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JP3430088B2 - 光送受信モジュール - Google Patents

光送受信モジュール

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JP3430088B2
JP3430088B2 JP32781099A JP32781099A JP3430088B2 JP 3430088 B2 JP3430088 B2 JP 3430088B2 JP 32781099 A JP32781099 A JP 32781099A JP 32781099 A JP32781099 A JP 32781099A JP 3430088 B2 JP3430088 B2 JP 3430088B2
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optical
lens
optical fiber
transceiver module
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健太郎 寺島
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Sharp Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共通の光ファイバ
を介して光送受信を行う二重通信方式の光送受信モジュ
ールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、家庭内における光通信におい
ては、プラスチック光ファイバケーブルが用いられてい
る。さらに、このプラスチック光ファイバの曲げ易さ、
取り回し易さ、低価格などの点から、実際にオーディオ
用のデジタル信号をプラスチック製の光ファイバケーブ
ルによって伝送することが、AV、PC等のネットワー
ク家電などの間で行われている。
【0003】家庭内では、部屋内の模様替え等により、
光ファイバケーブルの配線変更やそれに伴う光プラグの
脱着、ケーブル長の延長が頻繁に行われることが予想さ
れ、また、使用状況に応じて短距離・低速通信ならば光
空間伝送を用い、長距離・高速通信ならば光ファイバケ
ーブルを用いるなど、通信媒体をユーザーが切り替えて
使用することが予想される。したがって、これらのニー
ズに応えるべく、光送受信システムの開発が進められて
いる。
【0004】光送受信システムにおけるプロトコル(通
信方式)としては、大きく分けて全二重通信方式、半二
重通信方式と呼ばれる2種類の通信方式がある。前者は
送信と受信を同時に行うことができるが、後者は送信が
終わってからでないと受信を行うことができない。今
後、家庭内においても情報のリアルタイム伝送が主流に
なると考えられているため、前者の方式にて光送受信シ
ステムを構築することが望まれている。
【0005】このような光送受信システムを実現するた
めのモジュールの従来例として、図15に示されるよう
に、光分岐素子にフーコープリズムを用い、小型化・価
格化を図る光送受信モジュールが、特開平7-2484
29号公報に提案されている(以下、従来例1と称す
る)。
【0006】これによると、発光素子を出射した送信信
号光は、パッケージに取り付けられたカバーガラスを透
過し、フーコープリズムにて2分された後、集光レンズ
により集光され、片方のみがロッドレンズを介して光フ
ァイバへ結合される。一方、先端部にロッドレンズが配
置された光ファイバを出射した受信信号光は、集光レン
ズにより集光された後、前記フーコープリズムに入射し
2分され、カバーガラスを透過し、片方のみが受光素子
へと結合される。
【0007】また、別の従来例として、図16すよう
に、半二重通信方式により一本の光ファイバを用いて送
受信を行うモジュールが、特開平10-39181号公
報に提案されている。(以下、従来例2と称する)。
【0008】これによると、発光素子であるレーザーダ
イオード(LD)を出射した送信光は、受光素子上に設
けられたプリズム上に設けられた50%ビームスプリッ
タ(BS)膜によって半分が反射され、レンズによって
集光され、光ファイバへと結合される。一方、光ファイ
バを出射した受信信号光の半分は、BS膜を通過して受
光素子(PD)へと結合する。
【0009】また、別の従来例として、図17に示すよ
うに、共通の光ファイバを用いて全二重通信方式により
送受信を行うモジュールが、International POF confer
ence'99,pg.205-8に提案されている。(以下、従来例
3と称する)。
【0010】これによると、発光素子であるLDを出射
した送信光は、シリンドリカルレンズによって集光さ
れ、プリズム上に設けられた反射膜(99%)によって
反射されて収束状態のまま光ファイバの端面に結合され
る。一方、光ファイバを出射した受信信号光は、一部が
反射膜によりロスされるものの、大部分はフォトダイオ
ード(PD)へと結合される。この方式によれば、収束
状態で光ファイバに結合するので、原理的には端面での
フレネル光がPDに結合しないため、一本の光ファイバ
を用いて前述の全二重伝送も可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例1では、発光素子と受光素子の配置関係が図15に
示したようになっており、受光素子を受信信号光の集光
点から離して実装せざるを得ない。従って、広がった受
信信号光を検出するためは受光素子を大きくする必要が
あり、受光素子の静電容量が大きくなって高速通信が困
難である。
【0012】これは、集光光学系を光ファイバーとフー
コープリズムとの間に配置された単一の集光レンズで構
成していることや、例えば特開平7-248429号公
報の段落番号[0018]に記載されるようにフーコー
プリズムの頂角が2〜3°と小さいことなどが、上記の
ような配置の制限をもたらすと考えられる。
【0013】また、上記従来例2では、1本のファイバ
を用いて半二重通信方式により送受信を行える点で有利
であるが、プリズム上に設けたBS膜によって光の分岐
を行っているため、必然的に送信、受信時にそれぞれ光
量が半分になってしまい、光信号の長距離伝送には不向
きである。
【0014】また、上記従来例3では、1本のファイバ
を用いて送受信を行える点、送信時に光量の損失が少な
