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JP3452400B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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Publication number
JP3452400B2
JP3452400B2 JP18156194A JP18156194A JP3452400B2 JP 3452400 B2 JP3452400 B2 JP 3452400B2 JP 18156194 A JP18156194 A JP 18156194A JP 18156194 A JP18156194 A JP 18156194A JP 3452400 B2 JP3452400 B2 JP 3452400B2
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JP
Japan
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pulse
sequence
magnetic field
pulse sequence
phase
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Application number
JP18156194A
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English (en)
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JPH0838444A (ja
Inventor
滋 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Medical Corp filed Critical Hitachi Medical Corp
Priority to JP18156194A priority Critical patent/JP3452400B2/ja
Publication of JPH0838444A publication Critical patent/JPH0838444A/ja
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  • Indicating Or Recording The Presence, Absence, Or Direction Of Movement (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核磁気共鳴(以下、N
MRという)を利用して被検体の所望部位の断層画像を
得る磁気共鳴イメージング(以下、MRI装置という)
に関し、特にフェイズコントラスト法(以下、PC法と
いう)やフェイズセンシティブ法(以下、PS法とい
う)と呼ばれるパルスシーケンスを用いた血流描出手段
を有するMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】MRI装置においては、特定の領域(ス
ライス)に対して高周波磁場(高周波パルス、以下RF
パルスという)を照射して領域内の組織を構成する原子
の原子核スピン(以下、単にスピンという)を励起し、
スピンからのNMR信号をエコー信号として計測するの
であるが、静止組織のスピンと血流のように移動するス
ピンとの違いを利用することにより血流を描出すること
が可能である。このような血流描出手法として、スライ
ス面に新たに流入する血流スピンの流入効果を用いたタ
イムオブフライト(Time of Flight : TOF)法、血流に
よるスピンの位相拡散の有無を用いて差分を行うPS
(Phase Sensitive)法、血流による位相拡散の極性を
反転し、差分を行うPC(Phase Contrast)法の3種類
の方法が主に用いられている。
【0003】このうちPS法について簡単に説明する。
MRI装置においては上述のようにスピンからのNMR
信号をエコー信号として計測するのであるが、この際エ
コー信号に位置情報を付加するために、スピンの励起か
らエコー信号計測までに、位相エンコード方向、周波数
エンコード方向等の傾斜磁場が印加される。これら傾斜
磁場の印加によって、励起されたスピンは、位置及び移
動速度に依存した位相回転を受ける。即ち、図8
(a)、(b)に示すように、例えば時刻t1において
0の位置に2個のスピンS1、S2が存在するとし、一
方のスピンS1は静止しており、他方のスピンS2は速度
vでX方向に移動しているとした場合、図8(b)に示
すように時刻t1からt2までの周波数エンコード方向の
傾斜磁場Gxの印加により、それぞれ次式に示す位相変
化Φs、Φfを受ける。
【0004】
【数1】
【0005】
【数2】
【0006】式(1)と式(2)から
【0007】
【数3】
【0008】となる。そしてこの式(3)から静止スピ
ンS1と移動スピンS2との位相差は、移動速度vに比例
していることがわかる。PS法は、このような静止スピ
ンと移動スピンの位相拡散の相違を利用し、移動スピン
の位相拡散のある状態で計測した画像と、移動スピンの
位相拡散をなくした状態で計測した画像との差分をとる
もので、そのため2つの撮像のためのパルスシーケンス
を実行する。
【0009】図9はそのうちの1つである標準的スピン
