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JP3339558B2 - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JP3339558B2
JP3339558B2 JP09078597A JP9078597A JP3339558B2 JP 3339558 B2 JP3339558 B2 JP 3339558B2 JP 09078597 A JP09078597 A JP 09078597A JP 9078597 A JP9078597 A JP 9078597A JP 3339558 B2 JP3339558 B2 JP 3339558B2
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smoothing capacitor
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smoothing
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JP09078597A
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和雄 小林
勝彦 西村
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富士通電装株式会社
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流電源から発生
する交流電圧を所望の電圧に変換するための電力変換装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】電力変換装置は、交流電源から発生する
交流電圧を、整流回路および平滑回路によって直流電圧
に変換し、この直流電圧を電力変換回路によって所望の
交流電圧あるいは直流電圧に変換し、得られた交流電圧
あるいは直流電圧を負荷に印加するものである。
【0003】このうち整流回路および平滑回路によって
変換された直流電圧を所望の直流電圧に変換する電力変
換回路は、スイッチングレギュレータとして知られてい
る。スイッチングレギュレータを用いた従来の電力変換
装置が図4に示されている。図4に示されるように、ス
イッチングレギュレータを用いた従来の電力変換装置に
は、スイッチングレギュレータ130の前段に、整流回
路110と、平滑用コンデンサC11とが設けられてい
る。
【0004】このうち整流回路110は、これを構成す
る4つのダイオードD11〜D14がブリッジ接続され
て、交流電源140から交流入力端子11a,11bを
介して印加された交流電圧を整流する作用を果たしてい
る。この整流回路110には、平滑用コンデンサC11
が接続され、この平滑用コンデンサC11では、整流回
路110によって整流された電圧の平滑化が行われる。
【0005】また、平滑用コンデンサC11の両端に
は、スイッチングレギュレータ130が接続され、この
スイッチングレギュレータ130では、平滑用コンデン
サC11によって平滑化された電圧が所望の直流電圧に
変換される。さらに、スイッチングレギュレータ130
には、直流出力端子13c,13dを介して負荷が接続
され、スイッチングレギュレータ130によって所望の
直流電圧が負荷に印加される。
【0006】なお、整流回路110,平滑用コンデンサ
C11,スイッチングレギュレータ130は、すべて一
端が接地されている。このように構成された従来の電力
変換装置は、交流電源140が出力する正弦波の交流電
圧(例えば、商用の60Hz,100V)は、整流回路
110の交流入力端子11a,11b間に印加される。
整流回路110は、印加された正弦波の交流電圧を整流
して、図5に示されるように全波整流波形の整流電圧V
inを平滑用コンデンサC11の両端に印加する。したが
って、平滑用コンデンサC11は、整流電圧Vinに応じ
て充電される。
【0007】この平滑用コンデンサC11に充電された
電荷は、スイッチングレギュレータ130の電圧変換動
作に応じて消費される。したがって、平滑用コンデンサ
C11の両端の電圧は変動することになるが、当該平滑
用コンデンサC11の両端の電圧と整流電圧Vinとの大
小関係によって電荷が新たに供給されるので、その変動
