JP3327341B2 - エチレン系共重合体またはその組成物からなる高絶縁体およびこれを用いた電力ケーブル - Google Patents
エチレン系共重合体またはその組成物からなる高絶縁体およびこれを用いた電力ケーブルInfo
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- JP3327341B2 JP3327341B2 JP12550092A JP12550092A JP3327341B2 JP 3327341 B2 JP3327341 B2 JP 3327341B2 JP 12550092 A JP12550092 A JP 12550092A JP 12550092 A JP12550092 A JP 12550092A JP 3327341 B2 JP3327341 B2 JP 3327341B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高電圧特性、加工性等に
優れるエチレン系共重合体またはその組成物からなる高
絶縁体、およびそれを用いた高圧電力ケーブルに関する
ものである。
優れるエチレン系共重合体またはその組成物からなる高
絶縁体、およびそれを用いた高圧電力ケーブルに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高圧電力ケーブル用絶縁体として
は高圧法ポリエチレンや架橋ポリエチレンが電気特性に
優れているため広く用いられている。高圧電力ケーブル
のもつ問題の一つに高圧送電中の電力損失があり、これ
を低減させることは重要な課題である。この電力損失の
低減を図る一つの手段は、絶縁材の高電圧特性、特に電
気絶縁抵抗を高めることにより達成することができる。
絶縁材料の高電圧特性を改良する方法として低圧法ポリ
エチレンに無水マレイン酸をグラフトする方法が提案さ
れている(例えば、特開平2−10610号公報等)。
しかし、高圧電力ケーブル用絶縁体として低圧法ポリエ
チレンを用いると、高圧ラジカル重合法ポリエチレンと
くらべて可撓性に劣る、触媒残渣として電気特性に悪影
響を与える金属化合物が残るという問題を有している。
また、ポリエチレン100重量部に無水マレイン酸グラ
フト量が0.5〜10重量%である無水マレイン酸グラ
フトポリエチレン2〜40重量部を配合した組成物の絶
縁層のある電力ケーブルが提案されている(特開昭63
−150811号公報)。
は高圧法ポリエチレンや架橋ポリエチレンが電気特性に
優れているため広く用いられている。高圧電力ケーブル
のもつ問題の一つに高圧送電中の電力損失があり、これ
を低減させることは重要な課題である。この電力損失の
低減を図る一つの手段は、絶縁材の高電圧特性、特に電
気絶縁抵抗を高めることにより達成することができる。
絶縁材料の高電圧特性を改良する方法として低圧法ポリ
エチレンに無水マレイン酸をグラフトする方法が提案さ
れている(例えば、特開平2−10610号公報等)。
しかし、高圧電力ケーブル用絶縁体として低圧法ポリエ
チレンを用いると、高圧ラジカル重合法ポリエチレンと
くらべて可撓性に劣る、触媒残渣として電気特性に悪影
響を与える金属化合物が残るという問題を有している。
また、ポリエチレン100重量部に無水マレイン酸グラ
フト量が0.5〜10重量%である無水マレイン酸グラ
フトポリエチレン2〜40重量部を配合した組成物の絶
縁層のある電力ケーブルが提案されている(特開昭63
−150811号公報)。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題
点に鑑み鋭意検討した結果、エチレンと少量の特定の極
性基を有する単量体とを高圧ラジカル重合法により共重
合して得られる共重合体に、少量の二塩基酸無水物をグ
ラフトしたエチレン系共重合体、あるいはそのエチレン
系共重合体と他のポリオレフィン系樹脂との組成物を用
いることにより、大幅に電気絶縁抵抗特性の向上がなさ
れることを見いだして成されたものであって、その第1
目的は、極めて電気絶縁抵抗が高いエチレン系共重合体
からなる高絶縁体を提供するものであり、第2目的はそ
れを用いた極めて電気絶縁抵抗が高い高圧電力ケーブル
を提供するものである。
点に鑑み鋭意検討した結果、エチレンと少量の特定の極
性基を有する単量体とを高圧ラジカル重合法により共重
合して得られる共重合体に、少量の二塩基酸無水物をグ
ラフトしたエチレン系共重合体、あるいはそのエチレン
系共重合体と他のポリオレフィン系樹脂との組成物を用
いることにより、大幅に電気絶縁抵抗特性の向上がなさ
れることを見いだして成されたものであって、その第1
目的は、極めて電気絶縁抵抗が高いエチレン系共重合体
からなる高絶縁体を提供するものであり、第2目的はそ
れを用いた極めて電気絶縁抵抗が高い高圧電力ケーブル
を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、高
圧ラジカル重合法により得られる実質的にエチレンとカ
ルボニル基、ニトリル基およびニトロ基を有する単量体
の少なくとも一種との共重合体に、二塩基酸無水物をグ
ラフトしたエチレン系共重合体、または該エチレン系共
重合体と他のポリオレフィン系樹脂との組成物であっ
て、該エチレン系共重合体または該組成物中の二塩基酸
無水物単位が0.001重量%〜0.05重量%、かつ
二塩基酸無水物単位と該極性基単位の合計が0.002
重量%〜0.2重量%であるエチレン系共重合体または
その組成物からなる誘電正接を5×10 -4 以下にして電
気絶縁抵抗を向上させた高絶縁体である。
