JP3293526B2 - 液体ガスケットを用いたシール構造 - Google Patents
液体ガスケットを用いたシール構造Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体ガスケットを
用いたシール構造に関し、たとえば内燃機関のミスト状
または液状のオイルの、液体ガスケットを用いたシール
構造に関する。
用いたシール構造に関し、たとえば内燃機関のミスト状
または液状のオイルの、液体ガスケットを用いたシール
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、実開昭60−59897号公報
や、図5に示すように、液体ガスケットを用いたシール
構造においては、剛性不足や熱変形などにより被締結物
に動きが生じる部分の液体ガスケット1を一部厚くする
ことにより、液体ガスケット1をシール面6上で弾性変
形させて、液体ガスケットの切れや剥がれを防止してい
る。液体ガスケットは空気と接触すると硬化していく
が、厚い部分1aの硬化を早めるために、厚い部分の端
部がシール部の内側の空気に曝されるように、塗布、形
成されている。このシール構造は、シール部内側がミス
ト状のオイルが存在するオイル領域2になっているシー
ル部分に適用されることは多く、その場合は厚い部分1
aの端部はオイルミスト3に曝される。
や、図5に示すように、液体ガスケットを用いたシール
構造においては、剛性不足や熱変形などにより被締結物
に動きが生じる部分の液体ガスケット1を一部厚くする
ことにより、液体ガスケット1をシール面6上で弾性変
形させて、液体ガスケットの切れや剥がれを防止してい
る。液体ガスケットは空気と接触すると硬化していく
が、厚い部分1aの硬化を早めるために、厚い部分の端
部がシール部の内側の空気に曝されるように、塗布、形
成されている。このシール構造は、シール部内側がミス
ト状のオイルが存在するオイル領域2になっているシー
ル部分に適用されることは多く、その場合は厚い部分1
aの端部はオイルミスト3に曝される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来構造には
つぎの問題があった。液体ガスケット1の厚肉部1aは
通常の合せ面に塗布された液体ガスケットよりも容量が
多い分硬化速度が遅くその端部に硬化の初期段階でミス
ト状または液状が付着すると、空気の接触が妨げられ
て、硬化速度が更に遅くなる。たとえば、オイルが付着
しない場合は約30分でシール性を有する硬さに硬化す
るものが、オイルの付着によりその硬化に2〜3時間以
上を要するようになる。このような未硬化状態で、前述
のように、シール面6に動きが生じると、液体ガスケッ
ト厚肉部1aのシール面6からの剥がれや厚肉部1a自
体の切れが生じ、オイル洩れを招く。本発明の課題は、
液体ガスケット厚肉部のミスト状または液状のオイルと
の接触を抑制し液体ガスケットの硬化を促進させる、液
体ガスケットを用いたシール構造を提供することであ
る。
つぎの問題があった。液体ガスケット1の厚肉部1aは
通常の合せ面に塗布された液体ガスケットよりも容量が
多い分硬化速度が遅くその端部に硬化の初期段階でミス
ト状または液状が付着すると、空気の接触が妨げられ
て、硬化速度が更に遅くなる。たとえば、オイルが付着
しない場合は約30分でシール性を有する硬さに硬化す
るものが、オイルの付着によりその硬化に2〜3時間以
上を要するようになる。このような未硬化状態で、前述
のように、シール面6に動きが生じると、液体ガスケッ
ト厚肉部1aのシール面6からの剥がれや厚肉部1a自
体の切れが生じ、オイル洩れを招く。本発明の課題は、
液体ガスケット厚肉部のミスト状または液状のオイルと
の接触を抑制し液体ガスケットの硬化を促進させる、液
体ガスケットを用いたシール構造を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明はつぎの通りである。 (1) 2つのシール面の間に厚さを一部厚くして塗
布、形成された液体ガスケットの厚肉部とミスト状また
は液状のオイルが存在するオイル領域との間に、前記2
つのシール面のうち少なくとも一方のシール面を対向す
るシール面から溝状に後退させて空間部を、該空間部と
前記オイル領域との間にシール面が残るように、形成
し、該空間部に前記液体ガスケットの厚肉部の端部を曝