は小さく抑えられる。
【0008】具体的には、この平滑用コンデンサC11
の両端の電圧が整流電圧Vinよりも小さくなるときに、
整流回路110から平滑用コンデンサC11に電流(充
電電流)が流れて、平滑用コンデンサC11が充電され
る。このとき、平滑用コンデンサC11の両端の電圧
は、充電電流に応じて増加する。反対に、平滑用コンデ
ンサC11の両端の電圧の方が整流電圧Vinよりも大き
いときには、充電は行われない。このとき、平滑用コン
デンサC11の両端の電圧は、スイッチングレギュレー
タ130の電圧変換動作に応じて減少する。その結果、
平滑用コンデンサC11は、定常的にほぼ一定の電荷を
蓄積する状態に維持され、その両端には、ほぼ一定の電
圧(平滑電圧Vs)が生じることになる。
【0009】この平滑用コンデンサC11の平滑電圧V
sは、スイッチングレギュレータ130の作用によっ
て、このスイッチングレギュレータ130内でいったん
高周波交流電圧に変換された後に、再び整流平滑され、
所望の電圧値の直流電圧に変換されて、直流出力端子1
3a,13bに出力される。この直流電圧は、出力電圧
として負荷に印加される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の電力変
換装置では、整流回路110から平滑用コンデンサC1
1への充電電流(入力電流Iin)の流入は、上述したよ
うに、平滑用コンデンサC11の両端に生じた平滑電圧
Vsの方が整流電圧Vinより小さいときに限られてい
る。
【0011】すなわち、平滑用コンデンサC11への入
力電流Iinは、整流電圧Vinが最大値となる付近のみに
短時間だけに生じる。したがって、その入力電流Iinの
波形は、図5に示されるように、パルス状の流通角が狭
いものとなる。この入力電流Iinの波形に対して、高速
フーリエ変換(FFT、fast Fouriertransform)を用
いてスペクトル解析を行った結果(スペクトル特性)を
示す波形が、図6に示されている。
【0012】図6に示されるように、入力電流Iinに
は、整流電圧Vinの基本周波数fo の成分以外の高周波
歪み成分が多く含まれていることがわかる。このよう
に、従来の電力変換装置では、入力電流Iinが整流電圧
Vinの波形に対して高周波歪み成分を多く含む波形とな
ってしまう。したがって、従来の電力変換装置では、入
力力率が低下し、皮相電力が増加し、電力伝送効率が落
ちたり、また、電力変換装置に接続された他の機器の誤
動作を招いたりする可能性も生じる。
【0013】これらの問題に対処するために、従来の電
力変換装置では、例えば、スイッチングレギュレータ1
30の前段に、昇圧形コンバータを設ける方式によっ
て、高周波歪み成分を抑制し、力率の改善を図ってい
た。この方式では、力率はほぼ1に近く理想的にするこ
とができるが、昇圧形コンバータとスイッチングレギュ
レータとであわせて2つのコンバータが設けられること
となるため、回路構成が複雑で、価格的に不利であり、
また、スイッチングレギュレータ130側では、その変
換効率を落としてしまうという新たな問題が生じる。
【0014】本発明の目的は、力率が良好に改善される
と共に、回路構成が簡単な電力変換装置を提供すること
にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、電力変換装置に、整流回路から脈流として与えられ
る電力を蓄積する平滑用コンデンサと、平滑用コンデン
サの放電路に配される一次巻線と平滑用コンデンサの充
電路に配される二次巻線とからなる変流器と、放電路に
配される一次巻線とスイッチング素子を含むと共に、該
スイッチング素子を用いたスイッチングにより、平滑用
コンデンサに蓄積された電力を取り込み、所望の電圧の
電力に変換する電圧変換部とを備えたものである。そし
て、上記の変流器は、電圧変換部に取り込まれる電力に
応じて、放電路に電流が流れるタイミングで、変流器の
一次巻線と二次巻線との電磁結合により、充電路に電流
を注入するように構成されている。
【0016】
【0017】(作用) 請求項1に記載の発明によれば、電圧変換部が、平滑用
コンデンサに蓄積された電力を取り込んで所望の電圧の
電力に変換することによって、平滑用コンデンサに蓄積
された電力は減少していく。そして、その減少によって
平滑用コンデンサの電位が整流回路からの脈流の電圧の
