JP3357518B2 - 吸収性シート及びその製造方法並びに吸収性物品 - Google Patents
吸収性シート及びその製造方法並びに吸収性物品Info
- Publication number
- JP3357518B2 JP3357518B2 JP31939895A JP31939895A JP3357518B2 JP 3357518 B2 JP3357518 B2 JP 3357518B2 JP 31939895 A JP31939895 A JP 31939895A JP 31939895 A JP31939895 A JP 31939895A JP 3357518 B2 JP3357518 B2 JP 3357518B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- absorbent
- absorbent sheet
- fibers
- hydrophilic fine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
Description
ハイジーンパッド、紙おむつ、メディカル用パッド、母
乳パッド、ドリップシート、キッチン用吸収シート、家
庭用清掃シート及びペット用アンダーシート等に特に好
適に使用される吸収性シート、その製造方法及びそれを
用いた吸収性物品に関するものである。
性ポリマーを吸収性構造体内に固着させて吸収性シート
を得る種々の方法が知られている。例えば、米国特許第
3,070,095号明細書は、図12に示すように、
高吸収性ポリマー16をティッシュ30上に散布して、
この上に別のティッシュ31を積層した後、ローラーに
よる圧着で高吸収性ポリマーをティッシュ内にプレスす
ることを開示している。しかしながら、この方法では、
高吸収性ポリマーは、ティッシュ層の間に層状に固定さ
れるのみであり、多量の高吸収性ポリマーを固定するこ
とはできない。従って、かかる吸収性シートを例えば吸
収性物品の吸収体に用いたような場合には、着用者の運
動等によって高吸収性16ポリマーがティッシュ30、
31から分離して、ティッシュ30、31間に空間が生
じ、液体が滞留してしまう場合がある。
は、2つの紙層の間に高吸収性ポリマーを散布した後、
エンボス加工して、高吸収性ポリマーをエンボスキャビ
ティー内に固着することを開示している。しかしなが
ら、この方法も、上記ローラーによる圧着法と同様の欠
点を有している。
は、2枚のクレープ紙の間に高吸収性ポリマーを散布し
た後、キルト化して、高吸収性ポリマーを所定の位置に
保持することを開示している。しかしながら、この方法
も、依然として多量の高吸収性ポリマーを固定できない
という欠点を有している。
開昭54−123293号公報及び特開昭54−141
099号公報には、ティッシュにスチームを吹きかけた
り水を散布して、ティッシュを湿潤化した後に、高吸収
性ポリマーを散布して、高吸収性ポリマーに粘着性を付
与することによって、ティッシュ間に高吸収性ポリマー
を固定することが開示されている。この方法によれば、
高吸収性ポリマーをある程度固定できるものの、脱落を
完全に防止することはできず、しかも固定量は依然とし
て不十分である。また、液体を吸収すると、高吸収性ポ
リマーは層状に膨潤し、場合によってはゲルブロッキン
グ等による吸収阻害を生じることもある。
は、抄紙工程内において、乾燥前の紙上に高吸収性ポリ
マーを散布した後、乾燥することにより、高吸収性ポリ
マーを含有した吸収紙を製造する方法が記載されてい
る。この方法によれば、ある程度の量の高吸収性ポリマ
ーを紙中に固定できるが、その固定量は高々10g/m
2 程度であり、決して十分な量とはいえない。また、得
られた吸収性シートにおいては、液を吸収する表面にも
高吸収性ポリマーが存在しているので、そのような高吸
収性ポリマーは摩擦をはじめとする動的な作用によって
容易に脱落してしまうという欠点を有している。
接着剤を塗布し、該接着剤によって高吸収性ポリマーを
固定する方法も知られている。この方法によれば、高吸
収性ポリマーを確実に固定することができる。しかしな
がら、ホットメルト接着剤によって高吸収性ポリマーの
表面の大部分が被覆されてしまうので、高吸収性ポリマ
ーの膨潤阻害及び液体の吸収阻害が生じてしまう。
マーの固定化の別法として、ホットメルト接着剤をスパ
イラル状に塗布する方法がある。この方法によれば、上
記膨潤阻害及び吸収阻害は少なく、しかも、効率良く高
吸収性ポリマーを固定することができる。しかしなが
ら、ホットメルト接着剤をスパイラル状に塗布すること
によって製造工程及び設備が複雑となってしまう。更
に、多量の高吸収性ポリマーを層状に固定するので、液
体を吸収したときに高吸収性ポリマーのゲルブロッキン
グが起こり、液体の膨潤阻害が生じる。
用した吸収性シートも知られている。かかる吸収性シー
トにおいては、ケミカルバインダーや高配合の合成パル
プ及び低融点合成繊維等を使用してシート強度を大きく
しようとすると、吸収性シートが疎水化し吸収速度が低
下する。シート強度が低いと、液体を吸収した場合、高
吸収性ポリマーが膨潤し、吸収性シートを破って外側に
はみ出すという欠点がある。また、吸収性シートの表面
強度を大きくするため、クレープ紙を積層する場合もあ
るが、この場合、コストが高くなるという問題がある。
しかも、いずれの場合にも高吸収性ポリマーの木材パル
プへの固着は不十分であり、高吸収性ポリマーが脱落し
やすいという問題は改善されない。さらに、吸収性シー
トを強圧縮すると、その液吸収速度が低下することは避
けられないという問題もある。
織布上に高吸収性ポリマーを直接重合せしめて、不織布
上に固定化させて吸収性シートを得る方法も知られてい
る。しかしながら、不織布として親水性繊維から成る不
織布を用いた場合には、重合の結果得られる高吸収性ポ
リマーが粒子状とはならず不織布全体に略均一に固定化
されてしまうので、液体の吸収量が低下してしまうとい
う欠点がある。一方、不織布として疎水性繊維から成る
不織布を用いた場合には、上記親水性繊維から成る不織
布の場合とは異なり、重合の結果得られる高吸収性ポリ
マーは粒子状となるが、吸収性シート全体として疎水性
であるために、液体の吸収速度が遅いという欠点を有す
る。しかも、これらの方法では、未反応のモノマーの残
存が避けられないので、該モノマーの人体への安全性の
面から吸収性シートの用途が限定されてしまう。
ー本来の吸収特性を損なうことなく高吸収性ポリマーが
確実に固定された吸収性シートを提供することにある。
こと無く極めてスムーズに吸収すると共に素早く高吸収
性ポリマー全体に導くことができ、且つ効果的に液体を
固定し得る吸収性シートを提供することにある。
収する場合においても高吸収性ポリマーがゲルブロッキ
ングを起こさず、高吸収性ポリマー本来の吸収特性が発
現し得る吸収性シートを提供することにある。
を簡便に製造できる方法を提供することにある。
を具備する、吸収性能の高い吸収性物品を提供すること
にある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、吸収性シートを
構成する繊維が湿潤した状態で、該繊維間に形成される
空間に高吸収性ポリマーを埋没させることにより、高吸
収性ポリマーを大量に固定化させることができ、しか
も、高吸収性ポリマーのゲルブロッキングを効果的に防
止し得ることを知見した。
であり、少なくとも高吸収性ポリマー、嵩高性のセルロ
ース繊維及び親水性の微細繊維を含む吸収性シートであ
って、上記吸収性シートは繊維集合体及び繊維ウエブか
ら構成されていると共に、該繊維集合体と該繊維ウエブ
とは一体化しており、上記繊維集合体は、吸収表面を有
すると共に該吸収表面側には上記高吸収性ポリマーを含
まず、且つ平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.3m
g/m以上の嵩高性のセルロース繊維を主体としてお
り、上記繊維ウエブは、平均繊維長1〜20mmで繊維
粗度0.3mg/m以上の嵩高性のセルロース繊維及び
平均繊維長0.02〜0.5mmの親水性の微細繊維を
含むと共に、その一方の面側における該親水性の微細繊
維の存在割合が他方の面側における存在割合よりも高
く、且つ上記親水性の微細繊維の存在割合が低い面側で
上記繊維集合体に隣接しており、上記高吸収性ポリマー
は、上記吸収性シートの内部に含まれていると共に該吸
収性シートを構成する繊維に接着していることを特徴と
する吸収性シート(以下、「第1吸収性シート」とい
う)を提供することにより、上記目的を達成したもので
ある。
しい製造方法として、平均繊維長1〜20mmで繊維粗
度0.3mg/m以上の嵩高性のセルロース繊維及び平
均繊維長0.02〜0.5mmの親水性の微細繊維を含
むと共に、その一方の面側における該親水性の微細繊維
の存在割合が、他方の面側における存在割合よりも高
い、湿潤した繊維ウエブにおける、該親水性の微細繊維
の存在割合が低い面上に高吸収性ポリマーを散布し、そ
の上に平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.3mg/
m以上の嵩高性のセルロース繊維を主体とする繊維集合
体を重ね合わせ、そしてこれらを乾燥し、一体化する工
程を含むことを特徴とする吸収性シートの製造方法を提
供するものである。
た好ましい吸収性物品として、液体吸収可能な表面層、
液体保持性の吸収層及び液体不透過性の防漏層を有する
吸収性物品において、上記表面層若しくは上記吸収層又
は上記防漏層の上記吸収層側には、少なくとも高吸収性
ポリマー、嵩高性のセルロース繊維及び親水性の微細繊
維を含む吸収性シートが含まれており、上記吸収性シー
トは繊維集合体及び繊維ウエブから構成されていると共
に、該繊維集合体と該繊維ウエブとは一体化しており、
上記繊維集合体は、吸収表面を有すると共に該吸収表面
側には上記高吸収性ポリマーを含まず、且つ平均繊維長
1〜20mmで繊維粗度0.3mg/m以上の嵩高性の
セルロース繊維を主体としており、上記繊維ウエブは、
平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.3mg/m以上
の嵩高性のセルロース繊維及び平均繊維長0.02〜
0.5mmの親水性の微細繊維を含むと共に、その一方
の面側における該親水性の微細繊維の存在割合が他方の
面側における存在割合よりも高く、且つ上記親水性の微
細繊維の存在割合が低い面側で上記繊維集合体に隣接し
ており、上記高吸収性ポリマーは、上記吸収性シートの
内部に含まれていると共に該吸収性シートを構成する繊
維に接着していることを特徴とする吸収性物品を提供す
るものである。
マー、嵩高性のセルロース繊維及び親水性の微細繊維を
含む吸収性シートであって、上記吸収性シートは繊維集
合体及び繊維ウエブから構成されていると共に、該繊維
集合体と該繊維ウエブとは一体化しており、上記繊維集
合体は、吸収表面を有すると共に該吸収表面側には上記
高吸収性ポリマーを含まず、且つ平均繊維長1〜20m
mで繊維粗度0.3mg/m以上の嵩高性のセルロース
繊維及び平均繊維長0.02〜0.5mmの親水性の微
細繊維を含むと共に、その一方の面側における該親水性
の微細繊維の存在割合が他方の面側における存在割合よ
りも高く、上記繊維ウエブは、平均繊維長1〜20mm
で繊維粗度0.3mg/m以上の嵩高性のセルロース繊
維を主体とし、且つ上記繊維集合体における上記親水性
の微細繊維の存在割合が高い面側で該繊維集合体に隣接
しており、上記高吸収性ポリマーは、上記吸収性シート
の内部に含まれていると共に該吸収性シートを構成する
繊維に接着していることを特徴とする吸収性シート(以
下、「第2吸収性シート」という)を提供することによ
り、上記目的を達成したものである。
しい製造方法として、平均繊維長1〜20mmで繊維粗
度0.3mg/m以上の嵩高性のセルロース繊維を主体
とする湿潤した繊維ウエブ上に高吸収性ポリマーを散布
し、その上に、平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.
