JP3473316B2 - 仮撚分繊用ポリエステルマルチフィラメント糸 - Google Patents
仮撚分繊用ポリエステルマルチフィラメント糸Info
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Description
ステルマルチフィラメント糸に関する。さらに詳しく
は、直接紡糸延伸法でドラム状に巻き上げられた延伸糸
を仮撚し、捲縮のかかったモノフィラメントに分繊する
にあたって仮撚性、分繊性が良好な仮撚分繊用ポリエス
テルマルチフィラメント糸に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より捲縮加工糸の製造に際し、未延
伸糸を延伸と同時に仮撚加工する方法が生産性にも優れ
ている為に広く採用されている。捲縮加工のモノフィラ
メントを得る方法も同様に未延伸糸を一旦巻取り、仮撚
工程に供給し延伸と同時に仮撚加工する方法が利用され
ている。未延伸糸を用いて分繊用捲縮加工糸、捲縮モノ
フィラメントを製造する方法は、例えば特開昭55−9
8922号公報、特開昭56−31011号公報で既に
公知である。 【0003】分繊用マルチフィラメント糸の使い方には
高次の用途に応じ仮撚加工を行い分繊して捲縮のかかっ
たモノフィラメントにする方法、また仮撚加工をしない
で、そのまま分繊してストレートなモノフィラメントに
する2つの方法がある。仮撚加工しないでストレートな
モノフィラメントを得る分繊用合成繊維のマルチフィラ
メントに関しては、既に特開昭59−116405号公
報で直接紡糸延伸(延伸糸)で巻き上げる方法が公知で
ある。 【0004】近年では生産設備の効率化、生産性向上が
進められている中で用途に応じ仮撚加工分繊用の未延伸
糸を一旦巻取る方法、また直接紡糸延伸で延伸糸を得て
仮撚しないで直接分繊する分繊用マルチフィラメントを
得る方法によりプロセスを変えることは生産効率が悪
い。延伸糸を用いた分繊用仮撚加工糸の製造では分繊性
の問題を改善する仮撚加工方法が特開平1−22983
2号公報で公知となっているが、ラージパッケージに巻
き上げられた延伸糸の仮撚において、糸の解舒ヨリが入
らないようにドラムを糸の引っ張る力で回転させながら
糸解舒をするため、張力が変動し、ドラム端面が糸落ち
して糸切れとなり不良であった。 【0005】また仮撚加工された糸を一連式分繊機で捲
縮のかかったモノフィラメントに分繊する際に分繊ガイ
ド出での張力変動、分繊点の上下変動が大きく糸切れを
誘発し分繊は不良であった。これらに対して仮撚加工条
件、分繊条件だけでは満足な仮撚性、分繊性は得られな
かった。延伸糸を用いた仮撚分繊に関して仮撚性、分繊
性を満足にするマルチフィラメントの特性は何ら教示さ
れていない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はドラム
に巻かれた延伸糸を仮撚する際に、糸切れなく安定して
仮撚ができ、かつ仮撚加工糸を捲縮のかかったモノフィ
ラメントに糸切れがなく安定して分繊できる仮撚分繊用
マルチフィラメント糸を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的は
マルチフィラメント糸の金属梨地表面動摩擦係数が0.