い点、送信光と受信光をぼぼ完全に分離できるために全
二重光学系が実現できる点などでメリットがある。しか
しながら、プリズム上にBS膜を設け、更にその上にシ
リンドリカルレンズを設けるなど、分岐素子作製の段階
で工数が掛かり、結果的に生産コストも増大してしま
う。また、受信光に対してレンズを通さないため受光素
子を大きく作る必要があり、受光素子の静電容量が大き
くなることになり高速通信には不向きである。
【0015】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであって、共通の光ファイバを介して
光送受信を行う全二重通信方式に適用できる高性能な光
送受信モジュールを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、発光素子と受光素子を備え、共通の光
ファイバを介して光送受信を行う二重通信方式の光送受
信モジュールにおいて、光ファイバ端面に直接対向する
フーコープリズムを備え、 前記フーコープリズムと前記
発光素子、受光素子との間にそれぞれレンズを含む送信
用光学系、受信用光学系が設けられ、 前記フーコープリ
ズムは、前記発光素子より前記送信用光学系のレンズを
介して取り出された送信光を屈折させて前記光ファイバ
端面に結合させる第1の傾斜面と、前記光ファイバ端面
から出射された受信光の少なくとも一部を屈折させて
記受信用光学系のレンズを介して前記受光素子に結合さ
せる第2の傾斜面とを備え、前記フーコープリズムの頂
角は15deg以上75deg以下である構成としてい
る。なお、光ファイバ端面とフーコープリズムとは「直
接」対向しているので、光ファイバ端面とフーコープリ
ズムとの間にはレンズが介在しない。
【0017】本発明によれば、上記のような構成として
いるので、発光素子より送信用光学系のレンズを介して
取り出された送信光をフーコープリズムの第1の傾斜面
だけでのみ屈折させることにより、原理的にフーコープ
リズム部分での光の損失を生じず、送信光を効率良く
ファイバ端面に結合させることができる。また、光ファ
イバ端面に結合させる際にフレネル反射によって生じる
戻り光についても、主光線をはじめ、大部分の光線がフ
ーコープリズムの元の傾斜面(第1の傾斜面)に戻るの
で、受光素子に結合する送信光を低減することができ
る。したがって、送信と受信を同時に行う全二重通信方
式に用いられる光送受信モジュールにおいて、高効率な
光通信を実現できる。
【0018】さらに、本発明では、上記の光送受信モジ
ュールにおいて、前記発光素子又は受光素子の少なくと
も一方が樹脂封止され、該封止樹脂により発光面又は受
光面と前記フーコープリズムの対応する前記傾斜面とを
結ぶ直線上に前記送信用光学系又は受信用光学系のレン
ズが形成される構成とする。
【0019】本発明によれば、上記のような構成として
いるので、例えば発光素子又は受光素子を樹脂モールド
しその際にレンズをフーコープリズムの斜面方向に付け
ることによって、送信効率又は受信効率を向上させるこ
とができる。また、発光素子の周りを樹脂で封止すれ
ば、樹脂-空気界面における臨界角が増加するので、光
の取り出し効率も向上させることができる。
【0020】さらに、本発明では、上記の光送受信モジ
ュールにおいて、前記発光素子及び受光素子が同一基板
上に実装される構成とする。
【0021】本発明によれば、上記のような構成として
いるので、発光素子及び受光素子を例えばフーコープリ
ズムに対して略平行な平面に配置される同一基板上に配
置することによって、それぞれの素子の実装が簡略化で
き、工数の削減、作業時間の短縮化が可能となり、また
モジュール本体に対する基板の配置を容易にすることが
できる。
【0022】さらに、本発明では、前記発光素子及び受
光素子が樹脂封止され、該封止樹脂により発光面及び受
光面と前記フーコープリズムの対応する前記傾斜面とを
結ぶ直線上に前記送信用光学系及び受信用光学系のレン
ズが形成される構成とする。
【0023】本発明によれば、上記のような構成として
いるので、例えば発光素子及び受光素子を樹脂モールド
しその際にレンズをフーコープリズムの傾斜面方向に付
けることによって、送信効率及び受信効率を向上させる
ことができる。また、発光素子の周りを樹脂で封止する
ので、樹脂-空気界面における臨界角が増加するので、
光の取り出し効率も向上させることができる。
【0024】また、本発明では、上記の光送受信モジュ
ールにおいて、前記フーコープリズムと前記発光素子及
び受光素子との間に、送受信共用の集光用レンズが設け
られる構成としている。
【0025】本発明によれば、上記のような構成として
いるので、送信時においては、発光素子からの光をレン
ズ等の送信用光学系で収束光にする必要が無くなり、送
信用光学系からの光が拡散光であっても集光用レンズに
よって収束光に変換することができる。そのため、送信
部分と光ファイバとの相対的な位置ずれに対して強い構
造になる。また、受信時においては、光ファイバ端から
出射された光が光ファイバのNA値(開口数)によって
規定される角度で拡散するため、フーコープリズムによ
って屈折された光はそのままでは拡散してしまうが、拡
散する前に集光用レンズにて予め平行化させて、その
後、レンズ等の受光用光学系によって受光素子に結合さ
せることで、受信時の効率を飛躍的に向上させることが
できる。
【0026】さらに、本発明では、上記の送受信モジュ
ールにおいて、前記フーコープリズムと前記集光用レン
ズとが一体に形成されて成る構成としている。
【0027】本発明によれば、上記のような構成として
いるので、フーコープリズムと集光用レンズを例えば射
出成型の際に一体化成型することにより、部品点数を削
減でき、工数の削減、作業時間の短縮化によって、モジ
ュール作製のためのコストを削減することが可能とな
る。
【0028】また、本発明では、上記の光送受信モジュ
ールにおいて、送信部と受信部との間に仕切り部材が設
けられる構成としている。
【0029】本発明によれば、上記のような構成として
いるので、送信部分と受信部分との間に例えば光ファイ
バの端面に接する高さの仕切り板を配置することによ
り、送信光が直接受光素子に結合するのを抑制すること
ができ、高品質の全二重通信方式を実現することが可能
となる。
【0030】さらに、本発明では、上記の光送受信モジ
ュールにおいて、前記仕切り部材が光ファイバ端面に当