瞬時値よりも小さくなったときに、平滑用コンデンサ
充電路には整流回路から脈流が流れ、電力が新たに平滑
用コンデンサに蓄積されることになる。すなわち、整流
回路から脈流として与えられる電力が平滑用コンデンサ
に蓄積される動作は、電圧変換部が平滑用コンデンサ
蓄積された電力を取り込んで所望の電圧の電力に変換す
る動作とは非同期に行われる。
【0018】一方、電圧変換部が、平滑用コンデンサ
蓄積された電力を取り込んで所望の電圧の電力に変換す
る動作を行うときには、平滑用コンデンサから電圧変換
部に放電することによって電流が流れるタイミングで
変流器の作用によって平滑用コンデンサの充電路に電流
注入され、この注入された電流が平滑用コンデンサ
補充されることになる。すなわち、変流器の作用によっ
平滑用コンデンサの充電路に注入された電流の電力が
平滑用コンデンサに補充される動作は、電圧変換部が
滑用コンデンサに蓄積された電力を取り込んで所望の電
圧の電力に変換する動作に同期して行われる。
【0019】したがって、平滑用コンデンサには、脈流
として与えられる電力が蓄積される動作とは非同期に、
変流器の作用によって充電路に注入された電流が補充さ
れることになる。さらに、電圧変換部がスイッチングに
より電圧変換を行うので、変流器の一次巻線が配された
平滑用コンデンサの放電路には、平滑用コンデンサから
電圧変換部に向けて電流が断続的に流れる。よって、変
流器の一次巻線と二次巻線とが電磁結合し、変流器の二
次側では、一次巻線が配された放電路を断続的に流れる
電流に応じた電流が、二次巻線が配された充電路に断続
的に注入され、この注入された電流が平滑用コンデンサ
に補充されることになる。
【0020】さらに、電圧変換部のスイッチングによっ
変流器の一次巻線が配された放電路に断続的に電流が
流れ、変流器の一次巻線と二次巻線とが電磁結合すると
きには、電圧変換を行う電圧変換部の入力端は、変流器
の二次巻線に等価的に並列に接続される。そして、この
電圧変換部の入力インピーダンスは、スイッチングを行
うスイッチング素子が導通状態となったときに低くな
る。すなわち、脈流として与えられる電力を平滑用コン
デンサに供給する供給源から見た見かけ上のインピーダ
ンスが減少することになる。したがって、二次巻線が配
された充電路に上記の供給源から断続的に注入される電
流の量が増大するので、平滑用コンデンサに補充される
電力も増大する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1は、本実施形態の電力変換装置
の回路構成を示す図である。なお、本実施形態は、請求
項1に記載した発明に対応する。本実施形態の電力変換
装置は、図1に示されるスイッチングレギュレータ30
(電圧変換部)によって、平滑回路20で平滑化された
直流電圧を所望の電圧値の直流電圧に変換して直流出力
端子3c,3dに出力電圧として出力し、その後段に設
けられる負荷に印加するものである。
【0022】この電力変換装置は、従来の電力変換装置
に比べて、スイッチングレギュレータ30の前段に設け
られた平滑回路20にカレントトランス20A(変流
器)が備えられている点に特徴がある。このカレントト
ランス20Aは、平滑用コンデンサC1(蓄電部)への
電荷補充動作を行うものである。すなわち、スイッチン
グレギュレータ30の前段には、図1に示されるよう
に、商用の交流電源40と、整流回路10と、カレント
トランス20Aを備えた平滑回路20とが設けられてい
る。
【0023】このうち整流回路10は、これを構成する
4つのダイオードD1〜D4がブリッジ接続されて、交
流電源40から交流入力端子1a,1bを介して印加さ
れた交流電圧を整流する作用を果たしている。整流回路
10による整流作用は図2に示されている。
【0024】この整流回路10には、接続点1c,1d
を介して平滑回路20が接続され、この平滑回路20を
構成する平滑用コンデンサC1によって、整流回路10
にて整流された後の直流電圧の平滑化が行われるように
なっている。また、整流回路10と平滑回路20とを接
続する一方の接続点1cと、前記した平滑用コンデンサ
C1の一端との間には、カレントトランス20Aの一方
を構成する二次コイルL22(二次巻線)が設けられて
いる。この場合、二次コイルL22と平滑用コンデンサ
C1が直列に接続されて充電路が形成される。
【0025】さらに、平滑用コンデンサC1の前記一端
