エバポレーターによりトルエンを除去
して、75.8gの透明粘性液体物質を得た。
【0159】この透明粘性液体物質は、粘度1316.
8cp(25℃)、屈折率1.4669(25℃)、エ
ポキシ当量153であった。
【0160】この物質の13C−NMR測定を行なったと
ころ、図7に示すような結果であった。図6のγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシランの13C−NMRの
スペクトルと比較するとその差異は明らかである。この
結果により、δ1.021ppmにピークがあることか
らトリメチルシリル化処理されていることがわかる。ま
た、δ50.361ppmに観測されるはずのメトキシ
基由来のピークが全く見られないことからメトキシ基が
完全消失していることもわかる。さらに、エポキシ基由
来のδ43.208ppmとδ50.040ppmのピ
ークが見られ、かつ、原料のエポキシシランにおいて観
測される以外のピークも新たに出現していないことか
ら、エポキシ基が損われずに含有されていることも判明
した。
【0161】また29Si−NMR測定結果を図8に示
す。この結果から、各単位のモル比率は下記の通りであ
った。
【0162】
【化51】
【0163】以上の結果から、この物質は下記式で表さ
れるエポキシ基含有液状ポリシルセスキオキサンである
ことが確認された。
【0164】
【化52】
【0165】実施例12 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン100g
(424ミリモル)、トリメチルメトキシシラン8.8
g(84ミリモル)及びメタノール100g(3.12
モル)を攪拌機、温度計及び冷却器を備えた500ml
の反応器に入れ、攪拌混合した。ここにKF0.5g
(9ミリモル)を水45.8g(2.54モル)に溶解
したものを室温で3分間を要して滴下した。滴下終了
後、43℃まで内温が上昇した。そのまま2時間室温で
攪拌した後、エステルアダプターを反応装置に取り付
け、トルエン200gを加え、加熱しながらメタノール
を溜去した。反応液を冷却後、水層と有機層とを分液
し、有機層を水で3回洗浄した。水洗した反応液に芒硝
を加えて水分を除去した後、エバポレーターによりトル
エンを除去して、81.0gの透明粘性液体物質を得
た。
【0166】この透明粘性液体物質は、粘度826.0
cp(25℃)、屈折率1.4634(25℃)、エポ
キシ当量143であった。
【0167】実施例11と同様に29C−NMR測定を行
なった結果、各単位のモル比率は下記の通りであった。
【0168】
【化53】
【0169】以上の結果から、この物質は下記式で表さ
れるエポキシ基含有液状ポリシルセスキオキサンである
ことが確認された。
【0170】
【化54】
【0171】実施例13 KF0.5g(9ミリモル)、水45.8g(2.54
モル)及びメタノール100g(3.12モル)を攪拌
機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入
れ、攪拌混合した。ここにγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン100g(424ミリモル)を8分間
を要して滴下した。滴下終了後、36℃まで内温が上昇
した。そのまま2時間室温で攪拌した後、トリメチルメ
トキシシラン8.8g(84ミリモル)を1分間で滴下
し、引き続き2時間攪拌した。その後は実施例11と同
様に処理して、76.0gの透明粘性液体物質を得た。
【0172】この透明粘性液体物質は、粘度1103.
2cp(25℃)、屈折率1.4653(25℃)、エ
ポキシ当量153であった。
【0173】実施例11と同様に29C−NMR測定を行
なった結果、各単位のモル比率は下記の通りであった。
【0174】
【化55】
【0175】以上の結果から、この物質は下記式で表さ
れるエポキシ基含有液状ポリシルセスキオキサンである
ことが確認された。
【0176】
【化56】
【0177】KF0.5g(9ミリモル)を(NH42
SiF60.27g(1.5ミリモル)とした以外は実
施例11と同様に反応、処理して、76.3gの透明粘
性液体物質を得た。
【0178】この透明粘性液体物質は、粘度1301.
