JP3306150B2 - イオン伝導性高分子電解質 - Google Patents
イオン伝導性高分子電解質Info
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- Polymerisation Methods In General (AREA)
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- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電池、電気二重層キャ
パシタ、及びその他の電気化学デバイスの、構成材料と
して有効に用いることができるイオン伝導性高分子電解
質に関するものである。
パシタ、及びその他の電気化学デバイスの、構成材料と
して有効に用いることができるイオン伝導性高分子電解
質に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】最近のマイクロエレクトロ
ニクス化においては、各種電子機器のメモリーバックア
ップ用電源に代表されるように、電池の、電子機器内収
納、エレクトロニクス素子や回路との一体化が行なわれ
ている。そのため、小型、軽量、薄型で、更には高エネ
ルギー密度を有する電池が要望されている。一次電池の
分野では、既にリチウム電池などの小型、軽量の電池が
実用化されている。しかし、その用途分野は限られたも
のであった。
ニクス化においては、各種電子機器のメモリーバックア
ップ用電源に代表されるように、電池の、電子機器内収
納、エレクトロニクス素子や回路との一体化が行なわれ
ている。そのため、小型、軽量、薄型で、更には高エネ
ルギー密度を有する電池が要望されている。一次電池の
分野では、既にリチウム電池などの小型、軽量の電池が
実用化されている。しかし、その用途分野は限られたも
のであった。
【0003】一方、従来、電気化学反応を利用した電池
や、電池以外の電気化学デバイス、例えば電気二重層キ
ャパシタ、エレクトロクロミック素子などの、電解質と
しては、一般に、液体電解質、特に有機電解液にイオン
性化合物を溶解してなるものが用いられてきた。しか
し、液体電解質を用いた場合には、部品外部への液漏
れ、電極物質の溶出、揮発などが発生しやすいため、長
期信頼性が劣ったり、封口工程で電解液が飛散したりす
ることが問題となっていた。そこで、これらの問題を解
決する手段、即ち、耐漏液性、長期信頼性などを向上さ
せる手段の一つとして、高いイオン伝導性を有するイオ
ン伝導性高分子電解質が、報告され、更に研究が進めら
れている。
や、電池以外の電気化学デバイス、例えば電気二重層キ
ャパシタ、エレクトロクロミック素子などの、電解質と
しては、一般に、液体電解質、特に有機電解液にイオン
性化合物を溶解してなるものが用いられてきた。しか
し、液体電解質を用いた場合には、部品外部への液漏
れ、電極物質の溶出、揮発などが発生しやすいため、長
期信頼性が劣ったり、封口工程で電解液が飛散したりす
ることが問題となっていた。そこで、これらの問題を解
決する手段、即ち、耐漏液性、長期信頼性などを向上さ
せる手段の一つとして、高いイオン伝導性を有するイオ
ン伝導性高分子電解質が、報告され、更に研究が進めら
れている。
【0004】現在研究されているイオン伝導性高分子電
解質は、エチレンオキシドを基本単位とするホモポリマ
ー又はコポリマーの直鎖状高分子、網状架橋高分子又は
櫛型高分子などである。そして、低温でのイオン伝導度
を上げることを目的として、網状架橋高分子又は櫛型高
分子として結晶化を防ぐことが提案され、実施されてい
る。特に、網状架橋高分子を用いたイオン伝導性高分子
電解質は、機械的強度が大であり、且つ低温でのイオン
伝導度が良好であるため、有用である。
解質は、エチレンオキシドを基本単位とするホモポリマ
ー又はコポリマーの直鎖状高分子、網状架橋高分子又は
櫛型高分子などである。そして、低温でのイオン伝導度
を上げることを目的として、網状架橋高分子又は櫛型高
分子として結晶化を防ぐことが提案され、実施されてい
る。特に、網状架橋高分子を用いたイオン伝導性高分子
電解質は、機械的強度が大であり、且つ低温でのイオン
伝導度が良好であるため、有用である。
【0005】イオン伝導性高分子電解質を用いた電気化
学セルについては、特許文献などに広く記載されてお
り、その特許文献としては、例えば、アーマンド(Arma
nd)らによる米国特許第4,303,748号(198
1)、ノース(North )による米国特許第4,589,
197号(1986)、フーパー(Hooper)らによる米国特許
第4,547,440号(1985)などがある。これらの
セルの特徴として挙げられるのが、ポリエーテル構造を
有する高分子化合物中にイオン性化合物を溶解してなる
イオン伝導性高分子電解質を用いた点である。
学セルについては、特許文献などに広く記載されてお
り、その特許文献としては、例えば、アーマンド(Arma
nd)らによる米国特許第4,303,748号(198
1)、ノース(North )による米国特許第4,589,
197号(1986)、フーパー(Hooper)らによる米国特許
第4,547,440号(1985)などがある。これらの
セルの特徴として挙げられるのが、ポリエーテル構造を
有する高分子化合物中にイオン性化合物を溶解してなる
イオン伝導性高分子電解質を用いた点である。
【0006】ところで、電気化学反応を利用した電池や
電池以外の電気化学デバイスなどの、電解質として、イ
オン伝導性高分子電解質を用いるためには、高いイオン
伝導性と機械的特性(機械的強度や柔軟性など)を併せ
