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JP3411683B2 - 全芳香族ポリエステルおよびその組成物 - Google Patents

全芳香族ポリエステルおよびその組成物

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Publication number
JP3411683B2
JP3411683B2 JP19901994A JP19901994A JP3411683B2 JP 3411683 B2 JP3411683 B2 JP 3411683B2 JP 19901994 A JP19901994 A JP 19901994A JP 19901994 A JP19901994 A JP 19901994A JP 3411683 B2 JP3411683 B2 JP 3411683B2
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JP
Japan
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wholly aromatic
aromatic polyester
parts
formula
temperature
Prior art date
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JP19901994A
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JPH0841187A (ja
Inventor
聡士 室内
義雄 鈴木
俊孝 小林
Original Assignee
新日本石油化学株式会社
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Filing date
Publication date
Application filed by 新日本石油化学株式会社 filed Critical 新日本石油化学株式会社
Priority to JP19901994A priority Critical patent/JP3411683B2/ja
Publication of JPH0841187A publication Critical patent/JPH0841187A/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高弾性率を有し、成形
性および耐熱性に優れた光学的溶融異方性を有する全芳
香族ポリエステルに関するものである。さらに詳しく
は、特定の物性を有する全芳香族ポリエステルであっ
て、流動状態の下でその流れ方向に分子鎖を配向せしめ
ることによって高弾性率化した耐熱性の優れた有機材料
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学的溶融異方性を有する全芳香族ポリ
エステルは、その構造に基づき優れた物性を有する。特
にこの樹脂は、耐熱性の点ではあらゆる樹脂の中で最も
優れている。なかでもp−ヒドロキシ安息香酸またはそ
の誘導体;テレフタル酸、イソフタル酸またはその誘導
体;および4,4'−ジヒドロキシビフェニルまたはその
誘導体などから得られる光学的溶融異方性を有する全芳
香族ポリエステルは、射出成形が可能でかつ各種の物
性、特に機械的性質や電気的特性に優れており、さらに
高い耐熱性、耐薬品性、耐油性、耐放射線性、寸法安定
性などのプラスチックの使用分野における要求性能の殆
ど全てを兼ね備えている樹脂であることが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、光学的溶融異方
性を有する全芳香族ポリエステルは、熱変形温度で示さ
れる耐熱性は優れているが、その成形品例えば射出成形
品を高温に曝したときに、成形品の表面にオーブンブリ
スター(ふくれ)が生じやすいことが欠点として指摘さ
れており、さらに、成形性に難点があることも従来から
指摘されていた。従来、オーブンブリスターが発生する
原因は、成形時の樹脂の熱劣化による分解ガスの発生、
または成形品を長期間高温に曝した時の分解ガスによる
ものと考えられており、従って、樹脂の熱安定性を向上
させることができれば、オーブンブリスターの発生は抑
制されると考えられた。
【0004】従来の樹脂の熱安定性を向上させる方法と
して、例えば特開昭59−4622号公報には、全芳香
族ポリエステルの製造において、重合時に亜リン酸塩化
合物を添加することにより、低い着色度および優れた熱
安定性を有する重合体を得ることが提案されている。ま
た、特開昭57−135830号公報には、一価フェノ
ールを共重合させることによりポリマー末端を封鎖し
て、溶融状態における熱安定性を高める方法が提案され
