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JP3413702B2 - エアバッグ用織物の製造方法 - Google Patents

エアバッグ用織物の製造方法

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JP3413702B2
JP3413702B2 JP09870996A JP9870996A JP3413702B2 JP 3413702 B2 JP3413702 B2 JP 3413702B2 JP 09870996 A JP09870996 A JP 09870996A JP 9870996 A JP9870996 A JP 9870996A JP 3413702 B2 JP3413702 B2 JP 3413702B2
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woven fabric
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woven
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薫 伴
隆昌 御家
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  • Auxiliary Weaving Apparatuses, Weavers' Tools, And Shuttles (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両
(以下、代表例として自動車について述べる)に安全装
置として装備されているエアバッグに使用するエアバッ
グ用織物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エアバッグは、定常運転中はステアリン
グハンドルやダッシュボード部分に収納されており、自
動車が衝突した時には、そのショックをセンサーが感知
して高圧ガスを発生させ、該ガスで上記エアバッグを瞬
時に膨らませるというものであり、この膨らんだエアバ
ッグによって、乗員がハンドル等に衝突するのを防いで
いる。
【0003】従って、上記エアバッグに使用されるバッ
グ素材としては、まず第1にガス漏れを極力防ぐことの
できる高気密性が要求され、第2に適当な強度が必要で
あり、また第3に、上述の様にエアバッグは小さな場所
に収納されるので、コンパクトに折り畳み易いことが要
求される。
【0004】従来のエアバッグの素材としては、合成繊
維織物からなる基布にゴム等の樹脂をコーティングした
樹脂コートエアバッグ布があり(従来例)、上記樹脂
の塗布によって気密性や耐熱性の向上を図っている。
【0005】しかし、上記従来例はバッグ素材の厚み
が厚くまた目付け量が多くなる為、小さく折り畳むこと
が難しく、従ってハンドル内への収納性という点で劣る
ものであり、また風合いも堅くなる為、膨張したエアバ
ッグが乗員の顔面に接触した際に却って顔面を傷つける
場合があり、好ましくなかった。加えて上記従来例
は、ゴム等を塗布する工程を必要とする為に、加工コス
トが高くなるという問題があった。
【0006】そこで、これら問題の解決策として、例え
ば下述の従来例〜の様に、樹脂コートを要しないノ
ンコートエアバッグ布が提案されている。従来例は、
高密度織物を製織した後、収縮加工や熱固定カレンダー
等を施すことによって、布を構成する糸同士を圧着して
低通気性布を得るというものである(特開平1-122752
号)。
【0007】また従来例は、織物に化学収縮処理を施
すことによって、布を構成する糸状を膨潤させて糸同士
間の空隙を狭め、低通気性布を得るというものである
(特開平6-41844 号)。
【0008】従来例は、織機による製織動作直後に、
連続的に、20〜100 ℃の水性浴中で織物を収縮させ、次
いで該織物を乾燥ゾーンに通走させるという方法であ
り、該方法によって所望の通気性、例えば低い通気性の
布帛を得ている(特開平7-145552号)。
【0009】ところで、これらノンコートエアバッグ布
や上記樹脂コートエアバッグ布の基布の織機としては、
ウォータージェット織機,エアージェット織機,レピア
織機が一般的に使用されており、このうちウォータージ
ェット織機は、時間当たりの生産量が高い点、製織中の
構成糸のダメージが少ない点、生産に要するエネルギー
コストが少ない点等の理由から、特に汎用されている。
【0010】ウォータージェット織機を用いる製造過程
としては、織上がった湿潤状態の織物を一旦巻き取り、
この巻き取った状態で乾燥機に通して乾燥するか、或い
はウォータージェット織機により織上がった湿潤状態の
織物を加熱ローラー等で連続的に乾燥しながら巻き取っ
ている。仮に、織上がりの未乾燥状態で放置した場合
は、カビの発生や皺等の織物欠点を誘発させることにな
り、また次の処理の為に加工場へ輸送する際に、不要な
水分を運ぶことになる等の問題があり、この問題を回避
する為に必ず乾燥を行っている。そして次の工程とし
て、上記巻き取った乾燥生機に対して種々の処理、例え
ば精練,乾燥,熱処理等が施される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述の様に、種々のノ
ンコートエアバッグ布が提案されているが、上記従来例
は、上述の様に糸同士を圧着している為、布の風合い
が堅くなり柔軟性を損なうという問題があり、また上記
従来例は、糸を膨潤させている為に強力低下を生じる
問題がある。
【0012】従来例は、水性浴における処理工程と乾
燥ゾーンの工程の2工程が連続して必要である為、上記
2工程の設備を夫々の織機に設けなければならず、従っ
て設備が複雑で且つ広い設置面積が必要であり、加えて
操作も複雑となる等の問題がある。また仮に、数台の織
機から織上がった織物をまとめ、これらを1つの水性浴
処理工程及び乾燥ゾーン工程で処理しようとする場合で
あっても、該設備は複雑で大きなものとなる。加えて、
製織工程や水性浴処理工程,乾燥ゾーン工程を連続して
行っているので、織機がなんらかの原因で停止したとき
には、水性浴や乾燥ゾーンにおける処理時間が増大し、
これによる不良品の発生等の問題がある。
【0013】いずれにせよ従来のノンコートエアバッグ
布の製造方法は、多くの工程を通過させる必要があり、
その為に途中で皺が発生する危険が高まり、加えて製造
コストもあまり低減できなかった。
【0014】そこで本出願人は、低通気性,軽量であ
り、コンパクトに折り畳め、且つ製造コストの低いエア
バッグ用織物の製造方法を発明し、既に出願している
(平成7年9月28日出願の特許発明;以下、先願発明
と称す)。
【0015】上記先願発明における織機としては、ウォ
ータージェット織機,エアージェット織機,レピア織機
等が使用されるが、本発明者らは上記先願発明について
更に検討を重ねたところ、ウォータージェット織機で製
織する場合については、より一層の改良の余地があるこ
とを見出した。また、樹脂コートエアバッグの基布をウ
ォータージェット織機で製織する場合についても、同様
に改良の余地があることを見出し、検討の結果本発明を
完成した。
【0016】即ち、ウォータージェット織機を用いた方
法では、前述の様に、何回も巻き返す工程を経なければ
ならない為、織物に皺等の欠点を生じ易く、加えて工程
数が多いことから製造コストが高くなるという問題があ
る。
【0017】そこで本発明は、上記問題に鑑み、ウォー
タージェット織機を用いてノンコートエアバッグ用織物
を製造する場合において、低通気性,軽量で柔らかく、
また強度があり、コンパクトに折り畳め、皺等の欠点を
生じ難いエアバッグ用織物を、設備面積が小さく、また
製造コストを更に低減して製造できる方法を提供するこ
とを第1の目的とする。また、樹脂コートエアバッグの
基布として有用なエアバッグ用織物を製造する方法を提
供することを第2の目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエアバッグ
用織物の製造方法は、合成繊維(特にポリアミド繊維)
からなる糸を、ウォータージェット織機を用いて織上
げ、該織物を乾燥せずに湿潤状態のまま100〜170
℃の過熱蒸気によって収縮熱処理を行うことを要旨とす
る。
【0019】この様に、ウォータージェット織機で織上
げた織物を、乾燥させずに湿潤状態のままで過熱蒸気処
理を施すことが重要であり、該過熱蒸気処理によって繊
維を収縮させると共に乾燥を行うことができる。つま
り、100〜170℃の過熱蒸気で処理した場合は、十
分な収縮効果が発現され、耐熱寸法安定性に優れ、残留
収縮率が小さく、柔軟な織物を得ることができ、且つ湿
潤状態の織物が乾燥されることになる。従って、上記製
織後の乾燥工程を不要とすることができ、工程数の減少
によるコスト低減、及び皺等の発生の危険性を低くする
ことができる。
【0020】一方、熱による収縮と乾燥という観点から
考えると、乾燥雰囲気下で熱を加えることも想起される
が、乾燥熱によって熱収縮処理を施したところ、収縮が
不十分で、残留収縮率が大きく、また堅い織物となるこ
とが分かった。そこで、乾熱温度を更に高めて熱収縮処
理を行うことにより、残留収縮を小さくすることを検討
したが、高温の為に織物の変色が生じ、好ましくないこ
とが分かった。
【0021】前述の様に、過熱蒸気による収縮熱処理の
温度は100〜170℃である。170℃を超えると、
消費エネルギーの増大に見合った収縮効果が現れず、エ
ネルギーロスが大きくなってコスト高となる。また、高
い熱収縮能力を持つ合成繊維からなる織物に対して、1
70℃を超える収縮熱処理を施すと、繊維は十分に収縮
されるが、その収縮が糸の屈曲を発生させ厚み方向に逃
げる為、却って織物の糸−糸間に空間を発生させ、通気
度を高くしてしまい、低通気性のエアバッグ用織物が得
られない。一方、100℃未満の場合は、繊維は収縮さ
れるが、処理後の織物が十分に乾燥しておらず、次工程
として更に乾燥工程の付加が必要となり、工程数が増え
て、合理化やコストダウンが図れない。また工程数の増
加により、前述の如く皺や汚れの発生する危険が高ま
る。従って上記温度範囲とした。より好ましくは110
〜160℃である。
【0022】また、本発明に係るエアバッグ用織物の製
造方法は、前記ウォータージェット織機を用いて織上げ
る工程と、前記過熱蒸気によって収縮熱処理を行う工程
を非連続的に行うことが好ましい。即ち具体的には、ウ
ォータージェット織機と過熱蒸気処理機を別々に設け、
別個に処理することが望ましい。
【0023】この様な非連続処理の場合は、過熱蒸気処
理機の処理速度を、織機の織上げ速度よりも速くするこ
とができるので、過熱蒸気処理機1台当たりの処理量を
多くすることができ、処理効率が良い。加えて、連続処
理の場合は、何らかの原因で織機が停止したとき、過熱
処理時間が増大し、それに伴って不良品が発生するが、
非連続の場合は、過熱蒸気処理機が織機のトラブルに左
右されないから、上記の様な不良品発生の危険がない。
【0024】尚、本発明の製造方法は、上述の如く、織
物を湿潤状態のまま100〜170℃の過熱蒸気によっ
て収縮熱処理を行うのであれば良く、ウォータージェッ
ト織機による製織動作の直後に連続的に過熱蒸気処理を
行うことを排除するものではない。
【0025】更に、本発明に係るエアバッグ用織物の製
造方法は、前記合成繊維としてポリアミド繊維を用いる
ことが好ましい。該ポリアミド繊維は耐衝撃性に優れ、
インフレーターからの高温のガスにも良く耐える等の優
れた特性を有する。
【0026】また、本発明においては、ノンコートエア
バッグ用織物の場合に、収縮熱処理後の織物が、124Pa
下で0.5cc/cm2/sec. 以下の通気度であることが好ま
しい。通気度が0.5cc/cm2/sec. を超えると、織物を
通して外に放出されるガス量が多くなり、エアバッグが
膨張する際の応答性が低下して好ましくないからであ
り、通気度が0.5cc/cm2/sec. 以下の織物は、このま
まエアバッグ用織物として用いることができる。尚、該
通気度はJIS-L1096 6.27.1 A法のフラジール試験機を用
いて測定したものである。
【0027】また、本発明の方法で得た織物を基布とし
て、これにゴム系樹脂等をコーティングして樹脂コート
エアバッグとする場合は、収縮熱処理後の織物が、124P
a 下で3.0cc/cm2/sec. 以下の通気度であることが好
ましく、特に0.5超〜3.0cc/cm2/sec. の通気度で
あることが望ましい。3.0cc/cm2/sec. を超える通気
度では、樹脂が基布(織物)の裏面に抜け出る問題が生
じるからである。一方、0.5cc/cm2/sec. 以下の様な
高気密性は、ゴム系樹脂をコーティングする場合には特
に必要ないからである。尚、コーティングするゴム系樹
脂としては、クロロプレンゴム,シリコンゴム等が挙げ
られる。
【0028】また、エアバッグには、低通気性素材部分
の他、比較的高い通気性を有するフィルター部分を備え
たものもあるが、この様なフィルター部分の織物として
は、本発明の方法で製造されたエアバッグ用織物のう
ち、ある程度の通気度を有するもの、例えば通気度0.
5超〜3.0cc/cm2/sec. の織物が有用である。尚、上
記フィルター部分はバッグ内のガス量調節等の為に設け
られるものである。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法の一例について
次に述べる。先ず、ポリアミド繊維からなる糸をウォー
タージェット織機を用いて織上げ、該織物を湿潤状態の
まま、135℃の過熱蒸気中で1分間処理することによ
って上記織物を収縮させつつ乾燥させ、エアバッグ用織
物を得る。
【0030】尚、過熱蒸気は、飽和水蒸気を熱源(例え
ば電熱ヒーター)で過熱することによって得ることがで
き、代表的な過熱蒸気処理機としてはHIGH TEMPERATURE
STEAMER(以下、HTSと称す)等が挙げられる。
【0031】過熱蒸気処理の状態としては、テンターで
織物を把持する等の様に、織物を固定して行っても良
く、或いは固定せずにフリーの状態で行っても良い。ま
た上記過熱蒸気処理後の織物に、通常の精練,乾燥処理
を施すことについては、なんら差し支えない。加えて、
ウォータージェット織機で織上げる前の整経工程の際
に、糊付けを施しても良いが、コスト低減の観点から
は、上記糊付けを行わない整経工程が好ましい。
【0032】ポリアミド繊維としては、46ナイロン、6
ナイロン、66ナイロン、610 ナイロン、11ナイロン、12
ナイロン等の脂肪族ポリアミド、テレフタル酸、イソフ
タル酸等の芳香族ポリアミド、例えばヘキサメチレンイ
ソフタルアミド、テトラメチレンイソフタルアミド等、
及びこれらを主な構成成分とする共重合ポリアミド、混
合ポリアミド等が挙げられる。このうち特に46ナイロ
ン、6 ナイロン、66ナイロンが好ましい。尚、本発明で
用いる合成繊維としては、上記ポリアミド繊維の他、ポ
リエステル繊維、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル
繊維等を用いても良い。
【0033】本発明に用いる合成繊維糸としては、低収
縮性の糸であっても、また高収縮性の糸であっても良
い。即ち、160 ℃の乾熱収縮率(JIS-L1013 7.15(1)B法
により測定)が5〜15%の高収縮性の合成繊維糸であ
っても、また5%未満の低収縮性の合成繊維糸であって
も、本発明の方法に適用できる。特に、通気度0.5cc
/cm2/sec. 以下という低通気性のエアバッグ用織物を製
造するには、上記高収縮性の合成繊維糸(乾熱収縮率5
〜15%)を用いれば、該合成繊維糸をウォータージェ
ット織機で高密度に製織し、織上がった織物を本発明の
方法によって更に緻密な織物とすることで、極めて低通
気性のエアバッグ用織物を得ることができるので好まし
い。
【0034】上記合成繊維糸の繊度としては、150〜
900デニールのマルチフィラメント糸が好ましく、更
に好ましくは200〜500デニールである。150デ
ニール未満のものでは、エアバッグ用織物として要求さ
れる機械特性、例えば引張強力や引裂強力等が不十分な
織物しか得られず、一方、900デニールを超えるもの
では、柔軟な織物を得難く、折畳性が悪くなるからであ
る。
【0035】エアバッグ用織物の耐熱寸法安定性として
は、190 ℃の乾燥機中に15分間放置したときの熱収縮率
が3%以下であることが望ましい。熱収縮率が3%を超
えると、インフレーターからの高温ガスによって、エア
バッグの寸法が大きく変化して好ましくなく、また、車
は駐車中に非常に高温となる場合がるから、この様な高
温条件下で長期放置された状態での熱収縮率が3%を超
えるものでは、エアバッグの寸法が変化して好ましくな
いからである。
【0036】エアバッグ用織物の剛軟度としては、JIS-
L1096 6.19 A法(45゜カンチレバー法)による測定で、
125mm以下であることが好ましい。剛軟度が125mm
を超える織物は堅く、エアバッグが膨張して乗員と接触
した際に乗員を傷つける恐れがあり、加えて折り畳み性
が悪くなるからである。
【0037】
【実施例】エアバッグ用織物の製造に用いる糸として、
72フィラメントからなるナイロン66マルチフィラメント
糸を用い、下記表1の通り、高密度或いは低密度の平織
