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JP3400658B2 - 車両用遮音カバー - Google Patents

車両用遮音カバー

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Publication number
JP3400658B2
JP3400658B2 JP28103896A JP28103896A JP3400658B2 JP 3400658 B2 JP3400658 B2 JP 3400658B2 JP 28103896 A JP28103896 A JP 28103896A JP 28103896 A JP28103896 A JP 28103896A JP 3400658 B2 JP3400658 B2 JP 3400658B2
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JP
Japan
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insulation cover
sound insulation
urethane foam
foam layer
sound
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JP28103896A
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Inventor
伸二 宮川
修二 伊香賀
伸輔 小山内
清美 西田
裕 安藤
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Tokai Chemical Industries Ltd
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Tokai Chemical Industries Ltd
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
Application filed by Tokai Chemical Industries Ltd, Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Tokai Chemical Industries Ltd
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Publication of JPH10119159A publication Critical patent/JPH10119159A/ja
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  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載された
機器から発生する騒音を低減する車両用遮音カバーに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特にディーゼルエンジンを搭
載したトラック等の車両には、エンジンから発生する騒
音やその反射音が車外に漏洩するのを防止するため、遮
音カバーが取付けられている。このような遮音カバーと
して、図3に示すように、車体フレーム4に取付けられ
る鉄板等からなる剛性部材5と、剛性部材5に固着され
た発泡ウレタン層6と、発泡ウレタン層6の表面を覆う
ポリウレタンフィルム等からなる表皮材7とで構成され
たものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記発泡ウ
レタン層を構成する発泡ウレタンは、吸音性に優れるこ
とから好適に用いられるものであって、通常、ポリエー
テルポリオールを用いて形成される。しかし、このよう
な発泡ウレタンは、吸水率が高いため、上記遮音カバー
のように雨水等が触れる部分に使用されると、吸水する
ことによりマスが増加したり、遮音カバーの耐久性を悪
化させる等の問題が生じる。そこで、上記従来の遮音カ
バーでは、発泡ウレタン層6の吸水を防止するため表皮
材7が取付けられている。
【0004】ところが、ポリウレタンフィルム等の表皮
材7は、発泡ウレタンに比べ吸音性が悪いため、発泡ウ
レタン層6の表面を覆うように配置される表皮材7によ
