JP3352757B2 - 液体クロマトグラフィー用充填剤 - Google Patents
液体クロマトグラフィー用充填剤Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体クロマトグラフィー
用充填剤に関する。
用充填剤に関する。
【0002】
【背景技術】ヒドロキシアパタイト(以下、HAPと記
す)を充填剤に用いた液体クロマトグラフィーは、タン
パク質や核酸などの生体高分子を温和な条件で分離精製
できるという、優れた特長を有するため、HAPは、工
業的に大量に分取するクロマトグラフィー用充填剤とし
て極めて望ましいものである。このような優れたクロマ
ト特性に加えて、分取コストを低くするためにクロマト
グラフィー用充填剤用のHAPは、生体高分子に対する
負荷能力が高く、かつ、機械的強度が大きく耐久性に優
れたものである必要がある。一般に、HAPを使用する
クロマトグラフィーにおいては、充填剤としてのHAP
を多孔質にすることにより、タンパク質や核酸などに対
する負荷能力を大きくできることが知られている。充填
剤としての多孔質のHAPの製法に関する従来技術とし
ては、例えば、湿式合成したHAPのスラリーのみを用
いて、噴霧乾燥法などにより100〜250℃の温度で
乾燥・造粒し、加熱焼成して多孔質化すると同時に機械
的強度を付与する方法が知られている。しかし、この方
法では焼成温度を高くするにつれてHAPの焼結による
体積収縮と緻密化が進み、特に、800℃より高温にな
ると細孔の消滅による多孔性の低下が著しくなる。この
ため、焼成は800℃以下の温度で行わざるを得ない
が、そのような温度は機械的強度を大きくするという目
的からは不十分な焼成温度である。緻密化による多孔性
の低下を防ぐため、HAPのスラリーに過酸化水素水な
どの発泡剤やスチロール樹脂などの熱分解性粒子を混合
して加熱焼成するなどの工程を組入れ、予め大きな気孔
を化学的または物理的に導入する方法も知られている
が、この方法は、比較的単純な形状の気孔に限られ、ま
た、全てが開気孔として作用する訳ではなく、その気孔
が閉気孔となって粒子内部に閉じこめられて意味のない
ものとなると共に機械的強度を弱くしてしまうことにも
なる。更に、緻密化による多孔性の低下を抑制する別法
として、900〜1400℃の高温下での固体反応によ
って調製したヒドロキシアパタイトを粉砕して微粒子と
し、これを再造粒し、焼成する方法があるが、この方法
は、ヒドロキシアパタイト粒子が既に高温で調製されて
いるため焼結反応に対する活性が低く、造粒粒子を90
0〜1400℃で焼成しても粒子同士の結合は弱い。従
って、機械的強度を大きくするためにはこの温度範囲よ
りも更に高い温度での焼成が必要であるが、そのような
高温下における焼成によっては再び多孔性が低下した
り、HAPの分解が生じてしまうので、機械的強度を十
分大きくするために、より高温で加熱することは事実上
困難であった。
す)を充填剤に用いた液体クロマトグラフィーは、タン
パク質や核酸などの生体高分子を温和な条件で分離精製
できるという、優れた特長を有するため、HAPは、工
業的に大量に分取するクロマトグラフィー用充填剤とし
て極めて望ましいものである。このような優れたクロマ
ト特性に加えて、分取コストを低くするためにクロマト
グラフィー用充填剤用のHAPは、生体高分子に対する
負荷能力が高く、かつ、機械的強度が大きく耐久性に優
れたものである必要がある。一般に、HAPを使用する
クロマトグラフィーにおいては、充填剤としてのHAP
を多孔質にすることにより、タンパク質や核酸などに対
する負荷能力を大きくできることが知られている。充填
剤としての多孔質のHAPの製法に関する従来技術とし
ては、例えば、湿式合成したHAPのスラリーのみを用
いて、噴霧乾燥法などにより100〜250℃の温度で
乾燥・造粒し、加熱焼成して多孔質化すると同時に機械
的強度を付与する方法が知られている。しかし、この方
法では焼成温度を高くするにつれてHAPの焼結による
体積収縮と緻密化が進み、特に、800℃より高温にな
ると細孔の消滅による多孔性の低下が著しくなる。この
ため、焼成は800℃以下の温度で行わざるを得ない
が、そのような温度は機械的強度を大きくするという目
的からは不十分な焼成温度である。緻密化による多孔性
の低下を防ぐため、HAPのスラリーに過酸化水素水な
どの発泡剤やスチロール樹脂などの熱分解性粒子を混合
して加熱焼成するなどの工程を組入れ、予め大きな気孔
を化学的または物理的に導入する方法も知られている
が、この方法は、比較的単純な形状の気孔に限られ、ま
た、全てが開気孔として作用する訳ではなく、その気孔
が閉気孔となって粒子内部に閉じこめられて意味のない
ものとなると共に機械的強度を弱くしてしまうことにも
