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JP3452920B2 - 像加熱装置及びこれを用いる画像形成装置 - Google Patents

像加熱装置及びこれを用いる画像形成装置

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JP3452920B2
JP3452920B2 JP2003021143A JP2003021143A JP3452920B2 JP 3452920 B2 JP3452920 B2 JP 3452920B2 JP 2003021143 A JP2003021143 A JP 2003021143A JP 2003021143 A JP2003021143 A JP 2003021143A JP 3452920 B2 JP3452920 B2 JP 3452920B2
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JP
Japan
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heat generating
heat
roller
exciting coil
generating roller
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JP2003021143A
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Inventor
建治 朝倉
周一 渡辺
勝 今井
英樹 立松
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Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=27666112&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3452920(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
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  • General Induction Heating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置、静
電記録装置等の画像形成装置に用いられ、未定着画像を
定着する定着装置に好適な像加熱装置、及びこれを用い
た画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の像加熱装置としては、特許文献
1、および特許文献2等に開示されているような電磁誘
導を用いたものが知られている。
【0003】特許文献1には、電磁誘導に適用される励
磁手段として、コアにコイルを巻き付けた励磁コイルが
記載されている。図26に、この公報に開示された像加
熱装置の断面図を示す。
【0004】図26において、310は高周波磁界を発
生させるコイルであり、311は誘導加熱によって発熱
すると共に、回転する金属スリーブである。また、31
2は金属スリーブ311の内部に設けられた内部加圧部
材である。また、313は金属スリーブ311の外部に
設けられた外部加圧部材であり、この外部加圧部材31
3は金属スリーブ311を介して内部加圧部材312に
圧接してニップ部を形成している。外部加圧部材313
は図中の矢印a方向に回転し、金属スリーブ311は外
部加圧部材313の回転に伴って回転する。
【0005】未定着のトナー像を担持した被記録材とし
ての記録紙314は、図中の矢印で示すようにニップ部
へ搬送される。そして、金属スリーブ311の熱と、両
加圧部材312、313の圧力とにより、記録紙314
上の未定着のトナー像が定着される。
【0006】コイル310は、複数の分離した巻回部3
10a、310bを備えている。これらの巻回部310
a、310bは、多数の脚部315a〜315eを備え
たコア315の脚部315b、315dの周囲に図示し
ない絶縁部材を介して導線が複数回巻かれることによっ
て形成されている。ここで、コア315は、磁性材料で
あるフェライトからなり、コイル310に印加される交
流電流によって発生する磁束の磁路を形成している。
【0007】ところで、上記特許文献1に開示された像
加熱装置においては、以下のような課題が考えられる。
【0008】すなわち、上記励磁手段の構成において
は、コア315の脚部に導線が巻き付けられているの
で、導線の配置はコアの脚部の位置に制約されることと
なる。このため、導線の配設に当たって設計上の自由度
が制約されると共に、金属スリーブ311の周方向に周
面に沿って幅広く導線を配置することが困難となる。
【0009】一方、特許文献2には、絶縁支持体に導電
コイルを渦巻状に配置した構成の励磁手段が記載されて
いる。図27に、この公報に開示された像加熱装置の断
面図を示し、図28に、この像加熱装置に用いられてい
る加熱コイルの斜視図を示す。
【0010】図27に示すように、加熱ローラ201
は、加圧ローラ202と接触しながら図の矢印の方向に
回転駆動され、加圧ローラ202は加熱ローラ201の
回転に伴って回転する。また、加圧ローラ202は、加
熱ローラ201に押圧されて従動回転する。そして、未
定着のトナー像を担持し、両ローラ201、202間に
搬送されてきた記録紙203は、両ローラ201、20
2間で加熱加圧され、これにより記録紙203上の未定
着のトナー像が定着される。
【0011】加熱コイル204は、絶縁支持体205の
内部に埋設状態で配置されている。図27、図28に示
すように、加熱コイル204は、半円筒状の絶縁支持体
205の彎曲面に沿って細幅の導電膜を延設し、全体と
して絶縁支持体205の全幅にわたって渦巻状に配設し
たものである。この加熱コイル204には、誘導加熱用
電源から交流電流が印加される。そして、加熱コイル2
04に印加された交流電流によって交番磁束が生じて、
加熱ローラ201が励磁され、加熱ローラ201中に加
熱コイル204を流れる交流電流と逆向きの渦電流が発
生する。この渦電流が加熱ローラ201中に発生する
と、加熱ローラ201にジュール熱が発生し、加熱ロー
ラ201が発熱する。
【0012】この特許文献2に記載された励磁手段の構
成によれば、上記特許文献1の励磁手段の構成に較べ
て、導線の配設に当たっての設計上の自由度が制約され
ることが少なくなり、加熱ローラ201の周方向に周面
に沿って幅広く導線を配設することが可能となる。
【0013】
【特許文献1】特開平10−74007号公報
【特許文献2】特開平7−295414号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特許文献
2に開示された像加熱装置においては、以下のような課
題がある。
【0015】すなわち、加熱コイル204は導電膜を渦
巻状に配設したものであるため、周回する電流の間に電
流の流れない空間が存在する。このため、図27の破線
Sで示すように、磁束が各々のコイルの間を通過して小
さなループを形成する。そして、この場合には、磁束を
効率良く加熱ローラ201へ導くことができず、加熱ロ
ーラ201を貫通しない磁束が多くなる。従って、加熱
ローラ201を発熱させるために必要な電力を得るに
は、加熱コイル204に大きな電流を流す必要がある。
そして、加熱コイル204に大きな電流を流すために
は、誘導加熱用電源に耐電流の大きな部品を使用しなけ
ればならず、誘導加熱用電源が高価になってしまう。
【0016】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するためになされたものであり、小さい電流で所定の
発熱量を得ることのできる像加熱装置及びこれを用いた
画像形成装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る像加熱装置の第1の構成は、導電性を
有する回転体からなる発熱部材と、前記発熱部材の外周
面に対向して配置され、電磁誘導によって前記発熱部材
を発熱させる励磁コイルと、を備えた像加熱装置であっ
て、前記励磁コイルは、表面が絶縁された線材を前記発
熱部材の回転軸方向に延伸し、かつ、前記発熱部材の周
方向に沿って周回して形成され、前記線材は、前記発熱
部材の回転軸方向の両端部において中央部よりも多く重
ねられていることを特徴とする。
【0018】また、本発明に係る第2の像加熱装置の構
成は、導電性を有する回転体からなる発熱部材と、前記
発熱部材の外周面に対向して配置され、前記発熱部材の
外周面に沿って前記発熱部材の回転軸方向および周方向
に線材を周回させて形成され、外部から前記発熱部材を
励磁して発熱させる励磁コイルと、を有し、前記励磁コ
イルのうち、前記発熱部材の周方向に周回された線材が
前記発熱部材から離れる方向に積層されることを特徴と
する。
【0019】また、本発明にかかる第3の像加熱装置の
構成は、線材を周回させて形成される励磁コイルと、
回された線材に沿って形成される周回面に配置され、
記励磁コイルを断熱的に支持する面状の断熱部材と、前
記断熱部材の両端に前記周回面に対して垂直に設けら
れ、前記励磁コイルの両端を保持する一対の保持部材
と、を有し、前記励磁コイルは、前記断熱部材の両端で