組織の織物を、ウォータージェット織機を用いて夫々織
上げ、一旦ロールに巻き取った。尚、各織物No. 1〜7
に用いたフィラメント糸についての乾熱収縮率(%)及
び繊度(デニール)は下記表1の通りである。尚、乾熱
収縮率の測定は、JIS-L1013 7.15(1)B法に従い、160 ℃
の乾熱下で行った。また、これら織物No. 1〜7につい
て、織上がり直後の未乾燥状態の水分率を表1に併せて
示す。
【0038】次に織上げた織物No. 1〜6については、
湿潤状態のまま乾燥することなくHTSを用いて、表1
に示す熱処理条件で熱処理を施し、一気に収縮させた。
尚、表1中「把持固定」と示したものは、テンター把持
機能付のHTSを用いて、テンターで織物を固定しなが
ら行ったものであり、「固定せず」と示したものは、テ
ンターによる枠固定を行わずにフリーの状態で行ったも
のである。織物No. 7については、表1に示す如く、湿
潤状態の織物を固定せずにフリーの状態で、140 ℃,2
分間の乾熱乾燥処理を行った。
【0039】以上の様にして得られた収縮処理済み織物
に関し、その織密度,通気度,収縮率,剛軟度を表1に
併せて示す。尚、通気度は、124Pa においてフラジール
試験機を用いて測定したものであり、熱収縮率は、190
℃で15分間乾燥機中に放置した後の織物を、放置前の織
物と比較して表したものである。
【0040】
【表1】
【0041】表1から分かる様に、織物No. 1,3は、
低通気度で耐熱寸法安定性に優れた軟らかい織物であっ
た。織物No. 2は、収縮処理前の織物が低密度である
為、処理後の織物の通気度は高いものとなったが、耐熱
寸法安定性に優れ、軟らかい特性を持った織物であり、
樹脂コートエアバッグ用の基布としての使用に適したも
のが得られた。織物No. 4は、収縮処理前の織物が高密
度であるにもかかわらず、処理後の織物は通気度が高
く、ノンコートエアバッグ用織物として不適当なもので
あった。織物No. 5,6は、乾燥不十分なものに仕上が
った為に、更に乾燥の工程を要することとなり、この様
に工程が増えることで皺などの発生の危険が高まり、ま
た工程数低減という合理化につながらない結果となっ
た。織物No. 7は、熱収縮率が高く耐熱寸法安定性に劣
るものが得られ、また堅い織物であり、エアバッグ用と
して不適当なものであった。
【0042】
【発明の効果】本発明に係る製造方法によれば、ノンコ
ートエアバッグ用織物や樹脂コートエアバッグの基布を
ウォータージェット織機を用いて製造する場合におい
て、低通気性,軽量で柔らかくまた強度が十分で、コン
パクトに折り畳むことができるエアバッグ用織物を、皺
等の欠点を生じ難い製造工程で、膨大な投資を要せずに
低廉に、また小さい設備面積で製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−145552(JP,A) 特開 平6−341030(JP,A) 特開 平4−136262(JP,A) 特開 昭63−212659(JP,A) 特開 昭51−11996(JP,A) 特開 平8−188107(JP,A) 特公 昭46−36512(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06C 7/02 B60R 21/16 D03D 1/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド繊維からなる糸を、ウォータ
    ージェット織機を用いて織上げ、該織物を乾燥せずに湿
    潤状態のまま100〜170℃の過熱蒸気によって収縮
    熱処理を行い、 この収縮熱処理後の前記織物が、124Pa下で0.5cc/cm
    2 /sec.以下の通気度を示すものである ことを特徴とする
    エアバッグ用織物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記織上げの工程と、前記収縮熱処理の
    工程を非連続的に行う請求項1に記載のエアバッグ用織
    物の製造方法。
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