なる。更に、緻密化による多孔性の低下を抑制する別法
として、900〜1400℃の高温下での固体反応によ
って調製したヒドロキシアパタイトを粉砕して微粒子と
し、これを再造粒し、焼成する方法があるが、この方法
は、ヒドロキシアパタイト粒子が既に高温で調製されて
いるため焼結反応に対する活性が低く、造粒粒子を90
0〜1400℃で焼成しても粒子同士の結合は弱い。従
って、機械的強度を大きくするためにはこの温度範囲よ
りも更に高い温度での焼成が必要であるが、そのような
高温下における焼成によっては再び多孔性が低下した
り、HAPの分解が生じてしまうので、機械的強度を十
分大きくするために、より高温で加熱することは事実上
困難であった。
【0003】
【発明の目的】本発明の目的は、上述の如き現状に鑑
み、耐久性に優れ、タンパク質や核酸などの生体高分子
試料の分離・分取に好適な多孔質のHAPから成る液体
クロマトグラフィー用充填剤を提供することにある。更
にまた、本発明の目的は、上記液体クロマトグラフィー
用充填剤の製法を提供することである。
み、耐久性に優れ、タンパク質や核酸などの生体高分子
試料の分離・分取に好適な多孔質のHAPから成る液体
クロマトグラフィー用充填剤を提供することにある。更
にまた、本発明の目的は、上記液体クロマトグラフィー
用充填剤の製法を提供することである。
【0004】
【発明の開示】本発明により、下記の新規な液体クロマ
トグラフィー用充填剤が提供される。本発明に係わる新
規な液体クロマトグラフィー用充填剤は、800℃未満
の温度域で合成されたヒドロキシアパタイト粒子(以
下、HAP粒子Aと称する)と800℃以上の温度域で
合成されたヒドロキシアパタイト粒子(以下、HAP粒
子Bと称する)とを含むスラリーを乾燥・造粒し、該造
粒物を800℃以上の温度で焼成を行うことにより生成
させた、多孔質のHAPから成ることを特徴とするもの
である。
トグラフィー用充填剤が提供される。本発明に係わる新
規な液体クロマトグラフィー用充填剤は、800℃未満
の温度域で合成されたヒドロキシアパタイト粒子(以
下、HAP粒子Aと称する)と800℃以上の温度域で
合成されたヒドロキシアパタイト粒子(以下、HAP粒
子Bと称する)とを含むスラリーを乾燥・造粒し、該造
粒物を800℃以上の温度で焼成を行うことにより生成
させた、多孔質のHAPから成ることを特徴とするもの
である。
【0005】本発明者らは、鋭意、研究の結果、HAP
粒子Aは低温で調製されているので焼結反応に対する活
性が高く、HAP粒子Aを単独で800℃程度の高温域
まで加熱した場合HAP粒子Aの凝集体が多数の隙間
(開気孔)を残しながら、米粒状のHAPの粒子が連な
るように成長し、焼結していき、全体としては体積の収
縮を伴いながら多孔性を発現していることが認められる
こと、そして、この多孔性発現に寄与するHAP粒子A
に対し、HAP粒子Bを混合することにより高温で焼成
しても細孔容積の減少する度合いを抑制できること、そ
の結果細孔容積を大きく保持できることを見い出した。
本発明はかかる知見に基づきなされたものである。
粒子Aは低温で調製されているので焼結反応に対する活
性が高く、HAP粒子Aを単独で800℃程度の高温域
まで加熱した場合HAP粒子Aの凝集体が多数の隙間
(開気孔)を残しながら、米粒状のHAPの粒子が連な
るように成長し、焼結していき、全体としては体積の収
縮を伴いながら多孔性を発現していることが認められる
こと、そして、この多孔性発現に寄与するHAP粒子A
に対し、HAP粒子Bを混合することにより高温で焼成
しても細孔容積の減少する度合いを抑制できること、そ
の結果細孔容積を大きく保持できることを見い出した。
本発明はかかる知見に基づきなされたものである。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。本発明
は、800℃未満の温度域で合成されたヒドロキシアパ
タイト粒子(HAP粒子A)と800℃以上の温度域で
合成されたヒドロキシアパタイト粒子(HAP粒子B)
とを含み、HAP粒子Bの混合割合が、HAP粒子Aと
HAP粒子Bとの全重量に対し、3〜60重量%である
スラリーから造粒物を調製し、その造粒物を800℃以
上の温度で焼成することにより生成させた、多孔質ヒド
ロキシアパタイトから成る液体クロマトグラフィー用充
墳剤を提供するものであるが、本発明に係わるHAP粒
子Aとは、800℃未満の温度で調製されたHAPの非
晶質または結晶質の粒子であって、800℃以上の焼成
温度で加熱されるに際し、結晶成長と焼結反応に対する
活性が高いため、それらの反応に伴って大きな体積収縮
が生じる粒子を意味している。この様なHAPの粒子で
あれば、どのような製法によるものでもよく、特に特定
されることはない。例を挙げればティゼリウス法〔A.