6cp(25℃)、屈折率1.4670(25℃)、エ
ポキシ当量153であった。
【0179】実施例11と同様に29C−NMR測定を行
なった結果、各単位のモル比率は下記の通りであった。
【0180】
【化57】
【0181】以上の結果から、この物質は下記式で表さ
れるエポキシ基含有液状ポリシルセスキオキサンである
ことが確認された。
【0182】
【化58】
【0183】実施例15 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン100g
(424ミリモル)、フロロトリエトキシシラン1.6
4g(9ミリモル)及びメタノール100g(3.12
モル)を攪拌機、温度計及び冷却器を備えた500ml
の反応器に入れ、攪拌混合した。ここに水45.8g
(2.54モル)を室温で3分間を要して滴下した。滴
下終了後、38℃まで内温が上昇した。そのまま2時間
室温で攪拌した後、トリメチルメトキシシラン8.8g
(84ミリモル)を1分間で滴下し、引き続き2時間攪
拌した。その後は、実施例11と同様に処理して、7
5.8gの透明粘性液体物質を得た
【0184】この透明粘性液体物質は、粘度138.2
5cp(25℃)、屈折率1.4501(25℃)、エ
ポキシ当量152であった。
【0185】実施例11と同様に29Si−NMR測定を
行なった結果、各単位のモル比率は下記の通りであっ
た。
【0186】
【化59】
【0187】以上の結果から、この物質は下記式で表さ
れるエポキシ基含有液状ポリシルセスキオキサンである
ことが確認された。
【0188】
【化60】
【0189】実施例16 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン63.7
g(270ミリモル)、フェニルトリメトキシシラン3
5.7g(180ミリモル)及びメタノール100g
(3.12モル)を攪拌機、温度計及び冷却器を備えた
500mlの反応器に入れ、攪拌混合した。ここにKF
0.5g(9ミリモル)を水48.6g(2.70モ
ル)に溶解したものを室温で3分間を要して滴下した。
滴下終了後、47℃まで内温が上昇した。そのまま2時
間室温で攪拌した後、トリメチルメトキシシラン9.4
g(90ミリモル)を1分間で滴下し、引き続き2時間
攪拌した。その後は、実施例11と同様に処理して、6
1.7gの透明粘性液体物質を得た。
【0190】この透明粘性液体物質は、粘度6771.
1cp(25℃)、屈折率1.4958(25℃)、エ
ポキシ当量140であった。
【0191】実施例11と同様に29Si−NMR測定を
行なった結果、各単位のモル比率は下記の通りであっ
た。
【0192】
【化61】
【0193】以上の結果から、この物質は下記式で表さ
れるエポキシ基含有液状ポリシルセスキオキサンである
ことが確認された。
【0194】
【化62】
【0195】実施例17 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン33.0
g(140ミリモル)、フェニルトリメトキシシラン6
5.4g(330ミリモル)及びメタノール100g
(3.12モル)を攪拌機、温度計及び冷却器を備えた
500mlの反応器に入れ、攪拌混合した。ここにKF
0.55g(9.4ミリモル)を水50.8g(2.8
2モル)に溶解したものを室温で3分間を要して滴下し
た。滴下終了後、46℃まで内温が上昇した。そのまま
2時間室温で攪拌した後、トリメチルメトキシシラン
9.4g(90ミリモル)を1分間で滴下し、引き続き
2時間攪拌した。その後は、実施例11と同様に処理し
て、76.3gの透明粘性液体物質を得た。
【0196】この透明粘性液体物質は、粘度1867
7.5cp(25℃)、屈折率1.5206(25
℃)、エポキシ当量131であった。
【0197】実施例11と同様に29Si−NMR測定を
行なった結果、各単位のモル比率は下記の通りであっ
た。
【0198】
【化63】
【0199】以上の結果から、この物質は下記式で表さ
れるエポキシ基含有液状ポリシルセスキオキサンである
ことが確認された。
【0200】
【化64】
【0201】実施例18 水を7.6g(424ミリモル)とした以外は実施例1
1と同様に反応、処理して、85.2gの透明粘性液体
物質を得た。
【0202】この透明粘性液体物質は、粘度972cp
(25℃)、屈折率1.4651(25℃)、エポキシ
当量159であった。
【0203】実施例11と同様に29Si−NMR測定を
行なった結果、各単位のモル比率は下記の通りであっ