した、液体ガスケットを用いたシール構造。 (2) 前記空間部は、その下端部で前記オイル領域に
開口している(1)記載の液体ガスケットを用いたシー
ル構造。 (3) 前記空間部が、高圧オイル通路のシール面から
洩れたオイルの逃がし溝としても機能している(1)記
載の液体ガスケットを用いたシール構造。
明はつぎの通りである。 (1) 2つのシール面の間に厚さを一部厚くして塗
布、形成された液体ガスケットの厚肉部とミスト状また
は液状のオイルが存在するオイル領域との間に、前記2
つのシール面のうち少なくとも一方のシール面を対向す
るシール面から溝状に後退させて空間部を、該空間部と
前記オイル領域との間にシール面が残るように、形成
し、該空間部に前記液体ガスケットの厚肉部の端部を曝
した、液体ガスケットを用いたシール構造。 (2) 前記空間部は、その下端部で前記オイル領域に
開口している(1)記載の液体ガスケットを用いたシー
ル構造。 (3) 前記空間部が、高圧オイル通路のシール面から
洩れたオイルの逃がし溝としても機能している(1)記
載の液体ガスケットを用いたシール構造。
【0005】上記(1)の液体ガスケットを用いたシー
ル構造では、オイル領域との間にシール面が残された空
間部を設け、この空間部に液体ガスケット厚肉部の端部
を曝したことにより、液体ガスケット厚肉部の端部とオ
イルとの接触が抑制される。その結果、液体ガスケット
厚肉部の端部は空気と接触するようになり、空気と接触
する端部から硬化がはじまって端部から離れる方向に硬
化が進み、液体ガスケット厚肉部全域にわたって硬化が
促進する。 上記(2)の液体ガスケットを用いたシール構造では、
空間部の下端が開口しているので、ミスト状または液状
のオイルがたとえ空間部に侵入して空間部に溜まろうと
しても、下端の開口から流出するので、オイルが空間部
に溜まることはなく、液体ガスケット厚肉部端部が溜ま
ったオイルに接触することはない。 上記(3)の液体ガスケットを用いたシール構造では、
空間部がオイル逃がし溝としても利用されるので、空間
部とオイル逃がし溝を別々に設ける必要がなく、コンパ
クトになる。
ル構造では、オイル領域との間にシール面が残された空
間部を設け、この空間部に液体ガスケット厚肉部の端部
を曝したことにより、液体ガスケット厚肉部の端部とオ
イルとの接触が抑制される。その結果、液体ガスケット
厚肉部の端部は空気と接触するようになり、空気と接触
する端部から硬化がはじまって端部から離れる方向に硬
化が進み、液体ガスケット厚肉部全域にわたって硬化が
促進する。 上記(2)の液体ガスケットを用いたシール構造では、
空間部の下端が開口しているので、ミスト状または液状
のオイルがたとえ空間部に侵入して空間部に溜まろうと
しても、下端の開口から流出するので、オイルが空間部
に溜まることはなく、液体ガスケット厚肉部端部が溜ま
ったオイルに接触することはない。 上記(3)の液体ガスケットを用いたシール構造では、
空間部がオイル逃がし溝としても利用されるので、空間
部とオイル逃がし溝を別々に設ける必要がなく、コンパ
クトになる。
【0006】
【発明の実施の形態】図1、図2は本発明の第1実施例
を示し、図3、図4は本発明の第2実施例を示してい
る。両実施例に共通または類似する構成部分には、両実
施例にわたって同じ符号を付してある。まず、本発明の
いずれの実施例にも共通または類似する構成部分を、た
とえば図1、図2を参照して説明する。
を示し、図3、図4は本発明の第2実施例を示してい
る。両実施例に共通または類似する構成部分には、両実
施例にわたって同じ符号を付してある。まず、本発明の
いずれの実施例にも共通または類似する構成部分を、た
とえば図1、図2を参照して説明する。
【0007】本発明のいずれの実施例においても、液体
ガスケットを用いたシール構造は、厚さを一部厚くされ
た液体ガスケット1の厚肉部1aとミスト状または液状
のオイルが存在するオイル領域2との間にオイル3の侵
入が抑制された空間部4を形成し、この空間部4に液体
ガスケット1の厚肉部1aの端部1bを曝した構造から
なる。液体ガスケット1の厚肉部1aの端部1bにはみ
出し部1cがある場合、厚肉部1aの端部1bははみ出
し部1cを介して空間部4に曝されている。図1の位置
a、b、c、c´、d、eと図2の位置a、b、c、c
´、d、eは対応しており、cとc´の間の部分がはみ