3mg/m以上の嵩高性のセルロース繊維及び平均繊維
長0.02〜0.5mmの親水性の微細繊維を含むと共
に、その一方の面側における該親水性の微細繊維の存在
割合が、他方の面側における存在割合よりも高い繊維集
合体を、その親水性の微細繊維の存在割合が高い面側と
上記繊維ウエブとが隣接するように重ね合わせ、そして
これらを乾燥し、一体化する工程を含むことを特徴とす
る吸収性シートの製造方法を提供するものである。
た好ましい吸収性物品として、液体吸収可能な表面層、
液体保持性の吸収層及び液体不透過性の防漏層を有する
吸収性物品において、上記表面層若しくは上記吸収層又
は上記防漏層の上記吸収層側には、少なくとも高吸収性
ポリマー、嵩高性のセルロース繊維及び親水性の微細繊
維を含む吸収性シートが含まれており、上記吸収性シー
トは繊維集合体及び繊維ウエブから構成されていると共
に、該繊維集合体と該繊維ウエブとは一体化しており、
上記繊維集合体は、吸収表面を有すると共に該吸収表面
側には上記高吸収性ポリマーを含まず、且つ平均繊維長
1〜20mmで繊維粗度0.3mg/m以上の嵩高性の
セルロース繊維及び平均繊維長0.02〜0.5mmの
親水性の微細繊維を含むと共に、その一方の面側におけ
る該親水性の微細繊維の存在割合が他方の面側における
存在割合よりも高く、上記繊維ウエブは、平均繊維長1
〜20mmで繊維粗度0.3mg/m以上の嵩高性のセ
ルロース繊維を主体とし、且つ上記繊維集合体における
上記親水性の微細繊維の存在割合が高い面側で該繊維集
合体に隣接しており、上記高吸収性ポリマーは、上記吸
収性シートの内部に含まれていると共に該吸収性シート
を構成する繊維に接着していることを特徴とする吸収性
物品を提供するものである。
及び第2吸収性シートについて図面を参照しつつ詳説す
る。ここで、図1は、本発明の第1吸収性シートの断面
を示す模式図であり、図2は本発明の第2吸収性シート
の断面を示す模式図である。
説明する。本発明の第1吸収性シート100は、図1に
示すように、少なくとも高吸収性ポリマー、嵩高性のセ
ルロース繊維及び親水性の微細繊維を含む吸収性シート
であって、該吸収性シート100は、繊維集合体105
及び繊維ウエブ108から構成されている。該繊維集合
体105は、吸収表面102を有すると共に該吸収表面
102側には高吸収性ポリマーを含まない。該繊維集合
体105は平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.3m
g/m以上の嵩高性のセルロース繊維12を主体として
形成されている。
すように、平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.3m
g/m以上の嵩高性のセルロース繊維12及び平均繊維
長0.02〜0.5mmの親水性の微細繊維14を含む
と共に、その一方の面側における該親水性の微細繊維の
存在割合が他方の面側における存在割合よりも高くなっ
ている。そして、該繊維ウエブ108は、上記親水性の
微細繊維の存在割合が低い面側で上記繊維集合体105
に隣接している。
105と上記繊維ウエブ108とは一体化している。更
に、上記高吸収性ポリマー106は、上記吸収性シート
100の内部に含まれており、しかも上記吸収性シート
100を構成する繊維に接着している。
00は、繊維集合体105及び繊維ウエブ108を含み
且つ高吸収性ポリマー106がその内部に含まれた一体
構造を有していることが特徴の一つである。更に詳しく
は、本発明の第1吸収性シート100は、上記繊維集合
体105を構成する繊維と上記繊維ウエブ108を構成
する繊維との間での機械的絡み合い、水素結合(及び強
力補助剤)並びに熱融着等により、上記繊維集合体10
5と上記繊維ウエブ108とが一体化している。かかる
構造を有することにより、上記高吸収性ポリマー106
が確実に固定され、その脱落を防止することができる。
しかも、上記吸収表面102から吸収された液体の透過
性及び拡散性が一層向上し、スムーズに上記高吸収性ポ
リマー106に到達する。また、液体を吸収した上記高
吸収性ポリマー106のゲルブロッキングも抑えられ
る。従って、本発明の第1吸収性シート100は、2枚
の吸収紙の間に高吸収性ポリマーを層状に挟持した従来
の吸収性シート(図12)とは全く異なった構造を有す
る(つまり、従来の吸収性シートは2プライであるが、
本発明の第1吸収性シート100は1枚のシートであ
る)。かかる一体化は、後述するように、湿式抄紙によ
る重ね合わせによって達成されることが好ましい。
おける上記繊維ウエブ108について説明する。本発明
において、「繊維ウエブ」とは、高吸収性ポリマー散布
前の湿潤状態において、構成繊維が互いに全く拘束され
ていないか、又は水素結合、機械的絡み合い及び摩擦力
等によりごく僅かに拘束されて、極めて高い自由度を有
する状態にあり、且つその乾燥後においては、構成繊維
が互いに強く拘束されてシート状の形態をとるものをい
う。
リマー106の散布前には湿潤した状態にあり、上記繊
維ウエブ108を構成する繊維が互いに極めて高い自由
度を有していることが重要である。かかる状態の繊維ウ
エブ108上に上記高吸収性ポリマー106を散布する
ことにより、上記高吸収性ポリマー106は上記繊維ウ
エブ108中に埋設・固定される。即ち、上記高吸収性
ポリマー106は、上記繊維ウエブ108中に三次元的
に分散されている。また、上記繊維ウエブ108は、該
繊維ウエブ108と上記繊維集合体105とを一体化さ
せた後に上記高吸収性ポリマー106が上記第1吸収性
シート100の表面に析出しない程度の強度を有してい
ることも重要である。この目的のために、上記繊維ウエ
ブ108は、これを単独で乾燥させてシート化したもの
をJIS−P−8113により測定した湿潤時の引張強
度が50g以上であることが好ましく、100g以上で
あることが更に好ましい。上記繊維ウエブ108に湿潤
時の引張強度を付与するためには、上記繊維ウエブ10
8に、後述する熱溶融性接着繊維を配合したり、或いは
後述する強力補助剤(紙力補強剤)を配合することが好
ましい。
しくは10g/m2 〜200g/m 2 であり、更に好ま
しくは10g/m2 〜100g/m2 であり、一層好ま
しくは20g/m2 〜80g/m2 である。上記坪量が
10g/m2 に満たないと、上記高吸収性ポリマー10
6の膨潤時に上記高吸収性ポリマー106が上記繊維ウ
エブ108を突出して脱落してしまうおそれがある。一
方、上記坪量が200g/m2 を超えると繊維ウエブの
密度が上がり過ぎ、上記第1吸収性シート100が固く
なりすぎ、上記高吸収性ポリマー106を三次元的に固
定できなくなったり、液体の透過性が悪くなったり、更
には装着感が悪くなる場合があるので、上記範囲内とす
ることが好ましい。
ると、該繊維ウエブ108は、平均繊維長1〜20mm
で繊維粗度0.3mg/m以上の嵩高性のセルロース繊
維及び平均繊維長0.02〜0.5mmの親水性の微細
繊維を含むものであり、しかも、その一方の面側におけ
る該親水性の微細繊維の存在割合が、他方の面側におけ
る存在割合よりも高いものである。その結果、上記親水
性の微細繊維の存在割合の低い面側は、液体の吸収速度
及び局所的な液体の吸収性に優れると共に液体の透過性
も高い。一方、上記親水性の微細繊維の存在割合の高い
面側は、上記親水性の微細繊維が高い表面積を有してい
るが故に、液体の拡散性に優れる。従って、上記親水性
の微細繊維の存在割合の低い面側を透過してきた液体を
素早く拡散させることができる。このように、上記繊維
ウエブ108は、単一の構造であるにも拘らず、液体の
吸収透過性及び液体の拡散性の双方の性質を兼ね備えた
ものである。なお、上記繊維ウエブ108が、上記親水
性の微細繊維の存在割合の低い面側で上記繊維集合体1
05に隣接していることは、上述の通りである。以下、
簡便のため、上記繊維ウエブ108の面のうち、上記親
水性の微細繊維の存在割合の低い面側を第1面とよび、
上記親水性の微細繊維の存在割合の高い面側を第2面と
よぶことにする。
の、上記第1面から該第1面近傍にかけては、上記嵩高
性のセルロース繊維が主体となっているので、液体を素
早く吸収し且つ上記第2面に液体を素早く透過させる機
能を有する。即ち、この領域は、主として液体の「吸収
透過層」として機能する。一方、上記第2面から該第2
面近傍にかけては、上記親水性の微細繊維が主体となっ
ているので、上記第1面から透過してきた液体を素早く
拡散させる機能を有する。即ち、この領域は、主として
液体の「拡散層」として機能する。このように、上記繊
維ウエブ108は、単一の構造中に、吸収透過層と拡散
層とを併せ持つことを特徴とし、その結果、液体の吸収
性が高く、しかも、液体吸収後は極めてさらっとしてい
る(サラット感)。
は、液体の拡散性に大きな差がある。即ち、上記親水性
の微細繊維が主体となっている第2面側(拡散層)で
は、液体は素早く拡散する。一方、上記嵩高性のセルロ
ース繊維が主体となっている第1面側(吸収透過層)で
は、液体の吸収及び透過は迅速であるが液体の拡散はそ
れ程速くない。つまり、上記繊維ウエブ108において
は、その厚さ方向における液体の拡散に関して拡散勾配
を有している。
の微細繊維の存在割合は、上記第1面から上記第2面に
向かって漸次増加していてもよいが、ある厚さを境とし
てステップ状に増加していてもよい。
記繊維ウエブ108の厚さ方向において、均一に存在し
ていてもよいが、より好ましくは本発明の吸収性シート
の第2面側よりも第1面側の方が、その存在割合が高く
なっている。つまり、上記繊維ウエブ108の厚さ方向
において、上記嵩高性のセルロース繊維の存在割合に勾
配があることが好ましい。かかる存在割合は、上記第2
面から上記第1面に向かって漸次増加していてもよい
が、ある厚さを境としてステップ状に増加していてもよ
い。
記第2面側から厚さ方向に約1/3までの深さに、上記
親水性の微細繊維が、その全量に基づき好ましくは約5
〜約70重量%、一層好ましくは約10〜約50重量%
存在し、上記親水性の微細繊維を主体とする上記拡散層
が形成されている。一方、上記繊維ウエブ108の上記
第1面側から厚さ方向に約2/3までの深さに、上記嵩
高性のセルロース繊維が、その全量に基づき好ましくは
約60〜約100重量%、一層好ましくは約70〜約9
7重量%存在し、上記嵩高性のセルロース繊維を主体と
する上記吸収透過層が形成されている。
方向において、上記嵩高性のセルロース繊維及び上記親
水性の微細繊維の分布は、漸次増加していてもよく、あ
る厚さを境としてステップ状に増加していてもよい。そ
して、上記嵩高性のセルロース繊維及び上記親水性の微
細繊維の双方が上記繊維ウエブ108の厚さ方向におい
て、その分布に勾配を有している上記繊維ウエブ108
の特に好ましい態様においては、液体の吸収透過性と液
体の拡散性とが一層顕著に発現し得る。
性のセルロース繊維及び上記親水性の微細繊維の配合割
合には特に制限はないが、上記嵩高性のセルロース繊維
は、上記繊維ウエブ100重量部に基づいて50〜97
重量部含まれることが好ましく、70〜95重量部含ま
れることが一層好ましい。上記嵩高性のセルロース繊維
の配合割合が50重量部に満たないと、嵩高のネットワ
ーク構造が不十分で、透過と拡散を兼ね備えた繊維ウエ
ブを得られない場合があり、上記嵩高性のセルロース繊
維の配合割合が97重量部を超えると、親水性の微細繊
維の配合割合が低くなり、拡散性が不十分となるので、
上記範囲内とすることが好ましい。
ウエブ100重量部に基づいて3〜50重量部含まれる
ことが好ましく、5〜30重量部含まれることが一層好
ましい。上記親水性の微細繊維の配合割合が3重量部に
満たないと、拡散性が不十分となり、上記親水性の微細
繊維の配合割合が50重量部を超えると、上記第1面側
における親水性の微細繊維の配合割合が増加し、透過性
が不十分となるので、上記範囲内とすることが好まし
い。
応じて、加熱により溶融し相互に接着する熱溶融性接着
繊維を加えてもよい。かかる熱溶融性接着繊維を加える
ことにより、上記繊維ウエブ108の湿潤時における構
造安定性を保つことができる。
100重量部に基づき2〜30重量部添加することが好
ましく、より好ましくは3〜20重量部添加する。添加
量が2重量部未満であると、実際に液体を吸収した場合
の強力が不十分となったり、上記繊維ウエブ108にお
ける上記嵩高性のセルロース繊維と上記親水性の微細繊
維との混合状態が変わって拡散勾配が保たれない場合が
あるので好ましくない。一方、添加量が30重量部を超
えると、上記繊維ウエブ108全体の親水性が低下し、
液体の吸収速度や液体の拡散能力が不十分となる場合が
あるので好ましくない。
きるその他の任意成分としては、例えば、針葉樹パル
プ、広葉樹パルプ、ワラパルプ等の他のパルプや強力補
助剤としてのポリアミン・エピクロルヒドリン樹脂、ジ
アルデヒドデンプン、カイメン及びカルボキシメチルセ
ルロース等を挙げることができる。これらの成分は、上
記繊維ウエブ100重量部に基づき好ましくは0〜30
重量部、より好ましくは、0〜20重量部添加すること
ができる。
ないが、2.5g/m2 荷重下の厚みが0.2〜2mm
であることが好ましく、0.2〜1mmであることが一
層好ましい。厚さが0.2mmに満たないと、繊維ウエ
ブが薄過ぎて、透過と拡散というそれぞれの機能を発現
し得ない場合があり、厚さが2mmを超えると透過と拡
散という液体のスムーズな伝達が起こり難い場合がある
ので、上記範囲内とすることが好ましい。
においては、上記繊維ウエブ108は、上記繊維ウエブ
100重量部に基づいて上記嵩高性のセルロース繊維を
70〜95重量部、上記親水性の微細繊維を5〜30重
量部、及び上記熱溶融性接着繊維を2〜30重量部含
み;そしてその坪量が10〜200g/m2 である。
上記嵩高性のセルロース繊維、親水性の微細繊維、及び
上記熱溶融性接着繊維について説明する。
て説明する。上記嵩高性のセルロース繊維としては、そ
の平均繊維長が1〜20mmであり、繊維粗度が0.3
mg/m以上であり、且つ嵩高であればどのようなセル
ロース繊維を用いてもよい。セルロース繊維としては、
例えば、木材パルプや綿等の天然セルロース、レーヨン
やキュプラ等の再生セルロースを用いることができる。
コストの点からは、木材パルプを用いることが好まし
く、特に針葉樹クラフトパルプが好ましく用いられる。
これらのセルロース繊維は1種又は2種以上を用いるこ
とができる。上記嵩高性のセルロース繊維は、その平均
繊維長が2〜10mmであることが好ましく、更に好ま
しい平均繊維長は2〜5mmである。平均繊維長が1m
mに満たないと、上記嵩高なネットワーク構造を形成す
ることができず、しかも、後述するように上記親水性の
微細繊維が上記嵩高なネットワーク構造間を通り抜ける
ことができない。平均繊維長が20mmを超えると、水
中での分散性が悪くなり均一なネットワーク構造を形成
することができない。なお、本発明において「嵩高の繊
維」とは、繊維形状が、捻れ構造、クリンプ構造、屈曲
及び/又は分岐構造等の立体構造をとるか、又は繊維断
面が極太(例えば繊維粗度が0.3mg/m以上)であ
る繊維をいう。
維粗度が0.3mg/m以上である。繊維粗度を0.3
mg/m以上とすることにより、嵩高な状態でセルロー
ス繊維が集積し、上記嵩高なネットワーク構造が形成さ
れる。また、液体の移動抵抗が小さく、液体の通過速度
も大きくなる。上記嵩高性のセルロース繊維は、平均繊
維長が1〜20mmであり且つ繊維粗度が0.3mg/
m以上であることに加えて、繊維断面の真円度が0.5
〜1であることにより、上記効果がより一層発現するの
で一層好ましい。
パルプのように、繊維の太さが不均一な繊維において、
繊維の太さを表す尺度として用いられるものであり、例
えば、繊維粗度計(FS−200、KAJANNI ELECTRONIC
S LTD.社製)を用いて測定することができる。
性のセルロース繊維は、繊維粗度が0.3mg/m以上
であることが好ましいが、更に好ましい繊維粗度は0.