と、平滑回路20とスイッチングレギュレータ30とを
接続する一方の接続点3aとの間には、カレントトラン
ス20Aの他方を構成する一次コイルL21(一次巻
線)が設けられている。なお、整流回路10と平滑回路
20とを接続する他方の接続点1c,平滑用コンデンサ
C1の他端,平滑回路20とスイッチングレギュレータ
30とを接続する他方の接続点3bは、すべて接地され
ている。
【0026】ここで、電力変換装置において、平滑化さ
れた直流電圧を所望の電圧値の直流電圧に変換する主た
る機能を果たしているスイッチングレギュレータ30の
具体的な構成について説明する。なお、この実施形態の
スイッチングレギュレータ30は、周知の一石フォワー
ド形コンバータで構成されている。スイッチングレギュ
レータ30は、その主要部となるトランス31と、この
トランス31の一次側に設けられたスイッチSW,制御
回路32,アブソーバ33と、二次側に設けられた整流
回路34,平滑回路35とによって構成されている。
【0027】トランス31は、一次コイルL31,二次
コイルL32と、リセットコイルL33とで構成されて
いる。このうち一次コイルL31は、その一端が接続点
3aに接続され、他端がスイッチSWを介して接続点3
bに接続されている。
【0028】また、リセットコイルL33は、その一端
が接続点3aに接続され、他端がダイオードD5を介し
て接続点3bに接続されている。このとき、ダイオード
D5は、接続点3bから接続点3aに向って導通する方
向に接続されている。なお、上記したスイッチSWに
は、このスイッチSWのオン・オフ状態を高速で切り替
える制御回路32が接続される。
【0029】さらに、このスイッチSWの両端には、ア
ブソーバ33を構成する抵抗器R2とコンデンサC2と
が直列に接続される。このアブソーバ33は、スイッチ
SWのオン・オフ状態が切り替わるときに発生するサー
ジを吸収するものである。一方、トランス31の二次側
に設けられる整流回路34は、ダイオードD6,D7で
構成される。また、平滑回路35は、チョークコイルL
6,コンデンサC3で構成される。
【0030】トランス31の二次コイルL32は、その
一端がダイオードD6およびチョークコイルL6を介し
て直流出力端子3cに接続されている。このとき、ダイ
オードD6は、トランス31の二次コイルL32の一端
から直流出力端子3cに向って導通する方向に接続され
ている。また、トランス31の二次コイルL32の他端
は、直流出力端子3dに接続されると共に、ダイオード
D7および上記したチョークコイルL6を介して直流出
力端子3cに接続され、さらに、コンデンサC3を介し
て直流出力端子3cに接続されている。このとき、ダイ
オードD7は、チョークコイルL6に向って導通する方
向に接続されている。
【0031】さらに、コンデンサC3の両端は、上記し
た直流出力端子3c,3dに接続される。そして、これ
ら直流出力端子3c,3dには、スイッチングレギュレ
ータ30によって変換された所望の直流電圧が印加され
る負荷が接続される。次に、上記した構成の本実施形態
の電力変換装置による直流出力端子3c,3dへの直流
電圧の出力動作について説明する。
【0032】スイッチングレギュレータ30の前段で
は、前述したように交流電源40で発生する正弦波の交
流電圧(商用の60Hz,100V)が、整流回路10
の交流入力端子1a,1b間に印加される。整流回路1
0は、印加された正弦波の交流電圧を整流して、図2に
示されるように全波整流波形の整流電圧Vinを、上記し
た充電路(カレントトランス20Aの二次コイルL2
2,平滑用コンデンサC1)の両端に印加する。
【0033】この充電路では、整流電圧Vinに応じて電
流が流れ、平滑用コンデンサC1が充電される。また、
この平滑用コンデンサC1に充電された電荷は、後述す
るスイッチングレギュレータ30の電圧変換動作に応じ
て消費される。したがって、平滑用コンデンサC1の両
端の電圧は変動することになるが、当該平滑用コンデン
サC1の両端の電圧と整流電圧Vinとの大小関係によっ
て新たに充電されるので、その変動は小さく抑えられ
る。
【0034】具体的には、この平滑用コンデンサC1の
両端の電圧が整流電圧Vinよりも小さくなるときに、充
電路に電流(充電電流)が流れ、平滑用コンデンサC1
充電される。このとき、平滑用コンデンサC1の両端の
電圧は、充電電流に応じて増加する。反対に、平滑用コ
