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JP3405125B2 - オレフィン類のエポキシ化物の製造方法 - Google Patents

オレフィン類のエポキシ化物の製造方法

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Publication number
JP3405125B2
JP3405125B2 JP15487397A JP15487397A JP3405125B2 JP 3405125 B2 JP3405125 B2 JP 3405125B2 JP 15487397 A JP15487397 A JP 15487397A JP 15487397 A JP15487397 A JP 15487397A JP 3405125 B2 JP3405125 B2 JP 3405125B2
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Japan
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hydrogen peroxide
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platinum group
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JP15487397A
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文郷 後藤
諭 柴田
浩三 田中
俊夫 佐々木
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオレフィン類のエポ
キシ化物を製造する方法に関する。さらに詳しくは、本
発明はアルコール性媒体中で、オレフィン類を過酸化水
素と反応させることによりオレフィン類のエポキシ化物
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン類のエポキシ化物、中でもプ
ロピレンオキシドは、プロピレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールなどの原料として、重要な工業製品の
一つである。一般的なプロピレンオキシドの工業的製造
法には、クロルヒドリン法、ハルコン法、過酢酸法など
が知られている。しかしこれらの方法は、大量の副生成
物を併産するため、併産品の市場確保が必要になるとい
う問題点があった。
【0003】これに対し、チタン化合物の存在下に過酸
化水素を用いる方法は、大量の副生成物を併産しない点
が有利である(例えば、特公平4−5028号公報、米
国特許5354875号明細書等)。例えば特公平4−
5028号公報では、アルコール性媒体中で触媒に結晶
性チタノシリケートを用いることにより、過酸化水素を
酸化剤としてオレフィンを高収率、高選択率でエポキシ
化できるとしているが、水性媒体の過酸化水素を用いて
いるという問題点があった。
【0004】原料の過酸化水素の媒体が水性媒体の場
合、エポキシ化物製造過程で効率的な媒体であるアルコ
ール等の有機溶媒で、これを希釈して用いる必要があ
る。例えば、30wt%の過酸化水素水溶液をメタノー
ルで希釈して、メタノールを主溶媒とする5wt%過酸
化水素溶液としてエポキシ化物製造過程に用いることな
どが考えられる。そのため、エポキシ化物製造過程に使
われる過酸化水素の濃度をある程度の濃度で確保するた
めには、それよりもさらに高濃度の過酸化水素水溶液を
あらかじめ製造しておく必要があった。
【0005】高濃度の過酸化水素水溶液は濃縮工程が必
要なためプロセスが複雑化してしまい、高価なものとな
る。また、高濃度であることによる危険性を伴うこと、
アルコールで希釈する工程を必要とすること、さらには
水を多く含んでしまうためエポキシ化物製造過程でグリ
コールなどの副生成物が多くなるなど、多くの問題点を
有する。
【0006】ところで、現在最も一般的な過酸化水素の
工業的製造法は、アルキルアントラキノンを用いる自動
酸化法によっている。しかしこの方法の問題点として、
アルキルアントラキノンの還元、酸化や生成過酸化水素
の抽出分離、精製、濃縮等多くの工程が必要であり、プ
ロセスが複雑になるという点があげられる。またアルキ
ルアントラキノンの損失や還元触媒の劣化なども問題と
なっている。
【0007】これらの問題点を解決するためにこれま
で、白金族金属存在下に水性媒体中で水素と酸素を接触
させ、過酸化水素を直接合成する方法が提案されている
(特公昭55−18646号公報、特公平1−2340
1号公報、特開昭63−156005号公報等)。例え
ば特開昭63−156005号公報においては支持体に
担持した白金族金属の存在下、酸およびハロゲン化物イ
オンを含有する水性媒体中で水素と酸素からある程度高
い濃度の過酸化水素水溶液を製造できるとしている。し
かしこれらはいずれも水性媒体中で過酸化水素を製造す
るものであり、オレフィンのエポキシ化の原料とするに
