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JP3452822B2 - アルミニウム−セラミックス複合部材の製造方法 - Google Patents

アルミニウム−セラミックス複合部材の製造方法

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JP3452822B2
JP3452822B2 JP00526399A JP526399A JP3452822B2 JP 3452822 B2 JP3452822 B2 JP 3452822B2 JP 00526399 A JP00526399 A JP 00526399A JP 526399 A JP526399 A JP 526399A JP 3452822 B2 JP3452822 B2 JP 3452822B2
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長寿 永田
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Dowa Holdings Co Ltd
Dowa Mining Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強固なアルミニウム−
セラミックス複合部材の製造方法に関するものであり、
特に、自動車部品、電子部品などに好適な、酸化物、窒
化物、炭化物セラミックスとアルミニウムとの複合材料
の工業的な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セラミックスの化学安定性、高融点、絶
縁性、高硬度などの特性と、金属の高強度、高靭性、易
加工性、導電性などの特性を生かした金属−セラミック
ス複合部材は、自動車、電子装置などに広く使用されて
いる。その代表的な例として、自動車ターボチャージャ
ー用のローター、大電力電子素子実装用の基板およびパ
ッケージが挙げられる。
【0003】金属−セラミックス複合部材の製造方法と
して、接着、めっき、メタライズ、溶射、ろう接、DB
C、焼き嵌め、鋳ぐるみなどの方法が知られている。接
着法は、有機系または無機系接着剤で金属部材とセラミ
ックス部材を接着する方法である。めっき法は、セラミ
ックス部材の表面を活性化した後めっき液に入れて金属
めっきを施す方法である。メタライズ法は、金属粉末を
含むペーストをセラミックス部材の表面に塗布した後焼
結し、金属層を形成する方法である。溶射法は、金属
(セラミックス)の溶滴をセラミックス(金属)部材の
表面に噴射し、セラミックス(金属)部材の表面に金属
(セラミックス)層を形成する方法である。ろう接法
は、低融点の金属または合金(ろう材)を介在させて金
属部材とセラミックス部材を接合する方法であり、セラ
ミックス部材にろう材を強固に接合させるために、ろう
材にセラミックスと反応しやすい金属成分を添加した
り、上述のメタライズ、溶射などの方法で予めセラミッ
クス部材の接合面に金属層を形成させる。DBC法は、
酸化物セラミックス部材と銅部材との接合のために開発
された技術で、接合時に酸素を含有する銅を使って不活
性雰囲気中で加熱するか、無酸素銅板の表面を予め酸化
処理し、酸化物層を形成してから接合する方法である。
この方法で非酸化物セラミックス部材と銅部材を接合す
る場合、予め非酸化物部材の表面に酸化物層を形成しな
ければならない。焼き嵌め法の場合、接合するセラミッ
クス、金属部材にそれぞれ凸部と凹部を設け、凸部の外
径と凹部の内径を同じ寸法にし、接合時に金属部材を加
熱して設けた凹部の内径を拡大させ、セラミックス部材
の凸部をその中に差し込んでから冷却することによっ
て、金属の凹部がセラミックスの凸部を抱き込んだ形で
一体になる。鋳ぐるみ法は、焼き嵌め法に類似した方法
で、セラミックス部品の周辺に金属を鋳込み、金属の冷
却収縮でセラミックス部品を抱き込み、一体とする方法
である。
【0004】しかしこのような従来の技術にあっては、
接着法の場合は接着強度が低く、耐熱性が乏しいとの問