接すると光ファイバの略主軸方向に可動である構成とし
ている。
【0031】本発明によれば、上記のような構成として
いるので、例えば仕切り部材である仕切り板に対して光
ファイバ端面に接触した場合にその奥行き方向に移動可
能とするバネ等からなる治具を設けることによって、仕
切り板が光ファイバ端に当たっても光ファイバ端面に対
して送受信効率を劣化させる傷の発生を防ぐことができ
る。
【0032】さらに、本発明では、上記の光送受信モジ
ュールにおいて、前記仕切り部材が光反射性を示す構成
としている。
【0033】本発明によれば、上記のような構成として
いるので、例えば仕切り部材として送受信を行う光に対
して80%以上などの十分に高い反射率を持つ遮光板を
使用することにより、受光時において仕切り部材によっ
て吸収される光についても受信光として有効に利用する
ことが可能となる。
【0034】また、本発明では、上記の光送受信モジュ
ールにおいて、前記光ファイバ端面と対向する前記仕切
り部材の端面が光吸収性を示す構成としている。
【0035】本発明によれば、上記のような構成として
いるので、例えば仕切り部材として送受信を行う光に対
して80%以上などの十分に高い吸収率を端面に持つ遮
光板を使用することにより、通信相手方のモジュールか
らの戻り光を削減することが可能になる。
【0036】また、本発明では、上記の光送受信モジュ
ールにおいて、前記発光素子の封止樹脂により形成され
たレンズ又は前記集光用レンズの少なくとも一方の曲率
が、光ファイバのNA値(開口数)以下の収束光を光フ
ァイバ端面に入射させるように設定される構成としてい
る。
【0037】本発明によれば、上記のような構成として
いるので、光ファイバのNA値以下の収束光となる角度
で送信光を光ファイバ端面に入射させることにより、さ
らに発光素子からの送信光の利用効率を向上させること
ができる。また、一実施形態では、前記仕切り部材が厚
みの薄いリン青銅板又はアルミニウム板からなることを
特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0039】[参考例] 本発明に対して参考例となる光送受信モジュールの概略
構成を、図1の要部側面断面図に示す。
【0040】この光送受信モジュールは、ファイバプラ
グ1内の光ファイバ2を共通として1本の光ファイバ2
で光送受信を行う全二重通信方式の光送受信モジュール
であり、発光素子であるレーザダイオード(LD)3よ
り取り出された送信光を屈折させて光ファイバ2の端面
に対して略垂直に結合させる第1の傾斜面4aと、光フ
ァイバ2から出射された受信光のほぼ半分を屈折させて
受光素子である受信用受信用フォトダイオード(PD)
5に結合させる第2の傾斜面4bとを備えたフーコープ
リズム4が設けられるものである。
【0041】さらに、本参考例では、受信用PD5がモ
ールド樹脂6により封止されており、モールド樹脂6に
よって受信用光学系レンズであるレンズ部6bが形成さ
れている。さらに、LD3はそのモニタ用フォトダイオ
ード(PD)8と共にサブマウント7上に搭載されてお
り、受信用PD5及びサブマウント7はフーコープリズ
ム4に対して略平行な平面に配置される同一基板9上に
実装されている。
【0042】また、本参考例では、光ファイバ2とフー
コープリズム4との間にレンズが介在されず、受信光は
光ファイバ2端面から直接フーコープリズム4の傾斜面
4bに達し、送信光はフーコープリズム4の傾斜面4a
から直接光ファイバ2端面に到達するものである。
【0043】なお、本参考例においては、送信用光学系
を別途設けていないが、これは発光素子としてLD3を
用いるからである。すなわち、LDは出射光がLEDの
ように広がることがないので、別途送信用光学系を設け
る必要がなく、言い換えればLD自体が送信用光学系の
機能を兼ねていることになる。
【0044】フーコープリズム4は射出成型法などによ
って成形することができるが、その材料としては耐候性
に優れたものを選定することが望ましい。その例として
は、日本合成ゴム社製のARTON-FX、日本ゼオン社製のZE
ONEXなどが挙げられる。なお、加工時の成形性の観点か
ら、金型作成の際には、フーコープリズム4の周りに適
度なテーパ角を付けておくことが望ましい。
【0045】また、受信用PD5はトランスファモール
ド方式等によりモールド樹脂6にて樹脂封止されるが、
それに用いられる樹脂材料としては、フーコープリズム
4と同様に耐候性の良いものが適しており、エポキシ系
の材料、例えば日立化成工業社製のCEL-T-2000などが挙
げられる。この際、封止する樹脂を用いて受信用PD5
に対して斜め方向に球面もしくは非球面のレンズ部6b
を設けることによって、受信時における光ファイバ2か
ら受信用PD5への結合効率を大幅に改善することがで
きる。また、加工時の成形性の観点から、金型作成の際
には、モールド樹脂6の周りに適度なテーパ角を付けて
おくことが望ましい。
【0046】本参考例によれば、LD3からの送信光
は、フーコープリズム4の傾斜面4aによって屈折され
た後に、光ファイバ2へと結合される。そして、光ファ
イバ2からの受信光は、そのほぼ半分がフーコープリズ
ム4で屈折された後に、モールド樹脂6のレンズ部6b
を介して受信用PD5へと結合される。このように、発
光素子であるLD3及び受光素子である受信用PD5と
光ファイバ2との間に、フーコープリズム4を入れるこ
とで、一本の光ファイバ2を用いて送信、受信即ち全二
重通信を行うことが可能となる。
【0047】[第1実施形態] 本発明の第1実施形態の光送受信モジュールの概略構成
を、図2の要部側面断面図に示す。
【0048】第1実施形態の光送受信モジュールにおい
て、図1の参考例のものと異なる点は、発光素子として
発光ダイオード(LED)3’を用い、さらにLED
3’及び受信用PDを共通のモールド樹脂6で封止し、
そのモールド樹脂6に送信用光学系レンズであるレンズ
部6aを形成した点である。その他については、図1の
参考例と同様のものである。
【0049】なお、LED3’はサブマウント7’に搭
載され、受信用PD5及びサブマウント7’はフーコー
プリズム4に対して略平行な平面に配置される同一基板
9上に実装されている。
【0050】LED3’及び受信用PD5はトランスフ
ァモールド方式等によりモールド樹脂6にて樹脂封止さ
れるが、それに用いられる樹脂材料としては、フーコー