ている。しかしながら、これらの公報に記載された方法
によって製造した全芳香族ポリエステルであっても、オ
ーブンブリスターの発生を抑制する効果は未だ不十分で
ある。すなわち、従来の熱安定性を向上させる方法で
は、耐ブリスター性を向上させることは極めて困難であ
った。
【0005】また、成形性改良の一般的な方法として
は、エチレングリコールのような柔軟鎖を有するモノマ
ーを共重合させる方法や、2−ヒドロキシ−6−ナフト
エ酸などの非直線性のモノマーを共重合させる方法によ
りポリマーの融点を下げる方法も提案された。しかし、
これらの方法では、低融点化により成形性は改善される
が、熱変形温度で示される耐熱性は著しく低下し、さら
に、耐オーブンブリスター性の改善も十分とはいえな
い。
【0006】また、光学的溶融異方性を有する全芳香族
ポリエステルは、一般的には数種類のモノマー成分から
なる共重合体である。共重合体の場合、そのモノマーユ
ニットの配列、すなわち、シーケンスの違いにより融点
や溶融挙動等の基本物性に影響を及ぼす基本構造が変化
する可能性がある。さらに、例えばヒドロキシカルボン
酸などのコモノマーを少量共重合させることによっても
共重合体の基本構造が変化する可能性がある。従って、
主要モノマーの組成や種類が同じであっても、異なる基
本物性を有する全芳香族ポリエステルが得られることが
ある。さらに、全芳香族ポリエステルの構造と耐オーブ
ンブリスター性や成形加工性等の用途特性との関係もま
た、現在まで明確にされていない。従って、現状におい
ては、耐オーブンブリスター性に優れ、また成形加工性
等の材料特性の良好な全芳香族ポリエステルを得ること
は実際上容易ではない。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような事情に鑑み、
本発明者らは、光学的溶融異方性を有する各種の全芳香
族ポリエステルを合成し、それらについて耐オーブンブ
リスター性と成形加工性の向上を目的として鋭意研究を
行ったところ、芳香族ポリエステルの融点と固化開始温
度との間に特定の関係が成立するときは、耐オーブンブ
リスター性と成形加工性が飛躍的に向上することを見出
して本発明に到達した。すなわち、本発明は、下記化3
の(1)式から(3)式
【0008】
【化3】
【0009】(上記のp、qおよびrは、全芳香族ポリ
エステル中の各構成単位の含有割合(モル%)を示し、
10≦p≦90の関係を満足し、かつqとrは実質的に
等しい。上式中のArは化4の(1)式または(2)式
に示す構造を有し、
【0010】
【化4】
【0011】XおよびYは炭化水素基、−O−、−S
−、−SO−、−SO2−、−CO−または−C(CH3)
2−であり、s、t、uおよびvは0または1の整数で
ある。また、各式中のベンゼン環の置換基は互いにパラ
またはメタの位置にある。)で表される繰返構成単位か
らなる、光学的溶融異方性を有する全芳香族ポリエステ
ルであって、かつDSCで測定した融点(Tm、℃)と
キャピラリーレオメーターによって測定した固化開始温
度(Tη、℃)との差(Tm−Tη)が10〜50℃の
範囲にあることを特徴とする全芳香族ポリエステルに関
する。
【0012】以下に本発明をさらに説明する。本発明に
おける上記化3の(1)式で表される繰返構成単位に対
応する芳香族ポリエステル前駆体のモノマーとしては、
p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸およ
びこれらの誘導体が挙げられる。誘導体としては、重縮
合を行うポリエステル化反応により(1)式の繰返構成
単位を生成し得る前駆体モノマー、例えば、p−ヒドロ
キシ安息香酸フェニル、p−アセトキシ安息香酸、p−
ヒドロキシ安息香酸メチル、p−アセトキシ安息香酸メ
チルなどが例示される。これらの前駆体モノマーは単独
で、または混合して使用することができる。
【0013】上記化3の(2)式で表される繰返構成単
位に対応する芳香族ポリエステル前駆体のモノマーとし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、p,p'−ビフェニ
ルジカルボン酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニ
ル)プロパン、4,4'−ジカルボキシジフェニルエーテ
ル、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ジカル
ボキシジフェニルスルホン、4,4'−ジカルボキシジフ
ェニルスルフィドおよびそれらの誘導体が挙げられる。
誘導体としては、重縮合を行うポリエステル化反応によ
り(2)式の繰返構成単位を生成し得る前駆体モノマ
ー、例えば、上記ジカルボン酸のジフェニルエステル、
ジメチルエステル、ジエチルエステルなどが例示され
る。これらの前駆体モノマーは単独で、または混合して