前記保持部材に沿って積層されてなることを特徴とす
る。
【0020】これらの構成によれば、発熱部材の回転軸
方向のより広い範囲を均一に加熱することができる。
尚、発熱部材の回転軸方向の両端部において重なった線
束は発熱部材との距離が大きくなるので、この部分に渦
電流が集中して部分的に高温になり過ぎることはない。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を用いて本発明
をさらに具体的に説明する。
【0022】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態における像加熱装置としての定着装置を示
す断面図、図2はこの定着装置の発熱部を示す一部破断
した平面図である。
【0023】図1、図2において、1は発熱部材として
の発熱ローラであり、2は亜鉛メッキ鋼板からなる支持
側板、3は支持側板2に固定され、発熱ローラ1を両端
で回転可能に支持するベアリングである。発熱ローラ1
は、図示しない装置本体の駆動手段によって回転駆動さ
れる。発熱ローラ1は、鉄・ニッケル・クロムの合金で
ある磁性材料によって構成され、そのキュリー点が30
0℃以上となるように調整されている。また、発熱ロー
ラ1は、厚さ0.3mmのパイプ状に形成されている。
【0024】発熱ローラ1の表面には、離型性を付与す
るために、厚さ20μmのフッ素樹脂からなる離型層
(図示せず)が被覆されている。尚、離型層としては、
PTFE、PFA、FEP、シリコーンゴム、フッ素ゴ
ム等の離型性の良好な樹脂やゴムを単独であるいは混合
して用いてもよい。発熱ローラ1をモノクロ画像の定着
用として用いる場合には離型性のみを確保すればよい
が、発熱ローラ1をカラー画像の定着用として用いる場
合には弾性を付与することが望ましく、その場合にはさ
らに厚いゴム層を形成する必要がある。
【0025】4は加圧手段としての加圧ローラである。
この加圧ローラ4は、硬度JISA65度のシリコーン
ゴムによって構成され、20kgfの押圧力で発熱ロー
ラ1に圧接してニップ部を形成している。そして、この
状態で、加圧ローラ4は、発熱ローラ1の回転に伴って
回転する。尚、加圧ローラ4の材料としては、他のフッ
素ゴム、フッ素樹脂等の耐熱性樹脂やゴムを用いてもよ
い。また、耐摩耗性や離型性を高めるために、加圧ロー
ラ4の表面には、PFA、PTFE、FEP等の樹脂あ
るいはゴムを単独であるいは混合して被覆することが望
ましい。また、熱の放散を防ぐために、加圧ローラ4
は、熱伝導性の小さい材料によって構成されることが望
ましい。
【0026】5は励磁手段としての励磁コイルである。
この励磁コイル5は、表面が絶縁された外径0.2mm
の銅製の線材を60本束ねた線束を、発熱ローラ1の回
転軸方向に延伸し、かつ、発熱ローラ1の周方向に沿っ
て周回して形成されている。尚、線束の断面積は線材の
絶縁被覆を含めて約7mm2である。
【0027】励磁コイル5の発熱ローラ1の回転軸に垂
直な断面は、発熱ローラ1の上半分を覆うように、線束
を発熱ローラ1の周方向に沿って互いに密着させて配置
し、それを二重に重ねた形状となっている。この場合、
発熱ローラ1の一端部から他端部に向かう線束のうち隣
接する線束が密着し、発熱ローラの他端部から一端部に
向かう線束のうち隣接する線束が密着するように構成さ
れている。
【0028】尚、発熱ローラ1の回転軸方向に延伸して
周回される線束の周回順序は、周回の中心に近い方から
順次である必要はなく、途中で順序が入れ替わってもよ
い。
【0029】励磁コイル5は、その巻数が全体で18巻
となっており、線束が表面の接着剤によって互いに接着
されることにより、図1、図2に示す形状が保たれてい
る。尚、励磁コイル5は、発熱ローラ1の外周面と約2
mmの間隔を開けて対向している。励磁コイル5が発熱
ローラ1の外周面と対向する範囲は、発熱ローラ1の回
転軸を中心として角度が約180度の広い範囲である。
【0030】励磁コイル5には半共振形インバータであ
る励磁回路6から30kHzの交流電流が印加される。
励磁コイル5に印加される交流電流は、発熱ローラ1の
表面に設けられた温度センサ7によって得られる温度信
号により、発熱ローラ1の表面が所定の定着温度である
170℃となるように制御される。以下、励磁コイル5
に印加された交流電流を『コイル電流』ともいう。
【0031】本実施の形態においては、A4サイズ(幅
210mm)の記録紙が最大幅の記録紙として用いられ
ており、発熱ローラ1の回転軸方向の長さは270m
m、励磁コイル5の外周部における発熱ローラ1の回転
軸方向に沿った長さは230mm、励磁コイル5の内周
部における発熱ローラ1の回転軸方向に沿った長さは2
00mmに設定されている。
【0032】以上のように構成された定着装置に、表面
にトナー10を担持した被記録材としての記録紙8が、
図1の矢印の方向から挿入され、これにより記録紙8上
のトナー10が定着される。
【0033】本実施の形態においては、励磁コイル5が
電磁誘導によって発熱ローラ1を発熱させる。以下、そ
の機構について、図3を参照しながら説明する。
【0034】励磁回路6(図2参照)からの交流電流に
よって励磁コイル5が発生させる磁束は、発熱ローラ1
の磁性のために、図3中の破線Mで示すように、発熱ロ
ーラ1内を円周方向に貫通し、生成消滅を繰り返す。こ
の磁束の変化によって発熱ローラ1に発生する誘導電流
は、表皮効果によってほとんど発熱ローラ1の表面にの
み流れ、ジュール熱を発生させる。
【0035】本実施の形態においては、励磁コイル5
が、発熱ローラ1の一端部から他端部に向かう線束のう
ち隣接する線束が密着し、発熱ローラの他端部から一端
部に向かう線束のうち隣接する線束が密着するように構
成されているので、磁束が線束の間を通過することはな
い。また、励磁コイル5の中央部分には線束が無く、磁
束が通過するように隙間が設けられているので、図3中
の破線Mで示すように、磁束は励磁コイル5の周囲を旋
回する大きなループを形成する。さらに、励磁コイル5
は、発熱ローラ1の円周方向に発熱ローラ1の回転軸を
中心として角度が約180度の広い範囲にわたって発熱
ローラ1と対向して設けられているので、発熱ローラ1
の広い範囲を磁束が円周方向に貫通することとなる。こ
れにより、発熱ローラ1は広い範囲で発熱するので、コ
イル電流が小さく、発生する磁束が少なくても、発熱ロ
ーラ1に所定の電力を投入することが可能となる。
【0036】上記したように、発熱ローラ1を貫通せず
に線束の間を通過する磁束がないので、励磁コイル5に
与えられた電磁エネルギーが漏れなく発熱ローラ1へ伝
達される。このため、コイル電流が小さくても、発熱ロ
ーラ1に所定の電力を効率良く投入することができる。
さらに、線束を密着させることにより、励磁コイル5を
小型化することもできる。
【0037】また、励磁コイル5の線束が発熱ローラ1
の近傍に位置しているので、コイル電流が発生させる磁
束が発熱ローラ1へ効率良く伝達される。そして、この
磁束によって発熱ローラ1に生じる渦電流は、コイル電
流による磁界の変化を打ち消すように流れる。この場
合、コイル電流と発熱ローラ1に生じる渦電流とが近接
しているので、打ち消し合う効果が大きく、全体の電流
が周辺空間に生じさせる磁界が抑制される。
【0038】また、励磁コイル5の外周からの放熱を妨
げるものが無いので、蓄熱による温度上昇によって線材
の絶縁被覆が溶解したり、励磁コイル5の抵抗値が上昇
したりすることを防止することができる。
【0039】図4に、励磁コイルを発熱ローラに対向さ
せた状態における、励磁コイルと発熱ローラの等価回路
を示す。図4において、rは励磁コイル5自身の抵抗、
Rは励磁コイル5が発熱ローラ1と対向して電磁結合す
ることによる抵抗、Lは回路全体のインピーダンスであ
る。rは、励磁コイル5を発熱ローラ1から外し、励磁
コイル5単体の電気抵抗を、所定の角周波数ωでLCR
メータによって測定することにより得られる。Rは、励
磁コイル5を発熱ローラ1に対向させた状態での電気抵
抗からrを除いた値として得られる。Lは、励磁コイル
5単体のインダクタンスと大差はない。この回路に電流
Iが流れると、電流Iの2乗と抵抗値との積が実効電力
として消費され、熱が発生する。rで消費される電力に
よって励磁コイル5が発熱し、Rで消費される電力によ
って発熱ローラ1が発熱する。この関係は、発熱ローラ
1への投入電力をWとしたとき、下記(式1)によって
表記される。
【0040】W=(R+r)×I2 (式1) また、励磁コイル5に印加される電圧をVとすると、下
記(式2)の関係が成立する。
【0041】 I=V/{(R+r)2+(ωL)2} (式2) 上記(式2)から分かるように、L及びRが過大な場
合、一定の電圧Vの下では十分な電流Iが得られない。
従って、上記(式1)から分かるように、投入電力Wが
不足し、十分な発熱量が得られない。逆に、Rが過小な
場合には、電流Iが流れても実効電力が消費されず、十
分な発熱量が得られない。また、Lが過小な場合には、
半共振インバータである励磁回路6が十分に動作しな
い。励磁回路6から励磁コイル5に印加される交流電流
の周波数が25kHzから50kHzの範囲にある場合
には、Rが0.5Ω以上5Ω以下、Lが10μH以上5
0μH以下であればよい。この場合には、励磁回路6
を、耐電流、耐電圧がそれほど高くない回路素子によっ
て構成して、十分な投入電力と発熱量とを得ることがで