プリズム4と同様に耐候性の良いものが適しており、エ
ポキシ材料、例えば日立化成工業のCEL-T-2000などが挙
げられる。この際、封止する樹脂によってLED3’及
び受信用PD5に対して斜め方向に球面もしくは非球面
のレンズ部6a,6bを設けることによって、送信時に
おける光ファイバ2への結合効率ならびに受信時におけ
る光ファイバ2から受信用PD5への結合効率を大幅に
改善することができる。また、加工時の成形性の観点か
ら、金型作成の際には、モールド樹脂6の周りに適度な
テーパ角を付けておくことが望ましい。
【0051】本実施形態によれば、LED3’からの送
信光は、レンズ部6aを介してフーコープリズム4の傾
斜面4aによって屈折された後に、光ファイバ2へと結
合される。そして、光ファイバ2からの受信光は、その
ほぼ半分がフーコープリズム4も傾斜面4bで屈折され
た後に、モールド樹脂6のレンズ部6bを介して受信用
PD5へと結合される。このように、発光素子であるL
ED3及び受光素子である受信用PD5と光ファイバ2
との間に、フーコープリズム4を入れることで、一本の
光ファイバ2を用いて送信、受信即ち全二重通信を行う
ことが可能となる。
【0052】なお、本実施形態では、発光素子としてL
EDを用いている。LEDは、LDに比べて比較的指向
性が低く空間的に比較的広い角度に渡る放射特性を有す
るので、LEDの主光線に対して斜め方向にレンズ部6
aを設けた場合でも、LEDからの放射光を有効に利用
することが可能となる。
【0053】すなわち、本実施形態によれば、発光素子
として空間的な拡がりが大きい光源であるLEDを用い
ているので、LDを用いたものと比較して低コスト化が
図れるばかりでなく、発光素子の主光線以外の光線をフ
ーコープリズム4の傾斜面4aに効果的に結合させ、送
信効率を向上させることができる。また、発光素子であ
るLED3’をフーコープリズム4の傾斜面4a方向に
向ける必要がないため、チップ実装を容易にして量産価
格を削減することが可能となる。これらのことは、後述
のLEDを用いた実施形態においても同様である。
【0054】[第2実施形態] 本発明の第2実施形態の光送受信モジュールの概略構成
を、図3の要部側面断面図に示す。
【0055】第2実施形態の光送受信モジュールにおい
て、上記第1実施形態のものと異なる点は、LED3’
をサブマウントを用いず、受信用PD5と共に基板9に
実装する点である。その他については、上記第1実施形
と同様のものである。
【0056】すなわち、本実施形態では、LED3’と
受信用PDを同一基板9上に実装し、その上にモールド
樹脂6によりレンズ部6a,6bを設けたものである。
【0057】本実施形態によれば、基板9としてプリン
ト基板やリードフレームなどが用いられ、LED3’及
び受信用PD5を同一基板9上に実装することで、量産
時のダイボンド、ワイヤボンド等の実装作業が容易にな
る。また、部品点数の削減が可能となり、LED3’,
受信用PD5を別々に配置しなくて良いのでこれらの位
置精度も出しやすくなると期待される。
【0058】[第3実施形態] 本発明の第3実施形態の光送受信モジュールの概略構成
を、図4の要部側面断面図に示す。
【0059】第3実施形態の光送受信モジュールにおい
て、上記第2実施形態のものと異なる点は、フーコープ
リズム4のLED3’及び受信用PD5側に集光用レン
ズ10を配置した点と、モールド樹脂6の形状が異なる
点である。その他については、上記第2実施形態と同様
のものである。
【0060】すなわち、本実施形態では、集光用レンズ
10を設けると共に、フーコープリズム4の傾斜面4
a,4bの境界位置にほぼ対応する位置で、モールド樹
脂6に段差部を設け、モールド樹脂6の受信部を送信部
よりも集光用レンズ10側に近いような形状としてい
る。このような段差構造にすれば、より送受信効率が向
上する。
【0061】なお、集光レンズ4は球面、非球面のどち
らでも良く、又レンズ面はLED3’及び受信用PD5
側とフーコープリズム4側のどちらの面を向いていても
よい。
【0062】本実施形態によれば、受信時においては、
光ファイバ2からの受信光が拡散することなく受光素子
である受信用PD5に結合させることが可能となる。そ
して、送信時においては、モールド樹脂6に設けられた
レンズ部6aだけで光ファイバ2に結合させる必要がな
くなるため、レンズ部6aの曲率半径を大きくして光の
取りだし効率を向上させることが可能となる。
【0063】[第4実施形態] 本発明の第4実施形態の光送受信モジュールの概略構成
を、図5の要部側面断面図に示す。
【0064】第4実施形態の光送受信モジュールにおい
て、上記第3実施形態のものと異なる点は、フーコープ
リズムと集光用レンズを一体化してレンズ付きフーコー
プリズム4’とした点である。その他については、上記
第3実施形態と同様のものである。
【0065】すなわち、本実施形態では、図1の参考例
で説明したような樹脂材料を用いて、射出成型等により
フーコープリズムと集光用レンズを一体化成型し、上記
実施形態の傾斜面4a,4bと同様の傾斜面4’a,
4’b、及び上記第3実施形態の集光用レンズ4と同様
の機能を有するレンズ部4’cを備えたレンズ付きフー
コープリズム4’とするものである。そして、そのレン
ズ付きフーコープリズム4’を、上記第3実施形態のフ
ーコープリズム4と集光用レンズ10に代えて、モジュ
ール内に配置したものである。
【0066】本実施形態によれば、部品点数を削減する
ことができるので、部品実装を簡易化することが可能と
なる。さらに、集光用レンズとフーコープリズムが別部
品の時に界面で生じてしまうフレネル反射光も防ぐこと
もでき、高効率の送受信が可能となる。
【0067】[第5実施形態] 本発明の第5実施形態の光送受信モジュールの概略構成
を、図6,7の要部側面断面図に示す。
【0068】第5実施形態は、上記第4実施形態におい
て、モールド樹脂6のレンズ部6a、レンズ付きフーコ
ープリズム4’のレンズ部4’cの曲率について、光フ
ァイバ2のNA値(開口数)以下の収束光を光ファイバ
2端面に入射させるように設定するものである。
【0069】図6(a)に示すように、光ファイバ2の
端面に入射する光が拡散光であるときは、端面で発生す
るフレネル反射光が拡散光の状態で反射することにな
り、その一部が受光素子である受信用PD5に結合して
しまうために、全二重通信方式を行うことが難しい。一