使用することができる。
【0014】また上記化3の(3)式で表される繰返構
成単位に対応する芳香族ポリエステル前駆体のモノマー
としては、ヒドロキノン、レゾルシン、4,4'−ジヒド
ロキシビフェニル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−
ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノン、ビスフェノー
ルA、2,6−ナフタレンジオールおよびこれらの誘導
体が挙げられる。誘導体としては、重縮合を行うポリエ
ステル化反応により(3)式の繰返構成単位を生成し得
る前駆体モノマー、例えば、4,4'−ジアセトキシジフ
ェニルなどが例示される。これらの前駆体モノマーは単
独で、または混合して使用することができる。
【0015】得られた全芳香族ポリエステルにおける化
3の(1)式で表される繰返構成単位の含有割合p(モ
ル%)は、10≦p≦90の範囲にあることが必要であ
る。また、化3の(2)式および(3)式で表される繰
返構成単位の含有割合qおよびrは実質的に等しい値で
あることが必要である。これらの範囲をはずれると成形
性が著しく低下する。
【0016】これらのモノマーの組み合わせとしては、
化3の(1)式に対応するモノマーとしてp−ヒドロキ
シ安息香酸もしくはそれらのエステル誘導体、同(2)
式に対応するモノマーとしてテレフタル酸、イソフタル
酸、p,p'−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(4
−カルボキシフェニル)プロパン、4,4'−ジカルボキ
シジフェニルエーテル、2,6−ナフタレンジカルボン
酸もしくはそれらのエステル誘導体、および同(3)式
に対応するモノマーとして4,4'−ジヒドロキシビフェ
ニル、ヒドロキノン、2,6−ナフタレンジオールもし
くはそれらのエステル誘導体からそれぞれ選ぶことが特
に好ましい。
【0017】本発明の全芳香族ポリエステルは、DSC
で測定した融点(Tm)とキャピラリーレオメーターに
よって測定した固化開始温度(Tη)の差(Tm−T
η)が、10〜50℃の範囲にあることが必須であり、
特に好ましくは20〜50℃の範囲である。Tm−Tη
の値が10℃未満では、オーブンブリスターの発生を抑
制する効果が不十分であり、さらに成形加工性も低下す
るので好ましくない。Tm−Tηの値が50℃を超える
と、熱変形温度が低下し、さらに耐オーブンブリスター
性も悪くなるので好ましくない。
【0018】ここで、DSCで測定した融点(Tm)と
は、DSC(示差走査熱量計)において測定対象の全芳
香族ポリエステルを完全に溶融した後、10℃/分の速
度で室温まで冷却したサンプルを、窒素雰囲気下に、2
0℃/分の速度で昇温したときに得られる融解ピークか
ら求めた融点である。本発明においては、Tmが290
℃〜440℃の範囲にある全芳香族ポリエステルが好ま
しい。特に好ましくは300℃〜420℃の範囲であ
る。Tmが290℃未満では、熱変形温度で示される耐
熱性が著しく低く、また、Tmが440℃を超えるとき
は、成形性が著しく低下するため、いずれも好ましくな
い。
【0019】また、キャピラリーレオメーターによって
測定した固化開始温度(Tη)とは、キャピラリーレオ
メーターを用いて以下の測定方法で求めた結晶化開始温
度の値である。キャピラリーとして、径1.0mm、長
さ40mmで、流入角90°のもの用い、剪断速度 1
00sec-1において見かけ粘度の温度依存性を測定す
る。測定は、DSCにより求めたTmより40℃高い温
度から開始し、4℃/分の速度で等速冷却し、見かけ粘
度と温度との関係を求める。固化開始温度は、上記測定
条件によって得られた見かけ粘度−温度曲線において、
見かけ粘度が急激に上昇を開始する温度を読み取りTη
とする。さらに詳しくは、固化開始前および開始後にお
ける曲線の接線の交点を求め、この点に対応する温度を
Tηとする。Tηが240〜430℃の範囲にある全芳
香族ポリエステルが好ましい。特に好ましくは250〜
400℃である。Tηが430℃を超えると成形加工性
が著しく低下し、また、240℃未満では熱変形温度で
示される耐熱性が著しく低いため、いずれも好ましくな
い。
【0020】また本発明の全芳香族ポリエステルは、従
来のポリエステルの重縮合法に準じて製造することがで
き、製造法に特に制限はないが、代表的な製法として
は、例えば次の(1)〜(4)の方法が挙げられる。 (1)芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物、芳香
族ヒドロキシカルボン酸のアシル化物および芳香族ジカ
ルボン酸から、脱酢酸重縮合反応によって製造する方
法。 (2)芳香族ジヒドロキシ化合物、芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸および芳香族ジカルボン酸と無水酢酸とから脱