出し部1cである。
ガスケットを用いたシール構造は、厚さを一部厚くされ
た液体ガスケット1の厚肉部1aとミスト状または液状
のオイルが存在するオイル領域2との間にオイル3の侵
入が抑制された空間部4を形成し、この空間部4に液体
ガスケット1の厚肉部1aの端部1bを曝した構造から
なる。液体ガスケット1の厚肉部1aの端部1bにはみ
出し部1cがある場合、厚肉部1aの端部1bははみ出
し部1cを介して空間部4に曝されている。図1の位置
a、b、c、c´、d、eと図2の位置a、b、c、c
´、d、eは対応しており、cとc´の間の部分がはみ
出し部1cである。
【0008】シール面6は、2つの対向するシール面6
a、6bからなり、シール面6a、6bのほぼ全域に
(液体ガスケット1の厚肉部1aに対応していない部分
も含めて、すなわち位置eとdとの間の部分などに
も)、液体ガスケット1が塗布され、シール面6a、6
b間に液体ガスケット1の層が形成される。2つのシー
ル面6a、6bの少なくとも一方を段付き状に対向する
面から後退させることにより、後退させた部分(位置c
とdの間の部分)の液体ガスケット1の厚さが厚くな
り、厚肉部1aが形成される。
a、6bからなり、シール面6a、6bのほぼ全域に
(液体ガスケット1の厚肉部1aに対応していない部分
も含めて、すなわち位置eとdとの間の部分などに
も)、液体ガスケット1が塗布され、シール面6a、6
b間に液体ガスケット1の層が形成される。2つのシー
ル面6a、6bの少なくとも一方を段付き状に対向する
面から後退させることにより、後退させた部分(位置c
とdの間の部分)の液体ガスケット1の厚さが厚くな
り、厚肉部1aが形成される。
【0009】シール面6a、6bのうち少なくとも一方
のシール面には、液体ガスケット1の厚肉部1aとオイ
ル領域2との間の部分に、対向する面から後退するよう
に凹まされた溝状の空間部4が形成されている。空間部
4とオイル領域2との間(位置aとbとの間の部分)に
はシール面6が残されていて、オイル領域2からのミス
ト状または液状のオイル3が空間部4に入ることが抑制
されている。空間部4はその下端部でオイル領域2に開
口しており、したがって空間部4の下端部に対応させて
空間部4とオイル領域2を連通する開口5が形成されて
おり、空間部4にたとえオイルが溜まっても容易にオイ
ル領域2に自重で流れ出すようになっている。
のシール面には、液体ガスケット1の厚肉部1aとオイ
ル領域2との間の部分に、対向する面から後退するよう
に凹まされた溝状の空間部4が形成されている。空間部
4とオイル領域2との間(位置aとbとの間の部分)に
はシール面6が残されていて、オイル領域2からのミス
ト状または液状のオイル3が空間部4に入ることが抑制
されている。空間部4はその下端部でオイル領域2に開
口しており、したがって空間部4の下端部に対応させて
空間部4とオイル領域2を連通する開口5が形成されて
おり、空間部4にたとえオイルが溜まっても容易にオイ
ル領域2に自重で流れ出すようになっている。
【0010】つぎに、上記の共通構成部分の作用を説明
する。上記液体ガスケットを用いたシール構造では、ミ
スト状または液状のオイルの侵入が抑制された空間部4
を設け、この空間部4に液体ガスケット厚肉部1aの端
部1bを直接またははみ出し部1cを介して曝したこと
により、液体ガスケット厚肉部1aの端部とオイル(ミ
スト状または液状)との接触が抑制される。その結果、
液体ガスケット厚肉部1aの端部1bはオイルで遮断さ
れることなく空気と接触するようになり、空気と接触す
る端部1bから硬化がはじまって端部から離れる方向
(位置cからdついでeの方向)に硬化が進み、液体ガ
スケット厚肉部全域にわたって硬化が促進する。
する。上記液体ガスケットを用いたシール構造では、ミ
スト状または液状のオイルの侵入が抑制された空間部4
を設け、この空間部4に液体ガスケット厚肉部1aの端
部1bを直接またははみ出し部1cを介して曝したこと
により、液体ガスケット厚肉部1aの端部とオイル(ミ
スト状または液状)との接触が抑制される。その結果、
液体ガスケット厚肉部1aの端部1bはオイルで遮断さ
れることなく空気と接触するようになり、空気と接触す
る端部1bから硬化がはじまって端部から離れる方向
(位置cからdついでeの方向)に硬化が進み、液体ガ
スケット厚肉部全域にわたって硬化が促進する。