Tiselius,et al,Arch.Bioch
em.Biophys.,65,132−155(19
56)〕をはじめ水溶液からイオンの直接的反応によっ
て、HAP微粒子の沈殿を生ぜしめる、いわゆる湿式合
成法と称せられる様々な公知の方法によって製造するこ
とができる。HAP粒子AとHAP粒子Bとの混合によ
り調製されるスラリー中において、HAP粒子AでHA
P粒子Bを均一に覆い、更には、HAP粒子Bが多孔質
である場合にはその細孔にもHAP粒子Aを浸入させ、
焼成時にHAP粒子A同士が焼結すると同時に、細孔の
内と外でHAP粒子AがHAP粒子Bを包みこむように
強固に結合する効果を得るために、本発明に係わるHA
P粒子Aの大きさは出来るだけ細かいほうがよい。後述
のHAP粒子Bの調製に於いて生成する細孔の大きさは
製法によって様々であり、小さいほうでは1ミクロン以
下の細孔も容易に生じるが、実験により本発明の効果を
得るためには、HAP粒子Aはこれらの小さな細孔にも
浸入できるほうが望ましいことが分った。従って、HA
P粒子Aの大きさは、少なくともHAP粒子Bに存在す
る細孔の大きさより小さい方が望ましく、多くの場合、
1ミクロン以下であれば十分である。
は、800℃未満の温度域で合成されたヒドロキシアパ
タイト粒子(HAP粒子A)と800℃以上の温度域で
合成されたヒドロキシアパタイト粒子(HAP粒子B)
とを含み、HAP粒子Bの混合割合が、HAP粒子Aと
HAP粒子Bとの全重量に対し、3〜60重量%である
スラリーから造粒物を調製し、その造粒物を800℃以
上の温度で焼成することにより生成させた、多孔質ヒド
ロキシアパタイトから成る液体クロマトグラフィー用充
墳剤を提供するものであるが、本発明に係わるHAP粒
子Aとは、800℃未満の温度で調製されたHAPの非
晶質または結晶質の粒子であって、800℃以上の焼成
温度で加熱されるに際し、結晶成長と焼結反応に対する
活性が高いため、それらの反応に伴って大きな体積収縮
が生じる粒子を意味している。この様なHAPの粒子で
あれば、どのような製法によるものでもよく、特に特定
されることはない。例を挙げればティゼリウス法〔A.
Tiselius,et al,Arch.Bioch
em.Biophys.,65,132−155(19
56)〕をはじめ水溶液からイオンの直接的反応によっ
て、HAP微粒子の沈殿を生ぜしめる、いわゆる湿式合
成法と称せられる様々な公知の方法によって製造するこ
とができる。HAP粒子AとHAP粒子Bとの混合によ
り調製されるスラリー中において、HAP粒子AでHA
P粒子Bを均一に覆い、更には、HAP粒子Bが多孔質
である場合にはその細孔にもHAP粒子Aを浸入させ、
焼成時にHAP粒子A同士が焼結すると同時に、細孔の
内と外でHAP粒子AがHAP粒子Bを包みこむように
強固に結合する効果を得るために、本発明に係わるHA
P粒子Aの大きさは出来るだけ細かいほうがよい。後述
のHAP粒子Bの調製に於いて生成する細孔の大きさは
製法によって様々であり、小さいほうでは1ミクロン以
下の細孔も容易に生じるが、実験により本発明の効果を
得るためには、HAP粒子Aはこれらの小さな細孔にも
浸入できるほうが望ましいことが分った。従って、HA
P粒子Aの大きさは、少なくともHAP粒子Bに存在す
る細孔の大きさより小さい方が望ましく、多くの場合、
1ミクロン以下であれば十分である。
【0007】前記のHAP粒子Bは、800℃以上の温
度で十分に加熱され、結晶成長と焼結反応に伴う体積収
縮などが十分に進行したHAPの結晶粒子であって、本
発明における焼成温度条件下での加熱の際には新たに大
きな体積収縮は生じない、熱的に安定な、HAPの単結
晶または多結晶の粒子を意味している。また、形状的に
は、球状、板状、柱状、不定形状など、どのような形状
のものでもよく、特に特定されない。また、このHAP
粒子Bは多孔質であっても、緻密質であってもよい。一
例を挙げれば、HAP粒子Aより大きな径の開気孔(細
孔)が存在する多孔質のHAP粒子Bを用いると、HA
P粒子AがHAP粒子Bの表面を覆うだけでなく、HA
P粒子Bの開気孔の中まで浸入したHAP粒子Aが、乾
燥・造粒後の焼成によってHAP粒子Bの細孔の内外で
結晶化し、焼結反応に伴いHAP粒子Bを取込むように
強固な結合が生じるので、機械的強度の大きな充填剤が
得られる。また、柱状のHAP粒子Bを用いると、HA
P粒子Aとの混合によって、HAP粒子B同士の絡みあ
った隙間を満たしているHAP粒子Aが、乾燥・造粒後
の加熱により、結晶化と焼結反応による体積収縮が生じ
てHAP粒子Bに絡みつくように強固に結合するので、
機械的強度の大きな充填剤が得られる。
度で十分に加熱され、結晶成長と焼結反応に伴う体積収
縮などが十分に進行したHAPの結晶粒子であって、本
発明における焼成温度条件下での加熱の際には新たに大
きな体積収縮は生じない、熱的に安定な、HAPの単結
晶または多結晶の粒子を意味している。また、形状的に
は、球状、板状、柱状、不定形状など、どのような形状
のものでもよく、特に特定されない。また、このHAP
粒子Bは多孔質であっても、緻密質であってもよい。一