きる。また、RとLの値がこの範囲内にあれば、励磁コ
イル5の巻数、励磁コイル5と発熱ローラ1との間隔等
の、励磁コイル5の仕様を変えても同様の効果が得られ
る。
【0042】尚、本実施の形態においては、上記したよ
うに、外径0.2mmの線材を60本束ねて励磁コイル
5の線束が構成されている。線束の構成は、必ずしもこ
の構成に限定されるものではないが、外径が0.1mm
以上0.3mm以下の線材を50本から200本束ねて
構成されるのが望ましい。線材の外径が0.1mm未満
では、機械的な負荷によって断線するおそれがある。一
方、線材の外径が0.3mmを超えると、高周波の交流
電流に対する電気抵抗(図4中のr)が大きくなり、励
磁コイル5の発熱が過大となる。また、線束を構成する
線材の本数が50本以下では断面積が小さいために電気
抵抗が大きくなり、励磁コイル5の発熱が過大となる。
一方、線束を構成する線材の本数が200本以上では線
束が太くなるために任意の形状に励磁コイル5を巻くこ
とが困難となり、また、所定の空間内で所定の周回数を
得ることが困難となる。おおむね、線束の外径を5mm
以下とすることにより、これらの条件を満たすことが可
能となる。これにより、狭い空間で励磁コイル5の巻数
を多くすることができるので、励磁コイル5の小型化を
図りつつ、必要な電力を発熱ローラ1へ投入することが
可能となる。
【0043】周回する励磁コイル5の線束は、部分的に
互いに間隔を開けて構成することもできるが、大部分を
互いに密着させた方が効率が良い。また、周回する励磁
コイル5の線束は、部分的に重ね方を変えて構成するこ
ともできるが、励磁コイル5の高さが低い方がより小さ
い電流で多くの電力を発熱ローラ1へ投入することがで
きる。励磁コイル5の形状としては、励磁コイル5の高
さ(積層した厚さ)よりも周回して並んだ幅(円周方向
の長さ)が大きければよい。
【0044】また、励磁コイル5の発熱ローラ1の回転
軸方向における長さが発熱ローラ1の長さよりも長い場
合には、側板2などの発熱ローラ1の端部の導電性部材
を磁束が貫通することとなる。このため、周囲の構成部
材が発熱し、発熱ローラ1への電磁エネルギーの伝達割
合が減少してしまう。本実施の形態においては、発熱ロ
ーラ1の長さが励磁コイル5の発熱ローラ1の回転軸方
向における長さよりも長いので、コイル電流によって生
じた磁束は、側板2などの周囲の構成部材に到達するこ
となく、ほぼ全てが発熱ローラ1へ到達する。これによ
り、励磁コイル5に与えた電磁エネルギーを効率良く発
熱ローラ1へ伝達することができる。特に、発熱ローラ
1の端面から回転軸方向に磁束が通過すると、発熱ロー
ラ1の端面の渦電流密度が高くなる。この場合には、発
熱ローラ1の端面における発熱が大きくなり過ぎるとい
う課題が生じる。
【0045】本実施の形態においては、上記したよう
に、発熱ローラ1の回転軸方向における長さが小さい順
に、励磁コイル5の内周部、最大幅の記録紙、励磁コイ
ル5の外周部、発熱ローラ1となっており、励磁コイル
5は、記録紙8が通過する部分で、発熱ローラ1の回転
軸方向に平行かつ回転軸方向に均等に周回されている。
このため、記録紙8が通過する部分での発熱ローラ1の
発熱分布を均一にすることができる。その結果、定着部
での温度分布を均一にし、安定した定着作用を得ること
ができる。
【0046】(第2の実施の形態)図5は本発明の第2
の実施の形態における像加熱装置としての定着装置の発
熱部を示す断面図、図6はこの定着装置の発熱ローラを
除いた発熱部を示す底面図である。尚、上記第1の実施
の形態と同一の機能を有する部材には同一の符号を付し
て、その説明は省略する。
【0047】本実施の形態は、線束を二重に重ねること
なく、発熱ローラ1の周方向に沿って周回し、励磁コイ
ル5の背面に一対の背面コア9を設けた点で、上記第1
の実施の形態と相違している。
【0048】背面コア9の材料としては、比透磁率が1
000〜3000、飽和磁束密度が200〜300m
T、体積抵抗率が1〜10Ω・mのフェライトが用いら
れている。尚、背面コア9の材料としては、フェライト
の他、パーマロイ等の高透磁率で抵抗率の高い材料を用
いることもできる。
【0049】背面コア9の断面は、外径36mm、厚さ
5mmの円筒を軸方向に略90度の角度をもって切断し
た形状となっている。このため、背面コア9の断面積は
243mm2となる。また、励磁コイル5の断面積は7
mm2×9巻×2で126mm 2となる。
【0050】発熱ローラ1は、外径が20mm、厚さが
0.3mmのパイプ状に形成されている。このため、発
熱ローラ1の内部の回転軸に垂直な面の断面積は、約2
95mm2となる。従って、背面コア9を含めた励磁コ
イル5の断面積は、発熱ローラ1の内部の回転軸に垂直
な面の断面積よりも大きくなる。また、背面コア9と発
熱ローラ1との間隔は5.5mmとなる。
【0051】また、本実施の形態においては、A4サイ
ズ(幅210mm)の記録紙が最大幅の記録紙として用
いられており、発熱ローラ1の回転軸方向の長さは24
0mm、周回する励磁コイル5の外周部における発熱ロ
ーラ1の回転軸方向に沿った長さは200mm、励磁コ
イル5の内周部における発熱ローラ1の回転軸方向に沿
った長さは170mm、背面コア9の発熱ローラ1の回
転軸方向に沿った長さは220mmに設定されている。
発熱ローラ1の支持部材であるベアリング3(図2参
照)は磁性材料である鋼によって構成されている。この
ベアリング3と背面コア9との間隔は10mmであり、
背面コア9と発熱ローラ1との間隔よりも大きい。
【0052】その他の構成は上記第1の実施の形態と同
様である。
【0053】以下に、上記のように構成された定着装置
の作用について説明する。
【0054】背面コア9を設けることにより、励磁コイ
ル5のインダクタンスが大きくなり、励磁コイル5と発
熱ローラ1との電磁結合が良好となって、図4の等価回
路におけるRが大きくなる。このため、同じコイル電流
でも多くの電力を発熱ローラ1へ投入することが可能と
なる。従って、耐電流及び耐電圧の低い安価な励磁回路
6(図2参照)を用いて、ウォームアップ時間の短い定
着装置を実現することができる。
【0055】また、図5中の破線Mで示すように、励磁
コイル5の背面側の磁束がすべて背面コア9の内部を通
過するため、磁束が後方へ漏れることを防止することが
できる。その結果、周辺の導電性部材の電磁誘導による
発熱を防止することができると共に、不要な電磁波の放
射を防止することができる。
【0056】さらに、周回する線束が重ねられていない
ので、励磁コイル5の全ての線束が発熱ローラ1の近傍
に位置する。このため、コイル電流によって発生する磁
束が発熱ローラ1へさらに効率良く伝達される。
【0057】本実施の形態においては、励磁コイル5や
背面コア9が発熱ローラ1(発熱部)の外部に設置され
ているので、励磁コイル5等が発熱部の温度の影響を受
けて昇温することを防止することができる。このため、
発熱量を安定に保つことができる。特に、発熱ローラ1
の内部の回転軸に垂直な面の断面積よりも大きな断面積
を有する励磁コイル5及び背面コア9が用いるものであ
るため、熱容量の小さい発熱ローラ1と、巻き数の多い
励磁コイル5と、適当な量のフェライト(背面コア9)
とを組み合わせて用いることができる。このため、定着
装置の熱容量を抑制しながら、所定のコイル電流で多く
の電力を発熱ローラ1へ投入することが可能となる。
【0058】本実施の形態においては、上記したよう
に、発熱ローラ1の回転軸方向における長さが小さい順
に、励磁コイル5の内周部、励磁コイル5の外周部、最
大幅の記録紙、背面コア9、発熱ローラ1となってい
る。そして、このように、励磁コイル5の外周部におけ
る発熱ローラ1の回転軸方向に沿った長さを最大幅の記
録紙の幅よりも小さくする一方、背面コア9の発熱ロー
ラ1の回転軸方向に沿った長さを最大幅の記録紙の幅よ
りも大きくしているので、励磁コイル5の巻き方が多少
不均一であっても、励磁コイル5から発熱ローラ1へ達
する磁界を回転軸方向に均一にすることができる。従っ
て、記録紙が通過する部分での発熱ローラ1の発熱分布
を均一にすることができる。これにより、定着部での温
度分布を均一にし、安定した定着作用を得ることができ
る。また、発熱ローラ1の発熱分布を均一にしながら、
発熱ローラ1の回転軸方向の長さと励磁コイル5の発熱
ローラ1の回転軸方向に沿った長さを短くすることがで
きるので、装置の小型化と同時にコストの低減を図るこ
とができる。さらに、背面コア9の発熱ローラ1の回転
軸方向に沿った長さが発熱ローラ1の回転軸方向の長さ
よりも短いので、発熱ローラ1の端面の渦電流密度が高
くなって発熱ローラ1の端面における発熱が大きくなり
過ぎることを防止することができる。
【0059】また、上記したように、発熱ローラ1の支
持部材であるベアリング3(図2参照)としては、機械
的な強度を保証するために、一般に、磁性を有する鋼が
用いられる。このため、コイル電流によって生じた磁束
はベアリング3に吸引され易く、磁束がベアリング3を
貫通すると熱が発生してしまう。このため、発熱ローラ
1への電磁エネルギーの伝達割合が減少してしまうと共
に、ベアリング3の温度が上昇して寿命が短くなってし
まう。本実施の形態においては、上記したように、ベア
リング3と背面コア9の端面との間隔は、背面コア9と
発熱ローラ1との対向間隔よりも大きく設定されている