た。
【0204】
【化65】
【0205】以上の結果から、この物質は下記式で表さ
れるエポキシ基含有液状ポリシルセスキオキサンである
ことが確認された。
【0206】
【化66】
【0207】比較例2 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン100g
(424ミリモル)、メタノール100g(3.12モ
ル)を攪拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの
反応器に入れ、攪拌混合した。ここに5%NH3水溶液
45.8gを室温で3分間を要して滴下した。滴下終了
後、33℃まで内温が上昇した。そのまま2時間室温で
攪拌した後、トリメチルメトキシシラン8.8g(84
ミリモル)を1分間で滴下し、引き続き2時間攪拌し
た。その後、エステルアダプターを反応装置に取り付
け、トルエン200gを加え、加熱しながらメタノール
を溜去したが、メタノールを溜去しているときにエポキ
シ基が開環し、系内がゲル化した。
【0208】比較例3 5%NH3水溶液45.8gを5%塩酸水溶液45.8
gとした以外は比較例2と同様に反応を行った。その
後、エステルアダプターを反応装置に取り付け、トルエ
ン200gを加え、加熱しながらメタノールを溜去した
が、メタノールを溜去しているときにエポキシ基が開環
し、系内がゲル化した。
【0209】比較例4 5%NH3水溶液45.8gを0.61%塩酸水溶液4
5.8gとした以外は比較例2と同様に反応を行った。
その後実施例11と同様に処理を行って、48gの透明
粘性液体物質を得た。この透明粘性液体物質は、粘度2
23.1cp(25℃)、屈折率1.4450(25
℃)であった。
【0210】この物質の13C−NMR測定結果を図9に
示す。この結果、δ47.332ppmにメトキシ基由
来のピークが観測されることから、加水分解が不完全で
あることがわかる。またエポキシ基由来のδ43.19
5ppmにδ50.104ppmのピークが減少し、か
つ、δ64.445ppmにδ71.056ppmに原
料γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランでは見
られなかったピークが出現していることから、エポキシ
基が損われていることもわかる。
【0211】比較例5 5%NH3水溶液45.8gを0.2%アンモニア水溶
液45.8gとした以外は比較例2と同様に反応を行っ
た。その後実施例11と同様に処理を行って、68gの
透明粘性液体物質を得た。この透明粘性液体物質は、粘
度452.7cp(25℃)、屈折率1.4642(2
5℃)であった。
【0212】この物質の13C−NMR測定結果を図10
に示す。この結果、δ47.453ppmにメトキシ基
由来のピークが観測されることから、加水分解が不完全
であることがわかる。またエポキシ基由来のδ43.2
06ppmにδ60.096ppmのピークが減少し、
かつ、δ64.532ppmにδ70.996ppmに
原料γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランでは
見られなかったピークが出現していることから、エポキ
シ基が損われていることもわかる。
【0213】実施例19 攪拌機、温度計、冷却器及び窒素導入管を備えた1リッ
トルの反応器に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン236.3g(1.00モル)及びメタノール
100gを仕込み、室温で攪拌して混合した。得られた
混合物にKF0.58g(0.01モル)、水14.4
g(0.80モル)及びメタノール100gを混合・溶
解させた溶液を、室温で10分間かけて滴下したとこ
ろ、滴下開始前に26℃であった系の温度が38℃まで
上昇した。滴下終了後、そのまま室温で1時間攪拌した
反応液を直接、13C−NMRによって分析したところ、
メタノール及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シランに由来するピーク以外のアルコール性炭素が認め
られなかった。このことから、エポキシ環の開環は起こ
っていないことが確認された。
【0214】また、29Si−NMRによる分析を行った
ところ、シラン成分が加水分解・縮合して、下記化67
〜70の部分が、順次、14モル%、36モル%、41
モル%及び9モル%からなる構成比のオリゴマーに変化
していることが判明した。
【0215】
【化67】