題点がある。めっき、メタライズ、溶射法の場合は、形
成した金属(セラミックス)が厚さ数μm〜数十μmの
薄い層状のものに限られている。焼き嵌めおよび鋳ぐる
み法は、セラミックス部材の少なくとも一部が金属に抱
き込まれるような特定の場合に限られている。DBC法
では、接合できる金属が銅に限られ、且つ接合温度がC
u−Oの共晶点近くの狭い範囲に限られているため、膨
れ、未接のような接合欠陥が発生しやすいとの問題点が
ある。ろう接法の場合は、高価なろう材を使用し、且つ
接合を真空中で行わなければならないため、コストが非
常に高く、応用範囲が限られている。また、ろう材に
は、一般に接合する金属と他の金属さらには非金属を添
加した共晶合金が使用され、それ自体は一般に接合する
金属より硬いので、直接接合体に比べて、ろう接体の耐
ヒートサイクル寿命が短いなどの問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の技術で金属部材とセラミックス部材を接合する場合に
は、以下に示す何れかの問題点がある。 1)接合する金属およびセラミックス部材は特定な形状
のものに限られる。 2)接合工程のコストが高く、応用範囲が限られてい
る。 3)接合体の特性(接合強度、耐熱性、耐ヒートサイク
ル特性)については、要求特性を満足できるほどには達
成されていない。
【0006】従って、本発明は、上述の問題点を解決す
るために行ったもので、具体的には、本発明は優れた特
性を有する多種多様な形状のセラミックス−アルミニウ
ム複合部材を低コストで量産する方法の提供を目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる課
題を解決するために鋭意研究したところ、アルミニウム
溶湯とセラミックスとの接合方法およびアルミニウムの
成形方法を見いだし、本発明をなすことができた。
【0008】 すなわち本発明は、第1に、セラミック
ス板材の片面または両面にアルミニウムが接合されたア
ルミニウム−セラミックス複合部材5の製造において、
反応系を不活性ガス雰囲気中に設定して該セラミックス
板材の該面を該アルミニウムの溶湯1に直接接触させた
状態で移動し、該溶湯で濡らした後、所定孔形状のダイ
スを通して冷却することによって、該セラミックス板材
の該面に該溶湯を凝固させ、所定断面形状のアルミニウ
ム体を35kg/cmより大きいピール強度で接合させ
ることを特徴とするアルミニウム−セラミックス複合部
材5の製造方法;第2に、セラミックス板材の片面また
は両面にアルミニウムが接合されたアルミニウム−セラ
ミックス複合部材5の製造において、反応系を不活性ガ
ス雰囲気中に設定して該セラミックス板材の該面を圧力
をかけた該アルミニウムの溶湯1に直接接触させた状態
で上記セラミックス板材を移動し、該アルミニウムの溶
湯1で濡らした後、所定孔形状のダイスを通して該セラ
ミックス板材の該面に該アルミニウム溶湯1を凝固さ
せ、巣の発生を防止しピール強度が35kg/cmより
大きい所定断面形状のアルミニウム体を形成することを
特徴とするアルミニウム−セラミックス複合部材5の製
造方法;第3に、片面に予め金属が接合されたセラミッ
クス板材の該片面の反対面にアルミニウムが接合された
アルミニウム−セラミックス複合部材5の製造におい
て、反応系を不活性ガス雰囲気中に設定して該セラミッ
クス板材を圧力をかけた該アルミニウム溶湯1に連続的
に供給し、該セラミックス板材の該反対面を該アルミニ
ウム溶湯1に接触させた状態で該セラミックス板材を移
動し、該アルミニウム溶湯1で濡らした後、所定孔形状
のダイスを通して該反対面に該アルミニウム溶湯1を凝
固させ、巣の発生を防止しピール強度が35kg/cm
より大きい所定断面形状のアルミニウム体を形成した上
記セラミックス板材を取り出すことを特徴とするアルミ
ニウム−セラミックス複合部材5の製造方法;第4に、
上記セラミックス板材は、その側端部を保持されて上記
アルミニウム溶湯中を移動することを特徴とする第1〜
3のいずれかに記載のアルミニウム−セラミックス複合
部材5の製造方法;第5に、上記セラミックス板材は酸