持つ必要がある。しかし、この特性は相反するものであ
る。例えば、上記特許文献の多くでは、室温以下でのイ
オン伝導度が実用範囲以下であるために、主に昇温した
状態で作動させている。そこで、イオン伝導度の向上を
図る簡単な方法として、例えば、特開昭59−1496
01号、特開昭58−75779号、米国特許第4,7
92,504号などにおいて、イオン伝導性高分子電解
質に有機溶媒(特に好ましくは、高誘電率有機溶媒)を
添加して固体状態を保持する方法が提案されている。し
かし、その方法では、イオン伝導度は確実に向上する
が、機械的強度は著しく低下する。
電池以外の電気化学デバイスなどの、電解質として、イ
オン伝導性高分子電解質を用いるためには、高いイオン
伝導性と機械的特性(機械的強度や柔軟性など)を併せ
持つ必要がある。しかし、この特性は相反するものであ
る。例えば、上記特許文献の多くでは、室温以下でのイ
オン伝導度が実用範囲以下であるために、主に昇温した
状態で作動させている。そこで、イオン伝導度の向上を
図る簡単な方法として、例えば、特開昭59−1496
01号、特開昭58−75779号、米国特許第4,7
92,504号などにおいて、イオン伝導性高分子電解
質に有機溶媒(特に好ましくは、高誘電率有機溶媒)を
添加して固体状態を保持する方法が提案されている。し
かし、その方法では、イオン伝導度は確実に向上する
が、機械的強度は著しく低下する。
【0007】また、イオン伝導性高分子電解質を電気化
学デバイスの電解質として用いる場合には、内部抵抗を
低くするために薄膜化することが必要となってくる。特
に、薄型電池にとっては、重要である。イオン伝導性高
分子電解質は、均一な薄膜を任意の形状に容易に加工す
ることが可能であり、そのための方法も種々知られてい
る。例えば、イオン伝導性高分子電解質の溶液をキャス
トして、溶媒を蒸発、除去する方法、重合性モノマー又
はマクロマーを基板上に塗布して、加熱重合する方法、
活性光線の照射により硬化させる方法などがある。特
に、活性光線の照射により硬化させる方法は、低温で短
時間で処理することが可能であるため、作業性が向上す
るなどの長所を有する。
学デバイスの電解質として用いる場合には、内部抵抗を
低くするために薄膜化することが必要となってくる。特
に、薄型電池にとっては、重要である。イオン伝導性高
分子電解質は、均一な薄膜を任意の形状に容易に加工す
ることが可能であり、そのための方法も種々知られてい
る。例えば、イオン伝導性高分子電解質の溶液をキャス
トして、溶媒を蒸発、除去する方法、重合性モノマー又
はマクロマーを基板上に塗布して、加熱重合する方法、
活性光線の照射により硬化させる方法などがある。特
に、活性光線の照射により硬化させる方法は、低温で短
時間で処理することが可能であるため、作業性が向上す
るなどの長所を有する。
【0008】しかし、このような方法を用いると、均一
な薄膜化は可能ではあるが、実際にイオン伝導性高分子
電解質を電極間に積層して電池やエレクトロクロミック
素子などを組立てた際に、電解質層が圧縮変形によって
破損し、微短絡が生じることがあった。特に、イオン伝
導性高分子電解質の大面積化を図ると、微短絡は更に生
じやすかった。また、例えば、負極活物質としてリチウ
ム金属を用いた電池の場合には、放電時にリチウム金属
がリチウムイオンとなって溶出し、負極の体積が減少す
るとともに、正極中にリチウムイオンが取込まれること
によって正極の体積が増加するが、このような変化に対
応できる特性が、イオン伝導性高分子電解質には要求さ
れることとなる。従って、イオン伝導性高分子電解質を
均一に薄膜化するためには、その機械的強度の向上がイ
オン伝導性(特に、室温以下でのイオン伝導度)と共に
重要である。
な薄膜化は可能ではあるが、実際にイオン伝導性高分子
電解質を電極間に積層して電池やエレクトロクロミック
素子などを組立てた際に、電解質層が圧縮変形によって
破損し、微短絡が生じることがあった。特に、イオン伝
導性高分子電解質の大面積化を図ると、微短絡は更に生
じやすかった。また、例えば、負極活物質としてリチウ
ム金属を用いた電池の場合には、放電時にリチウム金属
がリチウムイオンとなって溶出し、負極の体積が減少す
るとともに、正極中にリチウムイオンが取込まれること
によって正極の体積が増加するが、このような変化に対
応できる特性が、イオン伝導性高分子電解質には要求さ
れることとなる。従って、イオン伝導性高分子電解質を
均一に薄膜化するためには、その機械的強度の向上がイ
オン伝導性(特に、室温以下でのイオン伝導度)と共に
重要である。
【0009】イオン伝導性高分子電解質を電解質層とし
て用いた場合の、電解質層の破損や微短絡を防止する方
法としては、イオン伝導性高分子電解質中に無機酸化物
を含有させる方法が種々報告されている(特開平2−1
55173、同2−174071など)。しかし、上記
無機酸化物の表面には、−OH基などの官能基が存在す
るため、この官能基によって、電池やエレクトロクロミ
ック素子などを組立てた際に副反応が生じる危険性が高
かった。この副反応は、特に電池の場合に、長期に渡っ
て保存した際に、放電容量の低下、サイクル特性の低下
という形で、顕著に現れる。
て用いた場合の、電解質層の破損や微短絡を防止する方
法としては、イオン伝導性高分子電解質中に無機酸化物
を含有させる方法が種々報告されている(特開平2−1
55173、同2−174071など)。しかし、上記
無機酸化物の表面には、−OH基などの官能基が存在す
るため、この官能基によって、電池やエレクトロクロミ
ック素子などを組立てた際に副反応が生じる危険性が高