酢酸重縮合反応によって製造する方法。 (3)芳香族ジヒドロキシ化合物、芳香族ジカルボン酸
のジフェニルエステルおよび芳香族ヒドロキシカルボン
酸のフェニルエステルから、脱フェノール重縮合反応に
より製造する方法。 (4)芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジカル
ボン酸を所望量のジフェニルカーボネートと反応させ、
カルボキシル基をフェニルエステル化した後、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応によ
り製造する方法。
【0021】例えば、p−ヒドロキシ安息香酸(PHB
A)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル(DHBP)お
よびテレフタル酸(TPA)を反応器に仕込み、無水酢
酸を加えて無水酢酸還流下にアセチル化を行い、その後
昇温して250〜350℃の温度範囲で酢酸を留出しな
がら脱酢酸重縮合することによりポリエステルが得られ
る。重合時間は1時間〜数十時間の範囲で選択すること
ができる。
【0022】重縮合反応に使用する触媒としては、酢酸
マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、
酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチ
モン、金属触媒が代表的であり、特に脱フェノール重縮
合の際に有効である。
【0023】また上記の各重縮合方法において、溶融重
合と固相重合を併用することも可能である。すなわち、
溶融重合により重縮合を終えたポリマーを固相重合によ
りより高重合度化することができる。固相重合は公知の
方法を広く使用することができる。例えば、溶融重合に
より得られたポリエステルを、窒素などの不活性雰囲気
下で250〜350℃の温度範囲で1時間〜30時間熱
処理することにより行われる。
【0024】また、重合器は特に限定されるものではな
いが、一般の高粘度反応に用いられる撹拌設備、例え
ば、錨型撹拌器、多段型撹拌器、らせん帯撹拌器、らせ
ん軸撹拌器等、およびそれらを変形した撹拌設備を備え
た撹拌槽型重合器、さらに、ワーナー式ミキサー、バン
バリーミキサー、ポニーミキサー、ミューラーミキサ
ー、ロールミル、連続操作可能なコニーダー、ハグミ
ル、ギヤーコンパウンダーなどから選ばれるものが望ま
しい。
【0025】上記のようにして得られた本発明の全芳香
族ポリエステルは、単独で、または数種の全芳香族ポリ
エステルを混合して使用することができる。いずれの場
合も、化3の(1)式から(3)式の繰返構造単位に対
応するモノマーの種類、配合割合、重合順序、触媒、そ
の他の重合条件などを適宜に選択し、得られた全芳香族
ポリエステルの前記Tm−Tηの値が10〜50℃の範
囲になるように重合することが肝要である。言い替えれ
ば、Tm−Tηの値を指標として、上記(1)式〜
(3)式に対応するモノマーの種類、配合割合、重合順
序、触媒、その他の重合条件を選択して重合を行う。
【0026】本発明の光学的溶融異方性を有する全芳香
族ポリエステルの重量平均分子量は、約2,000〜2
00,000、好ましくは約4,000〜100,000
の範囲である。分子量の測定は、例えば圧縮フィルムに
ついて赤外分光法により末端基を測定して求めることが
できる。また溶液状で行う一般的な測定法としてGPC
を用いることもできる。
【0027】また、本発明の全芳香族ポリエステルに
は、主として機械的強度の向上のために各種の繊維状、
粉粒状、板状の無機および有機の充填剤を配合すること
ができる。繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アスベ
スト繊維、シリカ繊維、シリカアルミナ繊維、チタン酸
カリウム繊維、およびアルミニウム、チタン、銅などの
金属の繊維状物などの無機繊維状物質が挙げられる。特
に代表的なものとしてガラス繊維が挙げられる。一方、
粒状充填剤としては、カーボンブラック、黒鉛、シリ
カ、石英粉末、ガラスビーズ、ミルドガラスファイバ
ー、ガラスバルーン、ガラス粉、ケイ酸カルシウム、ケ
イ酸アルミニウム、タルク、クレー、ケイ藻土、ウォラ
ストナイトのようなケイ酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸
化亜鉛、三酸化アンチモン、アルミナ、硫酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、その他各種金属粉末が挙げられ
る。また、板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレー
ク、各種の金属箔などが挙げられる。