3〜2mg/mであり、一層好ましい繊維粗度は0.3
2〜1mg/mである。また、繊維断面の真円度に関し
ては、0.55〜1であることが更に好ましい。
ス繊維の例としては、針葉樹クラフトパルプ〔Federal
Paper Board Co. 製の「ALBACEL 」(商品名)、及びPT
Inti Indorayon Utama 製の「INDORAYON 」(商品
名)〕等が挙げられる。
は、その繊維断面の真円度が0.5〜1であることが好
ましいが、該真円度がこの範囲にあると該嵩高性のセル
ロース繊維はは太くて丸くなり、集合体となったときに
該集合体の断面構造として嵩高となり、且つ繊維が互い
に密に接していないため水素結合し難く嵩高な構造を維
持し得る。
ルロース繊維として木材パルプを使用することが好まし
いが、一般に木材パルプの断面は、脱リグニン化処理に
より偏平であり、その殆どの真円度は0.5未満であ
る。このような木材パルプの真円度を0.5以上にする
ためには、例えば、繊維粗度が0.3mg/m以上の木
材パルプをマーセル化処理して木材パルプの断面を膨潤
させればよい。即ち、上記嵩高性のセルロース繊維が、
マーセル化パルプであることも好ましい。
1であるセルロース繊維としては、木材パルプをマーセ
ル化処理して得られる真円度が0.5〜1であるマーセ
ル化パルプが好ましい。本発明において用いることので
きる市販のマーセル化パルプの例としては、ITT Rayoni
er Inc. 製の「FILTRANIER」(商品名)や同社製の「PO
ROSANIER」(商品名)等が挙げられる。
粗度が0.3mg/m以上である上記嵩高性のセルロー
ス繊維として好ましいものの他の例には、セルロース繊
維の分子内及び分子間を架橋して得られる架橋セルロー
ス繊維がある。かかる架橋セルロース繊維は、液体で濡
れた場合でも膨潤せず、ヨレ/ヘタリが少なく、更には
強度が低下せずに、嵩高構造を維持し得るので好まし
い。
特に制限はないが、例えば、架橋剤を用いた架橋方法が
挙げられる。かかる架橋剤の例としては、ジメチロール
エチレン尿素及びジメチロールジヒドロキシエチレン尿
素等のN−メチロール系化合物;クエン酸、トリカルバ
リル酸及びブタンテトラカルボン酸等のポリカルボン
酸;ジメチルヒドロキシエチレン尿素等のポリオール;
ポリグリシジルエーテル系化合物の架橋剤などが挙げら
れる。特に、架橋時に人体に有害なホルマリン等を発生
しないポリカルボン酸やポリグリシジルエーテル系化合
物の架橋剤が好ましい。
維100重量部に対して、0.2〜20重量部とするの
が好ましい。使用量が0.2重量部未満であると、上記
セルロース繊維の架橋密度が低い為、湿潤時に弾性率が
大きく低下してしまう場合があり、使用量が20重量部
を超えると上記セルロース繊維が剛直になり過ぎ、応力
がかかった時に上記セルロース繊維が脆くなってしまう
場合があるので、上記範囲内とするのが好ましい。
架橋するためには、例えば、上記架橋剤の水溶液に必要
に応じて触媒を添加したものに、上記セルロース繊維を
含浸させ、架橋剤水溶液が設計付着量となる様に上記セ
ルロース繊維を脱水し、次いで架橋温度に加熱するか、
又は、スプレー等により架橋剤水溶液を上記セルロース
繊維に設計付着量となる様に散布し、その後、架橋温度
に加熱し、架橋反応させる。
販のものも使用することができる。そのような架橋セル
ロース繊維としては、Weyerhaeuser Paper Co.製の「Hi
gh Bulk Additive」(商品名)等が挙げられる。
繊維長が1〜20mmであり、繊維粗度が0.3mg/
m以上であり、繊維断面の真円度が0.5〜1である架
橋セルロース繊維である。また更に、上述したマーセル
化パルプの架橋セルロース繊維も好ましい。
する。上記親水性の微細繊維は、その表面が親水性であ
り、その平均繊維長が0.02〜0.5mmであり、好
ましくは0.03〜0.3mmである。上記親水性の微
細繊維の平均繊維長が0.02mm未満では、後述する
上記繊維ウエブの好ましい製造方法において、上記親水
性の微細繊維が抄紙ワイヤーをすり抜けてしまい、抄紙
ワイヤー上に上記親水性の微細繊維を堆積させることが
できない。また、上記親水性の微細繊維の平均繊維長が
0.5mmを超えると、後述する上記繊維ウエブの好ま
しい製造方法において、上記親水性の微細繊維が、上記
嵩高性のセルロース繊維によって形成される上記ネット
ワーク構造中をすり抜けることができず、抄紙ワイヤー
上に堆積されない。
維に特に制限はない。例えば、パルプ、綿及びレーヨン
等のセルロース繊維;ポリアクリロニトリル及びポリビ
ニルアルコール等の親水性合成繊維;カオリン、ベント
ナイト及びハイドロタルサイト等の無機繊維等を使用す
ることができる。これらの親水性の微細繊維は、単独で
用いることもでき又は2種以上を混合して用いることも
できる。
のを使用することもできる。例えば、針葉樹パルプ及び
広葉樹パルプ等の木材パルプを叩解し、次いで機械的に
粉砕した後に0.5mm以下の篩にて分別した、山陽国
策パルプ(株)製のパルプフロック(商品名)等が挙げ
られる。他の例としては、木材パルプ等のセルロース繊
維を機械的に粉砕し、次いで酸により加水分解を行った
後、更に機械的に粉砕したセルロース微細繊維〔山陽国
策パルプ(株)製のKCフロック(商品名)及び旭化成
工業(株)製のアビセル(商品名)〕が挙げられる。ま
た、市販の無機の微細繊維としては、含水ケイ酸マグネ
シウム繊維〔水澤化学工業(株)製のエートプラス M
L−30(商品名)〕等が挙げられる。これら市販の製
品のうち、パルプを粉砕して微細化したセルロース微細
繊維がより安価に入手でき好ましく使用することができ
る。
に用いられる上記熱溶融性接着繊維について説明する。
上記熱溶融性接着繊維としては、加熱により溶融し相互
に接着する繊維を用いることができ、具体的には、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリビニルアル
コール等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊
維、ポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維、ポリエチ
レン−ポリエステル複合繊維、低融点ポリエステル−ポ
リエステル複合繊維、繊維表面が親水性であるポリビニ
ルアルコール−ポリプロピレン複合繊維、並びにポリビ
ニルアルコール−ポリエステル複合繊維等を挙げること
ができる。複合繊維を用いる場合には、芯鞘型複合繊維
及びサイド・バイ・サイド型複合繊維の何れをも用いる
ことができる。これらの熱溶融性接着繊維は、各々単独
で用いることもでき、又は2種以上を混合して用いるこ
ともできる。本発明において好ましく用いられる熱溶融
性接着繊維としては、ポリビニルアルコール、ポリエス
テル等を挙げることができる。
長が2〜60mmであり、繊維径は0.5〜3デニール
である。
内部に含まれる上記高吸収性ポリマー106について説
明する。図1に示すように、上記高吸収性ポリマー10
6は、本発明の第1吸収性シート100の内部に含まれ
ており、本発明の第1吸収性シート100を構成する繊
維間に形成される空間に分散されている。更に詳細に
は、図1に示すように、上記高吸収性ポリマー106
は、主として上記繊維ウエブ108の内部に含まれてお
り、上記繊維ウエブ108を構成する繊維間に形成され
る空間に分散されていることが好ましい。その結果、上
記高吸収性ポリマー106は、本発明の第1吸収性シー
ト100中に確実に固定され且つゲルブロッキングの発
生が抑えられる。なお、ここで「高吸収性ポリマー10
6が第1吸収性シート100の内部に含まれている」と
は、上記高吸収性ポリマー106が本発明の第1吸収性
シート108の表面にまったく存在しないことを意味す
るものではなく、後述する本発明の第1吸収性シートの
好ましい製造方法において、不可避的に吸収性シートの
表面に存在する微量の高吸収性ポリマーは許容するもの
であり、上記高吸収性ポリマー106のほとんどが本発
明の第1吸収性シート100の内部に存在することをい
う。
発明の第1吸収性シート100を構成する繊維、好まし
くは上記繊維ウエブ108を構成する繊維に接着してい
る。これにより、上記高吸収性ポリマー106の固定が
一層強固なものとなり、そのゲルブロッキングが一層抑
えられる。ここで、上記高吸収性ポリマー106は、そ
のすべての粒子が繊維に接着している必要はない。上記
高吸収性ポリマー106は、その全量に基づき、50重
量%以上が繊維に接着していることが好ましく、特に、
70重量%以上が繊維に接着していることが好ましい。
上記高吸収性ポリマー106の接着量が50重量%未満
では、固定化の効果が十分に発現されない場合があるの
で好ましくない。なお、上記高吸収性ポリマー106を
繊維に接着させる方法については後述する。
て、球状のポリマーを一次粒子としてそれを凝集させて
二次粒子とした粒子凝集タイプの高吸収性ポリマーを使
用した場合には、一次粒子の全てが繊維に接着してなく
てもよく、二次粒子の一部が繊維に接着していれば、そ
の高吸収性ポリマーは繊維に固定されることになる。
は、本発明の第1吸収性シート100中に層状に分散さ
れているのではなく、図1に示すように、三次元状に分
散されている。従って、高吸収性ポリマーを多量に分散
させることができる。即ち、高吸収性ポリマーを層状
(つまり、二次元状)に分散させる従来の吸収性シート
における高吸収性ポリマーの散布坪量の上限が一般に約
50〜100g/m2 であるのに対して、本発明の第1
吸収性シート100においては上記高吸収性ポリマー1
06を三次元状に分散させることができるので、上記高
吸収性ポリマー106の散布坪量の上限を約200〜3
00g/m2 とすることができ、上記高吸収性ポリマー
106の散布坪量を従来の吸収性シートの約3倍に増量
することができる。従って、本発明の第1吸収性シート
100は、従来の吸収性シートに比して、液体の吸収量
が飛躍的に増大する。更に、上記高吸収性ポリマー10
6が三次元状に分散されており、しかも上記透過層及び
拡散層と組み合わせて用いられているので、該高吸収性
ポリマー106本来の吸収性能が一層効果的に発現され
る。即ち、従来の吸収性シートと同量の高吸収性ポリマ
ーを使用した場合でも、吸収性能を一層向上させること
ができ、その結果として吸収性シートを従来品よりも極
薄化することができる。その上、散布坪量を増量できる
ので、大きな吸収容量を必要とする紙おむつ等の吸収体
としても好適に使用することができる。
坪量が1〜300g/m2 であることが好ましく、5〜
300g/m2 であることが更に好ましく、10〜20
0g/m2 であることが一層好ましく、20〜150g
/m2 であることが特に好ましい。上記散布坪量が1g
/m2 に満たないと、吸水力が足りず、十分な機能を発
揮し得ない。一方、上記散布坪量が300g/m2 より
多いと、上記繊維ウエブ108と上記繊維集合体105
との接着力が低下し、上記高吸収性ポリマー106が脱
落しやすくなるので、上記範囲内とすることが好まし
い。
重の20倍以上の液体を吸収・保持でき且つゲル化し得
るものが好ましい。そのような高吸収性ポリマーの例と
しては、デンプンや架橋カルボキシルメチル化セルロー
ス、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体
又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリ
アクリル酸塩グラフト重合体を挙げることができる。ポ
リアクリル酸塩としては、ナトリウム塩を好ましく用い
ることができる。また、アクリル酸にマレイン酸、イタ
コン酸、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエ
タンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート又はスチレンスルホン酸等のコモノマーを高吸収
性ポリマーの性能を低下させない範囲で共重合せしめた
共重合体も、好ましく使用し得る。
おける吸収表面102を有する上記繊維集合体105に
ついて説明する。ここで、上記「吸収表面」とは、本発
明の第1吸収性シート100が液体を吸収する際に主と
して、最初に液体を吸収する面のことをいう。即ち、本
発明の第1吸収性シート100を使用する場合には、主
として、上記繊維集合体105側から液体を吸収させ
る。
02側には上記高吸収性ポリマー106を含まない。こ
こで、「高吸収性ポリマーを含まない」とは、上記繊維
集合体105が上記吸収表面102側に上記高吸収性ポ
リマー106をまったく含まないことを意味するもので
はなく、後述する本発明の第1吸収性シート100の好
ましい製造方法において不可避的に混入する微量の高吸
収性ポリマーは許容するものの実質的に高吸収性ポリマ
ーを含まないことを意味する。
20mmで繊維粗度0.3mg/m以上の嵩高性のセル
ロース繊維を主体とし、該繊維の機械的絡み合いや物理
的絡み合い及び熱接着等によって得られるものであり、
例えば、紙や不織布などを用いることができる。紙とし
ては、湿式抄造により得られる紙やそれをクレープ加工
したものなどを使用することができる。
0mmで繊維粗度0.3mg/m以上の嵩高性のセルロ
ース繊維を主体とすることは上述の通りであるが、かか
る嵩高性のセルロース繊維は、好ましくは上記繊維集合
体100重量部に基づき30重量部以上含まれ、より好
ましくは、50〜98重量部含まれる。なお、かかる嵩
高性のセルロース繊維の詳細については、上記繊維ウエ
ブ108を構成する嵩高性のセルロース繊維について詳
述した説明が適宜適用される。
性接着繊維を添加してもよい。かかる熱溶融性接着繊維
は、好ましくは、上記繊維集合体100重量部に基づき
1〜50重量部含まれ、より好ましくは、3〜30重量
部含まれる。なお、かかる熱溶融性接着繊維の詳細につ
いては、上記繊維ウエブ108を構成する熱溶融性接着
繊維について詳述した説明が適宜適用される。
きる他の成分としては、強力補助剤が挙げられる。かか
る強力補助剤としては、上記第1吸収性シートの説明に
おいて詳述した強力補助剤を使用することができる。上
記強力補助剤は好ましくは、上記繊維集合体100重量
部に基づき0〜30重量部含まれ、より好ましくは、0
〜20重量部含まれる。
108の場合と同様の理由から、これを単独で乾燥させ
てシート化したものをJIS−P−8113により測定
した湿潤時の引張強度が50g以上であることが好まし
く、更には100g以上であることが好ましい。
〜200g/m2 であることが好ましく、10〜50g
/m2 であることが更に好ましい。上記坪量が10g/
m2に満たないと、上記高吸収性ポリマー106の膨潤
時に該高吸収性ポリマー106が上記繊維集合体105
を突出して脱落してしまうおそれがある。一方、上記坪
量が200g/m2 を超えると上記繊維集合体105の
密度が上がり過ぎ、本発明の第1吸収性シート100が
固くなりすぎる場合があるので、上記範囲内とすること
が好ましい。
108を製造する前に予め製造しておいてもよく、ま
た、本発明の第1吸収性シート100を製造する際に、
上記繊維ウエブ108と同時に製造してもよい。
00は、上記繊維集合体105、上記繊維ウエブ108
及び上記高吸収性ポリマー106を主体として形成され
ており、かかる第1吸収性シート100におけるこれら
の坪量の好ましい範囲は、上記繊維集合体105の坪量
が10〜200g/m2 であり、上記高吸収性ポリマー
106の散布坪量が1〜300g/m2 であり、上記繊
維ウエブ108の坪量が10〜200g/m2 である。
更に好ましい範囲は、上記繊維集合体105の坪量が1