圧ラジカル重合法により得られる実質的にエチレンとカ
ルボニル基、ニトリル基およびニトロ基を有する単量体
の少なくとも一種との共重合体に、二塩基酸無水物をグ
ラフトしたエチレン系共重合体、または該エチレン系共
重合体と他のポリオレフィン系樹脂との組成物であっ
て、該エチレン系共重合体または該組成物中の二塩基酸
無水物単位が0.001重量%〜0.05重量%、かつ
二塩基酸無水物単位と該極性基単位の合計が0.002
重量%〜0.2重量%であるエチレン系共重合体または
その組成物からなる誘電正接を5×10 -4 以下にして電
気絶縁抵抗を向上させた高絶縁体である。
【0005】本発明の第2発明は、高圧ラジカル重合法
により得られる実質的にエチレンとカルボニル基、ニト
リル基およびニトロ基を有する単量体の少なくとも一種
との共重合体に、二塩基酸無水物をグラフトしたエチレ
ン系共重合体、または該エチレン系共重合体と他のポリ
オレフィン系樹脂との組成物であって、該エチレン系共
重合体または該組成物中の二塩基酸無水物単位が0.0
01重量%〜0.05重量%、かつ二塩基酸無水物単位
と該極性基単位の合計が0.002重量%〜0.2重量
%であるエチレン系共重合体またはその組成物からなる
誘電正接を5×10 -4 以下にして電気絶縁抵抗を向上さ
せた高絶縁体を絶縁体として用いたことを特徴とする電
力ケーブルである。以下本発明を詳述する。
により得られる実質的にエチレンとカルボニル基、ニト
リル基およびニトロ基を有する単量体の少なくとも一種
との共重合体に、二塩基酸無水物をグラフトしたエチレ
ン系共重合体、または該エチレン系共重合体と他のポリ
オレフィン系樹脂との組成物であって、該エチレン系共
重合体または該組成物中の二塩基酸無水物単位が0.0
01重量%〜0.05重量%、かつ二塩基酸無水物単位
と該極性基単位の合計が0.002重量%〜0.2重量
%であるエチレン系共重合体またはその組成物からなる
誘電正接を5×10 -4 以下にして電気絶縁抵抗を向上さ
せた高絶縁体を絶縁体として用いたことを特徴とする電
力ケーブルである。以下本発明を詳述する。
【0006】本発明の第1発明におけるエチレン系共重
合体またはその組成物とは、エチレンと上記の特定の極
性基を有する単量体との共重合体に二塩基酸無水物をグ
ラフトしたエチレン系共重合体、またはそのエチレン系
共重合体に他のポリオレフィン系樹脂を配合した組成物
であり、該エチレン系共重合体またはその組成物中に、
二塩基酸無水物単位を0.001重量%〜0.05重量
%、かつ二塩基酸無水物単位と上記の極性基を有する単
量体単位の合計が0.002重量%〜0.2重量%含む
ものである。該エチレン系共重合体は、高圧ラジカル重
合法により、エチレンとカルボニル基、ニトリル基およ
びニトロ基から成る極性基(以下、極性基という)を有
する単量体の少なくとも一種との共重合体に、二塩基酸
無水物をグラフトすることにより製造することができ
る。
合体またはその組成物とは、エチレンと上記の特定の極
性基を有する単量体との共重合体に二塩基酸無水物をグ
ラフトしたエチレン系共重合体、またはそのエチレン系
共重合体に他のポリオレフィン系樹脂を配合した組成物
であり、該エチレン系共重合体またはその組成物中に、
二塩基酸無水物単位を0.001重量%〜0.05重量
%、かつ二塩基酸無水物単位と上記の極性基を有する単
量体単位の合計が0.002重量%〜0.2重量%含む
ものである。該エチレン系共重合体は、高圧ラジカル重
合法により、エチレンとカルボニル基、ニトリル基およ
びニトロ基から成る極性基(以下、極性基という)を有
する単量体の少なくとも一種との共重合体に、二塩基酸
無水物をグラフトすることにより製造することができ
る。
【0007】本発明で用いる実質的にエチレンと上記極
性基を有する単量体との共重合体を製造するための該高
圧ラジカル重合法は、例えばエチレン93〜99.95
重量%、上記極性基を有する単量体0.05〜7重量%
の混合物を、それらの全単量体の総重量に基づいて0.
0001〜1重量%のラジカル重合開始剤の存在下で重
合圧力500〜4000kg/cm2、好ましくは100〜
350℃の条件下、連鎖移動剤、必要に応じて助剤の存
在下に槽型または管型反応器内で該単量体を同時に、あ
るいは段階的に接触、重合させる方法である。上記ラジ
カル重合開始剤としては、ペルオキシド、ヒドロペルオ
キシド、アゾ化合物、アミンオキシド化合物、酸素など
の通例の開始剤が挙げられる。また連鎖移動剤として
は、水素、プロピレン、ブテン−1、C1〜C20または
それ以上の飽和脂肪族炭化水素およびハロゲン置換炭化
水素、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、イソ
ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロパラフィ
ン類、クロロホルム、および四塩化炭素、芳香族化合
物、例えばトルエン、ジエチルベンゼンおよびキシレン
のような化合物等が挙げられる。上記極性基を有する単
量体とエチレンとを共重合させるに際しては他の不飽和
単量体を必要に応じてさらに共重合させることができ
る。該他の不飽和単量体の一例としては、プロピレン、
ブテン−1、ヘキセン−1、デセン−1、オクテン−
1、スチレン等のオレフィン類が挙げられる。
性基を有する単量体との共重合体を製造するための該高
圧ラジカル重合法は、例えばエチレン93〜99.95
重量%、上記極性基を有する単量体0.05〜7重量%
の混合物を、それらの全単量体の総重量に基づいて0.