ンデンサC1の両端の電圧の方が整流電圧Vinよりも大
きいときには、充電路に充電電流が流れない。このと
き、平滑用コンデンサC1の両端の電圧は、スイッチン
グレギュレータ30の電圧変換動作に応じて減少する。
その結果、平滑用コンデンサC1は、定常的にほぼ一定
の電力が蓄積された状態に維持され、その両端には、ほ
ぼ一定の電圧(平滑電圧Vs)が生じることになる。
【0035】この平滑用コンデンサC1の両端に生じた
平滑電圧Vsは、スイッチングレギュレータ30のスイ
ッチSW,トランス31,整流回路34,平滑回路35
などの作用によって、いったん高周波交流電圧に変換さ
れた後に、再び整流平滑され、所望の電圧の直流電圧に
変換される。
【0036】以下、スイッチングレギュレータ30の電
圧変換動作について説明する。上記したように、スイッ
チングレギュレータ30と平滑回路20とを接続する接
続点3a,3b間には、トランス31の一次コイルL3
1とスイッチSWとが直列に接続されている。そして、
スイッチSWは、制御回路32の制御によって、オン・
オフ状態が高速(数10kHz程度)で切り替えられるよ
うになっている(高周波スイッチング動作)。
【0037】したがって、トランス31の一次コイルL
31の両端には、平滑用コンデンサC1の平滑電圧Vs
が、上記した高周波スイッチング動作に応じて断続(オ
ン・オフ)されて印加される。その結果、トランス31
の二次側では、二次コイルL32の両端に、一次側のス
イッチSWの高周波スイッチング動作に応じて方向が切
り替わる起電力(高周波交流電圧)が生じる。
【0038】この二次コイルL32の両端に生じる起電
力が、ダイオードD6が導通となる方向となったとき
に、この二次コイルL32に誘導された電流は、チョー
クコイルL6を介して、コンデンサC3に流れ込む。よ
って、コンデンサC3が充電される。また、二次コイル
L32の両端に生じた起電力が、ダイオードD6が非導
通となるような方向となったときには、チョークコイル
L6に蓄積されたエネルギーに基づいて、チョークコイ
ルL6,ダイオードD7,コンデンサC3が直列に接続
された閉回路に電流が流れ、コンデンサC3に電荷が充
電される。
【0039】このようにして、コンデンサC3は、定常
的にほぼ一定の電荷が充電された状態に維持され、その
両端には、ほぼ一定の電圧が生じる。この電圧は、出力
電圧として直流出力端子3c,3dに出力され、これら
直流出力端子3c,3dに接続された負荷に印加され
る。なお、この実施形態のスイッチングレギュレータ3
0では、アブソーバ33によって、スイッチSWのオン
・オフ状態が切り替わるときに発生するサージを吸収す
ることができる。
【0040】また、この実施形態のスイッチングレギュ
レータ30では、その一次側に形成されたダイオードD
5,トランス31のリセットコイルL33,カレントト
ランス22の一次コイルL21,平滑用コンデンサC1
からなる閉回路によって、スイッチSWのオフ状態への
切替時に生じるトランス31のリセットコイルL33の
起電力が、平滑用コンデンサC1の平滑電圧Vsよりも
大きくなること(過電圧発生)を防止することができ
る。
【0041】ところで、スイッチングレギュレータ30
の前段に設けられた平滑回路20には、上述したカレン
トトランス20Aが備えられている。カレントトランス
20Aによる平滑用コンデンサC1への電荷補充動作
は、一次コイルL21に断続的に電流を流すことによっ
て、二次コイルL22に電流を誘導する機能と、充電路
の見かけ上のインピーダンスを減少させる機能とが相ま
ったものである。そして、これら2つの機能が相まって
伝送効率の向上が図られるようになっている。
【0042】具体的には、カレントトランス20Aによ
る平滑用コンデンサC1への電荷補充動作は、上記した
スイッチングレギュレータ30による電圧変換動作(ス
イッチSWの高周波スイッチング動作)に同期して行わ
れる。スイッチングレギュレータ30による電圧変換動
作において、トランス31の一次コイルL31に平滑電
圧Vsが断続的に印加されるとき、カレントトランス2
0Aの一次コイルL21,トランス31の一次コイルL
31,スイッチSWで形成される直列回路(放電路)に
は、平滑用コンデンサC1からの放電電流が断続的に流
れる。
【0043】その結果、カレントトランス20Aの一次
コイルL21と二次コイルL22とが電磁結合し、カレ
