JP3289309B2 - シート状拭き布及びその製造方法 - Google Patents
シート状拭き布及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、使い捨て手拭き,ウエ
ットティシュ,ワイパー,使い捨て雑巾等として使用さ
れるシート状拭き布及びその製造方法に関するものであ
る。
ットティシュ,ワイパー,使い捨て雑巾等として使用さ
れるシート状拭き布及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、使い捨て手拭き等の拭き布と
して、パルプ繊維を嵩高に集積してなる乾式パルプシー
トに、水や薬剤等をしみこませたものが使用されてい
る。しかし、乾式パルプシートは、水や薬剤等をしみこ
ませた後の濡れ強度が低く、使用中に破れやすいという
欠点があった。
して、パルプ繊維を嵩高に集積してなる乾式パルプシー
トに、水や薬剤等をしみこませたものが使用されてい
る。しかし、乾式パルプシートは、水や薬剤等をしみこ
ませた後の濡れ強度が低く、使用中に破れやすいという
欠点があった。
【0003】一方、親水性繊維であるレーヨン繊維を集
積した後、レーヨン繊維相互間をゴム系結合剤で結合し
た不織布に、水等をしみこませたものも使用されてい
る。この拭き布は、レーヨン繊維相互間が結合されてい
るので、高い濡れ強度を示すものである。しかし、拭き
布にゴム系結合剤が含有されているため、異臭がすると
いう欠点があった。また、ゴム系結合剤のざらざらとし
た手触りのため、拭き布の使用感が悪いという欠点もあ
った。このため、ゴム系結合剤を使用せずに、レーヨン
繊維相互間を絡合させた不織布を使用するという試みも
行なわれている。レーヨン繊維相互間の絡合には、レー
ヨン繊維が集積されたウェブに水柱流を施すことが考え
られる。しかしながら、水柱流による絡合を十分に付与
するためには、レーヨン繊維の集積量が多くなければな
らないということがあった。即ち、レーヨン繊維の集積
量の少ないウェブは、レーヨン繊維相互間に比較的大き
な間隙が形成されており、水柱流を施しても、その水柱
流はレーヨン繊維に衝突せずに、その間隙を通して容易
にウェブをすりぬけるのである。即ち、レーヨン繊維に
運動エネルギーを十分に与えないため、レーヨン繊維が
十分に運動せず、その結果レーヨン繊維相互間が絡合し
ないのである。
積した後、レーヨン繊維相互間をゴム系結合剤で結合し
た不織布に、水等をしみこませたものも使用されてい
る。この拭き布は、レーヨン繊維相互間が結合されてい
るので、高い濡れ強度を示すものである。しかし、拭き
布にゴム系結合剤が含有されているため、異臭がすると
いう欠点があった。また、ゴム系結合剤のざらざらとし
た手触りのため、拭き布の使用感が悪いという欠点もあ
った。このため、ゴム系結合剤を使用せずに、レーヨン
繊維相互間を絡合させた不織布を使用するという試みも
行なわれている。レーヨン繊維相互間の絡合には、レー
ヨン繊維が集積されたウェブに水柱流を施すことが考え
られる。しかしながら、水柱流による絡合を十分に付与
するためには、レーヨン繊維の集積量が多くなければな
らないということがあった。即ち、レーヨン繊維の集積
量の少ないウェブは、レーヨン繊維相互間に比較的大き
な間隙が形成されており、水柱流を施しても、その水柱
流はレーヨン繊維に衝突せずに、その間隙を通して容易
にウェブをすりぬけるのである。即ち、レーヨン繊維に
運動エネルギーを十分に与えないため、レーヨン繊維が
十分に運動せず、その結果レーヨン繊維相互間が絡合し
ないのである。
【0004】従って、レーヨン繊維相互間を十分に絡合
させようとすると、レーヨン繊維の集積量を多くして、
レーヨン繊維相互間に形成される繊維間隙を小さくする
必要があるのである。しかし、レーヨン繊維の集積量を
多くすると、得られる拭き布の厚みが厚くなり、手触り
感が悪化するばかりでなく、コストの大幅な上昇の原因
になるという欠点があった。また、拭き布として使用す
る場合において、以下に示すような致命的な欠点を惹起
するということがあった。即ち、拭き布には、その使用
後において、塵埃が付着しているのであるが、この塵埃
はレーヨン繊維相互間の繊維間隙内に捕捉されている。
従って、レーヨン繊維相互間の繊維間隙が小さくなる
と、拭き布を水洗しても、この塵埃を除去しにくいとい
うことがあった。即ち、拭き布を水洗して再使用に供す
ることが困難になるという欠点があったのである。
させようとすると、レーヨン繊維の集積量を多くして、
レーヨン繊維相互間に形成される繊維間隙を小さくする
必要があるのである。しかし、レーヨン繊維の集積量を
多くすると、得られる拭き布の厚みが厚くなり、手触り
感が悪化するばかりでなく、コストの大幅な上昇の原因
になるという欠点があった。また、拭き布として使用す
る場合において、以下に示すような致命的な欠点を惹起
するということがあった。即ち、拭き布には、その使用
後において、塵埃が付着しているのであるが、この塵埃
はレーヨン繊維相互間の繊維間隙内に捕捉されている。
従って、レーヨン繊維相互間の繊維間隙が小さくなる
と、拭き布を水洗しても、この塵埃を除去しにくいとい
うことがあった。即ち、拭き布を水洗して再使用に供す
ることが困難になるという欠点があったのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このため、本件出願人
はレーヨン繊維等の集積量が少なくとも、水柱流による
絡合が可能となる技術を検討した。その結果、レーヨン
繊維等が集積されてなるウェブにおいて、レーヨン繊維
相互間の比較的大きな間隙を塞いでおくことが有効であ
ることに想い到り、特願平3-204875号に係る発明を提案
した。この発明は、レーヨン長繊維等の長繊維が集積さ
れてなるウェブの表面に薄葉紙を積層して、高圧水柱流
を施すことを特徴とする拭き布の製造方法に関するもの
である。この方法によって、薄葉紙を構成するパルプ繊
維と長繊維とが良く絡合し、更にパルプ繊維を介して長
繊維相互間も良く絡合し、吸水性が良好で、且つ湿潤強
度の高い拭き布が得られるのである。
はレーヨン繊維等の集積量が少なくとも、水柱流による
絡合が可能となる技術を検討した。その結果、レーヨン
繊維等が集積されてなるウェブにおいて、レーヨン繊維
相互間の比較的大きな間隙を塞いでおくことが有効であ
ることに想い到り、特願平3-204875号に係る発明を提案
した。この発明は、レーヨン長繊維等の長繊維が集積さ
れてなるウェブの表面に薄葉紙を積層して、高圧水柱流
を施すことを特徴とする拭き布の製造方法に関するもの
である。この方法によって、薄葉紙を構成するパルプ繊
維と長繊維とが良く絡合し、更にパルプ繊維を介して長
繊維相互間も良く絡合し、吸水性が良好で、且つ湿潤強
度の高い拭き布が得られるのである。
【0006】そして、水柱流を施す際において、長繊維
ウェブと薄葉紙との積層体を載置する材料として多孔性
の支持体を使用することにより、或いは水柱流を施した
後に機械的手段を施すことにより、得られる拭き布に、
特定の開孔を設け、拭き布の使用後における水洗時に、
この開孔を通して良好に水が流通し、繊維間隙に捕捉さ
れた塵埃が、水洗によって容易に除去せられ、もって繰
り返し再使用するのに適した拭き布を提供しようとする
ものである。また、拭き布を水や薬品に濡らして強く擦
った場合、前記の微小な開孔部分のひっかき効果、即ち
物理的な汚れ除去効果を発現させ、開孔の無い拭き布で
