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JP3404769B2 - 有機膜の製造方法 - Google Patents

有機膜の製造方法

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JP3404769B2
JP3404769B2 JP26449992A JP26449992A JP3404769B2 JP 3404769 B2 JP3404769 B2 JP 3404769B2 JP 26449992 A JP26449992 A JP 26449992A JP 26449992 A JP26449992 A JP 26449992A JP 3404769 B2 JP3404769 B2 JP 3404769B2
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Japan
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organic
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和廣 西山
規央 美濃
小川  一文
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Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
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Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D1/00Processes for applying liquids or other fluent materials
    • B05D1/18Processes for applying liquids or other fluent materials performed by dipping
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    • B82Y40/00Manufacture or treatment of nanostructures

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  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機膜の形成方法に係
り、より簡単な工程で、広範囲の有機化合物による有機
単分子膜、有機累積膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の有機膜形成方法としては一般にラ
ングミュア・ブロジェット法や、化学吸着法が知られて
いる。
【0003】以下に従来の有機膜形成方法について説明
する。ラングミュア・ブロジェット法による有機膜の形
成方法は、例えば図1に示すようなラングミュア・ブロ
ジェット膜作製装置を用い、角型水槽1内に再蒸留水4
をいれ両親媒性の有機分子を溶媒に溶かした溶液を滴下
し、再蒸留水4上に基体膜を形成する。この基体膜をお
もり3を具したバリアー2によって圧力を加え再蒸留水
4上に凝縮膜を形成させ、清浄化した基体5を基体上下
動腕6を用いて浸漬引き上げを行い、単分子層を基体5
上に形成する。この工程を繰り返すと累積膜が形成され
る。
【0004】基体膜では疎水部7と親水部8を有する両
親媒性の分子9が図2のような状態をとっているが、こ
れをバリアー2により圧力を加えると両親媒性分子9同
士が図3に示すように凝縮し凝縮膜を得る。
【0005】また、積層膜は、図4及び図5に示すよう
に基体5を上下に移動させることにより形成させ、図6
に示すように両親媒性の分子9が積層し積層膜を得る。
【0006】従来の化学吸着法による有機膜の形成は、
表面に例えば-OH基を有する基体に、末端にクロロシリ
ル基を有する有機化合物を溶解した溶液に浸漬し、その
後、その基体を取り出し溶媒で洗浄し、水で処理するこ
とにより基体上に単分子膜を形成する方法である。ま
た、この化学吸着での累積方法は両末端にクロロシリル
基を有する有機化合物を同様に浸漬、洗浄することを繰
り返すことによる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の方法であるラングミュア・ブロジェット法では基体
の形状が平らなものに限定されること、不純物の混入を
防ぐ製膜環境の制御が必要であること、操作が複雑であ
ること、吸着分子が両親媒性分子に限られることなどの
課題を有していた。
【0008】また従来の化学吸着膜法では吸着剤である
有機化合物として、末端にクロロシリル基を有する有機