ントトランス20Aの二次側では、整流回路10を構成
するダイオードD1〜D4が導通となる方向の電流が、
スイッチSWの高周波スイッチング動作によって一次コ
イルL21に断続的に放電電流が流れることに応じて、
断続的に二次コイルL22に誘導される(誘導電流)。
【0044】さらに、カレントトランス20Aの一次コ
イルL21と二次コイルL22とが電磁結合するときに
は、スイッチングレギュレータ30が二次コイルL22
に並列に接続されることになるので、スイッチSWがオ
ン状態のとき、スイッチングレギュレータ30のインピ
ーダンスは減少する。すなわち、交流電源40側から見
た見かけ上のインピーダンスが減少することになる。し
たがって、カレントトランス20Aの一次コイルL21
に断続的に流れる放電電流に応じて、二次コイルL22
に流れる誘導電流が増大される。
【0045】この二次コイルL22は、上記したように
平滑用コンデンサC1と共に充電路を形成しているの
で、この二次コイルL22に誘導された沢山の誘導電流
は、平滑用コンデンサC1に流れ込むことになる。この
ように、平滑回路20では、スイッチSWの高周波スイ
ッチング動作に応じて、平滑用コンデンサC1からの放
電電流がカレントトランス20Aの一次コイルL21に
流れたときに、これに同期して平滑用コンデンサC1に
は二次コイルに誘導された誘導電流に応じた沢山の電荷
が補充されることになる。
【0046】つまり、平滑用コンデンサC1への誘導電
流に応じた電荷の補充は、平滑用コンデンサC1の両端
に生じた平滑電圧Vsが整流電圧Vinより小さいか否か
には無関係に行われる。その結果、平滑用コンデンサC
1の両端に生じた平滑電圧Vsが整流電圧Vinより小さ
く、本来の充電電流(従来の入力電流Iinに相当する)
が充電路を流れる期間では、この充電路に誘導された沢
山の誘導電流は、その充電電流に重畳して、平滑用コン
デンサC1に流れ込むことになる。この場合には、誘導
電流と充電電流との和が入力電流Iinとなる。
【0047】一方、反対に、平滑用コンデンサC1の両
端に生じた平滑電圧Vsが整流電圧Vinより大きく、本
来の充電電流が充電路を流れない期間では、この充電路
に誘導された沢山の誘導電流が、平滑用コンデンサC1
に流れ込むことになる。この場合には、誘導電流が入力
電流Iinとなる。このようなカレントトランス20Aに
よる電荷補充動作について実際に調べたところ、平滑用
コンデンサC1の入力電流Iinとして、図2に示される
ような波形が得られた。
【0048】図2に示されるように、入力電流Iinは、
整流電圧Vinが最大値となる付近のみに平滑用コンデン
サC1に流れ込むのではなく、それ以外のタイミングで
も沢山流れ込んでいることが確認された。すなわち、入
力電流Iinは、図5に示される従来の入力電流(図5の
入力電流Iinに相当する)ものと比べて、整流電圧Vin
に対する流通角が広がった波形となっている。
【0049】この入力電流Iinの波形に対して、高速フ
ーリエ変換(FFT、fast Fouriertransform)を用い
てスペクトル解析を行った結果(スペクトル特性)を示
す波形が、図3に示されている。図3に示されるよう
に、入力電流Iinには、整流電圧Vinの基本周波数fo
の成分以外の高周波成分がほとんど含まれないことがわ
かる。すなわち、このスペクトル特性は、高周波成分が
抑制された、力率の高いものである。
【0050】このように、本実施形態の電力変換装置で
は、スイッチングレギュレータ30の高周波スイッチン
グ動作に応じて、平滑用コンデンサC1から放電しつ
つ、カレントトランス22の作用で充電を促進すること
によって、入力力率が向上し、皮相電力が減少し、電源
への電力伝送効率が向上する電力変換装置を簡単に構成
することができる。
【0051】なお、本実施形態の電力変換装置では、カ
レントトランス20Aの二次側に誘導される誘導電流の
大きさは、一次コイルL21の巻数N21と二次コイル
L22の巻数N22との比(変流比:N21/N22)
や、一次コイルL21に流れる放電電流の大きさに比例
する。一次コイルL21に流れる放電電流は、直流出力
端子3c,3dに接続される負荷が消費する電力に応じ
たもである。負荷の抵抗値の大きさに応じて、カレント
トランス22の変流比を決定すればよい。
【0052】また、本実施形態の電力変換装置では、直