0001〜1重量%のラジカル重合開始剤の存在下で重
合圧力500〜4000kg/cm2、好ましくは100〜
350℃の条件下、連鎖移動剤、必要に応じて助剤の存
在下に槽型または管型反応器内で該単量体を同時に、あ
るいは段階的に接触、重合させる方法である。上記ラジ
カル重合開始剤としては、ペルオキシド、ヒドロペルオ
キシド、アゾ化合物、アミンオキシド化合物、酸素など
の通例の開始剤が挙げられる。また連鎖移動剤として
は、水素、プロピレン、ブテン−1、C1〜C20または
それ以上の飽和脂肪族炭化水素およびハロゲン置換炭化
水素、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、イソ
ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロパラフィ
ン類、クロロホルム、および四塩化炭素、芳香族化合
物、例えばトルエン、ジエチルベンゼンおよびキシレン
のような化合物等が挙げられる。上記極性基を有する単
量体とエチレンとを共重合させるに際しては他の不飽和
単量体を必要に応じてさらに共重合させることができ
る。該他の不飽和単量体の一例としては、プロピレン、
ブテン−1、ヘキセン−1、デセン−1、オクテン−
1、スチレン等のオレフィン類が挙げられる。
【0008】本発明で、エチレンと上記極性基を有する
単量体との共重合体に二塩基酸無水物をグラフトするグ
ラフト法は、一般に良く知られている方法で行いうる。
即ち、高圧ラジカル重合により得られるエチレン/上記
極性基を有する単量体共重合体と二塩基酸無水物とを有
機過酸化物等の架橋剤などを用いて溶融混練下に反応を
させる方法、これらを適当な溶剤中に溶解して溶液状態
としてグラフト反応を行う方法、該エチレン/上記極性
基を有する単量体共重合体を水中に分散し、二塩基酸無
水物と反応開始剤を供給し、グラフト反応を行う方法な
ど各種の方法が実施できる。しかしながら実用性の面か
ら溶融混練法が好ましい。
単量体との共重合体に二塩基酸無水物をグラフトするグ
ラフト法は、一般に良く知られている方法で行いうる。
即ち、高圧ラジカル重合により得られるエチレン/上記
極性基を有する単量体共重合体と二塩基酸無水物とを有
機過酸化物等の架橋剤などを用いて溶融混練下に反応を
させる方法、これらを適当な溶剤中に溶解して溶液状態
としてグラフト反応を行う方法、該エチレン/上記極性
基を有する単量体共重合体を水中に分散し、二塩基酸無
水物と反応開始剤を供給し、グラフト反応を行う方法な
ど各種の方法が実施できる。しかしながら実用性の面か
ら溶融混練法が好ましい。
【0009】本発明でグラフト反応に使用しうる二塩基
酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、
無水ハイミック酸、メチル無水マレイン酸、ジメチル無
水マレイン酸、フェニル無水マレイン酸、ジフェニル無
水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、ジクロロ無水マ
レイン酸、フルオロ無水マレイン酸、ジフルオロ無水マ
レイン酸、ブロモ無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイ
ン酸等を挙げることができる。これらの中でも特に好ま
しいものとして無水マレイン酸を挙げることができる。
酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、
無水ハイミック酸、メチル無水マレイン酸、ジメチル無
水マレイン酸、フェニル無水マレイン酸、ジフェニル無
水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、ジクロロ無水マ
レイン酸、フルオロ無水マレイン酸、ジフルオロ無水マ
レイン酸、ブロモ無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイ
ン酸等を挙げることができる。これらの中でも特に好ま
しいものとして無水マレイン酸を挙げることができる。
【0010】本発明でエチレンとの共重合に使用しうる
上記の極性基を有する単量体としては、(a)カルボニ
ル基を有する単量体、(b)ニトリル基を有する単量
体、(c)ニトロ基を有する単量体を挙げることができ
る。 (a1)カルボニル基を有する単量体の一例としては、
α,β−不飽和カルボン酸エステルから誘導される不飽
和カルボン酸エステルを挙げることができ、その具体的
な例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプ
ロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−
ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラ
ウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸ステアリル、マレイン酸モノメチルエ
ステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジ
エチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、アクリ
ル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等の不飽和カ
ルボン酸エステル類を挙げることができる。この中でも
特に好ましいものとして(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルを挙げることができる。更に好ましくはアクリル
酸メチルやアクリル酸エチルを挙げることができる。
上記の極性基を有する単量体としては、(a)カルボニ
ル基を有する単量体、(b)ニトリル基を有する単量
体、(c)ニトロ基を有する単量体を挙げることができ
る。 (a1)カルボニル基を有する単量体の一例としては、
α,β−不飽和カルボン酸エステルから誘導される不飽
和カルボン酸エステルを挙げることができ、その具体的
な例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプ
ロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−
ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラ
ウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸ステアリル、マレイン酸モノメチルエ
ステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジ
エチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、アクリ
ル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等の不飽和カ
ルボン酸エステル類を挙げることができる。この中でも
特に好ましいものとして(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルを挙げることができる。更に好ましくはアクリル
酸メチルやアクリル酸エチルを挙げることができる。
【0011】(a2)カルボニル基を有する他の単量体
の例は、ビニルエステルを挙げることができる。その具
体的な例としては、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、
カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなど
のビニルエステル単量体を挙げることができる。これら
の中でも特に好ましいものとしては、酢酸ビニルを挙げ
ることができる。
の例は、ビニルエステルを挙げることができる。その具
体的な例としては、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、
カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなど
のビニルエステル単量体を挙げることができる。これら
の中でも特に好ましいものとしては、酢酸ビニルを挙げ
ることができる。
【0012】(a3)カルボニル基を有する他の単量体
の例は、一酸化炭素、メチルビニルケトン、イソプロペ
ニルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニ
ルケトン、t−ブチルビニルケトン、イソプロピルビニ
ルケトン、メチルプロペニルケトン、メチルイソプロペ
ニルケトン、シクロヘキシルビニルケトンなどを挙げる
ことができる。
の例は、一酸化炭素、メチルビニルケトン、イソプロペ
ニルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニ
ルケトン、t−ブチルビニルケトン、イソプロピルビニ
ルケトン、メチルプロペニルケトン、メチルイソプロペ
ニルケトン、シクロヘキシルビニルケトンなどを挙げる
ことができる。
【0013】(b)ニトリル基を有する単量体として
は、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、α−メ
トキシアクリロニトリル、ビニリデンシアニド、シナモ
ニトリル、クロトノニトリル、α−フェニルクロトノニ
トリル、フマロニトリル、アリルアセトニトリル、2−
ブテンニトリル、3−ブテンニトリルなどを挙げること
ができる。
は、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、α−メ
トキシアクリロニトリル、ビニリデンシアニド、シナモ
ニトリル、クロトノニトリル、α−フェニルクロトノニ
トリル、フマロニトリル、アリルアセトニトリル、2−
ブテンニトリル、3−ブテンニトリルなどを挙げること
ができる。
【0014】(c)ニトロ基を有する単量体としては、
2,4−ジニトロフェニルアクリレート、2−ニトロス
チレン、3−ニトロスチレン、4−ニトロスチレン、p
−ニトロフェニルメタクリレート、m−ニトロフェニル
メタクリレート、2,4−ジニトロフェニルメタクリレ
ート、2,4,6−トリニトロフェニルメタクリレート
等を挙げることができる。
2,4−ジニトロフェニルアクリレート、2−ニトロス
チレン、3−ニトロスチレン、4−ニトロスチレン、p
−ニトロフェニルメタクリレート、m−ニトロフェニル
メタクリレート、2,4−ジニトロフェニルメタクリレ
ート、2,4,6−トリニトロフェニルメタクリレート
等を挙げることができる。
【0015】本発明で用いる高圧ラジカル重合法により
得られる実質的にエチレンと上記極性基を有する単量体
との共重合体に二塩基酸無水物をグラフトしたエチレン
系重合体の具体例としては、エチレン/無水マレイン酸
/VAまたは一酸化炭素共重合体、エチレン/無水マレ
イン酸/メチルビニルケトン共重合体、エチレン/無水
マレイン酸/エチルビニルケトン共重合体、エチレン/
無水マレイン酸/アクリロニトリル共重合体、エチレン
/無水マレイン酸/メタアクリロニトリル共重合体、エ
チレン/無水マレイン酸/アリルアセトニトリル共重合
体、エチレン/無水マレイン酸/2−ニトロスチレン共
重合体、エチレン/無水マレイン酸/m−ニトロスチレ
ン共重合体、エチレン/無水マレイン酸/p−ニトロフ
ェニルメタクリレート共重合体、エチレン/無水マレイ
ン酸/メチルイソプロペニルケトン共重合体等、エチレ
ン/無水マレイン酸/EAまたは一酸化炭素共重合体等
を挙げることができる。
得られる実質的にエチレンと上記極性基を有する単量体
との共重合体に二塩基酸無水物をグラフトしたエチレン
系重合体の具体例としては、エチレン/無水マレイン酸
/VAまたは一酸化炭素共重合体、エチレン/無水マレ
イン酸/メチルビニルケトン共重合体、エチレン/無水
マレイン酸/エチルビニルケトン共重合体、エチレン/
無水マレイン酸/アクリロニトリル共重合体、エチレン
/無水マレイン酸/メタアクリロニトリル共重合体、エ
チレン/無水マレイン酸/アリルアセトニトリル共重合
体、エチレン/無水マレイン酸/2−ニトロスチレン共
重合体、エチレン/無水マレイン酸/m−ニトロスチレ
ン共重合体、エチレン/無水マレイン酸/p−ニトロフ
ェニルメタクリレート共重合体、エチレン/無水マレイ
ン酸/メチルイソプロペニルケトン共重合体等、エチレ
ン/無水マレイン酸/EAまたは一酸化炭素共重合体等
を挙げることができる。
【0016】本発明において上記のエチレン系共重合体
に配合する他のポリオレフィン系樹脂としては、低密
度、中密度、高密度ポリエチレンなどの単独重合体、エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共
重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−
