JP3373137B2 - 有機性汚水の生物処理方法 - Google Patents
有機性汚水の生物処理方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は下水、産業排水など
の有機性汚水を生物学的に処理する工程における余剰汚
泥の発生をなくすことができ、しかも汚水の生物処理水
のCODをほとんど悪化させない新規技術に関する。 【0002】 【従来の技術】下水、産業排水、し尿、ごみ埋立汚水な
どの活性汚泥処理施設から大量の有機性汚泥(余剰汚
泥、生汚泥など)が毎日発生しており、日本全体で年間
1000万トンを上回る。この余剰汚泥の処理処分が最
大の問題点になっている。有機性汚泥は難脱水性である
ため、多量の脱水助剤(ポリマーなど)を添加し汚泥脱
水機で水分85%程度に脱水し、脱水ケーキを埋立処分
するか、又は焼却処分している。しかし、脱水助剤コス
ト、脱水ケーキの埋立場所不足、焼却灰の処分場所の不
足、焼却設備費、焼却用重油コストの高さなどの多くの
問題点を抱えている。 【0003】このような問題を解決するため、図2のよ
うな「オゾンを利用した汚泥減量化法」が特開平6−2
06088号公報に開示されている。この技術は、有機
性汚水(以下単に汚水ともいう)1の活性汚泥処理工程
11から直接、または固液分離工程12を経て、余剰汚
泥発生量より約3倍多い量の活性汚泥を引抜き(引抜き
汚泥ともいう)2、オゾン酸化工程13で処理したあと
の汚泥(オゾン酸化汚泥ともいう)3を活性汚泥処理工
程11に返送する方法である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者がこ
の技術を追試したところ、次のような大きな欠点がある
ことを見出した。 オゾン酸化した汚泥を汚水生物処理工程の曝気槽に返
送し生物処理すると、確かにオゾン酸化汚泥の一部が分
解消滅するが、オゾン酸化汚泥を曝気して生物分解する
過程で、汚泥から多量の難生物分解性のCODが生成
し、処理水COD濃度を著しく悪化させる。本発明者の
実験によれば汚泥消滅量1kg-SS あたり約100gの難
生分解性CODが生成することが認められた。 【0005】汚泥をオゾン酸化しBOD成分に転換し
汚水処理工程の曝気槽に返送するため、曝気槽容積に余
裕がない場合には曝気槽BOD負荷が高負荷になる。高
負荷になると汚水生物処理工程の余剰汚泥生成率が多く
なり、この結果オゾン所要量が増加しランニングコスト
の増加を招くという悪循環が生じる。公共用水域の富栄
養化が大きな問題になっている現在、汚泥の減量化の伴
って処理水CODが大きく悪化することは従来技術の大
きな欠点である。汚泥を高度に減量でき、かつ良好な処
理水質を得ることができる技術でなければ理想的とは言
えない。本発明は、前記従来技術の欠点を克服し、系外
に排出する余剰汚泥をゼロにでき、かつ汚水生物処理水
のCODがほとんど悪化しない新技術を提供することを
課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明はオゾンによる汚
泥の酸化法、オゾン処理した汚泥の生物処理を新規な態
様で結合することにより上記課題を達成できることを見
いだした。すなわち本発明は、有機性汚水を好気性生物
処理法により浄化する工程から、余剰汚泥量より多い汚
泥を引抜き、オゾン酸化工程と前記好気性生物処理工程
とは別に設けた汚泥曝気工程との間を循環させたのち固
液分離し、該分離水および前記汚泥曝気工程で曝気され
た汚泥の一部を、前記生物処理工程に返送することを特
徴とする有機性汚水の生物処理方法である。 【0007】 【発明の実施の形態】図1に本発明の構成例を示す。有
機性汚水1を好気性微生物によって浄化する活性汚泥処
理工程(生物脱リン法、生物学的硝化脱窒素法のように
嫌気部を付帯する工程でもよい;以下単に、好気性生物
処理工程ともいう)11から、直接あるいは最終沈殿池
等の固液分離工程12を経て、汚泥(余剰汚泥の1.2
倍量程度で良く、従来技術のように余剰汚泥の3倍量を
引抜く必要はない;以下単に、引抜き汚泥ともいう)2
