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JP3359408B2 - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法

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Publication number
JP3359408B2
JP3359408B2 JP00526694A JP526694A JP3359408B2 JP 3359408 B2 JP3359408 B2 JP 3359408B2 JP 00526694 A JP00526694 A JP 00526694A JP 526694 A JP526694 A JP 526694A JP 3359408 B2 JP3359408 B2 JP 3359408B2
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JP
Japan
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rolling
hot rolling
temperature
aluminum
foil
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JP00526694A
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JPH07211591A (ja
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智明 山ノ井
啓一 美馬
市三 佃
信彦 明城
健二 御所名
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電解コンデンサ電極
用アルミニウム箔の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】アルミニウム
電解コンデンサ用電極材として一般に用いられるAl箔
には、その実効面積を拡大して単位面積当たりの静電容
量を増大するため、通常、電気化学的あるいは化学的エ
ッチング処理が施される。
【0003】しかし、箔を単にエッチング処理するのみ
では十分な静電容量が得られない。このため、一般的に
は箔圧延後の最終焼鈍工程において、立方体方位を多く
有する集合組織にして箔のエッチング特性を向上させる
べく、450℃程度以上の高温加熱処理が施されている
が、立方体方位粒の占有率は製造条件によってバラツキ
が大きく、また非立方体方位粒の筋状分布や粗大化によ
って、部分的に低容量の領域ができるため、昨今の電解
コンデンサの小型化、高静電容量化の要求に対して十分
な満足を得るものではなかった。
【0004】一般に、電解コンデンサ用Al箔はエッチ
ングピット密度を高くするために立方体方位粒の体積率
を上げる必要があるため、Al純度を上げる(特にFe
量を少なくする)、中間焼鈍〜スキンパス圧下工程を導
入する等の方法が実施されている。
【0005】しかしながら、これらの方法を用いても、
前述した立方体方位粒の占有率の製造条件バラツキ(以
下「(100)面積率低下」と記す)や非立方体方位粒
の筋状分布(以下「筋状異方位」と記す)、非立方体方
位粒の粗大化(以下「異方位粗大粒」と記す)によっ
て、部分的に低容量の領域ができることを抑止すること
は難しかった。
【0006】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、(100)面積率低下、筋状異方
位、異方位粗大粒の発生を抑制して、小型化、高静電容
量化を図り得る電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の
製造方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明者は鋭意研究の結果、箔製造工程における熱間
圧延途中パスの温度履歴とパススケジュールを制御する
ことで、結晶粒を微細均一にし、上記不具合を解消し得
ることを見出し、この発明を完成し得たものである。
【0008】即ち、この発明は、アルミニウム純度9
9.9%以上のアルミニウム鋳塊に均熱加熱、面削を実
施した後、470〜580℃の温度、24〜3時間の保
持時間で前加熱する工程と、前加熱後直ちに熱間圧延を
開始し、板厚100〜20mmになった時点で冷却速度
0.5℃/sec以上の冷却速度で380〜450℃の
温度まで冷却し、その後の1パスを25%以上の圧下率
で圧延する工程と、その後、引き続いて板厚3〜50m
mまで熱間圧延する工程とを実施することを特徴とする
電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法を要旨
とする。
【0009】この発明に用いるアルミニウム鋳塊のアル
ミニウム純度に99.9%以上を必要とするのは、9
9.9%未満の純度では、箔のエッチング時にエッチン
グピットの成長が多くの不純物の存在によって阻害さ
れ、本発明に係る製造工程を実施してもなお均一な深い
トンネル状のエッチングピットを形成できず、従って静
電容量の高いアルミニウム箔を得ることができないから
である。好ましくはアルミニウム純度を99.98%以
上とするのが良い。
【0010】アルミニウム箔は一般的には、アルミニウ
ム鋳塊に均熱加熱、面削、熱間圧延、冷間圧延、箔圧延
を実施することにより製造される。均熱加熱、面削は常
法により行えば良い。
【0011】また、結晶粒微細化のためには、熱間圧延
の開始温度は再結晶温度以上でできるだけ低いことが望
ましい。しかし、開始温度が470℃未満ではAl−F
e、あるいはAl−Fe−Siの微細析出物がマトリッ
クス内に析出し、最終焼鈍後もこの微細析出物が再固溶
することなく残るため、エッチング時に局部溶解を起こ
し高静電容量を得ることができない。一方、開始温度が
580℃を越えると熱間圧延初期の再結晶粒径が粗大化
するため、後述する条件によっても熱間圧延上がりの結
晶粒を微細化できず、高(100)面積率を得ることが
できない。従って、熱間圧延の開始温度を470〜58
0℃とし、このために熱間圧延に際しての前加熱を47
0〜580℃の温度、24〜3時間の保持時間で行う。
好ましくは、500〜550℃×12〜5時間である。
【0012】次に、熱間圧延により板厚が100〜20
mmになった時点で冷却による温度制御を行う。板厚が
100mmを越えると熱間圧延開始からのパス回数が少
なく(1パス圧下率は、再結晶を促進するためにあまり
低くできない)、再結晶が繰り返し起こらないため、高
(100)面積率を得ることができない。一方、板厚が
20mm未満では、その後の温間加工度を大きくとれな
いため、結晶粗大の原因となる。従って、冷却時の板厚
は100〜20mmとする。好ましくは80〜30mm
である。
【0013】冷却は水冷により冷却速度0.5℃/se
c以上の冷却速度で380〜450℃の温度まで行う。
冷却後の温度が380℃未満ではその後の1パスで再結
晶が進行せず前パスの再結晶粒がそのまま圧延されるた
め、結晶粒径が粗大となり、高(100)面積率を得る
ことができない。また、冷却後の温度が450℃を越え
ると、その後の1パスでの再結晶における再結晶粒が大
きくなり、熱間圧延上がりの結晶粒を微細化できず、や
はり高(100)面積率を得ることができない。従っ
て、水冷後の温度は380〜450℃とする。好ましく
は400〜450℃である。また、冷却速度が0.5℃
/sec以上に規定されるのは、結晶粒成長を押さえる
ためであり、好ましくは1℃/sec以上である。
【0014】水冷直後の1パス目の圧下率は、再結晶を
起こさせる必要性から、25%以上好ましくは35%以
上とする。
【0015】その後引き続いて熱間圧延を行うが、熱間
圧延上がりの板厚が50mmを越えると、冷間圧延に非
常に多くの時間を要し、工業的に不利である。一方3m
m未満ではその後の冷間加工度が低すぎて、十分な圧延
集合組織が発達せず高(100)面積率を得ることがで
きない。従って、熱間圧延上がりの板厚は3〜50mm
とする。好ましくは5〜20mmである。
【0016】このような熱間圧延工程を経ることによ
り、熱間圧延上がりにおける再結晶粒の圧延方向と直交
する方向の幅を500μm以下とすることができ、最終
(100)面積率が高く、筋状異方位分布、異方位粗大
粒がなく、全域にわたって高静電容量の箔を得ることが
できる。
【0017】熱間圧延終了後、箔圧延を含む冷間圧延を
行い、必要に応じて冷間圧延途中に中間焼鈍を行い、さ
らに最終焼鈍を実施する。これらの冷間圧延、中間焼
鈍、最終焼鈍は常法の条件により行えば良い。
【0018】
【作用】箔製造工程における熱間圧延途中パスの温度履
歴とパススケジュールを制御することにより、結晶粒が
微細均一となり、(100)面積率低下、筋状異方位、
異方位粗大粒の発生が抑制される。
【0019】
【実施例】表1に示す各種組成のアルミニウム鋳塊に、
均熱加熱、面削を施した後、前加熱を550℃の温度、
12時間の保持時間で実施した。
【0020】その後直ちに熱間圧延を開始したのち、表
1に示す板厚になった時点で、冷却した。冷却速度、冷
却後の温度は表1に示すとおりとした。
【0021】そして、直後の1パスを表1に示す圧下率
で圧延した後、引き続いて板厚5mmまで熱間圧延し
た。
【0022】熱間圧延終了後、冷間圧延、中間焼鈍、冷
間圧延を実施し、最終厚さμmの箔としたのち、最終焼
鈍を実施した。なお、試料A、Bの箔については、中間
焼鈍を250℃×5時間、最終焼鈍を500℃×5時間
の条件で行った。また、試料C〜Gの箔については、中
間焼鈍を270℃×5時間、最終焼鈍を550℃×5時
間の条件で行った。
【0023】
【表1】 そして、得られた各アルミニウム箔の立方体方位の占有
率、及び筋状異方位、異方位粗大粒の有無を調べた。そ
の結果を表2に示す。
【0024】次に、以下の条件でエッチングを実施した
のち、得られたアルミニウム箔に5%ホウ酸浴中で25
0Vの化成処理を行って、静電容量を測定した。その結
果を、試料Bの静電容量を100%としたときの相対比
較にて、表2に示す。
【0025】[エッチング条件] 前処理:なし 一次エッチング 液組成:5%HCl+20%H2 SO
4 、液温:80℃、電流密度:直流20A/dm2 、時
間:80〜180秒 二次エッチング 液組成:5%HCl+0.1%H2
2 4 、液温:80℃、 電流密度:
直流5A/dm2 、時間:10分
【表2】 上記表2の結果からわかるように、本発明によって製造
した実施品は、比較品に較べて、立方体方位占有率が大
きく、筋状異方位、異方位粗大粒が存在せず、また静電
容量も大きいことを確認し得た。
【0026】
【発明の効果】この発明は上述の次第で、箔製造工程に
おける熱間圧延途中パスの温度履歴とパススケジュール
を所定状態に制御するものであるから、結晶粒を微細均
一にでき、(100)面積率低下、筋状異方位、異方位
粗大粒の発生を抑制し得て、エッチング適性に優れたも
のとなしえ、静電容量の大きなアルミニウム箔を提供す
ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 明城 信彦 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニ ウム株式会社内 (72)発明者 御所名 健二 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニ ウム株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−89118(JP,A) 特開 昭62−193238(JP,A) 特開 平1−276612(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/055

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム純度99.9%以上のアル
    ミニウム鋳塊に均熱加熱、面削を実施した後、470〜
    580℃の温度、24〜3時間の保持時間で前加熱する
    工程と、 前加熱後直ちに熱間圧延を開始し、板厚100〜20m
    mになった時点で冷却速度0.5℃/sec以上の冷却
    速度で380〜450℃の温度まで冷却し、その後の1
    パスを25%以上の圧下率で圧延する工程と、 その後、引き続いて板厚3〜50mmまで熱間圧延する
    工程とを実施することを特徴とする電解コンデンサ電極
    用アルミニウム箔の製造方法。
JP00526694A 1994-01-21 1994-01-21 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 Expired - Lifetime JP3359408B2 (ja)

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