ため、背面コア9を貫通した磁束は、ベアリング3へ導
かれることなく、そのほとんどが発熱ローラ1を貫通す
る。これにより、励磁コイル5に与えた電磁エネルギー
を効率良く発熱ローラ1へ伝達することができると共
に、ベアリング3の発熱を防止することができる。
【0060】ベアリング3と背面コア9との間隔(本実
施の形態では10mm)は、背面コア9と発熱ローラ1
との対向間隔(本実施の形態では5.5mm)よりも大
きければよいが、2倍以上とすることが望ましい。
【0061】また、背面コア9の厚さが均一であるた
め、背面コア9の内部に局所的に熱が蓄積することはな
い。さらに、背面コア9の外周からの放熱を妨げるもの
が無いので、蓄熱による温度上昇によって背面コア9の
飽和磁束密度が低下して、全体としての透磁率が急激に
減少することを防止することができる。これにより、長
時間にわたって安定して発熱ローラ1を所定の温度に保
つことができる。
【0062】(第3の実施の形態)図7は本発明の第3
の実施の形態における像加熱装置としての定着装置の発
熱部を示す断面図である。尚、上記第2の実施の形態と
同一の機能を有する部材には同一の符号を付して、その
説明は省略する。
【0063】本実施の形態は、図7に示すように、励磁
コイル5の存在しない範囲にも背面コア9を延長し、励
磁コイル5を介さずに発熱ローラ1に対向する『対向部
F』が設けられている点で、上記第2の実施の形態と相
違している。以下、背面コア9のうち励磁コイル5を介
して発熱ローラ1に対向している部分を『透磁部T』と
いう。尚、背面コア9の断面は、円筒を軸方向に180
度の角度をもって切断した形状となっている。
【0064】この場合には、磁路をさらに多くのフェラ
イト(背面コア9)によって構成することができる。従
って、コイル電流によって生じた磁束が通過する透磁率
の低い空気部分は、発熱ローラ1と背面コア9との間の
狭い間隙部分だけとなる。このため、励磁コイル5のイ
ンダクタンスが増加して、コイル電流によって発生する
磁束がほぼ完全に発熱ローラ1へ導かれる。その結果、
発熱ローラ1と励磁コイル5との電磁結合がさらに良好
となり、図4の等価回路におけるRがさらに大きくな
る。これにより、同じコイル電流でもより多くの電力を
発熱ローラ1へ投入することが可能となる。
【0065】また、図7中の破線Mで示すように、背面
コア9から発熱ローラ1へ導かれる磁束は対向部Fを通
過する。発熱ローラ1の回転軸方向に沿った対向部Fの
長さは背面コア9の発熱ローラ1の回転軸方向に沿った
長さと同一であり、記録紙の幅よりも長い。このため、
記録紙が通過する部分には対向部Fから均一に磁束が入
射することになる。従って、発熱ローラ1の定着に必要
な範囲を均一に加熱することができる。
【0066】尚、本実施の形態においては、背面コア9
の発熱ローラ1との対向側に励磁コイル5を配設してい
るが、図8に示すように、半円筒状の背面コア9に、線
束を軸方向に延伸して周回させながら、発熱ローラ1の
円周方向に沿って周回して、励磁コイル5を構成するこ
ともできる。この場合、コイル電流によって生じた磁束
は、発熱ローラ1の円周の励磁コイル5側だけでなく、
圧力ローラ側も貫通する(図8の破線M’)。その結
果、発熱ローラ1の全周が発熱することとなるので、同
じコイル電流でも全体の発熱量を大きくすることができ
る。また、磁束が通過する断面積が大きくなるので、発
熱ローラ1により多くの磁束を貫通させても、発熱ロー
ラ1の飽和磁束密度を超えることはない。このため、磁
束が発熱ローラ1以外の空間を通過することを防止する
ことができるので、電磁誘導によってより効率良く発熱
ローラ1を加熱することができる。
【0067】(第4の実施の形態)図9は本発明の第4
の実施の形態における像加熱装置を定着装置として用い
た画像形成装置を示す断面図、図10Aは本発明の第4
の実施の形態における像加熱装置としての定着装置を示
す断面図、図11は図10Aの矢印Gの方向から見た発
熱部の投影図、図12は発熱ローラの回転軸と励磁コイ
ルの中心を含む面における発熱部の断面図である。
【0068】図9において、11は電子写真感光体(以
下『感光ドラム』という)である。感光ドラム11は、
矢印の方向に所定の周速度で回転駆動されながら、その
表面が帯電器12によってマイナスの暗電位V0に一様
に帯電される。13はレーザビームスキャナであり、図
示しない画像読取装置やコンピュータ等のホスト装置か
ら入力される画像情報の時系列電気デジタル画素信号に
対応して変調されたレーザビーム14を出力する。帯電
された感光ドラム11の表面は、このレーザビーム14
によって走査露光される。これにより、感光ドラム11
の露光部分は電位絶対値が低下して明電位VLとなり、
静電潜像が形成される。この潜像は現像器15のマイナ
スに帯電したトナーによって現像され、顕像化される。
【0069】現像器15は、回転駆動される現像ローラ
16を備えている。現像ローラ16は、感光ドラム11
と対向して配置されており、その外周面にはトナーの薄
層が形成される。現像ローラ16には、その絶対値が感
光ドラム11の暗電位V0よりも小さく、明電位VLよ
りも大きい現像バイアス電圧が印加されており、これに
より現像ローラ16上のトナーが感光ドラム11の明電
位VLの部分にのみ転写されて、潜像が顕像化される。
【0070】一方、給紙部17からは記録紙8が一枚ず
つ給送され、レジストローラ対18を経て、感光ドラム
11と転写ローラ19とのニップ部へ、感光体ドラム1
1の回転と同期した適切なタイミングで送られる。そし
て、感光ドラム11上のトナー像は、転写バイアスが印
加された転写ローラ19により、記録紙8に順次転写さ
れる。記録紙8が分離された後の感光ドラム11は、そ
の表面の転写残りトナー等の残留物がクリーニング装置
20によって除去され、繰り返し次の画像形成に供され
る。
【0071】21は定着紙ガイドであり、この定着紙ガ
イド21によって転写後の記録紙8の定着装置22への
移動が案内される。記録紙8は感光ドラム11から分離
された後、定着装置22へ搬送され、これにより記録紙
8上に転写されたトナー像が定着される。23は排紙ガ
イドであり、この排紙ガイド23によって定着装置22
を通過した記録紙8が装置外部へ案内される。これらの
定着紙ガイド21、排紙ガイド23は、ABSなどの樹
脂によって構成されている。尚、定着紙ガイド21、排
紙ガイド23は、アルミなどの非磁性の金属材料によっ
て構成することもできる。トナー像が定着された後の記
録紙8は排紙トレイ24へ排出される。
【0072】25は装置本体の底板、26は装置本体の
天板、27は本体シャーシであり、これらは一体となっ
て装置本体の強度を担うものである。これらの部材は、
磁性材料である鋼を基材とし、亜鉛メッキを施した材料
によって構成されている。
【0073】28は冷却ファンであり、この冷却ファン
28は装置内に気流を発生させる。29はアルミなどの
非磁性の金属材料からなる遮蔽部材としてのコイルカバ
ーであり、このコイルカバー29は励磁コイル5の背面
コア9を覆うように構成されている(図10A参照)。
【0074】次に、本実施の形態の像加熱装置としての
定着装置について詳細に説明する。
【0075】図10Aにおいて、薄肉の定着ベルト31
は、基材がポリイミド樹脂からなる直径50mm、厚さ
100μmのエンドレスのベルトである。定着ベルト3
1の表面には、離型性を付与するために、フッ素樹脂か
らなる厚さ20μmの離型層(図示せず)が被覆されて
いる。基材の材料としては、耐熱性を有するポリイミド
樹脂やフッ素樹脂等の他、電鋳で製作したニッケル等の
ごく薄い金属を用いることもできる。また、離型層とし
ては、PTFE、PFA、FEP、シリコーンゴム、フ
ッ素ゴム等の離型性の良好な樹脂やゴムを単独であるい
は混合して用いてもよい。定着ベルト31をモノクロ画
像の定着用として用いる場合には離型性のみを確保すれ
ばよいが、定着ベルト31をカラー画像の定着用として
用いる場合には弾性を付与することが望ましく、その場
合にはさらに厚いゴム層を形成する必要がある。
【0076】励磁手段としての励磁コイル5は、表面が
絶縁された外径0.2mmの銅製の線材を60本束ねた
線束を、発熱ローラ1の回転軸方向に延伸し、かつ、発
熱ローラ1の周方向に沿って周回して形成されている。
線束の断面積は線材の絶縁被覆を含めて約7mm2であ
る。
【0077】図10A〜図12に示すように、励磁コイ
ル5は、発熱ローラ1に巻き付いた定着ベルト31を覆
うような断面形状となっている。この場合、定着ベルト
31の移動方向における励磁コイル5の励磁幅は、定着
ベルト31と発熱ローラ1の接触範囲(巻き付き範囲)
以下となっている。発熱ローラ1のうち定着ベルト31
に熱を奪われない部分が発熱すると、定着ベルト31の
材料の耐熱温度を超えて発熱ローラ1の温度が上昇し易
いという問題がある。しかし、本実施の形態のように構
成すれば、発熱ローラ1のうち定着ベルト31に接触す
る範囲のみが発熱するために、発熱ローラ1の温度が異
常に上昇してしまうことを防止することができる。ま
た、線束は、励磁コイル5の両端部(発熱ローラ1の回
転軸方向の両端部)のみで重なっており、発熱ローラ1
の周方向に沿って互いに密着した状態で9回周回してい
る。励磁コイル5の発熱ローラ1の回転軸方向における
両端部は線束が2列に重なった状態で盛り上がってい
る。すなわち、励磁コイル5は全体として鞍のような形
状に形成されている。このため、発熱ローラ1の回転軸
方向のより広い範囲を均一に加熱することができる。
尚、励磁コイル5の両端部において重なった線束は発熱
ローラ1との距離が大きくなるので、この部分に渦電流
が集中して部分的に高温になり過ぎることはない。
【0078】背面コア9は、C形コア32と中心コア3
3とにより構成されている。C形コア32は、幅が10
mmであり、発熱ローラ1の回転軸方向に25mmの間
隔を開けて7個配置されている。これにより、外部に漏
れる磁束を捕捉することができるようにされている。ま
た、中心コア33は、励磁コイル5の周回の中央に位置
し、C形コア32に対して凸形状となっている。すなわ
ち、中心コア33は、背面コア9の対向部Fのうち、発
熱ローラ1への近接部Nとなっている(図13参照)。
尚、中心コア33の断面積は3mm×10mmである。
【0079】また、中心コア33は、フェライトを製造
し易いように、発熱ローラ1の回転軸方向に数個に分割
して構成してもよい。また、中心コア33は、C形コア
32と一体に組み合わせた形状としてもよく、さらに
は、C形コア32と一体に組み合わせた形状で、かつ、
発熱ローラ1の回転軸方向に数個に分割して構成しても
よい。
【0080】34はPEEK材やPPSなどの耐熱温度
の高い樹脂からなる厚さ1mmの断熱部材である。断熱
部材34の端部には、励磁コイル5の発熱ローラ1の回
転軸方向における両端部の盛り上がった部分を保持する
両端保持部34aが設けられている。これにより、励磁
コイル5の両端の盛り上がりが崩れることを防止するこ
とができると共に、励磁コイル5の外側の位置が規制さ
れる。
【0081】背面コア9の材料は、上記第2の実施の形
態と同様である。中心コア33を除いて、C形コア32
を含む断面での背面コア9の断面形状、及び発熱ローラ
1の形状も、上記第2の実施の形態と同様である。従っ
て、背面コア9を含めた励磁コイル5の断面積が発熱ロ
ーラ1の内部の回転軸に垂直な面の断面積よりも大きい
点も、上記第2の実施の形態2と同様である。
【0082】励磁回路6(図2参照)から励磁コイル5
に印加される交流電流は、上記第1の実施の形態と同様
である。励磁コイル5に印加される交流電流は、定着ベ
ルト31の表面に設けられた温度センサによって得られ
る温度信号により、定着ベルト31の表面が所定の定着
温度である190℃となるように制御される。
【0083】図10Aに示すように、定着ベルト31
は、表面が低硬度(JISA30度)の弾力性を有する
発泡体であるシリコーンゴムによって構成された直径2
0mmの低熱伝導性の定着ローラ35と、直径20mm
の発熱ローラ1とに所定の張力をもって懸架されてお
り、矢印Bの方向に回転移動可能となっている。ここ
で、発熱ローラ1の両端には、定着ベルト31の蛇行を
防止するためのリブ(図示せず)が設けられている。ま
た、加圧手段としての加圧ローラ4は、定着ベルト31
を介して定着ローラ35に対して圧接されており、これ
によりニップ部が形成されている。
【0084】本実施の形態においては、A4サイズ(幅
210mm)の記録紙が最大幅の記録紙として用いられ
ており、定着ベルトの幅は230mm、発熱ローラ1の
回転軸方向の長さは260mm、背面コア9の発熱ロー
ラ1の回転軸方向における最外端間の長さは225m
m、周回する励磁コイル5の外周部における発熱ローラ
1の回転軸方向に沿った長さは245mm、断熱部材3
4の発熱ローラ1の回転軸方向に沿った長さは250m
mに設定されている。
【0085】本実施の形態においては、励磁コイル5、
背面コア9及び発熱ローラ1が上記のように構成されて
おり、励磁コイル5が電磁誘導によって発熱ローラ1を
発熱させる。以下、その機構について、図13を参照し
ながら説明する。
【0086】図13に示すように、コイル電流によって
生じた磁束は、背面コア9の対向部Fから発熱ローラ1
へ入る。この場合、コイル電流によって生じた磁束は、
発熱ローラ1の磁性のために、図中の破線Mで示すよう
に、発熱ローラ1内を円周方向に貫通する。そして、こ
の磁束は、背面コア9の発熱ローラ1への近接部Nであ
る中心コア33から透磁部Tを経て大きなループを形成
し、生成消滅を繰り返す。この磁束の変化によって発生
する誘導電流がジュール熱を発生させる点は、上記第1
の実施の形態と同様である。
【0087】本実施の形態においては、図11に示すよ
うに、幅の狭いC形コア32が発熱ローラ1の回転軸方
向に均等な間隔を開けて複数個配置されているが、この
構成だけでは、励磁コイル5の背面で円周方向に流れる
磁束がC形コア32の部分に集中し、隣接するC形コア
32間の空気中にはほとんど流れない。このため、発熱
ローラ1に入る磁束はC形コア32が存在する部分に集
中する傾向にある。従って、発熱ローラ1の発熱もC形
コア32との対向部分で大きくなり易い。しかし、本実
施の形態においては、励磁コイル5の周回の中央で近接
部Nを形成する中心コア33が発熱ローラ1の回転軸方
向に連続して設けられているので、C形コア32の対向
部Fから発熱ローラ1に入った磁束は、発熱ローラ1内
で回転軸方向にも流れて分布が均一化される。このた
め、発熱ローラ1の発熱量の不均一さが緩和される。
【0088】透磁部Tの磁束をC形コア32の対向部F
から別の対向部Fへ導く働きは、発熱ローラ1への磁束
の入射分布とは直接関係がない。このため、透磁部Tと
対向部Fを分けて構成することは、背面コア9の形状の
最適化に非常に有効である。透磁部Tは軸方向に均一で
ある必要はなく、対向部Fをできるだけ軸方向に均一に
すればよい。
【0089】中心コア33をC形コア32に対して凸形
状とすることによって、発熱ローラ1への近接部Nを設
けているので、磁路をより多くのフェライトによって構
成することができる。従って、コイル電流によって生じ
た磁束が通過する透磁率の低い空気部分は、発熱ローラ
1と背面コア9との間の狭い間隙部分だけとなる。この
ため、励磁コイル5のインダクタンスがより増加して、
コイル電流によって発生する磁束がより多く発熱ローラ
1へ導かれるので、発熱ローラ1と励磁コイル5との電
磁結合が良好となる。これにより、同じ電流でもより多
くの電力を発熱ローラ1へ投入することが可能となる。
特に、励磁コイル5の周回の中央にはコイル電流によっ
て発生した磁束が必ず通過するので、この部分に発熱ロ
ーラ1の回転軸方向に連続した中心コア33からなる近
接部Nを設けることにより、コイル電流によって発生し
た磁束を効率良く発熱ローラ1へ導くことができる。
【0090】C形コア32の透磁部Tの円周方向の断面
積は、励磁コイル5から導かれる磁束の密度が材料とし
ての最大磁束密度を超えないように設定されている。こ
の磁束密度は、最大時に、フェライトの飽和磁束密度の
約80%となるように設定されている。この最大時の磁
束密度の飽和磁束密度に対する割合は100%以下であ
ればよいが、実用的には50%から85%の範囲に設定
することが望ましい。この割合が高すぎると、環境や部
材のバラツキによって最大時の磁束密度が飽和磁束密度
を超えてしまうことがある。そして、この場合には、磁
束が背面コア9の背面を流れて、後方の部材を加熱して
しまう。逆に、この割合が低すぎると、高価なフェライ
トを必要以上に使用していることになるので、装置が高
価なものとなってしまう。
【0091】また、C形コア32は、その幅が均一で、
大きな間隔を開けて発熱ローラ1の回転軸方向に複数個
配置されているので、背面コア9及び励磁コイル5に熱
が蓄積することはない。さらに、背面コア9及び励磁コ
イル5の外周からの放熱を妨げるものが無いので、蓄熱
による温度上昇によって背面コア9のフェライトの飽和
磁束密度が低下して、全体としての透磁率が急激に減少
することを防止することができる。また、線材の絶縁被
覆が溶解して線材同士が短絡することを防止することが
できる。これにより、長時間にわたって安定に発熱ロー
ラ1を所定の温度に保つことができる。
【0092】また、励磁コイル5の発熱ローラ1の回転
軸方向における両端部が線束を重ねて形成されているの
で、より広い範囲にわたって励磁コイル5を発熱ローラ
1の回転軸方向に均等に延伸することができる。これに
より、発熱ローラ1の発熱分布を均一にすることができ
る。逆に、均一な発熱領域を確保しながら励磁コイル5
の発熱ローラ1の回転軸方向における両端部の幅を小さ
くすることができるので、装置全体の小型化を図ること
ができる。
【0093】また、本実施の形態においては、発熱ロー
ラ1の回転軸方向における長さが小さい順に、最大幅の
記録紙、背面コア9、定着ベルト31、励磁コイル5の
外周部、断熱部材34、発熱ローラ1となっている。す
なわち、断熱部材34の長さが励磁コイル5及び背面コ
ア9の長さよりも長い。そして、断熱部材34を介して
背面コア9と発熱ローラ1及び定着ベルト31とが対向
しているので、背面コア9を発熱ローラ1に近接させた
場合であっても、背面コア9の温度上昇を防止すること
ができる。また、冷却気流が定着ベルト31に接触し
て、定着ベルト31を冷却することを防止することがで
きる。
【0094】また、定着ベルト31の幅が背面コア9の
発熱ローラ1の回転軸方向における長さよりも長いため
に、定着ベルト31に接触しない部分の発熱ローラ1が
加熱されることはないので、この部分の発熱ローラ1の
温度が上昇し過ぎることを防止することができる。
【0095】また、コイルカバー29を設けることによ