を引き抜き、本発明の汚泥消滅工程10に導入する。 【0008】本発明でいう汚泥消滅工程とは、すなわち
引抜き汚泥2をオゾン酸化工程13に供給しオゾン4に
より汚泥を化学酸化し汚泥の生物分解性を向上させた
後、活性汚泥処理工程11とは別に設けた汚泥曝気工程
14に流入させ曝気し、オゾン処理汚泥3を生物分解す
る工程である。汚泥曝気工程14で曝気された汚泥の一
部は、オゾン酸化工程13に循環される。循環量は活性
汚泥処理工程11で発生する余剰汚泥SS重量の約3倍
程度に設定すればよい。尚、引抜き汚泥2を、始めに汚
泥曝気工程に供給するようにしても構わない。 【0009】オゾン注入率は40〜50g-オゾン/1kg-s
s汚泥が適正である。オゾン酸化汚泥を曝気すると、オ
ゾン酸化汚泥(オゾンの酸化作用により微生物による生
分解性が向上している)の一部(SSの30〜40%)
が活性汚泥(好気性微生物)によって炭酸ガスと水に分
解して消滅する。汚泥曝気工程14からの流出汚泥は遠
心分離、膜分離、沈澱などの固液分離工程15で固液分
離される。分離汚泥の大部分は濃縮汚泥5として汚泥曝
気工程14に返送され、分離水は活性汚泥処理工程11
の曝気部に循環される。 【0010】汚泥曝気工程14から汚泥の一部を活性汚
泥処理工程11に供給せずに長期間運転すると、汚泥曝
気工程14で無機性SSの増加が起こりVSSが減少
し、汚泥減量化効果が悪化することが判った。この対策
として、汚泥曝気工程14から汚泥の一部を活性汚泥処
理工程11に供給することが重要である。このようにす
ることによって、汚泥曝気工程14で無機性SSが蓄積
し汚泥分解活性が悪化するのを防止でき、所定の汚泥減
量化効果が安定して維持されることが判明した。 【0011】図1の構成にすると、オゾン酸化汚泥3が
曝気されて生物学的に分解消滅する際に生成した難生物
分解性COD成分が再びオゾン酸化され、難生物分解性
CODがオゾンの酸化作用により生物分解性CODに転
換されるという作用が多数回反復される結果、汚泥曝気
工程14において難生物分解性CODが生物学的に高度
に分解されると考えられる。本発明方法では、消滅した
汚泥1kg-SS あたりのCOD生成量は従来法の約1/7
の15gとなり著しく減少することが実験的に確認され
た。 【0012】図2の従来技術では、オゾン酸化汚泥3は
そのまま活性汚泥処理工程11の曝気部に返送されるた
め、活性汚泥処理工程11においてオゾン酸化汚泥3が
生物分解を受ける過程で難生物分解性CODが生成し、
最終沈殿池等の固液分離工程12を経てそのまま処理水
6が流出してしまうため、汚水処理水のCODが著しく
悪化してしまうことが認められた。つまり従来技術は液
中の難分解性COD成分が再びオゾン酸化されることが
なく最終沈殿池等の固液分離工程12を経て処理水6に
流出していくのに対し、本発明は汚泥曝気工程14で生
成した難分解性COD成分が、再度オゾン酸化を受け生
分解性が向上したのち、汚泥曝気工程14に戻りここで
CODが除去され、これが多数回繰り返される。この結
果、本発明によれば、従来技術よりも難分解性COD生
成量が約1/7に減少することが実験的に確認された。 【0013】 【実施例】以下、実施例により本発明の方法をさらに詳
細に説明するが、この実施例に限定されるものではな
い。 〔実施例〕図1に示すの工程にしたがって汚水を対象に
本発明の実証試験を行なった。汚水の平均水質を表1に
示す。 【0014】 【表1】 【0015】更に、表2に試験条件を示す。 【0016】 【表2】 【0017】実験の結果、処理開始後1カ月後に処理状
況が安定状態になってから、活性汚泥処理工程11の後
段の固液分離工程12である最終沈殿池の処理水水質の
平均値は表3の第1欄のように高度にCOD、BODが
除去されていた。表3第2欄は汚泥減量化を行わない場
合の下水処理水水質である。本発明の方法では余剰汚泥
を完全に消滅させても下水処理水のCOD悪化はほとん
ど認められない。汚泥は6ヶ月間の試験の間、系外に引
き抜かなかったが、活性汚泥処理工程11の曝気部のM
LVSSは当初設定した3500〜3700mg/リット
ルを維持したことから、本発明システム系外に廃棄する
余剰汚泥は無かった。 【0018】一方、本発明を適用しない通常の活性汚泥
法による余剰汚泥発生量は下水1m 3当たり55〜60g
-ssであった。また汚泥曝気槽のVSS/MLSS比は
運転開始時に0.86であり、6ヶ月後の値は0.85
であった。この事から本発明によって汚泥曝気槽での汚
泥の無機性SSの蓄積はないことが判明した。汚泥減量
率は運転開始時に32%であり、6ヶ月後は33%であ
ったことからも汚泥曝気槽(工程)の汚泥分解活性が安
定に維持されたことが認められた。 【0019】 【表3】 【0020】〔比較例〕本発明と同じ下水、同じ生物処
理工程を用いて従来技術(図2)の工程図にしたがって
運転した。従来技術の運転条件は特開平6−20608
8号公報の記述にしたがって固液分離工程12である最
終沈殿池から余剰活性汚泥発生量の3倍量を引抜きオゾ
ン酸化して(オゾン吸収量0.05〜0.08g-オゾン
/g-ss)、そのまま下水の活性汚泥処理槽(工程)に返
送するものである。従来技術の下水生物処理水のCOD
は表3の第3欄のように著しく悪化した。尚、汚泥曝気
槽からの汚泥を汚水生物処理工程に供給しない場合、6
ヵ月後の汚泥曝気槽のVSS/MLSS比は0.68に
低下し、汚泥減量率も23%に悪化した。 【0021】 【発明の効果】本発明の方法により以下の効果が挙げら
れる。 有機性汚水の好気性生物処理工程から引抜いた汚泥
(余剰汚泥ではなく余剰汚泥量より多い量の汚泥を引き
抜くことが重要)をオゾン処理し、その後汚生物処理工
程とは別の汚泥曝気工程でオゾン酸化汚泥を生物分解
し、さらにこの曝気汚泥をオゾン酸化工程に循環するよ
うにした結果、有機性汚泥の系外への廃棄量をほぼゼロ
にでき、かつ難分解性COD生成量が少なくなる。 【0022】オゾン処理した汚泥を、汚泥曝気工程で
曝気し、汚泥を分解消滅させた後、生物処理工程の曝気
部(生物処理槽)に供給するので、従来技術のような汚
水生物処理工程が高BOD負荷になり余剰汚泥生成率が
大きくなるという悪循環を招くことがない。 汚泥消滅工程から汚泥の一部を生物処理工程に返送す
るので汚泥曝気工程での無機性SSの蓄積を防止できオ
ゾン処理汚泥の生物分解活性が悪化しない。
の有機性汚水を生物学的に処理する工程における余剰汚
泥の発生をなくすことができ、しかも汚水の生物処理水
のCODをほとんど悪化させない新規技術に関する。 【0002】 【従来の技術】下水、産業排水、し尿、ごみ埋立汚水な
どの活性汚泥処理施設から大量の有機性汚泥(余剰汚
泥、生汚泥など)が毎日発生しており、日本全体で年間
1000万トンを上回る。この余剰汚泥の処理処分が最
大の問題点になっている。有機性汚泥は難脱水性である
ため、多量の脱水助剤(ポリマーなど)を添加し汚泥脱
水機で水分85%程度に脱水し、脱水ケーキを埋立処分
するか、又は焼却処分している。しかし、脱水助剤コス
ト、脱水ケーキの埋立場所不足、焼却灰の処分場所の不
足、焼却設備費、焼却用重油コストの高さなどの多くの
問題点を抱えている。 【0003】このような問題を解決するため、図2のよ
うな「オゾンを利用した汚泥減量化法」が特開平6−2
06088号公報に開示されている。この技術は、有機
性汚水(以下単に汚水ともいう)1の活性汚泥処理工程
11から直接、または固液分離工程12を経て、余剰汚
泥発生量より約3倍多い量の活性汚泥を引抜き(引抜き
汚泥ともいう)2、オゾン酸化工程13で処理したあと
の汚泥(オゾン酸化汚泥ともいう)3を活性汚泥処理工
程11に返送する方法である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者がこ
の技術を追試したところ、次のような大きな欠点がある
ことを見出した。 オゾン酸化した汚泥を汚水生物処理工程の曝気槽に返
送し生物処理すると、確かにオゾン酸化汚泥の一部が分
解消滅するが、オゾン酸化汚泥を曝気して生物分解する
過程で、汚泥から多量の難生物分解性のCODが生成
し、処理水COD濃度を著しく悪化させる。本発明者の