【0011】また、上記液体ガスケットを用いたシール
構造では、空間部4の下端が開口しているので、ミスト
状または液状のオイルがたとえ空間部4に侵入して空間
部に溜まろうとしても、下端の開口5から流出するの
で、オイルが空間部4に溜まることはなく、液体ガスケ
ット厚肉部端部1bが溜まったオイルに接触することは
ない。
構造では、空間部4の下端が開口しているので、ミスト
状または液状のオイルがたとえ空間部4に侵入して空間
部に溜まろうとしても、下端の開口5から流出するの
で、オイルが空間部4に溜まることはなく、液体ガスケ
ット厚肉部端部1bが溜まったオイルに接触することは
ない。
【0012】つぎに、本発明の各実施例に特有な構成、
作用を説明する。本発明の第1実施例では、図1、図2
に示すように、液体ガスケットを用いたシール構造が、
内燃機関のシリンダブロック11とシリンダヘッド12
とのアッセンブリと、チェーンケース13との間のシー
ル面6(3部材の合わせ面近傍)に対して適用されてお
り、シール部より内側はオイルミストが充満しているオ
イル領域2となっている。図1に示すように、ヘッド1
2とブロック11に上下方向に延びる段付きシール面を
形成しておき、そこにシール面6全域に液体ガスケット
1を塗布し、段付き後退部を液体ガスケット1の厚肉部
1aとしてある。厚肉部1aより内側には上下方向に延
びる空間部4が形成され、その下端には内側のオイル領
域2に開口する開口5が形成されている。この液体ガス
ケット塗布面に、図2に示すようにチェーンケース13
が装着され、シリンダブロック11とシリンダヘッド1
2とのアッセンブリと、チェーンケース13との間がシ
ールされる。空間部4と内側のオイル領域2との間には
シール面6のa〜bの部分(この部分は液体ガスケット
が塗布されていてもよいし、塗布されていなくてもよ
い)が存在している。
作用を説明する。本発明の第1実施例では、図1、図2
に示すように、液体ガスケットを用いたシール構造が、
内燃機関のシリンダブロック11とシリンダヘッド12
とのアッセンブリと、チェーンケース13との間のシー
ル面6(3部材の合わせ面近傍)に対して適用されてお
り、シール部より内側はオイルミストが充満しているオ
イル領域2となっている。図1に示すように、ヘッド1
2とブロック11に上下方向に延びる段付きシール面を
形成しておき、そこにシール面6全域に液体ガスケット
1を塗布し、段付き後退部を液体ガスケット1の厚肉部
1aとしてある。厚肉部1aより内側には上下方向に延
びる空間部4が形成され、その下端には内側のオイル領
域2に開口する開口5が形成されている。この液体ガス
ケット塗布面に、図2に示すようにチェーンケース13
が装着され、シリンダブロック11とシリンダヘッド1
2とのアッセンブリと、チェーンケース13との間がシ
ールされる。空間部4と内側のオイル領域2との間には
シール面6のa〜bの部分(この部分は液体ガスケット
が塗布されていてもよいし、塗布されていなくてもよ
い)が存在している。
【0013】第1実施例の作用については、上記構成に
より、空間部4にはオイル3が入りにくく(入る場合は
開口5を通してのみ)、たとえ入ったとしても下端の開
口5から容易に流出する。したがって、空間部4はオイ
ルミストが無いかほとんど無い状態となっており、液体
ガスケット1の厚肉部1aの端部1bは空気により容易
に硬化していき、その速度も早い(たとえば、約30分
でc´〜eまで硬化する)。したがって、エンジンが組
立てラインで液体ガスケットを塗布されて組立られた
後、運転試験にまわされて試験されるまでの時間の間
(30分以上はある)に、液体ガスケット1は厚肉部1
aも含み全域がシール性を有する硬さに硬化され、運転
試験においてシール面6が動いてシール部が破壊される
という問題は生じない。
より、空間部4にはオイル3が入りにくく(入る場合は
開口5を通してのみ)、たとえ入ったとしても下端の開
口5から容易に流出する。したがって、空間部4はオイ
ルミストが無いかほとんど無い状態となっており、液体
ガスケット1の厚肉部1aの端部1bは空気により容易
に硬化していき、その速度も早い(たとえば、約30分
でc´〜eまで硬化する)。したがって、エンジンが組
立てラインで液体ガスケットを塗布されて組立られた
後、運転試験にまわされて試験されるまでの時間の間