【0216】
【化68】
【0217】
【化69】
【0218】(但し、化67〜化69のXは、水素原子
又はメチル基を表す。)
【0219】
【化70】
【0220】上記の結果から、加水分解用に添加した水
の91重量%がシロキサン結合に変化したと考えられる
ので、この反応系における加水分解及び縮合反応がかな
り速いことが確認された。上記の反応液の入った反応器
を加熱してメタノールを溜去し、反応液を冷却した後瀘
過し、触媒の塩を除去したところ、189.5gの微黄
色の透明液体が得られた。収率は95.0%であった。
得られた液体の粘度は60.7cs(25℃)、比重は
1.164(25℃)、屈折率は1.4544(25
℃)、及びエポキシ当量は200.8(g/モル、理論
値199.2)であった。
【0221】これらの結果から、得られた物質は、原料
の配合比率から予想された通りの下記化71で表される
平均組成のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンの部分加水分解オリゴマーであることが確認された。
【0222】
【化71】
【0223】得られた液体の赤外吸収スペクトル(図1
1)、13C−NMRスペクトル(図12)、29Si−N
MRスペクトル(図13)、及び1H−NMRスペクト
ル(図14)の結果からも、エポキシ基の開環は全く起
こっていないことが確認された。
【0224】IR エポキシ基の吸収:1254cm-1、910cm-1、8
20cm-1 Si−O−Si基の吸収:1104cm-1 Si−OCH3基の吸収:2841cm-1、1198c
-1、1104cm-1 13 C−NMRスペクトルの解析結果は表1に示した通り
である。
【0225】
【表1】
【0226】
【化72】
【0227】29Si−NMRスペクトルの解析結果は表
2に示した通りである。
【0228】
【表2】
【0229】表2の結果は、反応生成物が下記化73で
表され、前記、設計した化71で表される化合物と良く
一致すること、及び加水分解に使用した水が完全に消費
され、縮合反応も終了していることを示している。
【0230】
【化73】
【0231】1H−NMRスペクトルの解析結果は表3
に示した通りである。
【0232】
【表3】
【0233】表3の結果からは、下記化74で表される
構造であると推定され、前記、設計した化70で表され
る化合物と良く一致すること、及び加水分解に使用した
水が完全に消費され、縮合反応も終了していることを示
している。
【0234】
【化74】
【0235】実施例20 添加した水の量を8.0g(0.50モル)に変更した
他は、実施例19と全く同様にして加水分解・縮合反応
を行わせたところ、25℃における粘度が14.2cs
(25℃)、比重が1.126(25℃)、屈折率が
1.4434(25℃)、及びエポキシ当量が214.
1(g/モル、理論値213.3)の、下記75で表さ
れる平均組成を有する無色透明な液体が得られた。収量
は200.5gであり、収率は94.1%であった。
【0236】
【化75】
【0237】赤外吸収スペクトル、1H−NMRスペク
トル及び29Si−NMRスペクトル分析による結果も、
上記構造を支持するものであった。
【0238】実施例21 使用するアルコキシシランをγ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン118.2g(0.50モル)とフ
ェニルトリメトキシシラン99.0g(0.50モル)
の混合系に変更し、触媒としてテトラブチルアンモニウ
ムフロライド(1.0MTHF溶液)5.0ミリリット
ル(0.005モル)を使用した他は、実施例19と全
く同様にして、下記化76の平均組成式で表され、粘度
が59.2cs(25℃)、比重が1.174(25
℃)、屈折率が1.4846(25℃)、及びエポキシ
当量が362.1(g/モル、理論値360.8)の、
微黄色透明液体172.3gを得た。収率は95.5%
であった。
【0239】
【化76】
【0240】赤外吸収スペクトル、1H−NMRスペク
トル及び29Si−NMRスペクトル分析などの結果も、
上記構造を支持するものであった。
【0241】実施例22 使用するアルコキシシランを2−〔3,4−エポキシシ
クロヘキシル〕エチルトリメトキシシラン197.1g
(0.80モル)とジフェニルジメトキシシラン48.
9g(0.20モル)の混合系に変更した他は、実施例
19と全く同様にして、下記化77の平均組成式で表さ
れる微黄色透明液体を202.0g得た。収率は97.