化合物を用いていたが、このような末端にクロロシリル
基を有する有機化合物は種類が少なく、形成できる有機
膜の種類が非常に限定されていた。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、簡単な工程で、非常に広範囲な有機化合物について
の有機膜形成法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の有機膜の製造方法は、親電子性を有する金属
化合物の溶液に、表面に活性水素原子を有する基体を浸
漬した後、この基体を非水系溶媒で洗浄し、基体上に金
属化合物の単分子膜を形成する工程と、活性水素原子を
有する有機化合物、有機化合物の酸無水物の溶液にこの
金属化合物の単分子膜を有する基体を浸漬し、金属化合
物の単分子膜上に有機単分子膜を形成する工程とを含む
ことを特徴としている。
【0011】
【作用】この有機膜の製造方法は、吸着分子を溶かした
溶液に基体を浸漬させ基体表面と吸着分子の化学反応に
より単分子膜を形成するものであるため、非常に操作が
簡単で埃などの不純物が混入する可能性はほとんどな
い。また、吸着分子が活性水素原子を有している基体と
接触しさえすればこの有機膜は形成可能なため、基体の
形状にはほとんど制限がない。さらに、従来の化学吸着
法では基板の活性水素原子と吸着剤のハロシリル基との
反応で膜形成をしていたが、本発明はまず、親電子性を
有する金属化合物を基体表面に吸着させ、それから、有
機化合物を吸着させるため吸着可能な分子がハロシラン
にかぎられず、活性水素原子を有する有機化合物、また
は有機化合物の酸無水物であれば吸着可能である。
【0012】
【実施例】本発明に適用できる基体としては、表面に活
性水素原子を有するものなら有機膜の形成は可能であ
り、例えば、ガラス、酸化アルミニウム、酸化ケイソ、
酸化クロム、ステンレス、雲母、シリコン、ポリウレタ
ン、ポリアミド等、-NH 2 基、-OH基、-SH基を有するセ
ラミックス、金属、金属酸化物、繊維、樹脂などにも膜
形成が可能である。
【0013】本願明細書では、親電子性を有する金属化
合物とは、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、
ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、サマリウム(Sm)の
ハロゲン化物、水酸化物、もしくはアルコキシ化物とす
る。これらの化合物の溶液に基体を浸漬することによ
り、金属原子の強い親電子性により基体上の酸素原子が
金属原子を攻撃し、ハロゲン化物では脱ハロゲン反応、
水酸化物では脱水反応、アルコキシ化合物では脱アルコ
キシ反応等が起こり、基体上に金属元素が結合する。
【0014】次にこの基体を非水系の溶媒で洗浄するこ
とにより未反応の金属化合物が取り除かれ、図7に示す
ように基体10の表面に金属化合物の単分子層18が形
成される。この単分子層は金属元素14が基板と結合し
ていると同時に置換基11、12、13を有した膜とな
っている。
【0015】さらにこの金属の単分子層18の形成され
た基体を、例えばカルボン酸、有機リン酸、スルホン
酸、アルコール、アルデヒド、チオール、アミン等の活
性水素原子を有する有機化合物、もしくは、例えばカル
ボン酸無水物、有機リン酸無水物、スルホン酸無水物等
の有機化合物の酸無水物の溶液に浸漬させると、これら
の有機化合物の酸素原子と、基体上に形成された金属原
子との強い相互作用により、これらの有機化合物が基体
上の金属元素と結合し、図8に示すように基体上に有機
単分子膜15が形成される。ここで用いる有機化合物は
カルボン酸、有機リン酸、スルホン酸、カルボン酸無水
物、有機リン酸無水物、スルホン酸無水物が、反応性が
高く、吸着後も安定なため好ましい。
【0016】ここで活性水素原子を有する有機化合物、
として上記のような一価の酸、一価のアルコール、一価
のチオール、一価のアミン、一価の有機化合物の酸無水
物の代わりに、それぞれの有機化合物の二価のものを用
いると、図9に示すように表面に活性水素原子が存在す
る有機単分子膜16が形成される。そこで上記の親電子
性を有する金属化合物の溶液に浸漬すると図10に示す
ように有機単分子膜17上に金属の単分子膜18が形成
される。これを繰り返すことにより図11または図12
に示すように間に金属原子を介する有機累積膜16また
は15が形成される。なお、これらの図では有機化合物
としてカルボン酸を用いて記載しているが、有機リン
酸、スルホン酸、アルコール、チオール、アミン、有機
化合物の酸無水物でも可能なことは言うまでもない。
【0017】この金属単分子膜吸着時及び有機単分子膜
吸着時に使用する親電子性を有する金属化合物、有機化
合物、有機化合物の酸無水物の溶液の濃度、反応温度、
吸着時間について以下に説明する。まず吸着溶媒の濃度