かった。この副反応は、特に電池の場合に、長期に渡っ
て保存した際に、放電容量の低下、サイクル特性の低下
という形で、顕著に現れる。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記のような現状に鑑みてな
されたものであり、イオン伝導性及び機械的特性が共に
優れているイオン伝導性高分子電解質を提供することを
目的とするものである。
されたものであり、イオン伝導性及び機械的特性が共に
優れているイオン伝導性高分子電解質を提供することを
目的とするものである。
【0011】
【目的を達成するための手段】本発明のイオン伝導性高
分子電解質は、1種以上のイオン性化合物を溶解状態で
含有しており、式(I)、式(II)、及び式(III)で示
される各高分子化合物の内、式(III)の高分子化合物
と、式(I)及び式(II)の少なくとも一方の高分子化
合物とを、混合し重合してなるものであることを特徴と
している。
分子電解質は、1種以上のイオン性化合物を溶解状態で
含有しており、式(I)、式(II)、及び式(III)で示
される各高分子化合物の内、式(III)の高分子化合物
と、式(I)及び式(II)の少なくとも一方の高分子化
合物とを、混合し重合してなるものであることを特徴と
している。
【0012】
【化4】 (R1、R2、R3は、水素、又は炭素数1以上の低級ア
ルキル基であり、m、nは、m≧1、n≧0、n/m=
0〜5の範囲にある整数である)
ルキル基であり、m、nは、m≧1、n≧0、n/m=
0〜5の範囲にある整数である)
【0013】
【化5】 (R4、R5、R6は、水素、又は炭素数1以上の低級ア
ルキル基であり、s、tは、s≧3、t≧0、t/s=
0〜5の範囲にある整数である)
ルキル基であり、s、tは、s≧3、t≧0、t/s=
0〜5の範囲にある整数である)
【0014】
【化6】 (R7、R8は、水素、又は炭素数1以上の低級アルキル
基であり、p1、p2、p3、q1、q2、q3は、p1≧3、p2≧
3、p3≧3、q1≧0、q2≧0、q3≧0、q1/p1=0〜
5、q2/p2=0〜5、q3/p3=0〜5、p1+q1≧10、
p2+q2≧10、p3+q3≧10である整数である)
基であり、p1、p2、p3、q1、q2、q3は、p1≧3、p2≧
3、p3≧3、q1≧0、q2≧0、q3≧0、q1/p1=0〜
5、q2/p2=0〜5、q3/p3=0〜5、p1+q1≧10、
p2+q2≧10、p3+q3≧10である整数である)
【0015】イオン性化合物としては、例えば、LiC
lO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiI、
LiBr、Li2B10Cl10、LiCF3SO3、LiC
F3CO2、LiSCN、NaI、NaSCN、NaB
r、NaClO4、KClO4、KSCNなどの、Li、
Na、又はKの1種を含む無機イオン塩、(CH3)4N
BF4、(CH3)4NBr、(C2H5)4NClO4、
(C2H5)4NI、(C3H7)4NBr、(n−C4H9)
4NClO4、(n−C4H9)4NI,(C2H5)4N−m
aleate、(C2H5)4N−benzoate、
(C2H5)4N−phthalateなどの四級アンモ
ニウム塩、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルス
ルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチ
ウムなどの有機イオン塩が挙げられる。これらのイオン
性化合物は、2種以上を併用してもよい。
lO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiI、
LiBr、Li2B10Cl10、LiCF3SO3、LiC
F3CO2、LiSCN、NaI、NaSCN、NaB
r、NaClO4、KClO4、KSCNなどの、Li、
Na、又はKの1種を含む無機イオン塩、(CH3)4N
BF4、(CH3)4NBr、(C2H5)4NClO4、
(C2H5)4NI、(C3H7)4NBr、(n−C4H9)
4NClO4、(n−C4H9)4NI,(C2H5)4N−m
aleate、(C2H5)4N−benzoate、
(C2H5)4N−phthalateなどの四級アンモ
ニウム塩、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルス
ルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチ
ウムなどの有機イオン塩が挙げられる。これらのイオン
性化合物は、2種以上を併用してもよい。
【0016】イオン性化合物の配合割合は、上記高分子
化合物のエーテル結合酸素に対して、イオン性化合物が
0.0001から5.0モルの割合であり、特に0.0
05から2.0モルであることが好ましい。このイオン
性化合物の使用量があまり多すぎると、過剰のイオン性
化合物、例えば無機イオン塩が解離せず、単に混在する
のみとなり、イオン伝導度を逆に低下させる結果とな
る。また、イオン性化合物の適当な配合割合は、電極活
物質によって異なる。例えば、層状化合物のインターカ
レーションを利用した電池においては、電解質のイオン
伝導度が最大となる付近が好ましく、ドーピング現象を
利用した導電性高分子を電極活物質として使用する電池
においては、充放電による電解質中のイオン濃度の変化
に対応し得る必要がある。
化合物のエーテル結合酸素に対して、イオン性化合物が
0.0001から5.0モルの割合であり、特に0.0
05から2.0モルであることが好ましい。このイオン