1%であった。
【0242】
【化77】
【0243】この物質の粘度は608.5cs(25
℃)、比重が1.153(25℃)、屈折率が1.50
22(25℃)、及びエポキシ当量が275.1(g/
モル、理論値273.0)であった。赤外吸収スペクト
ル、1H−NMRスペクトル及び29Si−NMRスペク
トル分析などの結果も、上記構造を支持するものであっ
た。
【0244】実施例23 使用するアルコキシシランを9,10−エポキシデシル
トリメトキシシラン82.8g(0.30モル)と3,
3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン15
2.7g(0.70モル)の混合系に変更し、加水分解
反応に使用する水を12.6g(0.70モル)に変更
した他は、実施例19と全く同様にして下記78の平均
組成式で表される無色透明液体198.5gを得た。収
率は97.7%であった。
【0245】
【化78】
【0246】この物質の粘度は29.8cs(25
℃)、比重が1.162(25℃)、屈折率が1.41
52(25℃)、及びエポキシ当量は661.3(g/
モル、理論値677.3)であった。赤外吸収スペクト
ル、1H−NMRスペクトル及び29Si−NMRスペク
トル分析などの結果も、上記構造を支持するものであっ
た。
【0247】実施例24 使用するアルコキシシランをγ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン177.2g(0.75モル)、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン11.
0g(0.05モル)及び1,3−ジメチルテトラメト
キシジシロキサン22.6g(0.10モル)の混合系
に変更するとともに、水の添加量を12.6g(0.7
0モル)に変更した他は、実施例19と全く同様にして
加水分解・縮合反応を行わせた後メタノールを溜去し
た。
【0248】次に、トルエンを300g加え、10重量
%の硫酸ナトリウム水溶液200gを使用した水洗を3
回行って触媒のKFを除去した。さらに、減圧下でトル
エンを溜去したところ、下記化79の平均組成式で表さ
れる無色透明な液体167.9gを得た。収率は94%
であった。
【0249】
【化79】
【0250】この物質の粘度は107.6cs(25
℃)、比重が1.170(25℃)、屈折率が1.45
62(25℃)、及びエポキシ当量は223.5(g/
モル、理論値223.4)であった。赤外吸収スペクト
ル、1H−NMRスペクトル及び29Si−NMRスペク
トル分析などの結果も、上記構造を支持するものであっ
た。
【0251】比較例6(酸性加水分解) KFを使用せず、加水分解に使用する水の代わりに0.
1規定の塩酸を使用した他は、実施例24と全く同様に
して得られた物質の粘度は11.3cs(25℃)、比
重が1.116(25℃)、屈折率は1.4530(2
5℃)、及びエポキシ当量は252.5(g/モル)で
あった。また、収量は197.6g、収率は110.6
%であった。加水分解反応が0%であるときのエポキシ
当量は261.5(g/モル)であるので、上記の結果
は、加水分解・縮合反応がほとんど進行していないこと
を示すものである。
【0252】比較例7(酸性加水分解) 0.1規定の塩酸の代わりに、1規定の塩酸を使用し、
反応をメタノールの還溜下で行うように変更した他は、
比較例6と全く同様にして得られた物質の粘度は13.