【0028】そのほか有機充填剤の例を挙げれば、芳香
族ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリイミドなどの
耐熱性高強度合成繊維などがある。これらの充填剤の使
用にあたっては、必要の場合には収束剤または表面処理
剤を使用する。
【0029】また、上記以外に従来公知の酸化防止剤、
熱安定剤、増量剤、補強剤、顔料、難燃化剤等の種々の
添加剤を適宜の量添加してもよい。これらの添加剤およ
び充填剤は1種または2種以上併用することができる。
【0030】無機充填剤を用いる場合の配合量は、組成
物全体に対して95重量%以下、好ましくは80重量%
以下である。無機充填剤を95重量%より多く配合する
と、機械的強度はむしろ低下するので好ましくない。
【0031】さらに、本発明の全芳香族ポリエステルに
は、本発明の目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂
を適宜に配合することもできる。
【0032】上記のようにして得られた本発明の全芳香
族ポリエステルは、その優れた特性を活かして、従来公
知の成形法、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形
などの通常の溶融成形に供することにより、繊維、フィ
ルム、三次元成形品、容器、ホースなどに加工すること
が可能である。
【0033】このような具体的な成形品としては、例え
ば、以下のようなものがある。すなわち、電気部品とし
ては、ヘアドライヤー部品(ハウジングなど)、洗濯機
部品(軸受け、バルブ、コック、ローターなど)、ビデ
オ部品(ブレーキリングなど)、皿洗い機部品、コーヒ
ーサーバー部品(ハウジングなど)、テープレコーダー
部品(軸受けなど)、衣類乾燥機部品(ピンなど)、電
磁誘導レンジ部品(センサーケースなど)、モーター部
品(コンミュテーター、ブラシホルダー、コアレスモー
ター部品など)、ランプホルダー(投光機ソケット、ハ
ロゲンランプソケットなど)、ポテンシオメーター(コ
イルフォーマーなど)、ハンダごて部品、キャセロール
台およびレコードプレーヤー部品(トーンアーム軸受け
など)が挙げられる。
【0034】電子部品としては、リレー部品(ハウジン
グ、アークインシュレーターなど)、プリント基板、ス
イッチ(ハウジングなど)、コネクター、ボビン、電子
時計部品(ハウジング、トリマーコンデンサー用ステー
ター、絶縁材料など)、レベルスイッチ部品、電子交換
機部品(マイクロ波吸収部品、ボビンなど)、IC製造
装置部品(ICソケット、ウエハーバスケット、スリー
ブなど)、超音波探傷機部品(センサーなど)、電子管
部品(絶縁リングなど)、電子部品ホルダー、内燃機関
シリンダー内圧測定装置部品(リング素子絶縁材な
ど)、電池部品(触媒ホルダーなど)、抵抗器、補聴材
部品、表面温度計部品(カップル部品など)、およびヒ
ューズ部品(ハウジングなど)が挙げられる。
【0035】自動車部品としては、EGRバルブ(バル
ブボデー、バルブカバー、バルブなど)、ピストンリン
グ、アペックスシール、プラグ絶縁材、ショックアブソ
ーバー部品(リング、軸受けなど)、ブルドーザー部品
(ピストンリング、軸受けなど)、ディストリビュータ
部品(カム、ハウジングなど)、イグニションスイッチ
部品(ハウジングなど)、ブレーキ部品(ブレーキ材料
バインダー、ブレーキ、ブリーダーなど)、排ガス用パ
イプ部品(スリーブなど)、排ガス用温度センサー(ハ
ウジングなど)、ワイヤーケーブル、ランプ部品(ヘッ
ドランプリフレクターなど)、自動車用クーラーなどが
挙げられる。
【0036】摺動材、機械部品としては、複写機用部品
(分離爪、軸受け、ホットロールコーティングなど)、
コンピュータ部品(耐摩耗リングなど)、ラインプリン
ター部品(ガイド、バックアップバーリングなど)、コ
ンプレッサー部品(ピストンリング、ブレーキなど)、
醤油製造装置摺動材、製紙用乾燥機部品、紡績機部品
(スピンドル、プーリー、クリンパーガイドなど)、映
写機部品、自動販売機部品(軸受けなど)、ガラス製造
用治具、ブラウン管製造用治具、電線製造用治具、製缶
機用治具、瓶製造装置治具(送り爪など)、船尾軸受
け、オイルレス軸受け(含油軸受け、三層軸受けな
ど)、水中軸受け、無菌工場用耐熱軸受け、転がり軸受
け(軌道輪など)、パッキン、コンベアー用ベルト、メ
カニカルシール、プーリー、エアポンプ(ローターな
ど)、リニアコンプレッサー(ピストンなど)、ロック
部品、リフローソルダー部品、溶接用ガイドピン、液体
クロマトグラフ用切り替え弁、原油採掘用ポンプ部品、
パイプフランジ部絶縁材、暖房配管用部品(絶縁ワッシ
ャーなど)、押出機部品(ダイスなど)、カメラボディ
ー、ガス用カロリーメーター部品(ハウジングなど)、
ミシン部品(カムなど)、ライター部品(ハウジングな
ど)、ダイヤルゲージ部品、冷凍機ステーター用絶縁