性化合物の使用量があまり多すぎると、過剰のイオン性
化合物、例えば無機イオン塩が解離せず、単に混在する
のみとなり、イオン伝導度を逆に低下させる結果とな
る。また、イオン性化合物の適当な配合割合は、電極活
物質によって異なる。例えば、層状化合物のインターカ
レーションを利用した電池においては、電解質のイオン
伝導度が最大となる付近が好ましく、ドーピング現象を
利用した導電性高分子を電極活物質として使用する電池
においては、充放電による電解質中のイオン濃度の変化
に対応し得る必要がある。
【0017】イオン性化合物の含有方法については特に
制限はないが、例えば、メチルエチルケトンやテトラヒ
ドロフランなどの有機溶媒に溶解させて、上記高分子化
合物に均一に混合した後、有機溶媒を真空減圧により除
去する方法などが挙げられる。
制限はないが、例えば、メチルエチルケトンやテトラヒ
ドロフランなどの有機溶媒に溶解させて、上記高分子化
合物に均一に混合した後、有機溶媒を真空減圧により除
去する方法などが挙げられる。
【0018】また、上記イオン伝導性高分子電解質に、
イオン性化合物を溶解可能な有機化合物を含有させても
よい。これによれば、イオン伝導性高分子電解質は、そ
の基本骨格を変えることなく、イオン伝導度が著しく向
上する。
イオン性化合物を溶解可能な有機化合物を含有させても
よい。これによれば、イオン伝導性高分子電解質は、そ
の基本骨格を変えることなく、イオン伝導度が著しく向
上する。
【0019】イオン性化合物を溶解可能な有機化合物と
しては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
トなどの環状炭酸エステル;γ−ブチロラクトンなどの
環状エステル;テトラヒドロフラン又はその誘導体、
1,3−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、メチ
ルジグライムなどのエーテル類;アセトニトリル、ベン
ゾニトリルなどのニトリル類;ジオキソラン又はその誘
導体;スルホラン又はその誘導体などが挙げられる。こ
れらは、単独で、又は2種以上混合して用いてもよい。
なお、これらに限定されるものではない。また、その配
合割合及び配合方法は任意である。
しては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
トなどの環状炭酸エステル;γ−ブチロラクトンなどの
環状エステル;テトラヒドロフラン又はその誘導体、
1,3−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、メチ
ルジグライムなどのエーテル類;アセトニトリル、ベン
ゾニトリルなどのニトリル類;ジオキソラン又はその誘
導体;スルホラン又はその誘導体などが挙げられる。こ
れらは、単独で、又は2種以上混合して用いてもよい。
なお、これらに限定されるものではない。また、その配
合割合及び配合方法は任意である。
【0020】また、上記イオン伝導性高分子電解質に、
エチレンオキシド重合体及びエチレンオキシド−プロピ
レンオキシド重合体の少なくとも一方を含有させてもよ
い。これによれば、イオン伝導性高分子電解質の成膜性
や機械的強度が著しく向上する。なお、これらの重合体
は、できるだけ高分子量であることが望ましく、平均分
子量20000以上、更には100000以上であるこ
とが望ましい。分子量が小さいと、機械的強度を向上さ
せる効果が殆んど現れない。また、エチレンオキシド−
プロピレンオキシド重合体としては、エチレンオキシド
単位(EO)及びプロピレンオキシド単位(PO)の組
成比(モル比)が、0<(PO/EO)≦5の範囲であ
ることが好ましいが、特に限定されるものではない。エ
チレンオキシド重合体として、例えば、主鎖直鎖型ポリ
エチレンオキシドが挙げられる。
エチレンオキシド重合体及びエチレンオキシド−プロピ
レンオキシド重合体の少なくとも一方を含有させてもよ
い。これによれば、イオン伝導性高分子電解質の成膜性
や機械的強度が著しく向上する。なお、これらの重合体
は、できるだけ高分子量であることが望ましく、平均分
子量20000以上、更には100000以上であるこ
とが望ましい。分子量が小さいと、機械的強度を向上さ
せる効果が殆んど現れない。また、エチレンオキシド−
プロピレンオキシド重合体としては、エチレンオキシド
単位(EO)及びプロピレンオキシド単位(PO)の組
成比(モル比)が、0<(PO/EO)≦5の範囲であ
ることが好ましいが、特に限定されるものではない。エ
チレンオキシド重合体として、例えば、主鎖直鎖型ポリ
エチレンオキシドが挙げられる。
【0021】上記イオン伝導性高分子電解質を用いて電
池のセパレータを形成する場合には、次の方法を採用で
きる。即ち、上記イオン伝導性高分子電解質を単独で
シート状に形成し、これを正極と負極の間に配置する、
正極又は負極に、上記イオン伝導性高分子電解質の構
成材料である高分子化合物を含有した溶液を、塗布し、
重合させることにより硬化させて複合化する。
池のセパレータを形成する場合には、次の方法を採用で
きる。即ち、上記イオン伝導性高分子電解質を単独で
シート状に形成し、これを正極と負極の間に配置する、
正極又は負極に、上記イオン伝導性高分子電解質の構
成材料である高分子化合物を含有した溶液を、塗布し、
重合させることにより硬化させて複合化する。
【0022】また、上記イオン伝導性高分子電解質を電
池の電極の構成材料として用いる場合には、上記イオン
伝導性高分子電解質の構成材料である高分子化合物を活
物質などともに混合し、重合させることにより硬化させ
る。