って発泡ウレタン層6の優れた吸音性能が阻害される。
また、表皮材7が取付けられているため、その分製造工
程が多くなり、かつ発泡成形型に真空引き装置等の特別
な設備が必要となるので、コストの上昇を招くという問
題がある。
【0005】本発明は上記実状に鑑み案出されたもので
あり、表皮材を廃止してより一層の吸音性の向上を図り
得る車両用遮音カバーを提供することを解決すべき課題
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の発明は、板状の剛性部材と、該剛性部材に固
着された発泡ウレタン層とからなる車両用遮音カバーで
あって、前記発泡ウレタン層は、飽和炭化水素樹脂骨格
を有するポリオレフィンポリオールと、発泡剤としての
水と、有機ポリイソシアネートとよりなる混合物を反応
させてなる発泡体から形成され、該発泡体の吸水率が1
0%以下とされていることを特徴とするものである。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の車
両用遮音カバーにおいて、前記発泡体は、前記混合物を
鎖中に親水性基を有する脂肪酸エステルを基本骨格とす
る界面活性剤の存在下で反応させて形成されていること
を特徴とするものである。請求項3記載の発明は、請求
項1及び請求項2記載の車両用遮音カバーにおいて、前
記発泡ウレタン層の表面はしぼ模様状の凹凸面とされて
いることを特徴とするものである。
【0008】請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項
3記載の車両用遮音カバーにおいて、前記剛性部材は、
少なくとも一方側に取付部を有し、他方側が開放端とな
っていることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における剛性部材は、金属
板や硬質樹脂板等から形成されたものを用いることがで
きる。この剛性部材は、遮音カバーの取付箇所に合わせ
て、少なくとも一方側に車両に取付けられる取付部を有
し、他方側が開放端となるように構成することができ
る。
【0010】そして、本発明における発泡ウレタン層
は、飽和炭化水素樹脂骨格を有するポリオレフィンポリ
オールと、発泡剤としての水と、有機ポリイソシアネー
トとよりなる混合物を反応させてなる発泡体から形成さ
れる。飽和炭化水素樹脂骨格を有するポリオレフィンポ
リオールとは、例えば化1式に記載されたようなアタク
チック・ブタジエンオリゴマー、あるいは水添ポリブタ
ジエンなどをいう。このポリオレフィンポリオールは、
例えばブタジエンをアニオン・リビング重合することに
よって製造することができる。
【0011】
【化1】
【0012】このポリオレフィンポリオールは、側鎖を
もち、かつ分子末端に反応性の一級水酸基をもつことが
望ましい。側鎖をもつことにより、形成される発泡体の
制振性が一層向上する。また、このポリオレフィンポリ
オールは、数平均分子量が1000〜9000の範囲の
ものが好適である。数平均分子量が1000より小さい
と発泡体が固くて脆くなり、9000より大きくなると
粘度が高くなりすぎて発泡成形が困難となる場合があ
る。特に望ましいのは、1500〜3000の範囲であ
る。数平均分子量を1000〜9000の範囲とするに
は、水酸基価を10〜140とするのがよい。
【0013】有機ポリイソシアネートとしては、通常の
ポリエーテルポリオールを使用した発泡ウレタンに用い
られるものをそのまま利用することができる。このよう
な有機ポリイソシアネートとしては、MDI系、TDI
系、XDI系、HMDI系、IPDI系などが例示され
る。本発明者らは、ポリオレフィンポリオールに水を均
一に分散させるために、種々の界面活性剤を用いて実験
を行った。その結果、鎖中に親水性基を有する脂肪酸エ
ステルを基本骨格とする界面活性剤が特に好ましい結果
を与えることを見出したのである。この界面活性剤とし
ては、HLB値で10以上のものが好ましい。
【0014】脂肪酸エステルの鎖中に親水性基を導入す
るには、水酸基又は二重結合を有する脂肪酸エステルを
用い、その水酸基又は二重結合に親水性基を置換あるい
は付加して導入することができる。このような脂肪酸エ
ステルとしては、ヒマシ油が代表的に例示されるが、ヒ
マシ油に限られず落花生油、オリーブ油、魚油、鯨油な
どの脂肪酸エステルも用いることができる。