4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−オクテン
−1共重合体などのエチレンを主成分とする他のα−オ
レフィンとの共重合体からなる直鎖状低密度ポリエチレ
ン、超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重
合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム
が挙げられる。これらの中でも高圧ラジカル重合法ポリ
エチレンを用いることが好ましい。これらの組成物を溶
融混合する方法としては、バンバリーミキサー、加圧ニ
ーダー、混練押出機、二軸押出機、ロール等の通例用い
られる混練機により行うことができる。
に配合する他のポリオレフィン系樹脂としては、低密
度、中密度、高密度ポリエチレンなどの単独重合体、エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共
重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−
4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−オクテン
−1共重合体などのエチレンを主成分とする他のα−オ
レフィンとの共重合体からなる直鎖状低密度ポリエチレ
ン、超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重
合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム
が挙げられる。これらの中でも高圧ラジカル重合法ポリ
エチレンを用いることが好ましい。これらの組成物を溶
融混合する方法としては、バンバリーミキサー、加圧ニ
ーダー、混練押出機、二軸押出機、ロール等の通例用い
られる混練機により行うことができる。
【0017】本発明においては、上記のエチレン系共重
合体を絶縁体として用いても、あるいはこのエチレン系
共重合体に他のポリオレフィン系樹脂を配合した組成物
を絶縁体として用いても、エチレン系共重合体あるいは
その組成物中の二塩基酸無水物単位の含有量は0.00
1〜0.05重量%、好ましくは0.003〜0.03
重量%であり、二塩基酸無水物単位とそれ以外の特定の
極性基を有する単量体単位の合計が0.002重量%〜
0.2重量%、好ましくは0.005〜0.15重量%
の範囲であることが肝要であり、上記二塩基酸無水物単
位と特定の極性基を有する単量体単位を特定の範囲に調
整することにより電気絶縁抵抗を飛躍的に向上せしめる
効果を有する。
合体を絶縁体として用いても、あるいはこのエチレン系
共重合体に他のポリオレフィン系樹脂を配合した組成物
を絶縁体として用いても、エチレン系共重合体あるいは
その組成物中の二塩基酸無水物単位の含有量は0.00
1〜0.05重量%、好ましくは0.003〜0.03
重量%であり、二塩基酸無水物単位とそれ以外の特定の
極性基を有する単量体単位の合計が0.002重量%〜
0.2重量%、好ましくは0.005〜0.15重量%
の範囲であることが肝要であり、上記二塩基酸無水物単
位と特定の極性基を有する単量体単位を特定の範囲に調
整することにより電気絶縁抵抗を飛躍的に向上せしめる
効果を有する。
【0018】二塩基酸無水物単位の含有量が0.001
重量%未満、および二塩基酸無水物単位と上記極性基を
有する単量体単位の合計が0.002重量%以下である
と電気絶縁抵抗を向上せしめる効果が少なく、二塩基酸
無水物単位の含有量が0.05重量%を越え、かつ二塩
基酸無水物単位と上記極性基を有する単量体単位の合計
が0.2重量%を越える場合には、電気絶縁抵抗が高い
ものの、誘電正接(tanδ)の上昇をもたらすので好
ましくない。誘電正接値は、二塩基酸無水物単位の量と
上記極性基を有する単量体単位の量の増加とともに単調
に上昇する。電力ケーブル用絶縁材料とするには、誘電
正接値は最大でも5×10-4以下にするのが望ましく、
このため二塩基酸無水物単位の量は、0.05重量%以
下で、かつ二塩基酸無水物単位と上記極性基を有する単
量体単位の合計が0.002重量%〜0.2重量%に限
定されるものである。
重量%未満、および二塩基酸無水物単位と上記極性基を
有する単量体単位の合計が0.002重量%以下である
と電気絶縁抵抗を向上せしめる効果が少なく、二塩基酸
無水物単位の含有量が0.05重量%を越え、かつ二塩
基酸無水物単位と上記極性基を有する単量体単位の合計
が0.2重量%を越える場合には、電気絶縁抵抗が高い
ものの、誘電正接(tanδ)の上昇をもたらすので好
ましくない。誘電正接値は、二塩基酸無水物単位の量と
上記極性基を有する単量体単位の量の増加とともに単調
に上昇する。電力ケーブル用絶縁材料とするには、誘電
正接値は最大でも5×10-4以下にするのが望ましく、
このため二塩基酸無水物単位の量は、0.05重量%以
下で、かつ二塩基酸無水物単位と上記極性基を有する単
量体単位の合計が0.002重量%〜0.2重量%に限
定されるものである。
【0019】上記のエチレン系共重合体の密度は一般的
には0.91〜0.94g/cm3の範囲で適用され
る。また、メルトインデックス(以下MIと略す)につ
いてはケーブルへの押出加工性を考慮すると0.05〜
20g/10分が望ましい。
には0.91〜0.94g/cm3の範囲で適用され
る。また、メルトインデックス(以下MIと略す)につ
いてはケーブルへの押出加工性を考慮すると0.05〜
20g/10分が望ましい。
【0020】上述した本発明のエチレン系共重合体ある
いはその組成物は、通例の電線・電力ケーブル等の絶縁
層として使用されるのみでなく、単独または他の合成樹
脂、ゴム等とブレンドされて、フィルムまたはシート、
テープ、ヤーン等に加工され、必要により他の基材と積
層され、絶縁フィルムやシート、絶縁テープ、絶縁カバ
ー、絶縁衣等に活用される。
いはその組成物は、通例の電線・電力ケーブル等の絶縁
層として使用されるのみでなく、単独または他の合成樹
脂、ゴム等とブレンドされて、フィルムまたはシート、
テープ、ヤーン等に加工され、必要により他の基材と積
層され、絶縁フィルムやシート、絶縁テープ、絶縁カバ
ー、絶縁衣等に活用される。
【0021】本発明の第2発明である電力ケーブルと
は、押出しによる内部半導電層および/または外部半導
電層、あるいは所望により銅、アルミニウム、鉛等の外