は有機溶媒で希釈する必要から、より高濃度の過酸化水
素を製造しておかなければならなかった。
【0008】さらにこれらの方法では、できるだけ高濃
度の過酸化水素水溶液を得るためには、高圧条件下で反
応を行う必要があった。高圧条件下での過酸化水素の製
造は、各種設備の建設費が高価になり工業的に不利にな
る。さらに水素と酸素という爆発反応しやすい組み合わ
せを反応させることを考慮に入れると、高圧条件は安全
上も好ましくない。低圧条件下でも効率的に過酸化水素
を製造でき、さらにそれを有効にオレフィンのエポキシ
化物の製造に用いる方法を確立することが重要となる。
【0009】特開昭57―92506号公報には反応媒
体としてアルコール、ケトン、エーテル、エステル、ア
ミドなどを用いることができるが、特にメタノールが優
れている点が記載されている。しかしながら、ある程度
効率的に過酸化水素溶液を得るためには、生成する過酸
化水素の分解を抑えるため、反応媒体中にホルムアルデ
ヒドを共存させる必要があった。したがって、これを加
えるための工程、及び取り除くための精製工程が必要と
なり、プロセスが複雑になるとともに、ホルムアルデヒ
ドは触媒活性を抑制することも考えられるという問題点
があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題、即ち本発明の目的は、高濃度の過酸化水素水
溶液を必要とせずに、大量の副生成物を併産することな
く、高選択率でオレフィン類のエポキシ化物を製造する
方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の状
況に鑑み鋭意研究を続け、本発明を完成させるにいたっ
た。即ち本発明は、アルコール性媒体中で水素と酸素を
接触的に反応させて過酸化水素のアルコール性媒体溶液
を製造し、次のステップにおいて該溶液を用いて、酸化
触媒存在下にオレフィン類を酸化するオレフィン類のエ
ポキシ化物の製造方法にかかるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 (1)過酸化水素の製造 本発明においては過酸化水素の製造時の反応媒体に、ア
ルコール性媒体を使用する。本発明でいうアルコール性
媒体とはアルコールまたはアルコールを主成分とする混
合液を指し、アルコールを主成分とする混合液の場合の
その他の成分としては、ケトン、エーテル、エステル、
アミド、水などが挙げられる。アルコール性媒体として
より好ましくは、アルコール単一媒体が使用される。ア
ルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、ブタノール、エチレングリコールなどが用いら
れるが、好ましくはメタノール、エタノールであり、さ
らに好ましくはメタノールである。
【0013】本発明において、過酸化水素を水素と酸素
を接触的に反応させて製造する際には、白金族金属もし
くは白金族金属の化合物の存在下に反応を実施するのが
好ましい。
【0014】好ましくは、本発明の過酸化水素は、白金
族金属のハロゲン化合物の存在下にアルコール性媒体中
で水素と酸素を接触的に反応させて製造したものを使用
する。このものであれば、高濃度の過酸化水素水溶液を
必要とせずに、さらには、酸や、解離してハロゲン化物
イオンを生成する化合物や、ホルムアルデヒドなどを添
加せずに、オレフィン類のエポキシ化物製造用試剤とし
て好適な過酸化水素を製造し得るので好ましい。
【0015】ここで、白金族金属のハロゲン化合物にお
ける白金族金属としては、ロジウム、イリジウム、白
金、パラジウムなどが挙げられる。好ましくは白金もし
くはパラジウムであり、さらに好ましくはパラジウムが
使用される。またハロゲン化合物としては、フッ素化合
物、塩素化合物、臭素化合物、ヨウ素化合物が用いられ
るが、好ましくは塩素化合物もしくは臭素化合物が用い
られる。かかる白金族金属のハロゲン化合物の具体例と
しては、塩化ロジウム、臭化ロジウム、塩化イリジウ
ム、臭化イリジウム、塩化白金、臭化白金、フッ化パラ
ジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラ
ジウム、ジクロロジアンミンパラジウム等が挙げられ
る。特に好ましくは塩化パラジウムもしくは臭化パラジ
ウムである。
【0016】反応は連続式、バッチ式のどちらも可能
で、反応装置は懸濁床式や固定床式等を用いることがで
きる。白金族金属のハロゲン化合物の使用量は特に制限
はないが、懸濁床式の場合には、通常、反応媒体100
mlに対して1mg以上10g以下、好ましくは10m
g以上10g以下で実施される。白金族金属のハロゲン
化合物の形態は微粉状、ペレット等任意のものでよい
が、微粉状のものが好ましく、その表面積が0.01〜
10000m2/gのものがより好ましく使用される。
白金族金属のハロゲン化合物はそのまま用いることも、
適当な担体に担持して用いることも可能である。一般に
は担持した方が金属重量あたりの過酸化水素収量は大き
い。
【0017】担体としては、例えば、アルミナ、シリ
カ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、セリア、ゼオ