エコー法と、このシーケンスにおける静止スピンと移動
スピンの挙動の違いを示した図であり、(a)はRFパ
ルス(90度パルス及び180度パルス)の印加及びエ
コー信号Eの計測を示し、(b)は傾斜磁場Gxの印加
を示している。また(c)〜(e)は、それぞれ最初の
励起(90度パルス印加)からエコー信号Eの計測まで
のスピンの空間的位置変化、位相回転速度、及び位相変
化を示している。静止スピンは破線の曲線で、移動スピ
ンは実線の曲線で示されている。この標準的スピンエコ
ーシーケンスにおいては、エコー信号E計測の際に、同
図(e)に示すように静止スピンと移動スピンとの位相
が揃わないこととなる。
【0010】PS法におけるもう一方のパルスシーケン
スを図10に示す。図10に示すシーケンスでは、図9
の標準的スピンエコーのシーケンスにおける傾斜磁場に
対して、(b)に示すように負方向の傾斜磁場A、Bを
追加している。この負方向の傾斜磁場A、Bにより、移
動スピンは予め負方向の位相変化を受けているのでエコ
ー信号E計測時において、同図(e)に示すようにエコ
ー信号Eの位相が揃うこととなる。図9に示すパルスシ
ーケンスを位相感応型(Phase Sensitive)またはディ
フェイズ(Dephase)シーケンスと呼び、図10に示す
パルスシーケンスを位相不感応型(Phase Insensitiv
e)またはリフェイズ(Rephase)シーケンスと呼ぶ。リ
フェイズシーケンスでは、静止部分についてディフェイ
ズシーケンスで得られる信号強度と等強度の信号が得ら
れ、移動磁化の存在部位では、位相拡散による信号の欠
損を抑え、ディフェイズシーケンスより高い信号が得ら
れる。
【0011】従って、図11に示すようにディフェイズ
シーケンスで計測したディフェイズ画像I1と、リフェ
イズシーケンスで計測したリフェイズ画像I2との差を
とって差分画像I3を得ることにより、静止部分22が
消去され、例えば血管21内の血流のような移動部分の
みを画像化することができる。このようなディフェイズ
シーケンス及びリフェイズシーケンスによって得られた
画像間の差から血管像を得る手法については「Cerebral
MR Angioimaging (脳血管磁気共鳴画像法)」の研究
−第1報−」(福井啓二 他、CT研究 10(2) 1988
年、133頁〜142頁)に詳述されている。
【0012】次にPC法について簡単に説明する。上述
したように傾斜磁場の印加により血流内のスピンは位相
回転を受ける。従って、図12に示すような正負一対の
傾斜磁場パルスGxを印加した場合、血流内のスピンは
流速に応じた位相回転を受けるが、正負いずれの傾斜磁
場パルスを先に印加するかによって、位相回転はΦf-ま
たはΦf+となる。このとき静止部分のスピンの位相Φs
はいずれの場合も0となる。この正負一対の傾斜磁場パ
ルスはフローエンコードパルスと呼ばれ、負の傾斜磁場
パルスを先に印加するフローエンコードパルス(実線)
を正極性のフローエンコードパルス、正の傾斜磁場パル
スを先に印加するフローエンコードパルス(点線)を負
極性のフローエンコードパルスとする。上述のようにフ
ローエンコードパルスの極性を反転すれば、位相回転の
極性も反転するため、これらを交互に印加し得られる信
号の複素差分をとれば、位相回転を受けない静止部分の
信号は除去され、血流信号のみ検出される。この得られ
る信号強度は流速に依存して変化し、Φf-とΦf+の位相
差がπとなる流速を有するとき信号強度は最大となる。
従って直交座標系の任意の一軸に、正極性のフローエン
コードパルスを有するシーケンスと負極性のフローエン
コードパルスを有するシーケンスを動作させ取得したデ
ータの差分演算を行えば、その一軸方向に沿って流れる
血流を抽出することができる。これを三軸すべてについ
て、すなわち6個のシーケンスを動作させることによ
り、全方向の血流を抽出することができる。このPC法
については、”Magnetic Resonance Angiography, Dumo
ulin CL, et al. Radiology 161: 717〜720, 1986”に
詳しい。
【0013】ところで上述のPS法及びPC法は、2種
以上のパルスシーケンスによって得た画像の差分によっ
て血流描出を行うものであり、一方のパルスシーケンス
と他方のパルスシーケンスの実行の間に、被検体の位置
の移動や血流以外の信号強度の変化があると、差分によ
る除去が完全に行えず血流のみの描出を妨げることにな
る。しかしながら、それぞれのパルスシーケンスの実行
には、三次元計測の場合、Ts=(繰返し時間)×(ス
ライスエンコード数)×(位相エンコード数)×(加算
回数)の時間を要するため、それぞれのパルスシーケン
スを別個に実行していたのでは、被検体の体動などによ
り、差分が不完全となる可能性が高い。そのため、例え
ばPS法の場合、従来より各スライスエンコードステッ
プ及び各位相エンコードステップ毎にリフェイズ/ディ
フェイズシーケンスを交互に動作させるようにしてい
る。
【0014】一方、受信系のプリアンプのもつバイアス
などにより生じる直流オフセットが画像中心にアーチフ
ァクトとなって発生するのを防ぐために、RFパルスは
位相エンコードごとに+/−交互に励起している。RF
パルスを交互に+/−の極性で照射することにより、直
流オフセット成分はk空間の位相方向に直流として取込
まれ、エコー信号の直流データは最高周波として取込ま
れることになり、画像中心において直流オフセットの影
響が生じるのを防止できる。