池の電極の構成材料として用いる場合には、上記イオン
伝導性高分子電解質の構成材料である高分子化合物を活
物質などともに混合し、重合させることにより硬化させ
る。
【0023】上記イオン伝導性高分子電解質の構成材料
である高分子化合物を含有した溶液を塗布する方法とし
ては、例えば、アプリケータロールなどのロールコーテ
ィング、スクリーンコーティング、ドクターブレード
法、スピンコーティング、バーコーダーなどの手段を用
いて均一な厚みに塗布する方法を用いることが望ましい
が、これらに限定されるものではない。なお、これらの
手段を用いれば、上記イオン伝導性高分子電解質を、正
極や負極の表面上に、任意の厚み及び任意の形状に配置
することが可能となる。
である高分子化合物を含有した溶液を塗布する方法とし
ては、例えば、アプリケータロールなどのロールコーテ
ィング、スクリーンコーティング、ドクターブレード
法、スピンコーティング、バーコーダーなどの手段を用
いて均一な厚みに塗布する方法を用いることが望ましい
が、これらに限定されるものではない。なお、これらの
手段を用いれば、上記イオン伝導性高分子電解質を、正
極や負極の表面上に、任意の厚み及び任意の形状に配置
することが可能となる。
【0024】また、上記イオン伝導性高分子電解質の構
成材料である高分子化合物を重合させる方法としては、
熱処理又は電離性放射線照射処理が挙げられる。電離性
放射線としては、γ線、X線、電子線、中性子線などが
挙げられる。上記構成材料である高分子化合物は、重合
されて、架橋ネットワーク構造を有する上記イオン伝導
性高分子電解質を形成するが、この過程において、電離
性放射線を照射する方法は非常に効率的に作用する。即
ち、電離性放射線の照射量を制御することにより、電離
性放射線のエネルギー効率だけでなく、例えば、上記イ
オン伝導性高分子電解質の架橋度も、容易にコントロー
ルすることができ、従って、電気化学的に最適な電極や
電解質を得ることが可能となる。しかも、電離性放射線
を照射する方法によれば、偏りのない理想的な架橋ネッ
トワーク構造が実現できるため、機械的特性及びイオン
伝導性に優れたイオン伝導性高分子電解質の作製が可能
となる。
成材料である高分子化合物を重合させる方法としては、
熱処理又は電離性放射線照射処理が挙げられる。電離性
放射線としては、γ線、X線、電子線、中性子線などが
挙げられる。上記構成材料である高分子化合物は、重合
されて、架橋ネットワーク構造を有する上記イオン伝導
性高分子電解質を形成するが、この過程において、電離
性放射線を照射する方法は非常に効率的に作用する。即
ち、電離性放射線の照射量を制御することにより、電離
性放射線のエネルギー効率だけでなく、例えば、上記イ
オン伝導性高分子電解質の架橋度も、容易にコントロー
ルすることができ、従って、電気化学的に最適な電極や
電解質を得ることが可能となる。しかも、電離性放射線
を照射する方法によれば、偏りのない理想的な架橋ネッ
トワーク構造が実現できるため、機械的特性及びイオン
伝導性に優れたイオン伝導性高分子電解質の作製が可能
となる。
【0025】上記イオン伝導性高分子電解質を電池の構
成材料として用いる場合において、正極活物質として
は、以下の物質が挙げられる。即ち、CuO、Cu
2O、Ag2O、CuS、CuSO4などのI族金属化合
物、TiS2、SiO2、SnOなどのIV族金属化合物、
V2O5、V6O12、VOx、Nb2O5、Bi2O3、Sb2
O3などのV族金属化合物、CrO3、Cr2O3、MoS
2、WO3、SeO2などのVI族金属化合物、MnO2、M
n2O3などのVII 族金属化合物、Fe2O3、FeO、F
e3O4、Ni2O3、NiO、CoS2、CoOなどのVII
I族金属化合物、一般式LixMX2、LixMNyX
2(M、NはIからVIII族の金属、Xは酸素、硫黄など
のカルコゲン化合物を示す)などで表される、例えば、
リチウム−コバルト系複合酸化物、リチウム−マンガン
系複合酸化物などの金属化合物、更に、ポリピロール、
ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、
ポリアセン系材料などの導電性高分子化合物、擬グラフ
ァイト構造炭素質材料などである。なお、これらに限定
されるものではない。
成材料として用いる場合において、正極活物質として
は、以下の物質が挙げられる。即ち、CuO、Cu
2O、Ag2O、CuS、CuSO4などのI族金属化合
物、TiS2、SiO2、SnOなどのIV族金属化合物、
V2O5、V6O12、VOx、Nb2O5、Bi2O3、Sb2
O3などのV族金属化合物、CrO3、Cr2O3、MoS
2、WO3、SeO2などのVI族金属化合物、MnO2、M
n2O3などのVII 族金属化合物、Fe2O3、FeO、F
e3O4、Ni2O3、NiO、CoS2、CoOなどのVII
I族金属化合物、一般式LixMX2、LixMNyX
2(M、NはIからVIII族の金属、Xは酸素、硫黄など
のカルコゲン化合物を示す)などで表される、例えば、
リチウム−コバルト系複合酸化物、リチウム−マンガン
系複合酸化物などの金属化合物、更に、ポリピロール、
ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、
ポリアセン系材料などの導電性高分子化合物、擬グラフ
ァイト構造炭素質材料などである。なお、これらに限定
されるものではない。
【0026】また、負極活物質としては、リチウム−ア
ルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−スズ、リチウム