ライト、グラファイト、活性炭、シリカゲル、含水珪
酸、炭化珪素等が挙げられ、アルミナ、シリカ、チタニ
ア、ゼオライト、グラファイトもしくは活性炭が好まし
く用いられる。担体に担持する方法としては、例えば、
白金族金属のハロゲン化合物の溶液に担体を懸濁させ、
蒸発乾固する方法など、担持できれば特に制限はない。
【0018】本発明の過酸化水素としては、白金族金属
の存在下に酸および、アルカリ金属もしくはアルカリ土
類金属のハロゲン化物を含有するアルコール性媒体中で
水素と酸素を接触的に反応させて製造したものも、高濃
度の過酸化水素水溶液を必要とせずに、さらには、ホル
ムアルデヒドなどの添加剤を添加せずに、オレフィン類
のエポキシ化物製造用試剤として好適な過酸化水素を製
造し得るので、好ましい。
【0019】ここで、白金族金属の具体例としては、ロ
ジウム、イリジウム、白金、パラジウムなどが挙げら
れ、好ましくはパラジウムである。白金族金属はそのま
ま用いても、活性炭などの各種担体に担持して用いても
よい。かかる担持白金族金属は、各種のものが市販され
ている。
【0020】白金族金属の形態は微粉状、ペレット等任
意のものでよく、反応は連続式、バッチ式のどちらも可
能で、反応装置は懸濁床式や固定床式等を用いることが
できる。これらはいずれも特に限定されるものではな
い。白金族金属の使用量は特に制限はないが、懸濁床式
の場合には、通常、反応媒体100mlに対して1mg
以上10g以下、好ましくは10mg以上10g以下で
実施される。
【0021】また、ここでいう酸としては硫酸、塩酸、
りん酸などを用いることができる。またこれらの酸を混
合して用いることも可能である。酸濃度は0.001〜
1Nで通常実施されるが、好ましくは0.01〜1Nで
ある。
【0022】アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の
ハロゲン化物の具体例としては、例えばフッ化ナトリウ
ム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウ
ム、塩化カリウム、臭化カリウム、塩化マグネシウム、
臭化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウムな
どが挙げられる。好ましくはアルカリ金属の塩化物、臭
化物もしくはヨウ化物が用いられるが、さらに好ましく
はアルカリ金属の塩化物もしくは臭化物である。最も好
ましくはアルカリ金属の臭素化物である。アルカリ金属
もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物の使用量は、
通常1×10-6〜1×10-3Nであり、好ましくは1×
10-5〜1×10-3Nで実施される。
【0023】このような白金族金属の存在下に酸および
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物
を含有するアルコール性媒体中で水素と酸素を接触的に
反応させて製造した過酸化水素は、次のオレフィン類の
エポキシ化物製造工程で使用する前に、塩基で中和処理
を施した方が、エポキシ化物の選択率が高くなるので好
ましい。かかる塩基としては、アルカリ金属もしくはア
ルカリ土類金属の水酸化物溶液が好ましく、具体例とし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カル
シウム、水酸化ルビジウムなどであり、より好ましくは
アルカリ金属の水酸化物が用いられる。これら塩基は通
常、水溶液やアルコール溶液で用いられ、中和処理後の
過酸化水素濃度を著しく下げることの無いよう、高濃度
例えば1〜20Nの溶液が好ましい。塩基の量としては
当量点に近いほど好ましい。
【0024】本発明で過酸化水素を製造する反応におい
ては通常、酸素と水素の分圧比は1対50から50対1
の範囲で実施することができる。不活性ガスで希釈して
反応を行うことも、酸素の代わりに空気を用いて反応を
行うことも可能である。安全上、爆発範囲外で反応を行
うことが好ましい。反応温度は5℃〜60℃、好ましく
は10℃〜50℃の範囲で一般に実施される。また反応
圧力は特に制限はないが、大気圧〜150kg/cm2
・G、特に5〜50kg/cm2・Gの範囲で実施され
る。
【0025】本発明においては、このようにして得られ
た過酸化水素のアルコール性媒体溶液を次のステップで
あるオレフィン類のエポキシ化物製造工程に用いるが、
通常、反応媒体中の固体成分を除去してから、次のステ
ップに用いられる。固体成分を除去する方法には特に制
限はなく、デカンテーションやろ過など、適当な方法で
行えばよい。
【0026】(2)オレフィン類のエポキシ化 本発明でプロピレンオキシド合成に使用する触媒は、M
oO3、V25、WO3、チタノシリケートの他、SiO
2などの担体に担持したTiO2などを用いることができ
るが、好ましくはチタノシリケートである。ここで言う
チタノシリケートとは、ゼオライト構造を持つ結晶性S
iO2の、結晶格子を形成するケイ素の一部をチタンで
置換することにより得られるものである。本発明はチタ