材、空調機部品(マフラーなど)、ロボット部品、オー
ブン軸受け、ガソリン用フィルターなどが挙げられる。
【0037】その他、シンクロトロン部品、TLD部品
(キャップなど)、アブレーダブルシール、砥石用バイ
ンダー、簡易金型、耐熱ファイバー航空機用機内食器、
スキー板などに使用することが可能である。
【0038】なお、このようにして得られた成形品は、
熱処理によって強度を増加させることができ、弾性率も
多くの場合増加させることができる。この熱処理は、成
形品を不活性雰囲気下(例えば窒素、アルゴン、ヘリウ
ムまたは水蒸気中)、酸素含有雰囲気下(例えば空気
中)または減圧下において、ポリマーの融点以下の温度
で熱処理することによって行うことができる。
【0039】上記の用途の他に、本発明の光学的溶融異
方性を有する全芳香族ポリエステルを成形してなる成形
体は、オーブン用、レンジ用もしくは両者兼用の食器、
または食器加熱器の内部に使用される内装部品に特に好
ましく使用される。このような内装部品としては、例え
ば、三股ステイ、ブラケット、回転テーブル、回転ハ
ブ、トッププレート保護カバー、プラグカバー等が挙げ
られ、これらは上記加熱器内部において、少なくとも使
用時には高温雰囲気下に曝される内部部品である。加熱
の形式は、電子レンジ形式や電気抵抗発熱加熱などのほ
か、さらにガス燃焼加熱などであってもよい。また、本
発明による成形体は、これらの加熱器内で加熱される、
例えば皿型あるいは箱型の食器類などのオーブンウエア
としても用いることができる。以下、上記加熱器内装部
品およびオーブンウエアへの応用について説明する。
【0040】オーブン用、レンジ用または両者兼用の食
器加熱器の内部に使用される内装部品に使用する場合に
は、本発明の光学的溶融異方性を有する全芳香族ポリエ
ステルに、前記一般の成形品の場合と同様に、適宜に各
種の繊維状、粉粒状、板状の無機および有機の充填剤を
配合することができる。繊維状充填剤、粒状充填剤およ
び板状充填剤としては、前記と同様の各種物質が用いら
れる。
【0041】上記の場合、特に好ましい無機充填剤とし
ては、タルク、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカアル
ミナ繊維等が挙げられる。タルクは、加熱時の重量減少
が950℃において約6%以下であり、酸化鉄(Fe2
3)として分析される鉄含有率が1%以下であるものが
好ましい。ガラス繊維としては、樹脂の強化剤として一
般的に用いられるものであり、直径5〜15μm、繊維
長50〜250μmのミルドガラス繊維と称される短繊
維、および繊維長2〜5mmのチョップトガラス繊維と
称される長繊維が適用される。シリカアルミナ繊維とし
ては、シリカとアルミナを主成分とする種々の組成比の
ものが市販されており、一般にセラミックファイバーと
呼ばれている。これらは、シリカあるいはアルミナを主
成分とするシリカ質繊維あるいはアルミナ質繊維を含む
ものである。シリカアルミナ繊維の代表的なものは、高
純度のシリカとアルミナのほぼ等量を電気溶融し、その
細流を高圧の空気で吹き飛ばすことにより繊維化したも
のであり、一般的な平均繊維長は20〜200μmであ
る。ガラスビーズは、無処理で使用してもよいが、本発
明の効果を損なわない範囲で樹脂との親和性を向上させ
るために、アミノシラン、エポキシシランカップリング
剤などで表面処理を行って使用してもよい。
【0042】また、無機充填剤の配合量、有機充填剤の
使用、各種添加剤および他の熱可塑性樹脂の添加などに
ついては、前記一般の成形品の場合と同様に処理を行う
ことができる。さらに、公知の方法、例えば特公平4−
20327号公報に記載の方法によりフッ素樹脂でコー
ティングすることもできる。
【0043】本発明を用いて加熱器内装用部品またはオ
ーブンウエアを得るための配合および成形の手段は特に
限定されない。全芳香族ポリエステルと配合材をヘンシ
ェルミキサー、タンブラー等を用いて混合した後、押出
機を用いて溶融混練してコンパウンドとした後、コンパ
ウンドを公知の方法により射出成形することにより製造
する。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。 <測定方法>本発明における実施例で示されている各物
性値は、以下の方法で測定した。 (融点):DSC装置としてセイコー電子工業(株)製の
SSC−5020を用い、前記の方法により測定する。 (固化開始温度):キャピラリーレオメーターとして
(株)インテスコ製のモデル2010を用い、前記の方法
により測定する。 (耐オーブンブリスター温度):射出成形により成形さ
れた試験片を、高温オーブン内において、窒素雰囲気下
で2時間、所定の温度に保持した後、オーブンの外に出
し、表面のブリスター発生の有無を観察した。温度は5
℃間隔で昇温させ、ブリスター発生が認められた温度を
耐オーブンブリスター温度とする。