部金属遮蔽層やアルミニウムテープ等を巻回した遮水層
等の通例電力ケーブルにおいて設けられる被覆層と共に
上記のエチレン系共重合体あるいはその組成物よりなる
絶縁層を有するものである。
は、押出しによる内部半導電層および/または外部半導
電層、あるいは所望により銅、アルミニウム、鉛等の外
部金属遮蔽層やアルミニウムテープ等を巻回した遮水層
等の通例電力ケーブルにおいて設けられる被覆層と共に
上記のエチレン系共重合体あるいはその組成物よりなる
絶縁層を有するものである。
【0022】該絶縁層は、架橋体、未架橋体のいずれで
もよい。また、架橋においては、パーオキサイド、イオ
ウ等の他、シラン架橋、電子線架橋等の通例の方法を用
いることができる。
もよい。また、架橋においては、パーオキサイド、イオ
ウ等の他、シラン架橋、電子線架橋等の通例の方法を用
いることができる。
【0023】本発明では、本発明の主旨を逸脱しない範
囲において、他の合成樹脂やゴムあるいは酸化防止剤、
紫外線防止剤、顔料、染料、滑剤、発泡剤、難燃剤、充
填剤等の通例の添加剤等を添加しても差し支えない。
囲において、他の合成樹脂やゴムあるいは酸化防止剤、
紫外線防止剤、顔料、染料、滑剤、発泡剤、難燃剤、充
填剤等の通例の添加剤等を添加しても差し支えない。
【0024】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。 実施例1 窒素で置換された内容量3.8リットルの攪拌機付きオ
ートクレーブ内に、n−ヘキサン380gアクリル酸エ
チル(EAと略す)0.4g、および重合開始剤として
ジターシャルブチルパーオキサイドを加え、ついでエチ
レンを1,700g仕込んだ後、重合圧1,600kg
f/cm2 温度190℃、重合時間1時間で重合させ
た。この重合によってエチレン−アクリル酸エチル共重
合体を得た。トルエン−アセトン溶媒で再沈精製を行っ
た後、赤外分光光度計で分析したところ、アクリル酸エ
チルは、0.1重量%であった。このエチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体500gと無水マレイン酸0.08
4gと2,5−デメチル−2,5−デ(t−ブチルペル
オキシ)ヘキサン0.02gをドライブレンドした後、
シリンダー温度230℃に設定した単軸押出機(L/D
=26,C.R.=3.0)に供給し、押し出し後、造
粒した。造粒したエチレン系重合体をトルエン−アセト
ン溶液で再沈精製をしたのち、赤外分光光度計で分析し
たところ、無水マレイン酸は、0.01重量%で、アク
リル酸エチルは、0.1重量%であった。この共重合体
の電気特性を測定したところ、体積抵抗は、比較例1の
低密度ポリエチレンに比べると20倍になっていた。ま
た、誘電正接は、5×10-4以下であった。
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。 実施例1 窒素で置換された内容量3.8リットルの攪拌機付きオ
ートクレーブ内に、n−ヘキサン380gアクリル酸エ
チル(EAと略す)0.4g、および重合開始剤として
ジターシャルブチルパーオキサイドを加え、ついでエチ
レンを1,700g仕込んだ後、重合圧1,600kg
f/cm2 温度190℃、重合時間1時間で重合させ
た。この重合によってエチレン−アクリル酸エチル共重
合体を得た。トルエン−アセトン溶媒で再沈精製を行っ
た後、赤外分光光度計で分析したところ、アクリル酸エ
チルは、0.1重量%であった。このエチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体500gと無水マレイン酸0.08
4gと2,5−デメチル−2,5−デ(t−ブチルペル
オキシ)ヘキサン0.02gをドライブレンドした後、
シリンダー温度230℃に設定した単軸押出機(L/D
=26,C.R.=3.0)に供給し、押し出し後、造
粒した。造粒したエチレン系重合体をトルエン−アセト
ン溶液で再沈精製をしたのち、赤外分光光度計で分析し
たところ、無水マレイン酸は、0.01重量%で、アク
リル酸エチルは、0.1重量%であった。この共重合体
の電気特性を測定したところ、体積抵抗は、比較例1の
低密度ポリエチレンに比べると20倍になっていた。ま
た、誘電正接は、5×10-4以下であった。
【0025】実施例2 実施例1と同様な製造法で得たエチレン系重合体(無水
マレイン酸は、0.04重量%で、アクリル酸エチル
は、0.1重量%)の電気特性を測定したところ、体積
抵抗は、比較例1の低密度ポリエチレンに比べると50
倍になっていた。また、誘電正接は、5×10-4以下で
あった。
マレイン酸は、0.04重量%で、アクリル酸エチル
は、0.1重量%)の電気特性を測定したところ、体積
抵抗は、比較例1の低密度ポリエチレンに比べると50
倍になっていた。また、誘電正接は、5×10-4以下で
あった。
【0026】実施例3 実施例1と同様な製造法で得た共重合体(無水マレイン
酸は、0.15重量%で、アクリル酸エチルは、0.1
5重量%)40gと低密度ポリエチレン2000gとを
ドライブレンドした後、シリンダー温度200℃に設定
した単軸押出機(L/D=26,C.R.=3.0)に
供給し、押し出し後、造粒した。造粒したエチレン共重
合体組成物をトルエン−アセトン溶液で再沈精製をした
のち、赤外分光光度計で分析したところ、無水マレイン
酸は、0.003重量%で、アクリル酸エチルは、0.
003重量%であった。この共重合体組成物の電気特性
を測定したところ、体積抵抗は、比較例1の低密度ポリ
エチレンに比べると10倍になった。また、誘電正接
は、5×10-4以下であった。
酸は、0.15重量%で、アクリル酸エチルは、0.1
5重量%)40gと低密度ポリエチレン2000gとを
ドライブレンドした後、シリンダー温度200℃に設定
した単軸押出機(L/D=26,C.R.=3.0)に
供給し、押し出し後、造粒した。造粒したエチレン共重
合体組成物をトルエン−アセトン溶液で再沈精製をした
のち、赤外分光光度計で分析したところ、無水マレイン
酸は、0.003重量%で、アクリル酸エチルは、0.
003重量%であった。この共重合体組成物の電気特性
を測定したところ、体積抵抗は、比較例1の低密度ポリ
エチレンに比べると10倍になった。また、誘電正接
は、5×10-4以下であった。
【0027】実施例4 実施例1と同様な製造法で得た共重合体(無水マレイン
酸は、0.15重量%で、アクリル酸エチルは、0.1