10〜0.30、伸度が25〜35%、かつ油分付着量
が0.4〜1.2%である仮撚分繊用マルチフィラメン
ト糸によって達成することができる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステルはエチレンテレフタレートを主た
る構成成分とすることが好ましい。 【0009】本発明のマルチフィラメント糸は糸と金属
梨地との動摩擦係数が0.10〜0.30であることが
必要である。好ましくは0.15〜0.25が良い。こ
こで糸の金属梨地表面動摩擦係数は直径3.6cmの梨地
表面粗さ65Hrmsの円筒上を180度接触させ、5
5m/分で走行させ動摩擦係数を測定した値である。
0.30を超えると分繊工程で仮撚加工されたマルチフ
ィラメント糸を捲縮のかかったモノフィラメントに分繊
する際に、糸の摩擦および捲縮の絡みから分繊ガイド出
で単糸1本1本に分かれる時の張力変動が大きく分繊点
が上下に大きく変動し、糸切れとなり分繊性が極めて悪
くなる。0.10未満になるとドラム巻きにおいて糸が
スベリやすくなり、ドラム端面に糸落ちが増加し操業性
が悪化するだけでなく、仮撚工程においても解舒時に糸
落ちし仮撚糸切れが悪化する。 【0010】また伸度は25〜35%が必要である。マ
ルチフィラメント糸の伸度が25%未満であると製糸時
での糸切れ、仮撚時の糸切れ、さらには分繊時の糸切
れ、分繊ガイドに白粉が発生し品質も不良になり、伸度
が35%を越えると製糸時での延伸ムラが発生し品質が
不良になる。 【0011】油分付着量は0.4〜1.2%であること
が必要である。油分付着量が0.4%未満では、製糸工
程でのドラム巻においてドラム端面の糸落ち欠点が発生
し、糸切れが多くなり操業性が悪化するばかりではな
く、仮撚工程においてもドラムから糸を引き出しドラム
を糸の引っ張る力で回転させながら糸解舒する際に、ド
ラム端面から糸落ちして糸切れとなり仮撚性が不良とな
り、油分付着量が1.2%を越えると製糸時での延伸ム
ラ発生、工程汚れの増加などによる品質不良となる。ま
た分繊工程においても油分付着のバラツキ、静電気が影
響し糸切れが増加し分繊性が不良となる。好ましくは
0.5〜0.8%である。 【0012】本発明の仮撚分繊用ポリエステルマルチフ
ィラメント糸は糸の金属梨地表面動摩擦係数、伸度、油
分付着量以外は特に規定されるものではないが、繊度は
単糸デニール10〜30d、総デニール150〜300
Dであることがマルチフィラメント糸を捲縮のかかった
モノフィラメントに分繊する場合の分繊性の面で好まし
い。マルチフィラメント糸のフィラメント数は4〜16
本であることが分繊性が良好で好ましい。また、ドラム
は巻取張力0.10〜0.20g/dで巻き上げられる
ことがドラムから糸を解舒する際に糸落ちしにくく仮撚
性の面で好ましい。 【0013】 【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。なお実施例中の物性は次の様にして測定した。 【0014】A.マルチフィラメント糸の金属梨地表面
動摩擦係数 直径3.6cmの金属梨地表面粗さ65Hrmsの円筒上
を180度接触させ55m/分で走行させ動摩擦係数を
測定した。 【0015】B.マルチフィラメント糸の伸度 東洋ボールドウィン社製「テンシロンUTM−4−10
0」を用いて試料長200mm、引張速度200mm/
分の条件下で荷重−伸長曲線を測定し、この曲線から伸
度を読み取った。 【0016】C.マルチフイラメント糸の油分付着量 東レエンジニアリング製「TC計(WQA−800
型)」を使い試料0.4gで測定した。 【0017】D.仮撚性 仮撚分繊用マルチフィラメント糸を巻き取った10Kg
巻のドラムを、糸切れなく、仮撚速度80m/分、オー
バーフィード率0%、ヨリ数1900T/m、ヒーター
温度210℃で仮撚できた割合を満管率(%)で表す。
合否は80%以上とした。 (無切断仮撚マルチフィラメント糸数/ドラム総仕掛け
数)×100(%) 【0018】E.分繊性 仮撚速度80m/分、オーバーフィード率0%、ヨリ数
1900T/m、ヒーター温度210℃で、仮撚された
仮撚分繊用マルチフィラメント糸を、単糸1本1本に糸
切れなく分繊速度500m/分で分繊できた仮撚分繊用
マルチフィラメント糸の割合を無切断率(%)で表す。
なお、巻量は1Kg巻とする。合否は70%以上とし
た。 【0019】(無切断仮撚マルチフィラメント 糸数/仮撚マルチフィラ
メント 糸総仕掛け数)×100(%) 【0020】実施例1 固有粘度が0.64のポリエチレンテレフタレートを使