化物、窒化物または炭化物である、第1〜4のいずれか
に記載のアルミニウム−セラミックス複合部材5の製造
方法に関するものである。
【0009】
【作用】金属とセラミックスとの接合は、接合機構によ
って、機械的な接合(以下機械接合)、物理的な接合
(以下物理接合)、化学的な接合(以下化学接合)に分
けられる。機械接合は、上述の焼き嵌め、鋳ぐる法で接
合した場合のような、金属の凹部にセラミックスの凸部
が機械的な力で抱かれる接合、または接着法のようなセ
ラミックスと金属部材の表面の凹部に接着剤が入り込
み、硬化した接着剤の錨(アンカー)効果で金属とセラ
ミックスを一体化するような接合を指している。物理接
合は、セラミックスの分子と金属原子の間の吸引力(フ
ァンデルワールス力)で接合する場合を指している。化
学接合は、セラミックス分子内部の電子と金属原子内部
の電子との間の共有またはやり取り、つまり共有または
イオン結合による接合を指している。化学接合の場合、
セラミックスと金属の表面分子(原子)の間に電子共有
またはやり取りがあれば成立するため、必ずしも物理的
に(例えば常用の光学顕微鏡、走査電子顕微鏡、透過電
子顕微鏡観察によって)発見可能な反応生成物が界面に
存在するとは限らない。その場合、界面の状態から、物
理的に接着されているのか、化学的に接着されているの
かを区別できない場合がよくある。実際上、接合体の界
面にいくつかの接合機構が同時に存在する場合が多い
が、信頼性の高い接合を実現するためには、物理接合ま
たは化学接合が達成されることが必要条件である。
【0010】物理接合または化学接合が発生したかどう
かは、よく濡れ状況から判定される。一般に、液滴は固
体の上に置かれると広がり、一定時間が経つと平衡状態
になる。平衡状態になったときの液体、固体および雰囲
気の接触点(線)の位置からの液滴の接線と固体表面と
の間の液滴を挟む角度、すなわち接触角を測定し、これ
を用いて固体に対する液体の濡れ状況を表す。物理接合
および化学接合が発生した場合、接触角は一般に小さく
なる。本発明では、濡れ状況を調べるために、以下に述
べる、より簡単で実用的な方法を用いた。つまり、一定
の温度に加熱されたアルミニウム溶湯1にセラミックス
部材2を接触させ、ある時間が経つてから、前記溶湯1
からセラミックス部材2を取り出す。冷却した前記セラ
ミックス部材2の表面に残存したアルミニウムをナイフ
などで掻き、浮いているアルミニウム部分を除去し、セ
ラミックス部材2に対するアルミニウムの濡れ状況を調
べる。
【0011】物理接合および化学接合を達成するため
に、まず接合する部材の表面を清浄化しなければならな
い。例えば発明者の一人が別の発明(参考文献1、特願
平4−355211)において開示したように、アルミ
ニウムに代表されるような、化学的に活性な金属は、空
気中に置かれるとその表面が酸化され、その影響で金属
本来の活性を失い、セラミックスと強固に接合できなく
なることがわかった。また当業者がよく知っているよう
に、接合作業を行う前にまず接合部材の表面に脱脂処理
を施し、部材表面の油脂分を除去しないと強固な接合体
は得られない。
【0012】発明者の一人は、上述の発明(参考文献
1、特願平4−355211)において、接合する部材
の表面を清浄化する方法を考案した。つまり、金属溶湯
1の中にセラミックス部材2を差し込むか、設定された
セラミックス部材2の所に金属溶湯1を鋳込むかするこ
とによって、溶湯1とセラミックス部材2との間に相対
運動を発生させ、溶湯と該部材との界面を清浄化し、部
材に金属を強固に接合させる。本発明の発明者らは、前
記発明に基づいてさらに鋭意研究に努力し、アルミニウ
ム−セラミックス複合部材5の工業的な製造方法を見い
だした。つまり、(1)アルミニウム溶湯1にセラミッ
クス部材2を差し込む場合、セラミックス部材2の、ア
ルミニウムに接合する部分が少なくともアルミニウム溶
湯1に濡れるまで、該セラミックス部材2をアルミニウ
ム溶湯1の中で移動させ、(2)アルミニウム溶湯1か
らセラミックス部材2を取り出す場合、一定の形状に加
工したダイス6を通して、アルミニウム溶湯1の一部を