9cs(25℃)、比重が1.121(25℃)、屈折
率は1.4232(25℃)、及びエポキシ当量は26
5.4(g/モル)であった。また、収量は195.1
g、収率は109.2%であった。このように、塩酸の
濃度を高くすることにより、比較例6の場合より若干加
水分解・縮合反応が進行したが、エポキシ基の破壊も一
部起こっているのは明白である。
【0253】比較例8(塩基性加水分解) 0.1規定の塩酸の代わりに1規定のアンモニア水を使
用した他は、比較例6と全く同様にして反応を行わせ
た。しかしながら、メタノールの溜去時に系内がゲル化
し、目的とする物質を得ることはできなかった。
【0254】実施例25 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの混合系
の代わりに、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン248.4g(1.00モル)またKFの代わり
にテトラブチルアンモニウムフルオリドの1MTHF溶
液を1ml(0.001モル)及び水は14.4g
(0.80モル)使用し、実施例24と同様に合成をし
た。得られた物質は、粘度120.0cs(25℃)、
比重1.114(25℃)、屈折率1.4629(25
℃)の特性を示す微黄色透明液体であった。収量は10
5.8g、収率97.5%であった。1H−NMRスペ
クトルから、メタクリル基は完全に保持されており、メ
トキシ基はほぼ設定通り残存していることが判った。
【0255】1H−NMRスペクトルの解析結果は表4
に示す。
【0256】
【表4】
【0257】表4の結果からは、反応生成物は下記の構
造であると推定される。
【0258】
【化80】
【0259】実施例26 添加した水の量を15.4g(0.86モル)かつKF
の量を5×10-5モルにした以外は実施例19と同様に
して加水分解・縮合反応を行わせたところ、25℃に於
ける粘土が49.9cs(25℃)、比重が1.163
(25℃)、屈折率が1.4551(25℃)、エポキ
シ当量が192.7(g/モル、理論値196.9)及
びOH量が0.70重量%の液体が得られた。1H−N
MRスペクトル分析の結果から、得られた物質は下記構
造式を有するオルガノポリシロキサンであった。
【0260】
【化81】
【0261】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
れば、(1)実質的に中性の含フッ化物、すなわちSi
−F結合を分子内に少なくとも1つ以上含有するフッ素
含有ケイ素化合物あるいはフッ化塩化合物、を用いるた
め、反応中でも反応活性に富む有機官能基、例えばエポ
キシ基、を損なうことなく安定に最終ポリオルガノシロ
キサンに含有させることが出来る。(2)この触媒は加
水分解、縮合反応が速いため、原料中のアルコキシ基は
容易に添加水量に応じて加水分解され、オルガノポリシ
ロキサンの粉末、ポリマー、オリゴマーと幅広い製品を
容易かつ安定に得られる。(3)この触媒は実質的に中
性であるので反応機材を損傷させることがなく、また
酸、塩基の様に危険性も少ないので、操作性、安全性に
優れる。得られるオルガノポリシロキサンは粉体の場
合、多孔質であってその細孔の内部にまで官能基が分散
された、嵩比重の小さなもので、カラムの充填剤、各種
酵素、金属化合物の担体として、ポリマーは有機、無機
双方に相溶性があり科学的に極めて安定な液体なので、
塗料、シール剤、電気絶縁剤、難燃剤の添加剤として有
用である。さらに、オリゴマーは各種硬化系の架橋剤、
有機樹脂の改質剤等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたγ−グリシドキシプロピル
基含有オルガノポリシロキサン粉末物質のCPMAS−
13C−NMRスペクトル図を示したものである。
【図2】比較例1で得られたオルガノポリシロキサン粉
末物質のCPMAS−13C−NMRスペクトル図を示し
たものである。
【図3】実施例6で得られたビニル基含有オルガノポリ
シロキサン粉末物質のFT−IRチャ−トである。
【図4】実施例7で得られたスチリル基含有オルガノポ
リシロキサン粉末物質のFT−IRチャ−トである。
【図5】実施例8で得られたγ−メタクリロキシプロピ
ル基含有オルガノポリシロキサン系粉末物質のFT−I
Rチャートである。
【図6】実施例1で使用されたγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシランのCPMAS−13C−NMRスペ
クトル図を示したものである。
【図7】実施例11で得られたエポキシ基含有オルガノ
ポリシロキサンの13C−NMRスペクトル図を示したも
のである。
【図8】実施例11で得られたエポキシ基含有オルガノ
ポリシロキサンの29Si−NMRスペクトル図を示した
ものである。
【図9】比較例4で得られたエポキシ基含有オルガノポ
リシロキサンの13C−NMRスペクトル図を示したもの
である。
【図10】比較例5で得られたエポキシ基含有オルガノ
ポリシロキサンの13C−NMRスペクトル図を示したも
のである。
【図11】実施例19で得られたエポキシ基含有オリゴ
マーの赤外吸収スペクトルである。