は落ちにくい汚れを容易に落とすことを可能ならしめよ
うとするものである。これは、拭き布が濡れた状態でも
優れた強度を有するため、強く擦っても破れないこと
と、拭き布の表面に微小な開孔部分が存在することによ
って、初めて可能となる。また、この微小な多数の開孔
部分によって、ガーゼ調の美しい外観又は風合を有し、
柔軟性をも併せ持たそうというものである。
ウェブと薄葉紙との積層体を載置する材料として多孔性
の支持体を使用することにより、或いは水柱流を施した
後に機械的手段を施すことにより、得られる拭き布に、
特定の開孔を設け、拭き布の使用後における水洗時に、
この開孔を通して良好に水が流通し、繊維間隙に捕捉さ
れた塵埃が、水洗によって容易に除去せられ、もって繰
り返し再使用するのに適した拭き布を提供しようとする
ものである。また、拭き布を水や薬品に濡らして強く擦
った場合、前記の微小な開孔部分のひっかき効果、即ち
物理的な汚れ除去効果を発現させ、開孔の無い拭き布で
は落ちにくい汚れを容易に落とすことを可能ならしめよ
うとするものである。これは、拭き布が濡れた状態でも
優れた強度を有するため、強く擦っても破れないこと
と、拭き布の表面に微小な開孔部分が存在することによ
って、初めて可能となる。また、この微小な多数の開孔
部分によって、ガーゼ調の美しい外観又は風合を有し、
柔軟性をも併せ持たそうというものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、多数の
長繊維とパルプ繊維とが集積されてなるシート(但し、
ステープル繊維を含まない。)であって、該長繊維と該
パルプ繊維とは相互に絡み合っていると共に、該長繊維
と該パルプ繊維の両者は、該シート内において偏在せし
められることにより、実質的に該長繊維と該パルプ繊維
とが存在しない開孔を多数持ち、一個の開孔の面積は
0.01〜4mm2であり、且つ開孔の数は1cm2当た
り6〜600個であることを特徴とするシート状拭き布
及びその製造方法に関するものである。
長繊維とパルプ繊維とが集積されてなるシート(但し、
ステープル繊維を含まない。)であって、該長繊維と該
パルプ繊維とは相互に絡み合っていると共に、該長繊維
と該パルプ繊維の両者は、該シート内において偏在せし
められることにより、実質的に該長繊維と該パルプ繊維
とが存在しない開孔を多数持ち、一個の開孔の面積は
0.01〜4mm2であり、且つ開孔の数は1cm2当た
り6〜600個であることを特徴とするシート状拭き布
及びその製造方法に関するものである。
【0008】本発明に係るシート状拭き布は、多数の長
繊維と多数のパルプ繊維とが集積されてなるものであ
る。長繊維としては、従来公知のものであれば、任意に
使用することができる。例えば、レーヨン長繊維,ナイ
ロン等のポリアミド系長繊維,ポリアクリル酸エステル
系長繊維,ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレ
フィン系長繊維,ポリエチレンテレフタレート等のポリ
エステル系長繊維等を、単独で又は混合して使用するこ
とができる。本発明において、長繊維を使用する理由
は、長繊維は、短繊維よりも、繊維間が絡合している場
合、引張強度や形態安定性に優れているからである。ま
た、長繊維の繊度は、1〜4デニールであるのが好まし
い。長繊維の繊度が4デニールを超えると、長繊維の曲
げ剛性が高くなって、拭き布として使用した場合の使用
感が低下する傾向が生じる。逆に、長繊維の繊度が1デ
ニール未満になると、長繊維の製造条件等が厳密になっ
て、長繊維を高速度で製造しにくくなり、現実的ではな
い。
繊維と多数のパルプ繊維とが集積されてなるものであ
る。長繊維としては、従来公知のものであれば、任意に
使用することができる。例えば、レーヨン長繊維,ナイ
ロン等のポリアミド系長繊維,ポリアクリル酸エステル
系長繊維,ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレ
フィン系長繊維,ポリエチレンテレフタレート等のポリ
エステル系長繊維等を、単独で又は混合して使用するこ
とができる。本発明において、長繊維を使用する理由
は、長繊維は、短繊維よりも、繊維間が絡合している場
合、引張強度や形態安定性に優れているからである。ま
た、長繊維の繊度は、1〜4デニールであるのが好まし
い。長繊維の繊度が4デニールを超えると、長繊維の曲
げ剛性が高くなって、拭き布として使用した場合の使用
感が低下する傾向が生じる。逆に、長繊維の繊度が1デ
ニール未満になると、長繊維の製造条件等が厳密になっ
て、長繊維を高速度で製造しにくくなり、現実的ではな
い。
【0009】本発明において使用するパルプ繊維として
は、従来公知のパルプ繊維を任意に使用することができ
る。例えば、針葉樹及び広葉樹木材をクラフト法,サル
ファイト法,ソーダ法,ポリサルファイド法等で蒸解さ
れた未晒パルプ若しくは晒パルプ、又はグランドパル
プ,サーモメカニカルパルプ等の機械パルプを、単独で
又は混合して使用することができる。
は、従来公知のパルプ繊維を任意に使用することができ
る。例えば、針葉樹及び広葉樹木材をクラフト法,サル
ファイト法,ソーダ法,ポリサルファイド法等で蒸解さ
れた未晒パルプ若しくは晒パルプ、又はグランドパル
プ,サーモメカニカルパルプ等の機械パルプを、単独で
又は混合して使用することができる。
【0010】長繊維とパルプ繊維とを絡み合わせるに
は、長繊維が集積されてなる長繊維ウェブと、パルプ繊
維が集積されてなる紙シートとを積層した積層体に、水
柱流を施すことによって行なわれる。長繊維ウェブとし
ては、坪量が5〜30g/m2のものを使用するのが好まし
い。長繊維ウェブの坪量が30g/m2を超えると、紙シ
ートと長繊維ウェブとの積層物に、紙シートから長繊維
ウェブ側に向けて水柱流を施しても、紙シートを構成す
るパルプ繊維が、長繊維ウェブの裏面(紙シートと当接
していない面)に移動しにくくなり、得られる拭き布の
片面にのみパルプ繊維が偏在した状態となって、パルプ
繊維の少ない面における吸水性が低下する傾向が生じ
る。逆に、長繊維ウェブの坪量が5g/m2未満になる
と、長繊維ウェブの形態安定性が低下し、得られる拭き
布の湿潤強度が低下する傾向が生じる。更に、長繊維相
互間の間隙が大きくなって、高圧水柱流を施したとき
に、その間隙からパルプ繊維が流出してしまい、パルプ
繊維の有効利用を阻害する傾向が生じる。なお、本発明
において使用する長繊維ウェブは、長繊維相互間が自己
融着した、いわゆる長繊維不織布であってもよいし、ま
た長繊維相互間が結合していないフリース状の長繊維フ
リースであってもよい。特に、前者の長繊維不織布のう
ちでも、長繊維相互間が自己融着した点融着区域が、散
点状に多数配置されたものを使用するのが好ましい。こ
の理由は、長繊維相互間が自己融着している点融着区域
を持つため、形態安定性に優れると共に、点融着区域以
外の区域においては長繊維相互間が自己融着されておら
ず、自由な状態で集積されているため、柔軟性に優れ、
且つパルプ繊維と良好に絡合しやすいからである。
は、長繊維が集積されてなる長繊維ウェブと、パルプ繊
維が集積されてなる紙シートとを積層した積層体に、水
柱流を施すことによって行なわれる。長繊維ウェブとし
ては、坪量が5〜30g/m2のものを使用するのが好まし
い。長繊維ウェブの坪量が30g/m2を超えると、紙シ
ートと長繊維ウェブとの積層物に、紙シートから長繊維
ウェブ側に向けて水柱流を施しても、紙シートを構成す
