JP3470660B2 - ばね用複層組織クロム系ステンレス鋼材およびその製造方法 - Google Patents
ばね用複層組織クロム系ステンレス鋼材およびその製造方法Info
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Description
加工性および耐食性を兼ね備えたクロム系ステンレス鋼
に関する。
(単に「鋼板」と記す)としては、例えばJIS−G4
313によれば、オ−ステナイト系としてSUS301
−CSPおよびSUS304−CSP、マルテンサイト
系としてSUS420J2−CSP、析出硬化系として
SUS631−CSPが規定されている。
による加工硬化により強度を高めてばね特性を得るもの
で、冷間圧延率の変更により得られる3〜4種類の硬さ
レベルのものが規定されている。上記鋼板は、素材メ−
カ−から冷間圧延状態で出荷され、加工メ−カ−におい
て所望形状に加工される。加工後には、ばね特性向上を
目的として時効熱処理が施される場合が多い。
食性と加工性を有するのでばね用鋼板として優れた鋼板
である。しかしながら、高価なNiを多量に含有するも
のであることから鋼材コストが高いという問題がある。
また厚さが0.3mm以下の極薄鋼板を製造する場合に
は、冷間圧延時の圧延負荷が高く、形状が良好な鋼板を
得るのが困難であるという問題もある。
成がクロム系であるのでオーステナイト系ばね用鋼板に
比較すると安価である。マルテンサイト系ばね用鋼板は
焼き入れまたは焼き入れ−焼き戻し処理後の高強度状態
では加工が困難であるため、通常は、鋼板メ−カ−から
は焼き鈍し状態で出荷される。このばね用鋼板は、加工
メ−カ−で各種の形状に加工した後、焼き入れ−焼き戻
し処理を施すことにより強度を高めてばね特性を得てい
る。しかしながら加工後に焼き入れ−焼き戻し処理を要
するため、最終製品のコストが高くなるという問題があ
る。またCr含有量が12〜14%と低いために耐食性
が不十分な場合が生じるという問題がある。
施して出荷されるSUS631−CSP−0を除き、他
はオ−ステナイト系ばね用鋼板と同様に素材メ−カ−か
ら冷間圧延状態で出荷され、加工メ−カ−において所望
形状に加工された後析出硬化熱処理が施される。析出硬
化系ばね用鋼板はNiを大量に含有するため高価である
うえ、加工硬化が大きいために冷間圧延時の圧延負荷が
高く、例えば0.3mm以下の極薄鋼板を製造する場合
には形状が良好な鋼板を得るのが困難である、等の問題
を有する。
製造方法として、特開昭63−169330号公報に
は、化学組成が質量%でCr:10〜20%、C:0.
15%以下、N:0.12%以下、かつ、(C+N):
0.02〜0.20%の関係を満足するAc1点以上1
100℃以下の2相域温度に加熱した後急冷し、結晶組
織をフェライト+マルテンサイトの混合組織とした延性
に優れた高強度複相クロムステンレス鋼帯の製造方法が
開示されている。
冷処理により、鋼の組織を軟質なフェライト相と硬質な
マルテンサイト相からなる複相組織とすることにより高
強度と加工性とを兼ね備えさせる製造方法である。特開
平3−56621号公報には、質量%でCr:10〜2
0%、C:0.01〜0.15%、Ni、MnまたはC
uのうち1種または2種以上を0.1〜4%含有する冷
間圧延鋼板を複相化熱処理してその結晶組織をフェライ
ト+マルテンサイトの混合組織とし、その後必要により
調質圧延を施し、次いで時効処理を施すことによる高強
度ばね用ステンレス鋼板の製造方法が開示されている。
特開平8−319519号公報には、質量%でC:0.