り、背面コア9の背面にわずかに漏れる磁束や励磁コイ
ル5から発生する高周波の電磁波が装置内外に伝搬する
ことを防止することができる。その結果、装置内外の電
気回路が電磁ノイズによって誤動作することを防止する
ことができる。
【0096】さらに、コイルカバー29と断熱部材34
とで囲まれた空間を通風路として、冷却ファン28から
の空気流が流れるので、発熱ローラ1及び定着ベルト3
1を冷やすことなく、励磁コイル5と背面コア9を冷却
することができる。
【0097】また、装置本体の底板25、天板26、本
体シャーシ27の装置を構成する磁性部材は、励磁コイ
ル5との間隔が最も近いもので20mmに設定されてい
る。これにより、背面コア9の内部を通過している磁束
が対向部F以外の箇所から励磁コイル5の外側へ放射さ
れて、本体シャーシ27などの磁性部材へ入射すること
を防止することができる。その結果、装置の構成部材を
不要に加熱することなく、励磁コイル5に与えた電磁エ
ネルギーを効率良く発熱ローラ1へ投入することができ
る。励磁コイル5と本体シャーシ27などの磁性部材と
の間隔の最小値は20mmに設定されているが、背面コ
ア9と本体シャーシ27などの磁性部材との間隔が、背
面コア9と発熱ローラ1との間隔以上、望ましくはその
間隔の1.5倍以上であれば、励磁コイル5の背面への
磁束の漏れを防止することができる。本実施の形態にお
いては、定着装置22に最も接近せざるを得ない定着紙
ガイド21、排紙ガイド23が樹脂によって構成されて
いるので、背面コア9と他の磁性部材との間に十分な間
隔を容易に確保することができる。
【0098】また、本実施の形態においては、発熱ロー
ラ1(発熱部)が定着ベルト31の内部に設置されてい
る一方、励磁コイル5や背面コア9は定着ベルト31の
外部に設置されているので、励磁コイル5等が発熱部の
温度の影響を受けて昇温することを防止することができ
る。このため、発熱量を安定に保つことができる。特
に、発熱ローラ1の内部の回転軸に垂直な面の断面積よ
りも大きな断面積を有する励磁コイル5及び背面コア9
を用いるものであるため、熱容量の小さい発熱ローラ1
と、巻き数の多い励磁コイル5と、適当な量のフェライ
ト(背面コア9)とを組み合わせて用いることができ
る。このため、定着装置22の熱容量を抑制しながら、
所定のコイル電流で多くの電力を発熱ローラ1へ投入す
ることが可能となる。その結果、耐電流及び耐電圧の低
い安価な励磁回路6(図2参照)を用いて、ウォームア
ップ時間の短い定着装置22を実現することができる。
本実施の形態においては、励磁回路6からの交流電流が
実効値電圧140V(電圧振幅500V)、実効値電流
22A(ピーク電流55A)で800Wの電力を発熱ロ
ーラ1へ投入することができた。
【0099】発熱ローラ1の外側に位置する励磁コイル
5は発熱ローラ1の表面を発熱させるので、定着ベルト
31は発熱ローラ1の最も発熱量の大きい部分に接触す
ることとなる。従って、最大発熱部が定着ベルト31へ
の熱伝達部となり、発生した熱を発熱ローラ1内での熱
伝導なしに定着ベルト31へ伝達することができる。こ
のように、熱伝達距離が小さいので、定着ベルト31の
温度変動に対して応答の速い制御を行うことが可能とな
る。
【0100】発熱ローラ1の定着ベルト31との接触部
を通り過ぎた位置の近傍には、温度センサ(図示せず)
が設けられている。この部分の温度を一定に制御するこ
とにより、定着ローラ35と加圧ローラ4とのニップ部
に突入するときの定着ベルト31の温度を常に一定に保
つことができる。その結果、連続して複数枚の記録紙8
を定着する場合であっても、その定着を安定に行うこと
が可能となる。
【0101】また、励磁コイル5及び背面コア9が発熱
ローラ1の円周のほぼ半分を覆っているので、定着ベル
ト31と発熱ローラ1との接触部の全域が発熱すること
になる。このため、励磁コイル5から発熱ローラ1へ電
磁誘導によって伝達される加熱エネルギーをより多く定
着ベルト31へ伝達することができる。
【0102】また、本実施の形態においては、発熱ロー
ラ1と定着ベルト31の材質、厚さ等は各々独立して設
定することができる。従って、発熱ローラ1の材質、厚
さとして、励磁コイル5の電磁誘導による加熱を行うた
めに最適な材質、厚さを選ぶことができる。また、定着
ベルト31の材質、厚さとしては、定着を行うために最
適な材質、厚さを選ぶことができる。
【0103】本実施の形態においては、ウォームアップ
時間を短縮するという目的を達成するために、定着ベル
ト31の熱容量を極力小さく設定すると共に、発熱ロー
ラ1の厚さと外径を小さくしてその熱容量を小さく設定
している。このため、投入電力800Wで、定着のため
の昇温の開始から約15秒で所定の温度にすることがで
きた。
【0104】尚、本実施の形態においては、C形コア3
2が発熱ローラ1の回転軸方向に均等な間隔を開けて配
置されているが、この間隔は必ずしも均等である必要は
ない。放熱状況や温度センサなどの接触部材の有無など
に応じて間隔を調整することにより、温度分布が均一と
なるように発熱分布を自由に設計することができる。
【0105】また、本実施の形態においては、背面コア
9が、発熱ローラ1の回転軸方向に間隔を開けて配置さ
れたフェライトからなる均一厚さの複数のC形コア32
と、同じくフェライトからなる中心コア33とにより構
成されているが、必ずしもこの構成に限定されるもので
はない。例えば、発熱ローラ1の回転軸方向に連続した
一体の背面コア9に複数の孔を設けた構成であってもよ
い。また、フェライトからなる複数のブロックを、励磁
コイル5の背面にそれぞれ孤立して分布させた構成であ
ってもよい。
【0106】また、本実施の形態においては、定着ベル
ト31の基材が樹脂によって構成されているが、樹脂の
代わりにニッケルなどの強磁性金属を用いて構成するこ
ともできる。この場合には、電磁誘導による発熱の一部
がこの定着ベルト31内で発生し、定着ベルト31その
ものも加熱されるので、加熱エネルギーを定着ベルト3
1へより有効に伝えることができる。
【0107】また、本実施の形態においては、装置本体
の底板25、装置本体の天板26、本体シャーシ27が
磁性材料によって構成されているが、磁性材料の代わり
に樹脂材料を用いて構成することもできる。この場合に
は、装置本体の強度を担う部材が磁力線に影響を与える
ことはないので、背面コア9の近傍にこれらの部材を配
置することができる。その結果、装置全体の小型化が可
能となる。
【0108】また、本実施の形態においては、発熱ロー
ラ1の両端がベアリング3によって支持された構成とな
っているが、図14に示すように、発熱ローラ1の両端
に設けられ、ベークライト等の熱伝導性の小さい耐熱樹
脂によって構成されたフランジ36と、両フランジ36
を貫通する中心軸37とによって支持された構成であっ
てもよい。この構成を採用すれば、発熱ローラ1の両端
からの熱や磁束の漏れを抑制することができる。
【0109】また、本実施の形態においては、定着ベル
ト31の移動方向における励磁コイル5の励磁幅を、定
着ベルト31と発熱ローラ1の接触範囲(巻き付き範
囲)以下に設定しているが、必ずしもこの構成に限定さ
れるものではない。例えば、図10Bに示すように、定
着ベルト31の移動方向における励磁コイル5の励磁幅
が定着ベルト31と発熱ローラ1の接触範囲(巻き付き
範囲;境界線b)から定着ローラ35側へ延長されてい
てもよい。この構成によれば、図10Aの構成に比べ
て、発熱ローラ1のさらに広い範囲(図10B中のaの
範囲)まで発熱させることができるので、小さいコイル
電流でも十分な発熱量を得ることができる。また、この
場合、線束を周回して励磁コイル5を形成した後、励磁
コイル5を圧縮することにより、周回する線束の断面を
略四角形状として、線束同士をさらに密着させている。
これにより、励磁コイル5の占有体積を小さくすること
ができるので、励磁コイル5の巻数をより多くすること
ができる。その結果、コイル電流の電流密度が大きくな
るので、発熱ローラ1に生じる渦電流の密度も大きくな
り、発熱量が増加する。このため、必要とされるコイル
電流を小さくしたり、発熱ローラ1を小径化することが
可能となる。さらに、背面コア9と励磁コイル5との間
隔を大きくすることができるので、背面コア9の放熱を
促進して、背面コア9の温度上昇を防止することができ
る。また、線束が互いに強く密着しているので、線束間
の接着が強固となり、励磁コイル5単体でその形状を保
持することができる。従って、定着装置22の組立工程
が簡単になる。
【0110】(第5の実施の形態)図15は本発明の第
5の実施の形態における像加熱装置としての定着装置の
発熱部を示す断面図である。尚、上記第4の実施の形態
と同一の機能を有する部材には同一の符号を付して、そ
の説明は省略する。
【0111】図15に示すように、本実施の形態におい
ては、上記第4の実施の形態と異なり、背面コア9の対
向部Fの発熱ローラ1に対向する箇所が、発熱ローラ1
へ近接するように凸状に形成されている。
【0112】その他の構成は上記第4の実施の形態と同
様である。
【0113】本実施の形態の構成によれば、磁路をほぼ
完全にフェライトによって構成することができる。従っ
て、コイル電流によって生じた磁束が通過する透磁率の
低い空気部分は、発熱ローラ1と背面コア9との間の狭
い間隙部分だけとなる。このため、励磁コイル5のイン