るパルプ繊維が、長繊維ウェブの裏面(紙シートと当接
していない面)に移動しにくくなり、得られる拭き布の
片面にのみパルプ繊維が偏在した状態となって、パルプ
繊維の少ない面における吸水性が低下する傾向が生じ
る。逆に、長繊維ウェブの坪量が5g/m2未満になる
と、長繊維ウェブの形態安定性が低下し、得られる拭き
布の湿潤強度が低下する傾向が生じる。更に、長繊維相
互間の間隙が大きくなって、高圧水柱流を施したとき
に、その間隙からパルプ繊維が流出してしまい、パルプ
繊維の有効利用を阻害する傾向が生じる。なお、本発明
において使用する長繊維ウェブは、長繊維相互間が自己
融着した、いわゆる長繊維不織布であってもよいし、ま
た長繊維相互間が結合していないフリース状の長繊維フ
リースであってもよい。特に、前者の長繊維不織布のう
ちでも、長繊維相互間が自己融着した点融着区域が、散
点状に多数配置されたものを使用するのが好ましい。こ
の理由は、長繊維相互間が自己融着している点融着区域
を持つため、形態安定性に優れると共に、点融着区域以
外の区域においては長繊維相互間が自己融着されておら
ず、自由な状態で集積されているため、柔軟性に優れ、
且つパルプ繊維と良好に絡合しやすいからである。
【0011】また、パルプ繊維が集積されてなる紙シー
トの坪量は、JIS P 8124に示された方法で測
定して、10〜100g/m2程度が好ましい。紙シー
トの坪量が10g/m2未満であると、パルプ繊維の絶
対量が少なく、得られる拭き布に十分な吸水性や保水性
を与えにくくなるという傾向が生じる。逆に、紙シート
の坪量が100g/m2を超えると、パルプ繊維の絶対
量が多すぎて、紙シートに水柱流を施しても、一個一個
のパルプ繊維に長繊維と絡合しうる程度の運動量を与え
にくくなる傾向が生じる。更に、パルプ繊維の絶対量が
多すぎて、得られる拭き布の柔軟性が低下する傾向が生
じる。また、水柱流と織物製の多孔性支持体とを用い
て、得られた拭き布に開孔を生じさせる場合において、
紙シートの坪量があまりにも重いと、開孔が生じにくく
なる傾向が生じる。
トの坪量は、JIS P 8124に示された方法で測
定して、10〜100g/m2程度が好ましい。紙シー
トの坪量が10g/m2未満であると、パルプ繊維の絶
対量が少なく、得られる拭き布に十分な吸水性や保水性
を与えにくくなるという傾向が生じる。逆に、紙シート
の坪量が100g/m2を超えると、パルプ繊維の絶対
量が多すぎて、紙シートに水柱流を施しても、一個一個
のパルプ繊維に長繊維と絡合しうる程度の運動量を与え
にくくなる傾向が生じる。更に、パルプ繊維の絶対量が
多すぎて、得られる拭き布の柔軟性が低下する傾向が生
じる。また、水柱流と織物製の多孔性支持体とを用い
て、得られた拭き布に開孔を生じさせる場合において、
紙シートの坪量があまりにも重いと、開孔が生じにくく
なる傾向が生じる。
【0012】紙シートを構成するパルプ原料として針葉
樹パルプと広葉樹パルプの重量配合比は、針葉樹パル
プ:広葉樹パルプ=100〜20:0〜80が好ましく、特に10
0〜40:0〜60の範囲が最も好ましい。広葉樹パルプが80
重量%を超えると、水柱流によるパルプの流出量が増加
するばかりでなく、絡合後のシートの柔軟性が低下する
傾向が生じる。また、本発明に使用される紙シートのJI
S P 8118に示される方法で測定した密度は、0.6g/cm3
以下が好ましく、特に0.55g/cm3以下が最も好まし
い。密度が0.6g/cm3を超えると、紙シートの上から水
柱流を施した場合に、パルプ繊維の運動が抑制され、絡
合のために必要なエネルギー量が増大する傾向が生じ
る。
樹パルプと広葉樹パルプの重量配合比は、針葉樹パル
プ:広葉樹パルプ=100〜20:0〜80が好ましく、特に10
0〜40:0〜60の範囲が最も好ましい。広葉樹パルプが80
重量%を超えると、水柱流によるパルプの流出量が増加
するばかりでなく、絡合後のシートの柔軟性が低下する
傾向が生じる。また、本発明に使用される紙シートのJI
S P 8118に示される方法で測定した密度は、0.6g/cm3
以下が好ましく、特に0.55g/cm3以下が最も好まし
い。密度が0.6g/cm3を超えると、紙シートの上から水
柱流を施した場合に、パルプ繊維の運動が抑制され、絡
合のために必要なエネルギー量が増大する傾向が生じ
る。
【0013】以上説明した長繊維ウェブと紙シートと
は、積層されて積層体となる。この積層体中における、
長繊維ウェブと紙シートの坪量の比は、長繊維ウェブ:
紙シート=1:1〜19となるようにするのが、好ましい。
長繊維ウェブ:紙シート=1:1未満となると、長繊維の
量に対して、相対的にパルプ繊維の量が少なくなり、得
られる拭き布の吸水性や保水性が低下する傾向が生じ
る。また、長繊維に対して、廉価なパルプ繊維の量が少
なくなることによって、得られる拭き布自体が高価にな
るという傾向が生じる。逆に、長繊維ウェブ:紙シート
=1:19を超えて、紙シートの坪量が重くなると、紙シ
ートを構成するパルプ繊維の全てが強固に長繊維と絡合
しにくくなり、得られる拭き布を湿潤させて使用した場
合に、パルプ繊維が脱落しやすくなる傾向が生じる。
は、積層されて積層体となる。この積層体中における、
長繊維ウェブと紙シートの坪量の比は、長繊維ウェブ:
紙シート=1:1〜19となるようにするのが、好ましい。
長繊維ウェブ:紙シート=1:1未満となると、長繊維の
量に対して、相対的にパルプ繊維の量が少なくなり、得
られる拭き布の吸水性や保水性が低下する傾向が生じ
る。また、長繊維に対して、廉価なパルプ繊維の量が少
なくなることによって、得られる拭き布自体が高価にな
るという傾向が生じる。逆に、長繊維ウェブ:紙シート
=1:19を超えて、紙シートの坪量が重くなると、紙シ
ートを構成するパルプ繊維の全てが強固に長繊維と絡合
しにくくなり、得られる拭き布を湿潤させて使用した場
合に、パルプ繊維が脱落しやすくなる傾向が生じる。
【0014】次に、この積層体に水柱流を施す。この水
柱流は、微細な直径のノズル孔を通して、高圧で水を噴
出させて得られるものである。例えば、孔径0.01〜0.3m
m程度のノズル孔を通して、20〜150kg/cm2程度の圧力
で水を噴出させて得られるものである。この水柱流を積
層体に施すと、水柱流は積層体に衝突し、積層体中の長
繊維ウェブを構成する長繊維、及び紙シートを構成する
パルプ繊維に運動を生じさせる。即ち、紙シートの破壊
が生じ、紙シートを構成するパルプ繊維を単離させ、パ
ルプ繊維に曲げや捩れ等の変形を起こさせると共に、パ
ルプ繊維に運動エネルギーを十分に与え、このパルプ繊
維にランダムな運動を生じさせる。その結果、これらの
複合作用によって、パルプ繊維と長繊維ウェブ中の長繊
維とが絡み合い、更に、このパルプ繊維によって長繊維
同士も絡合することになるのである。
柱流は、微細な直径のノズル孔を通して、高圧で水を噴
出させて得られるものである。例えば、孔径0.01〜0.3m
m程度のノズル孔を通して、20〜150kg/cm2程度の圧力
で水を噴出させて得られるものである。この水柱流を積
層体に施すと、水柱流は積層体に衝突し、積層体中の長
繊維ウェブを構成する長繊維、及び紙シートを構成する
パルプ繊維に運動を生じさせる。即ち、紙シートの破壊
が生じ、紙シートを構成するパルプ繊維を単離させ、パ
ルプ繊維に曲げや捩れ等の変形を起こさせると共に、パ
ルプ繊維に運動エネルギーを十分に与え、このパルプ繊
維にランダムな運動を生じさせる。その結果、これらの