例を挙げれば、HAP粒子Aより大きな径の開気孔(細
孔)が存在する多孔質のHAP粒子Bを用いると、HA
P粒子AがHAP粒子Bの表面を覆うだけでなく、HA
P粒子Bの開気孔の中まで浸入したHAP粒子Aが、乾
燥・造粒後の焼成によってHAP粒子Bの細孔の内外で
結晶化し、焼結反応に伴いHAP粒子Bを取込むように
強固な結合が生じるので、機械的強度の大きな充填剤が
得られる。また、柱状のHAP粒子Bを用いると、HA
P粒子Aとの混合によって、HAP粒子B同士の絡みあ
った隙間を満たしているHAP粒子Aが、乾燥・造粒後
の加熱により、結晶化と焼結反応による体積収縮が生じ
てHAP粒子Bに絡みつくように強固に結合するので、
機械的強度の大きな充填剤が得られる。
【0008】上記のHAP粒子Bの大きさは、格別には
特定されないが、HAP粒子Aが体積収縮を起こした場
合にあってもHAP粒子Bの大きさがHAP粒子Aより
も十分に大きいと造粒粒子全体としての多孔性の低下を
抑制することができる。通常、容易に調製できるHAP
粒子Aの大きさは、小さいもので0.1ミクロン程度で
あるので、HAP粒子Bの大きさは少なくとも1ミクロ
ン以上であることが望ましい。
特定されないが、HAP粒子Aが体積収縮を起こした場
合にあってもHAP粒子Bの大きさがHAP粒子Aより
も十分に大きいと造粒粒子全体としての多孔性の低下を
抑制することができる。通常、容易に調製できるHAP
粒子Aの大きさは、小さいもので0.1ミクロン程度で
あるので、HAP粒子Bの大きさは少なくとも1ミクロ
ン以上であることが望ましい。
【0009】本発明における前述のHAPのスラリーと
は、HAP粒子AとHAP粒子Bとが水や有機溶媒など
の溶液中に分散した懸濁液を意味している。そのための
スラリー調製法としては、格別に特定されない。調製法
の例を挙げれば、HAP粒子Aのみの懸濁液とHAP粒
子Bのみの懸濁液を調製した後で両者を混合してもよ
く、HAP粒子AとHAP粒子Bを混合したものを水や
有機溶媒に分散させてもよく、また、ティゼリウス法な
どの湿式合成法においてHAP粒子Aの沈殿物が生じて
いる溶液に、HAP粒子Bを混合してもよく、いずれの
方法も本発明における前記のHAPのスラリーの調製法
として使用することができる。
は、HAP粒子AとHAP粒子Bとが水や有機溶媒など
の溶液中に分散した懸濁液を意味している。そのための
スラリー調製法としては、格別に特定されない。調製法
の例を挙げれば、HAP粒子Aのみの懸濁液とHAP粒
子Bのみの懸濁液を調製した後で両者を混合してもよ
く、HAP粒子AとHAP粒子Bを混合したものを水や
有機溶媒に分散させてもよく、また、ティゼリウス法な
どの湿式合成法においてHAP粒子Aの沈殿物が生じて
いる溶液に、HAP粒子Bを混合してもよく、いずれの
方法も本発明における前記のHAPのスラリーの調製法
として使用することができる。
【0010】HAP粒子AとHAP粒子Bとから成るH
APのスラリーの濃度は格別に特定されず、用いる乾燥
・造粒方法、焼成による粒子の収縮の度合いや多孔性、
細孔容積などを考慮し、本発明の目的を達成するのに好
適な濃度に調整される。
APのスラリーの濃度は格別に特定されず、用いる乾燥
・造粒方法、焼成による粒子の収縮の度合いや多孔性、
細孔容積などを考慮し、本発明の目的を達成するのに好
適な濃度に調整される。
【0011】上記のHAP粒子AとHAP粒子Bの混合
割合は、本発明の目的を達成するためにはHAP粒子B
の割合を3〜60重量%の範囲とすることが望ましく、
15〜30重量%が好適である。3重量%以下の場合に
は、800℃以上の高温での焼成により、HAP粒子A
の焼結に伴う大きな体積収縮が生じ、緻密化が進行する
ため、HAP粒子Bの共存による充填剤の多孔質性の低
下を抑制する効果がほとんどなく、また、60重量%以
上の場合には、多孔性の低下は抑制できるが、HAP粒
子AでHAP粒子Bを覆うことによる造粒粒子全体の結
合強化の効果が小さくなり、高温で焼成しても機械的強
度の増大はそれ以上には著しくならず、いずれも本発明
の目的を十分に達成することができなくなる。
割合は、本発明の目的を達成するためにはHAP粒子B
の割合を3〜60重量%の範囲とすることが望ましく、
15〜30重量%が好適である。3重量%以下の場合に
は、800℃以上の高温での焼成により、HAP粒子A
の焼結に伴う大きな体積収縮が生じ、緻密化が進行する
ため、HAP粒子Bの共存による充填剤の多孔質性の低
下を抑制する効果がほとんどなく、また、60重量%以
上の場合には、多孔性の低下は抑制できるが、HAP粒
子AでHAP粒子Bを覆うことによる造粒粒子全体の結
合強化の効果が小さくなり、高温で焼成しても機械的強
度の増大はそれ以上には著しくならず、いずれも本発明
の目的を十分に達成することができなくなる。
【0012】上記のHAP粒子AとHAP粒子Bとを含
むスラリーの乾燥・造粒の方法としては、格別に特定さ
れない。その方法としては、下記の如き公知の方法を例
示することができる。 (1) 耐熱性の容器に入れて、加熱して乾燥・固化さ
せ、次いで、所望の粒子径の粒子となるように粉砕す