0〜100g/m2 であり、上記高吸収性ポリマー10
6の散布坪量が5〜200g/m2 であり、上記繊維ウ
エブ108の坪量が10〜100g/m 2 である。
トータルの坪量は、21〜500g/m2 であることが
好ましく、30〜300g/m2 であることが更に好ま
しく、50〜200g/m2 であることが一層好まし
い。
は、2.5g/cm2 加重下での厚みが0.3〜5mm
であることが好ましく、0.5〜3mmであることが更
に好ましい。また、極薄の吸収性シートとする場合に
は、2.5g/cm2 加重下での厚みが0.3〜1.5
mmであることが好ましく、0.3〜1.2mmである
ことが更に好ましい。
収性シート100においては、その単一の構造中に液体
の拡散勾配を有する。より詳細には、上記第1吸収性シ
ート100の吸収表面102側は、液体の透過性が高い
ため、該吸収表面102上には液残りは少ない。そし
て、吸収された液体は上記高吸収性ポリマー106まで
素早く伝達し、特に拡散性の高い上記繊維ウエブ108
の第2面側において、上記第1吸収性シート100の全
面に拡散される。このように、上記第1吸収性シート1
00は、その単一の構造中に液体の透過/拡散/固定機
能を有しているので、より素早く且つ確実に液体を上記
高吸収性ポリマー106で固定することができる。ま
た、上記第1吸収性シート100が多量の液体を吸収し
たときに、該液体は上記高吸収性ポリマー106まです
ばやく伝達され、これに吸収される。該液体が、該高吸
収性ポリマー106で完全に保持しきれない場合であっ
ても、該液体は上記繊維ウエブ108の第2面側で拡散
されるので、外部に漏れ出すことはない。このように、
本発明の第1吸収性シート100は、一度に多量の液体
を吸収する場合、及び吸収速度の遅い高吸収性ポリマー
を使用する場合に特に有効である。
説明する。本発明の第2吸収性シート200は、図2に
示すように、少なくとも高吸収性ポリマー、嵩高性のセ
ルロース繊維及び親水性の微細繊維を含む吸収性シート
であって、該吸収性シート200は、繊維集合体205
及び繊維ウエブ208から構成されている。該繊維集合
体205は、吸収表面202を有すると共に該吸収表面
202側には高吸収性ポリマーを含まない。該繊維集合
体205は、平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.3
mg/m以上の嵩高性のセルロース繊維12及び平均繊
維長0.02〜0.5mmの親水性の微細繊維14を含
むと共に、その一方の面側における該親水性の微細繊維
の存在割合が他方の面側における存在割合よりも高くな
っている。
すように、平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.3m
g/m以上の嵩高性のセルロース繊維12を主体として
いる。そして、該繊維ウエブ208は上記繊維集合体2
05における上記親水性の微細繊維の存在割合が高い面
側で該繊維集合体205に隣接している。なお、簡便の
ために、上記第1吸収性シート100における繊維ウエ
ブ108に関する説明と同様に、上記第2吸収性シート
200の繊維集合体205における面のうち、上記親水
性の微細繊維の存在割合が低い面側を第1面とよび、上
記親水性の微細繊維の存在割合が高い面側を第2面とよ
ぶことにする。
205と上記繊維ウエブ208とは一体化している。更
に、上記高吸収性ポリマー206は、上記吸収性シート
200の内部に含まれており、しかも該吸収性シート2
00を構成する繊維に接着している。
00は、上記第1吸収性シート100と同様に、繊維集
合体205及び繊維ウエブ208を含み且つ高吸収性ポ
リマー206がその内部に含まれた一体構造を有してい
ることが特徴の一つである。本発明の第2吸収性シート
におけるかかる一体構造は、上記第1吸収性シートの場
合と同様でありここでは特に説明しないが、該第1吸収
性シートの一体構造に関して詳述した説明が該第2吸収
性シートにも適宜適用される。
おける上記繊維ウエブ208について説明する。上記繊
維ウエブ208は、上述の通り、平均繊維長1〜20m
mで繊維粗度0.3mg/m以上の嵩高性のセルロース
繊維を主体として形成されており、しかも、上記繊維集
合体205における上記親水性の微細繊維の存在割合が
高い面側、即ち第2面側で該繊維集合体205に隣接し
ている。上記繊維ウエブ208を構成する繊維としてか
かる嵩高性のセルロース繊維を用いることによって、高
吸収性ポリマー206の分散性及び固定化の程度が一層
向上するのみならず、特に湿式抄紙の際に上記繊維ウエ
ブ208の排水性を一層容易にコントロールすることが
できる。更に、上記嵩高性のセルロース繊維は、嵩高で
空隙率の高い繊維ウエブを形成できるので、上記高吸収
性ポリマー206が上記繊維ウエブ208中に三次元的
に埋没・分散、固定されやすくなり且つ上記高吸収性ポ
リマー206のゲルブロッキングの発生も抑えることが
できる。
ウエブ100重量部に基づき、好ましくは30重量部以
上含まれ、更に好ましくは50〜99重量部含まれる。
性のセルロース繊維の詳細については、上記第1吸収性
シート100において用いられる嵩高性のセルロース繊
維について詳述した説明が適宜適用される。
性シートの説明において詳述した強力補助剤を添加する
ことも好ましい。これらの強力補助剤は、上記繊維ウエ
ブ208を構成する繊維100重量部に基づき0〜30
重量部、好ましくは0〜20重量部添加することができ
る。
度を高めるために、水素結合を形成し得るような通常の
セルロース繊維、即ち、木材パルプや非木材パルプ等を
配合してもよい。
繊維ウエブ100重量部に基づき、上記嵩高性のセルロ
ース繊維を30〜99重量部、上記木材パルプ又は非木
材パルプを1〜70重量部、及び上記強力補助剤を0〜
30重量部含んで成ることが好ましい。更に好ましく
は、上記繊維ウエブ100重量部に基づき、上記嵩高性
のセルロース繊維を50〜95重量部、上記木材パルプ
又は非木材パルプを5〜50重量部、及び上記強力補助
剤を0〜20重量部含んで成る。
性接着繊維を添加することも好ましい。かかる熱溶融性
接着繊維を添加することで、本発明の吸収性シートが湿
潤したときでもその構造を安定に保つことができる。な
お、かかる熱溶融性接着繊維の詳細については、上記第
1吸収性シート100において用いられる熱溶融性接着
繊維について詳述した説明が適宜適用される。
繊維ウエブ100重量部に基づき、上記嵩高性のセルロ
ース繊維を30〜99重量部、上記熱溶融性接着繊維を
1〜50重量部含んで成ることが好ましい。更に好まし
くは、繊維ウエブ100重量部に基づき、上記嵩高性の
セルロース繊維を50〜97重量部、上記熱溶融性接着
繊維を3〜30重量部含んで成る。
詳述しなかった点については、上記第1吸収性シート1
00における繊維ウエブ108に関して詳述した説明が
適宜適用される。
内部に含まれる上記高吸収性ポリマー206について説
明する。図2に示すように、上記高吸収性ポリマー20
6は、上記第1吸収性シート100中に含まれる高吸収
性ポリマー106と同様に、本発明の第2吸収性シート
200の内部に含まれており、本発明の第2吸収性シー
ト200を構成する繊維間に形成される空間に分散され
ている。更に詳細には、図2に示すように、上記高吸収
性ポリマー206は、主として上記繊維ウエブ208の
内部に含まれており、上記繊維ウエブ208を構成する
繊維間に形成される空間に分散されていることが好まし
い。その結果、上記高吸収性ポリマー206は、本発明
の第2吸収性シート200中に確実に固定され且つゲル
ブロッキングの発生が抑えられる。
発明の第2吸収性シート200を構成する繊維、好まし
くは上記繊維ウエブ208を構成する繊維に接着してい
る。従って、上記高吸収性ポリマー206の固定が一層
強固なものとなり、そのゲルブロッキングを一層抑える
ことができる。
て特に詳述しなかった点、例えば、該高吸収性ポリマー
206の分散状態、種類、諸物性値等については、上記
第1吸収性シート100における高吸収性ポリマー10
6に関して詳述した説明が適宜適用される。
おける吸収表面202を有する上記繊維集合体205に
ついて説明する。上記繊維集合体205は、上記吸収表
面202側には上記高吸収性ポリマー206を含まな
い。ここで、上記「吸収表面」の意味は、上記第1吸収
性シート100における意味と同様である。上記繊維集
合体205は、平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.
3mg/m以上の嵩高性のセルロース繊維及び平均繊維
長0.02〜0.5mmの親水性の微細繊維を含むと共
に、その一方の面側における該親水性の微細繊維の存在
割合が他方の面側における存在割合よりも高い。そし
て、上記繊維集合体205の第1面が上記吸収表面20
2に該当する。一方、上記繊維集合体205の第2面
は、図2に示すように、上記繊維ウエブ208に隣接す
る。
記親水性の微細繊維の存在割合に関して、その厚さ方向
に勾配を有するものであり、かかる勾配を有する上記繊
維集合体205の構造は、上記第1吸収性シート100
の繊維ウエブ108の構造と同じものである。従って、
上記繊維集合体205の構造等の詳細については、上記
第1吸収性シート100の繊維ウエブ108について詳
述した説明が適宜適用される。また、上記繊維集合体2
05を構成する上記嵩高性のセルロース繊維及び親水性
の微細繊維の詳細についても、上記第1吸収性シート1
00の繊維ウエブ108における嵩高性のセルロース繊
維及び親水性の微細繊維について詳述した説明が適宜適
用される。
00は、上記繊維集合体205、上記繊維ウエブ208
及び上記高吸収性ポリマー206を主体として形成され
ている。そして、これら上記繊維集合体205、上記繊
維ウエブ208及び上記高吸収性ポリマー206の坪量
の好ましい範囲は、上記第1吸収性シート100におけ
る好ましい範囲と同様であり、上記第1吸収性シート1
00において詳述した説明が適宜適用される。また、上
記第2吸収性シート200の坪量及び厚み等の詳細につ
いても、上記第1吸収性シート100と同様であり、上
記第1吸収性シート100において詳述した説明が適宜
適用される。
シート200においても、上記第1吸収性シート100
と同様に、液体の拡散勾配を有している。より詳細に
は、上記第2吸収性シート200には、該第2吸収性シ
ート200の吸収表面202からその内部に向けて(特
に、上記繊維集合体205の部分)液体の拡散勾配があ
る。即ち、上記吸収表面202(第1面)からその近傍
は、上記嵩高性のセルロース繊維を主体として形成され
ているので、嵩高なネットワーク構造が形成されてい
る。その結果、上記吸収表面202(第1面)からその
近傍は液体の透過性が高く、液体は素早く上記繊維集合
体205の内部に透過する。そして、上記繊維集合体の
第2面側は、高い表面積を有する上記親水性の微細繊維
を主体として形成されているので、上記吸収表面202
(第1面)側から透過してきた液体を上記第2吸収性シ
ートの全面に素早く拡散させることができる。その結
果、液体は、上記高吸収性ポリマー206によって効率
よく固定される。このように、上記第2吸収性シート2
00も、上記第1吸収性シート100と同様に、その単
一の構造中に液体の透過/拡散/固定機能を有している
ので、より素早く且つ確実に液体を上記高吸収性ポリマ
ー206で固定することができる。
吸収性シートにおいては、必要に応じて他の層を更に一
体化させてもよい。
吸収性シートを製造するための好ましい方法について説
明する。
るための好ましい方法について説明すると、上記第1吸
収性シートは、平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.
3mg/m以上の嵩高性のセルロース繊維及び平均繊維
長0.02〜0.5mmの親水性の微細繊維を含むと共
に、その一方の面側における該親水性の微細繊維の存在
割合が、他方の面側における存在割合よりも高い、湿潤
した繊維ウエブにおける、該親水性の微細繊維の存在割
合が低い面上に高吸収性ポリマーを散布し、その上に平
均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.3mg/m以上の
嵩高性のセルロース繊維を主体とする繊維集合体を重ね
合わせ、そしてこれらを乾燥し、一体化する工程を含む
ことを特徴とする。
明する。
0.3mg/m以上の嵩高性のセルロース繊維及び平均
繊維長0.02〜0.5mmの親水性の微細繊維を含む
と共に、その一方の面側における該親水性の微細繊維の
存在割合が、他方の面側における存在割合よりも高い繊
維ウエブを形成する。上記繊維ウエブを形成する方法に
特に制限はなく、例えば、乾式抄紙法などを用いること
ができるが、好ましくは、湿式抄紙法を用いる。これ
は、後述するように、上記高吸収性ポリマーを上記繊維
ウエブに散布する際に、上記繊維ウエブは湿潤し且つ繊
維の自由度が極めて高い状態でなければならないので、
湿式抄紙法により上記繊維ウエブを形成すれば、それは
直ちに湿潤状態を実現することになるので、別工程をも
って湿潤状態にする手間が省けるからである。また、湿
式抄紙法により得られる繊維ウエブは、その乾燥前には
繊維どうしが互いに十分には結合していないので、その
状態で上記高吸収性ポリマーを散布すると、かかる高吸
収性ポリマーが繊維間に形成される空間中に三次元的に
埋没しやすく、多量の高吸収性ポリマーを散布すること
ができるという利点も有する。更に、湿式抄紙法を用い
ることにより、上記嵩高性のセルロース繊維及び上記親
水性の微細繊維の平均繊維長の格差を利用して、上記繊
維ウエブの厚さ方向に関して上記親水性の微細繊維の存
在割合に勾配を設けることが一層容易となる。
る方法について詳述すると、まず、上記嵩高性のセルロ
ース繊維と上記親水性の微細繊維とを水中に分散せしめ
てスラリーを形成する。該スラリーを図3に示す如くフ
ォーミングパート130に供給し、丸網132上に該ス
ラリーを散布する。上記スラリーが上記丸網132上に
散布されると、上記スラリー中の水は上記丸網132を
通じて除去されると同時に上記丸網132上に湿潤した
繊維ウエブ108が形成される。図5に示す如く、該繊
維ウエブ108中において、上記嵩高性のセルロース繊
維12は、その厚さ方向にわたって嵩高なネットワーク
構造を形成する。一方、上記スラリー中の上記親水性の
微細繊維14は、上記嵩高性のセルロース繊維よりも微
細であるので、水と共に上記ネットワーク構造中を通り
抜け、上記丸網132上に堆積する。その結果、上記親
水性の微細繊維は、上記繊維ウエブ108の厚さ方向に
おいて、その分布に勾配を有している。即ち、図5に示
す如く、上記繊維ウエブ108の面のうち、上記丸網1
32に接している方の面における上記親水性の微細繊維
の存在割合は、他方の面における存在割合よりも高くな
っている。
ウエブ108の好ましい製造方法においては、上記嵩高
性のセルロース繊維と、上記親水性の微細繊維との繊維
長及び繊維径の格差を利用して、上記繊維ウエブ108
の厚さ方向における上記親水性の微細繊維の存在割合に
勾配を設けている。
ロース繊維の濃度は、上記スラリーの全量に基づき、好
ましくは0.02〜1重量%であり、更に好ましくは、
0.03〜0.7重量%である。上記嵩高性のセルロー
ス繊維の濃度が、0.02重量%に満たないと、目的と
する透過速度が不十分となったり、目的とする坪量を得
る為の排水量が多くなりすぎて、エネルギー的にロスが
大きく、上記嵩高性のセルロース繊維の濃度が、1重量
%を超えると、繊維の分散性が悪化し、紙層ムラ等が生
じたりするので、上記範囲とすることが好ましい。
の微細繊維の濃度は、上記スラリーの全量に基づき、好