であるが、吸着剤が吸着溶媒に溶解できる範囲におい
て、制限はないが、吸着溶媒の濃度が高すぎると洗浄が
非常に困難となり、低すぎると非常に長い吸着時間が必
要となるため、1.0 mol/lから1.0×10-5mol/lの濃度
の吸着溶媒が最も良い。次に反応温度であるが、反応温
度も吸着溶液が液体状であれば吸着は良好に進むが、0
〜60℃が最も容易に設定できる温度のため良い。最後に
吸着時間であるが、吸着剤の種類あるいは吸着剤の濃度
等によって最低限必要な吸着時間は様々であるが、例え
ば上記濃度範囲で最も薄い場合では1時間未満であると
吸着密度の良い膜は得られず、また吸着時間が長すぎて
も一度基体上に単分子膜が形成されると、更なる反応は
進行しないので無意味であるため1時間〜24時間が最
も良い。
【0018】(実施例1) 以下本発明の一実施例について、図面を参照にしながら
説明する。
【0019】縦70.0mm、横29.2mm、厚さ1.0mmのガラス
基体を、チタンクロライドトリイソプロポキサイド1.0
体積%のヘキサデカン溶液に、25℃で2時間浸漬し、そ
の後その基体を溶液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄
した。次にこの基体をパルミチン酸1.0重量%のヘキサ
デカン溶液(10%のクロロホルムを含む)に、50℃で2
時間浸漬し、その後その基体を溶液から取りだし、ヘキ
サンで3回洗浄した。この基体を1日乾燥窒素下で乾燥さ
せ、赤外分光分析法の多重反射法で測定したところ、図
13に示すように、メチレンの非対称伸縮振動の吸収2
927cm-1付近に、メチレンの対称伸縮振動の吸収が2
850cm-1付近に見られ、また1458cm-1と1640
cm-1にはカルボキシレートに特有な吸収がみられ、単分
子膜が形成していることが明かとなった。
【0020】以上のように本実施例によれば、金属化合
物としてチタンクロライドトリイソプロポキサイドを用
いることにより、チタン原子の非常に強い酸素親和性に
より容易に基体に吸着し、さらに基体に吸着したチタン
原子がパルミチン酸と相互作用することにより単分子膜
が形成される。
【0021】(実施例2) 以下本反応の第二の実施例について図面を参照にしなが
ら説明する。
【0022】縦70.0mm、横29.2mm、厚さ1.0mmのガラス
基体を、二塩化ジ−n−ブチルスズ1.0体積%のヘキサ
デカン溶液に、25℃で2時間浸漬し、その後その基体を
溶液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄した。次にこの
基体をパルミチン酸1.0重量%のヘキサデカン溶液(10
%のクロロホルムを含む)に、50℃で2時間浸漬し、そ
の後その基体を溶液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄
した。この基体を1日乾燥窒素下で乾燥させることによ
り図8の一般式で表されるような有機単分子膜15が基
体10上に金属原子14(スズ)と置換基12、13
(n-ブチル基またはクロロ基)を介して、つまり金属化
合物の単分子層18を介して形成された。
【0023】以上のように本実施例によれば、金属化合
物として二塩化ジ−n−ブチルスズを用いることによ
り、スズ原子の非常に強い酸素親和性により容易に基体
に吸着し、さらに基体に吸着したスズ原子がパルミチン
酸と相互作用することにより単分子膜が形成される。
【0024】(実施例3) 以下本反応の第三の実施例について図面を参照にしなが
ら説明する。
【0025】縦70.0mm、横29.2mm、厚さ1.0mmのガラス
基体を、チタンクロライドトリイソプロポキサイド1.0
体積%のヘキサデカン溶液に、25℃で2時間浸漬し、そ
の後その基体を溶液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄
した。次にこの基体をセバシン酸1.0重量%のヘキサデ
カン溶液(10%のクロロホルムを含む)に、50℃で2時
間浸漬し、その後その基体を溶液から取りだし、ヘキサ
ンで3回洗浄した。これを乾燥し、上記と同様に、チタ
ンクロライドトリイソプロポキサイド1.0体積%のヘキ
サデカン溶液に、25℃で2時間浸漬し、その後その基体
を溶液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄した。さらに
この基体を、パルミチン酸1.0重量%のヘキサデカン溶
液(10%のクロロホルムを含む)に、50℃で2時間浸漬
し、その後その基体を溶液から取りだし、ヘキサンで3
回洗浄した。これらの操作により図12の一般式に表さ
れるような有機累積膜が形成されたことが赤外分光分析
法で明かとなった。これはまず基体10上に、置換基1
2、13(イソプロポキシ基)を有する金属化合物の単
分子膜18、その上部に有機化合物の単分子膜17(セ