【0015】このようにリフェイズ/ディフェイズシー
ケンスを交互に動作させ且つRFパルスを交互に+/−
の極性で照射するため、実際のPS法、PC法では図1
3に示すような構成をとっていた。図13はPS法によ
る撮像における、リフェイズ/ディフェイズ両シーケン
スのエコー信号計測過程を模式的に示したタイミング線
図である。
【0016】図13において、(1)は計測シーケンス
全体のタイミングを示し、(2)はその一部を詳細に示
した図である。(2)において、(a)は位相エンコー
ド、(b)はスライスエンコード、(c)はシーケンス
の状態を示しており、(d)はRFパルスによる励起、
(e)は周波数エンコード方向の傾斜磁場の印加、
(f)はエコー信号、(g)はエコー信号計測のタイミ
ングをそれぞれ示している。位相エンコードステップは
第1〜第kまで、スライスエンコードステップは第1〜
第mまであるものとする。この三次元のPS法において
は、短い繰返し時間TR(数十ms程度)で、まず第1位
相エンコードステップの第1スライスエンコードステッ
プにおいて、リフェイズ/ディフェイズシーケンスを連
続して動作させ、両シーケンスを交互に動作させながら
第1〜第mスライスエンコードステップまで更新してい
く。尚、同図(1)においてリフェイズシーケンスはR
で、ディフェイズシーケンスはDで示している。
【0017】収集したデータは信号処理系6を経由して
デジタルデータとなり、CPU8のメモリ上に格納され
る。第1位相エンコードに関してすべてのデータ収集を
終了した後、位相エンコードステップを1ステップ分イ
ンクリメントし、再びリフェイズ/ディフェイズのデー
タ収集を行う。このようにして、最終の第k位相エンコ
ードまでのデータの収集を完了すると、CPU8におい
て各三次元データに対し、スライス方向のフーリエ変換
を行い、対応するスライスごとにリフェイズデータとデ
ィフェイズデータの複素差分演算を行い、血流信号のみ
の三次元データを作成する。この三次元データは、図1
4に示す投影処理により、任意の二次元投影像に変換さ
れる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】一般にRFパルスによ
る励起では、組織の縦緩和時間T1に対し充分短い繰り
返し時間で励起を行う場合、各励起の直前のスピンの状
態は熱平衡状態になく、それまでにどのような励起を受
けたかが問題となる。例えば連続して同極性のRFパル
スによる励起を受けた場合には、スピンの状態は定常状
態となり、これら励起によって得られるエコー信号もほ
ぼ一定の信号強度となる。またRFパルスの極性を交互
に反転させた場合にも、スピンは常に同じ履歴を受けた
ことになるので、一定の信号強度のエコー信号が得られ
る。
【0019】しかしながら、上述のようなリフェイズ/
ディフェイズシーケンスでは、例えばPS法の場合、図
13に示すようにリフェイズシーケンスのRFパルスは
直前のディフェイズシーケンスのRFパルスに対し反極
性となり、ディフェイズシーケンスでは直前のリフェイ
ズシーケンスに対し同極性となる。このようにリフェイ
ズシーケンスとディフェイズシーケンスでは直前のRF
パルスの極性が異なり、毎回の励起の直前の状態が異な
るため、定常状態が実現できず、両シーケンスにおいて
得られる信号強度にも差が生じてしまう。全く公平な計
測を行おうとすれば、両シーケンスを別々に2回計測す
るのが望ましいが、既に述べたように別個に行うことは
計測間の被検体の体動などの影響で完全な差分を行うこ
とが困難である。
【0020】従って本発明は複数の計測画像の差分を用
いて血流を描出する手法において、RFパルス連続印加
の際のスピンの定常状態の崩壊や体動によるシーケンス
間の位置変化など、静止組織の画像除去が不完全となる
原因を取り除き、良好な差分血流像を描出できるMRI
装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のMRI装置は、傾斜磁場印加パターンの異なる複数
種(n個)のパルスシーケンス群を実行して、n組の三
次元データセットを取得し、これらデータセット間の演
算により、被検体中の静止組織の信号を除去し、血流信
号のみの三次元データセットを抽出するようにした血流
描出パルスシーケンスを実行するMRI装置において、
パルスシーケンスの繰り返しループを内側から順に1)
スライスエンコード、2)シーケンス種、3)位相エン
コードとしたものである。即ち、パルスシーケンス群の
各々は、スライスエンコードステップを具備し、第1の
位相エンコードステップにおいて、第1のシーケンスで
スライスエンコードのすべてのステップについてデータ
を収集し、続いて同じ位相エンコードステップにおいて
第2のシーケンスにおいてもスライスエンコードの全ス
テップについてデータを収集し、同様にすべてのシーケ
ンスについて第1の位相エンコードステップのデータを
収集する。第1の位相エンコードステップが終了した時
点で位相エンコードステップを1ステップインクリメン
トし、第2位相エンコードステップについて、全シーケ
ンス種について全スライスエンコードステップのデータ
を取得する。このようにして、位相エンコードの全ステ
ップについてデータを取得することにより、n組の三次
元計測データセットを得る。信号処理系は、この三次元
計測データセット間の演算により、被検体中の静止組織
の信号を除去し、血流信号のみの三次元データセットを
抽出する。
【0022】この際、少なくとも同一位相エンコードス
テップ内において高周波パルスの極性を交互に反転して