01〜0.15%、Cr:10〜20%、Ni、Mnま
たはCuのうち1種または2種以上を合計で0.3〜
5.0%含み、マルテンサイトが30〜90体積%、残
部がフェライトからなり、目標硬さに応じて冷間圧延の
圧下率を設定することにより、HV300以上で反動幅
が小さく面内異方性が小さいばね特性を有する複相組織
ステンレス鋼板の製造方法が開示されている。
号公報に開示されている製造方法でオ−ステナイト系ば
ね用鋼板のH仕様材と同等の高いばね特性を得るには、
Ni含有量を増して複相化熱処理時に生じるマルテンサ
イト相の比率を増加させると共に、Cおよび/またはN
含有量を増して高強度のマルテンサイト相とする必要が
ある。
加させ、かつこれを高強度化すると熱間加工性が劣化し
熱間圧延の際に耳割れ等の欠陥を生じる場合がある。ま
た、Niを増量させることにより鋼のコストが高くなる
という問題もある。さらに、これらステンレス鋼は、複
相化熱処理時の鋭敏化現象により耐食性が劣化するとい
う欠点を有し、これを回避するために冷却速度を速く制
御する設備改造にコストがかかるという問題がある。
らなるステンレス鋼では、高強度を得るためにオーステ
ナイト形成元素含有量を増してマルテンサイト相比率を
高くすることがおこなわれているが、マルテンサイト量
を多くすると鋼の熱間加工性が損なわれて熱間圧延が困
難となる。またマルテンサイト量を増すためにCやN含
有量を増すと鋼の耐食性も損なわれるという問題もあ
る。
ような悪影響を避けるために、鋼のC含有量を低く制限
し、複相化熱処理ままの強度レベルの低下を、目標強度
に応じた冷間圧延率を設定することにより所望の強度と
耐食性を得るものである。しかしながらここに開示され
ている方法では、冷間圧延により鋼板の延性が低下し、
加工性が劣化するという問題が生じる。以上述べたよう
にこれまでに開示されている鋼は、加工性、ばね特性、
耐食性および経済性などばね鋼に要求される性能を総合
的に満たすものではなかった。
オ−ステナイト系ばね用鋼板のH仕様材と同等の加工性
(例えば曲げ性)とそれを上回るばね特性を具備し、マ
ルテンサイト系ばね鋼よりも優れた耐食性、例えばSU
S430鋼(16%Cr)と同等以上の耐食性を備えた
安価なクロム系ステンレス鋼、および安価かつ容易なそ
の製造方法を提供することに有る。
ステンレス鋼の上記のような各種の性能を改善すべく、
鋼の結晶組織の影響等種々研究を重ねた結果、以下に記
す新たな知見を得た。
は、鋼の内部(内層部)よりも表面(表層部)の方が大
きい。鋼の表層部に残留オーステナイト相(γ相)を存
在させ、加工時に生じるγ相の加工誘起変態に伴う変形
能の向上効果を活用することにより、加工時の破断の起
点となる表面割れ(ミクロクラック)の発生を抑制し、
鋼の加工性能を向上させることができる。従って鋼の表
層部をマルテンサイト相と残留オ−ステナイト相を含有
する混合組織とすることにより、マルテンサイト相の量
に応じた高い強度と、残留オーステナイト相を含有する
ことによる優れた加工性とを兼ね備えた鋼が得られる。
有する鋼は、加工誘起変態による強度上昇とそれに見合
ったばね特性の向上も期待できる。さらに、表層部に残
留オーステナイト相を含有する混合組織を備えることに
より、従来フェライト系ステンレス鋼やフェライト−マ
ルテンサイト2相組織鋼で観察されている鋭敏化現象を
抑制することができる。このため、優れた耐食性を示
す。これは、表層部にC、Nなどの吸収能の大きいオ−
ステナイト相を配することにより、溶接時や熱処理時に
鋭敏化現象の原因となるCやNを吸収し、粒界への析出
を防ぐ作用によるものと推察される。質量%でCを0.