【0015】なかでも鎖中に水酸基をもつ脂肪酸エステ
ルを用いて親水性基を導入すれば、親水性基の置換が容
易となり水の均一分散が可能となる。また親水性基で置
換されなかった水酸基が残ったとしても、イソシアネー
トとの反応により発泡体の一部として一体化するため、
発泡体が一層疎水化し吸水率を大きく低減することがで
きる。
【0016】ポリオレフィンポリオールと界面活性剤及
び有機ポリイソシアネートは、NCO/OHが60〜1
50となる範囲で混合されるのが望ましい。NCO/O
Hが60未満の場合には架橋密度が低下し、得られる発
泡体の制振性と吸音性が低下する。またNCO/OHが
150を超えると、発泡体が脆くなるという不具合が生
じる。特に望ましい範囲はNCO/OHが80〜120
の範囲である。
【0017】さらに界面活性剤は、使用する水100重
量部に対して20〜200重量部となるように添加する
ことが望ましい。界面活性剤が20重量部より少ないと
水の混合が不均一となり均質な発泡成形が困難となる。
また200重量部より多くしても界面活性剤のそれ以上
の効果は発現しない。なお、ポリオレフィンポリオール
の粘度が高くて発泡成形が困難な場合には、可塑剤を添
加することも好ましい。可塑剤により系の粘度を低下さ
せることができ、常温における発泡成形を可能とするこ
とができる。この可塑剤としては、フタル酸エステル
系、リン酸系など公知の可塑剤を用いることができる。
また、上記した成分以外に、整泡剤、難燃剤などを用い
ることもできる。
【0018】本発明の発泡体を製造するには、上記成分
を混合することにより、ポリオレフィンポリオールと有
機イソシアネートとが反応するとともに、水と有機イソ
シアネートとの反応により二酸化炭素が発生して発泡す
るので、通常の発泡成形法を用いることができる。つま
り、この反応を成形型内で行うことにより、キャビティ
内を充填した発泡成形体が形成される。なお、この反応
は液状で行う必要があるが、ポリオレフィンポリオール
の粘度が高い場合には、加熱により粘度を下げて反応さ
せてもよいし、上記したように可塑剤で粘度を下げて反
応させることもできる。
【0019】このようにして製造された本発明の発泡体
では、発泡セルが細かく通気抵抗が上昇するため、比較
的低周波数の音から高周波数の音まで高い吸音特性が得
られる。また、ポリオレフィンポリオールに起因して疎
水性であるため、吸水率が小さい。本発明では、発泡体
の吸水率が10%以下のものが好適である。そして、同
じ発泡密度で比較した場合に、ポリエーテルポリオール
を用いた発泡ウレタンに比べてtanδ及び損失係数が
大きく制振性に優れ、かつ耐熱性にも優れている。
【0020】また、本発明の発泡体では、上記した混合
物が2〜30倍の発泡倍率で発泡したものであることが
望ましい。発泡倍率が2倍より低いと吸音性がほとんど
得られず、30倍より高くなると制振性が急激に低下す
る。そして、本発明における発泡ウレタン層は、その表
面をしぼ模様状の凹凸面とすることにより構造的に吸音
率を向上させることができる。このしぼ模様状の凹凸面
は、低減を目的とする騒音の周波数領域に合わせて適宜
設定することができる。例えば、深さが0.2〜0.5
mm、各山の頂部間の距離が0.5〜2.0mmとなる
範囲で形成するとエンジン騒音の中心である1000〜
1250HZの騒音吸収において特に効果的である。
【0021】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を図面に基づ
きに説明する。 〔実施例1〕図1は本実施例に係る車両用遮音カバーの
斜視図であり、図2はその車両用遮音カバーの断面図で
ある。
【0022】本実施例の遮音カバーは、トラックのエン
ジンルーム内に発生する騒音の漏洩を防止するものであ
って、板状の基部11を有する剛性部材1と、剛性部材
1の基部11に固着された発泡ウレタン層2とで構成さ
れている。剛性部材1は、厚さ約1.6mmの鉄板を屈
曲することにより断面逆L字形状に形成されたものであ
って、所定寸法の方形状に形成された基部11と、基部
11の上端から略直角方向に延出する取付部12とから
なる。取付部12には、車体フレーム(図示せず)にね
じ止めするための取付孔13が形成されている。
【0023】発泡ウレタン層2は、剛性部材1の基部1
1の一面を覆うように形成された厚さ約20mmの発泡
ウレタンで構成されている。この発泡ウレタン層2の表