方、図6(b)に示すように、光ファイバ2の端面に入
射する光が収束光であるときは、端面で発生するフレネ
ル反射光が元の光路を戻ることになる。
【0070】そこで、これらを考慮して、モールド樹脂
6のレンズ部6a、レンズ付きフーコープリズム4’の
レンズ部4’cの曲率を設定した一例を、図7に示す。
【0071】すなわち、図7に示すものでは、レンズ付
きフーコープリズム4’の光ファイバ2側面からLED
3’及び受信用PD5の実装面までの距離を3.00mm、レ
ンズ付きフーコープリズム4’の傾斜面4’a,4’b
形成箇所の深さを1.00mm、モールド樹脂6の受信部厚さ
を0.98mm、モールド樹脂6の送信部厚さを0.60mm、レン
ズ付きフーコープリズム4’の傾斜面4’a,4’b境
界位置からLED3’実装中心位置までの距離を1.25m
m、レンズ付きフーコープリズム4’の傾斜面4’a,
4’b境界位置から受信用PD5実装中心位置までの距
離を1.37mm、レンズ付きフーコープリズム4’の傾斜面
4’a,4’b境界位置からレンズ部6a中心位置まで
の距離を1.05mm、レンズ付きフーコープリズム4’の傾
斜面4’a,4’b境界位置からレンズ部6b中心位置
までの距離を1.11mmとしたとき、レンズ付きフーコープ
リズム4’のレンズ部4’cの曲率半径を1.40mm、モー
ルド樹脂6のレンズ部6aの曲率半径を0.83mm、モール
ド樹脂6のレンズ部6bの曲率半径を0.70mmとしたもの
である。
【0072】なお、上記において、レンズ付きフーコー
プリズム4’の傾斜面4’a,4’b境界位置は、光フ
ァイバ2中心位置と一致させたものである。
【0073】図7に示したものについての光学シミレー
ションの結果によると、この光学系での送信効率は1
4.5%、受信効率は34.5%、戻り光は0.365
%となった。これによれば、本出願による特願平11−
201047号のプリズムアレイを用いたものと比較し
て、戻り光は約1/3と大幅に低減できる。
【0074】次に、レンズ付きフーコープリズム4’の
曲率について説明する。
【0075】光ファイバ2に入射させるための最終的な
曲率は、レンズ付きフーコープリズム4’のレンズ部4
c’の曲率によって決まることになる。そこで、ここで
は、レンズ付きフーコープリズム4’によりコリメート
された光が光ファイバ2端面に入射されるときの、レン
ズ付きフーコープリズム4’のレンズ部4c’の曲率に
ついて考える。
【0076】光ファイバに入射された光を光ファイバー
内で伝播されるのに、光ファイバのNA値(開口数)と
コリメート用レンズの焦点距離Fとの間で、NA=0.
5/F…(1)との関係式が知られている。
【0077】また、平凸レンズにおいて、その焦点距離
Fとその球レンズ曲率半径Rとの関係は、F=2R…
(2)となる。
【0078】これら(1)式,(2)式からR=0.2
5/NAとなり、通常使用される光ファイバ(プラステ
ィック製)のNA値が0.3以下であるから、Rは0.
84mm以上であれば充分な特性を得ることができる。
【0079】したがって、レンズ付きフーコープリズム
4’のレンズ部4c’の曲率半径Rは、0.84mm以
上が好ましい。
【0080】また、モールド樹脂6のレンズ部6aから
拡散光を取り出し、レンズ付きフーコープリズム4’で
コリメートする場合について、光線追跡シミレーション
を行った結果、レンズ付きフーコープリズム4’のレン
ズ部4’cの曲率半径Rは、1.45mm以下で収束光
を得ることができることがわかった。
【0081】以上のことから、レンズ付きフーコープリ
ズム4’のレンズ部4’cの曲率半径Rは、0.84m
m以上1.45mm以下(0.84mm≦R≦1.45
mm)が好ましい。
【0082】なお、ここで説明したレンズ付きフーコー
プリズム4’の曲率は、上記第3実施形態のようにフー
コープリズム4と一体化されていない集光レンズ10に
ついても、同様である。
【0083】本実施形態によれば、送受信効率を損なう
ことなく、戻り光が受光素子の方向に結合するのを防ぐ
ことができる。
【0084】[第6実施形態] 本発明の第6実施形態の光送受信モジュールの概略構成
を、図8の要部側面断面図に示す。
【0085】第6実施形態の光送受信モジュールにおい
て、上記第4実施形態のものと異なる点は、送信部と受
信部との間に仕切り部材である仕切り板11を配置した
点である。その他については、上記第4実施形態と同様
のものである。
【0086】本実施形態の仕切り板11は、基板9から
光ファイバ2の端面にほぼ接する位置まで配置されてお
り、例えば50μm厚のリン青銅のような薄く強度のあ
るものが好ましい。
【0087】本実施形態によれば、このような仕切り板
11を設けることによって、送信光が受光素子である受
信用PD5の方向に照射されるのを防ぎ、受信光のS/
N比を向上させることが可能になる。
【0088】[第7実施形態] 本発明の第7実施形態の光送受信モジュールの概略構成
を、図9の要部側面断面図に示す。
【0089】第7実施形態の光送受信モジュールにおい
て、上記第6実施形態のものと異なる点は、仕切り板1
1を光ファイバ2端面に当接すると光ファイバ2の略主
軸方向に可動とした点である。その他については、上記
第6実施形態と同様のものである。
【0090】すなわち、本実施形態では、仕切り板11
に対して光ファイバ2端面が接触の際に、奥行き方向に
移動可能としている。
【0091】そのような仕切り板11は、例えば図10
の要部平面図に示すように、50μm厚リン青銅板にハ
ーフエッチングを行い、その後、切り込み線11aにて
切り込むと共に、折り曲げ戦11bにて折り曲げること
により、バネ状の仕切り板(弾性を有する仕切り板)1
1を作製することができる。そして、このバネ状仕切り
板(弾性仕切り板)11は、図10に示すようなネジ止
め用穴11cにより、図9に示すように基板9側からネ
ジ止めして固定することができる。
【0092】本実施形態によれば、ファイバープラグの
挿抜によって光ファイバ2端が仕切り板11に当たって
も、送受信効率を劣化させるような傷の発生を防ぐこと
ができる。
【0093】[第8実施形態] 本発明の第8実施形態の光送受信モジュールの概略構成
を、図11の要部側面断面図に示す。
【0094】第8実施形態の光送受信モジュールにおい
て、上記第6実施形態のものと異なる点は、仕切り板1
1に光反射性を持たせた点である。その他については、