【0045】なお、以下の各実施例および比較例により
得られた全芳香族ポリエステルは、いずれも溶融時に光
学的異方性を示した。また、試験片の作製に当たって
は、射出成形機(住友重機械工業(株)製、SG−25
型)を使用し、常法に従い射出成形を行った。
【0046】<実施例1>錨型撹拌翼を有し、重合槽の
槽壁と撹拌翼とのクリアランスの小さい重合槽に、4,
4'−ジアセトキシビフェニル1,086.5g(4.02
モル)およびテレフタル酸584.8g(3.52モル)
を仕込み、真空乾燥の後、酢酸960gを加え、室温か
ら170℃まで1℃/分の速度で昇温した後、あらかじ
め真空乾燥したp−アセトキシ安息香酸1,441.28
g(8.00モル)および2,6−ナフタレンジカルボン
酸103.8g(0.48モル)を添加した。その後、酢
酸を留去しながら温度を280℃まで1℃/分の速度で
昇温し45分保持した。次いで、300℃まで1℃/分
の速度で昇温して30分保持し、さらに320℃まで1
℃/分の速度で昇温して20分保持した後、得られた重
合体を抜き出し口より取り出した。取り出した重合体を
粉砕機により粉砕し、窒素雰囲気下に、280℃で2時
間、300℃で2時間、さらに320℃で5時間熱処理
を行った。熱処理後の重合体60重量部とミルドガラス
ファイバー40重量部とを混合し、試験片を射出成形し
たところ、405℃で安定に成形することができた。得
られたポリマーのTm、Tη、射出成形時の射出圧およ
び耐オーブンブリスター温度等を表1に示す。
【0047】<実施例2>実施例1と同様の装置を用
い、4,4'−ジアセトキシビフェニル1,086.5g
(4.02モル)、テレフタル酸584.8g(3.52
モル)を仕込み、真空乾燥の後、酢酸960gを加えて
室温から170℃まで1℃/分の速度で昇温した後、あ
らかじめ真空乾燥したp−アセトキシ安息香酸1,44
1.28g(8.00モル)および4,4'−ジカルボキシ
ジフェニルエーテル124.0g(0.48モル)を添加
した。その後、実施例1と同様の方法で溶融重合を行
い、重合体を抜き出し口より取り出した。取り出した重
合体を粉砕機により粉砕し、窒素雰囲気下に、280℃
で2時間、300℃で2時間、さらに320℃で7時間
熱処理を行った。熱処理後の重合体60重量部とミルド
ガラスファイバー40重量部とを混合し、試験片を射出
成形したところ、415℃で安定に成形することができ
た。得られたポリマーのTm、Tη、射出成形時の射出
圧および耐オーブンブリスター温度等を表1に示す。
【0048】<実施例3>実施例1と同様の装置を用
い、4,4'−ジアセトキシビフェニル1,086.5g
(4.02モル)およびテレフタル酸584.8g(3.
52モル)を仕込み、真空乾燥の後、酢酸960gを加
え、室温から170℃まで1℃/分の速度で昇温した
後、あらかじめ真空乾燥したp−パラアセトキシ安息香
酸1,441.28g(8.00モル)および2,2−ビス
(4−カルボキシフェニル)プロパン136.4g(0.4
8モル)を添加した。その後、実施例1と同様の方法で
溶融重合を行い、重合体を抜き出し口より取り出した。
取り出した重合体を粉砕機により粉砕し、窒素雰囲気下
に、280℃で2時間、300℃で2時間、さらに32
0℃で6時間熱処理を行った。熱処理後の重合体60重
量部とミルドガラスファイバー40重量部とを混合し、
試験片を射出成形したところ、415℃で安定に成形す
ることができた。得られたポリマーのTm、Tη、射出
成形時の射出圧および耐オーブンブリスター温度等を表
1に示す。
【0049】<実施例4>実施例1と同様の装置を用
い、4,4'−ジアセトキシビフェニル956.8g(3.
54モル)およびテレフタル酸664.5g(4.00モ
ル)を仕込み、真空乾燥の後、酢酸960gを加え、室
温から170℃まで1℃/分の速度で昇温した後、あら
かじめ真空乾燥したp−アセトキシ安息香酸1,441.
28g(8.00モル)および2,6−ジアセトキシナフ
タレン117.4g(0.48モル)を添加した。その
後、実施例1と同様の方法で溶融重合を行い、重合体を
抜き出し口より取り出した。取り出した重合体を粉砕機
により粉砕し、窒素雰囲気下に、280℃で2時間、3
00℃で2時間、さらに320℃で4時間熱処理を行っ
た。熱処理後の重合体60重量部とミルドガラスファイ
バー40重量部とを混合し、試験片を射出成形したとこ
ろ、400℃で安定に成形することができた。得られた
ポリマーのTm、Tη、射出成形時の射出圧および耐オ
ーブンブリスター温度等を表1に示す。
【0050】<比較例1>実施例1と同様の装置を用
い、p−ヒドロキシ安息香酸1,105.4g(8.00
モル)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル748.6g
(4.02モル)およびテレフタル酸664.5g(4.
00モル)を仕込み、真空乾燥の後、無水酢酸1,72
0.3gを加え、150℃で3時間、無水酢酸還流下に
アセチル化反応を行った。その後昇温し、酢酸を留去し
ながら温度を280℃まで1℃/分の速度で昇温し45
分保持した。次いで、300℃まで1℃/分の速度で昇
温して45分保持し、さらに320℃まで1℃/分の速
度で昇温して20分間保持した後、得られた重合体を抜
き出し口より取り出した。取り出した重合体を粉砕機に
より粉砕し、窒素雰囲気下に、280℃で2時間、30
0℃で2時間、さらに340℃で5時間熱処理を行っ
た。熱処理後の重合体60重量部とミルドガラスファイ
バー40重量部とを混合し、試験片を射出成形したとこ
ろ、430℃で成形することができた。得られたポリマ
ーのTm、Tη、射出成形時の射出圧および耐オーブン
ブリスター温度等を表1に示す。
【0051】<比較例2>実施例1と同様の装置を用
い、p−ヒドロキシ安息香酸1,105.4g(8.00
モル)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル659.2g
(3.54モル)、テレフタル酸664.5g(4.00
モル)および4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル
97.1g(0.48モル)を仕込み、真空乾燥の後、無
水酢酸1,720.3gを加えて比較例1と同様の操作に
より溶融重合を行い、重合体を抜き出し口より取り出し
た。取り出した重合体を粉砕機により粉砕し、窒素雰囲
気下に、280℃で2時間、300℃で2時間、さらに
320℃で7時間熱処理を行った。熱処理後の重合体6
0重量部とミルドガラスファイバー40重量部とを混合
し、試験片を射出成形したところ、425℃で成形する
ことができた。得られたポリマーのTm、Tη、射出成
形時の射出圧および耐オーブンブリスター温度等を表1
に示す。
【0052】<比較例3>実施例1と同様の装置を用
い、p−ヒドロキシ安息香酸1,105.4g(8.00
モル)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル659.2g
(3.54モル)、テレフタル酸664.5g(4.00
モル)およびヒドロキノン52.8g(0.48モル)を
仕込み、真空乾燥の後、無水酢酸1,720.3gを加え
て、比較例1と同様の操作により溶融重合を行い、重合
体を抜き出し口より取り出した。取り出した重合体を粉
砕機により粉砕し、窒素雰囲気下に、280℃で2時
間、300℃で2時間、さらに320℃で7時間熱処理
を行った。熱処理後の重合体60重量部とミルドガラス
ファイバー40重量部とを混合し、試験片を射出成形し
たところ、435℃で成形することができた。得られた
ポリマーのTm、Tη、射出成形時の射出圧および耐オ
ーブンブリスター温度等を表1に示す。
【0053】<比較例4>実施例1と同様の装置を用
い、p−ヒドロキシ安息香酸1,105.4g (8.
00モル)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル748.
6g(4.02モル)、テレフタル酸584.8g(3.
52モル)および1,4−ナフタレンジカルボン酸10
3.8g(0.48モル)を仕込み、真空乾燥の後、無水
酢酸1,720.3gを加えて、比較例1と同様の操作に
より溶融重合を行い、重合体を抜き出し口より取り出し
た。取り出した重合体を粉砕機により粉砕し、窒素雰囲
気下に、280℃で2時間、300℃で2時間、さらに
320℃で4時間熱処理を行った。熱処理後の重合体6
0重量部とミルドガラスファイバー40重量部とを混合
し、試験片を射出成形したところ、420℃で成形する
ことができた。得られたポリマーのTm、Tη、射出成
形時の射出圧および耐オーブンブリスター温度等を表1
に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1の結果によれば、本発明の特長として
Tm−Tηの値が10〜50℃の範囲にある全芳香族ポ
リエステルは、射出成形時の成形圧力が低く、また成形
品の耐オーブンブリスター温度が飛躍的に上昇してい
る。すなわち、本発明の全芳香族ポリエステルは、成形
加工性および耐オーブンブリスター性が共に優れている
ことがわかる。
【0056】
【発明の効果】本発明の全芳香族ポリエステルは成形性
が良好であり、さらに、耐オーブンブリスター性が飛躍
的に向上している。従って、本発明の光学的溶融異方性
を有する全芳香族ポリエステルは、オーブン用、レンジ
用もしくは両者兼用の食器、またはその加熱器の内部に
使用される内装部品等の成形体に特に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1の(1)式から(3)式 【化1】 で表される繰返構成単位からなる、光学的溶融異方性を
    有する全芳香族ポリエステルであって、DSCにより測
    定した融点(Tm、℃)とキャピラリーレオメーターに
    より測定した固化開始温度(Tη、℃)との差(Tm−
    Tη)が10〜50℃の範囲にあることを特徴とする全
    芳香族ポリエステル、ただし、上記のp、qおよびr
    は、全芳香族ポリエステル中の各構成単位の含有割合
    (モル%)を示し、10≦p≦90の関係を満足し、か
    つqとrは実質的に等しい。上式中のArは化2の
    (1)式または(2)式に示す構造を有し、 【化2】 XおよびYは炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、
    −SO2−、−CO−または−C(CH3)2−であり、
    s、t、uおよびvは0または1の整数である。また、
    各式中のベンゼン環の置換基は互いにパラまたはメタの
    位置にある。
  2. 【請求項2】 前記Tmが290℃〜440℃範囲にあ
    る請求項1に記載の全芳香族ポリエステル。
  3. 【請求項3】 前記Tηが240〜430℃の範囲にあ
    る請求項1に記載の全芳香族ポリエステル。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の光学的溶融異方性を有
    する全芳香族ポリエステルと、組成物全体に対して95
    重量%以下の無機充填剤とからなることを特徴とする全
    芳香族ポリエステル樹脂組成物。
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