ましくは0.002〜0.5重量%であり、更に好まし
くは、0.003〜0.3重量%である。上記親水性の
微細繊維の濃度が、0.002重量%に満たないと、目
的とする拡散性が得られない場合があり、上記親水性の
微細繊維の濃度が、0.5重量%を超えると、上記第1
面側にも、上記親水性の微細繊維が存在し、目的とする
拡散勾配を得られない場合があるので、上記範囲とする
ことが好ましい。
られる上記熱溶融性接着繊維は、上記スラリー中におい
て、その濃度を0.001〜0.3重量%とすることが
好ましく、0.002〜0.2重量%とすることが一層
好ましい。上記濃度が0.001重量%に満たないと、
上記繊維ウエブ108の構造を安定に保つという目的が
達成されない場合があり、上記濃度が0.3重量%を超
えると、上記繊維ウエブ108全体の親水性が低下する
場合があるので、上記範囲とすることが好ましい。
た上記繊維ウエブ108の好ましい製造方法において
は、上記丸網132上に上記スラリーを散布すると、上
記嵩高性のセルロース繊維から成る上記嵩高なネットワ
ーク構造が形成され、かかる嵩高なネットワーク構造中
の空間を上記親水性の微細繊維が通り抜けて上記丸網1
32上に堆積する。この目的のために、上記親水性の微
細繊維の平均繊維長を、上記丸網132のメッシュより
も大きくすることが重要である。上記親水性の微細繊維
の平均繊維長が、上記丸網132のメッシュよりも小さ
いと、上記親水性の微細繊維が上記丸網132を通り抜
けてしまうので、上記繊維ウエブ108の厚さ方向にお
いて、上記親水性の微細繊維の存在割合に効果的に勾配
を設けることができなくなってしまい好ましくない。ま
た、上記丸網132のメッシュが小さ過ぎると、上記丸
網132上において上記親水性の微細繊維が目詰まりを
起こしてしまうので好ましくない。従って、上記丸網1
32(抄紙ワイヤー)のワイヤーの目開き径は、22〜
300μm(580〜50メッシュ)であることが好ま
しく、45〜250μm(330〜60メッシュ)であ
ることが一層好ましい〔新JIS(1987)に基づ
く〕。
ブ108の好ましい製造方法によれば、上記繊維ウエブ
108の厚さ方向において、上記親水性の微細繊維の分
布に勾配を特に容易に設けることができる。かかる勾配
の程度は、上記丸網132上に形成された上記繊維ウエ
ブ108を脱水する際の速度(水抜き速度)に依存す
る。即ち、抄紙速度及び繊維ウエブの坪量にもよるが、
上記脱水の速度が低いと上記勾配の程度が小さくなり、
結果として、上記繊維ウエブ108の厚さ方向におい
て、上記親水性の微細繊維がほぼ均一に分布してしまう
場合がある。一方、上記脱水の速度が高いと上記勾配の
程度は大きくなるので好ましいが、脱水の速度を高める
ために大きなエネルギーを要してしまう。これらを考慮
して、本発明においては、上記脱水の速度は2リットル
/m2・sec 以上とすることが好ましく、3〜30リット
ル/m2・sec とすることが一層好ましい。脱水に際して
は、例えば、図3に示すように、通常の湿式抄紙機に用
いられているサクションボックス136を用いることが
できる。
で液体の吸収透過性及び液体の拡散性を発現し得る繊維
ウエブを製造することができ、抄紙プロセスを簡略化す
ることが可能となる。
ウエブ108は、図3に示すように、抄紙ワイヤー13
4に取り上げられ、その表裏が反転する。次いで、該繊
維ウエブ108は、コンベア140に取り上げられてそ
の表裏が再び反転すると共に、その湿潤状態が維持され
たままで、その上に上記高吸収性ポリマー106が散布
される。該高吸収性ポリマー106の散布面は、上記繊
維ウエブ108における、上記親水性の微細繊維の存在
割合が低い面側、即ち第1面側である。なお、予め製造
してあった乾燥繊維ウエブ108を使用する場合には、
上記高吸収性ポリマー106を上記繊維ウエブ108上
に散布する前に、上記繊維ウエブ108に水を散布して
湿潤状態にしておく。上記繊維ウエブの湿潤状態は、乾
燥繊維ウエブ100重量部に基づき水を20〜500重
量部含む程度が好ましく、更に好ましくは、50〜30
0重量部の水を含む。水の量が20重量部に満たない
と、散布された上記高吸収性ポリマー106が水を吸収
して湿潤し、粘着性を得ることができないので、上記高
吸収性ポリマー106の固定性が不十分となり、水の量
が500重量部を超えると上記高吸収性ポリマー106
が吸水過剰となり、後述する乾燥工程で乾燥不良となる
ことがあるので、上記範囲内とすることが好ましい。
108に、図3に示すように、上記高吸収性ポリマー1
06を散布する。これにより、散布された上記高吸収性
ポリマー106が上記繊維ウエブ108を構成する繊維
中に埋没すると共に、水を吸収して粘着性を帯び、該繊
維に接着・固定化する。また、湿潤した状態の上記繊維
ウエブ108は、それを構成する繊維が未だ互いに結合
しておらず自由度を有しているので、上記高吸収性ポリ
マー106を三次元的に分散せしめることができる。従
って、従来の吸収性シートに比して、一層多量の高吸収
性ポリマーを安定に固定することができる。上記高吸収
性ポリマー106を散布する場合、上記高吸収性ポリマ
ー106は、湿潤した上記繊維ウエブ108の全面に均
一に散布しても良く、或いは必要に応じて湿潤した上記
繊維ウエブ108の長手方向に間隔をおいて筋状に部分
散布したり、湿潤した上記繊維ウエブ108の長手方向
にショット状に間歇散布することもできる。
ブ108における上記高吸収性ポリマー106が散布さ
れた面上に、上記繊維集合体105を重ね合わせる。こ
の場合、該繊維集合体105としては、図3に示すよう
に、予め製造しておいたものを巻き出して使用すること
もでき、或いは上記繊維ウエブ108の製造と並行して
製造したものを使用することもできる。なお、上記繊維
ウエブ108と上記繊維集合体105とを重ね合わせた
時点では、上記繊維ウエブ108中の繊維は未だ自由度
を有しているので、上記高吸収性ポリマー106は、上
記繊維ウエブ中に一層埋没すると共に、上記繊維ウエブ
108中の繊維と上記繊維集合体105中の繊維とが緊
密且つ容易に絡み合う。
維集合体105との重ね合わせ体をプレスパート138
でプレスした後、ドライヤー142で乾燥することによ
って、上記繊維ウエブ108を構成する繊維と上記繊維
集合体105を構成する繊維どうしが一層緊密に絡み合
い、更には、水素結合や熱融着の作用も加わり、上記繊
維ウエブ108と上記繊維集合体105とが一体化し
て、本発明の第1吸収性シート100が得られる。乾燥
温度は、使用する繊維等の種類にもよるが、100〜1
80℃の範囲であることが好ましく、更に好ましい乾燥
温度は105〜150℃の範囲である。乾燥及び一体化
により、上記繊維ウエブ108及び上記繊維集合体10
5が一体化し、しかも、上記繊維ウエブ108を構成す
る繊維どうしが互いに結合してシート化される。なお、
乾燥手段に特に制限はなく、例えばヤンキードライヤー
やエアースルードライヤー等を用いることができる。
ト100は、湿式抄紙機を用いたインラインの単一工程
により製造される。即ち、図3に示すように、湿式抄紙
機のフォーミングパート130で上記繊維ウエブ108
を形成し、サクション脱水工程136で該繊維ウエブ1
08を脱水し、プレスパート138直前で該繊維ウエブ
108の第1面側に上記高吸収性ポリマー106を散布
すると共にその上に上記繊維集合体105を重ね合わ
せ、上記プレスパート138にて上記繊維ウエブ108
と上記繊維集合体105とをプレスし、次いで、ドライ
ヤー142でこれらを乾燥し一体化する。かかる方法に
より、本発明の第1吸収性シート100を、高速で且つ
簡便に製造することができる。
することができ、そのような抄紙機には例えば、長網抄
紙機、フォーマー抄紙機、丸網抄紙機などがある。な
お、上記した以外の工程については、通常の抄紙法にお
ける工程を適宜用いることができる。
るための好ましい方法について説明すると、上記第2吸
収性シートは、平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.
3mg/m以上の嵩高性のセルロース繊維を主体とする
湿潤した繊維ウエブ上に高吸収性ポリマーを散布し、そ
の上に、平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.3mg
/m以上の嵩高性のセルロース繊維及び平均繊維長0.
02〜0.5mmの親水性の微細繊維を含むと共に、そ
の一方の面側における該親水性の微細繊維の存在割合
が、他方の面側における存在割合よりも高い繊維集合体
を、その親水性の微細繊維の存在割合が高い面側と上記
繊維ウエブとが隣接するように重ね合わせ、そしてこれ
らを乾燥し、一体化する工程を含むことを特徴とする。
明する。
る繊維ウエブを形成する。該繊維ウエブを形成する方法
に特に制限はないが、上記第1吸収性シートの好ましい
製造方法と同様の理由により、湿式抄紙法を用いること
が好ましい。
述すると、上記嵩高性のセルロース繊維並びに必要に応
じて熱溶融性接着繊維及び強力補助剤等を、所定の濃度
となるように水に分散せしめてスラリーとなす。該スラ
リーを図4に示すように、フォーミングパート230の
丸網に供給する。その結果、上記繊維ウエブ208が抄
紙ワイヤー234上に形成される。
維ウエブ208は、サクションボックス236によって
脱水される。次いで、その湿潤状態を維持したままで、
上記高吸収性ポリマー206が上記繊維ウエブ208上
に散布される。なお、予め製造してあった乾燥繊維ウエ
ブを使用する場合には、上記高吸収性ポリマー206を
上記繊維ウエブ208上に散布する前に、上記繊維ウエ
ブ208に水を散布して湿潤状態にしておく。上記繊維
ウエブの湿潤状態に関しては、上記第1吸収性シートの
好ましい製造方法について詳述した説明が適宜適用され
る。
208に、図4に示すように、上記高吸収性ポリマー2
06を散布する。散布方法は、上記第1吸収性シートの
製造の場合と同様である。
ブ208における上記高吸収性ポリマー206が散布さ
れた面上に、上記嵩高性のセルロース繊維及び上記親水
性の微細繊維を含むと共に、その一方の面側における該
親水性の微細繊維の存在割合が、他方の面側における存
在割合よりも高い繊維集合体205を、上記繊維ウエブ
208と重ね合わせる。該重ね合わせは、上記繊維集合
体205の面のうち、上記親水性の微細繊維の存在割合
が高い面側(即ち、第2面側)が上記繊維ウエブ208
に隣接するように行う。この場合、該繊維集合体205
としては、図4に示すように、上記嵩高性のセルロース
繊維と上記親水性の微細繊維との平均繊維長の格差を利
用した湿式抄紙法(上述の上記第1吸収性シート100
における繊維ウエブ108の好ましい製造方法に同じ)
により予め製造した繊維集合体を巻き出して使用するこ
ともでき、或いは上記繊維ウエブ208の製造と並行し
て上記湿式抄紙法を用い製造したものを使用することも
できる。なお、上記嵩高性のセルロース繊維と上記親水
性の微細繊維との平均繊維長の格差を利用した湿式抄紙
法を用いる上記繊維集合体205の製造方法の詳細につ
いては、上述の上記第1吸収性シート100における繊
維ウエブ108の好ましい製造方法に関して詳述した説
明が適宜適用される。
維集合体205との重ね合わせ体をプレスパート238
でプレスした後、ドライヤー242で乾燥することによ
って、上記繊維ウエブ208を構成する繊維と上記繊維
集合体205を構成する繊維どうしが一層緊密に絡み合
い、更には、水素結合や熱融着の作用も加わり、上記繊
維ウエブ208と上記繊維集合体205とが一体化し
て、本発明の第2吸収性シート200が得られる。
ト200は、上記第1吸収性シートと同様に、湿式抄紙
機を用いたインラインの単一工程により製造される。即
ち、図4に示すように、湿式抄紙機のフォーミングパー
ト230で上記繊維ウエブ208を形成し、サクション
脱水工程236で該繊維ウエブ208を脱水し、プレス
パート238直前で該繊維ウエブ208上に上記高吸収
性ポリマー206を散布すると共に、その上に上記繊維
集合体205を該繊維ウエブ208と該繊維集合体20
5の第2面とが隣接するように重ね合わせ、上記プレス
パート238にて上記繊維ウエブ208と上記繊維集合
体205とをプレスし、次いで、コンベア240によっ
てドライヤー242に導き、該ドライヤー242でこれ
らを乾燥し一体化する。かかる方法により、本発明の第
2吸収性シート200を、高速で且つ簡便に製造するこ
とができる。
造方法の説明において特に詳述しなかった点について
は、上記第1吸収性シートの好ましい製造方法において
詳述した説明が適宜適用される。また、上記第1吸収性
シート及び第2吸収性シートの好ましい製造方法の説明
において特に詳述しなかった点については、従来公知の
製紙方法を適宜用いることができる。
吸収性シートの製造方法をその好ましい実施形態に基づ
いて説明したが、本発明の第1吸収性シート及び第2吸
収性シートの製造方法は、かかる方法に限定されないこ
とはいうまでもない。
吸収性シートを用いた吸収性物品について説明する。
物品(以下、第1吸収性物品という)は、液体吸収可能
な表面層、液体保持性の吸収層及び液体不透過性の防漏
層を有する吸収性物品において、上記表面層若しくは上
記吸収層又は上記防漏層の上記吸収層側には、上記第1
吸収性シートが含まれていることを特徴とするものであ
る。
吸収性物品(以下、第2吸収性物品という)は、液体吸
収可能な表面層、液体保持性の吸収層及び液体不透過性
の防漏層を有する吸収性物品において、上記表面層若し
くは上記吸収層又は上記防漏層の上記吸収層側には、上
記第2吸収性シートが含まれていることを特徴とするも
のである。
物品の好ましい実施形態を図面を参照しつつ説明する。
の第1吸収性物品の好ましい実施形態について説明す
る。ここで、図6は、本発明の第1吸収性物品の第1の
好ましい実施形態としての生理用ナプキンの幅方向の断
面を示す模式図である。また、図7〜図11は、本発明
の第1吸収性物品の他の好ましい実施形態としての生理
用ナプキンの幅方向の断面を示す模式図(図6相当図)
である。
の好ましい実施形態としての生理用ナプキン300は、
液体吸収可能な表面層1、液体不透過性の防漏層3並び
に該表面層及び該防漏層の間に介在する液体保持性の吸
収層2を具備して成る。
は、実質的に縦長に形成されており、上記生理用ナプキ
ンの着用時には、上記表面層1が肌に接する側に位置
し、上記防漏層3が下着に接する側に位置する。
1吸収性シート100、フラッフパルプ2a、該第1吸
収性シート100及び該フラッフパルプ2aを被覆する
吸収紙2bを具備する。上記防漏層3は、上記吸収層2
の側面部及び底面部を被覆している。そして、上記吸収
層2と上記防漏層3との組合せ体のすべての面を上記表
面層1が被覆している。
吸収層2へ透過させることができるものであれば制限は
ないが、特に肌着に近い感触を有するものが好ましい。
そのような表面層の例としては、例えば、熱可塑性樹脂
の織布、不織布及び多孔性フィルム等が挙げられる。特
に、低密度ポリエチレン等のポリオレフィンから成る開
孔フィルムを好ましく用いることができる。
性のものであれば特に制限はないが、透湿性を有し且つ
肌着に近い感触を有するものが好ましい。透湿性を有す
る液体不透過性の防漏層は、例えば、熱可塑性樹脂に無
機化合物又は有機化合物のフィラーを添加したものを、
Tダイやサーキュラーダイから溶融押出してフィルムを
形成し、次いで、かかるフィルムを一軸又は二軸延伸し
て得ることができる。
側には、その長手方向に2本の粘着部4、4が筋状に形
成されており、該粘着部4、4は、使用前には剥離紙5
によって保護されている。また、図6において、符号6
は、上記各部材間を接合するための接合部である。な