【図12】実施例19で得られたエポキシ基含有オリゴ
マーの13C−NMRスペクトルである。
【図13】実施例19で得られたエポキシ基含有オリゴ
マーの29Si−NMRスペクトルである。
【図14】実施例19で得られたエポキシ基含有オリゴ
マーの1H−NMRスペクトルである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−107638(JP,A) 特開 昭59−129230(JP,A) 特開 昭59−108033(JP,A) 特開 平3−147840(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/00 - 77/62

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記平均組成式(1) Si(OR(4―m―n―p)/2……(1) (式中、Yは置換あるいは非置換のアルケニル基、エポ
    キシ基、(メタ)アクリロキシ基、アミノ基、メルカプ
    ト基、水酸基、シロキシ基、エーテル基、ケトン基、エ
    ステル基及び燐をそれぞれ含有する有機基並びに(ビニ
    ル芳香族)繰り返し単位、エーテル繰り返し単位及びア
    ミド繰り返し単位をそれぞれ含有する有機基から選択さ
    れる基、Rは少なくとも一種の炭素原子数1〜8の置
    換あるいは非置換炭化水素基、Rは水素原子並びに炭
    素原子数1〜4のアルキル基及びアルケニル基から選ば
    れる原子又は有機基、mは0<m≦1、nは0≦n<
    2、pは0≦p≦2、但し0<m+n+p≦3をそれぞ
    れ満たす数である)で表される有機官能基を含有するオ
    ルガノポリシロキサンの製造方法であって、下記一般式
    で表される有機官能基含有アルコキシシラン Y−SiR1a(OR2)3―a……(2) (式中、Y, R1、R2はそれぞれ上記と同様な意味
    を有し、aは0≦a≦2の範囲の整数を表す。)又は上
    記一般式(2)で表される有機官能基含有シラン化合物
    と、下記一般式(3)で表されるアルコキシ基含有シラ
    ン化合物、下記一般式(4)で表されるアルコキシ基含
    有オルガノポリシロキサン及び/又は下記一般式(3)
    のシラン化合物と下記一般式(4)のアルコキシ基含有
    オルガノポリシロキサンとの部分あるいは完全加水分解
    物の中から選ばれる少なくとも1つの化合物との混合物 (R1)bSi(OR2)4―b……(3) R1cSiO(4―c―d)/2(OR2)d……(4) (式中、R1、R2はそれぞれ上記と同様な意味を有
    し、bは0≦b≦3を満たす整数、cは0≦c≦2を満
    たす数、dは0.01≦d≦3を満たす正数、但し0.
    01≦c+d≦3である)を、加水分解・縮合触媒とし
    て中性の含フッ素化合物の存在下で加水分解、重縮合さ
    せることを特徴とする前記 有機官能基を含有するオルガ
    ノポリシロキサンの製造方法。
  2. 【請求項2】 加水分解に使用する水のモル数が、加水
    分解前の全原料中に含まれるアルコキシ基の総モル数の
    1/2倍未満である、請求項1に記載のオルガノポリシ
    ロキサンの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)において、pが1≦p
    ≦2である、請求項に記載のオルガノポリシロキサン
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)において、Yがエポキ
    シ基含有有機基である、請求項1乃至の何れか1つに
    記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
  5. 【請求項5】 加水分解に使用する水のモル数が、加水
    分解前の全原料中に含まれるアルコキシ基の総モル数の
    1/2倍未満であり、前記オルガノポリシロキサンがエ
    ポキシ基及びアルコキシ基含有オリゴマ−である、請求
    に記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記一般式(1)において、Yが(メ
    タ)アクリロキシ基含有有機基である、請求項1乃至
    れか1つに記載のオルガノポリシロキサンの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 加水分解に使用する水のモル数が、加水
    分解前の全原料中に含まれるアルコキシ基の総モル数の
    1/2倍未満であり、前記オルガノポリシロキサンが
    (メタ)アクリロキシ基含有オリゴマ−である、請求項
    に記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記一般式において、0<m+n+p<
    2で有り、得られる有機官能基含有オルガノポリシロキ
    サンが粉末状である、請求項1に記載のオルガノポリシ
    ロキサンの製造方法。
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