上記第6実施形態と同様のものである。
【0095】前述したように、仕切り板11を設けるこ
とで、モールド樹脂6内を通して内乱光として受光素子
である受信用PD5に結合していた光線を大幅に削減
し、送信光が受信用PD5の方向に照射されるのを防ぐ
ことができ、これによって受信光のS/Nを向上させる
ことが可能になる。
【0096】さらに、仕切り板11表面の反射率を高く
することで、図11に示すように、仕切り板11表面の
吸収率が高い場合に受信時に吸収されてしまった成分に
ついても、反射率の高い仕切り板11を用いることによ
って受信光として有効に活用することができる。
【0097】なお、仕切り板11の光反射性を持たせる
には、仕切り板11の材料としてアルミニウムなどの予
め反射率の高い材料を用いることや、液層法(金メッキ
など),気相法(真空蒸着法、スパッタ法など)により
仕切り板11側面の表面に金属などの反射率の高い薄膜
をコートする等が挙げられる。
【0098】図12に、仕切り板11表面の反射率を変
化させていった時の受信効率のシミレーション結果を示
す。図12から、仕切り板11表面の反射率が増加する
に従って、受信効率も増加することがわかる。例えば、
仕切り板11表面を全面黒塗装(反射率が約0%)した
時と、アルミ蒸着した場合(反射率が約90%)とで
は、受信効率で0.7db程度の違いが生じる。
【0099】以上のとおり、本実施形態によれば、仕切
り板11表面の吸収率が高い場合に受信時に吸収されて
しまった成分についても、反射率の高い仕切り板11を
用いることによって受信光として有効に活用することが
できる。また、これは、送信光と受信光が同一波長帯で
あるときに、特に有効である。
【0100】[第9実施形態] 本発明の第9実施形態の光送受信モジュールについて、
図13の要部側面断面図を用いて説明する。なお、図1
3において、(a)は(b)の領域Aの部分拡大図であ
る。
【0101】第9実施形態の光送受信モジュールにおい
て、上記第6実施形態のものと異なる点は、光ファイバ
2端面と対向する仕切り部材11の端面に光吸収性を持
たせた点である。その他については、上記第6実施形態
と同様のものである。
【0102】図13に示すように、自分側モジュールと
相手側モジュールとで光通信を行うとき、仕切り板11
の端面が反射率の高い平滑な平面である場合、相手方モ
ジュールまで達した送信光の一部12は、相手方モジュ
ールの仕切り板11端面に反射して再び自分のモジュー
ルに戻ってしまう。そのために、自らの内乱光、フレネ
ル戻り光による近端反射を取り除いても相手方モジュー
ルからの戻り光が大きいために、受光素子でのS/N比
を向上させることができない。
【0103】そこで、本実施形態では、仕切り板11の
端面に対して黒色塗料を塗布するなどして、仕切り板1
1の端面の吸収率を増加させることにより、相手方モジ
ュールでの遠端反射を抑制することを可能としている。
【0104】[第10実施形態] 上記実施形態では、いずれも、フーコープリズム4,レ
ンズ付きフーコープリズム4’の頂角をほぼ60deg
とし、フーコープリズム4,レンズ付きフーコープリズ
ム4’の第1の傾斜面4a,4’aの傾斜角度とその第
2の傾斜面4b,4’bの傾斜角度とをほぼ等しくした
図にて説明した。
【0105】ここでは、第10実施形態として、フーコ
ープリズム4,レンズ付きフーコープリズム4’の傾斜
面4a,4’a,4b,4’bの傾斜角度、およびフー
コープリズム4,レンズ付きフーコープリズム4’の頂
角について説明する。
【0106】まず、フーコープリズム4,レンズ付きフ
ーコープリズム4’の傾斜面4a,4’a,4b,4’
bの傾斜角度については、例えば図14に示すように非
対称なものでも良い。
【0107】つまり、図14の要部断面図に示すよう
に、(a)のような光学配置として送信部有利即ち送信
部での効率向上のために傾斜面4’aを傾斜面4’bよ
り光ケーブル2端面に平行に近づけたり、(b)のよう
な光学配置として受信部有利即ち受信部での効率向上の
ために傾斜面4’bを傾斜面4’aより光ケーブル2端
面に平行に近づけたりするなど、任意に設定することが
できるものである。
【0108】なお、上記実施形態では、LED3’と受
信用PD5との間にチップコンデンサ等の別の部品を実
装することを想定して、第1の傾斜面4a,4’aの傾
斜角度とその第2の傾斜面4b,4’bの傾斜角度とを
ほぼ等しくしたものである。
【0109】また、フーコープリズム4,レンズ付きフ
ーコープリズム4’の頂角については、送信光、受信光
ともにチップ(LED3’,受信用PD5)真上にモー
ルド樹脂6のレンズ部6a,6bを設けて、その頂角を
小さく設定したほうが、送信・受信効率向上の点から有
利であると考えられる。ところが、全二重通信方式を実
現するためには、送信側と受信側の間に仕切り部材(仕
切り板11)を入れて、遮光するのが望ましいため、レ
ンズ部6a,6bの配置、並びにチップ実装の点から、
中間寄りにLEDチップを設けることはできない。この
点から、フーコープリズム4,レンズ付きフーコープリ
ズム4’の頂角は、15deg以上に設定するのが好ま
しい。
【0110】そして、フーコープリズム4,レンズ付き
フーコープリズム4’の頂角を高角にすると、モールド
樹脂6のレンズ部6aからの斜め方向の送信光を利用す
る必要があるため、送信光として利用できる光量が減少
することになる。
【0111】そこで、これについて所定の条件でシミレ
ーションを行ったところ、上記実施形態のように頂角6
0degとすると、この際の送信効率は垂直光を利用し
た場合に比べて0.8dBの減少となる。
【0112】更にフーコープリズム4,レンズ付きフー
コープリズム4’の頂角を増加させると、送信効率はよ
り減少し、その頂角が75degにした場合、垂直光を
利用した場合に比べて1.5dBの減少となる。
【0113】同様の条件で充分な特性を得るためには、
送信効率の減少が垂直光を利用した場合に比べて1.8
dBの減少程度まで許容であるので、このような特性の
点から、フーコープリズム4,レンズ付きフーコープリ
ズム4’の頂角は75deg以下が好ましい。
【0114】以上のことから、フーコープリズム4,レ
ンズ付きフーコープリズム4’の頂角θは、15deg
以上75deg以下(15deg≦θ≦75deg)が
好ましい。
【0115】なお、上記実施形態は、適宜組み合わせて
実施できるものであり、また半二重通信方式にも適用可