る。 (2) 噴霧乾燥法により、乾燥と造粒を同時に行う。
この方法によると、クロマトグラフィー用充填剤の形状
として極めて好ましい球状粒子を得ることができる。ま
た、噴霧乾燥法における乾燥温度を、例えば700℃ま
で高くすると、乾燥のみならず、一部焼結反応をも生じ
させることが可能であり、こうした方法も本発明の方法
における乾燥造粒方法として好適に用いることができ
る。
むスラリーの乾燥・造粒の方法としては、格別に特定さ
れない。その方法としては、下記の如き公知の方法を例
示することができる。 (1) 耐熱性の容器に入れて、加熱して乾燥・固化さ
せ、次いで、所望の粒子径の粒子となるように粉砕す
る。 (2) 噴霧乾燥法により、乾燥と造粒を同時に行う。
この方法によると、クロマトグラフィー用充填剤の形状
として極めて好ましい球状粒子を得ることができる。ま
た、噴霧乾燥法における乾燥温度を、例えば700℃ま
で高くすると、乾燥のみならず、一部焼結反応をも生じ
させることが可能であり、こうした方法も本発明の方法
における乾燥造粒方法として好適に用いることができ
る。
【0013】多孔質のHAPの細孔容積は、HAPのス
ラリーの調製方法と条件、加熱焼成条件などによって異
なってくる。一例を挙げれば、硝酸カルシウムとリン酸
の反応により生成させたHAP粒子Aを含むスラリーを
乾燥し、粉砕して、1000℃まで加熱すると、焼結が
進み多孔性が著しく低下して、細孔容積は0.18cc
/gとなり、タンパク質などの生体関連試料の負荷能力
は、800℃で作製した多孔質のHAPと比較して約1
/5まで減少した。従って、機械的強度を増加させるた
めには焼成温度を高くするのが望ましいが、一方、タン
パク質などの負荷能力を著しく低下させないためには、
多孔質のHAPの細孔容積は、少なくとも0.2cc/
g以上、好ましくは0.35cc/g以上あることが望
ましい。
ラリーの調製方法と条件、加熱焼成条件などによって異
なってくる。一例を挙げれば、硝酸カルシウムとリン酸
の反応により生成させたHAP粒子Aを含むスラリーを
乾燥し、粉砕して、1000℃まで加熱すると、焼結が
進み多孔性が著しく低下して、細孔容積は0.18cc
/gとなり、タンパク質などの生体関連試料の負荷能力
は、800℃で作製した多孔質のHAPと比較して約1
/5まで減少した。従って、機械的強度を増加させるた
めには焼成温度を高くするのが望ましいが、一方、タン
パク質などの負荷能力を著しく低下させないためには、
多孔質のHAPの細孔容積は、少なくとも0.2cc/
g以上、好ましくは0.35cc/g以上あることが望
ましい。
【0014】本発明によれば、予め高温で焼成して焼結
と体積収縮を十分に行わせたHAP粒子Bと焼結反応に
対する活性の高いHAP粒子Aとを含むスラリーを用い
るので、HAP粒子Bを包み込んだHAP粒子A同士の
結晶化と焼結反応が体積収縮の無いHAP粒子Bの回り
で生じると同時に、HAP粒子Aは収縮するにつれてH
AP粒子Bを強固に包みこむようにしながら、HAP粒
子Bに同化するように焼結されていく。このようにHA
P粒子Aのみの一様な収縮を阻止することにより、粒子
全体の多孔性の低下を抑制する効果と機械的強度を増大
させる効果が生じる。また、開気孔を有する多孔質のH
AP粒子Bや柱状のHAP粒子Bを用いて、HAP粒子
AとHAP粒子Bとの混合割合やスラリーの濃度を選択
することにより、HAP粒子Bの開気孔やHAP粒子B
同士の隙間を満たしたスラリー中のHAP粒子Aが加熱
によって大きく体積収縮し、その結果再び開気孔を生じ
るようにすることもでき、当然ながら、これらの方法は
HAP焼成体の多孔性の低下を抑制することに役立つ。
と体積収縮を十分に行わせたHAP粒子Bと焼結反応に
対する活性の高いHAP粒子Aとを含むスラリーを用い
るので、HAP粒子Bを包み込んだHAP粒子A同士の
結晶化と焼結反応が体積収縮の無いHAP粒子Bの回り
で生じると同時に、HAP粒子Aは収縮するにつれてH
AP粒子Bを強固に包みこむようにしながら、HAP粒
子Bに同化するように焼結されていく。このようにHA
P粒子Aのみの一様な収縮を阻止することにより、粒子
全体の多孔性の低下を抑制する効果と機械的強度を増大
させる効果が生じる。また、開気孔を有する多孔質のH
AP粒子Bや柱状のHAP粒子Bを用いて、HAP粒子
AとHAP粒子Bとの混合割合やスラリーの濃度を選択
することにより、HAP粒子Bの開気孔やHAP粒子B
同士の隙間を満たしたスラリー中のHAP粒子Aが加熱
によって大きく体積収縮し、その結果再び開気孔を生じ
るようにすることもでき、当然ながら、これらの方法は
HAP焼成体の多孔性の低下を抑制することに役立つ。
【0015】以下に、本発明の実施例と比較例とを掲
げ、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は下記
の実施例に限定されるものではない。
げ、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は下記
の実施例に限定されるものではない。
【0016】
実施例1 水酸化カルシウムとリン酸の反応により、0.1〜0.