−アルミニウム−スズ、リチウム−ガリウム、ウッド合
金などのリチウム金属含有合金、リチウム金属、炭素質
材料などが挙げられる。これらは、2種以上を併用して
もよい。なお、炭素質材料としては、例えば、X線回折
などによる分析結果が表1に示されるもの、異方性のピ
ッチを2000℃以上の温度で焼成した炭素粉末(平均
粒子経15μm以下)、炭素繊維などが好ましい。
ルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−スズ、リチウム
−アルミニウム−スズ、リチウム−ガリウム、ウッド合
金などのリチウム金属含有合金、リチウム金属、炭素質
材料などが挙げられる。これらは、2種以上を併用して
もよい。なお、炭素質材料としては、例えば、X線回折
などによる分析結果が表1に示されるもの、異方性のピ
ッチを2000℃以上の温度で焼成した炭素粉末(平均
粒子経15μm以下)、炭素繊維などが好ましい。
【0027】
【表1】
【0028】また、電池の電極は、上記活物質を結着剤
で結合してシート状又はペレット状としたものが、一般
的に用いられるが、この場合、必要に応じて、グラファ
イト、カーボンブラック、アセチレンブラックなどのカ
ーボン(このカーボンは、負極活物質として用いるカー
ボンとは全く異なる特性を有するものである)や、金属
粉末、導電性金属酸化物などの導電材料を混合して、電
子伝導の向上を図ってもよい。また、複合正極、複合負
極を製造する場合に、均一な混合分散系を得るために、
数種の分散剤と分散媒を加えてもよく、更に増粘剤、増
量剤、粘着補助剤などを添加してもよい。
で結合してシート状又はペレット状としたものが、一般
的に用いられるが、この場合、必要に応じて、グラファ
イト、カーボンブラック、アセチレンブラックなどのカ
ーボン(このカーボンは、負極活物質として用いるカー
ボンとは全く異なる特性を有するものである)や、金属
粉末、導電性金属酸化物などの導電材料を混合して、電
子伝導の向上を図ってもよい。また、複合正極、複合負
極を製造する場合に、均一な混合分散系を得るために、
数種の分散剤と分散媒を加えてもよく、更に増粘剤、増
量剤、粘着補助剤などを添加してもよい。
【0029】また、上記イオン伝導性高分子電解質を用
いて電気二重層コンデンサを構成する場合において、そ
の電極材料としては、電解コンデンサにおける酸化膜誘
電体の容量が関与しないような電極材料、例えば比表面
積が大きく且つ電気化学的に不活性である活性炭又は炭
素繊維などのカーボン材料が挙げられるが、上記イオン
伝導性高分子電解質をそのカーボン材料のバインダーと
して用いることが好ましい。なお、イオン伝導性高分子
電解質以外の物質(例えばポリテトラフルオロエチレン
など)を用いる方法もあるが、この場合において、上記
イオン伝導性高分子電解質を併用してもよい。
いて電気二重層コンデンサを構成する場合において、そ
の電極材料としては、電解コンデンサにおける酸化膜誘
電体の容量が関与しないような電極材料、例えば比表面
積が大きく且つ電気化学的に不活性である活性炭又は炭
素繊維などのカーボン材料が挙げられるが、上記イオン
伝導性高分子電解質をそのカーボン材料のバインダーと
して用いることが好ましい。なお、イオン伝導性高分子
電解質以外の物質(例えばポリテトラフルオロエチレン
など)を用いる方法もあるが、この場合において、上記
イオン伝導性高分子電解質を併用してもよい。
【0030】
【作用】本発明のイオン伝導性高分子電解質は、架橋ネ
ットワーク構造のアモルファス化が促進されたものとな
る。従って、柔軟性や機械的強度、即ち機械的特性は
向上する。このため、薄膜化しても、更には薄膜の大面
積化を図っても、微短絡は生じない。また、多様な形状
がとれることとなり、電極面に配置する場合には、密着
性が向上する。結晶化温度が低くなり、イオンの動き
が容易になり、室温以下の温度範囲におけるイオン伝導
度が向上する。即ち、イオン伝導性が向上する。
ットワーク構造のアモルファス化が促進されたものとな
る。従って、柔軟性や機械的強度、即ち機械的特性は
向上する。このため、薄膜化しても、更には薄膜の大面
積化を図っても、微短絡は生じない。また、多様な形状
がとれることとなり、電極面に配置する場合には、密着
性が向上する。結晶化温度が低くなり、イオンの動き
が容易になり、室温以下の温度範囲におけるイオン伝導
度が向上する。即ち、イオン伝導性が向上する。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】(実施例1) 式(IV)、式(V)、及び式(VI)の各高分子化合物を
4:4:2の重量比率で混合してなる高分子混合物30
重量部に、LiClO46重量部及びプロピレンカーボ
ネート64重量部を混合し(混合物A1)、混合物A
1を、ガラス板上にキャストし、不活性ガス雰囲気中に
て10Mradの電子線を照射して硬化させた。これに
より、膜厚100μmのイオン伝導性高分子電解質から
なる薄膜が得られた。
4:4:2の重量比率で混合してなる高分子混合物30
重量部に、LiClO46重量部及びプロピレンカーボ
ネート64重量部を混合し(混合物A1)、混合物A
1を、ガラス板上にキャストし、不活性ガス雰囲気中に
て10Mradの電子線を照射して硬化させた。これに
より、膜厚100μmのイオン伝導性高分子電解質から
なる薄膜が得られた。
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】(実施例2) 実施例1と同じ混合物A1を得、混合物A1100重量部
とポリエチレンオキシド(平均分子量:150000)
0.2重量部とを混合し、この混合物を、実施例1と同