能なものである。
【0116】
【発明の効果】以上のように、本発明の光送受信モジュ
ールによれば、送信用光学系を介して発光素子より取り
出された送信光を屈折させて光ファイバの端面に対して
略垂直に結合させる第1の傾斜面と、光ファイバから出
射された受信光の少なくとも一部を屈折させて受信用光
学系を介して受光素子に結合させる第2の傾斜面とを備
えたフーコープリズムが設けられるので、このようなフ
ーコープリズムを分岐素子として用いることによって、
光送受信モジュールの奥行き方向のサイズを削減するこ
とができる。また、送信時においては送信光をフーコー
プリズムの第1の傾斜面のみで屈折させることから、送
信光の光ファイバへの結合効率を大幅に改善することが
できる。
【0117】さらに、本発明の光送受信モジュールによ
れば、前記発光素子又は受光素子の少なくとも一方が樹
脂封止され、該封止樹脂により発光面又は受光面と前記
フーコープリズムの対応する前記傾斜面とを結ぶ直線上
に前記送信用光学系又は受信用光学系のレンズが形成さ
れるので、発光面,受光面とフーコプリズムの傾斜面を
結ぶ直線上に送信用レンズ,受信用レンズを設けること
によって、送信効率,受信効率を増加させることができ
る。そして、発光素子を樹脂封止すると、送信光の取り
だし効率を向上させることができる。
【0118】また、本発明の光送受信モジュールによれ
ば、前記発光素子及び受光素子が同一基板上に実装され
るので、発光素子及び受光素子のチップ実装に掛かるタ
クトを短時間で行うことが可能となるため、量産価格を
削減することが可能となる。
【0119】さらに、本発明の光送受信モジュールによ
れば、同一基板上に実装された発光素子及び受光素子が
樹脂封止され、該封止樹脂により発光面及び受光面と前
記フーコープリズムの対応する前記傾斜面とを結ぶ直線
上に前記送信用光学系及び受信用光学系のレンズが形成
されるので、発光面及び受光面とフーコプリズムの傾斜
面を結ぶ直線上に送信用レンズ及び受信用レンズを設け
ることによって、送信効率及び受信効率を増加させるこ
とができる共に、発光素子を樹脂封止することにより、
送信光の取りだし効率を向上させることができる。
【0120】また、本発明の光送受信モジュールによれ
ば、前記フーコープリズムと前記発光素子及び受光素子
との間に、送受信共用の集光用レンズが設けられるの
で、送信光及び受信光をそれぞれ集光状態にすることが
でき、送信効率及び受信効率を向上させることが可能と
なる。
【0121】さらに、本発明の送受信モジュールによれ
ば、前記フーコープリズムと前記集光用レンズとが一体
に形成されて成るので、集光用レンズとフーコープリズ
ムとの界面で生じてしまうフレネル反射光を削減できる
と共に、部品点数が削減でき製品コストを削減すること
が可能となる。
【0122】また、本発明の光送受信モジュールによれ
ば、送信部と受信部との間に仕切り部材が設けられるの
で、発光素子からモールド樹脂等の内部を通して内乱光
として受光素子に結合していた光線を大幅に削減し、そ
れにより受光素子でのS/N比を向上させることができ
る。
【0123】さらに、本発明の光送受信モジュールによ
れば、前記仕切り部材が光ファイバ端面に当接すると光
ファイバの略主軸方向に可動であるので、光ファイバの
端面が仕切り板に常に接する状態にすることができる。
その上、光ファイバ端に対して過剰な力が掛からないの
で、ファイバープラグの挿抜によって光ファイバ端が仕
切り板に当たっても、送受信効率を劣化させるような傷
の発生を防ぐことができる。
【0124】さらに、本発明の光送受信モジュールによ
れば、前記仕切り部材が光反射性を示すので、受光時に
おいて仕切り部材表面の吸収率が高い場合に受信時に吸
収されてしまった成分についても、受信光として有効に
活用することができ、受信効率の向上につながる。
【0125】また、本発明の光送受信モジュールによれ
ば、前記光ファイバ端面と対向する前記仕切り部材の端
面が光吸収性を示すので、自分からの送信光が相手方モ
ジュールの仕切り部材端面に反射して戻ってしまういわ
ゆる遠端反射を削減することができ、受光素子でのS/
N比を向上させることができる。
【0126】また、本発明の光送受信モジュールによれ
ば、前記発光素子の封止樹脂により形成されたレンズ又
は前記集光用レンズの少なくとも一方の曲率が、光ファ
イバのNA値(開口数)以下の収束光を光ファイバ端面
に入射させるように設定されるので、送信効率を低減す
ることなしに、光ファイバ端面で発生するフレネル反射
光が受光素子の方向に結合するのを防ぎ、受光素子での
S/N比を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に対して参考例となる光送受信モジュー
ルの概略構成を示す要部側面断面図である。
【図2】第1実施形態の光送受信モジュールの概略構成
を示す要部側面断面図である。
【図3】第2実施形態の光送受信モジュールの概略構成
を示す要部側面断面図である。
【図4】第3実施形態の光送受信モジュールの概略構成
を示す要部側面断面図である。
【図5】第4実施形態の光送受信モジュールの概略構成
を示す要部側面断面図である。
【図6】第5実施形態の光送受信モジュールの概略構成
を示す要部側面断面図であり、(a)は光ファイバの端
面に入射する光が拡散光であるときの様子を示す図であ
り、(b)は光ファイバの端面に入射する光が収束光で
あるときの様子を示す図である。
【図7】第5実施形態における光学的設定の一例を示す
要部側面断面図である。
【図8】第6実施形態の光送受信モジュールの概略構成
を示す要部側面断面図である。
【図9】第7実施形態の光送受信モジュールの概略構成
を示す要部側面断面図である。
【図10】第7実施形態におけるバネ状仕切り板(弾性
仕切り板)を概略構造を示す要部平面図である。
【図11】第8実施形態の光送受信モジュールの概略構
成を示す要部側面断面図である。
【図12】第8実施形態における仕切り板の反射率と受
信効率との関係についてシミレーションした結果を示す
図である。
【図13】第9実施形態の光送受信モジュールを説明す
るための概略構成を示す要部側面断面図であり、(a)
は通信相手をも含む全体を示す図であり、(b)は
(a)の領域Aの部分拡大図である。
【図14】第10実施形態の光送受信モジュールの概略
構成を示す要部側面断面図であり、(a)は送信部有利
の光学配置を示し、(b)は受信側有利の光学配置を示
す図である。
【図15】従来例1の概略構造を示す要部側面断面図で
ある。
【図16】従来例2の概略構造を示す要部側面断面図で
ある。
【図17】従来例3の概略構造を示す要部側面断面図で
ある。
【符号の説明】
2 光ファイバ 3 レーザダイオード(発光素子) 3’ 発光ダイオード(発光素子) 4 フーコープリズム 4’ レンズ付きフーコープリズム 4a,4b,4’a,4’b 傾斜面 5 受信用フォトダイオード(受光素子) 6 モールド樹脂(封止樹脂) 6a,6b レンズ部 9 基板 10 集光用レンズ 11 仕切り板(仕切り部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−248429(JP,A) 特開 昭58−180075(JP,A) 特開 平11−68171(JP,A) 特開 平4−263206(JP,A) 特開 平11−287932(JP,A) 特開 平9−105841(JP,A) 特開 平8−160259(JP,A) 特開 平8−15582(JP,A) 特開 平7−191241(JP,A) 特開 平9−325246(JP,A) 特開 平9−325248(JP,A) 特開 昭57−13409(JP,A) 特開 平5−203845(JP,A) 特開 平7−104154(JP,A) 特開 平10−39181(JP,A) 特開2001−141967(JP,A) 特開2000−180671(JP,A) 特開 平11−258454(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/42 - 6/43 H01L 31/00 - 31/12 H01L 33/00 H01S 5/00 - 5/026

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光素子と受光素子を備え、共通の光フ
    ァイバを介して光送受信を行う二重通信方式の光送受信
    モジュールにおいて、光ファイバ端面に直接対向するフーコープリズムを備
    え、 前記フーコープリズムと前記発光素子、受光素子との間
    にそれぞれレンズを含む送信用光学系、受信用光学系が
    設けられ、 前記フーコープリズムは、前記 発光素子より前記送信用
    光学系のレンズを介して取り出された送信光を屈折させ
    前記光ファイバ端面に結合させる第1の傾斜面と、
    記光ファイバ端面から出射された受信光の少なくとも一
    部を屈折させて前記受信用光学系のレンズを介して前記
    受光素子に結合させる第2の傾斜面とを備え、 前記フーコープリズムの頂角は15deg以上75de
    g以下であることを特徴とする光送受信モジュール。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光送受信モジュールに
    おいて、 前記発光素子又は受光素子の少なくとも一方が樹脂封止
    され、該封止樹脂により発光面又は受光面と前記フーコ
    ープリズムの対応する前記傾斜面とを結ぶ直線上に前記
    送信用光学系又は受信用光学系のレンズが形成されるこ
    とを特徴とする光送受信モジュール。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の光送受信モジュ
    ールにおいて、 前記発光素子及び受光素子が同一基板上に実装されるこ
    とを特徴とする光送受信モジュール。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光送受信モジュールに
    おいて、 前記発光素子及び受光素子が樹脂封止され、該封止樹脂
    により発光面及び受光面と前記フーコープリズムの対応
    する前記傾斜面とを結ぶ直線上に前記送信用光学系及び
    受信用光学系のレンズが形成されることを特徴とする光
    送受信モジュール。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    光送受信モジュールにおいて、 前記フーコープリズムと前記発光素子及び受光素子との
    間に、送受信共用の集光用レンズが設けられることを特
    徴とする光送受信モジュール。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の送受信モジュールにお
    いて、 前記フーコープリズムと前記集光用レンズとが一体に形
    成されて成ることを特徴とする光送受信モジュール。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1項に記載の
    光送受信モジュールにおいて、 送信部と受信部との間に仕切り部材が設けられることを
    特徴とする光送受信モジュール。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の光送受信モジュールに
    おいて、 前記仕切り部材が光ファイバ端面に当接すると光ファイ
    バの略主軸方向に可動であることを特徴とする光送受信
    モジュール。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載の光送受信モジュ
    ールにおいて、 前記仕切り部材が光反射性を示すことを特徴とする光送
    受信モジュール。
  10. 【請求項10】 請求項7から9のいずれか1項に記載
    の光送受信モジュールにおいて、 前記光ファイバ端面と対向する前記仕切り部材の端面が
    光吸収性を示すことを特徴とする光送受信モジュール。
  11. 【請求項11】 請求項2、4、5、又は6に記載の光
    送受信モジュールにおいて、 前記発光素子の封止樹脂により形成されたレンズ又は前
    記集光用レンズの少なくとも一方の曲率が、光ファイバ
    のNA値以下の収束光を光ファイバ端面に入射させるよ
    うに設定されることを特徴とする光送受信モジュール。
  12. 【請求項12】 請求項7に記載の光送受信モジュール
    において、 前記仕切り部材が厚みの薄いリン青銅板又はアルミニウ
    ム板からなることを特徴とする光送受信モジュール。
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