(30分以上はある)に、液体ガスケット1は厚肉部1
aも含み全域がシール性を有する硬さに硬化され、運転
試験においてシール面6が動いてシール部が破壊される
という問題は生じない。
【0014】本発明の第2実施例では、図3、図4に示
すように、液体ガスケットを用いたシール構造が、高圧
オイル通路7近傍の、内燃機関のシリンダブロック11
(またはシリンダヘッド12)とチェーンケース13と
の間のシール面6に対して適用された場合を示してお
り、高圧オイル通路7の中はポンプで圧力を高められた
高圧の液状オイルが充満したオイル領域2となってい
る。図3に示すように、高圧オイル通路7は水平に延び
ている。図4に示すように、ブロック11(ヘッド12
でもよい)には水平方向に延びる段付きシール面を形成
しておき、そこにシール面6のほぼ全域に液体ガスケッ
ト1を塗布し、段付き後退部を液体ガスケット1の厚肉
部1aとしてある。厚肉部1aより内側には上下方向に
湾曲して延びる空間部4が形成され、その下端には図3
に示すように内側に開口する開口5が形成されている。
この液体ガスケット塗布面に、図4に示すようにチェー
ンケース13が装着され、シリンダブロック11または
シリンダヘッド12と、チェーンケース13との間がシ
ールされる。また、高圧オイル通路7と空間部4との間
のシール面部分には液体ガスケットを塗布しても塗布し
なくてもよい。高圧オイル通路7から洩れた微量のオイ
ルが空間部4に到達すると、オイルは空間部4内を重力
で下方に流れ開口5から流出する。すなわち、空間部4
は高圧オイル通路7から洩れた微量のオイルの逃がし溝
としても機能している。
すように、液体ガスケットを用いたシール構造が、高圧
オイル通路7近傍の、内燃機関のシリンダブロック11
(またはシリンダヘッド12)とチェーンケース13と
の間のシール面6に対して適用された場合を示してお
り、高圧オイル通路7の中はポンプで圧力を高められた
高圧の液状オイルが充満したオイル領域2となってい
る。図3に示すように、高圧オイル通路7は水平に延び
ている。図4に示すように、ブロック11(ヘッド12
でもよい)には水平方向に延びる段付きシール面を形成
しておき、そこにシール面6のほぼ全域に液体ガスケッ
ト1を塗布し、段付き後退部を液体ガスケット1の厚肉
部1aとしてある。厚肉部1aより内側には上下方向に
湾曲して延びる空間部4が形成され、その下端には図3
に示すように内側に開口する開口5が形成されている。
この液体ガスケット塗布面に、図4に示すようにチェー
ンケース13が装着され、シリンダブロック11または
シリンダヘッド12と、チェーンケース13との間がシ
ールされる。また、高圧オイル通路7と空間部4との間
のシール面部分には液体ガスケットを塗布しても塗布し
なくてもよい。高圧オイル通路7から洩れた微量のオイ
ルが空間部4に到達すると、オイルは空間部4内を重力
で下方に流れ開口5から流出する。すなわち、空間部4
は高圧オイル通路7から洩れた微量のオイルの逃がし溝
としても機能している。
【0015】第2実施例の作用については、上記構成に
より、空間部4にはオイル3が入りにくく(入る場合は
開口5を通してのみ)、たとえ入ったとしても下端の開
口5から容易に流出する。したがって、空間部4はオイ
ルミストが無いかほとんど無い状態となっており、液体
ガスケット1の厚肉部1aの端部1bは空気により容易
に硬化していき、その速度も早い。したがって、エンジ
ンが組立てラインで液体ガスケットを塗布されて組立ら
れた後、運転試験にまわされて試験されるまでの時間の
間(30分以上はある)に、液体ガスケット1は厚肉部
1aも含み全域が硬化され、運転試験においてシール面
6が動いてシール部が破壊されるという問題は生じな
い。また、高圧オイル通路7からオイルが空間部4に洩
れても、その量は微量であり、液体ガスケット1の厚肉
部1aの端部1bを濡らすことはない。したがって、液
体ガスケット1の硬化を遅らせることはない。
より、空間部4にはオイル3が入りにくく(入る場合は
開口5を通してのみ)、たとえ入ったとしても下端の開
口5から容易に流出する。したがって、空間部4はオイ
ルミストが無いかほとんど無い状態となっており、液体
ガスケット1の厚肉部1aの端部1bは空気により容易
に硬化していき、その速度も早い。したがって、エンジ
ンが組立てラインで液体ガスケットを塗布されて組立ら