様にして硬化させた。これにより、膜厚100μmのイ
オン伝導性高分子電解質からなる薄膜が得られた。
とポリエチレンオキシド(平均分子量:150000)
0.2重量部とを混合し、この混合物を、実施例1と同
様にして硬化させた。これにより、膜厚100μmのイ
オン伝導性高分子電解質からなる薄膜が得られた。
【0037】(比較例1) 式(IV)と式(VII)の各高分子化合物を6:4の重量比
率で混合してなる高分子混合物30重量部に、LiCl
O46重量部及びプロピレンカーボネート64重量部を
混合し、この混合物を、実施例1と同様にして硬化させ
た。これにより、膜厚100μmのイオン伝導性高分子
電解質からなる薄膜が得られた。
率で混合してなる高分子混合物30重量部に、LiCl
O46重量部及びプロピレンカーボネート64重量部を
混合し、この混合物を、実施例1と同様にして硬化させ
た。これにより、膜厚100μmのイオン伝導性高分子
電解質からなる薄膜が得られた。
【0038】
【化10】
【0039】実施例1、2及び比較例1で得られたイオ
ン伝導性高分子電解質からなる薄膜について、下記の試
験方法により、イオン伝導度及び引っ張り強度を測定し
た。その結果を表2に示す。
ン伝導性高分子電解質からなる薄膜について、下記の試
験方法により、イオン伝導度及び引っ張り強度を測定し
た。その結果を表2に示す。
【0040】[イオン伝導度測定方法] イオン伝導性高分子電解質からなる薄膜を13mmφに
打ち抜いて試験片を形成し、Pt電極を用いた導電率測
定セルを用いて、試験片の電極間における交流インピー
ダンスを測定し、複素インピーダンス解析を行なってイ
オン伝導度を求めた。なお、測定装置としては、ソラト
ーン(Solatorn)社製の、1286 エレクトロケミカル
インターフェース(ELECTROCHEMICAL INTER-FACE)、12
55 エッチエフ フリークエンシー レスポンス アナ
ライザー(HF FREQUENCY RESPONSE ANALYZER)を用い
た。
打ち抜いて試験片を形成し、Pt電極を用いた導電率測
定セルを用いて、試験片の電極間における交流インピー
ダンスを測定し、複素インピーダンス解析を行なってイ
オン伝導度を求めた。なお、測定装置としては、ソラト
ーン(Solatorn)社製の、1286 エレクトロケミカル
インターフェース(ELECTROCHEMICAL INTER-FACE)、12
55 エッチエフ フリークエンシー レスポンス アナ
ライザー(HF FREQUENCY RESPONSE ANALYZER)を用い
た。
【0041】[引っ張り強度測定方法] イオン伝導性高分子電解質からなる薄膜を幅4.0m
m、厚さ100μmの形状に切り抜いて試験片を形成
し、島津製作所製のオートグラフDCS−2000を用
いて引っ張り強度を測定した。
m、厚さ100μmの形状に切り抜いて試験片を形成
し、島津製作所製のオートグラフDCS−2000を用
いて引っ張り強度を測定した。
【0042】
【表2】
【0043】表2からわかるように、実施例1、2のイ
オン伝導性高分子電解質からなる薄膜は、比較例1のも
のに比して、イオン伝導度及び引っ張り強度が共に優れ
ている。特に、低温におけるイオン伝導度が優れてい
る。また、実施例2のものは、ポリエチレンオキシドを
含有しているので、実施例1のものよりも、僅かではあ
るが、引っ張り強度が優れている。
オン伝導性高分子電解質からなる薄膜は、比較例1のも
のに比して、イオン伝導度及び引っ張り強度が共に優れ
ている。特に、低温におけるイオン伝導度が優れてい
る。また、実施例2のものは、ポリエチレンオキシドを
含有しているので、実施例1のものよりも、僅かではあ
るが、引っ張り強度が優れている。
【0044】また、実施例1、2及び比較例1のイオン
伝導性高分子電解質からなる薄膜について、90°折り
曲げ試験及び180°折り曲げ試験を実施して、柔軟性
につき検討した。実施例1、2のものでは、いずれの試
験においても割れを生じなかったが、比較例1のもので
は、いずれの試験においても割れを生じた。
伝導性高分子電解質からなる薄膜について、90°折り
曲げ試験及び180°折り曲げ試験を実施して、柔軟性
につき検討した。実施例1、2のものでは、いずれの試
験においても割れを生じなかったが、比較例1のもので
は、いずれの試験においても割れを生じた。
【0045】更に、比較例1のイオン伝導性高分子電解
質からなる薄膜では、イオン伝導度を測定する際に破損
しやすく、また、引っ張り強度を測定するための均一な
薄膜が得られにくい、などの問題が生じた。そのため、
測定サンプル80セル中、12セルにおいて薄膜の破
損、短絡が生じた。
質からなる薄膜では、イオン伝導度を測定する際に破損
しやすく、また、引っ張り強度を測定するための均一な
薄膜が得られにくい、などの問題が生じた。そのため、
測定サンプル80セル中、12セルにおいて薄膜の破
損、短絡が生じた。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、イオン
伝導性及び機械的特性が共に優れているイオン伝導性高
分子電解質を提供することができる。従って、例えば、
電池のセパレータとして用いる場合において、薄膜化し
ても微短絡が生じるのを防止でき、更には薄膜の大面積
化を図っても微短絡が生じるのを防止できる。
伝導性及び機械的特性が共に優れているイオン伝導性高
分子電解質を提供することができる。従って、例えば、
電池のセパレータとして用いる場合において、薄膜化し
ても微短絡が生じるのを防止でき、更には薄膜の大面積