照射する。そして好適には、受信系においてデータを取
込む際に、位相エンコードごとにデータ取込系の位相を
交互に0/πとする。これにより、高周波パルス(以
下、単にRFという)印加の極性が位相エンコートごと
に同極性としたままで、取得データの極性をk空間のy
方向で交互に+/−とし、直流オフセットを除去する。
【0023】本発明は、血流描出パルスシーケンスとし
てPS法を採用するMRI装置或いはPC法を採用する
MRI装置のいずれにも適用することができ、PS法で
はパルスシーケンス群は、血流を構成する原子の原子核
に位相の拡散が生じている状態でエコー信号を計測する
ディフェイズシーケンス及び前記エコー信号計測時にお
いて血流を構成する原子の原子核に位相の拡散を収束す
る傾斜磁場を印加するリフェイズシーケンスの2種(n
=2)から成り、2個の三次元データセットを取得す
る。
【0024】またPC法ではパルスシーケンス群は、直
交座標系の少なくとも1軸最大3軸について正極性及び
負極性のフローエンコードパルスを印加するパルスシー
ケンス対を含むことができ、この場合には1軸について
2個、2軸について4個、3軸について6個の三次元デ
ータセットを取得する。PC法の別の態様ではパルスシ
ーケンス群は、直交座標系の3軸について正極性のフロ
ーエンコードパルスを印加するパルスシーケンスと、い
ずれか1軸について負極性で残り2軸について正極性の
フローエンコードパルスを印加するパルスシーケンスと
を含むことができ、この場合には2〜4個の三次元デー
タセットを取得する。
【0025】
【作用】MRI装置のシーケンサは、上記構成の血流描
出シーケンスを起動し、RFパルスを少なくとも同一位
相エンコードステップにおいて交互に+/−の極性で照
射する。これにより各シーケンスにおいてスピンは計測
順序に影響されない平等な励起を受け、定常状態を保っ
てデータを取得できる。
【0026】尚、直流オフセットを除去するためには、
位相エンコードステップごとにRFパルスの極性を反転
させる必要があるが、これにより隣接する位相エンコー
ドステップの間で定常状態が乱されるので、好適には位
相エンコードごとにデータの取込の位相の反転を行うこ
とにより、RFパルスの照射は交互に+/−とする状態
を保ったままで、即ち定常状態を保って、直流オフセッ
トを除去できる。即ち直流オフセット成分はk空間の位
相方向に直流として取込まれ、エコー信号の直流データ
は最高周波として取込まれることになるので、直流オフ
セットによるアーチファクトを防ぐことができる。
【0027】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して詳細に
説明する。図7は本発明のMRI装置の一実施例を示す
全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、
磁気共鳴現象を利用して被検体1の断層画像を得るもの
で、被検体1の周囲に充分大きな広がりをもった静磁場
発生磁石2と、傾斜磁場発生系3と、送信系4と、受信
系5と、信号処理系6と、シーケンサ7と、中央処理装
置(以下、CPUという)8とを備えている。シーケン
サ7は、CPU8の制御で動作し、被検体の断層画像の
データ収集に必要な種々の命令を送信系4及び傾斜磁場
発生系3並びに受信系5に送るものであり、CPU8と
ともに検査条件を制御する制御手段として機能する。
【0028】静磁場発生磁石2は、被検体1の周りにそ
の体軸方向または体軸と直交する方向に均一な磁束を発
生するもので、被検体1の周りのある広がりをもった空
間に永久磁石方式または常電導方式或いは超電導方式の
磁場発生手段が配置されている。傾斜磁場発生系3は、
X、Y、Zの三方向に巻かれた傾斜磁場コイル9とそれ
ぞれのコイルを駆動する傾斜磁場電源10とから成り、
シーケンサ7からの命令に従って各傾斜磁場電源10を
駆動することにより、X、Y、Zの三方向の傾斜磁場G
x、Gy、Gzを被検体1に印加するようになってい
る。この傾斜磁場の加え方により、被検体1に対するス
ライス面を設定することができる。
【0029】送信系4は、高周波発振器11と変調器1
2と高周波増幅器13と送信側高周波コイル14aとか
らなり、高周波発振器11から出力された高周波パルス
をシーケンサ7の命令に従って、変調器12で振幅変調
し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器1
3で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波
コイル14aに供給することにより、電磁波が被検体1
に照射されるようになっている。
【0030】受信系5は、受信側高周波コイル14bと
増幅器15と直交位相検波器16とA/D変換器17と
からなり、送信側の高周波コイル14aから照射された
電磁波による被検体の応答の電磁波(NMR信号)を被
検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出
し、増幅器15及び直交位相検波器16を介してA/D
変換器17に入力してデジタル量に変換する。この際、
A/D変換器17はシーケンサ7からの命令によるタイ
ミングで、直交位相検波器16から出力された二系列の
信号をサンプリングし、二系列のデジタルデータを出力
する。それらのデジタル信号は信号処理系6に送られフ
ーリエ変換されるようになっている。
【0031】信号処理系6は、CPU8と磁気ディスク