流出力端子3c,3b間に出力される直流電圧を安定化
するための回路について、図示および説明を省略した。
このような出力安定化回路は、例えば、コンデンサC3
の両端の電圧を常時監視し、その監視の結果によって、
スイッチSWのパルス幅(オン期間とオフ期間との比
率)を制御する帰還回路によって実現することができ
る。
【0053】さらに、本実施形態の電力変換装置では、
カレントトランス20Aの一次コイルL21を、平滑用
コンデンサC1の一端と、平滑回路20とスイッチング
レギュレータ30とを接続する一方の接続点3aとの間
に設けたが、平滑用コンデンサC1,スイッチSW,ト
ランス31の一次コイルL31で形成される閉回路上で
あれはどの位置に設けてもよい。
【0054】また、本実施形態の電力変換装置では、平
滑回路20にカレントトランス20Aを設けることによ
って平滑用コンデンサC1への電荷補充動作を行わせた
が、ホール素子を用いた変流器によって同様の電荷補充
動作を行わせることもできる。さらに、本実施形態の電
力変換装置では、スイッチングレギュレータ30を一石
フォワード形コンバータで構成したが、カレントトラン
ス20Aによる高周波抑制(力率改善)回路を適用する
ことができれば、どのような構成のスイッチングレギュ
レータにも適用が可能である。
【0055】また、本発明は、スイッチSWの高周波ス
イッチング動作を利用して直流電圧を所望の交流電圧に
変換するインバータに適用することもできる。
【0056】
【発明の効果】上述したように、請求項1に記載の発明
によれば、整流回路から平滑用コンデンサに脈流の電力
を与えるに当たり、充電路に電流を注入する変流器の作
用によって、前記電圧変換部に取り込まれる電力に応じ
た電流が注入されるので、力率が良好に改善され、皮相
電力が減少し、電力伝送効率の向上が図られた電力変換
装置が提供される。
【0057】また、変流器が一次巻線と二次巻線とで構
成され、さらに、電圧変換部がスイッチングにより電圧
変換を行うときに一次巻線に流れる電流に応じて、二次
巻線が配された充電路に沢山の電流が注入されるので、
力率の改善を効率よく行うことができる電力変換装置を
簡単に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電力変換装置の回路構成を示す図である。
【図2】整流電圧Vin,入力電流Iinの時間波形を示す
図である。
【図3】入力電流Iinのスペクトル波形を示す図であ
る。
【図4】従来の電力変換装置の回路構成を示す図であ
る。
【図5】整流電圧Vin,入力電流Iinの時間波形を示す
図である。
【図6】入力電流Iinのスペクトル波形を示す図であ
る。
【符号の説明】
10,34,110 整流回路 20,35 平滑回路 30,130 スイッチングレギュレータ(電圧変換
部) 40,140 交流電源 C1,C11 平滑用コンデンサ(蓄電部) SW スイッチ 20A カレントトランス(変流器) 31 トランス 32 制御回路 33 アブソーバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−292356(JP,A) 特開 平5−344731(JP,A) 特開 平7−15967(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 3/28 H02M 7/21 H02M 7/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 整流回路から脈流として与えられる電力
    を蓄積する平滑用コンデンサと、 前記平滑用コンデンサの放電路に配される一次巻線と前
    記平滑用コンデンサの充電路に配される二次巻線とから
    なる変流器と、 前記放電路に配される一次巻線とスイッチング素子を含
    むと共に、該スイッチング素子を用いたスイッチングに
    より、前記平滑用コンデンサ に蓄積された電力を取り込
    み、所望の電圧の電力に変換する電圧変換部とを備え、 前記変流器は、前記電圧変換部に取り込まれる電力に応
    じて、前記放電路に電流が流れるタイミングで、前記変
    流器の一次巻線と二次巻線との電磁結合により、前記充
    電路に電流を注入する ことを特徴とする電力変換装置。
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