セラミックス部材2の所定の所に、所定の形状に凝固さ
せることを特徴とするアルミニウム−セラミックス複合
部材5の製造方法である。
【0013】ここで強調しなければならないのは、表面
を清浄化することは、必ずしも部材成分以外のすべての
成分の除去を意味しないという点である。むしろ、その
成分に物理接合や化学接合を促進する作用があれば、そ
の作用を積極的に利用すべきである。例えば上述のDB
Cの場合のように、接合部材の表面に酸化物が存在する
ことが強固な接合を達成するための前提条件である場合
には、予め部材の表面に酸化処理を施し、酸化層を形成
する必要がある。本発明における清浄化の意味は、あく
までも物理接合および化学接合の達成を阻害する成分を
除去するということに他ならない。
【0014】図2は、本発明の原理を説明するための模
式図である。この図に示しているように、アルミニウム
溶湯中におけるセラミックス部材2の移動距離が短い場
合、アルミニウム溶湯1とセラミックス部材2との接触
が不十分となって、セラミックス部材表面の有害成分4
およびアルミニウム溶湯表面の有害成分3を十分に除去
できず、そのため、セラミックス部材2の一部に対して
アルミニウム溶湯1が十分に濡れず、強固な接合が達成
できない。このような接合不良を防ぐためには、アルミ
ニウム溶湯1の中でセラミックス部材2が移動する距離
は、ある最短距離(Dmin )を超えなければならない。
この最短距離は、アルミニウム溶湯1とセラミックス部
材2の特性、それらの表面に存在する有害成分の状況、
温度、雰囲気、セラミックス部材2の移動速度などによ
って変わるが、本発明の実施例の場合、この最短距離は
数mmから数十mmまでである。
【0015】本発明の実施例1に、アルミニウム−セラ
ミックス複合部材5の製造方法の一例を開示している。
図1に製造装置の断面模式図を示し、図3に鋳型(ダイ
ス)6の出口側の断面図を示す。セラミックス部材2
が、鋳型(ダイス)6の一方側から連続的に溶湯の内部
に入り、十分に濡れてから反対方向の鋳型(ダイス)6
を通過し、セラミックス部材2の所定の場所に所定の形
状を有するアルミニウム体を形成する。この場合、セラ
ミックス部材2の移動方向の溶湯の寸法を、該セラミッ
クス部材2が濡れるまでの最短距離より長くすれば、健
全なアルミニウム−セラミックス複合部材5が製造でき
る。
【0016】前述の実施例は、あくまでも本発明の要点
を説明するために引用した例であり、また実施例に示さ
れた方法は明らかに本発明の目的を達成するための製造
工程の一つではあるが、本発明がこの実施例に開示した
方法だけに限定されないことは容易に理解されよう。ま
た、そのアルミニウム自身がセラミックス部材2に直接
濡れなくても、セラミックス部材2の表面を改質した
り、アルミニウム中に濡れを促進する成分を添加するな
どして、セラミックス部材2とアルミニウム溶湯1の濡
れを改善する方法も、同様に応用できる。例えば銅と窒
化アルミニウムの複合部材を製造する場合、アルミニウ
ムと窒化アルミニウムの部材の濡れを改善するために、
セラミックスの表面に予め酸化処理を施して表面にアル
ミナのような酸化物を形成したり、アルミニウム溶湯1
を空気中に暴露するか、酸化銅の添加等によって酸素を
含有させるなどして、アルミニウムの溶湯とセラミック
ス部材2との濡れを改善し、セラミックス部材2とアル
ミニウム体とを強固に接合することが可能である。
【0017】本発明の場合、温度、雰囲気、およびセラ
ミックス部材2の移動速度は、言うまでもなく非常に重
要なパラメータであるが、各種セラミックス部材2の特
性が異なるため、接合する部材によってこれらのパラメ
ータは変わる。アルミニウム溶湯1とセラミックス部材
2が濡れるように、これらの条件を選択すればよい。こ
れらの条件の選択は、本発明の効果を最大限に生かすた
めの重要な措置である。ただし、これらの条件を選択す
る際、次の点に注意しなければならない。すなわち、本
発明の方法では、濡れること自体はアルミニウム−セラ
ミックス複合部材5を製造するための要点であり、溶湯
の温度を上げて接触時間を延長すればたしかに濡れの改
善に効果はあるが、必要以上に溶湯温度を上げたり、接
触時間を延ばしたりするとアルミニウム部材とセラミッ
クス部材2との界面に厚い反応生成物が形成され、接合
強度が低下する恐れがある。
【0018】
【実施例1】図1に製造装置の断面模式図を示し、図3
に出口側鋳型(ダイス)6Bの断面図を示す。アルミニ
ウムを坩堝7の中にセットし、アルミナ板をダイス6の
入り口から入れて、その先端が坩堝7の内壁から少し出
るようにセットしてから、窒素ガス(N2 )雰囲気中に
おいて坩堝7を加熱し、アルミニウムを溶解する。アル
ミニウム溶湯は出口側のダイス6Bの中に入るが、ダイ
ス中を流れる間に先端部分の温度が融点以下に下がり、
その部分が凝固して出口を塞ぎ、溶湯の流出を防ぐ。ま
た、入り口側のダイス6Aおよびダイスと坩堝7との間
の隙間の中に溶湯が入らないようにするには、そのクリ
アランスをある寸法以下にしなければならないが、本実
施例の場合、そのクリアランスを0. 1mm以下にし
た。アルミニウム溶湯がある設定温度に加熱された後、
入り口側からアルミナ板を連続的に供給する。アルミナ
板材は、順番に該溶湯中に入り、溶湯に濡れてから出口
側のダイス6Bに入り、最後には、アルミナ板材の両表
面に厚さ0. 5mmのアルミニウム体が接合した状態
で、出口から連続的に押し出された。本実施例におい
て、加熱温度、押し出し温度、窒素ガスの流量をいろい
ろ変えて、アルミナ板材がアルミニウム溶湯に濡れるま
でに該溶湯中を移動する最短距離Dmin を測定し、アル
ミニウム−アルミナ複合板材を製造した。得られた複合
板材からサンプルを切り出し、以前の発明(参考文献
1、特願平4−355211)に記載された評価方法で
該複合板材を調べた。なお、Dmin は、坩堝7から溶湯
を抜いてからアルミナ板材を取り出し、アルミニウム溶
湯との接触開始点と完全に濡れる部分との間の距離を測
定して求めた。その結果を表1にまとめて示している。
これらの結果から、製造番号Eのサンプルを除くすべて
のサンプルについて、アルミニウムの組織が緻密で、ピ
ール強度は35kg/cmを超えていた。本発明の方法
で良質なアルミニウム−アルミナ複合板材を製造するこ
とができた。
【0019】
【表1】
【0020】
【実施例2】実施例1において、ダイス出口側6Bの内
部を図4の断面図に示すような形に加工し、溶湯温度、
押し出し速度、窒素ガス流量をそれぞれ850℃、25
mm/min、および30L/minに設定し、また溶
湯の湯回りを良くし、巣の発生を防ぐため溶湯に0.5
kg/cm2 の圧力をかけたこと以外は実施例1と実質
的に同じ方法で、片面に放熱フィン10を有する良質な
アルミニウム−アルミナ複合板材を製造することができ
た。
【0021】
【実施例3】実施例2において、アルミナ板材には片面
に予め前記のDBC法で銅板を接合した物を用いたこと
と、該銅板接合アルミナ板材が溶湯部を通る時銅板がア
ルミニウム溶湯に暴露されないように、溶湯内における
ダイス6の形状を図5の断面図に示すような形状に加工
したこと以外は実施例2と実質的に同じ方法で、片面に
銅板、片面にアルミニウム放熱フィン10を有する良質
な複合材料を製造することができた。
【0022】
【発明の効果】本発明の方法によれば、低コストで、多
種多様な形状を有する良質なアルミニウム−セラミック
ス複合部材5を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例においてアルミニウム−セラミ
ックス複合部材を製造するための装置の断面模式図であ
る。
【図2】本発明の原理を説明するための模式図である。
【図3】本発明の実施例1においてアルミニウム−セラ
ミックス複合部材を製造するためのダイスの出口側の断
面図である。
【図4】本発明の実施例2においてアルミニウム−セラ
ミックス複合部材を製造するためのダイスの出口側の断
面図である。
【図5】本発明の実施例3においてアルミニウム−セラ
ミックス複合部材を製造するためのダイスの、坩堝中に
位置する部分の断面図である。
【符号の説明】