面には、深さが0.2〜0.5mm、各山の頂部間の距
離が0.5〜2.0mmとなる範囲でしぼ模様状の凹凸
が形成されている。この発泡ウレタン層2は次のように
して形成されている。
【0024】
【化2】
【0025】即ち、化2式に示す、側鎖をもつ飽和炭化
水素系ポリオレフィンポリオール(水酸基価48、数量
平均分子量2000)100重量部と、脂肪酸エステル
であるヒマシ油の水酸基を親水性基である硫酸エステル
ナトリウム塩(SO4 Na)基で置換した界面活性剤
2.5重量部と、水2.5重量部と、可塑剤(DUP)
20重量部と、難燃剤などが20重量部とを攪拌混合
し、それに有機イソシアネート(Pure/Crud=
80/20、NCO%=32.2、住友バイエルウレタ
ン(株)製)をNCOインデックス(100×NCO当
量/OH当量)が100となるように混合した。
【0026】そして、剛性部材1を配置した発泡成形用
の金型内にその混合物を直ちに注入し発泡成形した。こ
れにより、発泡体よりなる発泡ウレタン層2が剛性部材
1の基部11の表面に一体的に固着されて形成される。
なお、このように形成された発泡体を室温にて水中に2
4時間浸漬してその増加重量から吸水率を調べたところ
5.1%であった。また、厚さ30mmの試験片を用
い、垂直入射吸音測定法(JISA1405)に従って
吸音率を測定したところ、500Hzの音波は0.57
1であり、1000Hzの音波は0.695であり、2
000Hzの音波は0.584であり、5000Hzの
音波は0.652であった。
【0027】以上のように構成された本実施例の遮音カ
バーは、トラックのエンジンルームの側壁として、発泡
ウレタン層2がエンジンと対向するように配置し、剛性
部材1の取付部12が車体フレーム下面に取付孔13を
介してねじ止めすることにより取付けられる。そして、
エンジンルームから発生する騒音が遮音カバーに衝突す
ると、剛性部材1により遮蔽されるとともに、発泡ウレ
タン層2により騒音エネルギが吸収されることによっ
て、騒音の外部への漏洩が防止される。この場合、発泡
ウレタン層2は、表皮材等により覆われることなく吸音
率の優れた発泡体で構成され、かつその表面にはしぼ模
様状の凹凸が形成されているため、騒音エネルギは極め
て良好に吸収される。
【0028】また、発泡ウレタン層2は、吸水率の小さ
い発泡体で構成されているため、たとえ雨水等が接触し
ても吸水量は少ないので、優れた吸音性能が維持され
る。以上のように、本実施例の遮音カバーによれば、発
泡ウレタン層2が吸音率に優れ吸水率の小さい発泡体で
構成されているため、発泡ウレタン層2を覆う表皮材を
廃止することができ、これにより吸音性のより一層の向
上を図ることができる。
【0029】また、この発泡ウレタン層2を構成する発
泡体は、制振性にも優れていることから、車体フレーム
の微振動が遮音カバーに伝わって遮音カバーが放射音を
発生させるような場合にも、遮音カバーの面共振を抑制
して騒音の低減に寄与することができる。さらに、本実
施例の遮音カバーは、表皮材を廃止することができるこ
とにより、製造が簡単となり、特別な装置等も必要なく
なるのでコストを低減化することができる。
【0030】また、本実施例の遮音カバーのように、剛
性部材1の一方側が車体に取付けられ他方側が開放端と
なっている構造のものは、発泡ウレタン層2の吸水率が
大きい場合、吸水により重量が増加すると振動時の取付
部の強度が不足し、この部位からの破損等も考えられ
る。そのため、従来のように吸水率の大きい発泡体を使
用する場合には、防水用の表皮材を取付けたり、或いは
取付部を部分的に補強するか、剛性部材全体を肉厚にす
る必要があったが、本実施例の場合にはこれらの必要性
も解消することができる。
【0031】〔実施例2〕本実施例の遮音カバーは、上
記実施例1のものと基本的構造が同じであり、発泡ウレ
タン層を構成する発泡体が異なるものである。即ち、本
実施例の発泡ウレタン層は、可塑剤を40重量部、界面
活性剤を3.5重量部、水を3.5重量部としたこと以
外は実施例1と同様にして形成されている。この発泡ウ
レタン層を構成する発泡体の吸水率は、上記実施例1と
同じ方法により測定したところ7.8%であった。ま
た、この発泡体の吸音率を上記実施例1と同じ方法で測
定したところ、500Hzの音波は0.315であり、
1000Hzの音波は0.360であり、2000Hz
の音波は0.331であり、5000Hzの音波は0.