ダクタンスがより増加して、コイル電流によって発生す
る磁束がほぼ完全に発熱ローラ1へ導かれる。その結
果、発熱ローラ1と励磁コイル5との電磁結合が良好と
なり、図4の等価回路におけるRが大きくなる。従っ
て、同じコイル電流でもより多くの電力を発熱ローラ1
へ投入することが可能となる。本実施の形態において
は、実効値電流20A(ピーク電流50A)で800W
の電力を発熱ローラ1へ投入することができた。
【0114】また、断熱部材34を介して背面コア9と
発熱ローラ1及び定着ベルト(図示せず)が対向してい
るので、背面コア9を発熱ローラ1に近接させた場合で
あっても、背面コア9の温度上昇を防止することができ
る。
【0115】(第6の実施の形態)図16は本発明の第
6の実施の形態における像加熱装置としての定着装置の
発熱部を示す断面図、図17は発熱部を図16の矢印A
の方向から見た投影図である。尚、上記第5の実施の形
態と同一の機能を有する部材には同一の符号を付して、
その説明は省略する。
【0116】図16、図17に示すように、本実施の形
態においては、上記第5の実施の形態と異なり、背面コ
ア9の対向部Fとして発熱ローラ1の回転軸方向に連続
した対向コア38が設けられている。また、A4サイズ
(幅210mm)の記録紙が最大幅の記録紙として用い
られており、発熱ローラ1の回転軸方向の長さは240
mm、対向コア38を除いたC形コア32の発熱ローラ
1の回転軸方向における最外端間の長さは200mm、
励磁コイル5の内周部における発熱ローラ1の回転軸方
向に沿った長さは210mm、対向コア38の発熱ロー
ラ1の回転軸方向に沿った長さは220mmに設定され
ている。
【0117】その他の構成は上記第5の実施の形態と同
様である。
【0118】本実施の形態においては、励磁コイル5の
透磁部Tの発熱ローラ1の回転軸方向に沿った長さ(励
磁コイル5の内周部における発熱ローラ1の回転軸方向
に沿った長さ)を最大幅の記録紙の幅よりも小さくする
一方、背面コア9の対向部Fの発熱ローラ1の回転軸方
向に沿った長さ(対向コア38の発熱ローラ1の回転軸
方向に沿った長さ)を最大幅の記録紙の幅よりも大きく
しているので、透磁部Tにおける背面コア9に隙間を設
けて偏在させても、対向部Fから発熱ローラ1へ達する
磁界を回転軸方向に均一にすることができる。これによ
り、透磁部Tにおける背面コア9を少なくしながら、記
録紙が通過する部分での発熱ローラ1の発熱分布を均一
にすることができるので、定着部での温度分布が均一と
なる。従って、安定した定着作用を得ることができる。
また、発熱ローラ1の発熱分布を均一にしながら、透磁
部Tにおける背面コア9を少なくすることができるの
で、装置の小型化と同時にコストの低減を図ることがで
きる。
【0119】尚、本実施の形態においては、背面コア9
の対向部Fとしての対向コア38が発熱ローラ1の回転
軸方向に連続して設けられているが、必ずしもこの構成
に限定されるものではない。例えば、図18に示すよう
に、対向コア38を分断し、背面コア9を、透磁部Tよ
りも対向部Fの方が発熱ローラ1の回転軸方向に幅の広
い形状となるように構成してもよい。この構成によれ
ば、対向部Fにおける背面コア9が少なくなるので、背
面コア9の重量を軽くすることができる。また、温度が
高くなり易い対向部Fの表面積を増加させることができ
るので、放熱による冷却を促進させることができる。
【0120】(第7の実施の形態)図19は本発明の第
7の実施の形態における像加熱装置としての定着装置の
発熱部を示す断面図、図20は発熱部を図19の矢印A
の方向から見た投影図である。尚、上記第5の実施の形
態と同一の機能を有する部材には同一の符号を付して、
その説明は省略する。
【0121】図19、図20に示すように、本実施の形
態においては、上記第5の実施の形態と異なり、C形コ
ア38が発熱ローラ1の回転軸に対して略90度の範囲
を覆う形状に形成されており、設置する向きを変えたC
形コア38a、38bが発熱ローラ1の回転軸方向に千
鳥状に配置されている。すなわち、背面コア9の対向部
Fは発熱ローラ1の回転軸方向の励磁コイル5の中心線
に対して非対称な位置に配置されている。
【0122】上記第5の実施の形態においては、発熱ロ
ーラ1の同一円周部分がC形コア32の2箇所の対向部
Fと対向して回転するために、発熱ローラ1のC形コア
32との対向部分とそれ以外の部分の発熱量に大きな差
が生じ、温度分布に大きなムラが生じ易い。一方、本実
施の形態においては、発熱ローラ1の同一円周部分がC
形コア38の1箇所の対向部Fと対向して回転するため
に、発熱ローラ1のC形コア38との対向部分とそれ以
外の部分の発熱量に大きな差が生じることはない。ま
た、使用する背面コア9の体積を小さくしながら、発熱
ローラ1が回転したときに、発熱ローラ1の表面での背
面コア9の対向部Fと対向した部分の軌跡の間隔が短く
なる。すなわち、対向部Fの発熱ローラ1の回転軸方向
に沿った長さを上記第6の実施の形態と同様に220m
mに設定すると、一方の列にはC形コア38が5個並ん
でいるので、ピッチは44mmとなるが、千鳥状に2列
のC形コア38a、38bが配列されているので、発熱
ローラ1が回転すると、千鳥状の対向部Fと対向した部
分のピッチは、発熱ローラ1の表面では、見かけ上、半
分の22mmとなる。このように、本実施の形態におい
ては、発熱ローラ1のC形コア38との対向部分とそれ
以外の部分の発熱量に大きな差が生じることはなく、ま
た、発熱が集中する対向部Fの間隔が小さくなるので、
発熱分布を均一にすることができる。その結果、発熱ロ
ーラ1及び定着ベルトの温度ムラを抑制することができ
る。
【0123】また、対向部Fにおける背面コア9が少な
くなるので、背面コア9の重量を軽くすることができ
る。さらに、背面コア9の表面積を増加させることがで
きるので、放熱による冷却を促進させることができる。
このため、背面コア9の内部に局所的に熱が蓄積するこ
とはない。これにより、蓄熱による温度上昇によって背
面コア9の飽和磁束密度が低下して、全体としての透磁
率が急激に減少することを防止することができる。その
結果、長時間にわたって安定に発熱ローラ1を所定の温
度に保つことができる。
【0124】(第8の実施の形態)図21は本発明の第
8の実施の形態における像加熱装置としての定着装置の
発熱部を示す断面図、図22は発熱部を図21の矢印A
の方向からみた投影図である。尚、上記第4の実施の形
態と同一の機能を有する部材には同一の符号を付して、
その説明は省略する。
【0125】図21、図22に示すように、本実施の形
態は、隣接するC形コア32の間隔を発熱ローラ1の回
転軸方向に沿って変化させて構成した点で、上記第4の
実施の形態と相違する。図22おいて、d1=21m
m、d2=21mm、d3=18mmである。従って、
d1=d2>d3の関係となる。つまり、発熱ローラ1
の端部で隣接する背面コア9の間隔が狭くなっている。
また、定着ベルトの表面に接触して温度を測定する温度
センサ7を設置した位置と軸方向で同じ位置に、5mm
角のフェライトからなるブロック40が設置されてい
る。
【0126】ところで、隣接する背面コア9の間隔を均
等にすると、発熱ローラ1及び定着ベルトの端部の温度
が低くなることがある。そして、この発熱ローラ1の回
転軸方向における温度ムラは定着不良を生じさせる。
【0127】本実施の形態においては、上記したよう
に、発熱ローラ1の中央部よりも端部の方で隣接する背
面コア9の間隔が狭くなっているので、コイル電流によ
って生じる磁束は、発熱ローラ1の中央部よりも端部の
方で若干多くなる。このため、発熱ローラ1の端部にお
いて発熱量が多くなる。一方、発熱ローラ1の端部にお
いては、軸受などへの熱伝導により、中央部よりも多く
の熱が奪われ易い。従って、この両方の作用が相殺され
て、発熱ローラ1及び定着ベルトの温度分布が均一とな
るので、定着不良を防止することができる。
【0128】また、温度センサ7が定着ベルトの表面に
接触しているので、温度センサ7によって定着ベルトか
ら熱が奪われることがある。このため、温度センサ7が
接触した部分だけ、定着ベルトの円周方向で温度が低く
なり易い。
【0129】本実施の形態においては、上記したよう
に、この部分にフェライトからなるブロック40が設置
されているので、この部分には他の部分よりも磁束が集
中し易い。このため、他の部分よりもこの部分で発熱量
が多くなる。これにより、温度センサ7によって奪われ
る熱を補完して、定着ベルトの表面の温度分布を均一に
することができるので、定着不良を防止することができ
る。
【0130】尚、本実施の形態においては、発熱ローラ
1の端部で隣接する背面コア9の間隔を狭くすることに
より、均一な温度分布が得られるようにしているが、必
ずしもこの構成に限定されるものではない。例えば、隣
接する背面コア9の間隔は均等にし、発熱ローラ1の端
部に位置する背面コア9の幅を、発熱ローラ1の中央部
に位置する背面コア9の幅よりも広くすることによって
も、同様に均一な温度分布を得ることができる。また、
例えば、隣接する背面コア9の間隔は均等にし、発熱ロ
ーラ1の端部に近い範囲にフェライトからなるブロック
を孤立して配置することによっても、同様に均一な温度
分布を得ることができる。
【0131】(第9の実施の形態)図23は本発明の第
9の実施の形態における像加熱装置としての定着装置の
発熱部を示す投影図、図24は本発明の第9の実施の形