7ミクロンの大きさのHAP粒子Aが分散している懸濁
液を調製した。一方、該HAP粒子Aが分散した懸濁液
を150℃で乾燥して粉末とした後、1000℃で4時
間焼成して粉砕し、2〜15ミクロンの粒子から成るH
AP粒子Bを調製した。次に、上記のHAP粒子Aの分
散した懸濁液とHAP粒子Bとを用いて、HAP粒子B
がそれぞれ、5、10、25、および、40重量%の割
合で含まれている4種類のHAPのスラリーを調製し、
各々のスラリーを150℃で乾燥した。この4種類の乾
燥スラリーを800℃、および、1000℃で各4時間
焼成した。こうして得られた8種類の焼成体を各々粉砕
しておよそ0.5ミリメートルの大きさの、多孔質のH
APを得た。この8種類の多孔質のHAPの細孔容積
を、水銀圧入法により測定した。その結果を表1に示
す。表1中の数値は、(cc/g)である。
7ミクロンの大きさのHAP粒子Aが分散している懸濁
液を調製した。一方、該HAP粒子Aが分散した懸濁液
を150℃で乾燥して粉末とした後、1000℃で4時
間焼成して粉砕し、2〜15ミクロンの粒子から成るH
AP粒子Bを調製した。次に、上記のHAP粒子Aの分
散した懸濁液とHAP粒子Bとを用いて、HAP粒子B
がそれぞれ、5、10、25、および、40重量%の割
合で含まれている4種類のHAPのスラリーを調製し、
各々のスラリーを150℃で乾燥した。この4種類の乾
燥スラリーを800℃、および、1000℃で各4時間
焼成した。こうして得られた8種類の焼成体を各々粉砕
しておよそ0.5ミリメートルの大きさの、多孔質のH
APを得た。この8種類の多孔質のHAPの細孔容積
を、水銀圧入法により測定した。その結果を表1に示
す。表1中の数値は、(cc/g)である。
【0017】表1に示された結果から、焼成温度が80
0℃では、HAP粒子Bの混合割合の増加につれて多孔
質のHAPの細孔容積は小さくなるが、焼成温度を高く
したときの細孔容積の減少の度合いはHAP粒子Bの混
合割合いが大きい程低くなり、その結果、1000℃で
の焼成では、HAP粒子Bの混合割合が大きいもの程、
残存する細孔容積も大きいことが分る。結局、多孔質の
HAPの機械的強度を大きくする目的で焼成温度を高め
る場合、HAP粒子AにHAP粒子Bを混合して用いる
ことにより細孔の減少の度合いを低く抑えられるので、
800℃以上の温度で焼成を行った場合においても、細
孔容積の大きい多孔質のHAPが得られることが分る。
0℃では、HAP粒子Bの混合割合の増加につれて多孔
質のHAPの細孔容積は小さくなるが、焼成温度を高く
したときの細孔容積の減少の度合いはHAP粒子Bの混
合割合いが大きい程低くなり、その結果、1000℃で
の焼成では、HAP粒子Bの混合割合が大きいもの程、
残存する細孔容積も大きいことが分る。結局、多孔質の
HAPの機械的強度を大きくする目的で焼成温度を高め
る場合、HAP粒子AにHAP粒子Bを混合して用いる
ことにより細孔の減少の度合いを低く抑えられるので、
800℃以上の温度で焼成を行った場合においても、細
孔容積の大きい多孔質のHAPが得られることが分る。
【0018】
【表1】
【0019】比較例1 HAP粒子Aのみを分散させた懸濁液(実施例1参照)
を150℃で乾燥して粉末とした後、800、および、
1000℃の各焼成温度で4時間加熱した。得られた2
種類の焼成体を各々粉砕して、およそ0.5ミリメート
ルの大きさの、多孔質のHAPの焼結粒子2種を得た。
この2種類のHAP焼結粒子の各細孔容積の測定結果
は、表1に示されている。HAP粒子Aのみを用いて作
製した多孔質のHAPの細孔容積は、焼成温度が高くな
るに従い、急激に減少する。機械的強度を高めるために
1000℃で焼成すると、その細孔容積は、HAP粒子
Bを10〜40重量%混合して1000℃で焼成した場
合のいずれの試料の細孔容積と対比しても小さい。
を150℃で乾燥して粉末とした後、800、および、
1000℃の各焼成温度で4時間加熱した。得られた2
種類の焼成体を各々粉砕して、およそ0.5ミリメート
ルの大きさの、多孔質のHAPの焼結粒子2種を得た。
この2種類のHAP焼結粒子の各細孔容積の測定結果
は、表1に示されている。HAP粒子Aのみを用いて作
製した多孔質のHAPの細孔容積は、焼成温度が高くな
るに従い、急激に減少する。機械的強度を高めるために
1000℃で焼成すると、その細孔容積は、HAP粒子
Bを10〜40重量%混合して1000℃で焼成した場
合のいずれの試料の細孔容積と対比しても小さい。
【0020】実施例2 水酸化カルシウムとリン酸の反応により生成したHAP
粒子Aを分散させた懸濁液に、HAP粒子B(実施例1
参照)を20重量%加えて混合撹拌し、300℃で噴霧