バシン酸)、さらに金属化合物の単分子膜18を介して
上部に有機化合物の単分子膜15(パルミチン酸)が形
成されたものである。
【0026】以上のように本実施例によれば、金属化合
物としてチタンクロライドトリイソプロポキサイドを用
い、二価のカルボン酸であるセバシン酸及び一価のカル
ボン酸であるパルミチン酸を用いることにより有機累積
膜が形成される。
【0027】(実施例4) 以下本反応の第四の実施例について図面を参照にしなが
ら説明する。
【0028】縦70.0mm、横29.2mm、厚さ1.0mmのガラス
基体を、チタンクロライドトリイソプロポキサイド1.0
体積%のヘキサデカン溶液に、25℃で2時間浸漬し、そ
の後その基体を溶液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄
した。次にこの基体をセバシン酸1.0重量%のヘキサデ
カン溶液(10%のクロロホルムを含む)に、50℃で2時
間浸漬し、その後その基体を溶液から取りだし、ヘキサ
ンで3回洗浄した。これを乾燥し、上記と同様に、トリ
イソプロポキシチタニルクロライド1.0体積%のヘキサ
デカン溶液に、25℃で2時間浸漬し、その後その基体を
溶液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄した。さらにこ
の基体を、セバシン酸1.0重量%のヘキサデカン溶液(1
0%のクロロホルムを含む)に、50℃で2時間浸漬し、そ
の後その基体を溶液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄
した。これらの操作により図11の一般式に表されるよ
うな有機累積膜が形成されたことが赤外分光分析法で明
かとなった。これはまず基体10上に、置換基12、1
3(イソプロポキシ基)を有する金属化合物の単分子膜
18、その上部に有機化合物の単分子膜17(セバシン
酸)、さらに金属化合物の単分子膜18を介して上部に
有機化合物の単分子膜16(セバシン酸)が形成された
ものである。
【0029】以上のように本実施例によれば、金属化合
物としてチタンクロライドトリイソプロポキサイドを用
い、二価のカルボン酸であるセバシン酸を用いることに
より有機累積膜が形成される。
【0030】(実施例5) 以下本反応の第五の実施例について図面を参照にしなが
ら説明する。
【0031】縦70.0mm、横29.2mm、厚さ1.0mmのポリア
ミド基体を、二塩化ジ−n−ブチルスズ1.0体積%のフ
ロリナートFX3252(住友スリーエム(株)製)溶
液に、25℃で2時間浸漬し、その後その基体を溶液から
取りだし、ヘキサンで3回洗浄した。次にこの基体をパ
ルミチン酸1.0重量%のフロリナートFX3252溶液
に、50℃で2時間浸漬し、その後その基体を溶液から取
りだし、フロリナートFX3252で3回洗浄した。こ
の基体を1日乾燥窒素下で乾燥させることにより図8の
一般式で表されるような有機単分子膜15が基体10上
に金属原子14(スズ)と置換基12、13(n-ブチル
基またはクロロ基)を介して、つまり金属化合物の単分
子層18を介して形成された。
【0032】以上のように本実施例によれば、基体とし
てポリアミドを用い、金属化合物として二塩化ジ−n−
ブチルスズを用いることにより、スズ原子の非常に強い
親電子性により容易に基体の窒素原子に吸着し、さらに
基体に吸着したスズ原子がパルミチン酸と相互作用する
ことにより単分子膜が形成される。
【0033】(実施例6) 以下本反応の第六の実施例について図面を参照にしなが
ら説明する。
【0034】縦70.0mm、横29.2mm、厚さ1.0mmのガラス
基体を、二塩化ジ−n−ブチルスズ1.0体積%のヘキサ
デカン溶液(10%クロロホルム溶液)に、25℃で2時間
浸漬し、その後その基体を溶液から取りだし、ヘキサン
で3回洗浄した。次にこの基体を無水パルミチン酸1.0重
量%のヘキサデカン溶液(10%のクロロホルムを含む)
に、50℃で2時間浸漬し、その後その基体を溶液から取
りだし、ヘキサンで3回洗浄した。この基体を1日乾燥窒
素下で乾燥させることにより図8の一般式で表されるよ
うな有機単分子膜15が基体10上に金属原子14(ス
ズ)と置換基12、13(n-ブチル基またはクロロ基)
を介して、つまり金属化合物の単分子層18を介して形
成された。
【0035】以上のように本実施例によれば、金属化合
物として二塩化ジ−n−ブチルスズを用いることによ
り、スズ原子の非常に強い酸素親和性により容易に基体
に吸着し、さらに基体に吸着したスズ原子が無水パルミ
チン酸と相互作用することにより単分子膜が形成され
る。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明は、親電子性を有す
る金属化合物の溶液に、表面に活性水素原子を有する基
体を浸漬した後、この基体を非水系溶媒で洗浄し、基体
上に金属化合物の単分子膜を形成する工程と、活性水素
原子を有する有機化合物もしくは有機化合物の酸無水
溶液に金属化合物の単分子膜を有する基体を浸漬し、
金属化合物の単分子膜上に有機単分子膜を形成する工程
とを含むことを特徴とするため、ラングミュア・ブロジ
ェット法のような複雑な操作を必要とせず、しかも膜中
への不純物の混入があまり環境に影響されなく、複雑な
構造を有する基体でも簡単な工程で膜形成が可能であ
る。また従来の化学吸着法のように吸着剤は末端にクロ
ロシリル基を有する有機化合物に限定されず、非常に広
範囲の有機化合物が使用可能なり、さらに取扱いが困難
な吸着剤を用いなくても良いという優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のラングミュア・ブロジェット膜作製装置
の概念斜視図
【図2】従来のラングミュア・ブロジェット膜作製方法
における気体膜断面図
【図3】従来のラングミュア・ブロジェット膜作製方法
における凝縮膜の断面図
【図4】従来のラングミュア・ブロジェット膜作製方法
における膜作製工程横断面図
【図5】従来のラングミュア・ブロジェット膜作製方法
における累積膜作製工程横断面図
【図6】従来のラングミュア・ブロジェット膜作製方法
における累積膜の構成横断面図
【図7】本発明の一実施例における基体表面の金属化合
物単分子層の概念図
【図8】本発明の一実施例における基体表面の有機単分
子膜の概念図
【図9】本発明の他の実施例における有機累積膜作製時
の基体表面の有機単分子膜の概念図
【図10】本発明の他の実施例における有機累積膜作製
時の有機単分子膜上の金属単分子膜の概念図
【図11】本発明の他の実施例における有機累積膜の概
念図
【図12】本発明の他の実施例における有機累積膜の概
念図
【図13】本発明の一実施例における有機単分子膜の赤
外吸収スペクトル
【符号の説明】
1 角型水槽 2 浮子 3 おもり 4 再蒸留水 5 基体 6 基体上下動腕 7 疎水部 8 親水部 9 両親媒性物質 10 活性水素を有する基体 11 置換基 12 置換基 13 置換基 14 金属原子 15 一価のカルボキシレート 16 ジカルボン酸の一価のカルボキシレート 17 ジカルボン酸の二価のカルボキシレート 18 金属化合物の単分子膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−71805(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C03C 17/00 - 17/44 C08J 7/04 - 7/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親電子性を有する金属化合物の溶液に、表
    面に活性水素原子を有する基体を浸漬した後、前記基体
    を非水系溶媒で洗浄し、前記基体上に金属化合物の単分
    子膜を形成する工程と、活性水素原子を有する有機化合
    物の溶液、または有機化合物の酸無水物の溶液の何れか
    に前記金属化合物の単分子膜を有する基体を浸漬し、前
    記金属化合物の単分子膜上に有機単分子膜を形成する工
    程とを含むことを特徴とする有機膜の製造方法。
  2. 【請求項2】前記有機化合物が、カルボン酸、有機リン
    酸、スルホン酸のうち少なくとも1つであることを特徴
    とする請求項1記載の有機膜の製造方法。
  3. 【請求項3】親電子性を有する金属化合物の溶液に、表
    面に活性水素原子を有する基体を浸漬した後、前記基体
    を非水系溶媒で洗浄し、前記基体上に金属化合物の単分
    子膜を形成する第1の工程と、活性水素原子を有する有
    機化合物の溶液、または有機化合物の酸無水物の溶液の
    何れかに前記金属化合物の単分子膜を有する基体を浸漬
    し、前記金属化合物の単分子膜上に有機単分子膜を形成
    する第2の工程とを繰り返すことを特徴とする有機膜の
    製造方法。
  4. 【請求項4】前記有機化合物が、ジカルボン酸、有機ジ
    リン酸、ジスルホン酸のうち少なくとも1つであること
    を特徴とする請求項3記載の有機膜の製造方法。
  5. 【請求項5】活性水素原子を有する基体が、表面に−OH
    基、-NH 2 、-SH基のうち少なくとも一つを有すること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の有機
    膜の製造方法。
JP26449992A 1992-10-02 1992-10-02 有機膜の製造方法 Expired - Fee Related JP3404769B2 (ja)

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