態における像加熱装置としての定着装置の発熱部を示す
断面図である。尚、上記第4の実施の形態と同一の機能
を有する部材には同一の符号を付して、その説明は省略
する。
【0132】図23、図24に示すように、本実施の形
態においては、上記第4の実施の形態と異なり、発熱ロ
ーラ1の端部に近い箇所に位置する背面コア9のC形コ
ア32a、32bが移動可能に保持されている。さら
に、本実施の形態においては、A3サイズ(幅297m
m)の記録紙が最大幅の記録紙として用いられている。
C形コア32aは、A4サイズ(幅210mm)の記録
紙が通過する領域の外側に位置しており、A4サイズ程
度の記録紙が使用される場合には、図24に破線32
a’で示すように、C形コア32aが発熱ローラ1の径
方向に、かつ、発熱ローラ1から離れるように移動す
る。さらに小さいサイズの記録紙が使用される場合に
は、C形コア32aの内側に位置しているC形コア32
bも同様に移動させる。
【0133】その他の構成は上記第4の実施の形態と同
様である。
【0134】本実施の形態においては、記録紙が通過す
る領域の外側のC形コア32が移動して、この部分だ
け、コイル電流によって生じた磁束が通過する透磁率の
低い空気部分が多くなる。このため、この部分の磁束が
減少し、対向する部分の発熱ローラ1の発熱量が低減さ
れる。これにより、記録紙が通過しない範囲の温度が上
昇し過ぎて、端部の定着ベルトや軸受などの部材の温度
が耐熱温度を超えることを防止することができる。さら
に、小さいサイズの記録紙を連続して使用した後に、大
きいサイズの記録紙を使用しても、定着部の温度が適正
であるために、ホットオフセットが生じることを防止す
ることができる。従って、小さいサイズの記録紙を用い
た直後に大きいサイズの記録紙を用いることができる。
【0135】尚、本実施の形態においては、C形コア3
2のみが移動可能な場合を例に挙げて説明したが、必ず
しもこの構成に限定されるものではない。例えば、図2
5に示すように、C形コア32aと中心コア33とが一
体となって、破線9’で示すように移動する構成であっ
ても、同様の効果が得られる。
【0136】また、上記各実施の形態においては、励磁
コイル5と背面コア9とを接触させているが、両者の間
に1mm程度の隙間を設けた場合であっても、同様の効
果を得ることができる。このように励磁コイル5と背面
コア9との間に隙間を設けることにより、励磁コイル5
と背面コア9との接触部で温度が上昇することを防止す
ることができる。
【0137】また、上記各実施の形態においては、断熱
部材34と励磁コイル5とを接触させているが、必ずし
もこの構成に限定されるものではない。例えば、断熱部
材34と励磁コイル5とは離間した構成とし、両者の間
を気流が通過するように構成することにより、励磁コイ
ル5の放熱をさらに促進させることができる。
【0138】また、励磁コイル5、背面コア9、発熱ロ
ーラ1の構成は、上記各実施の形態の構成に限定される
ものではない。図4の等価回路におけるインダクタンス
Lが10μH以上50μH以下、抵抗成分Rが0.5Ω
以上5Ω以下であれば、実用上問題はない。
【0139】
【0140】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
小さい電流で所定の発熱量を得ることのできる像加熱装
置及びこれを用いた画像形成装置を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における像加熱装置
としての定着装置を示す断面図
【図2】本発明の第1の実施の形態における像加熱装置
としての定着装置の発熱部を示す一部破断した平面図
【図3】本発明の第1の実施の形態における像加熱装置
としての定着装置の発熱部を示す断面図
【図4】本発明の第1の実施の形態における像加熱装置
としての定着装置の発熱部の等価回路図
【図5】本発明の第2の実施の形態における像加熱装置
としての定着装置の発熱部を示す断面図
【図6】本発明の第2の実施の形態における像加熱装置
としての定着装置の発熱ローラを除いた発熱部を示す底
面図
【図7】本発明の第3の実施の形態における像加熱装置
としての定着装置の発熱部を示す断面図
【図8】本発明の第3の実施の形態における像加熱装置
としての定着装置の他の例の発熱部を示す断面図
【図9】本発明の第4の実施の形態における像加熱装置
を定着装置として用いた画像形成装置を示す断面図
【図10】Aは本発明の第4の実施の形態における像加
熱装置としての定着装置を示す断面図、Bは本発明の第
4の実施の形態における像加熱装置としての定着装置の
他の例を示す断面図
【図11】図10Aの矢印Gの方向から見た発熱部の投
影図
【図12】本発明の第4の実施の形態における像加熱装
置としての定着装置の発熱ローラの回転軸と励磁コイル
の中心を含む面における発熱部の断面図
【図13】本発明の第4の実施の形態における像加熱装
置としての定着装置の発熱部を示す断面図
【図14】本発明の第4の実施の形態における像加熱装
置としての定着装置の発熱ローラを示す断面図
【図15】本発明の第5の実施の形態における像加熱装
置としての定着装置の発熱部を示す断面図
【図16】本発明の第6の実施の形態における像加熱装
置としての定着装置の発熱部を示す断面図
【図17】本発明の第6の実施の形態における像加熱装
置としての定着装置の発熱部を図16の矢印Aの方向か
ら見た投影図
【図18】本発明の第6の実施の形態における像加熱装
置としての定着装置の発熱部の他の例を示す投影図
【図19】本発明の第7の実施の形態における像加熱装
置としての定着装置の発熱部を示す断面図
【図20】本発明の第7の実施の形態における像加熱装
置としての定着装置の発熱部を図19の矢印Aの方向か
ら見た投影図
【図21】本発明の第8の実施の形態における像加熱装
置としての定着装置の発熱部を示す断面図
【図22】本発明の第8の実施の形態における像加熱装
置としての定着装置の発熱部を図21の矢印Aの方向か
らみた投影図
【図23】本発明の第9の実施の形態における像加熱装
置としての定着装置の発熱部を示す投影図
【図24】本発明の第9の実施の形態における像加熱装
置としての定着装置の発熱部を示す断面図
【図25】本発明の第9の実施の形態における像加熱装
置としての定着装置の発熱部の他の例を示す断面図
【図26】従来技術における像加熱装置を示す断面図
【図27】従来技術における像加熱装置の他の例を示す
断面図
【図28】従来技術における像加熱装置の他の例に用い
られる加熱コイルを示す斜視図
【符号の説明】
1 発熱ローラ 2 支持側板 3 ベアリング 4 加圧ローラ 5 励磁コイル 6 励磁回路 7 温度センサ 8 記録紙 9 背面コア 10 トナー 11 感光ドラム 12 帯電器 13 レーザビームスキャナ 14 レーザビーム 15 現像器 16 現像ローラ 17 給紙部 18 レジストローラ対 19 転写ローラ 20 クリーニング装置 21 定着紙ガイド 22 定着装置 23 排紙ガイド 24 排紙トレイ 28 冷却ファン 29 コイルカバー 31 定着ベルト 32 C形コア 33 中心コア 34 断熱部材 35 定着ローラ 36 フランジ 37 中心軸 38 対向コア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立松 英樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−286539(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20 H05B 6/00 - 6/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性を有する回転体からなる発熱部材
    と、前記発熱部材の外周面に対向して配置され、電磁誘
    導によって前記発熱部材を発熱させる励磁コイルと、を
    備えた像加熱装置であって、 前記励磁コイルは、表面が絶縁された線材を前記発熱部
    材の回転軸方向に延伸し、かつ、前記発熱部材の周方向
    に沿って周回して形成され、 前記線材は、前記発熱部材の回転軸方向の両端部におい
    て中央部よりも多く重ねられていることを特徴とする像
    加熱装置。
  2. 【請求項2】 導電性を有する回転体からなる発熱部材
    と、 前記発熱部材の外周面に対向して配置され、前記発熱部
    材の外周面に沿って前記発熱部材の回転軸方向および周
    方向に線材を周回させて形成され、外部から前記発熱部
    材を励磁して発熱させる励磁コイルと、を有し、 前記励磁コイルのうち、前記発熱部材の周方向に周回さ
    れた線材が前記発熱部材から離れる方向に積層されるこ
    とを特徴とする像加熱装置。
  3. 【請求項3】 線材を周回させて形成される励磁コイル
    と、周回された線材に沿って形成される周回面に配置され、
    前記励磁コイルを断熱的に支持する面状の断熱部材と、 前記断熱部材の両端に前記周回面に対して垂直に設けら
    れ、前記励磁コイルの両端を保持する一対の保持部材
    と、を有し、 前記励磁コイルは、前記断熱部材の両端で前記保持部材
    に沿って積層されてなることを特徴とする像加熱装置。
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