18及び光ディスク19等の記録装置とCRT等のディ
スプレイ20とからなり、CPU8においてデジタル信
号を用いてフーリエ変換、補正係数計算、像再構成等の
処理を行ない、任意断面の信号強度分布あるいは複数の
信号に適当な演算を行なって得られた分布を画像化して
ディスプレイ20に断層像として表示する。
【0032】尚、図7において、送信側及び受信側の高
周波コイル14a、14bと傾斜磁場コイル9は、被検
体1の周りの空間に配置された静磁場発生磁石2の磁場
空間内に配置されている。ここで本発明においては、シ
ーケンサ7は三次元血管描出パルスシーケンスを起動す
る。
【0033】図1はPS法による撮像シーケンスの一例
を示すタイミング線図であり、(1)はその全体を、
(2)は一部を拡大して示している。このシーケンス
は、1〜kまでの位相エンコードステップから成り、各
位相エンコードステップには、リフェイズシーケンス
(以下、Rシーケンスという)とディフェイズシーケン
ス(以下、Dシーケンスという)とを含み、Rシーケン
ス及びDシーケンスはそれぞれ1〜mまでのスライスエ
ンコードステップからなる。尚、同図(2)において、
(a)は位相エンコード、(b)はシーケンス種、
(c)はスライスエンコードを示しており、(d)はR
Fパルスによる励起、(e)は周波数エンコード方向の
傾斜磁場の印加パターン、(f)はエコー信号、(g)
はエコー信号計測のタイミングをそれぞれ示している。
【0034】このようなシーケンス構成において、まず
第1の位相エンコードでRシーケンス及びDシーケンス
が順次実行されるのであるが、各シーケンスでは全ての
スライスエンコードステップが実行される。即ち、Rシ
ーケンスにおいては、RFパルス照射、リフェイズのた
めの周波数エンコード方向の傾斜磁場印加及びエコー信
号の計測を行い、スライスエンコードを1づつインクリ
メントしながら、RFパルス照射からエコー信号計測ま
でを数十ms程度の短い繰り返し時間で繰り返し、第m
のスライスエンコードステップまで、m個のエコー信号
の計測を行う。
【0035】同様にDシーケンスでは、RFパルス照
射、ディフェイズのための周波数エンコード方向の傾斜
磁場印加及びエコー信号の計測を行い、スライスエンコ
ードを1づつインクリメントしながら第mのスライスエ
ンコードステップまで、m個のエコー信号の計測を行
う。この際、RFパルスは1回の照射ごとに交互に極性
を反転して照射する。従って、常に同じスピン状態(定
常状態)でスピンの励起が行われ、同一の位相エンコー
ドステップ内で得られる全エコー信号は同じ信号強度の
ものが得られる。この際エコー信号は、前述したように
A/D変換器17においてシーケンサ7からの命令によ
るタイミングで、直交位相検波器16から出力された二
系列の信号をサンプリングするのであるが、サンプリン
グのタイミングは0ラジアンで行う。
【0036】このように第1の位相エンコードステップ
が終了すると、次に位相エンコードを1インクリメント
し、第2の位相エンコードステップを実行する。この場
合にも第1の位相エンコードステップと同様に第1〜第
mのスライスエンコードステップをスライスエンコード
を更新しながらRシーケンスを行い、次いでDシーケン
スを行い、2m個のエコー信号を計測する。この際、図
1(1)からもわかるようにRFパルスを極性が交互に
反転するように照射していった場合、第1の位相エンコ
ードステップと第2の位相エンコードステップとでRF
パルスの極性が同じ(+/+)になっている。この場合
に、同じ位相でデータを取込んだ場合には、直流オフセ
ット成分を消すことができない。このため、この第2の
位相エンコードステップにおいては、直交位相検波器1
6における信号の取込の際に位相πラジアンでデータの
取込を行う。このように取込の位相をπラジアンずらす
ことにより、直流オフセット成分はk空間の位相方向に
直流のまま取込まれ、データ部分は最高周波として取込
まれることになる。
【0037】以下、同様にして第3、第4〜第kまでの
位相エンコードステップを実行し、2×(m×k)組の
データセットを収集する。この際エコー信号の取込みは
奇数の位相エンコードステップでは0ラジアン、偶数の
位相エンコードステップではπラジアンとする。最終の
第k位相エンコードまでのデータの収集を完了すると、
CPU8において各三次元データに対し、リフェイズデ
ータとディフェイズデータ毎にスライス方向のフーリエ
変換を行い、対応するスライスごとにリフェイズデータ
とディフェイズデータの複素差分演算を行い、血流信号
のみの三次元データを作成する。この三次元データは、
図14に示す投影処理により、任意の二次元投影像に変
換される。
【0038】この場合、上述したようにRFパルスを毎
回極性を反転させて照射しているので常に同じ信号強度
の信号が得られ、また位相エンコードステップ毎に信号
の取込の位相を反転させるようにしているので直流オフ
セットの影響を排除することができ、画像中心に直流成
分によるアーチファクトがない画像を得ることができ
る。
【0039】次に本発明の第2の実施例として、PC法
によるシーケンスを説明する。図2はPC法による撮像
シーケンスの一実施例を示すタイミング線図であり、
(1)はその全体を、(2)は一部を拡大して示してい
る。このシーケンスも図1の示すPS法と同様に、1〜
kまでの位相エンコードステップから成り、各位相エン
コードステップには、パルスシーケンス群として、スラ
イスエンコード方向の1軸(以下、S軸という)につい
てのデータを取得するためのシーケンス(以下、S軸シ