363であった。
【0032】以上のように構成された本実施例の遮音カ
バーは、上記実施例1のものと同様に、発泡ウレタン層
を覆う表皮材を廃止して吸音性のより一層の向上を図る
ことができる等の優れた作用効果を奏する。 〔実施例3〕本実施例の遮音カバーは、上記実施例1の
ものと基本的構造が同じであり、発泡ウレタン層を構成
する発泡体が異なるものである。
【0033】即ち、本実施例の発泡ウレタン層は、可塑
剤を用いず、界面活性剤を3.5重量部、水を3.5重
量部とし、混合物を60℃に加熱して金型に注入したこ
と以外は実施例1と同様にして形成されている。この発
泡ウレタン層を構成する発泡体の吸水率は、上記実施例
1と同じ方法により測定したところ5.3%であった。
また、この発泡体の吸音率を上記実施例1と同じ方法で
測定したところ、500Hzの音波は0.558であ
り、1000Hzの音波は0.665であり、2000
Hzの音波は0.572であり、5000Hzの音波は
0.598であった。
【0034】以上のように構成された本実施例の遮音カ
バーは、上記実施例1のものと同様に、発泡ウレタン層
を覆う表皮材を廃止して吸音性のより一層の向上を図る
ことができる等の優れた作用効果を奏する。 〔実施例4〕本実施例の遮音カバーは、上記実施例1の
ものと基本的構造が同じであり、発泡ウレタン層を構成
する発泡体が異なるものである。
【0035】即ち、本実施例の発泡ウレタン層は、飽和
炭化水素系ポリオレフィンポリオールに代えて水添ポリ
ブタジエン(水酸基価47、数平均分子量2100、日
本曹達(株)製)を100重量部用い、可塑剤を40重
量部、界面活性剤を3.5重量部、水を3.5重量部と
したこと以外は実施例1と同様にして形成されている。
この発泡ウレタン層を構成する発泡体の吸水率は、上記
実施例1と同じ方法により測定したところ8.1%であ
った。また、この発泡体の吸音率を上記実施例1と同じ
方法で測定したところ、500Hzの音波は0.340
であり、1000Hzの音波は0.382であり、20
00Hzの音波は0.361であり、5000Hzの音
波は0.379であった。
【0036】以上のように構成された本実施例の遮音カ
バーは、上記実施例1のものと同様に、発泡ウレタン層
を覆う表皮材を廃止して吸音性のより一層の向上を図る
ことができる等の優れた作用効果を奏する。 〔試験〕本発明の遮音カバーの優れた効果を確認するた
め、発明品、従来品1及び従来品2を作製して吸水試験
を行った。
【0037】発明品は、厚さ0.8mm、縦100m
m、横350mmの鉄板の一面に、厚さ約20mm、縦
80mm、横330mmの上記実施例1と同じ発泡体
(独泡、見かけ比重0.10)からなる発泡ウレタン層
を一体発泡成形により形成したものである。従来品1
は、発泡ウレタン層の発泡体を形成するに際して、飽和
炭化水素系ポリオレフィンポリオールに代えて、ポリエ
ーテルポリオール(水酸基価28、数平均分子量600
0、「スミフェン3063」住友バイエルウレタン
(株)製)を100重量部用い、界面活性剤としてシリ
コーンオイル系整泡剤(「SZ−1313」日本ユニカ
ー(株)製)を0.5重量部、水2.0重量部を用い、
可塑剤を用いなかったこと以外は発明品と同様にして作
製したものである。なお、この発泡体は、連泡であり、
見かけ比重0.11である。
【0038】従来品2は、従来品1の発泡ウレタン層の
表面に厚さ40μmのポリウレタンフィルムをコーティ
ングしたものである。これら発明品、従来品1及び従来
品2を常温で深さ100mmの水槽に沈めて、10分
後、20分後、30分後におけるそれぞれの重量変化を
測定した。その結果を表1に示す。
【0039】
【表1】 表1からも明らかなように、従来品1の場合、10分後
の発泡体の重量増加率は20.7%であり、20分後及
び30分後の発泡体の重量増加率は24.1%であっ
た。このことから、発泡ウレタン層が水に触れると急激
に吸水し、かつ吸水率も大きいことがわかる。従って、
従来品1は、雨水等が触れる部分に用いることは不適当
である。
【0040】また、従来品2の場合、発泡ウレタン層の
表面を覆う表皮材を有するため、発泡ウレタン層が全く
吸水しないことがわかる。一方、発明品の場合、10分
後の発泡体の重量増加率は僅かに0.2%であり、20
分後及び30分後においても僅かに0.4%であった。
これにより、発明品の発泡ウレタン層は水に触れてもほ
とんど吸水しないことがわかる。従って、発明品は、表