乾燥して平均粒径100ミクロンの球状粒子を得た。こ
の粒子を、850℃で焼成して、細孔容積が0.38c
c/gの、球状で多孔質のHAPを得た。
粒子Aを分散させた懸濁液に、HAP粒子B(実施例1
参照)を20重量%加えて混合撹拌し、300℃で噴霧
乾燥して平均粒径100ミクロンの球状粒子を得た。こ
の粒子を、850℃で焼成して、細孔容積が0.38c
c/gの、球状で多孔質のHAPを得た。
【0021】この多孔質のHAPを直径10mm、長さ
10cmのガラス管に加圧充墳し、リン酸ナトリウム緩
衝液(pH6.8)を用いて、0.01Mから0.3M
まで60分のリニアグラジエントの測定モードにより、
2ml/minの流速条件下で牛血清アルブミン、リゾ
チウム、およびチトクロムCの混合試料の分離テストを
行い、良好な分離結果を得た。また、測定時のカラム背
圧は0kg/cm2であり、500回以上の繰返し測定
が可能であった。更に、生体関連試料の負荷能力を評価
するためにリゾチウムを用いて調べた結果は15mg/
gであった。これらの結果から、本発明によるHAP充
填剤は耐久性が高く、生体高分子試料の分離・分取に好
適な液体クロマト特性を有することが分る。
10cmのガラス管に加圧充墳し、リン酸ナトリウム緩
衝液(pH6.8)を用いて、0.01Mから0.3M
まで60分のリニアグラジエントの測定モードにより、
2ml/minの流速条件下で牛血清アルブミン、リゾ
チウム、およびチトクロムCの混合試料の分離テストを
行い、良好な分離結果を得た。また、測定時のカラム背
圧は0kg/cm2であり、500回以上の繰返し測定
が可能であった。更に、生体関連試料の負荷能力を評価
するためにリゾチウムを用いて調べた結果は15mg/
gであった。これらの結果から、本発明によるHAP充
填剤は耐久性が高く、生体高分子試料の分離・分取に好
適な液体クロマト特性を有することが分る。
【0022】比較例2 水酸化カルシウムとリン酸の反応により生成したHAP
粒子Aを分取させた懸濁液を、300℃で噴霧乾燥し、
平均粒径が100ミクロンの球状粒子を得た。次いで、
この粒子を850℃で焼成して多孔質のHAPを得た。
この多孔質のHAPを、実施例2で用いたガラス管と同
じサイズのガラス管に充填し、実施例2と同じ条件で液
体クロマトグラフィー用充填剤としての特性を評価し
た。混合試料の分離テストでは実施例2と同様の分離結
果が得られたが、測定時の通液に対する抵抗が大きくな
り、カラム背圧は20kg/cm2と高くなつた。ま
た、リゾチウムの負荷能力は11mg/gであった。
粒子Aを分取させた懸濁液を、300℃で噴霧乾燥し、
平均粒径が100ミクロンの球状粒子を得た。次いで、
この粒子を850℃で焼成して多孔質のHAPを得た。
この多孔質のHAPを、実施例2で用いたガラス管と同
じサイズのガラス管に充填し、実施例2と同じ条件で液
体クロマトグラフィー用充填剤としての特性を評価し
た。混合試料の分離テストでは実施例2と同様の分離結
果が得られたが、測定時の通液に対する抵抗が大きくな
り、カラム背圧は20kg/cm2と高くなつた。ま
た、リゾチウムの負荷能力は11mg/gであった。
【0023】実施例3 アルギン酸塩法〔岩崎弘通、金子泰成、材料、37、6
0−64(1988)〕に基づき紡糸したゲル状繊維
を、900℃で1時間熱処理した後、粉砕し、1%塩化
アンモニウム溶液で処理して副生成物のCaOを除去し
て、直径が30〜40μm、長さがおよそ100〜30
0μmの柱状のHAPから成るHAP粒子Bを作製し
た。次いで、水酸化カルシウムとリン酸を反応させてH
AP粒子Aの懸濁液を調製し、これに上述の柱状HAP
粒子Bを30重量%加えて混合撹拌し、150℃で乾燥
した後、900℃で焼成した。得られた焼成物を粉砕し
てフルイ分けすることにより、0.5〜1ミリの大きさ
の粒子を充填剤用に選別した。選別されたHAPは、細
孔容積が0.36cc/gの多孔質のHAPであった。
0−64(1988)〕に基づき紡糸したゲル状繊維
を、900℃で1時間熱処理した後、粉砕し、1%塩化
アンモニウム溶液で処理して副生成物のCaOを除去し
て、直径が30〜40μm、長さがおよそ100〜30
0μmの柱状のHAPから成るHAP粒子Bを作製し
た。次いで、水酸化カルシウムとリン酸を反応させてH
AP粒子Aの懸濁液を調製し、これに上述の柱状HAP
粒子Bを30重量%加えて混合撹拌し、150℃で乾燥
した後、900℃で焼成した。得られた焼成物を粉砕し
てフルイ分けすることにより、0.5〜1ミリの大きさ
の粒子を充填剤用に選別した。選別されたHAPは、細
孔容積が0.36cc/gの多孔質のHAPであった。