複合作用によって、パルプ繊維と長繊維ウェブ中の長繊
維とが絡み合い、更に、このパルプ繊維によって長繊維
同士も絡合することになるのである。
【0015】この水柱流を施す際、積層体を織物製の多
孔性支持体上に載置して行なうと、パルプ繊維と長繊維
とが絡合すると共に、パルプ繊維と長繊維との両者が平
面方向に偏在することになり、この結果開孔が生じる。
この開孔面積或いは開孔数は、使用した織物製の多孔性
支持体の種類によって、ある程度規制されることにな
る。織物製の多孔性支持体としては、ステンレス製或い
はプラスチック製等の細いフィラメントを使用して製織
された織物であって、平織,朱子織,綾織等の織組織で
製織された織物を使用するのが好ましい。また、フィラ
メントの密度は、経方向及び緯方向共に、3〜30本/
cm程度が好ましい。
孔性支持体上に載置して行なうと、パルプ繊維と長繊維
とが絡合すると共に、パルプ繊維と長繊維との両者が平
面方向に偏在することになり、この結果開孔が生じる。
この開孔面積或いは開孔数は、使用した織物製の多孔性
支持体の種類によって、ある程度規制されることにな
る。織物製の多孔性支持体としては、ステンレス製或い
はプラスチック製等の細いフィラメントを使用して製織
された織物であって、平織,朱子織,綾織等の織組織で
製織された織物を使用するのが好ましい。また、フィラ
メントの密度は、経方向及び緯方向共に、3〜30本/
cm程度が好ましい。
【0016】本発明においては、上記したように、織物
製の多孔性支持体及び水柱流を使用してパルプ繊維と長
繊維とを絡み合わせると共に、開孔を生じさせるのが最
も好ましい。しかし、その他の多孔性支持体や無孔性支
持体を使用したり、或いは支持体なしで、積層体に水柱
流を施すことによって、パルプ繊維と長繊維とを絡み合
わせ、この絡み合わせが終了した後、開孔を生成させて
もよい。具体的には、絡み合わせが終了した後の積層体
に、針を貫通させることにより、或いは押し切り具で一
部を押し切ること等によって、開孔を作成してもよい。
製の多孔性支持体及び水柱流を使用してパルプ繊維と長
繊維とを絡み合わせると共に、開孔を生じさせるのが最
も好ましい。しかし、その他の多孔性支持体や無孔性支
持体を使用したり、或いは支持体なしで、積層体に水柱
流を施すことによって、パルプ繊維と長繊維とを絡み合
わせ、この絡み合わせが終了した後、開孔を生成させて
もよい。具体的には、絡み合わせが終了した後の積層体
に、針を貫通させることにより、或いは押し切り具で一
部を押し切ること等によって、開孔を作成してもよい。
【0017】本発明に係る拭き布は、以上のようにして
製造されるものであり、実質的にパルプ繊維と長繊維の
両者が存在していない開孔を持つものである。そして、
本発明においては、一個の開孔の面積が0.01〜4mm2とな
っている。一個の開孔の面積が0.01mm2未満であると、
使用後の拭き布を水洗しても、開孔を通して水が厚み方
向に流通しにくく、その開孔や繊維間隙に捕捉されてい
る塵埃が除去しにくいので、好ましくない。逆に、開孔
の面積が4mm2を超えると、開孔が大きすぎて塵埃を捕捉
しにくく、拭き布として使用した場合、塵埃を除去しに
くくなるので、好ましくない。また、開孔箇所に水を保
持しにくくなるため、拭き布の吸水性及び保水性が低下
し、好ましくない。
製造されるものであり、実質的にパルプ繊維と長繊維の
両者が存在していない開孔を持つものである。そして、
本発明においては、一個の開孔の面積が0.01〜4mm2とな
っている。一個の開孔の面積が0.01mm2未満であると、
使用後の拭き布を水洗しても、開孔を通して水が厚み方
向に流通しにくく、その開孔や繊維間隙に捕捉されてい
る塵埃が除去しにくいので、好ましくない。逆に、開孔
の面積が4mm2を超えると、開孔が大きすぎて塵埃を捕捉
しにくく、拭き布として使用した場合、塵埃を除去しに
くくなるので、好ましくない。また、開孔箇所に水を保
持しにくくなるため、拭き布の吸水性及び保水性が低下
し、好ましくない。
【0018】本発明に係る拭き布に存在する開孔の数
は、6〜600個/cm2であり、好ましくは9〜300個/cm2で
ある。開孔数が6個/cm2未満になると、拭き布に設けら
れた開孔が少なすぎて、使用後の拭き布を水洗しても、
厚み方向に流通する水の量が少なく、開孔縁や繊維間隙
に捕捉されている塵埃が除去しにくるなるので、好まし
くない。また、開孔が少ないと、開孔縁による汚れの除
去効果が低下し、更に拭き布の風合も低下する傾向が出
て来るので、好ましくない。開孔数を600個/cm2を超え
る数とすることは、製造上困難であり、仮に製造できた
としても、開孔面積を0.01mm2以上とすることが困難で
ある。
は、6〜600個/cm2であり、好ましくは9〜300個/cm2で
ある。開孔数が6個/cm2未満になると、拭き布に設けら
れた開孔が少なすぎて、使用後の拭き布を水洗しても、
厚み方向に流通する水の量が少なく、開孔縁や繊維間隙
に捕捉されている塵埃が除去しにくるなるので、好まし
くない。また、開孔が少ないと、開孔縁による汚れの除
去効果が低下し、更に拭き布の風合も低下する傾向が出
て来るので、好ましくない。開孔数を600個/cm2を超え
る数とすることは、製造上困難であり、仮に製造できた
としても、開孔面積を0.01mm2以上とすることが困難で
ある。
【0019】以上説明した開孔は、拭き布中で一定のパ
ターンで設けられていてもよいし、全くランダムに設け
られていてもよい。一般には、一定のパターンで設けら
れている方が、ガーゼ調等の外観を呈するため、好まし
いものである。また、拭き布の手触りや柔軟性も全体に
亙って均一になるので、好ましいものである。以上のよ
うにして得られた拭き布はそのままで、又は、所望に応
じて、水やプロピレングリコール等の湿潤剤,アルコー
ル類やパラ安息香酸等の抗菌剤,防黴剤,香料等の薬剤
等が付与されて、使い捨て手拭き,ウエットティシュ,
ワイパー,使い捨て雑巾等として使用されるのである。
ターンで設けられていてもよいし、全くランダムに設け
られていてもよい。一般には、一定のパターンで設けら
れている方が、ガーゼ調等の外観を呈するため、好まし
いものである。また、拭き布の手触りや柔軟性も全体に
亙って均一になるので、好ましいものである。以上のよ
うにして得られた拭き布はそのままで、又は、所望に応
じて、水やプロピレングリコール等の湿潤剤,アルコー
ル類やパラ安息香酸等の抗菌剤,防黴剤,香料等の薬剤
等が付与されて、使い捨て手拭き,ウエットティシュ,
ワイパー,使い捨て雑巾等として使用されるのである。
【0020】
【実施例】 実施例1 ポリプロピレン長繊維が集積されてなり、且つこのポリ
プロピレン長繊維相互間が自己融着された点融着区域を
多数持つ長繊維不織布を準備した。この長繊維不織布を
構成する長繊維の繊度は、2.5デニールであり、長繊維
不織布の坪量は、15g/m2であった。この長繊維不織
布の表面に、パルプ繊維以外の繊維を含有していない紙
シートを積層した。この紙シートは、JIS P 8124に示さ
れた方法で測定した坪量が30g/m2であり、JIS P 811
8で示された方法で測定した密度は0.28g/cm3であっ
た。なお、この紙シートは、針葉樹晒クラフトパルプを
湿式抄紙して得られたものである。そして、紙シートが
上に位置し、長繊維不織布が下に位置するようにして、
移送コンベア上に載置した。この移送コンベアは、ステ
ンレス製フィラメントが平織組織で製織されたものであ