ノシリケートの合成法に特に限定されるものではない
が、合成例として例えば特開昭56−96720号公報
等が挙げられる。チタノシリケートにおけるSi/Ti
の原子比は10〜1000のものが用いられる。
【0027】本発明においては、酸化触媒の使用量は特
に制限はなく、懸濁床式の場合には、通常、反応媒体1
00mlに対して1mg以上10g以下の範囲で使用さ
れる。触媒の形態は微粉状、ペレット等任意のものでよ
く、反応は連続式、バッチ式のどちらも可能で、反応装
置は懸濁床式や固定床式等を用いることができる。これ
らはいずれも特に限定されるものではない。
【0028】本発明の方法によりエポキシ化されるオレ
フィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、塩
化アリル、2―ブテン、1―オクテン、1―トリデセ
ン、酸化メシチル、イソプレン、シクロオクテン、およ
びシクロヘキセンである。好ましくは、エチレン、プロ
ピレンであり、さらに好ましくはプロピレンである。
【0029】反応温度は5℃〜150℃、好ましくは3
0℃〜100℃の範囲で一般に実施されるが、媒体の沸
点以上の高温で反応を行うときは加圧下で行う必要があ
る。また、ガス状のオレフィンを使用する場合には、反
応圧力は特に制限はないが、大気圧〜100kg/cm
2・G、特に3〜30kg/cm2・Gの範囲で実施され
る。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0031】実施例における過酸化水素濃度は、ヨウ素
滴定法により求めた。滴定には、京都電子工業株式会社
製電位差自動測定装置AT−310を使用した。
【0032】エポキシ化反応生成物の定量は、ガスクロ
マトグラフを用い、プロピレンオキシドの選択率は以下
の式から算出した。 (プロピレンオキシドの選択率%)=(生成したプロピ
レンオキシドのモル数)÷(消費された過酸化水素のモ
ル数)×100
【0033】過酸化水素の転化率は以下の式から算出し
た。 (過酸化水素の転化率)=(消費された過酸化水素のモ
ル数)÷(反応前の過酸化水素のモル数)×100
【0034】また比表面積はマイクロメリティックス社
製フローソーブII2300形を用いて測定した。
【0035】実施例1 (1)過酸化水素の製造 PdBr2(ナカライテスク株式会社製:比表面積0.
4m2/g)30mgとメタノール120mlを仕込ん
だ内容積300mlのガラス製内筒を、内容積400m
lのオートクレーブに装着した。ガス吹き込み管により
水素ガスを80ml/min、酸素ガスを800ml/
minで各々流入した。気相部に窒素ガスを2500m
l/minで導入し、オートクレーブ内圧が9kg/c
2・Gになるように圧力を保持し、反応器は外部冷却
より20℃に保った。反応開始から2時間後の反応液中
の過酸化水素濃度は0.15wt%であった。
【0036】(2)プロピレンオキシドの製造 (1)で得られた過酸化水素メタノール溶液を48gと
チタノシリケート(エヌ・イー・ケムキャット株式会社
製:Si/Ti原子比50)200mgを内容積125
mlのオートクレーブに仕込み、プロピレンガスを4k
g/cm2・Gになるように圧入した。反応温度40℃
で1時間撹拌した後の過酸化水素の転化率は99%であ
り、プロピレンオキシドの選択率は70%であった。
【0037】実施例2 (1)過酸化水素の製造 Pd粉末(田中貴金属インターナショナル製:比表面積
10.8m2/g)30mgと、0.0012N−Na
Brメタノール溶液5mlと1.2N−H2SO4メタノ
ール溶液5mlとメタノール110mlの混合メタノー
ル溶液を仕込んだ内容積300mlのガラス製内筒を、
内容積400mlのオートクレーブに装着した。ガス吹
き込み管により水素ガスを80ml/min、酸素ガス
を800ml/minで各々流入した。安全のため、気
相部に窒素ガスを2500ml/minで導入、希釈し
た。オートクレーブ内圧が9kg/cm2・Gになるよ
うに圧力を保持し、反応器は外部冷却より20℃に保っ
た。反応開始から2時間後の反応液中の過酸化水素濃度
は0.35wt%であった。
【0038】(2)プロピレンオキシドの製造 (1)で得られた過酸化水素メタノール溶液に2N−N
aOH水溶液を3.1ml入れて攪拌した溶液を48g
取り、チタノシリケート(エヌ・イー・ケムキャット株
式会社製:Si/Ti原子比50)200mgとともに
内容積125mlのオートクレーブに仕込み、プロピレ
ンガスを4kg/cm2・Gになるように圧入した。反
応温度40℃で1時間攪拌した後の過酸化水素の転化率
は65%であり、プロピレンオキシドの選択率は95%
であった。
【0039】実施例3 実施例2(1)と同じ条件で行って得られた過酸化水素
メタノール溶液に2N−NaOH水溶液を2.5ml入
れて攪拌した溶液を用いて、実施例2(2)と同じ条件
で反応を行った。反応開始から1時間後の過酸化水素の
転化率は98%であり、プロピレンオキシドの選択率は
27%であった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、高濃度の過酸化水素水