【0024】この多孔質のHAPを直径10mm、長さ
10cmのガラス管に充填し、リン酸ナトリウム緩衝液
(pH6.8)を用いて、牛血清アルブミン、リゾチウ
ム、およびチトクロムCの混合試料を、0.07M、
0.14M、及び0.25Mの濃度によるステップワイ
ズ法で分離し、良好な結果を得た。また、生体関連試料
の負荷能力の評価としてリゾチウムを用いて測定した結
果は、14mg/gであった。
10cmのガラス管に充填し、リン酸ナトリウム緩衝液
(pH6.8)を用いて、牛血清アルブミン、リゾチウ
ム、およびチトクロムCの混合試料を、0.07M、
0.14M、及び0.25Mの濃度によるステップワイ
ズ法で分離し、良好な結果を得た。また、生体関連試料
の負荷能力の評価としてリゾチウムを用いて測定した結
果は、14mg/gであった。
Claims (7)
- 【請求項1】 800℃未満の温度域で合成されたヒド
ロキシアパタイト粒子(a)と800℃以上の温度域で
合成されたヒドロキシアパタイト粒子(b)とを含み、
その粒子(b)の混合割合が粒子(a)と粒子(b)と
の全重量あたり3〜60重量%であるスラリーから調製
された造粒物を800℃以上の温度で焼成することによ
り生成させた、多孔質ヒドロキシアパタイトから成る液
体クロマトグラフィー用充填剤。 - 【請求項2】 前記の800℃未満の温度域で合成され
たヒドロキシアパタイト粒子(a)が1ミクロン以下の
粒子である、請求項1に記載の液体クロマトグラフィー
用充填剤。 - 【請求項3】 前記の800℃以上の温度域で合成され
たヒドロキシアパタイト粒子(b)が1ミクロン以上の
粒子である、請求項1または2に記載の液体クロマトグ
ラフィー用充填剤。 - 【請求項4】 前記の800℃以上の温度域で合成され
たヒドロキシアパタイト粒子(b)が多孔質である、請
求項1〜3のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー
用充填剤。 - 【請求項5】 800℃未満の温度域で合成されたヒド
ロキシアパタイト粒子(a)と800℃以上の温度域で
合成されたヒドロキシアパタイト粒子(b)とを含んで
いるスラリーからの造粒物の調製を噴霧乾燥法により行
う、請求項1〜4のいずれかに記載の液体クロマトグラ
フィー用充填剤。 - 【請求項6】 前記の多孔質ヒドロキシアパタイトの細
孔容積が0.2cc/g以上である、請求項1〜5のい
ずれかに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。 - 【請求項7】 前記の多孔質ヒドロキシアパタイトが球
状体である、請求項1〜6のいずれかに記載の液体クロ
マトグラフィー用充填剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12645093A JP3352757B2 (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 液体クロマトグラフィー用充填剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12645093A JP3352757B2 (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 液体クロマトグラフィー用充填剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06300746A JPH06300746A (ja) | 1994-10-28 |
JP3352757B2 true JP3352757B2 (ja) | 2002-12-03 |
Family
ID=14935521
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12645093A Expired - Fee Related JP3352757B2 (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 液体クロマトグラフィー用充填剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3352757B2 (ja) |
-
1993
- 1993-04-19 JP JP12645093A patent/JP3352757B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06300746A (ja) | 1994-10-28 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |