JP3359408B2 - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 - Google Patents
電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法Info
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Description
用アルミニウム箔の製造方法に関する。
電解コンデンサ用電極材として一般に用いられるAl箔
には、その実効面積を拡大して単位面積当たりの静電容
量を増大するため、通常、電気化学的あるいは化学的エ
ッチング処理が施される。
では十分な静電容量が得られない。このため、一般的に
は箔圧延後の最終焼鈍工程において、立方体方位を多く
有する集合組織にして箔のエッチング特性を向上させる
べく、450℃程度以上の高温加熱処理が施されている
が、立方体方位粒の占有率は製造条件によってバラツキ
が大きく、また非立方体方位粒の筋状分布や粗大化によ
って、部分的に低容量の領域ができるため、昨今の電解
コンデンサの小型化、高静電容量化の要求に対して十分
な満足を得るものではなかった。
ングピット密度を高くするために立方体方位粒の体積率
を上げる必要があるため、Al純度を上げる(特にFe
量を少なくする)、中間焼鈍〜スキンパス圧下工程を導
入する等の方法が実施されている。
前述した立方体方位粒の占有率の製造条件バラツキ(以
下「(100)面積率低下」と記す)や非立方体方位粒
の筋状分布(以下「筋状異方位」と記す)、非立方体方
位粒の粗大化(以下「異方位粗大粒」と記す)によっ
て、部分的に低容量の領域ができることを抑止すること
は難しかった。
されたものであって、(100)面積率低下、筋状異方
位、異方位粗大粒の発生を抑制して、小型化、高静電容
量化を図り得る電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の
製造方法の提供を目的とする。
に、発明者は鋭意研究の結果、箔製造工程における熱間
圧延途中パスの温度履歴とパススケジュールを制御する
ことで、結晶粒を微細均一にし、上記不具合を解消し得
ることを見出し、この発明を完成し得たものである。
9.9%以上のアルミニウム鋳塊に均熱加熱、面削を実
施した後、470〜580℃の温度、24〜3時間の保
持時間で前加熱する工程と、前加熱後直ちに熱間圧延を
開始し、板厚100〜20mmになった時点で冷却速度
0.5℃/sec以上の冷却速度で380〜450℃の
温度まで冷却し、その後の1パスを25%以上の圧下率
で圧延する工程と、その後、引き続いて板厚3〜50m
mまで熱間圧延する工程とを実施することを特徴とする
電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法を要旨
とする。
ミニウム純度に99.9%以上を必要とするのは、9
9.9%未満の純度では、箔のエッチング時にエッチン
グピットの成長が多くの不純物の存在によって阻害さ
れ、本発明に係る製造工程を実施してもなお均一な深い
トンネル状のエッチングピットを形成できず、従って静
電容量の高いアルミニウム箔を得ることができないから
である。好ましくはアルミニウム純度を99.98%以
上とするのが良い。
ム鋳塊に均熱加熱、面削、熱間圧延、冷間圧延、箔圧延
を実施することにより製造される。均熱加熱、面削は常
法により行えば良い。
の開始温度は再結晶温度以上でできるだけ低いことが望
ましい。しかし、開始温度が470℃未満ではAl−F
e、あるいはAl−Fe−Siの微細析出物がマトリッ
クス内に析出し、最終焼鈍後もこの微細析出物が再固溶
することなく残るため、エッチング時に局部溶解を起こ
し高静電容量を得ることができない。一方、開始温度が
580℃を越えると熱間圧延初期の再結晶粒径が粗大化
するため、後述する条件によっても熱間圧延上がりの結
晶粒を微細化できず、高(100)面積率を得ることが
できない。従って、熱間圧延の開始温度を470〜58
0℃とし、このために熱間圧延に際しての前加熱を47
0〜580℃の温度、24〜3時間の保持時間で行う。
好ましくは、500〜550℃×12〜5時間である。
mmになった時点で冷却による温度制御を行う。板厚が
100mmを越えると熱間圧延開始からのパス回数が少
なく(1パス圧下率は、再結晶を促進するためにあまり
低くできない)、再結晶が繰り返し起こらないため、高
(100)面積率を得ることができない。一方、板厚が
20mm未満では、その後の温間加工度を大きくとれな
いため、結晶粗大の原因となる。従って、冷却時の板厚
は100〜20mmとする。好ましくは80〜30mm
である。
c以上の冷却速度で380〜450℃の温度まで行う。
冷却後の温度が380℃未満ではその後の1パスで再結
晶が進行せず前パスの再結晶粒がそのまま圧延されるた
め、結晶粒径が粗大となり、高(100)面積率を得る
ことができない。また、冷却後の温度が450℃を越え
ると、その後の1パスでの再結晶における再結晶粒が大
きくなり、熱間圧延上がりの結晶粒を微細化できず、や
はり高(100)面積率を得ることができない。従っ
て、水冷後の温度は380〜450℃とする。好ましく
は400〜450℃である。また、冷却速度が0.5℃
/sec以上に規定されるのは、結晶粒成長を押さえる
ためであり、好ましくは1℃/sec以上である。
起こさせる必要性から、25%以上好ましくは35%以
上とする。
圧延上がりの板厚が50mmを越えると、冷間圧延に非
常に多くの時間を要し、工業的に不利である。一方3m
m未満ではその後の冷間加工度が低すぎて、十分な圧延
集合組織が発達せず高(100)面積率を得ることがで
きない。従って、熱間圧延上がりの板厚は3〜50mm
とする。好ましくは5〜20mmである。
り、熱間圧延上がりにおける再結晶粒の圧延方向と直交
する方向の幅を500μm以下とすることができ、最終
(100)面積率が高く、筋状異方位分布、異方位粗大
粒がなく、全域にわたって高静電容量の箔を得ることが
できる。
行い、必要に応じて冷間圧延途中に中間焼鈍を行い、さ
らに最終焼鈍を実施する。これらの冷間圧延、中間焼
鈍、最終焼鈍は常法の条件により行えば良い。
歴とパススケジュールを制御することにより、結晶粒が
微細均一となり、(100)面積率低下、筋状異方位、
異方位粗大粒の発生が抑制される。
均熱加熱、面削を施した後、前加熱を550℃の温度、
12時間の保持時間で実施した。
1に示す板厚になった時点で、冷却した。冷却速度、冷
却後の温度は表1に示すとおりとした。
で圧延した後、引き続いて板厚5mmまで熱間圧延し
た。
間圧延を実施し、最終厚さμmの箔としたのち、最終焼
鈍を実施した。なお、試料A、Bの箔については、中間
焼鈍を250℃×5時間、最終焼鈍を500℃×5時間
の条件で行った。また、試料C〜Gの箔については、中
間焼鈍を270℃×5時間、最終焼鈍を550℃×5時
間の条件で行った。
率、及び筋状異方位、異方位粗大粒の有無を調べた。そ
の結果を表2に示す。
のち、得られたアルミニウム箔に5%ホウ酸浴中で25
0Vの化成処理を行って、静電容量を測定した。その結
果を、試料Bの静電容量を100%としたときの相対比
較にて、表2に示す。
4 、液温:80℃、電流密度:直流20A/dm2 、時
間:80〜180秒 二次エッチング 液組成:5%HCl+0.1%H2 C
2 O4 、液温:80℃、 電流密度:
直流5A/dm2 、時間:10分
した実施品は、比較品に較べて、立方体方位占有率が大
きく、筋状異方位、異方位粗大粒が存在せず、また静電
容量も大きいことを確認し得た。
おける熱間圧延途中パスの温度履歴とパススケジュール
を所定状態に制御するものであるから、結晶粒を微細均
一にでき、(100)面積率低下、筋状異方位、異方位
粗大粒の発生を抑制し得て、エッチング適性に優れたも
のとなしえ、静電容量の大きなアルミニウム箔を提供す
ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 アルミニウム純度99.9%以上のアル
ミニウム鋳塊に均熱加熱、面削を実施した後、470〜
580℃の温度、24〜3時間の保持時間で前加熱する
工程と、 前加熱後直ちに熱間圧延を開始し、板厚100〜20m
mになった時点で冷却速度0.5℃/sec以上の冷却
速度で380〜450℃の温度まで冷却し、その後の1
パスを25%以上の圧下率で圧延する工程と、 その後、引き続いて板厚3〜50mmまで熱間圧延する
工程とを実施することを特徴とする電解コンデンサ電極
用アルミニウム箔の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00526694A JP3359408B2 (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00526694A JP3359408B2 (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07211591A JPH07211591A (ja) | 1995-08-11 |
JP3359408B2 true JP3359408B2 (ja) | 2002-12-24 |
Family
ID=11606432
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00526694A Expired - Lifetime JP3359408B2 (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3359408B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000269092A (ja) * | 1999-03-18 | 2000-09-29 | Kobe Steel Ltd | エッチング性に優れた電解コンデンサー電極用アルミニウム箔地およびその製法 |
-
1994
- 1994-01-21 JP JP00526694A patent/JP3359408B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07211591A (ja) | 1995-08-11 |
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