5重量%)500gと低密度ポリエチレン2000gと
を用いて、実施例3と同様な製造法で得たエチレン共重
合体組成物(無水マレイン酸は、0.03重量%で、ア
クリル酸エチルは、0.03重量%)は、比較例1の低
密度ポリエチレンに比べると体積抵抗が、40倍になっ
ていた。誘電正接は、5×10-4以下であった。
酸は、0.15重量%で、アクリル酸エチルは、0.1
5重量%)500gと低密度ポリエチレン2000gと
を用いて、実施例3と同様な製造法で得たエチレン共重
合体組成物(無水マレイン酸は、0.03重量%で、ア
クリル酸エチルは、0.03重量%)は、比較例1の低
密度ポリエチレンに比べると体積抵抗が、40倍になっ
ていた。誘電正接は、5×10-4以下であった。
【0028】実施例5 実施例3と同様な製造法で共重合体(無水マレイン酸
は、0.4重量%で、アクリル酸エチルは、0.2重量
%)60gと低密度ポリエチレン2000gとのブレン
ドによって得たエチレン共重合体組成物(無水マレイン
酸は、0.01重量%で、アクリル酸エチルは、0.0
06重量%)は、比較例1の低密度ポリエチレンに比べ
ると体積抵抗が、25倍になっていた。誘電正接は、5
×10-4以下であった。
は、0.4重量%で、アクリル酸エチルは、0.2重量
%)60gと低密度ポリエチレン2000gとのブレン
ドによって得たエチレン共重合体組成物(無水マレイン
酸は、0.01重量%で、アクリル酸エチルは、0.0
06重量%)は、比較例1の低密度ポリエチレンに比べ
ると体積抵抗が、25倍になっていた。誘電正接は、5
×10-4以下であった。
【0029】実施例6 実施例1と同様な製造法で得た共重合体(無水マレイン
酸は、0.2重量%で、アクリル酸エチルは、7重量
%)10gと低密度ポリエチレン2000gとを用い
て、実施例3と同様な製造法で得たエチレン共重合体組
成物(無水マレイン酸は、0.001重量%で、アクリ
ル酸エチルは、0.03重量%)は、比較例1の低密度
ポリエチレンに比べると体積抵抗が、10倍になってい
た。誘電正接は、5×10-4以下であった。
酸は、0.2重量%で、アクリル酸エチルは、7重量
%)10gと低密度ポリエチレン2000gとを用い
て、実施例3と同様な製造法で得たエチレン共重合体組
成物(無水マレイン酸は、0.001重量%で、アクリ
ル酸エチルは、0.03重量%)は、比較例1の低密度
ポリエチレンに比べると体積抵抗が、10倍になってい
た。誘電正接は、5×10-4以下であった。
【0030】実施例7 実施例1と同様な製造法で得た共重合体(無水マレイン
酸は、0.01重量%で、酢酸ビニル(VAと略す)
0.5重量%)10gと低密度ポリエチレン100gと
を用いて、実施例3と同様な製造法で得たエチレン共重
合体組成物(無水マレイン酸は、0.001重量%で、
VAは、0.05重量%)は、比較例1の低密度ポリエ
チレンに比べると体積抵抗が、13倍になっていた。誘
電正接は、5×10-4以下であった。
酸は、0.01重量%で、酢酸ビニル(VAと略す)
0.5重量%)10gと低密度ポリエチレン100gと
を用いて、実施例3と同様な製造法で得たエチレン共重
合体組成物(無水マレイン酸は、0.001重量%で、
VAは、0.05重量%)は、比較例1の低密度ポリエ
チレンに比べると体積抵抗が、13倍になっていた。誘
電正接は、5×10-4以下であった。
【0031】実施例8 実施例1と同様な製造法で得た共重合体(無水マレイン
酸は、0.01重量%で、メチルビニルケトン(MVK
と略す)は、0.5重量%)10gと低密度ポリエチレ
ン100gとを用いて、実施例3と同様な製造法で得た
エチレン共重合体組成物(無水マレイン酸は、0.00
1重量%で、MVKは、0.05重量%)は、比較例1
の低密度ポリエチレンに比べると体積抵抗が、10倍に
なっていた。誘電正接は、5×10-4以下であった。
酸は、0.01重量%で、メチルビニルケトン(MVK
と略す)は、0.5重量%)10gと低密度ポリエチレ
ン100gとを用いて、実施例3と同様な製造法で得た
エチレン共重合体組成物(無水マレイン酸は、0.00
1重量%で、MVKは、0.05重量%)は、比較例1
の低密度ポリエチレンに比べると体積抵抗が、10倍に
なっていた。誘電正接は、5×10-4以下であった。
【0032】実施例9 実施例1と同様な製造法で得た共重合体(無水マレイン
酸は、0.01重量%で、アクリロニトリル(ANと略
す)は、0.1重量%)10gと低密度ポリエチレン1
00gとを用いて、実施例3と同様な製造法で得たエチ
レン共重合体組成物(無水マレイン酸は、0.001重
量%で、ANは、0.01重量%)は、比較例1の低密
度ポリエチレンに比べると体積抵抗が、20倍になって
いた。誘電正接は、5×10-4以下であった。
酸は、0.01重量%で、アクリロニトリル(ANと略
す)は、0.1重量%)10gと低密度ポリエチレン1
00gとを用いて、実施例3と同様な製造法で得たエチ
レン共重合体組成物(無水マレイン酸は、0.001重
量%で、ANは、0.01重量%)は、比較例1の低密
度ポリエチレンに比べると体積抵抗が、20倍になって
いた。誘電正接は、5×10-4以下であった。
【0033】実施例10 実施例1と同様な製造法で得た共重合体(無水マレイン
酸は、0.01重量%で、2−ニトロスチレン(NSt
と略す)は、0.1重量%)10gと低密度ポリエチレ
ン100gとを用いて、実施例3と同様な製造法で得た
エチレン共重合体組成物(無水マレイン酸は、0.00
1重量%で、NStは、0.01重量%)は、比較例1
の低密度ポリエチレンに比べると体積抵抗が、18倍に
なっていた。誘電正接は、5×10-4以下であった。
酸は、0.01重量%で、2−ニトロスチレン(NSt
と略す)は、0.1重量%)10gと低密度ポリエチレ
ン100gとを用いて、実施例3と同様な製造法で得た
エチレン共重合体組成物(無水マレイン酸は、0.00
1重量%で、NStは、0.01重量%)は、比較例1
の低密度ポリエチレンに比べると体積抵抗が、18倍に
なっていた。誘電正接は、5×10-4以下であった。
【0034】比較例1 現在市販されている高圧ラジカル法による低密度ポリエ
チレン(商品名=日石レクスロンW2000、日本石油
化学(株)製)を比較例1とした。
チレン(商品名=日石レクスロンW2000、日本石油
化学(株)製)を比較例1とした。
【0035】比較例2 実施例1と同様な製造法で得た共重合体(無水マレイン
酸は、0.04重量%で、アクリル酸エチルは、0.2
重量%)の電気特性を測定したところ、体積抵抗は、比
較例1の低密度ポリエチレンに比べると、60倍になっ
ているが、誘電正接は、5×10-4以上になっているた
めに、電線ケーブル用の絶縁体には不向きである。
酸は、0.04重量%で、アクリル酸エチルは、0.2
重量%)の電気特性を測定したところ、体積抵抗は、比
較例1の低密度ポリエチレンに比べると、60倍になっ
ているが、誘電正接は、5×10-4以上になっているた
めに、電線ケーブル用の絶縁体には不向きである。
【0036】比較例3 実施例1と同様な製造法で得た共重合体(無水マレイン
酸は、0.15重量%で、アクリル酸エチルは、0.1
重量%)10gと低密度ポリエチレン2000gとを用
いて、実施例3と同様な製造法で得たエチレン共重合体
組成物(無水マレイン酸は、0.0007重量%で、ア
クリル酸エチルは、0.0005重量%)は、比較例1
の低密度ポリエチレンに比べると体積抵抗の著しい向上
は、みられない。
酸は、0.15重量%で、アクリル酸エチルは、0.1
重量%)10gと低密度ポリエチレン2000gとを用
いて、実施例3と同様な製造法で得たエチレン共重合体
組成物(無水マレイン酸は、0.0007重量%で、ア
クリル酸エチルは、0.0005重量%)は、比較例1
の低密度ポリエチレンに比べると体積抵抗の著しい向上
は、みられない。
【0037】比較例4 実施例1と同様な製造法で得た共重合体(無水マレイン
酸は、0.2重量%で、アクリル酸エチルは、7重量
%)60gと低密度ポリエチレン2000gとを用い
て、実施例3と同様な製造法で得たエチレン共重合体組
成物(無水マレイン酸は、0.01重量%で、アクリル
酸エチルは、0.2重量%)は、比較例1の低密度ポリ
エチレンに比べると体積抵抗が、20倍になっている
が、誘電正接は、5×10-4以上になっているために、
電線ケーブル用の絶縁体には不向きである。
酸は、0.2重量%で、アクリル酸エチルは、7重量
%)60gと低密度ポリエチレン2000gとを用い
て、実施例3と同様な製造法で得たエチレン共重合体組
成物(無水マレイン酸は、0.01重量%で、アクリル
酸エチルは、0.2重量%)は、比較例1の低密度ポリ
エチレンに比べると体積抵抗が、20倍になっている
が、誘電正接は、5×10-4以上になっているために、
電線ケーブル用の絶縁体には不向きである。
【0038】
【0039】(試験法) 絶縁抵抗(体積固有抵抗);印加電圧3kV、時間10
分、試料厚み0.3mmで測定した。 誘電正接(tanδ)・・・ ;横河ヒューレットパッカー
ド(株)製YHP4194Aインピーダンスアナライザ
ー使用、試料厚み1mm、100kHZ。
分、試料厚み0.3mmで測定した。 誘電正接(tanδ)・・・ ;横河ヒューレットパッカー
ド(株)製YHP4194Aインピーダンスアナライザ
ー使用、試料厚み1mm、100kHZ。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】上述のように本発明の高圧ラジカル重合
法により製造された、エチレン/特定の極性基を有する
単量体からなる共重合体に、二塩基酸無水物をグラフト
したエチレン系共重合体、あるいはそのエチレン系共重
合体と他のポリオレフィン系樹脂との組成物は、二塩基
酸無水物単位と特定の極性基を有する単量体単位を特定
することにより、電気絶縁抵抗を飛躍的に高める効果が
得られ、電力ケーブルの絶縁層として使用した場合にお
いて、絶縁層を厚くしないで高電圧送電時の電力損失を
低減することができる。
法により製造された、エチレン/特定の極性基を有する
単量体からなる共重合体に、二塩基酸無水物をグラフト
したエチレン系共重合体、あるいはそのエチレン系共重
合体と他のポリオレフィン系樹脂との組成物は、二塩基
酸無水物単位と特定の極性基を有する単量体単位を特定
することにより、電気絶縁抵抗を飛躍的に高める効果が
得られ、電力ケーブルの絶縁層として使用した場合にお
いて、絶縁層を厚くしないで高電圧送電時の電力損失を
低減することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 淳一 神奈川県横浜市金沢区高舟台2−25−26 (56)参考文献 特開 昭49−110740(JP,A) 特開 平4−39815(JP,A) 特開 昭61−296045(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 3/44 H01B 9/00 C08L 23/26 C08L 51/06
Claims (2)
- 【請求項1】 高圧ラジカル重合法により得られる実質
的にエチレンとカルボニル基、ニトリル基およびニトロ
基を有する単量体の少なくとも一種との共重合体に、二
塩基酸無水物をグラフトしたエチレン系共重合体、また
は該エチレン系共重合体と他のポリオレフィン系樹脂と
の組成物であって、該エチレン系共重合体または該組成
物中の二塩基酸無水物単位が0.001重量%〜0.0
5重量%、かつ二塩基酸無水物単位と該極性基単位の合
計が0.002重量%〜0.2重量%であるエチレン系
共重合体またはその組成物からなる誘電正接を5×10
-4 以下にして電気絶縁抵抗を向上させた高絶縁体。 - 【請求項2】 高圧ラジカル重合法により得られる実質
的にエチレンとカルボニル基、ニトリル基およびニトロ
基を有する単量体の少なくとも一種との共重合体に、二
塩基酸無水物をグラフトしたエチレン系共重合体、また
は該エチレン系共重合体と他のポリオレフィン系樹脂と
の組成物であって、該エチレン系共重合体または該組成
物中の二塩基酸無水物単位が0.001重量%〜0.0
5重量%、かつ二塩基酸無水物単位と該極性基単位の合
計が0.002重量%〜0.2重量%であるエチレン系
共重合体またはその組成物からなる誘電正接を5×10
-4 以下にして電気絶縁抵抗を向上させた高絶縁体を絶縁
体として用いたことを特徴とする電力ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12550092A JP3327341B2 (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | エチレン系共重合体またはその組成物からなる高絶縁体およびこれを用いた電力ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
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