1: アルミニウム溶湯 2: セラミックス部材 3: アルミニウム溶湯表面の有害成分 4: セラミックス部材表面の有害成分 5: アルミニウム−セラミックス複合部材 6: 鋳型(ダイス) 6A:鋳型(ダイス)入り口側 6B:鋳型(ダイス)出口側 7: 坩堝 8: ヒーター 9: 接合した金属 10: アルミニウム放熱フィン 矢印→:セラミックス部材の移動方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 敏和 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同和鉱業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−227789(JP,A) 特開 昭63−317245(JP,A) 特開 平1−202356(JP,A) 特開 平7−193358(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 37/02 B22D 19/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス板材の片面または両面にア
    ルミニウムが接合されたアルミニウム−セラミックス複
    合部材5の製造において、反応系を不活性ガス雰囲気中
    に設定して該セラミックス板材の該面を該アルミニウム
    の溶湯1に直接接触させた状態で移動し、該溶湯で濡ら
    した後、所定孔形状のダイスを通して冷却することによ
    って、該セラミックス板材の該面に該溶湯を凝固させ
    所定断面形状のアルミニウム体を35kg/cmより大
    きいピール強度で接合させることを特徴とするアルミニ
    ウム−セラミックス複合部材5の製造方法。
  2. 【請求項2】 セラミックス板材の片面または両面にア
    ルミニウムが接合されたアルミニウム−セラミックス複
    合部材5の製造において、反応系を不活性ガス雰囲気中
    に設定して該セラミックス板材の該面を圧力をかけた該
    アルミニウムの溶湯1に直接接触させた状態で上記セラ
    ミックス板材を移動し、該アルミニウムの溶湯1で濡ら
    した後、所定孔形状のダイスを通して該セラミックス板
    材の該面に該アルミニウム溶湯1を凝固させ、巣の発生
    を防止しピール強度が35kg/cmより大きい所定断
    面形状のアルミニウム体を形成することを特徴とするア
    ルミニウム−セラミックス複合部材5の製造方法。
  3. 【請求項3】 片面に予め金属が接合されたセラミック
    ス板材の該片面の反対面にアルミニウムが接合されたア
    ルミニウム−セラミックス複合部材5の製造において、
    反応系を不活性ガス雰囲気中に設定して該セラミックス
    板材を圧力をかけた該アルミニウム溶湯1に連続的に供
    給し、該セラミックス板材の該反対面を該アルミニウム
    溶湯1に接触させた状態で該セラミックス板材を移動
    し、該アルミニウム溶湯1で濡らした後、所定孔形状の
    ダイスを通して該反対面に該アルミニウム溶湯1を凝固
    させ、巣の発生を防止しピール強度が35kg/cmよ
    り大きい所定断面形状のアルミニウム体を形成した上記
    セラミックス板材を取り出すことを特徴とするアルミニ
    ウム−セラミックス複合部材5の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記セラミックス板材は、その側端部を
    保持されて上記アルミニウム溶湯中を移動することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム
    −セラミックス複合部材5の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記セラミックス板材は酸化物、窒化物
    または炭化物である、請求項1〜4のいずれかに記載の
    アルミニウム−セラミックス複合部材5の製造方法。
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