01%以上、Crを16%以上含有するクロム系ステン
レス鋼は、Ac1点以上の温度域でN含有雰囲気中で光
輝焼鈍して冷却すると、鋼の表層部に残留オーステナイ
ト相を生成させることができる。これは、光輝焼鈍時に
鋼の表層部に窒素を吸収させることによりオ−ステナイ
ト相が安定になるためと考えられる。
にして完成されたものであり、その要旨は下記(1)〜
(3)に記載のばね特性に優れたクロム系ステンレス鋼
および(4)に記載のその製造方法にある。る。
−ステナイト相を含有する混合組織からなり、内層部が
フェライト相とマルテンサイト相からなる2相混合組織
からなることを特徴とするばね用複層組織クロム系ステ
ンレス鋼材。
0.10%、Cr:16〜20%を含有するものである
ことを特徴とする請求項1に記載のばね用複層組織クロ
ム系ステンレス鋼材。
質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載
のばね用複層組織クロム系ステンレス鋼材。
%、Cr:16〜20%、含有する鋼のスラブを製造
し、これを熱間圧延する工程、得られた熱間圧延鋼材を
焼鈍し酸洗する工程、焼鈍し酸洗した熱間圧延鋼材を冷
間圧延する工程、得られた冷間圧延鋼材を、水素:50
体積%以上、窒素:20体積%以上50体積%未満、露
点:−40℃以下である雰囲気中で、Ac1変態点以上
のフェライト+オーステナイト2相温度域に加熱して冷
却して表層部にマルテンサイト相と残留オーステナイト
相を含有する混合組織とする光輝焼鈍を施す工程を有す
ることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記
載のばね用複層組織クロム系ステンレス鋼材の製造方
法。
いて具体的に説明する。なお、以下に述べる化学組成の
%表示は質量%を意味する。
確保するために必要な元素である。さらに、Ac1点以
上の温度域で光輝焼鈍を施した際に、雰囲気ガスから供
給される窒素を吸収して鋼表層部のオ−ステナイト相を
安定化させ、冷却後に残留オーステナイト相を生じさせ
るのに有効である。
せ、かつ、SUS430鋼と同等以上の耐食性を確保す
るために、好ましくはCrを16%以上含有させる。他
方、Crを過剰に含有させると鋼材コストが高価になる
ばかりでなく、オーステナイト相が生成する温度(Ac
1点)が過度に高くなり、鋼の高温強度不足により光輝
焼鈍時の通板困難などの操業上の問題が生じる場合があ
る。これを避けるために、好ましくはCr含有量は20
%以下とする。より好ましくは18%以下である。
また、マルテンサイト硬化能に大きく影響する。オ−ス
テナイト系ばね用鋼板のH仕様材を上回るばね特性を得
るために、好ましくはCを0.01%以上含有させる。
C含有量を過度に増すとマルテンサイト相の割合が高く
なりすぎると共に、マルテンサイト相の硬さも増し、熱
間加工性および製品の加工性が低下する。さらに、Ac
1点以上の温度域で光輝焼鈍を施した際に鋭敏化現象を
起こしやすくなり耐食性が劣化する。これらの不都合を
避けるためにC含有量は0.10%以下とするのが望ま
しい。
ト形成作用があり、ばね特性の向上に効果的な元素であ
る。しかしながら、鋼の製造時にNを大量に含有させる
のは通常の方法では困難であるうえ、Nを大量に含有し
た鋼は熱間加工性がよくなく、熱間圧延時に耳割れ不良
発生などの原因となる。従って、本発明が規定するクロ
ム系ステンレス鋼におけるN含有量は、光輝焼鈍以前の
段階においては特に限定する必要はなく、通常の製造方
法で得られる0.01〜0.04%程度の含有量でよ
い。
で窒素を含む雰囲気中で光輝焼鈍を施して鋼表層部にN
を吸収させる。これによりオ−ステナイト相を安定化さ
せ、冷却後の表層部の結晶組織を残留オーステナイト相
を含有する混合組織とする。光輝焼鈍後の鋼板表層部に
おけるN含有量は、ばね特性を向上させるのに必要な残
留オーステナイト相を含有させるために0.1%以上と
するのが望ましい。より望ましくは0.2%以上であ
る。他方、N含有量を増すには熱処理時間を長くする必
要があるなどの生産上の問題が生じるので、その上限は
0.50%とするのがよい。より好ましくは0.40%
以下である。
−ステナイト形成元素であり、焼鈍後のマルテンサイト
相の量と硬さを調整するのに有効な元素である。また、
これらの元素を含有させることにより、(C+N)含有
量を低減することができるので、マルテンサイト相を軟
質なものとすることができる。従って鋼の加工性を向上
させるのに好適である。さらに、これらの元素はAc1
点を低下させる作用があり、高温での光輝焼鈍による窒
化を促進させる効果がある。
ためにこれらの元素を含有させても構わない。含有させ
る場合は、それぞれを0.3%以上含有させるのがよ
い。他方NiまたはCuを過剰に含有させると経済性を
損なうだけでなく、光輝焼鈍時の窒素吸収能を低下させ
る作用があるので、含有させる場合でもその上限をそれ
ぞれ2.0%とするのがよい。Mnは光輝焼鈍時の窒素
吸収能を高める作用があるが、過剰に含有させると経済
性を損なううえ耐食性を低下させる作用があるので、含
有させる場合でもその上限を2.0%とするのがよい。
ともに、Ac1点以上の温度域で光輝焼鈍を施した際に
冷却過程で生じる鋭敏化現象を抑制し、さらに、フェラ
イト相とオ−ステナイト相(冷却後にはマルテンサイト
相と残留オーステナイト相となる)に固溶し、加工性を
低下させることなく強度を上昇させる作用がある。従っ
て必須ではないが、上記効果を得るために含有させても
構わない。含有させる場合には0.01%以上含有させ
るのがよい。他方Nbを過剰に含有させると鋼中のC、
N元素を固定して強度低下の原因となるので、含有させ
る場合でもその上限は0.1%とするのがよい。Mo:
Moは必須元素ではないが、フェライト形成元素である
とともに、耐食性を著しく向上させる作用があるので、
Cr含有量が少ない場合でもMoを含有させることによ
り目標とする耐食性を得ることができる。含有させる場
合には0.1%以上含有させるのがよい。しかしながら
Moは高価であり過剰に含有させると経済性を損なうの
で、含有させる場合でもその上限は3.0%とするのが
よい。
に効果的な元素であるため、含有させても構わない。含
有させる場合には0.05%以上含有させるのがよい。
しかしながら上記効果は0.3%を超えると飽和するの
で含有させる場合でも0.3%以下とするのがよい。
耐酸化性を向上させる作用があるので含有させても構わ
ない。しかしながら合計量で0.1%を超えて含有させ
ると効果が飽和するうえコストが高くなるので含有させ
る場合でも0.1%以下とするのがよい。
であるうえ、強度を高める作用もあるので含有させても
構わない。しかしながら過剰に含有させると鋼の靭性を
損なうので、含有させる場合でもその上限は2.0%と
するのがよい。Al:Alは鋼の脱酸剤として有効な元
素であるので含有させてもよい。しかしながらAlは窒
化物を形成するため、過剰に含有させると光輝焼鈍時の
固溶窒素量を減少させる作用がある。従って含有させる
場合でもその上限は0.05%とするのがよい。残部は
Feおよび不可避的不純物である。
留オ−ステナイト相を含有する混合組織であり、内層部
においてはフェライト相とマルテンサイト相からなる2
相混合組織を有する鋼とする。
めるうえ、時効熱処理を施して固溶元素(C、N)を析
出させることにより鋼の弾性比例限を高めてばね特性を
向上させる効果が得られる。この効果を得るにはマルテ
ンサイト相の比率を40体積%以上とするのが好まし
い。より好ましくは50体積%以上である。他方マルテ
ンサイト相の比率を過度に高くすると鋼の延性が低下
し、加工性がそこなわれるので、表層部のマルテンサイ
ト比率は95体積%以下とするのが好ましい。より好ま
しくは90%以下である。
に比べて軟質で加工性に富むうえ、加工を受けた際に加
工誘起変態して組織を極めて強靭にする作用がある。ま