実験によれば汚泥消滅量1kg-SS あたり約100gの難
生分解性CODが生成することが認められた。 【0005】汚泥をオゾン酸化しBOD成分に転換し
汚水処理工程の曝気槽に返送するため、曝気槽容積に余
裕がない場合には曝気槽BOD負荷が高負荷になる。高
負荷になると汚水生物処理工程の余剰汚泥生成率が多く
なり、この結果オゾン所要量が増加しランニングコスト
の増加を招くという悪循環が生じる。公共用水域の富栄
養化が大きな問題になっている現在、汚泥の減量化の伴
って処理水CODが大きく悪化することは従来技術の大
きな欠点である。汚泥を高度に減量でき、かつ良好な処
理水質を得ることができる技術でなければ理想的とは言
えない。本発明は、前記従来技術の欠点を克服し、系外
に排出する余剰汚泥をゼロにでき、かつ汚水生物処理水
のCODがほとんど悪化しない新技術を提供することを
課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明はオゾンによる汚
泥の酸化法、オゾン処理した汚泥の生物処理を新規な態
様で結合することにより上記課題を達成できることを見
いだした。すなわち本発明は、有機性汚水を好気性生物
処理法により浄化する工程から、余剰汚泥量より多い汚
泥を引抜き、オゾン酸化工程と前記好気性生物処理工程
とは別に設けた汚泥曝気工程との間を循環させたのち固
液分離し、該分離水および前記汚泥曝気工程で曝気され
た汚泥の一部を、前記生物処理工程に返送することを特
徴とする有機性汚水の生物処理方法である。 【0007】 【発明の実施の形態】図1に本発明の構成例を示す。有
機性汚水1を好気性微生物によって浄化する活性汚泥処
理工程(生物脱リン法、生物学的硝化脱窒素法のように
嫌気部を付帯する工程でもよい;以下単に、好気性生物
処理工程ともいう)11から、直接あるいは最終沈殿池
等の固液分離工程12を経て、汚泥(余剰汚泥の1.2
倍量程度で良く、従来技術のように余剰汚泥の3倍量を
引抜く必要はない;以下単に、引抜き汚泥ともいう)2
を引き抜き、本発明の汚泥消滅工程10に導入する。 【0008】本発明でいう汚泥消滅工程とは、すなわち
引抜き汚泥2をオゾン酸化工程13に供給しオゾン4に
より汚泥を化学酸化し汚泥の生物分解性を向上させた
後、活性汚泥処理工程11とは別に設けた汚泥曝気工程
14に流入させ曝気し、オゾン処理汚泥3を生物分解す
る工程である。汚泥曝気工程14で曝気された汚泥の一
部は、オゾン酸化工程13に循環される。循環量は活性
汚泥処理工程11で発生する余剰汚泥SS重量の約3倍
程度に設定すればよい。尚、引抜き汚泥2を、始めに汚
泥曝気工程に供給するようにしても構わない。 【0009】オゾン注入率は40〜50g-オゾン/1kg-s
s汚泥が適正である。オゾン酸化汚泥を曝気すると、オ
ゾン酸化汚泥(オゾンの酸化作用により微生物による生
分解性が向上している)の一部(SSの30〜40%)
が活性汚泥(好気性微生物)によって炭酸ガスと水に分
解して消滅する。汚泥曝気工程14からの流出汚泥は遠
心分離、膜分離、沈澱などの固液分離工程15で固液分
離される。分離汚泥の大部分は濃縮汚泥5として汚泥曝
気工程14に返送され、分離水は活性汚泥処理工程11
の曝気部に循環される。 【0010】汚泥曝気工程14から汚泥の一部を活性汚
泥処理工程11に供給せずに長期間運転すると、汚泥曝
気工程14で無機性SSの増加が起こりVSSが減少
し、汚泥減量化効果が悪化することが判った。この対策
として、汚泥曝気工程14から汚泥の一部を活性汚泥処
理工程11に供給することが重要である。このようにす
ることによって、汚泥曝気工程14で無機性SSが蓄積
し汚泥分解活性が悪化するのを防止でき、所定の汚泥減
量化効果が安定して維持されることが判明した。 【0011】図1の構成にすると、オゾン酸化汚泥3が
曝気されて生物学的に分解消滅する際に生成した難生物
分解性COD成分が再びオゾン酸化され、難生物分解性
CODがオゾンの酸化作用により生物分解性CODに転
換されるという作用が多数回反復される結果、汚泥曝気
工程14において難生物分解性CODが生物学的に高度
に分解されると考えられる。本発明方法では、消滅した
汚泥1kg-SS あたりのCOD生成量は従来法の約1/7
の15gとなり著しく減少することが実験的に確認され
た。 【0012】図2の従来技術では、オゾン酸化汚泥3は
そのまま活性汚泥処理工程11の曝気部に返送されるた
め、活性汚泥処理工程11においてオゾン酸化汚泥3が
生物分解を受ける過程で難生物分解性CODが生成し、
最終沈殿池等の固液分離工程12を経てそのまま処理水
6が流出してしまうため、汚水処理水のCODが著しく
悪化してしまうことが認められた。つまり従来技術は液
中の難分解性COD成分が再びオゾン酸化されることが
なく最終沈殿池等の固液分離工程12を経て処理水6に
流出していくのに対し、本発明は汚泥曝気工程14で生
成した難分解性COD成分が、再度オゾン酸化を受け生
分解性が向上したのち、汚泥曝気工程14に戻りここで
CODが除去され、これが多数回繰り返される。この結
果、本発明によれば、従来技術よりも難分解性COD生
成量が約1/7に減少することが実験的に確認された。 【0013】 【実施例】以下、実施例により本発明の方法をさらに詳
細に説明するが、この実施例に限定されるものではな
い。 〔実施例〕図1に示すの工程にしたがって汚水を対象に
本発明の実証試験を行なった。汚水の平均水質を表1に
示す。 【0014】 【表1】 【0015】更に、表2に試験条件を示す。 【0016】 【表2】 【0017】実験の結果、処理開始後1カ月後に処理状
況が安定状態になってから、活性汚泥処理工程11の後
段の固液分離工程12である最終沈殿池の処理水水質の
平均値は表3の第1欄のように高度にCOD、BODが
除去されていた。表3第2欄は汚泥減量化を行わない場
合の下水処理水水質である。本発明の方法では余剰汚泥
を完全に消滅させても下水処理水のCOD悪化はほとん
ど認められない。汚泥は6ヶ月間の試験の間、系外に引
き抜かなかったが、活性汚泥処理工程11の曝気部のM
LVSSは当初設定した3500〜3700mg/リット
ルを維持したことから、本発明システム系外に廃棄する
余剰汚泥は無かった。 【0018】一方、本発明を適用しない通常の活性汚泥
法による余剰汚泥発生量は下水1m 3当たり55〜60g
-ssであった。また汚泥曝気槽のVSS/MLSS比は
運転開始時に0.86であり、6ヶ月後の値は0.85
であった。この事から本発明によって汚泥曝気槽での汚
泥の無機性SSの蓄積はないことが判明した。汚泥減量
率は運転開始時に32%であり、6ヶ月後は33%であ
ったことからも汚泥曝気槽(工程)の汚泥分解活性が安
定に維持されたことが認められた。 【0019】 【表3】 【0020】〔比較例〕本発明と同じ下水、同じ生物処
理工程を用いて従来技術(図2)の工程図にしたがって
運転した。従来技術の運転条件は特開平6−20608
8号公報の記述にしたがって固液分離工程12である最
終沈殿池から余剰活性汚泥発生量の3倍量を引抜きオゾ
ン酸化して(オゾン吸収量0.05〜0.08g-オゾン
/g-ss)、そのまま下水の活性汚泥処理槽(工程)に返
送するものである。従来技術の下水生物処理水のCOD
は表3の第3欄のように著しく悪化した。尚、汚泥曝気
槽からの汚泥を汚水生物処理工程に供給しない場合、6
ヵ月後の汚泥曝気槽のVSS/MLSS比は0.68に
低下し、汚泥減量率も23%に悪化した。 【0021】 【発明の効果】本発明の方法により以下の効果が挙げら
れる。 有機性汚水の好気性生物処理工程から引抜いた汚泥
(余剰汚泥ではなく余剰汚泥量より多い量の汚泥を引き
抜くことが重要)をオゾン処理し、その後汚生物処理工
程とは別の汚泥曝気工程でオゾン酸化汚泥を生物分解
し、さらにこの曝気汚泥をオゾン酸化工程に循環するよ
うにした結果、有機性汚泥の系外への廃棄量をほぼゼロ
にでき、かつ難分解性COD生成量が少なくなる。 【0022】オゾン処理した汚泥を、汚泥曝気工程で
曝気し、汚泥を分解消滅させた後、生物処理工程の曝気
部(生物処理槽)に供給するので、従来技術のような汚