り、フィラメントの密度は経方向及び緯方向共に、16本
/cmであった。次いで、この移送コンベアを30m/分の
速度で移送させながら、孔径0.1mmのノズル孔が、16個
/cmの間隔で並んでいる水柱流噴出装置を用いて、50kg
/cm2の水圧で水柱流を噴出させ、紙シートの表面に水
柱流を施した。そして、この水柱流を移送コンベアの背
面から排出した。以上のようにして、紙シートを構成し
ているパルプ繊維と、長繊維不織布を構成している長繊
維とが絡合して、一体化された拭き布を得た。得られた
拭き布には、0.1〜0.2mm2の長円状の開孔と0.02〜0.1mm
2の長円状の開孔とが交互に1cm当たり各々8個づつ、経
方向及び緯方向に並んでいた。そして、この開孔は、1c
m当たり計16個存在(開孔数256個/cm2)しており、美
しいガーゼ調の外観を呈していた。
プロピレン長繊維相互間が自己融着された点融着区域を
多数持つ長繊維不織布を準備した。この長繊維不織布を
構成する長繊維の繊度は、2.5デニールであり、長繊維
不織布の坪量は、15g/m2であった。この長繊維不織
布の表面に、パルプ繊維以外の繊維を含有していない紙
シートを積層した。この紙シートは、JIS P 8124に示さ
れた方法で測定した坪量が30g/m2であり、JIS P 811
8で示された方法で測定した密度は0.28g/cm3であっ
た。なお、この紙シートは、針葉樹晒クラフトパルプを
湿式抄紙して得られたものである。そして、紙シートが
上に位置し、長繊維不織布が下に位置するようにして、
移送コンベア上に載置した。この移送コンベアは、ステ
ンレス製フィラメントが平織組織で製織されたものであ
り、フィラメントの密度は経方向及び緯方向共に、16本
/cmであった。次いで、この移送コンベアを30m/分の
速度で移送させながら、孔径0.1mmのノズル孔が、16個
/cmの間隔で並んでいる水柱流噴出装置を用いて、50kg
/cm2の水圧で水柱流を噴出させ、紙シートの表面に水
柱流を施した。そして、この水柱流を移送コンベアの背
面から排出した。以上のようにして、紙シートを構成し
ているパルプ繊維と、長繊維不織布を構成している長繊
維とが絡合して、一体化された拭き布を得た。得られた
拭き布には、0.1〜0.2mm2の長円状の開孔と0.02〜0.1mm
2の長円状の開孔とが交互に1cm当たり各々8個づつ、経
方向及び緯方向に並んでいた。そして、この開孔は、1c
m当たり計16個存在(開孔数256個/cm2)しており、美
しいガーゼ調の外観を呈していた。
【0021】実施例2 ポリプロピレン長繊維が集積されてなり、且つこのポリ
プロピレン長繊維相互間が自己融着された点融着区域を
多数持つ長繊維不織布を準備した。この長繊維不織布を
構成する長繊維の繊度は、1.5デニールであり、長繊維
不織布の坪量は、20g/m2であった。この長繊維不織
布の表面に、パルプ繊維以外の繊維を含有していない紙
シートを積層した。この紙シートは、JIS P 8124に示さ
れた方法で測定した坪量が80g/m2であり、JIS P 811
8で示された方法で測定した密度は0.50g/cm3であっ
た。なお、この紙シートは、針葉樹晒クラフトパルプを
湿式抄紙して得られたものである。そして、紙シートが
上に位置し、長繊維不織布が下に位置するようにして、
移送コンベア上に載置した。その後、水柱流の水圧を10
0kg/cm2とする以外は、実施例1と同様にして、拭き布
を得た。得られた拭き布には、0.05〜0.3mm2の長円状の
開孔と0.02〜0.2mm2の長円状の開孔とが交互に1cm当た
り各々8個づつ、経方向及び緯方向に並んでいた。そし
て、この開孔は、1cm当たり計16個存在(開孔数256個/
cm2)しており、美しいガーゼ調の外観を呈していた。
プロピレン長繊維相互間が自己融着された点融着区域を
多数持つ長繊維不織布を準備した。この長繊維不織布を
構成する長繊維の繊度は、1.5デニールであり、長繊維
不織布の坪量は、20g/m2であった。この長繊維不織
布の表面に、パルプ繊維以外の繊維を含有していない紙
シートを積層した。この紙シートは、JIS P 8124に示さ
れた方法で測定した坪量が80g/m2であり、JIS P 811
8で示された方法で測定した密度は0.50g/cm3であっ
た。なお、この紙シートは、針葉樹晒クラフトパルプを
湿式抄紙して得られたものである。そして、紙シートが
上に位置し、長繊維不織布が下に位置するようにして、
移送コンベア上に載置した。その後、水柱流の水圧を10
0kg/cm2とする以外は、実施例1と同様にして、拭き布
を得た。得られた拭き布には、0.05〜0.3mm2の長円状の
開孔と0.02〜0.2mm2の長円状の開孔とが交互に1cm当た
り各々8個づつ、経方向及び緯方向に並んでいた。そし
て、この開孔は、1cm当たり計16個存在(開孔数256個/
cm2)しており、美しいガーゼ調の外観を呈していた。
【0022】実施例3 ポリエチレンテレフタレート長繊維が集積されてなり、
且つこのポリエチレンテレフタレート長繊維相互間が自
己融着された点融着区域を多数持つ長繊維不織布を準備
した。この長繊維不織布を構成する長繊維の繊度は、2.
3デニールであり、長繊維不織布の坪量は、20g/m2で
あった。この長繊維不織布の表面に、パルプ繊維以外の
繊維を含有していない紙シートを積層した。この紙シー
トは、JIS P 8124に示された方法で測定した坪量が30g
/m2であり、JIS P 8118に示された方法で測定した密
度は0.42g/cm3であった。なお、この紙シートは、針
葉樹晒クラフトパルプを湿式抄紙して得られたものであ
る。そして、紙シートが上に位置し、長繊維不織布が下
に位置するようにして、移送コンベア上に載置した。こ
の移送コンベアは、ステンレス製フィラメントが平織組
織で製織されたものであり、フィラメントの密度は経方
向及び緯方向共に、8本/cmであった。次いで、この移
送コンベアを30m/分の速度で移送させながら、孔径0.
15mmのノズル孔が1mm間隔で並んでいる水柱流噴出装置
を用いて、80kg/cm2の水圧で水柱流を噴出させ、紙シ
ートの表面に水柱流を施した。そして、この水柱流を移
送コンベアの背面から排出した。以上のようにして、紙
シートを構成しているパルプ繊維と、長繊維不織布を構
成している長繊維とが絡合して、一体化された拭き布を
得た。得られた拭き布には、0.1〜2mm2の長円状の開孔
が存在し、その数は64個/cm2であり、美しいガーゼ調
の外観を呈していた。
且つこのポリエチレンテレフタレート長繊維相互間が自
己融着された点融着区域を多数持つ長繊維不織布を準備
した。この長繊維不織布を構成する長繊維の繊度は、2.
3デニールであり、長繊維不織布の坪量は、20g/m2で
あった。この長繊維不織布の表面に、パルプ繊維以外の
繊維を含有していない紙シートを積層した。この紙シー
トは、JIS P 8124に示された方法で測定した坪量が30g
/m2であり、JIS P 8118に示された方法で測定した密
度は0.42g/cm3であった。なお、この紙シートは、針
葉樹晒クラフトパルプを湿式抄紙して得られたものであ
る。そして、紙シートが上に位置し、長繊維不織布が下
に位置するようにして、移送コンベア上に載置した。こ
の移送コンベアは、ステンレス製フィラメントが平織組
織で製織されたものであり、フィラメントの密度は経方
向及び緯方向共に、8本/cmであった。次いで、この移
送コンベアを30m/分の速度で移送させながら、孔径0.
15mmのノズル孔が1mm間隔で並んでいる水柱流噴出装置
を用いて、80kg/cm2の水圧で水柱流を噴出させ、紙シ
ートの表面に水柱流を施した。そして、この水柱流を移
送コンベアの背面から排出した。以上のようにして、紙
シートを構成しているパルプ繊維と、長繊維不織布を構
成している長繊維とが絡合して、一体化された拭き布を
得た。得られた拭き布には、0.1〜2mm2の長円状の開孔
が存在し、その数は64個/cm2であり、美しいガーゼ調
の外観を呈していた。
【0023】実施例4 ポリプロピレン長繊維が集積されてなり、且つこのポリ
プロピレン長繊維相互間が自己融着された点融着区域を
多数持つ長繊維不織布を準備した。この長繊維不織布を
構成する長繊維の繊度は、3.3デニールであり、長繊維
不織布の坪量は、20g/m2であった。この長繊維不織
布の表面に、パルプ繊維以外の繊維を含有していない紙
シートを積層した。この紙シートは、JIS P 8124に示さ
れた方法で測定した坪量が35g/m2であり、JIS P 811
8に示される方法で測定した密度は0.36g/cm3であっ
た。なお、この紙シートは、針葉樹晒クラフトパルプ90
%と広葉樹晒クラフトパルプ10%との混合物を湿式抄紙
して得られたものである。そして、紙シートが上に位置
し、長繊維不織布が下に位置するようにして、移送コン
ベア上に載置した。この移送コンベアは、ステンレス製
フィラメントが平織組織で製織されたものであり、フィ
ラメントの密度は経方向及び緯方向共に、4本/cmであ
った。次いで、この移送コンベアを30m/分の速度で移
送させながら、孔径0.15mmのノズル孔が、10個/cmの間
隔で並んでいる水柱流噴出装置を用いて、80kg/cm2の
水圧で水柱流を噴出させ、紙シートの表面に水柱流を施
した。そして、この水柱流を移送コンベアの背面から排
出した。以上のようにして、紙シートを構成しているパ
ルプ繊維と、長繊維不織布を構成している長繊維とが絡
合して、一体化された拭き布を得た。得られた拭き布に
は、0.05〜3mm2の長円状の開孔が存在し、その数は16個
/cm2であり、美しいガーゼ調の外観を呈していた。
プロピレン長繊維相互間が自己融着された点融着区域を
多数持つ長繊維不織布を準備した。この長繊維不織布を
構成する長繊維の繊度は、3.3デニールであり、長繊維
不織布の坪量は、20g/m2であった。この長繊維不織
布の表面に、パルプ繊維以外の繊維を含有していない紙
シートを積層した。この紙シートは、JIS P 8124に示さ
れた方法で測定した坪量が35g/m2であり、JIS P 811
8に示される方法で測定した密度は0.36g/cm3であっ
た。なお、この紙シートは、針葉樹晒クラフトパルプ90
%と広葉樹晒クラフトパルプ10%との混合物を湿式抄紙
して得られたものである。そして、紙シートが上に位置
し、長繊維不織布が下に位置するようにして、移送コン
ベア上に載置した。この移送コンベアは、ステンレス製
フィラメントが平織組織で製織されたものであり、フィ
ラメントの密度は経方向及び緯方向共に、4本/cmであ
った。次いで、この移送コンベアを30m/分の速度で移
送させながら、孔径0.15mmのノズル孔が、10個/cmの間
隔で並んでいる水柱流噴出装置を用いて、80kg/cm2の
水圧で水柱流を噴出させ、紙シートの表面に水柱流を施
した。そして、この水柱流を移送コンベアの背面から排
出した。以上のようにして、紙シートを構成しているパ
ルプ繊維と、長繊維不織布を構成している長繊維とが絡
合して、一体化された拭き布を得た。得られた拭き布に
は、0.05〜3mm2の長円状の開孔が存在し、その数は16個
/cm2であり、美しいガーゼ調の外観を呈していた。
【0024】実施例5 ポリプロピレン長繊維が集積されてなり、且つこのポリ
プロピレン長繊維相互間が自己融着された点融着区域を
多数持つ長繊維不織布を準備した。この長繊維不織布を
構成する長繊維の繊度は、2.5デニールであり、長繊
維不織布の坪量は、12g/m2であった。この長繊維
不織布の表面に、木材パルプ以外の繊維を含有していな
いペーパータオル(王子製紙株式会社製)を積層した。
このペーパータオルは、JIS P 8124に示され
た方法で測定した坪量が22g/m2であった。このペ
ーパータオルは、針葉樹晒クラフトパルプ60%と広葉
樹晒クラフトパルプ40%との混合物を湿式抄紙して得
られ、微小なクレープがつけられたものであった。そし
て、ペーパータオルが上に位置し、長繊維不織布が下に
位置するようにして、移送コンベア上に載置した。この
移送コンベアは、プラスチックフィラメントが平織組織
で製織されたものであり、フィラメントの密度は経方向
及び緯方向共に11本/cmであった。次いで、この移
送コンベアを30m/分の速度で移動させながら、孔径
0.1mmのノズル孔が16個/cmの間隔で並んでい
る水柱流噴出装置を用いて、40kg/cm2の水圧で
水柱流を噴出させ、ペーパータオルの表面に水柱流を施
した。そして、この水柱流を移送コンベアの背面から排
出した。以上のようにして、ペーパータオルを構成して
いるパルプ繊維と、長繊維不織布を構成している長繊維
とが絡合して、一体化された拭き布を得た。得られた拭
き布には、経方向及び緯方向に、開孔面積が0.02〜
0.8mm2 の開孔部が存在し、その数は121個/c
m2であり、美しいガーゼ調の外観を呈していた。
プロピレン長繊維相互間が自己融着された点融着区域を
多数持つ長繊維不織布を準備した。この長繊維不織布を
構成する長繊維の繊度は、2.5デニールであり、長繊
維不織布の坪量は、12g/m2であった。この長繊維
不織布の表面に、木材パルプ以外の繊維を含有していな
いペーパータオル(王子製紙株式会社製)を積層した。
このペーパータオルは、JIS P 8124に示され
た方法で測定した坪量が22g/m2であった。このペ
ーパータオルは、針葉樹晒クラフトパルプ60%と広葉
樹晒クラフトパルプ40%との混合物を湿式抄紙して得
られ、微小なクレープがつけられたものであった。そし
て、ペーパータオルが上に位置し、長繊維不織布が下に
位置するようにして、移送コンベア上に載置した。この
移送コンベアは、プラスチックフィラメントが平織組織
で製織されたものであり、フィラメントの密度は経方向
及び緯方向共に11本/cmであった。次いで、この移
送コンベアを30m/分の速度で移動させながら、孔径
0.1mmのノズル孔が16個/cmの間隔で並んでい
る水柱流噴出装置を用いて、40kg/cm2の水圧で
水柱流を噴出させ、ペーパータオルの表面に水柱流を施
した。そして、この水柱流を移送コンベアの背面から排
出した。以上のようにして、ペーパータオルを構成して
いるパルプ繊維と、長繊維不織布を構成している長繊維
とが絡合して、一体化された拭き布を得た。得られた拭
き布には、経方向及び緯方向に、開孔面積が0.02〜
0.8mm2 の開孔部が存在し、その数は121個/c
m2であり、美しいガーゼ調の外観を呈していた。
【0025】比較例1 実施例1で使用した紙シートが上に位置し、実施例1で
使用した長繊維不織布が下に位置するようにして、移送
コンベア上に載置した。この移送コンベアは、ステンレ
ス製フィラメントが平織組織で製織されたものであり、
フィラメントの密度は経方向及び緯方向共に、40本/cm
であった。次いで、この移送コンベアを30m/分の速度
で移送させながら、孔径0.1mmのノズル孔が0.4mm間隔で
並んでいる水柱流噴出装置を用いて、60kg/cm2の水圧
で水柱流を噴出させ、紙シートの表面に水柱流を施し
た。そして、この水柱流を移送コンベアの背面から排出
した。以上のようにして、紙シートを構成しているパル
プ繊維と、長繊維不織布を構成している長繊維とが絡合
して、一体化された拭き布を得た。得られた拭き布に
は、0.01mm2以上の開孔は存在せず、平坦な表面状態で
あり、ガーゼ調の外観を呈するものではなかった。ま
た、実施例1で得られた拭き布に比べて、柔軟性に関し
ても劣るものであった。
使用した長繊維不織布が下に位置するようにして、移送
コンベア上に載置した。この移送コンベアは、ステンレ
ス製フィラメントが平織組織で製織されたものであり、
フィラメントの密度は経方向及び緯方向共に、40本/cm
であった。次いで、この移送コンベアを30m/分の速度
で移送させながら、孔径0.1mmのノズル孔が0.4mm間隔で
並んでいる水柱流噴出装置を用いて、60kg/cm2の水圧
で水柱流を噴出させ、紙シートの表面に水柱流を施し
た。そして、この水柱流を移送コンベアの背面から排出
した。以上のようにして、紙シートを構成しているパル
プ繊維と、長繊維不織布を構成している長繊維とが絡合
して、一体化された拭き布を得た。得られた拭き布に
は、0.01mm2以上の開孔は存在せず、平坦な表面状態で
あり、ガーゼ調の外観を呈するものではなかった。ま
た、実施例1で得られた拭き布に比べて、柔軟性に関し
ても劣るものであった。
【0026】比較例2 実施例1で使用した紙シートが上に位置し、実施例1で
使用した長繊維不織布が下に位置するようにして、移送
コンベア上に載置した。この移送コンベアは、ステンレ
ス製フィラメントが平織組織で製織されたものであり、
フィラメントの密度は経方向及び緯方向共に、2本/cm
であった。次いで、この移送コンベアを30m/分の速度
で移送させながら、孔径0.2mmのノズル孔が1mm間隔で並
んでいる水柱流噴出装置を用いて、60kg/cm2の水圧で
水柱流を噴出させ、紙シートの表面に水柱流を施した。
そして、この水柱流を移送コンベアの背面から排出し
た。以上のようにして、紙シートを構成しているパルプ
繊維と、長繊維不織布を構成している長繊維とが絡合し
て、一体化された拭き布を得た。得られた拭き布には、
約6mm2を超える開孔が存在し、また開孔数は4個/cm2で
あり、ざらざらとした手触り感であり、ガーゼ調の外観
とは大きく異なるものであった。
使用した長繊維不織布が下に位置するようにして、移送
コンベア上に載置した。この移送コンベアは、ステンレ
ス製フィラメントが平織組織で製織されたものであり、
フィラメントの密度は経方向及び緯方向共に、2本/cm
であった。次いで、この移送コンベアを30m/分の速度
で移送させながら、孔径0.2mmのノズル孔が1mm間隔で並
んでいる水柱流噴出装置を用いて、60kg/cm2の水圧で
水柱流を噴出させ、紙シートの表面に水柱流を施した。
そして、この水柱流を移送コンベアの背面から排出し
た。以上のようにして、紙シートを構成しているパルプ
繊維と、長繊維不織布を構成している長繊維とが絡合し
て、一体化された拭き布を得た。得られた拭き布には、
約6mm2を超える開孔が存在し、また開孔数は4個/cm2で
あり、ざらざらとした手触り感であり、ガーゼ調の外観
とは大きく異なるものであった。
【0027】比較例3 ポリプロピレン長繊維が集積されてなり、且つこのポリ
プロピレン長繊維相互間が自己融着された点融着区域を
多数持つ長繊維不織布を準備した。この長繊維不織布を
構成する長繊維の繊度は、2.5デニールであり、長繊維
不織布の坪量は、30g/m2であった。この長繊維不織
布の表面に、パルプ繊維以外の繊維を含有していない紙
シートを積層した。この紙シートは、JIS P 8124に示さ
れた方法で測定した坪量が20g/m2であった。なお、
この紙シートは、針葉樹晒クラフトパルプを湿式抄紙し
て得られたものである。そして、紙シートが上に位置
し、長繊維不織布が下に位置するようにして、移送コン
ベア上に載置した。そして、比較例1で使用したのと同
様の移送コンベアを使用し、比較例1と同様にして拭き
布を得た。得られた拭き布には、0.01mm2以上の開孔は
存在せず、平坦な表面状態であり、ガーゼ調の外観を呈
するものではなかった。
プロピレン長繊維相互間が自己融着された点融着区域を
多数持つ長繊維不織布を準備した。この長繊維不織布を
構成する長繊維の繊度は、2.5デニールであり、長繊維
不織布の坪量は、30g/m2であった。この長繊維不織
布の表面に、パルプ繊維以外の繊維を含有していない紙
シートを積層した。この紙シートは、JIS P 8124に示さ
れた方法で測定した坪量が20g/m2であった。なお、
この紙シートは、針葉樹晒クラフトパルプを湿式抄紙し
て得られたものである。そして、紙シートが上に位置
し、長繊維不織布が下に位置するようにして、移送コン
ベア上に載置した。そして、比較例1で使用したのと同
様の移送コンベアを使用し、比較例1と同様にして拭き
布を得た。得られた拭き布には、0.01mm2以上の開孔は
存在せず、平坦な表面状態であり、ガーゼ調の外観を呈
するものではなかった。
【0028】比較例4 実施例1で使用した長繊維不織布をそのまま拭き布とし
た。この拭き布は、吸水性及び保水性に劣り、ウェット
ティッシュのように湿潤状態で使用することができなか
った。
た。この拭き布は、吸水性及び保水性に劣り、ウェット
ティッシュのように湿潤状態で使用することができなか
った。
【0029】比較例5 実施例1で使用した紙シートをそのまま拭き布とした。
この拭き布は、吸水性には優れるものの、湿潤状態で擦
った場合、簡単に破れて実用に供しうるものではなかっ
た。
この拭き布は、吸水性には優れるものの、湿潤状態で擦
った場合、簡単に破れて実用に供しうるものではなかっ
た。
【0030】実施例1〜5及び比較例1〜5に係る拭き
布を、下記のテストに供し、その品質を評価した。その
結果を表1に示した。
布を、下記のテストに供し、その品質を評価した。その
結果を表1に示した。
【表1】 記 1)ガーゼ調の外観:拭き布の外観を官能で、次のように
評価した。○…ガーゼ調の外観あり、×…ガーゼ調の外
観なし。 2)柔軟性:拭き布の柔軟性を官能で評価した。官能評価
は、次の5段階で行なった。5…極めて柔軟性に優れて
いた、4…柔軟性に優れていた、3…柔軟性は普通であ
った、2…やや柔軟性に劣っていた、1…柔軟性に劣っ
ていた。 3)吸水性:拭き布の吸水性を官能評価によって判定し
た。官能評価は、次の5段階で行なった。5…極めて速
やかに水を吸水した。4…速やかに水を吸水した。3…
吸水性は普通であった。2…ややゆっくりと水を吸水し
た。1…ゆっくりと水を吸水した。 4)保水性:拭き布を水に30秒浸漬した後、水から取り出
し、瀘紙に挟んで、荷重5g/m2で30秒間圧着保持して
処理した後、表面の水を除去した後、次の式で保水性を
評価した。保水性(%)=[(処理後の拭き布の重量−
処理前の拭き布の重量)/処理前の拭き布の重量]×10
0である。 5)拭き取り性:拭き布を水に浸漬した後、軽く絞った状
態で机を擦り、拭き取り性と拭き布の強度を官能で評価
した。官能評価は、次の5段階で行なった。5…拭き取
り性に極めて優れていると共に、強度低下は殆どなかっ
た。4…拭き取り性に優れていると共に、強度低下も少
なかった。3…拭き取り性及び強度低下の両者共に普通
であった。2…拭き取り性がやや不良であると共に、強
度もやや低下した。1…拭き取り性が不良であると共
に、強度低下も激しかった。 6)繰り返し使用性:拭き布を水に浸漬した後、軽く絞
り、次いで手で揉むという操作を繰り返して、官能で評
価した。官能評価は、次の5段階で行なった。5…拭き
布の強度は殆ど低下せず、十分に繰り返し使用可能であ
った。4…拭き布の強度は若干低下したものの、繰り返
し使用可能であった。3…拭き布の強度が低下したが、
数回程度の繰り返し使用には耐えられた。2…拭き布の
強度が低下し、繰り返し使用可能とは言えなかった。1
…拭き布の強度低下が激しく、繰り返し使用は不可能で
あった。
評価した。○…ガーゼ調の外観あり、×…ガーゼ調の外
観なし。 2)柔軟性:拭き布の柔軟性を官能で評価した。官能評価
は、次の5段階で行なった。5…極めて柔軟性に優れて
いた、4…柔軟性に優れていた、3…柔軟性は普通であ
った、2…やや柔軟性に劣っていた、1…柔軟性に劣っ
ていた。 3)吸水性:拭き布の吸水性を官能評価によって判定し
た。官能評価は、次の5段階で行なった。5…極めて速
やかに水を吸水した。4…速やかに水を吸水した。3…
吸水性は普通であった。2…ややゆっくりと水を吸水し
た。1…ゆっくりと水を吸水した。 4)保水性:拭き布を水に30秒浸漬した後、水から取り出
し、瀘紙に挟んで、荷重5g/m2で30秒間圧着保持して
処理した後、表面の水を除去した後、次の式で保水性を
評価した。保水性(%)=[(処理後の拭き布の重量−
処理前の拭き布の重量)/処理前の拭き布の重量]×10
0である。 5)拭き取り性:拭き布を水に浸漬した後、軽く絞った状
態で机を擦り、拭き取り性と拭き布の強度を官能で評価
した。官能評価は、次の5段階で行なった。5…拭き取
り性に極めて優れていると共に、強度低下は殆どなかっ
た。4…拭き取り性に優れていると共に、強度低下も少
なかった。3…拭き取り性及び強度低下の両者共に普通
であった。2…拭き取り性がやや不良であると共に、強
度もやや低下した。1…拭き取り性が不良であると共
に、強度低下も激しかった。 6)繰り返し使用性:拭き布を水に浸漬した後、軽く絞
り、次いで手で揉むという操作を繰り返して、官能で評
価した。官能評価は、次の5段階で行なった。5…拭き
布の強度は殆ど低下せず、十分に繰り返し使用可能であ
った。4…拭き布の強度は若干低下したものの、繰り返
し使用可能であった。3…拭き布の強度が低下したが、
数回程度の繰り返し使用には耐えられた。2…拭き布の
強度が低下し、繰り返し使用可能とは言えなかった。1
…拭き布の強度低下が激しく、繰り返し使用は不可能で
あった。
【0031】表1の結果から明かなように、実施例1〜
5に係る拭き布に比べて、比較例1及び3に係る拭き布
は、一定の大きさの開孔を具備していないため、柔軟性
及び拭き取り性に劣るものであった。また、比較例2に
係る拭き布は、非常に大きな開口を有しているため、吸
水性及び保水性に劣り、且つ拭き取り性も劣るものであ
った。更に、比較例4に係る拭き布は、吸水性や保水性
が殆ど無く、拭き布として使用しえないものであった。
比較例5に係る拭き布は、繰り返し使用できるものでは
なかった。
5に係る拭き布に比べて、比較例1及び3に係る拭き布
は、一定の大きさの開孔を具備していないため、柔軟性
及び拭き取り性に劣るものであった。また、比較例2に
係る拭き布は、非常に大きな開口を有しているため、吸
水性及び保水性に劣り、且つ拭き取り性も劣るものであ
った。更に、比較例4に係る拭き布は、吸水性や保水性
が殆ど無く、拭き布として使用しえないものであった。
比較例5に係る拭き布は、繰り返し使用できるものでは
なかった。
【0032】
【作用及び発明の効果】以上説明したように、本発明に
係る拭き布は、一定の大きさの開孔を一定数具備してい
るため、この開孔で水を吸収保持することができ、吸水
性や保水性に優れるものである。従って、この拭き布に
水やその他薬液を付与して、被洗浄物を洗浄することが
でき、薬液の洗浄効果を十分に発揮することができる。
また、この開孔縁で、被洗浄物を擦ることができ、塵埃
が開孔縁に付着して、塵埃を除去しやすいという効果を
奏する。更に、開孔縁や繊維間隙等に付着した塵埃は、
拭き布を水洗する際、開孔を通過する水によって除去さ
れやすく、使用後の拭き布から、拭き布に付着した塵埃
を除去しやすく、何度も再使用しうるという効果を奏す
る。
係る拭き布は、一定の大きさの開孔を一定数具備してい
るため、この開孔で水を吸収保持することができ、吸水
性や保水性に優れるものである。従って、この拭き布に
水やその他薬液を付与して、被洗浄物を洗浄することが
でき、薬液の洗浄効果を十分に発揮することができる。
また、この開孔縁で、被洗浄物を擦ることができ、塵埃
が開孔縁に付着して、塵埃を除去しやすいという効果を
奏する。更に、開孔縁や繊維間隙等に付着した塵埃は、
拭き布を水洗する際、開孔を通過する水によって除去さ
れやすく、使用後の拭き布から、拭き布に付着した塵埃
を除去しやすく、何度も再使用しうるという効果を奏す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−268936(JP,A) 特表 平3−504622(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47L 13/16 D04H 5/02 D21H 13/10
Claims (2)
- 【請求項1】 多数の長繊維とパルプ繊維とが集積され
てなるシート(但し、ステープル繊維を含まない。)で
あって、該長繊維と該パルプ繊維とは相互に絡み合って
いると共に、該長繊維と該パルプ繊維の両者は、該シー
ト内において偏在せしめられることにより、実質的に該
長繊維と該パルプ繊維とが存在しない開孔を多数持ち、
一個の開孔の面積は0.01〜4mm2であり、且つ開
孔の数は1cm2当たり6〜600個であることを特徴
とするシート状拭き布。 - 【請求項2】 多数の長繊維が集積されてなる長繊維ウ
ェブと、多数のパルプ繊維で構成された紙シートとを積
層した積層体を織物製の多孔性支持体上に載置し、該積
層体の上面から織物製の多孔性支持体の背面へ貫通する
ように水柱流を施すことを特徴とする請求項1記載のシ
ート状拭き布の製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10542192A JP3289309B2 (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | シート状拭き布及びその製造方法 |
EP93301738A EP0560556B1 (en) | 1992-03-12 | 1993-03-08 | Process for producing wiping nonwoven fabric |
DE69314202T DE69314202T2 (de) | 1992-03-12 | 1993-03-08 | Verfahren zur Herstellung eines Wischvliesstoffs |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10542192A JP3289309B2 (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | シート状拭き布及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05277053A JPH05277053A (ja) | 1993-10-26 |
JP3289309B2 true JP3289309B2 (ja) | 2002-06-04 |
Family
ID=14407139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10542192A Expired - Fee Related JP3289309B2 (ja) | 1992-03-12 | 1992-03-30 | シート状拭き布及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3289309B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7381400B2 (ja) | 2020-04-30 | 2023-11-15 | Nttアノードエナジー株式会社 | 誤操作防止装置 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5725601A (en) * | 1994-08-09 | 1998-03-10 | New Oji Paper Co., Ltd. | Process for producing water-absorbent cross-linked, carboxyalkylated cellulose-containing material |
JP3396961B2 (ja) | 1994-08-09 | 2003-04-14 | 王子製紙株式会社 | 吸水性セルロース材料の製造方法 |
JPH1189773A (ja) * | 1997-09-24 | 1999-04-06 | Uni Charm Corp | 使い捨てキッチンタオル |
JP3400702B2 (ja) * | 1997-12-26 | 2003-04-28 | ユニ・チャーム株式会社 | 不織布の製造方法 |
JP4485408B2 (ja) | 2005-05-20 | 2010-06-23 | 株式会社日立製作所 | 試料採取用シート及び試料採取用シートの製造方法 |
JP6404089B2 (ja) * | 2014-11-10 | 2018-10-10 | ユニチカ株式会社 | 2層構造不織布 |
-
1992
- 1992-03-30 JP JP10542192A patent/JP3289309B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7381400B2 (ja) | 2020-04-30 | 2023-11-15 | Nttアノードエナジー株式会社 | 誤操作防止装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05277053A (ja) | 1993-10-26 |
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Legal Events
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