お、その他、特に詳述しない点については、従来の生理
用ナプキンと同様に構成されている。
物品の特徴部分について説明する。上記第1の実施形態
の第1吸収性物品としての生理用ナプキン300は、液
体保持性の吸収層2を具備し、該吸収層は、少なくとも
高吸収性ポリマー、嵩高性のセルロース繊維及び親水性
の微細繊維を含む上記第1吸収性シート100を含んで
成る。上記第1吸収性シート100は、繊維集合体及び
繊維ウエブから構成されていると共に、該繊維集合体と
該繊維ウエブとは一体化しており、上記繊維集合体は、
吸収表面を有すると共に該吸収表面側には上記高吸収性
ポリマーを含まず、且つ平均繊維長1〜20mmで繊維
粗度0.3mg/m以上の嵩高性のセルロース繊維を主
体としており、上記繊維ウエブは、平均繊維長1〜20
mmで繊維粗度0.3mg/m以上の嵩高性のセルロー
ス繊維及び平均繊維長0.02〜0.5mmの親水性の
微細繊維を含むと共に、その一方の面側における該親水
性の微細繊維の存在割合が他方の面側における存在割合
よりも高く、且つ上記親水性の微細繊維の存在割合が低
い面側で上記繊維集合体に隣接しており、上記高吸収性
ポリマーは、上記吸収性シートの内部に含まれていると
共に該吸収性シートを構成する繊維に接着していること
を特徴とする。
高吸収性ポリマーの脱落及びゲルブロッキングがない吸
収性物品を得ることができる。しかも、かかる吸収性シ
ートは、その単一の構造中に、液体の吸収・透過及び拡
散並びに液体の保持機能を有しているので、従来の液体
吸収性物品のように、上記各機能を有する部材を組み合
わせる必要がないので、極めて薄型の液体吸収性物品を
得ることができる。
の好ましい実施形態によれば、液体は、上記表面層1を
通して生理用ナプキン300に吸収される。その後、上
記フラッフパルプ2a中を透過して、上記第1吸収性シ
ート100中に分散されている高吸収性ポリマーに吸収
・保持される。この場合、上記第1吸収性シート100
を、上記吸収表面を有する繊維集合体が上記表面層1の
側に位置するように配置することが好ましい。上記第1
吸収性シートをこのように配置することで、上記フラッ
フパルプ2aが吸収した液体をよりスムーズに上記第1
吸収性シート100に導くという好ましい効果が得られ
る。
て詳述したように、上記第1吸収性シート100は、従
来の吸収性シートよりも高吸収性ポリマーを多量に保持
することができるので、該第1吸収性シート100を具
備して成る生理用ナプキン300は、液体の保持容量が
大きい。また、上記高吸収性ポリマーは上記第1吸収性
シート上に三次元状に分散されているのでゲルブロッキ
ングが起きず、高吸収性ポリマー本来の吸収性能が効率
的に発現でき、従来と同量の高吸収性ポリマーを使用し
ても一層向上した吸収性能を得ることができる。しか
も、図6に示す生理用ナプキン300は、上記第1吸収
性シート100に加えてフラッフパルプ2aも具備する
ので、液体の保持容量は一層大きくなる。従って、本実
施形態の第1吸収性物品は、長時間装着する夜用の生理
用ナプキンとして好適である。
6の好ましい実施形態を図7〜図11に示す。なお、第
2〜第6の実施形態において上記第1の実施形態と同じ
点については、特に詳述しないが、上記第1の実施形態
において詳述した説明が適宜適用される。また、図7〜
図11において図6と同じ部材については同じ符号を付
した。
の好ましい実施形態としての生理用ナプキン100にお
いては、吸収層は、上記第1吸収性シート100のみか
ら成っており、該第1吸収性シート100の側面部及び
底面部が上記防漏層3によって被覆されている。そし
て、上記第1吸収性シート100と上記防漏層3との組
合せ体のすべての面を上記表面層1が被覆している。な
お、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様
に、上記第1吸収性シート100を、上記吸収表面を有
する繊維集合体が上記表面層1の側に位置するように配
置することが好ましい。
成する部材の数が少なく、しかもそれぞれの部材は薄い
ので、極めて薄い生理用ナプキンとすることができる。
更に、上記第1吸収性シート100には多量の高吸収性
ポリマーが保持されているので、薄いにもかかわらず、
液体の保持容量は大きい。また、上記高吸収性ポリマー
は上記第1吸収性シート上に三次元状に分散されている
のでゲルブロッキングが起きず、高吸収性ポリマー本来
の吸収性能が効率的に発現でき、従来と同量の高吸収性
ポリマーを使用しても一層向上した吸収性能を得ること
ができる。その結果、快適な装着感を有すると共に、液
体の保持容量が大きく且つ吸収性能が一層向上した生理
用ナプキンが得られる。
の好ましい実施形態としての生理用ナプキン300にお
いては、吸収層は、上記第1吸収性シート100のみか
ら成っており、該第1吸収性シート100は、C字状に
折り曲げられている。そして、上記第1吸収性シート1
00は、その側面部及び底面部が上記防漏層3によって
被覆されている。更に、上記第1吸収性シート100と
上記防漏層3との組合せ体のすべての面を上記表面層1
が被覆している。なお、本実施形態においては、上記第
1吸収性シート100を、上記吸収表面を有する繊維集
合体が上記表面層1の側に位置するように折り曲げて配
置することが好ましい。
吸収性シート100がC字状に折り曲げられている分だ
け、図7に示す生理用ナプキンよりも厚くなるが、それ
でも、吸収層2にフラッフパルプを用いた図6に示す生
理用ナプキンよりも薄くすることができる。しかも、上
記第1吸収性シート100がC字状に折り曲げられてい
るので、液体の保持容量は大きい。その結果、快適な装
着感を有すると共に、液体の保持容量の大きな生理用ナ
プキンが得られる。
の好ましい実施形態としての生理用ナプキン300にお
いては、吸収層は、上記第1吸収性シート100、10
0、・・が複数枚重ねられて成る(図9においては3枚
重ね)。そして、重ねられた上記第1吸収性シート10
0、100、・・は、その側面部及び底面部が上記防漏
層3によって被覆されている。更に、上記第1吸収性シ
ート100、100、・・と上記防漏層3との組合せ体
のすべての面を上記表面層1が被覆している。なお、本
実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、上
記第1吸収性シート100を、上記吸収表面を有する繊
維集合体が上記表面層1の側に位置するように配置する
ことが好ましい。
吸収性シート100が複数枚重ねられている分だけ、図
7に示す生理用ナプキンよりも厚くなるが、それでも、
吸収層2にフラッフパルプを用いた図6に示す生理用ナ
プキンよりも薄くすることができる。しかも、上記第1
吸収性シート100が複数枚重ねられているので、液体
の保持容量は大きい。その結果、快適な装着感を有する
と共に、液体の保持容量の大きな生理用ナプキンが得ら
れる。
5の好ましい実施形態としての生理用ナプキン300に
おいては、上記第1吸収性シート100が、液体吸収可
能な表面層と液体保持性の吸収層との機能を兼用してい
る(つまり、吸収性物品が、液体保持性の吸収層と液体
不透過性の防漏層とを具備する)。即ち、本実施形態の
生理用ナプキン300は、液体吸収可能な表面層と液体
保持性の吸収層が一体化されて成る第1吸収性シート1
00を具備して成り、上記第1吸収性シート100の側
面部及び底面部を上記防漏層3によって被覆して成るも
のである。なお、本実施形態においては、上記第1吸収
性シート100を、上記吸収表面を有する繊維集合体が
肌に接する側に位置するように配置することが特に好ま
しい。
の数が少なくなり、しかも、厚さを一層薄くすることが
できる。その結果、快適な装着感を有すると共に、簡便
なプロセスで且つ低コストで製造できる生理用ナプキン
が得られる。
6の好ましい実施形態としての生理用ナプキン300に
おいては、上記第1吸収性シートが、液体吸収可能な表
面層、液体保持性の吸収層及び液体不透過性の防漏層の
3つの機能を兼用している。即ち、本実施形態の生理用
ナプキン300は、液体吸収可能な表面層、液体保持性
の吸収層及び液体不透過性の防漏層が一体化されて成
る。更に詳細には、上記第1吸収性シート100及び該
吸収性シートの液体を吸収する面とは反対の面に接合・
一体化した液体不透過性のシート3’を具備して成る。
なお、本実施形態においては、上記第1吸収性シート1
00を、上記吸収表面を有する繊維集合体が液体を吸収
する側に位置するように配置させ且つ該吸収表面とは反
対の面に上記液体不透過性のシート3’を接合させるこ
とが特に好ましい。
の数が少なくなり、しかも、厚さを更に一層薄くするこ
とができる。その結果、一層快適な装着感を有すると共
に、一層簡便なプロセスで且つ低コストで製造できる生
理用ナプキンが得られる。なお、本実施形態の第1吸収
性物品は、図11に示すような生理用ナプキンに加え
て、母乳パッドやハイジーンパッドのような液体を吸収
する量の少ない吸収性物品としても好適である。
実施形態について説明する。本発明の第2吸収性物品の
好ましい実施形態は、上記第1吸収性物品に関して説明
した上記第1〜第6の実施形態(図6〜図11)におい
て、上記第1吸収性シートに代えて上記第2吸収性シー
トを用いたものである。即ち、図6〜図11に示される
生理用ナプキン300における第1吸収性シート100
に代えて、第2吸収性シートを用いた吸収性物品が上記
第2吸収性物品に相当する。従って、上記第2吸収性物
品の詳細に関しては、上記第1吸収性物品に関して詳述
した説明及び図6〜図11の記載が適宜適用される。
収性物品をその好ましい実施形態として生理用ナプキン
を例にとり説明したが、上記第1吸収性物品及び第2吸
収性物品は、ハイジーンパッド、紙おむつ、メディカル
用パッド及び母乳パッド等の他の吸収性物品としても同
様に適用することができる。また、本発明の要件を逸脱
しない範囲内であれば、吸収性物品の構成素材及び製造
方法等は、従来技術の範囲内で自由に改変可能である。
にに説明する。先ず、実施例及び比較例で用いられる、
嵩高性のセルロース繊維、及び親水性の微細繊維の製造
について説明する。なお、以下の記載において「部」及
び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「重量部」及
び「重量%」を示す。
g/mであり、そして繊維断面の真円度が0.80であ
るマーセル化パルプ〔ITT RAYONIER INC. 製の「POROSA
NIER−J」(商品名)〕100gを、5%のジメチロー
ルジヒドロキシエチレン尿素〔架橋剤、住友化学工業
(株)製の「Sumitex Resin NS-19 」(商品名)〕及び
3%の金属塩触媒〔住友化学工業(株)製の「Sumitex
Accelerator X-110 」(商品名)〕を含んだ水溶液10
00gに分散させて、上記マーセル化パルプに上記架橋
剤を含浸させた。
記架橋剤水溶液の量が200%になるまで、上記マーセ
ル化パルプから上記架橋剤水溶液を離脱させた後、電気
乾燥機中135℃で10分間加熱し、上記マーセル化パ
ルプ中のセルロースを架橋させ、マーセル化架橋パルプ
を得た。これをセルロース繊維(A)とする。
g/mであり、そして繊維断面の真円度が0.30であ
る架橋パルプ〔Weyerhauser Paper 製の「HighBulk Add
itive HBA−S」(商品名)〕を用意した。これを
セルロース繊維(B)とする。
g/mであり、そして繊維断面の真円度が0.34であ
る針葉樹クラフトパルプ〔MacMillan BloedelLtd.製の
「HARMAC-R」(商品名)〕を用意した。これをセルロー
ス繊維(C)とする。なお、セルロース繊維(C)は架
橋されていない。
繊維長、繊維粗度及び繊維断面の真円度を下記に示す方
法により測定した。その結果を表1に示す。
度計FS−200(KAJAANI ELECTRONICS LTD.製)を用
いて測定した。先ず、セルロース繊維の真の重量を求め
るために、セルロース繊維を真空乾燥機内にて100℃
で1時間乾燥させ、セルロース繊維中に存在している水
分を除去する。素早くセルロース繊維を±0.1mg精
度において約1g正確に計りとる。次にセルロース繊維
に損傷を与えないように、セルロース繊維を繊維粗度計
に付属のミキサーで150mlの水中で完全に離解させ、
これを5000mlになるまで水で薄め、得られた希釈液
から50mlを正確に計りとり、これを繊維粗度測定溶液
とし、上記繊維粗度計の操作手順に従って平均繊維長及
び繊維粗度を求めた。なお、平均繊維長は、上記操作に
基づき下記式により計算された値を用いた。
維断面の真円度の測定は、先ず、セルロース繊維の断面
を面積が変化しないように、セルロース繊維を断面方向
に垂直にスライスし、電子顕微鏡により断面写真をと
り、該断面写真を画像解析装置〔日本アビオニクス社製
の「Avio EXCEL」(商品名)〕により解析し、下記に示
す式を用いてセルロース繊維断面の真円度を求めた。な
お、該真円度は、任意のセルロース繊維断面を100点
測定し、その平均値とした。
により微細繊維化した、平均繊維長0.12mmのセルロ
ース微細繊維〔山陽国策パルプ(株)製の「KCフロッ
ク W−100」(商品名)〕を用意した。これを親水
性の微細繊維(D)とする。
細繊維(D)の濃度が0.03%、及び太さ1デニール
で平均繊維長3mmのポリビニルアルコール繊維〔熱溶融
性接着繊維、以下、PVAと称する、三昌(株)製のフ
ィブリボンド(商品名)〕の濃度が0.01%になるよ
うに( スラリー全体として0.20%)、これらを水中
に均一に分散させてスラリーを得た。
(166メッシュ)の金網抄紙ワイヤー上に散布し、該
金網抄紙ワイヤー上に紙層を形成させた。サクションボ
ックスを用いて、6リットル/m2・sec の速度でこの紙
層を脱水し、坪量70g/m 2 になるように繊維ウエブ
を形成した。
に基づき上記セルロース繊維(A)を80部、上記親水
性の微細繊維(D)を15部、上記PVA繊維を5部含
有しており、しかも、図5に示す如く、その片面側にお
ける上記親水性の微細繊維(D)の存在割合が高く、も
う一方の面側における上記親水性の微細繊維(D)の存
在割合は低いものである。そして、上記親水性の微細繊
維(D)の存在割合が高い側ほど液拡散が大きく、その
反対側は液拡散が小さいという、拡散勾配を有するもの
である。
により、乾燥繊維ウエブ100部に基づき水分率200
部になるまで、該繊維ウエブを脱水し、更にプレスによ
り脱水後の湿潤した繊維ウエブにおける、上記親水性の
微細繊維(D)の存在割合が低い面上に、高吸収性ポリ
マー〔日本触媒(株)製、アクアリックCAW-4 (商品
名)〕を散布坪量50g/m2 でほぼ均一に散布した。
マーを散布した面に予め以下の組成で抄紙しておいた坪
量30g/m2 の繊維集合体を重ね合わせ、かかる繊維
ウエブと繊維集合体との重ね合わせ体をドライヤーに導
入し、130℃の温度にて、乾燥、一体化することによ
り、内部に高吸収性ポリマーが固定されている一枚の吸
収性シートを得た。これを吸収性シート(A)とする。
製造した。即ち、上記セルロース繊維(A)の濃度が、
0.194%、上記PVA繊維の濃度が0.006%に
なるように(スラリー全体として0.20%)、これら
を水中に均一に分散させてスラリーを得た。このスラリ
ーをワイヤーの目開き径90μm(166メッシュ)の
金網抄紙ワイヤー上に散布し、金網抄紙ワイヤーに紙層
を形成させた。サクションボックスを用いて、6リット
ル/m2 ・sec の速度でこの紙層を脱水・乾燥し、坪量
30g/m2 の繊維集合体を製造した。この繊維集合体
は、該繊維集合体100部に基づき上記セルロース繊維
(A)97部、上記PVA繊維3部を含有していた。
濃度が0.194%、及び上記PVA繊維の濃度が0.