水生物処理工程が高BOD負荷になり余剰汚泥生成率が
大きくなるという悪循環を招くことがない。 汚泥消滅工程から汚泥の一部を生物処理工程に返送す
るので汚泥曝気工程での無機性SSの蓄積を防止できオ
ゾン処理汚泥の生物分解活性が悪化しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の1例を示す工程図。
【図2】従来の汚泥減容化方法の1例を示す工程図。
【符号の説明】
1 有機性汚水
2 引抜き汚泥
3 オゾン酸化汚泥
4 オゾン
5 濃縮汚泥
6 処理水
10 汚泥消滅工程
11 活性汚泥処理工程
12 固液分離工程
13 オゾン酸化工程
14 汚泥曝気工程
15 固液分離工程
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 有機性汚水を好気性生物処理法により浄
化する工程から、余剰汚泥量より多い汚泥を引抜き、オ
ゾン酸化工程と前記好気性生物処理工程とは別に設けた
汚泥曝気工程との間を循環させたのち固液分離し、該分
離水および前記汚泥曝気工程で曝気された汚泥の一部
を、前記生物処理工程に返送することを特徴とする有機
性汚水の生物処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19448297A JP3373137B2 (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 有機性汚水の生物処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19448297A JP3373137B2 (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 有機性汚水の生物処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1133598A JPH1133598A (ja) | 1999-02-09 |
JP3373137B2 true JP3373137B2 (ja) | 2003-02-04 |
Family
ID=16325280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19448297A Expired - Fee Related JP3373137B2 (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 有機性汚水の生物処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3373137B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008036571A (ja) * | 2006-08-09 | 2008-02-21 | Fuji Koki Kk | 余剰汚泥減溶化装置及び余剰汚泥減溶化方法 |
JP5438883B2 (ja) * | 2006-11-15 | 2014-03-12 | 日鉄住金環境株式会社 | 有機性廃水の処理方法及び該方法に用いる薬剤 |
JP2009255088A (ja) * | 2009-08-06 | 2009-11-05 | Fuji Koki Kk | 余剰汚泥減容化装置 |
CN102557368A (zh) * | 2010-12-20 | 2012-07-11 | 机科发展科技股份有限公司 | 一种城市污泥高温好氧堆肥处理工艺 |
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1997
- 1997-07-18 JP JP19448297A patent/JP3373137B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH1133598A (ja) | 1999-02-09 |
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