用し、紡糸温度約290℃で吐出孔を10個有する口金
から吐出した後に冷却風を当て油剤を付着させ、直接紡
糸延伸法で単糸20d、総デニール200Dのマルチフ
ィラメント糸をドラム状に巻き上げた。巻き上げたドラ
ムを仮撚クリールに仕掛け糸解舒ヨリが入らない様にド
ラムを糸が引っ張られる力で回転させながら仮撚速度8
0m/分、オーバーフィード率0%、ヨリ数1900T
/m、ヒーター温度210℃で仮撚を行った。仮撚加工
されたマルチフィラメント糸は分繊工程で一連式分繊機
に掛け、分繊速度500m/分で行い、捲縮のかかった
モノフィラメントに分繊した。仮撚分繊用ポリエステル
マルチフィラメントの物性、仮撚性、分繊性、製糸性の
結果を表1に示す。 【0021】 【表1】 本発明の実験No1〜3、8は良好であった。実験No
4は糸の金属梨地動摩擦係数が0.35と高く、分繊性
が不良、分繊ガイドへの白粉の発生が多く満足できるレ
ベルでなかった。実験No5は伸度が20%と低く、仮
撚性、分繊性、糸落ち、白粉が不良にあり満足できるレ
ベルでなかった。実験No6は伸度が高く、糸の均一性
が悪化傾向にあって、仮撚性、分繊性が満足できるレベ
ルでなかった。実験No7は油分が0.3%と極めて少
なく、ドラム糸落ちが多く発生し仮撚工程でのドラム解
舒糸切れ、分繊工程での張力変動が大きくなり糸切れが
不良であり満足できるレベルでなかった。逆に実験No
9は油分が1.5%と多く、製糸工程での油剤飛散によ
る工程の汚れが悪い。実験No10は糸の金属梨地動摩
擦係数が0.07と低く、糸のスベリからドラム巻き糸
落ちが多く、また製糸時での糸切れが多く製糸困難であ
り仮撚するまでもなかった。 【0022】 【発明の効果】直接紡糸延伸で原糸の摩擦特性、伸度、
油分付着量を適正し、仮撚性、分繊性が良好な仮撚分繊
用ポリエステルマルチフィラメント糸を得ることができ
る。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 糸の金属梨地表面動摩擦係数が0.10
〜0.30、伸度が25〜35%、かつ油分付着量が
0.4〜1.2%である仮撚分繊用ポリエステルマルチ
フィラメント糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05462397A JP3473316B2 (ja) | 1997-03-10 | 1997-03-10 | 仮撚分繊用ポリエステルマルチフィラメント糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05462397A JP3473316B2 (ja) | 1997-03-10 | 1997-03-10 | 仮撚分繊用ポリエステルマルチフィラメント糸 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10251926A JPH10251926A (ja) | 1998-09-22 |
JP3473316B2 true JP3473316B2 (ja) | 2003-12-02 |
Family
ID=12975881
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05462397A Expired - Lifetime JP3473316B2 (ja) | 1997-03-10 | 1997-03-10 | 仮撚分繊用ポリエステルマルチフィラメント糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3473316B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004011777A1 (de) * | 2004-03-09 | 2005-10-06 | Trevira Gmbh | Falschdrahttexturiertes Monofilament |
KR101033209B1 (ko) | 2004-12-31 | 2011-05-06 | 주식회사 효성 | 분사성을 향상시킨 폴리에스테르 분섬사의 제조방법 |
-
1997
- 1997-03-10 JP JP05462397A patent/JP3473316B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10251926A (ja) | 1998-09-22 |
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