皮材等を必要とせず、雨水等に触れる部分に好適に用い
ることができる。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載の発明の遮音カバーによれ
ば、発泡ウレタン層は、飽和炭化水素樹脂骨格を有する
ポリオレフィンポリオールと、発泡剤としての水と、有
機ポリイソシアネートとよりなる混合物を反応させてな
る吸水率の小さい発泡体で構成されているため、表皮材
を廃止してより一層の吸音性の向上を図ることができ
る。
【0042】また、本発明の遮音カバーは、表皮材を廃
止できるため、製造が簡単となり、特別な装置等も必要
なくなるのでコストの低減化が可能である。そして、請
求項2記載の発明によれば、発泡体は、混合物を鎖中に
親水性基を有する脂肪酸エステルを基本骨格とする界面
活性剤の存在下で反応させて形成されていることによ
り、ポリオレフィンポリオールに水を均一に分散させる
ことが可能となり、発泡体の吸水率をより大きく低減す
ることができる。
【0043】そして、請求項3記載の発明によれば、発
泡ウレタン層の表面はしぼ模様状の凹凸面とされている
ことにより、発泡ウレタン層の吸音率を向上させること
ができる。そして、請求項4記載の発明のように、剛性
部材が少なくとも一方側に取付部を有し、他方側が開放
端となっている構造の場合には、発泡ウレタン層が吸水
率の小さい発泡体で形成されていることにより、防水用
の表皮材の必要性や、剛性部材の強度補強対策の必要性
を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用遮音カバーの斜
視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車両用遮音カバーの断
面図である。
【図3】従来の遮音カバーの車両用遮音カバーの取付状
態を示す断面図である。
【符号の説明】
1、5…剛性部材 11…基部 12…取付部
13…取付孔 2、6…発泡ウレタン層 4…車体フレーム 7…
表皮材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山内 伸輔 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 西田 清美 愛知県小牧市大字北外山字下小管4203番 地の1東海化成工業株式会社内 (72)発明者 安藤 裕 愛知県小牧市大字北外山字下小管4203番 地の1東海化成工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−150884(JP,A) 特開 平8−40154(JP,A) 特開 平10−87776(JP,A) 特開 平10−81142(JP,A) 実開 昭59−7840(JP,U) 実開 昭62−194027(JP,U) 実開 昭58−194966(JP,U) 実開 平2−105051(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B60R 13/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状の剛性部材と、該剛性部材に固着さ
    れた発泡ウレタン層とからなる車両用遮音カバーであっ
    て、 前記発泡ウレタン層は、飽和炭化水素樹脂骨格を有する
    ポリオレフィンポリオールと、発泡剤としての水と、有
    機ポリイソシアネートとよりなる混合物を反応させてな
    る発泡体から形成され、該発泡体の吸水率が10%以下
    とされていることを特徴とする車両用遮音カバー。
  2. 【請求項2】 前記発泡体は、前記混合物を鎖中に親水
    性基を有する脂肪酸エステルを基本骨格とする界面活性
    剤の存在下で反応させて形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の車両用遮音カバー。
  3. 【請求項3】 前記発泡ウレタン層の表面はしぼ模様状
    の凹凸面とされていることを特徴とする請求項1及び請
    求項2記載の車両用遮音カバー。
  4. 【請求項4】 前記剛性部材は、少なくとも一方側に取
    付部を有し、他方側が開放端となっていることを特徴と
    する請求項1〜請求項3記載の車両用遮音カバー。
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