ーケンスという)と位相エンコード方向の1軸(以下、
P軸という)についてのデータを取得するためのシーケ
ンス(以下、P軸シーケンス)と周波数エンコード方向
の1軸についてのデータを取得するためのシーケンス
(以下、F軸シーケンスという)とを含んでいる。これ
らS軸シーケンス、P軸シーケンス及びF軸シーケンス
は、それぞれ正極性のフローエンコードパルスを印加す
るシーケンスと負極性のフローエンコードパルスを印加
するシーケンスとが対をなしており、各パルスシーケン
ス群は更に1〜mまでのスライスエンコードステップか
らなる。
【0040】尚、同図(2)では傾斜磁場パターンとし
て簡略のためフローエンコードパルスのみを示している
が、各パルスシーケンス群における傾斜磁場パターンは
図3に示すようなPC法のパターンになっている。但
し、図3において各軸(S軸、P軸、F軸)シーケンス
において正極性のフローエンコードパルスと負極性のフ
ローエンコードパルスはそれぞれ1回ずつしか示されて
いないが、本発明においては、各軸について正極性のフ
ローエンコードパルスを印加するシーケンス及び負極性
のフローエンコードパルスを印加するシーケンスは、全
スライスエンコードステップを含み、それぞれスライス
エンコードを1ずつインクリメントしながらm回のスラ
イスエンコードステップ繰返される。この際、RFパル
スは毎回極性を反転させて照射される。
【0041】このようなシーケンス構成において、まず
第1の位相エンコードでS軸シーケンスの正極性のフロ
ーエンコードパルスを印加するシーケンス、負極性のフ
ローエンコードパルスを印加するシーケンス、P軸シー
ケンスの正極性のフローエンコードパルスを印加するシ
ーケンス、負極性のフローエンコードパルスを印加する
シーケンス、及びF軸シーケンスの正極性のフローエン
コードパルスを印加するシーケンス、負極性のフローエ
ンコードパルスを印加するシーケンスが順次実行され、
それぞれm個のエコー信号から成る6組のデータが得ら
れる。
【0042】第1の位相エンコードステップが終了する
と、順次位相エンコードを1インクリメントし、第2、
第3の位相エンコードステップを実行するのであるが、
この場合に奇数の位相エンコードステップでは、信号の
取込を0ラジアンで行い、偶数の位相エンコードステッ
プでは、信号の取込をπラジアンで行う。このように取
込の位相を、奇数の位相エンコードステップと偶数の位
相エンコードステップとでπラジアンずらすことによ
り、RFパルスは1回の照射ごとに極性を反転して照射
することによって隣接する位相エンコードステップにお
ける第1回のRFパルス照射の極性が同極性になった場
合でも、直流オフセット成分はk空間の位相方向に直流
のまま取込まれ、データ部分は最高周波として取込まれ
ることになる。
【0043】このように第kまでの位相エンコードステ
ップを実行し、6×(m×k)組のデータセットを収集
する。最終の第k位相エンコードまでのデータの収集を
完了すると、CPU8において各三次元データに対し、
各軸シーケンスの正極性及び負極性フローエンコードパ
ルス印加シーケンスのデータ毎にスライス方向のフーリ
エ変換を行い、対応するスライスごとに各軸について正
極性フローエンコードデータと負極性フローエンコード
ズデータの複素差分演算を行い、各軸について血流信号
のみのデータを作成する。各軸のデータをベクトル合成
することにより、三次元血管像を得ることができる。
【0044】図4はPC法による撮像シーケンスの別の
実施例を示すタイミング線図であり、(1)はその全体
を、(2)は一部を拡大して示している。このシーケン
スでは、1つの位相エンコードステップに含まれるパル
スシーケンス群として、リファレンスシーケンス、S軸
のデータを取得するためのシーケンス(S軸シーケン
ス)、P軸のデータを取得するためのシーケンス(P軸
シーケンス)及びF軸のデータを取得するためのシーケ
ンス(F軸シーケンス)から成る4つのパルスシーケン
ス群を持つ。
【0045】各パルスシーケンス群は、図5に示すよう
な傾斜磁場パターンを有し、リファレンスシーケンスは
S軸、P軸及びF軸の3軸について正極性のフローエン
コードパルスを付加したシーケンス、S軸シーケンスは
S軸にのみ負極性のフローエンコードパルスを付加し、
他の2軸には正極性のフローエンコードパルスを付加し
たシーケンス、P軸シーケンスはP軸にのみ負極性のフ
ローエンコードパルスを付加し、他の2軸には正極性の
フローエンコードパルスを付加したシーケンス、F軸シ
ーケンスは、F軸にのみ負極性のフローエンコードパル
スを付加し、他の2軸には正極性のフローエンコードパ
ルスを付加したシーケンスである。
【0046】尚、図5ではパルスシーケンス群の各シー
ケンスについて1回のステップしか示されていないが、
本発明においては各シーケンスは1〜mまでのスライス
エンコードステップを具備している。即ち、各シーケン
スは、それぞれスライスエンコードを1ずつインクリメ
ントしながらm回のスライスエンコードステップ繰返さ
れ、この際、RFパルスは毎回極性を反転させて照射さ
れる。
【0047】この実施例でも第1位相エンコードステッ
プから第k位相エンコードステップまで実行され、その
際の取込の位相を、奇数の位相エンコードステップと偶
数の位相エンコードステップとでπラジアンずらすよう
にする。このように第kまでの位相エンコードステップ
を実行し、4×(m×k)組のデータセットを収集す
る。最終の第k位相エンコードまでのデータの収集を完
了すると、CPU8において各三次元データに対し、各
シーケンスのデータ毎にスライス方向のフーリエ変換を
行い画像化(複素画像)する。この画像の任意位置のピ
クセル値は、次式に示すベクトル量(複素数)で与えら
れる。
【0048】
【数4】
【0049】ここで、Ar(→)(括弧内の矢印は、文
字の上に付されていることを示す)はリファレンスシー
ケンスにより得られた画像のピクセル値、As(→)、
p(→)及びAf(→)はそれぞれS軸、P軸及びF軸
のフローエンコードシーケンスにより得られた画像のピ
クセル値、S(→)はピクセル内の静止組織の信号成
分、Fs+、Fp+及びFf+はそれぞれ正極性のフローエン
コードパルスで位相シフトした各軸のフロー成分、
s-、Fp-及びFf-はそれぞれ負極性のフローエンコー
ドパルスで位相シフトした各軸のフロー成分である。従
って、式(4)と式(5)との複素差分を行うことによ
りS軸方向のみのフロー成分が抽出できる。同様に式
(4)と式(6)から、また式(4)と式(7)から、
P軸のみ及びF軸のみのフロー成分のみの抽出ができ
る。
【0050】このようにして複素差分によって得られた
各軸の画像データは、図6に示すようにベクトル合成す
ることにより、三次元についての血管像を得ることがで
きる。尚、図6ではP軸とF軸のみを示しているがS軸
のデータについても同様にベクトル合成される。この実
施例でも、RFパルスを毎回極性を反転させて照射して
いるので常に同じ信号強度の信号が得られ、また位相エ
ンコードステップ毎に信号の取込の位相を反転させるよ
うにしているので直流オフセットの影響を排除すること
ができ、画像中心に直流成分によるアーチファクトがな
い画像を得ることができる。
【0051】尚、以上説明した図2及び4に示すPC法
による血流描出シーケンスでは、パルスシーケンス群と
して三軸についてそれぞれフローエンコードパルスを印
加するパルスシーケンスを用いたが、一軸或いは二軸の
みでもよいことは言うまでもない。
【0052】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明のMRI装置によれば、傾斜磁場印加パターンの異
なる複数種(n個)のパルスシーケンス群を実行して、
n組の三次元データセットを取得し、これらデータセッ
ト間の演算により、被検体中の静止組織の信号を除去
し、血流信号のみの三次元データセットを抽出するよう
にした血流描出パルスシーケンスを実行するMRI装置
において、パルスシーケンスの繰返しループを内側から
順に1)スライスエンコード、2)シーケンス種、3)
位相エンコードとするとともに、隣接する位相エンコー
ドステップにおいてデータの取込の位相を反転させるこ
とにより、RFパルスの極性を交互に反転させて印加し
た場合に、定常状態とすることができ、常に同じ信号強
度の信号を得ることができ、しかも直流オフセットを除
去できるので、静止組織信号の残余や直流オフセットに
よるアーチファクトのない良好な差分像を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のMRI装置におけるPS法による血
流描出パルスシーケンスの1実施例を示す図。
【図2】 本発明のMRI装置におけるPC法による血
流描出パルスシーケンスの1実施例を示す図。
【図3】 PC法による傾斜磁場パターンの1実施例を
示す図。
【図4】 本発明のMRI装置におけるPC法による血
流描出パルスシーケンスの別な実施例を示す図。
【図5】 PC法による傾斜磁場パターンの他の実施例
を示す図。
【図6】 PC法による血管像作成の手順を示す図。
【図7】 本発明のMRI装置の全体構成図。
【図8】 傾斜磁場印加によるスピンの位相回転を説明
する図。
【図9】 PS法における標準的スピンエコー法による
ディフェイズシーケンスを示す図。
【図10】 PS法における標準的スピンエコー法によ
るリフェイズシーケンスを示す図。
【図11】 PS法による血管像作成の手順を示す図。
【図12】 PC法の原理を説明する図。
【図13】 従来のPS法のタイミング図。
【図14】 三次元データの投影処理による二次元投影
像の取得を説明する図。
【符号の説明】
1・・・・・・被検体(検査対象) 2・・・・・・静磁場発生回路(静磁場発生手段) 3・・・・・・傾斜磁場発生系(傾斜磁場発生手段) 6・・・・・・信号処理系(画像再構成手段) 7・・・・・・シーケンサ(制御手段) 8・・・・・・CPU(画像再構成手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の置かれた空間に静磁場を与える
    静磁場発生手段と、該被検体に傾斜磁場を与える傾斜磁
    場発生手段と、前記被検体の生体組織を構成する原子の
    原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波パルスを照射す
    る送信系と、前記高周波パルス及び傾斜磁場を所定のパ
    ルスシーケンスで繰り返し印加するために前記送信系及
    び前記傾斜磁場発生手段を制御するシーケンサと、前記
    核磁気共鳴により放出されるエコー信号を検出する受信
    系と、この受信系で検出したエコー信号を用いて画像再
    構成演算を行う信号処理系と、得られた画像を表示する
    表示手段とを備え、前記エコー信号の計測を繰り返し行
    って断層像を得る核磁気共鳴イメージング装置におい
    て、 前記シーケンサで起動されるパルスシーケンスは、 (a)傾斜磁場印加パターンの異なるn種(nは2以上
    の整数)のパルスシーケンス群で構成され、前記パルス
    シーケンス群の各々はスライスエンコードパルスを具備
    し、 (b) 先ず第1の位相エンコードステップにおいて、第
    1の傾斜磁場印加パターンを有するパルスシーケンスを
    スライスエンコードの全ステップについて実行し、 (c)同じ位相エンコードステップにおいて、第2の傾
    斜磁場印加パターンを有するパルスシーケンスをスライ
    スエンコードの全ステップについて実行し、 (d) 構成要素たるn個全てのパルスシーケンスについ
    て順次スライスエンコードの全ステップ分の実行を行
    い、(e) 同一の位相エンコードステップにおいてn個のパ
    ルスシーケンスの実行が終了した段階で、位相エンコー
    ドステップを1ステップインクリメントし、(f)(c)〜(e) を繰り返しながら、位相エンコー
    ドの全ステップについて実行すると共に、 (g) 少なくとも同一位相エンコードステップ内におい
    て高周波パルスの極性を交互に反転して照射し、 (h)n個の三次元データセットを取得するように構成
    された血流描出パルスシーケンスを備え、 前記信号処理系はn個の三次元計測データセット間の演
    算により、前記被検体中の静止組織の信号を除去し、血
    流信号のみの三次元データセットを抽出するように構成
    したことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 【請求項2】 前記受信系は、前記エコー信号からデー
    タを取込む際の位相を位相エンコードの奇数ステップと
    偶数ステップとで、πラジアンずらして行うことを特徴
    とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 【請求項3】 前記パルスシーケンス群は、正負一対の
    傾斜磁場パルスからなるフローエンコードパルスを備え
    たパルスシーケンス群から成り、直交座標系の任意の一
    軸方向に正極性のフローエンコードパルスを印加した第
    1のパルスシーケンス及び負極性のフローエンコードパ
    ルスを印加した第2のパルスシーケンスを一対とし、前
    記直交座標系の1軸ないし3軸についての前記パルスシ
    ーケンス対を含むことを特徴とする請求項1又は2記載
    の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 【請求項4】 前記パルスシーケンス群は、正負一対の
    傾斜磁場パルスからなるフローエンコードパルスを備え
    たパルスシーケンス群から成り、パルスシーケンスの各
    々は、 (i)直交座標系の三軸方向に正極性のフローエンコー
    ドパルスを印加した第1のパルスシーケンス、 (j)前記座標系の任意の一軸に負極性のフローエンコ
    ードパルスを印加し、残りの二軸に正極性のフローエン
    コードパルスを印加した第2のパルスシーケンス、 (k)前記第2のパルスシーケンスとは異なる一軸に負
    極性のフローエンコードパルスを印加し、残りの二軸に
    正極性のフローエンコードパルスを印加した第3のパル
    スシーケンス及び (l)前記第2及び第3のパルスシーケンスとは異なる
    一軸に負極性のフローエンコードパルスを印加し、残り
    の二軸に正極性のフローエンコードパルスを印加した第
    4のパルスシーケンスからなる4種のパルスシーケンス
    の内、第1のパルスシーケンスと第2ないし第4のパル
    スシーケンスの少なくとも1種以上のパルスシーケンス
    とから構成されることを特徴とする請求項1又は2記載
    の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 【請求項5】 前記パルスシーケンス群は、血流を構成
    する原子の原子核に位相の拡散が生じている状態でエコ
    ー信号を計測するディフェイズシーケンス及び前記エコ
    ー信号計測時において血流を構成する原子の原子核に位
    相の拡散を収束する傾斜磁場を印加するリフェイズシー
    ケンスの2種のパルスシーケンスで構成されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージン
    グ装置。
  6. 【請求項6】傾斜磁場印加パターンの異なる複数のシー
    ケンス種を含むパルスシーケンスを、位相エンコードお
    よびスライスエンコードをそれぞれ変化させながら繰り
    返し実行して、複数組の三次元データセットを取得し、
    これらデータセット間の演算により、被検体の画像を得
    る磁気共鳴イメージング装置において、前記パルスシー
    ケンスは、前記位相エンコードを順次変化させて繰り返
    し、この位相エンコードの変化の際の各位相エンコード
    では前記シーケンス種を順次変更させて繰り返し、この
    シーケンス種の変更の際の各シーケンス種では前記スラ
    イスエンコードを順次変化させて繰り返すと共に、少な
    くとも同一位相エンコードステップ内において高周波パ
    ルスの極性を交互に反転させて印加することを特徴とす
    る磁気共鳴イメージング装置。
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