れた後、運転試験にまわされて試験されるまでの時間の
間(30分以上はある)に、液体ガスケット1は厚肉部
1aも含み全域が硬化され、運転試験においてシール面
6が動いてシール部が破壊されるという問題は生じな
い。また、高圧オイル通路7からオイルが空間部4に洩
れても、その量は微量であり、液体ガスケット1の厚肉
部1aの端部1bを濡らすことはない。したがって、液
体ガスケット1の硬化を遅らせることはない。
【0016】
【発明の効果】請求項1の液体ガスケットを用いたシー
ル構造によれば、オイル領域との間にシール面が残され
た空間部を設け、この空間部に液体ガスケット厚肉部の
端部を曝したことにより、液体ガスケット厚肉部の端部
とオイルとの接触が抑制される。その結果、液体ガスケ
ット厚肉部の端部は空気と接触するようになり、液体ガ
スケット厚肉部を含み液体ガスケット全域にわたって硬
化を促進させることができる。請求項2の液体ガスケッ
トを用いたシール構造によれば、空間部の下端を開口さ
せたので、ミスト状または液状のオイルがたとえ空間部
に侵入して空間部に溜まろうとしても、下端の開口から
流出するので、オイルが空間部に溜まることはなく、液
体ガスケット厚肉部端部が溜まったオイルに接触するこ
とがなく、良好な硬化を維持することができる。請求項
3の液体ガスケットを用いたシール構造によれば、空間
部がオイル逃がし溝として利用できるので、空間部とオ
イル逃がし溝を別々に設ける必要がなく、シール面構造
のうち高圧オイル通路まわりの構造をコンパクト化でき
る。
ル構造によれば、オイル領域との間にシール面が残され
た空間部を設け、この空間部に液体ガスケット厚肉部の
端部を曝したことにより、液体ガスケット厚肉部の端部
とオイルとの接触が抑制される。その結果、液体ガスケ
ット厚肉部の端部は空気と接触するようになり、液体ガ
スケット厚肉部を含み液体ガスケット全域にわたって硬
化を促進させることができる。請求項2の液体ガスケッ
トを用いたシール構造によれば、空間部の下端を開口さ
せたので、ミスト状または液状のオイルがたとえ空間部
に侵入して空間部に溜まろうとしても、下端の開口から
流出するので、オイルが空間部に溜まることはなく、液
体ガスケット厚肉部端部が溜まったオイルに接触するこ
とがなく、良好な硬化を維持することができる。請求項
3の液体ガスケットを用いたシール構造によれば、空間
部がオイル逃がし溝として利用できるので、空間部とオ
イル逃がし溝を別々に設ける必要がなく、シール面構造
のうち高圧オイル通路まわりの構造をコンパクト化でき
る。
【図1】図1は本発明の第1実施例の液体ガスケットを
用いたシール構造の正面図である。
用いたシール構造の正面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1は本発明の第2実施例の液体ガスケットを
用いたシール構造の正面図である。
用いたシール構造の正面図である。
【図4】図3のB−B線に沿う断面図である。
【図5】従来の液体ガスケットを用いたシール構造の断
面図である。
面図である。
1 液体ガスケット 1a 厚肉部 1b 厚肉部の端部 1c はみ出し部 2 オイル領域 3 オイル 4 空間部 5 空間部の開口 6、6a、6b シール面 7 オイル通路 11 シリンダブロック 12 シリンダヘッド 13 チェーンケース
Claims (3)
- 【請求項1】 2つのシール面の間に厚さを一部厚くし
て塗布、形成された液体ガスケットの厚肉部とミスト状
または液状のオイルが存在するオイル領域との間に、前
記2つのシール面のうち少なくとも一方のシール面を対
向するシール面から溝状に後退させて空間部を、該空間
部と前記オイル領域との間にシール面が残るように、形
成し、該空間部に前記液体ガスケットの厚肉部の端部を
曝した、液体ガスケットを用いたシール構造。 - 【請求項2】 前記空間部は、その下端部で前記オイル
領域に開口している請求項1記載の液体ガスケットを用
いたシール構造。 - 【請求項3】 前記空間部が、高圧オイル通路のシール
面から洩れたオイルの逃がし溝としても機能している請
求項1記載の液体ガスケットを用いたシール構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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