化を図っても微短絡が生じるのを防止できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−177409(JP,A) 特開 平3−212416(JP,A) 特開 平4−101303(JP,A) 特開 平5−109311(JP,A) 特開 平5−198303(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 299/00 - 299/08 C08F 290/00 - 290/14 H01B 1/06 H01M 4/60 H01M 10/40
Claims (3)
- 【請求項1】 1種以上のイオン性化合物を溶解状態で
含有しており、式(I)、式(II)、及び式(III)で示
される各高分子化合物の内、式(III)の高分子化合物
と、式(I)及び式(II)の少なくとも一方の高分子化
合物とを、混合し重合してなるものであることを特徴と
するイオン伝導性高分子電解質。 【化1】 (R1、R2、R3は、水素、又は炭素数1以上の低級ア
ルキル基であり、m、nは、m≧1、n≧0、n/m=
0〜5の範囲にある整数である) 【化2】 (R4、R5、R6は、水素、又は炭素数1以上の低級ア
ルキル基であり、s、tは、s≧3、t≧0、t/s=
0〜5の範囲にある整数である) 【化3】 (R7、R8は、水素、又は炭素数1以上の低級アルキル
基であり、p1、p2、p3、q1、q2、q3は、p1≧3、p2≧
3、p3≧3、q1≧0、q2≧0、q3≧0、q1/p1=0〜
5、q2/p2=0〜5、q3/p3=0〜5、p1+q1≧10、
p2+q2≧10、p3+q3≧10である整数である) - 【請求項2】 イオン性化合物を溶解可能な有機化合物
を含有している請求項1記載のイオン伝導性高分子電解
質。 - 【請求項3】 エチレンオキシド重合体及びエチレンオ
キシド−プロピレンオキシド重合体の少なくとも一方を
含有している請求項1記載のイオン伝導性高分子電解
質。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01149493A JP3306150B2 (ja) | 1993-01-27 | 1993-01-27 | イオン伝導性高分子電解質 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01149493A JP3306150B2 (ja) | 1993-01-27 | 1993-01-27 | イオン伝導性高分子電解質 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06220147A JPH06220147A (ja) | 1994-08-09 |
JP3306150B2 true JP3306150B2 (ja) | 2002-07-24 |
Family
ID=11779596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01149493A Expired - Fee Related JP3306150B2 (ja) | 1993-01-27 | 1993-01-27 | イオン伝導性高分子電解質 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3306150B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3496287B2 (ja) * | 1994-09-26 | 2004-02-09 | 株式会社ユアサコーポレーション | イオン伝導性高分子化合物を用いた電池 |
EP1158588B1 (en) * | 1999-09-16 | 2008-07-02 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Electrochemical capacitor |
KR100427301B1 (ko) * | 2001-08-30 | 2004-04-14 | 광주과학기술원 | 전기탈이온 공정을 위한 이온전도성 폴리우레탄스페이서의 제조방법 |
US7226549B2 (en) * | 2001-12-10 | 2007-06-05 | Uchicago Argonne, Llc | High cation transport polymer electrolyte |
US7199211B2 (en) * | 2002-06-11 | 2007-04-03 | Basf Aktiengesellschaft | (Meth)acrylic esters of polyalkoxylated trimethylolpropane |
MXPA04011457A (es) * | 2002-06-11 | 2005-02-14 | Basf Ag | Esteres (met)acrilicos de trimetilolpropano polialcoxilado. |
JP4298246B2 (ja) | 2002-09-20 | 2009-07-15 | 日清紡ホールディングス株式会社 | 非水電解質、電気二重層キャパシタおよび非水電解質二次電池 |
-
1993
- 1993-01-27 JP JP01149493A patent/JP3306150B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06220147A (ja) | 1994-08-09 |
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