006%になるように(スラリー全体として0.20
%)、これらを水中に均一に分散させてスラリーを得
た。このスラリーをワイヤーの目開き径90μm(16
6メッシュ)の金網抄紙ワイヤー上に散布し、金網抄紙
ワイヤーに紙層を形成させた。サクションボックスを用
いて、6リットル/m2 ・sec の速度でこの紙層を脱水
し、坪量30g/m2 になるように繊維ウエブを形成し
た。この繊維ウエブは、該繊維ウエブ100部に基づ
き、上記セルロース繊維(B)97部、及び上記PVA
繊維3部を含有していた。
スにより乾燥繊維ウエブ100部に基づき水分率200
部になるまで脱水した。
湿潤した上記繊維ウエブ上に、高吸収性ポリマー〔日本
触媒(株)製、アクアリックCAW-4 (商品名)〕を散布
坪量50g/m2 でほぼ均一に散布した。
マーを散布した面に予め以下の組成で抄紙しておいた坪
量70g/m2 の繊維集合体を重ね合わせ、かかる繊維
ウエブと繊維集合体との重ね合わせ体をドライヤーに導
入し、130℃の温度にて、乾燥、一体化することによ
り、内部に高吸収性ポリマーが固定されている一枚の吸
収性シートを得た。これを吸収性シート(B)とする。
より製造した。即ち、上記セルロース繊維(A)の濃度
が0.16%、上記親水性の微細繊維(D)の濃度が
0.03%、及び上記PVA繊維の濃度が0.01%に
なるように(スラリー全体として0.20%)、これら
を水中に均一に分散させてスラリーを得た。
m(166メッシュ)の金網抄紙ワイヤー上に散布し、
金網抄紙ワイヤーに紙層を形成させた。サクションボッ
クスを用いて、6リットル/m2 ・sec の速度でこの紙
層を脱水・乾燥し、坪量70g/m2 になるように繊維
集合体を形成した。
に基づき上記セルロース繊維(A)を80部、上記親水
性の微細繊維(D)を15部、及び上記PVA繊維を5
部含有していた。この繊維集合体は図5に示す如く、金
網抄紙ワイヤーに隣接する面側における上記親水性の微
細繊維(D)の存在割合が高く、もう一方の面側におけ
る上記親水性の微細繊維(D)の存在割合は低いもので
ある。そして、上記親水性の微細繊維(D)の存在割合
が高い側ほど液拡散が大きく、その反対側は液拡散が小
さいという、拡散勾配を有するものである。
性シートを得た。これを吸収性シート(C)とする。
した。即ち、上記セルロース繊維(C)の濃度が0.1
6%、上記親水性の微細繊維(D)の濃度が0.03
%、及び上記PVA繊維の濃度が0.01%になるよう
に(スラリー全体として0.20%)、これらを水中に
均一に分散させてスラリーを得た。
(166メッシュ)の金網抄紙ワイヤー上に散布し、該
金網抄紙ワイヤー上に紙層を形成させた。サクションボ
ックスを用いて、6リットル/m2 ・sec の速度でこの
紙層を脱水・乾燥し、坪量70g/m2 になるように抄
紙した。この繊維ウエブは、該繊維ウエブ100部に基
づき上記セルロース繊維(C)を80部、上記親水性の
微細繊維(D)を15部、及び上記PVA繊維を5部を
含有していた。この繊維ウエブに配合された上記セルロ
ース繊維(C)はその繊維粗度が0.3mg/m未満で
あるので嵩高なネットワーク構造をとることができず、
上記親水性の微細繊維(D)が該セルロース繊維(C)
中をすり抜けることができないために、該親水性の微細
繊維(D)がその厚さ方向に関してほぼ均一に配合され
ており、液体の拡散勾配を有していない。
基づき200部になるまで水を散布し、次いで湿潤した
該繊維ウエブ上に、高吸収性ポリマー〔日本触媒(株)
製、アクアリックCAW-4 (商品名)〕を散布坪量50g
/m2 でほぼ均一に散布した。
マーを散布した面に予め以下の組成で抄紙しておいた坪
量30g/m2 の繊維集合体を重ね合わせ、かかる繊維
ウエブと繊維集合体との重ね合わせ体を圧着一体化した
後、ドライヤーで乾燥し、トータル坪量150g/m2
の吸収性シートを得た。これを吸収性シート(D)とす
る。この吸収性シート(D)における、高吸収性ポリマ
ーを散布した上記繊維ウエブは、湿潤した繊維ウエブの
状態ではなく、繊維ウエブを形成する繊維が互いに強く
拘束されたものである。しかも、この吸収性シート
(D)は、上記繊維ウエブと繊維集合体との間に高吸収
性ポリマーが層状にサンドイッチされたものである。
より製造した。即ち、上記セルロース繊維(C)の濃度
が0.19%、上記PVA繊維の濃度が0.01%にな
るように(スラリー全体として0.20%)、これらを
水中に均一に分散させてスラリーを得た。
m(166メッシュ)の金網抄紙ワイヤー上に散布し、
該金網抄紙ワイヤー上に紙層を形成させた。サクション
ボックスを用いて、6リットル/m2 ・sec の速度でこ
の紙層を脱水・乾燥し、坪量30g/m2 になるように
繊維集合体を形成した。
に基づき上記セルロース繊維(C)を95部、上記PV
A繊維を5部を含有していた。
プシートの間に、高吸収性ポリマー〔日本触媒(株)
製、アクアリックCAW-4 (商品名)〕を坪量50g/m
2 になるように散布し、次いでケミカルバインダーでパ
ルプを固定させた吸収性シートを製造した。この吸収性
シートを吸収性シート(E)とする。
トを製造した。即ち、ポリエチレンの合成パルプ25
部、及び化学パルプ75部からなるパルプシートをハン
マーミルで解繊し、坪量100g/m2 の乾式吸収性シ
ートを形成する際に、高吸収性ポリマー〔日本触媒
(株)製、アクアリックCAW-4 (商品名)〕を50g/
m2 になるように原料中に混合し、その後熱風処理によ
り、ポリエチレン合成パルプを融着させ、一体化させ
た。この乾式吸収性シートは、全坪量150g/m2 で
あり、その表面にも高吸収性ポリマーが存在するもので
ある。この吸収性シートを吸収性シート(F)とする。
なお、上記化学パルプは、嵩高でなく且つ微細でもない
一般的なセルロース繊維(針葉樹クラフトパルプ)であ
る。
〜(C)及び比較例1〜3における吸収シート(D)〜
(F)の配合組成及び製造方法を表2及び表3に示す。
〜(C)及び比較例1〜3における吸収シート(D)〜
(F)について、高吸収性ポリマー固定化能及び吸収性
能を評価するために、下記に示す方法によって厚み、高
吸収性ポリマーの脱落試験、飽和吸収量、吸収速度、及
び液戻り量を測定した。それぞれの結果を表4に示す。
ートの上面に2.5g/cm2 の荷重をかけ、その厚みを
測定した。計10点の平均値をとって、その厚みとし
た。
00mmに切り出した吸収性シートの重量を測定した後、
これを長さ280mm×幅200mmのチャック付きのポリ
袋に入れ、この状態で50回手で振りながら振動を与え
る。試験終了後、吸収性シートの重量変化を測定すると
ともに、ポリ袋中に脱落した高吸収性ポリマーが肉眼で
よく観察できるよう、青色一号で染色した色水(0.3
g/水100ml)をポリ袋中に加え、高吸収性ポリマー
を膨潤させ、目視で脱落の程度を判定する。 ○・・・高吸収性ポリマーの脱落が殆ど認められない。 △・・・高吸収性ポリマーの脱落が多少認められる。 ×・・・高吸収性ポリマーの脱落がかなり認められる。 測定は10回の試験を行い、その平均値をもって脱落量
とした。
織布で作製した袋に入れ、袋ごとイオン交換水に10分
間浸漬した。袋をイオン交換水から取り出した後、空気
中に1時間吊るし、付着している水を落とした後、重量
を測定し、吸収性シート1g当たりの重量の増加分を飽
和吸収量(g/g)とした。
角の吸収性シート100の中央に、直径1cmの孔をあけ
た10cm角の透明なアクリル板20及び重り22を乗
せ、吸収性シート100に5g/cm2 の荷重をかけた状
態で、上記孔を通して生理食塩水20mlを注入し、生理
食塩水の吸収に要する時間を吸収速度とした。なお、吸
収速度の測定は2回行ったが、2回目の注入(再吸収速
度)は1回目の測定から1分後に行った。
0分経過した吸収性シート100上に、図14に示すよ
うに、15cm角の濾紙24(東洋濾紙TYPE2)を10枚
重ね、更にその上に15cm角のアクリル板26と重り2
2を、50g/cm2 の荷重となる様に1分間かけ、その
後濾紙24を取り出し、濾紙24に吸収された生理食塩
水の重量を液戻り量とした。
収性シート100として、長さ175mm、幅145mmの
吸収性シート(A)の両側縁部が吸収体のほぼ中央で相
対するようにC字状に折り曲げ圧縮し、幅73mmにし
た。この吸収性シート(A)を吸収体として使用した。
防漏層3としてポリラミ防水紙(長さ205mm、幅95
mm)を用い、かかるポリラミ防水紙で、得られた吸収性
シートの側面部及び底面部を被覆した。この吸収性シー
トとポリラミ防水紙との組み合わせ体の全ての面を後述
する液体吸収可能な表面層1(長さ205mm、幅172
mm)により被覆し、且つ固定剤6として用いたホットメ
ルト粘着剤によってこれらの部材を固定した。更に上記
表面材1の反対面側に坪量30g/m2 、幅20mm、長
さ115mmのホットメルト粘着剤を粘着部4として2本
塗工した。このようにして、図8に示す構成の生理用ナ
プキンを得た。なお、上記表面層1としては、ポリエチ
レン開孔フィルムを用いた。この表面層1は、坪量30
g/m2 のポリエチレンフィルムに開孔を施したもので
あり、一つの開孔径が0.5mmで開孔面積率として20
%開孔しているものである。
性シート(B)及び(C)をそれぞれ用いる以外は、実
施例4と同様にして、図8に示す構成の生理用ナプキン
を得た。
坪量300g/m2 で厚み4.5mmに調整した、長さ1
75mm、幅73mmのフラップパルプ2aの上に、少量の
水を散布した後、高吸収性ポリマー2e〔日本触媒
(株)製、アクアリックCAW-4 (商品名)〕を幅60m
m、長さ175mmの面積に約0.53gほぼ均一に散布
して散布坪量を坪量50g/m2 とした。この上に、坪
量18g/m2 で長さ175mm、幅73mmの木材パルプ
からなる湿式吸収紙2bを重ね、これらの組合せ体の全
ての面を、坪量18g/m2 で長さ175mm、幅130
mmの木材パルプからなる湿式吸収紙2cで被覆して一体
化した吸収層2を作製した。その後は、実施例3と同様
にして図15に示す構成の生理用ナプキンを作製した。
の代わりに、吸収性シート(D)〜(F)をそれぞれ用
いる以外は、実施例4と同様にして、図8に示す構成の
生理用ナプキンを得た。
理用ナプキンについて、ポリマー固定化能及び吸収性能
を評価するため、下記に示す方法によってポリマー脱落
試験、製品厚み、吸収時間、動的液戻り量、漏れ試験を
各生理用ナプキンについて行った。それぞれの結果を下
記表5に示す。
〜6及び比較例4〜7の生理用ナプキンの重量を測定し
た後、これを長さ280mm×幅200mmのチャック付き
のポリ袋に入れ、この状態で50回手で振りながら振動
を加える。試験終了後、生理用ナプキンの重量変化を測
定するとともに、ポリ袋中に脱落した高吸収性ポリマー
が肉眼でよく観察できるよう、青色一号で染色した色水
(0.3g/水100ml)をポリ袋中に加え、高吸収性
ポリマーを膨潤させ、目視で脱落の程度を判定する。 ○・・・高吸収性ポリマーの脱落が殆ど認められない。 △・・・高吸収性ポリマーの脱落が多少認められる。 ×・・・高吸収性ポリマーの脱落がかなり認められる。 測定は10回行い、その平均値をもって脱落量とする。
生理用ナプキンを10枚重ね合わせ、その上方より重さ
500gのアクリル板を載せて10枚分の厚さを測定
し、1枚あたりの製品厚さを求めた。
g)、動的液戻り量の測定>図13に示す吸収速度の測
定装置を使用した。即ち、図13に示す吸収性シート1
00に代えて、実施例4〜6及び比較例4〜7で得られ
た生理用ナプキンを水平に置き、直径1cmの注入口の
ついたアクリル板20を載せ、この上に重り22を載せ
て生理用ナプキンに5g/cm2 の荷重がかかるようし
た。次いで、注入口から脱繊維馬血〔日本バイオテスト
研究所(株)製〕5gを注入し、脱繊維馬血が完全に吸
収されるまでの吸収時間(秒)を求める。脱繊維馬血が
完全に吸収されてから、20分間そのまま放置し、再び
脱繊維馬血5gを注入し、再吸収時間(10g)を求
め、同様に20分間放置した。その後、坪量30g/m
2 で長さ195mm、幅75mmの針葉樹クラフトパルプか
らなる吸収紙を10枚、生理用ナプキンの上面(肌当接
面側)に置き、図17に示す可動式女性腰部モデル90
に、図18に示すように生理用ナプキン80を装着した
ショーツをはかせた後、100秒/分(50m/分)の
歩行速度で1分間歩行させた。歩行終了後、生理用ナプ
キン80及び吸収紙10枚を取り出し、吸収紙に吸収さ
れた脱繊維馬血の重量を液戻り量(g)として求めた。
各々5点について測定し、それぞれの平均値を求め、吸
収時間、再吸収時間及び動的液戻り量とした。
6及び比較例4〜7で得られた生理用ナプキン80を、
図18に示す如く、可動式女性腰部モデル90に装着さ
せ、ショーツをはかせた後、100歩/分(50m/
分)の歩行速度で10分間歩行させた。次いで、歩行さ
せながら、チューブ91によって脱繊維馬血を生理用ナ
プキン80に5g注入した後、同じ速度で20分間歩行
させた時点(5g吸収)、及びその後更に脱繊維馬血5
gを注入した後同じ速度で20分間歩行させた時点(1
0g吸収)、それぞれの時点でサンプル数10枚中のう
ち、漏れが発生した枚数を数えた。
に、特定の吸収性シートを用いる本発明の吸収性物品
は、従来の吸収性シート(水散布やエンボス一体化や接
着剤による一体化で得られる吸収性シート)を有する吸
収性物品に比べ、高吸収性ポリマーの固定性に優れ、且
つ極薄の1mm以下の厚みの吸収性シートを用いた場合で
も、吸収速度や液戻り量等の吸収特性に優れていること
がわかる。また、本発明の吸収性物品は、非常に簡単な
構成であるにも拘わらず、液体の吸収時間が速く、液戻
り量も少なく、しかも、漏れ発生回数の少ない、極めて
高性能なものである。これは、本発明の吸収性物品に使
用される吸収性シートが、その単一の構造に液体の吸収
拡散勾配を有しているが故に、液体を素早く吸収し、吸
収性シート中をスムーズに液体が透過し、しかも、液体
が十分に拡散することによるものである。
吸収性ポリマーがシート内に確実に固定され、高吸収性
ポリマーの脱落がほとんどなく、且つ高吸収性ポリマー
のゲルブロッキングが起こり難い吸収性シートが得られ
る。該吸収性シートは、単一の構造中に液体の透過/拡
散/保持という3つの機能を有し、吸収速度及び吸収力
共に優れたものとなる。
めの好ましい方法によれば、従来の吸収性シートの製造
方法に比して、製造プロセスが非常に高速化される。ま
た、高吸収性ポリマーを固定するための複雑な加工プロ
セスが不要となり、製造プロセスが極めて簡略化され
る。
リマーを吸収性シートの全体に散布するのみでなく、長
手方向に筋状に部分散布したり、或いは長手方向に間欠
散布することもできるので、用途に応じて高吸収性ポリ
マーを散布する範囲を設定でき、より経済的に吸収性シ
ートを製造できる。
かわらず、多量の高吸収性ポリマーが固定された極薄の
吸収性物品を提供することができる。その上、該吸収性
物品は、液体の吸収速度が高く、液戻り量が少なく、し
かも漏れ発生数も少ないものである。特に、上記吸収性
シートのみで吸収層を構成する場合には、1枚の吸収性
シートのみをカットするだけで吸収性物品を製造するこ
とができ、極めて簡略な製造工程で吸収性物品を高速生
産できる。また、上記吸収性シートは、一体化した構造
を有しているので、該吸収性シートを具備する吸収性物
品を着用して激しい運動等をした場合であっても高吸収
性ポリマーが吸収性シートから分離して吸収性能が低下
することもない。
である。
である。
ましく用いられる装置を示す概略図である。
ましく用いられる装置を示す概略図である。
を示す模式図である。
ての生理用ナプキンの断面を示す概略図である。
ての生理用ナプキンの断面を示す概略図である。
ての生理用ナプキンの断面を示す概略図である。
ての生理用ナプキンの断面を示す概略図である。
しての生理用ナプキンの断面を示す概略図である。
しての生理用ナプキンの断面を示す概略図である。
る。
ある。
ある。
ンを装着した状態を表す模式図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 少なくとも高吸収性ポリマー、嵩高性の
セルロース繊維及び親水性の微細繊維を含む吸収性シー
トであって、 上記吸収性シートは繊維集合体及び繊維ウエブから構成
されていると共に、該繊維集合体と該繊維ウエブとは一
体化しており、 上記繊維集合体は、吸収表面を有すると共に該吸収表面