た、焼き入れ鋼の靭性を増す作用もある。また、加工誘
起変態して得られる強靭な組織を時効熱処理して固溶元
素を時効析出させることにより、鋼の弾性比例限を高め
てばね特性を向上させる効果も得られる。さらに表層部
にC、Nなどの吸収能の大きいオ−ステナイト相を配す
ることにより、鋭敏化現象の原因となるCやNを吸収し
て溶接時や熱処理時の耐食性を向上させることができ
る。
オーステナイト相の比率は5体積%以上とするのが好ま
しい。より好ましくは10体積%以上である。
含むものであっても構わない。表層部のフェライト相の
含有は必須ではないが、フェライト相があると加工性改
善効果がある。しかしながらフェライト相の比率が高く
なるとばね特性が損なわれるので、フェライト相を含有
する場合であってもその上限は10体積%以下とするの
がよい。
ーステナイト相およびフェライト相の体積比率は、これ
らの総和が100%を超えない範囲である。なお、本発
明における金属組織の比率は、体積%に替えて金属組織
観察面における面積%で近似しても構わない。
ステナイト相を含有する混合組織を有すれば加工性、ば
ね特性および耐食性を改善できる。上記表層部の厚さ
は、より有効な効果を得るために、鋼の厚さの(線材や
条鋼であるばいにはその直径の)3%以上とするのが望
ましい。鋼板であればその表裏面それぞれにおいて鋼板
厚さの3%以上である。より好ましくは5%以上であ
る。
改善作用が飽和するうえ、過度に厚くしすぎると鋼の加
工性が損なわれる場合がある。従って表層部の厚さは、
好ましくは鋼の厚さの(線材や条鋼であるばいにはその
直径の)20%以下とする。より好ましくは15%以下
である。内層部の金属組織は、加工性と強度を確保する
ために、フェライト相とマルテンサイト相からなる2相
混合組織とする。その理由は、鋼の内層部では曲げ加工
などによる加工変形量が小さいく、残留オーステナイト
相があっても加工誘起変態による強度向上が期待できな
いからである。
確保するために30体積%以上とするのが望ましい。よ
り好ましくは50体積%以上である。鋼の強度を確保す
るためにマルテンサイト相の比率を20体積%以上とす
るのが望ましい。より好ましくは30体積%以上であ
る。内層部におけるフェライト相とマルテンサイト相の
体積比率は、これら2相の和が100体積%を超えない
範囲である。
合を例としては説明する。
スラブを公知の方法、例えば、転炉や電気炉で鋼を溶解
した後、真空脱ガス処理を施し、連続鋳造法や、鋼塊に
した後に分塊圧延するなどの方法でスラブを製造する。
得られたスラブを公知の方法で熱間圧延して熱間圧延鋼
板を製造する。この熱間圧延鋼板には、常法にしたがっ
て焼鈍し酸洗など公知の方法でその表面のスケールを除
去する。
鋼板を製造する。冷間圧延は、中間焼鈍を含む複数回の
冷間圧延でおこなってもよいし、中間焼鈍を含まない冷
間圧延としてもよい。冷間圧延鋼板の寸法は特に限定す
るものではなく、通常使用されている厚さ(例えば、
0.1〜2.0mm)とすればよい。
体積%以上、窒素:20体積%以上50体積%未満、露
点:−40℃以下である雰囲気中で、Ac1変態点以上
のフェライト+オーステナイトの2相温度域に加熱し、
その後急速冷却する光輝焼鈍を施す。
する混合組織は、光輝焼鈍中にオーステナイト相に窒素
原子を吸収させてオーステナイト相の安定性を増すこと
で得られる。雰囲気の水素濃度は、焼鈍雰囲気から鋼表
層部への窒素吸収を迅速に行わせるために、50体積%
以上とするのがよい。鋼表面に酸化皮膜が形成されると
雰囲気からの窒素吸収が阻害されるが、雰囲気の水素濃
度を上記範囲とし、かつ、露点を低く保つことにより酸
化皮膜の生成を抑制することができる。より好ましくは
70体積%以上である。酸化皮膜の厚さは100Å未満
にするのがよい。
雰囲気の窒素濃度は20体積%以上とすることが好まし
い。より好ましくは25体積%以上である。
が100Åを超え、かつ緻密な酸化皮膜が形成され、表
層部へ窒素の吸収が進行しなくなるため、雰囲気ガスの
露点は−40℃以下に制御することが好ましい。より好
ましくは−45℃以下である。雰囲気ガスには表面酸化
の恐れのないArガス等の不活性ガス、および、窒化反
応を促進させるNH3 等の触媒を含んでいても差し支え
ない。
のクロム系ステンレス鋼はAc1点未満の温度域で焼鈍
される。Ac1点未満で光輝焼鈍を行うと、熱力学的に
鋼材表面に生成する酸化皮膜(Cr2O3)が安定であ
り、さらにフェライト相の窒素固溶量が小さいことか
ら、窒素ガス相から鋼表層部への窒素の吸収は起こらな
い。
と、熱力学的に酸化物の安定度が低下するため、酸素ポ
テンシャルが低い低露点雰囲気中では、鋼表面のCr2
O3が還元されてCr2O3層の厚さが100Å未満に薄
くなる。また上記温度域ではCr 2O3中および鋼中の窒
素原子の拡散速度が速く、鋼の窒素固溶量も大きくなる
ことなどの相乗効果で、鋼表層部への窒素吸収が促進さ
れる。他方、保持温度が1100℃を超えると鋼の高温
強度が低下し、焼鈍作業に支障が生じることがある の
で、保持温度は1100℃以下とするのがよい。
必要はなく、通常おこなわれている連続焼鈍の処理時間
である10〜60秒の範囲であればよい。光輝焼鈍後の
冷却速度は特に限定する必要はなく、通常連続焼鈍炉で
おこなわれている10〜40℃/秒の範囲とすればよ
い。本発明の鋼の表層部の厚さの制御は光輝焼鈍温度で
の保持時間で調整してもよいが、保持温度を調整するこ
とでおこなうのがより好適である。保持温度が高いほど
窒素の吸収速度が速くなるが、950℃〜1050℃の
範囲がよい。
ね用鋼として使用できるが、さらにばね特性の向上を目
的として時効熱処理などの熱処理を施しても構わない。
織クロム系ステンレス鋼の形状を鋼板として説明した
が、本発明鋼の形状は鋼板に限定する必要はなく、線
材、条鋼、管状など他の形態であっても本発明の効果は
十分に発揮される。
ステンレス鋼スラブを1200℃に加熱し、仕上温度9
50℃で熱間圧延を終了して、厚さが3.2mmの熱延
鋼板を得た。
後、ショットブラストと硝弗酸酸洗を施して脱スケール
した後、中間焼鈍を挟む冷間圧延を施して厚さが0.2
5mmの冷間圧延鋼板とし、さらに以下に述べる条件で
光輝焼鈍を実施した。焼鈍雰囲気は、窒素25体積%、
水素75体積%からなり、露点を−40℃以下に制御し
た混合ガスを使用した。焼鈍温度は850〜1050℃
とし、加熱速度は平均で20℃/秒とし、均熱保持時間
は10〜40秒の範囲とし、均熱後の冷却速度は平均で
15〜30℃/秒とした。
て、上記と同一焼鈍サイクルではあるが、露点が+50
℃になるように加湿した窒素ガスを雰囲気とする酸化性
焼鈍をおこなった。さらに、比較例として、市販のオ−
ステナイト系ばね用鋼板SUS304(H仕様材)、マ
ルテンサイト系ばね用鋼板420J2(焼入れ・焼戻し
材)、および、フェライト系ステンレス鋼板SUS43
0を準備した。これらの鋼板の金属組織と、450℃で
30分間均熱する時効熱処理を施した後の硬さ、ばね特
性、加工性および耐食性を以下の方法により評価した。
一部の鋼板には時効熱処理を施す前に3〜8%の範囲の
引張り歪みを付与し、ばね特性と耐食性に対する加工歪
みの影響も調査した。
EM観察して測定した。表層部のマルテンサイト相の比
率は、常法により研磨し腐食した試料を顕微鏡観察して
測定した。残留オーステナイト相の比率は、X線回折法
によりα−Feとγ−Feの積分強度を測定し、γ−F
eの積分強度値/(α−Feの積分強度値+γ−Feの
積分強度値)×100により求めた。残部をフェライト
相の比率とした。内層部組織のマルテンサイト相とフェ
ライト相の体積率は表層部と同様に顕微鏡観察して測定
した。表層部の窒素含有量は窒素測定専用の分光結晶L
AD(人工多層膜)を有するEPMA装置により定量し
た。表2に各鋼の金属組織を光輝焼鈍条件と共に示す。
件にて測定した。ばね特性は圧延方向(L方向)と圧延
直角方向(T方向)の試験片を使用し、平面曲げ試験機
によりJIS−H3732に規定されているばね限界値
(Kb)とばね疲労限を測定した。Kbは、曲げによる
表面最大応力が36.25GPaとなるときの弾性変形
と同等の永久変形を生じさせる表面最大応力と定義され
る。ばね疲労限は、30Hzの一定振幅の繰り返し曲げ
試験において107 回を上限として試験片が破断に至ら
なかった最大応力を測定した。加工性はL方向とT方向
の試験片にJIS−Z2248に規定されているV曲げ
試験をおこない、曲げ加工可能な最小曲げ半径の鋼板厚
さに対する比(R/t)を測定した。
4の45℃のNaCl水溶液に100時間浸漬した後、
錆発生状況を目視観察し、SUS430と同等以上の耐
錆性を備えている場合を合格(○)と判断した。さら
に、鋭敏化現象の詳細を調べるために透過型電子顕微鏡
を用いて表層部の結晶粒界を観察し、Cr炭窒化物の粒
界析出の有無を確認した。
す。
および5Aの鋼板は、いずれも表層部にマルテンサイト
相と残留オーステナイト相を含有し、内層部はフェライ
ト相とマルテンサイト相の2相混合組織を備えている。
符号1D、3Bおよび4Aはいずれも表層部にオーステ
ナイト相が無いものである。
13および14の鋼板は、いずれも目標とするSUS3
04(試番15)と同等以上のばね限界値を示し、ばね
疲労限に関してはこれを上回る優れた特性が得られた。
加工性はSUS304(試番15)と同等、耐食性はS
US430(試番17)と同等以上の性能を有してい
た。さらに、電子顕微鏡観察結果においてもクロム炭窒
化物の粒界析出も観察されなかった。
ね特性、曲げ性および耐食性の内のいずれかの性能が劣
っていた。全てを満足することができなかったも試番7
と同様に表層部に残留オーステナイ試番12の鋼はCr
含有量が14%と少ないためにSUS430に比較する
とやや劣ったが、SUS420J2とほぼ同様の性能で
あった。試番16に示したSUS420J2は良好なば
ね特性は得られているものの、目標とする加工性と耐食
性が得られなかった。試番17に示したSUS430は
良好な加工性と耐食性は得られているものの、目標とす
るばね特性が得られなかった。
ス鋼でありながら、オ−ステナイト系ばね用鋼と同等の
加工性、およびそれを上回る極めて優れたばね特性を兼
ね備えている。その耐食性はSUS430鋼と同等以上
の優れた性能を有する。また、本発明のクロム系ステン
レス鋼は、製造コストの上昇を招くことなく容易に製造
することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 表層部がマルテンサイト相と残留オ−ス
テナイト相を含有する混合組織からなり、内層部がフェ
ライト相とマルテンサイト相からなる2相混合組織から
なることを特徴とするばね用複層組織クロム系ステンレ
ス鋼材。 - 【請求項2】 鋼組成が質量%でC:0.01〜0.1
0%、Cr:16〜20%を含有するものであることを
特徴とする請求項1に記載のばね用複層組織クロム系ス
テンレス鋼材。 - 【請求項3】 表層部のN含有量が0.1〜0.5質量
%であることを特徴とする請求項1または2に記載のば
ね用複層組織クロム系ステンレス鋼材。 - 【請求項4】 質量%でC:0.01〜0.10%、C
r:16〜20%を含有する鋼のスラブを製造し、これ
を熱間圧延する工程、得られた熱間圧延鋼材を焼鈍し酸
洗する工程、焼鈍し酸洗した熱間圧延鋼材を冷間圧延す
る工程、得られた冷間圧延鋼材を、水素:50体積%以
上、窒素:20体積%以上50体積%未満、露点:−4
0℃以下である雰囲気中で、Ac1変態点以上のフェラ
イト+オーステナイト2相温度域に加熱して冷却して表
層部にマルテンサイト相と残留オーステナイト相を含有
する混合組織とする光輝焼鈍を施す工程を有することを
特徴とする請求項1〜3のいずかに記載のばね用複層組
織クロム系ステンレス鋼材の製造方法。
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