溶液を必要とせずに、濃縮の必要のない安価な低濃度過
酸化水素を有効に活用でき、高選択率でエポキシ化が進
行する。その結果、大量の副生成物を併産することな
く、安価にオレフィン類のエポキシ化物、例えばプロピ
レンオキシドを製造することが可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 佐々木 俊夫 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−92506(JP,A) 特表2000−506060(JP,A) 独国特許出願公開4425672(DE,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 301/12 C07D 303/04

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルコール性媒体中で水素と酸素を接触的
    に反応させて過酸化水素のアルコール性媒体溶液を製造
    し、次のステップにおいて該溶液を用いて、酸化触媒存
    在下にオレフィン類を酸化することを特徴とするオレフ
    ィン類のエポキシ化物の製造方法。
  2. 【請求項2】酸化触媒が、チタノシリケートであること
    を特徴とする請求項1に記載のオレフィン類のエポキシ
    化物の製造方法。
  3. 【請求項3】オレフィン類が、プロピレンであることを
    特徴とする請求項1または2記載のオレフィン類のエポ
    キシ化物の製造方法。
  4. 【請求項4】過酸化水素のアルコール性媒体溶液が、白
    金族金属もしくは白金族金属の化合物の存在下にアルコ
    ール性媒体中で水素と酸素を接触的に反応させて製造し
    た過酸化水素のアルコール性媒体溶液であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン類の
    エポキシ化物の製造方法。
  5. 【請求項5】過酸化水素のアルコール性媒体溶液が、白
    金族金属のハロゲン化合物の存在下にアルコール性媒体
    中で水素と酸素を接触的に反応させて製造した過酸化水
    素のアルコール性媒体溶液であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載のオレフィン類のエポキシ化
    物の製造方法。
  6. 【請求項6】白金族金属のハロゲン化合物が、担体に担
    持されていることを特徴とする請求項5記載のオレフィ
    ン類のエポキシ化物の製造方法。
  7. 【請求項7】白金族金属のハロゲン化合物が、パラジウ
    ムもしくは白金のハロゲン化合物であることを特徴とす
    る請求項5または6記載のオレフィン類のエポキシ化物
    の製造方法。
  8. 【請求項8】白金族金属のハロゲン化合物が、塩化パラ
    ジウムまたは臭化パラジウムであることを特徴とする請
    求項5または6記載のオレフィン類のエポキシ化物の製
    造方法。
  9. 【請求項9】過酸化水素のアルコール性媒体溶液が、白
    金族金属の存在下に酸および、アルカリ金属もしくはア
    ルカリ土類金属のハロゲン化物を含有するアルコール性
    媒体中で水素と酸素を接触的に反応させて製造した過酸
    化水素のアルコール性媒体溶液であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン類のエポキ
    シ化物の製造方法。
  10. 【請求項10】過酸化水素のアルコール性媒体溶液が、
    白金族金属の存在下に酸および、アルカリ金属もしくは
    アルカリ土類金属のハロゲン化物を含有するアルコール
    性媒体中で水素と酸素を接触的に反応させて製造した過
    酸化水素のアルコール性媒体溶液に、塩基で中和処理を
    施した溶液であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のオレフィン類のエポキシ化物の製造方法。
  11. 【請求項11】白金族金属が、担体に担持されているこ
    とを特徴とする請求項9または10に記載のオレフィン
    類のエポキシ化物の製造方法。
  12. 【請求項12】白金族金属が、パラジウムであることを
    特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のオレフィ
    ン類のエポキシ化物の製造方法。
  13. 【請求項13】塩基が、アルカリ金属もしくはアルカリ
    土類金属の水酸化物溶液であることを特徴とする請求項
    10〜12のいずれかに記載のオレフィン類のエポキシ
    化物の製造方法。
  14. 【請求項14】アルコール性媒体が、メタノールである
    ことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のオ
    レフィン類のエポキシ化物の製造方法。
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