側には上記高吸収性ポリマーを含まず、且つ平均繊維長
1〜20mmで繊維粗度0.3mg/m以上の嵩高性の
セルロース繊維を主体としており、 上記繊維ウエブは、平均繊維長1〜20mmで繊維粗度
0.3mg/m以上の嵩高性のセルロース繊維及び平均
繊維長0.02〜0.5mmの親水性の微細繊維を含む
と共に、その一方の面側における該親水性の微細繊維の
存在割合が他方の面側における存在割合よりも高く、且
つ上記親水性の微細繊維の存在割合が低い面側で上記繊
維集合体に隣接しており、 上記高吸収性ポリマーは、上記吸収性シートの内部に含
まれていると共に該吸収性シートを構成する繊維に接着
していることを特徴とする吸収性シート。 - 【請求項2】 少なくとも高吸収性ポリマー、嵩高性の
セルロース繊維及び親水性の微細繊維を含む吸収性シー
トであって、 上記吸収性シートは繊維集合体及び繊維ウエブから構成
されていると共に、該繊維集合体と該繊維ウエブとは一
体化しており、 上記繊維集合体は、吸収表面を有すると共に該吸収表面
側には上記高吸収性ポリマーを含まず、且つ平均繊維長
1〜20mmで繊維粗度0.3mg/m以上の嵩高性の
セルロース繊維及び平均繊維長0.02〜0.5mmの
親水性の微細繊維を含むと共に、その一方の面側におけ
る該親水性の微細繊維の存在割合が他方の面側における
存在割合よりも高く、 上記繊維ウエブは、平均繊維長1〜20mmで繊維粗度
0.3mg/m以上の嵩高性のセルロース繊維を主体と
し、且つ上記繊維集合体における上記親水性の微細繊維
の存在割合が高い面側で該繊維集合体に隣接しており、 上記高吸収性ポリマーは、上記吸収性シートの内部に含
まれていると共に該吸収性シートを構成する繊維に接着
していることを特徴とする吸収性シート。 - 【請求項3】 上記高吸収性ポリマーが、上記繊維ウエ
ブ中に含まれている、請求項1又は2記載の吸収性シー
ト。 - 【請求項4】 上記繊維ウエブにおける上記嵩高性のセ
ルロース繊維及び上記親水性の微細繊維の配合割合が、
該繊維ウエブ100重量部に基づいて該嵩高性のセルロ
ース繊維が50〜97重量部であり、該親水性の微細繊
維が3〜50重量部である、請求項1記載の吸収性シー
ト。 - 【請求項5】 上記繊維集合体における上記嵩高性のセ
ルロース繊維及び上記親水性の微細繊維の配合割合が、
該繊維集合体100重量部に基づいて該嵩高性のセルロ
ース繊維が50〜97重量部であり、該親水性の微細繊
維が3〜50重量部である、請求項2記載の吸収性シー
ト。 - 【請求項6】 上記嵩高性のセルロース繊維の繊維断面
の真円度が0.5〜1である、請求項1又は2記載の吸
収性シート。 - 【請求項7】 上記嵩高性のセルロース繊維が、架橋セ
ルロース繊維である、請求項1、2又は6記載の吸収性
シート。 - 【請求項8】 請求項1に記載の吸収性シートの製造方
法であって、 平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.3mg/m以上
の嵩高性のセルロース繊維及び平均繊維長0.02〜
0.5mmの親水性の微細繊維を含むと共に、その一方
の面側における該親水性の微細繊維の存在割合が、他方
の面側における存在割合よりも高い、湿潤した繊維ウエ
ブにおける、該親水性の微細繊維の存在割合が低い面上
に高吸収性ポリマーを散布し、 その上に平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.3mg
/m以上の嵩高性のセルロース繊維を主体とする繊維集
合体を重ね合わせ、そしてこれらを乾燥し、一体化する
工程を含むことを特徴とする吸収性シートの製造方法。 - 【請求項9】 請求項2に記載の吸収性シートの製造方
法であって、 平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.3mg/m以上
の嵩高性のセルロース繊維を主体とする湿潤した繊維ウ
エブ上に高吸収性ポリマーを散布し、 その上に、平均繊維長1〜20mmで繊維粗度0.3m
g/m以上の嵩高性のセルロース繊維及び平均繊維長
0.02〜0.5mmの親水性の微細繊維を含むと共
に、その一方の面側における該親水性の微細繊維の存在
割合が、他方の面側における存在割合よりも高い繊維集
合体を、その親水性の微細繊維の存在割合が高い面側と
上記繊維ウエブとが隣接するように重ね合わせ、そして
これらを乾燥し、一体化する工程を含むことを特徴とす
る吸収性シートの製造方法。 - 【請求項10】 フォーミングパートで上記繊維ウエブ
を形成し、サクション脱水工程で該繊維ウエブを脱水
し、プレスパート直前で該繊維ウエブ上に上記高吸収性
ポリマーを散布すると共にその上に上記繊維集合体を重
ね合わせ、次いで、ドライヤーでこれらを乾燥し一体化
する工程を含む、請求項8又は9記載の方法。 - 【請求項11】 液体吸収可能な表面層、液体保持性の
吸収層及び液体不透過性の防漏層を有する吸収性物品に
おいて、 上記表面層若しくは上記吸収層又は上記防漏層の上記吸
収層側には、少なくとも高吸収性ポリマー、嵩高性のセ
ルロース繊維及び親水性の微細繊維を含む吸収性シート
が含まれており、 上記吸収性シートは繊維集合体及び繊維ウエブから構成
されていると共に、該繊維集合体と該繊維ウエブとは一
体化しており、 上記繊維集合体は、吸収表面を有すると共に該吸収表面
側には上記高吸収性ポリマーを含まず、且つ平均繊維長
1〜20mmで繊維粗度0.3mg/m以上の嵩高性の
セルロース繊維を主体としており、 上記繊維ウエブは、平均繊維長1〜20mmで繊維粗度
0.3mg/m以上の嵩高性のセルロース繊維及び平均
繊維長0.02〜0.5mmの親水性の微細繊維を含む
と共に、その一方の面側における該親水性の微細繊維の
存在割合が他方の面側における存在割合よりも高く、且
つ上記親水性の微細繊維の存在割合が低い面側で上記繊
維集合体に隣接しており、 上記高吸収性ポリマーは、上記吸収性シートの内部に含
まれていると共に該吸収性シートを構成する繊維に接着
していることを特徴とする吸収性物品。 - 【請求項12】 液体吸収可能な表面層、液体保持性の
吸収層及び液体不透過性の防漏層を有する吸収性物品に
おいて、 上記表面層若しくは上記吸収層又は上記防漏層の上記吸
収層側には、少なくとも高吸収性ポリマー、嵩高性のセ
ルロース繊維及び親水性の微細繊維を含む吸収性シート
が含まれており、 上記吸収性シートは繊維集合体及び繊維ウエブから構成
されていると共に、該繊維集合体と該繊維ウエブとは一
体化しており、 上記繊維集合体は、吸収表面を有すると共に該吸収表面
側には上記高吸収性ポリマーを含まず、且つ平均繊維長
1〜20mmで繊維粗度0.3mg/m以上の嵩高性の
セルロース繊維及び平均繊維長0.02〜0.5mmの
親水性の微細繊維を含むと共に、その一方の面側におけ
る該親水性の微細繊維の存在割合が他方の面側における
存在割合よりも高く、 上記繊維ウエブは、平均繊維長1〜20mmで繊維粗度
0.3mg/m以上の嵩高性のセルロース繊維を主体と
し、且つ上記繊維集合体における上記親水性の微細繊維
の存在割合が高い面側で該繊維集合体に隣接しており、 上記高吸収性ポリマーは、上記吸収性シートの内部に含
まれていると共に該吸収性シートを構成する繊維に接着
していることを特徴とする吸収性物品。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31939895A JP3357518B2 (ja) | 1995-12-07 | 1995-12-07 | 吸収性シート及びその製造方法並びに吸収性物品 |
TW084113941A TW354251B (en) | 1994-12-28 | 1995-12-27 | Absorbent sheet, process for producing the same, and absorbent article using the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31939895A JP3357518B2 (ja) | 1995-12-07 | 1995-12-07 | 吸収性シート及びその製造方法並びに吸収性物品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09156014A JPH09156014A (ja) | 1997-06-17 |
JP3357518B2 true JP3357518B2 (ja) | 2002-12-16 |
Family
ID=18109740
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31939895A Expired - Fee Related JP3357518B2 (ja) | 1994-12-28 | 1995-12-07 | 吸収性シート及びその製造方法並びに吸収性物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3357518B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19947582C1 (de) * | 1999-10-02 | 2001-08-02 | Hartmann Paul Ag | Verbundwerkstoff zur Bildung einer körperzugewandten Lage bei einem Hygieneartikel sowie Hygieneartikel |
JP4514668B2 (ja) * | 2000-04-11 | 2010-07-28 | 花王株式会社 | 吸収性物品 |
JP3967873B2 (ja) | 2000-09-04 | 2007-08-29 | ユニ・チャーム株式会社 | 連続フィラメントおよび吸収シートを用いた吸収性物品 |
JP3754351B2 (ja) * | 2001-11-09 | 2006-03-08 | ユニ・チャーム株式会社 | 使い捨ておむつ |
JP4414363B2 (ja) * | 2005-03-24 | 2010-02-10 | 大王製紙株式会社 | 吸収性物品の製造方法 |
JP5235639B2 (ja) * | 2008-12-15 | 2013-07-10 | 花王株式会社 | 吸収体及び吸収体の製造方法並びに吸収性物品 |
US20120209231A1 (en) * | 2009-11-06 | 2012-08-16 | Basf Se | Textiles containing improved superabsorbers |
CN103037823A (zh) * | 2010-06-15 | 2013-04-10 | 旭化成化学株式会社 | 吸收片及其制造方法 |
CN103031665B (zh) * | 2012-12-25 | 2015-08-05 | 博爱(中国)膨化芯材有限公司 | 一种膨化芯材及其制造工艺和应用 |
JP7058112B2 (ja) * | 2017-10-03 | 2022-04-21 | 花王株式会社 | 吸収体及び吸収性物品 |
JP2018164753A (ja) * | 2018-07-03 | 2018-10-25 | 株式会社ダイセル | 吸収体の製造方法及び吸収体製造装置 |
-
1995
- 1995-12-07 JP JP31939895A patent/JP3357518B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09156014A (ja) | 1997-06-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2963647B2 (ja) | 吸収性シート及びその製造方法 | |
EP0719531B2 (en) | Absorbent sheet and process for producing the same | |
US6086950A (en) | Absorbent sheet, process for producing the same, and absorbent article using the same | |
EP0719530B1 (en) | Absorbent sheet and process for producing the same | |
EP1920744B1 (en) | Absorbent sheet | |
CN101583330B (zh) | 具有改进结构的吸收芯 | |
US6479415B1 (en) | Absorbent structures having fluid acquisition and distribution layer | |
US20070156107A1 (en) | Absorbent sheet and absorbent article using the same | |
EP0937444A2 (en) | Crosslinked cellulose fibers, absorbent papers and absorbent members using the same, topsheets using the same, and absorbent articles using the same | |
RU2244535C2 (ru) | Объединенный покрывающий и передаточный слой нетканого материала для абсорбирующего изделия (варианты) и абсорбирующее изделие (варианты) | |
JPH06287886A (ja) | 吸収紙及びそれを具備する吸収性物品 | |
JP3644738B2 (ja) | 吸収性シート及びその製造方法並びに吸収性物品 | |
JP4536024B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP3357518B2 (ja) | 吸収性シート及びその製造方法並びに吸収性物品 | |
JP3457417B2 (ja) | 吸収紙、その製造方法及びそれを用いた吸収性物品 | |
JP3552336B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP3644737B2 (ja) | 吸収性シート及びその製造方法並びに吸収性物品 | |
JP2955222B2 (ja) | 体液吸収性物品 | |
AU748366B2 (en) | Absorbent structures having fluid distribution and storage layers | |
JP2938796B2 (ja) | 吸収紙及びその製造方法 | |
JP2955223B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP2007175093A (ja) | 吸収性物品 | |
JP3545064B2 (ja) | 複合吸収紙及びそれを用いた吸収性物品 | |
JP3331069B2 (ja) | 拡散性吸収紙 | |
JP3055648B2 (ja) | 嵩高架橋セルロース繊維 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071004 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081004 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091004 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101004 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111004 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121004 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131004 Year of fee payment: 11 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |