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JP2002275752A - 複合不織布およびその製造方法 - Google Patents

複合不織布およびその製造方法

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Publication number
JP2002275752A
JP2002275752A JP2001075550A JP2001075550A JP2002275752A JP 2002275752 A JP2002275752 A JP 2002275752A JP 2001075550 A JP2001075550 A JP 2001075550A JP 2001075550 A JP2001075550 A JP 2001075550A JP 2002275752 A JP2002275752 A JP 2002275752A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
paper sheet
pulp
spunbonded nonwoven
composite nonwoven
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001075550A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Kadota
優 門田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP2001075550A priority Critical patent/JP2002275752A/ja
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Pending legal-status Critical Current

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  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿潤時のみならず非湿潤状態においても、柔
軟で風合いの良好な不織布を提供する。 【解決手段】 支持網上にスパンボンド不織布を載せ、
その表面に紙シートを積層後、該紙シートの表面からス
パンボンド不織布側に向けて高圧水柱流を施すことによ
り、該紙シートを構成するパルプとスパンボンド不織布
を構成する連続繊維とを交絡させて製造した複合不織布
において、該紙シートのMD方向に平行に測定した表面
粗さ(SMD)を、4.0〜15.0μmの範囲とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、湿潤時のみなら
ず、非湿潤状態においても柔軟で風合いに優れ、キッチ
ンタオル、ワイパー、テーブルカバー、ディナー用マッ
ト等の雑貨用シート、ドリップ吸収材や包装材料等に好
適に使用できる複合不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 従来より、使い捨て手拭き等の拭き布
として、パルプ繊維を嵩高に集積してなる乾式パルプシ
ートに、水や薬剤をしみ込ませたものが使用されてい
る。しかし、乾式パルプシートは、引張強度や引裂強度
が弱く、特に水や薬剤等をしみ込ませた後の湿潤強度が
低く、使用中にやぶれ易いという欠点があった。
【0003】一方、親水性繊維であるレーヨン繊維を集
積した後、レーヨン繊維相互間を相互に交絡させた不織
布を使用するという試みも行われている。レーヨン繊維
間の交絡にはレーヨン繊維が集積されたウェブに公知の
ニードルパンチ法あるいはスパンレース法(ウォーター
ジェット法)による交絡を施す方法が挙げられる。しか
しながら、レーヨン繊維よりなる不織布を拭き布等に使
用する場合、以下に示すような致命的な欠点があった。
すなわち、レーヨン繊維は親水性繊維であるために、水
を吸収して膨潤し、その剛性が極端に低下するというこ
とがあった。剛性の低下によって、手指で把持したとき
の反発力が低下し、拭き布等に使用したときに使用しに
くくなるのである。さらに、レーヨン繊維は疎水性のポ
リエステル系繊維等に比べ高価であり、得られる不織布
のコストが高いものとなってしまうという問題点もあ
る。水を吸収した際の剛性の低下を抑制し、製造コスト
も低いものとするためには、レーヨン繊維とポリエステ
ル系繊維のような疎水性繊維を混合してウェッブとし、
不織布を得ることが考えられるが、十分な剛性がえられ
る混合量とするにはポリエステル系繊維を多量に配合し
なければならず、不織布の吸水性が劣るものとなってし
まうのである。
【0004】このような欠点を解決する方法として、熱
可塑性樹脂からなるスパンボンド不織布とパルプ繊維よ
りなる紙シートを積層した積層体に、一定の条件で高圧
水柱流を施し、スパンボンド不織布を構成する連続繊維
とパルプ繊維とを緊密に交絡させる方法として、特開平
5−253160号公報および特開平5−285083
号公報に記載される発明が提案されている。この発明に
より、接着剤を使用することなく、吸水性が良好でかつ
吸水後の剛性の低下が少ない拭き布として良好な性能を
有する複合不織布の製造が可能となった。
【0005】しかしながら、これらの複合不織布は水や
薬液を含浸し、湿潤状態で使用する場合は非常にソフト
な感触で風合いが良好であるが、水等を含まない非湿潤
状態では風合いが硬く、キッチンタオルやワイパー等の
用途には必ずしも適しているとは言えないものであっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 本発明者は、複合不
織布に使用する材料、製法を鋭意検討した結果、紙シー
トとして、ある特定の表面凹凸の変動(SMD)を有す
る紙シートを用いることで、湿潤状態のみならず、非湿
潤状態においても柔軟で風合いの良好なシートが得られ
ることを見出し、本発明を完成させた。したがって、本
発明の目的は、湿潤時のみならず、非湿潤状態において
も柔軟で風合いに優れ、キッチンタオル、ワイパー、テ
ーブルカバー、ディナー用マット等の雑貨用シート、ド
リップ吸収材や包装材料等に好適に使用できる複合不織
布を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明の第1(請求項
1の発明)は、支持網上にスパンボンド不織布を載せ、
その表面に紙シートを積層後、該紙シートの表面からス
パンボンド不織布側に向けて高圧水柱流を施すことによ
り、該紙シートを構成するパルプとスパンボンド不織布
を構成する連続繊維とを交絡させて製造した複合不織布
において、 該紙シートのMD方向に平行に測定した表
面粗さ(SMD)が、4.0〜15.0μmの範囲にある
紙シートを用いたことを特徴とする複合不織布である。
ここでMD方向とは、複合不織布を製造する場合のスパ
ンボンド不織布と紙シートの流れ方向のことであり、こ
れは、該紙シートを製造する場合の抄紙方向と一致す
る。
【0008】本発明の第2は、前記紙シートが、クレー
プ加工を施されることにより前記表面粗さ(SMD)が
所定の数値範囲とされていることを特徴とする第1の発
明に記載した複合不織布である。クレープ加工は、前記
紙シートの製造において、抄紙方向即ちMD方向に沿う
所定のパート間のロール周速度に差を設けること等によ
り実施し、抄紙方向に直角な方向を向いた細かい皺が形
成される。
【0009】本発明の第3は、製造された前記複合不織
布が、乾燥状態で、MD方向に円弧状となるように曲げ
た場合の曲げ固さが、0.010〜0.150 gf・
cm /cmの範囲であることを特徴とする第1の発明
または第2の発明のいずれかに記載した複合不織布であ
る。
【0010】本発明の第4は、支持網上にスパンボンド
不織布を載せ、その表面に紙シートを積層後、該紙シー
トの表面からスパンボンド不織布側に向けて高圧水柱流
を施すことにより、該紙シートを構成するパルプとスパ
ンボンド不織布を構成する連続繊維とを交絡させて複合
不織布を製造する方法において、該紙シートのMD方向
に平行に測定した表面粗さ(SMD)が、4.0〜15.
0μmの範囲である紙シートを用いたことを特徴とする
複合不織布の製造方法である。
【0011】本発明における「表面粗さ(SMD)」
は、次のようにして測定するものである。表面試験機K
ES−FB4(カトーテック(株)社製 KES−FBシ
ステム)に試料を測定方向がMD方向と並行になるよう
に、張力20gf/cmの張力でセットする。測定子
は、測定幅5mmとなるようにした直径0.5mmのピ
アノ線で構成されており、測定子を通して試料表面に1
0gfの荷重が付与されている。サンプルを速度0.1
cm/secでMD方向と平行な方向に水平に移動さ
せ、測定距離2cmの間の試料の表面厚さの変動(μ
m)を測定する。その際、測定距離(測定子の移動距離)
を横軸に、測定した表面厚さを縦軸にしたチャートを作
成し、更に表面厚さの平均値を求めて、各測定点におけ
る、表面厚さとその平均値との差の絶対値を算出する。
この差の絶対値を横軸の測定距離で積分し(チャートに
おいて、表面厚さの折れ線とその平均値の直線によって
囲まれた部分の面積を求め)、更にこの積分値を測定距
離で割った値が「表面粗さ(SMD)」である。SMD
の測定方法の詳細は、公知文献、例えば、近藤智吏;
「紙の基本力学特性の測定とその風合いの計測」,機能
紙研究会誌,No.28,p62-79(1989)等にも詳しく記述され
ている。
【0012】
【発明の実施の形態】 本発明においては、従来公知の
スパンボンド不織布を準備する。スパンボンド不織布
は、従来公知の熱可塑性樹脂を原料とした連続繊維で構
成されている。例えば、ポリオレフィン系連続繊維、ポ
リエステル系連続繊維、ポリアミド系連続繊維、ポリア
クリル酸エステル系連続繊維を挙げることができるし、
複数種類のポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂
をブレンドした連続繊維や、これら樹脂を複数種類組み
合わせた、芯鞘型複合連続繊維やサイドバイサイド型複
合連続繊維、割繊型複合連続繊維等の複合紡糸連続繊維
であっても良い。さらに、スパンボンド不織布の一つと
して最近多様な用途に使用されている、スパンボンド不
織布の層間にメルトブロー不織布層を配置した、いわゆ
るSMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボン
ド)不織布を使用しても良く、本発明はこのようなSM
Sを使用する場合を含むものである。
【0013】本発明において使用するスパンボンド不織
布は、スパンボンド不織布を構成する連続繊維の繊度
が、1.1dtex〜8.8dtexであることが好ま
しく、更に好ましくは1.1dtex〜4.4dtex
である。ここで、dtex(デシテックス)とは、繊維
の太さを表す単位であり、繊維10,000m当たりの
重量で表示される。したがって、ある繊維を10,00
0m集めて重量を測定したとき、その重さが1gとなる
場合、その繊維の繊度は1dtexであるというのであ
る。連続繊維の繊度が8.8dtexを超えると、連続
繊維シートの柔軟性が低下し、さらに単位面積当たりの
繊維数が減少するために、複合化後のシートの地合を悪
化させるので適さない。逆に、連続繊維の繊度が1.1
dtex未満になると、連続繊維の製造条件が厳密にな
って、連続繊維、ひいてはスパンボンド不織布を高速で
製造しにくくなるので適さない。尚、前述のSMS(ス
パンボンド/メルトブロー/スパンボンド)不織布にお
けるメルトブロー層の繊度については、仮に1〜2μm
の極細繊維であっても、その工程上生産性を低下させる
要因とはならないので、特に限定しない。
【0014】スパンボンド不織布の坪量は、5〜30g
/mであることが好ましい。スパンボンド不織布の坪
量が30g/mを超えると、スパンボンド不織布と紙
シートとの積層体に高圧水柱流を施した場合、高圧水柱
流が該スパンボンド不織布を通過しづらくなり、連続繊
維とパルプの交絡が阻害されるばかりでなく、紙シート
を構成するパルプが、スパンボンド不織布の裏面(紙シ
ートと当接していない面)に移動しにくくなる、得られ
た複合シートを拭き布として使用する場合には、パルプ
の少ない面における吸水性が低下する傾向が生じる。ま
た、支持網の下に位置するサクションノズルから、スパ
ンボンド不織布を通して、スパンボンド不織布と紙シー
トとの積層体表面の水を吸引除去する能力が低下するた
めに、高圧水柱流のエネルギーが表面の水をはね飛ばす
ために使用されるため、エネルギーのロスが発生するば
かりでなく、シートの地合も低下する傾向がある。
【0015】逆に、スパンボンド不織布の坪量が5g/
未満になると、スパンボンド不織布の強度が低下
し、そのために複合化後のシートの強度が低下するため
適さない。更に、連続繊維の堆積量が少ないために、連
続繊維相互間の間隙が大きくなっており、高圧水柱流を
施したときに、その間隙からパルプ繊維が流失してしま
い適さない。
【0016】本発明に使用するスパンボンド不織布は、
連続繊維相互間が自己融着した熱融着点(エンボス)に
より連続繊維相互間が結合されてなるものである。スパ
ンボンド不織布は、この熱融着点(エンボス)を持つた
めに、物理的な強度、形態安定性に優れるとともに、熱
融着点(エンボス)区域以外の区域においては、連続繊
維相互間が自己融着されておらず、自由な状態で集積さ
れているため、柔軟性に優れ、かつパルプと良好に交絡
しやすいのである。
【0017】以上のようにして準備したスパンボンド不
織布の片面に、紙シートを積層する。この紙シートはパ
ルプを湿式抄紙してえられるものであり、パルプは従来
公知の任意のものを使用することができるが、入手が容
易で、安価であることから、木材パルプを使用すること
が好ましい。
【0018】本発明で最も重要な点は、使用する紙シー
トのMD方向に平行な方向で測定した表面粗さ(SM
D)が4.0〜15.0μmの範囲である紙シートを用
いることである。
【0019】本発明における表面粗さ(SMD)は、前述
したように、表面試験機KES−FB−4(カトーテッ
ク(株)社製 KES−FBシステム)を用いて測定する
ことが出来る。
【0020】SMDは、一般的な紙シートでは2.0〜
3.9μm程度の値となる。例えば、前述の文献(近藤
智吏;「紙の基本力学特性の測定とその風合いの計
測」,機能紙研究会誌,No.28,p62-79(1989))の表7に記
載されているとおり、ティシュペーパーのSMDは、概
ね2.0〜3.9μmの範囲である。また一般的な上質
紙、例えばリサイクルPPC用紙R(富士ゼロックスオ
フィスサプライ(株)社製)では2.8μm程度である。
【0021】紙シートのSMDは、すなわち微細な範囲
での紙シートの坪量の変動であるともいえる。MD方向
のSMDが4.0〜15.0μmの範囲の紙シートは、
MD方向に微細な坪量変動を有している紙シートである
といえ、この紙シートを用いて複合不織布を製造するこ
とにより、複合不織布も紙シートの坪量変動に起因す
る、MD方向に微細な坪量変動を有するものとなるので
ある。
【0022】紙シートのMD方向のSMDを4.0〜1
5.0μmの範囲とすることで、得られる複合不織布の
MD方向に微細な坪量変動を形成し、その低坪量部分の
剛性が、他の部分と比べて低くなることで、複合不織布
の見かけ上の剛度が低下するため、柔軟で、ソフトな風
合いが得られるのである。また、MD方向のSMDを
5.0〜14.0μmの範囲とするとさらに好ましい。
紙シートのSMDが4.0μm未満であると、紙シート
に形成される微細な坪量変動が少なすぎ、得られる複合
不織布の非湿潤状態での風合いが硬いものとなり好まし
くない。逆に紙シートのSMDが15.0μmを超えて
も、得られる複合不織布の柔軟性は顕著に向上し難くな
るばかりでなく、逆に得られる複合不織布に形成される
微細な坪量変動を構成する高坪量部分の剛度が高くなり
すぎ、風合いの柔軟化が阻害される恐れがある。
【0023】紙シートのMD方向のSMDを調整する方
法としては、例えば、従来公知の方法により紙シートに
凹凸を付与する方法等が挙げられる。紙シートに凹凸を
付与することで、紙シートに微細な見かけ上の坪量変動
を形成させるのである。凹凸を付与する方法としては公
知の方法を単独あるいは複数工程組み合わせて使用する
ことが出来る。例えば、ドライクレープ法、ウェットク
レープ法、エンボス法等を単独あるいは複数工程組み合
わせ、紙シートに凹凸を付与し、目的とするSMDの紙
シートを得れば良いのである。
【0024】例えば、ドライクレープ法により紙シート
に凹凸を附与する方法は、通常、抄紙機のドライヤーパ
ートと巻取部のロールの周速度に差を設けることにより
実施し、巻取部のロール周速度を遅くして、ドライヤー
ロールからドクター装置等によって紙シートを掻き落と
すことにより細かい皺を形成する。そして、下記式によ
って規定するクレープ率を調整すること等により、前記
の表面粗さ(SMD)を調整することが出来る。 クレープ率=100×(ドライヤー周速度−巻取部周速
度)/巻取部周速度 また、このようなドライクレープ法は、ヤンキードライ
ヤーを配置したヤンキー抄紙機によって紙を抄紙するこ
とにより、好適に実施可能である。また、ドライクレー
プ法により前記表面粗さ(SMD)を4.0〜15.0μ
mの範囲とした紙シートを製造し、これを複合不織布の
材料に用いることにより、柔軟で、風合いの良好な複合
不織布を得ることが出来る。
【0025】紙シートの坪量は、任意に決定しうる事項
であるが、特にJIS P 8124に示された方法で測
定した坪量が、10〜120g/mの範囲の紙シート
を使用するのが好ましい。紙シートの坪量が10g/m
未満では、パルプ繊維の絶対量が少なく、得られる複
合シートに十分な吸水性や保水性を与え難くなる。逆
に、紙シートの坪量が120g/mを超えると、パル
プ繊維の絶対量が多すぎて、紙シートに高圧水柱流を施
しても、1本1本のパルプに連続繊維と交絡しうる程度
の運動量を与え難くなるので適さない。更にパルプの絶
対量が多すぎると、得られる複合不織布の柔軟性が低下
するばかりでなく、多数のパルプの吸脱湿により、放置
された環境の湿度変化によって、シートにカールが発生
する恐れが生じ、好ましくない。
【0026】紙シートを構成するパルプ繊維としては、
針葉樹および広葉樹木材を、クラフト法、サルファイト
法、ソーダ法、ポリサルファイト法等で蒸解した化学パ
ルプ、またはグランドパルプ、サーモメカニカルパルプ
等の機械パルプを、晒あるいは未晒の状態で、単独であ
るいは混合して使用することができる。針葉樹パルプと
広葉樹パルプの重量配合比は、好ましくは、針葉樹パル
プ/広葉樹パルプ=100/0〜20/80、さらに好
ましくは100/0〜40/60であるが、針葉樹パル
プ100%であるのがもっとも好ましい。広葉樹パルプ
が80%を超えると、高圧水流によるパルプの流失量が
増加し、不経済である。
【0027】本発明に使用する紙シートのJIS P 8
118に示された方法で測定される密度は、0.65g
/cm以下、好ましくは0.2〜0.65g/cm
である。紙シートの密度が0.65g/cmを超える
と、高圧水柱流を施した場合に、パルプの運動が抑制さ
れ、連続繊維とパルプの交絡が十分でなくなるばかりで
なく、交絡後のシートの柔軟性が低下するので適さな
い。紙シートの抄紙にあたって、例えばポリアミド・エ
ピクロルヒドリン樹脂、その変性物、ポリアミン・エピ
クロルヒドリン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の湿潤
紙力増強剤を、必要に応じて適宜使用しても良いし、界
面活性剤等の柔軟剤を、必要に応じて適宜使用しても良
い。
【0028】紙シートは、あらかじめ準備したスパンボ
ンド不織布表面に積層される。この際、スパンボンド不
織布の坪量と、紙シートの坪量の比は、以下のようにす
るのが好ましい。すなわち、スパンボンド不織布の坪量
とJIS P 8124に示された方法で測定した紙シー
トの坪量の比が、紙シート/スパンボンド不織布=1/
1〜19/1となるようにするのが好ましい。紙シート
の坪量が減り、紙シート/スパンボンド不織布=1/1
未満になると、スパンボンド不織布の連続繊維の量に対
して、相対的にパルプの量が少なくなり、複合不織布の
吸水性、保水性が低下する傾向が生じる。また、連続繊
維に対して、廉価なパルプの量が少なくなることによっ
て、得られる複合不織布が高価になるという傾向が生じ
る。逆に、紙シート/スパンボンド不織布=19/1を
超えて、紙シートの坪量が重くなると、紙シートを構成
するパルプのすべてが連続繊維に交絡することが難しく
なり、得られる複合不織布を湿潤させて使用したとき
に、パルプ繊維が脱落しやすくなる傾向がある。
【0029】スパンボンド不織布と紙シートは順次支持
網上に積層される。支持網は縦糸と横糸からなる網であ
り、1重織(平織、綾織、朱子織、サテン織など)、2
重織、2.5重織、3重織等、従来公知の織り方で形成
された支持網を使用することができるが、1重織、特に
平織の支持網を使用することが、複合不織布へ付与する
開孔区域の大きさ、形をコントロールしやすいので好ま
しい。支持網を構成する縦糸と横糸としては、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリビニリデンクロライド、アラミ
ド等の合成繊維や、ステンレス鋼、ブロンズ、ブラス等
の金属繊維を使用することができる。
【0030】支持網上にスパンボンド不織布、次いで紙
シートを積層した後、紙シートの表面からスパンボンド
不織布の側に向けて、高圧水柱流を施す。すなわち、積
層物の表面側から、スパンボンド不織布側へ高圧水柱流
が貫通するようにして、高圧水柱流を施す。この高圧水
柱流は、微細な直径のノズル孔を通して、高圧水で水を
噴出させて得られるものである。例えば、孔径0.01
〜3mmの範囲のノズル孔を通して、20×10〜1
50×10Pa(20〜150kgf/cm )程度の
範囲の圧力で水を噴出させて得られる。
【0031】この水柱流を積層物に施すと、高圧水柱流
は紙シートを構成するパルプを単離させるとともに、パ
ルプやスパンボンド不織布を構成する連続繊維に、曲げ
やねじれ等の変形を起こさせ、さらにパルプに運動エネ
ルギーを十分に与え、パルプにランダムな運動を生じさ
せる。その結果、これらの複合作用によって、パルプと
連続繊維とが絡み合い、さらにこのパルプによって連続
繊維同士も交絡することになるのである。
【0032】以上のようにして得られた、複合不織布
は、パルプと連続繊維が交絡、一体化しており、均一な
開孔パターンを有した強度に優れるものであり、拭き布
として使用する場合は、所望に応じて、水やプロピレン
グリコールのような湿潤剤、アルコール類、パラオキシ
安息香酸エステル類や塩化ベンザルコニウム等の抗菌
剤、防かび剤、香料等の薬剤等が付与され、使い捨て手
拭き、ウェットティシュ、使い捨て雑巾、ワイパー等と
して使用される。また、パルプの脱落を防止する必要が
ある場合は、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、スチレンブタジエン共重合樹脂、ポリウレタン
樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂等の接着剤で処理
しても良い。
【0033】また、本発明の複合不織布は、乾燥状態に
おいて、MD方向に円弧状態となるように曲げた場合の曲
げ固さが、0.010〜0.150gf・cm/cm
の範囲であることが好ましく、このような曲げ固さはス
パンボンド不織布に交絡する紙シートにクレープ加工を
施す等によって表面粗さ(SMD)を所定の値に設定する
ことにより実現することが出来る。曲げ固さが1.15
0gf・cm/cmを超えると、複合不織布を把持し
たときに剛く感じるばかりでなく、キッチンタオルやワ
イパー用途として使用したときに複合不織布が拭取り対
象となるもの(例えばテーブルや皿、カップ等)に完全
に密接せず、拭取り性の悪いものとなってしまうのであ
る。またテーブルカバーやディナー用マット用途に用い
る場合には、テーブル上に複合不織布をおいても、その
端部がテーブルの周辺に滑らかに垂れ下がることが出来
ず、使用時の見栄えの悪いものとなってしまうのであ
る。逆に曲げ固さが0.010gf・cm/cm未満
であると、使用する際に柔らかすぎ、把持しにくくなる
ため好ましくない。曲げ固さは前記範囲であれば好適に
使用することができるが、更に好ましい範囲は、0.0
10〜0.100gf・cm/cmである。
【0034】
【実施例】 以下、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 <実施例1>ポリプロピレンスパンボンド不織布を準備し
た。このスパンボンド不織布を構成する連続繊維の繊度
は、2.2dtexであり、スパンボンド不織布の坪量
は12g/m、熱融着点の面積の合計が不織布表面積
全体に占める割合は、13.6%であった。このスパン
ボンド不織布の上に、カナダ標準フリーネス(CSF)が
660mlの針葉樹晒クラフトパルプを湿式抄紙して得
られた紙シートを積層した。この紙シートは、ヤンキー
ドライヤーを有する所謂ヤンキー抄紙機により製造さ
れ、ドライクレープ法によりクレープ加工が施されてお
り、SMDは5.1μm、坪量は30g/mであっ
た。この積層体を、紙シートが上に位置し、スパンボン
ド不織布が下に位置するようにして、プラスチック糸で
形成された移送用支持網状に戴置した。この支持網は、
構成する縦糸と横糸の直径がそれぞれ0.50mm、
0.55mmの平織(一重織)で、縦糸と横糸の一イン
チ当たりの本数は、いずれも18本であった。尚、縦糸
はシートの流れ方向に平行な糸で、横糸は縦糸に直角な
糸を意味する。
【0035】次いで、積層体を載せたこの搬送用支持網
を、30m/minの速度で移送させながら、孔径0.
15mmのノズル孔が装置の巾方向(CD方向)に1mm
の間隔で並んでいる高圧水柱流噴出装置を、シートの流
れ方向(MD方向)に3列設置した高圧水柱流処理装置
を用いて、紙シート表面に390×10Pa (40k
gf/cm)の水圧で高圧水柱流処理を施した。以上
のようにして、紙シートを構成しているパルプとスパン
ボンド不織布を構成している連続繊維を交絡させ、両者
が一体化された複合不織布を得た。
【0036】<実施例2>ポリプロピレンスパンボンド不
織布を準備した。このスパンボンド不織布を構成する連
続繊維の繊度は、2.2dtexであり、スパンボンド
不織布の坪量は12g/m、熱融着点の面積の合計が
不織布表面積全体に占める割合は、13.6%であっ
た。このスパンボンド不織布の上に、カナダ標準フリー
ネスが660mlの針葉樹晒クラフトパルプを湿式抄紙
して得られた紙シートを積層した。この紙シートは、ヤ
ンキードライヤーを有する所謂ヤンキー抄紙機により製
造され、ドライクレープ法によりクレープ加工が施され
ており、SMDは8.8μm、坪量は30g/mであ
った。この積層体を、紙シートが上に位置し、スパンボ
ンド不織布が下に位置するようにして、プラスチック糸
で形成された移送用支持網状に戴置した。この支持網
は、構成する縦糸と横糸の直径がそれぞれ0.50m
m、0.55mmの平織(一重織)で、縦糸と横糸の一
インチ当たりの本数は、いずれも18本であった。尚、
縦糸はシートの流れ方向に平行な糸で、横糸は縦糸に直
角な糸を意味する。
【0037】次いで、積層体を載せたこの搬送用支持網
を、30m/minの速度で移送させながら、孔径0.
15mmのノズル孔が装置の巾方向(CD方向)に1mm
の間隔で並んでいる高圧水柱流噴出装置を、シートの流
れ方向(MD方向)に3列設置した高圧水柱流処理装置
を用いて、紙シート表面に390×10Pa (40
kgf/cm)の水圧で高圧水柱流処理を施した。以
上のようにして、紙シートを構成しているパルプとスパ
ンボンド不織布を構成している連続繊維を交絡させ、両
者が一体化された複合不織布を得た。
【0038】<実施例3>ポリプロピレンスパンボンド不
織布を準備した。このスパンボンド不織布を構成する連
続繊維の繊度は、2.2dtexであり、スパンボンド
不織布の坪量は12g/m、熱融着点の面積の合計が
不織布表面積全体に占める割合は、13.6%であっ
た。このスパンボンド不織布の上に、カナダ標準フリー
ネスが660mlの針葉樹晒クラフトパルプを湿式抄紙
して得られた紙シートを積層した。この紙シートは、多
筒式ドライヤーを有する長網抄紙機により抄造され、抄
造後、一対の凹凸ロールによりエンボス加工が施されて
おり、SMDは13.8μm、坪量は30g/mであ
った。この積層体を、紙シートが上に位置し、スパンボ
ンド不織布が下に位置するようにして、プラスチック糸
で形成された移送用支持網状に戴置した。この支持網
は、構成する縦糸と横糸の直径がそれぞれ0.50m
m、0.55mmの平織(一重織)で、縦糸と横糸の一
インチ当たりの本数は、いずれも18本であった。尚、
縦糸はシートの流れ方向に平行な糸で、横糸は縦糸に直
角な糸を意味する。
【0039】次いで、積層体を載せたこの搬送用支持網
を、30m/minの速度で移送させながら、孔径0.
15mmのノズル孔が装置の巾方向(CD方向)に1mm
の間隔で並んでいる高圧水柱流噴出装置を、シートの流
れ方向(MD方向)に3列設置した高圧水柱流処理装置
を用いて、紙シート表面に390×10Pa (40k
gf/cm)の水圧で高圧水柱流処理を施した。以上
のようにして、紙シートを構成しているパルプとスパン
ボンド不織布を構成している連続繊維を交絡させ、両者
が一体化された複合不織布を得た。
【0040】<比較例1>ポリプロピレンスパンボンド不
織布を準備した。このスパンボンド不織布を構成する連
続繊維の繊度は、2.2dtexであり、スパンボンド
不織布の坪量は12g/m、熱融着点の面積の合計が
不織布表面積全体に占める割合は、13.6%であっ
た。このスパンボンド不織布の上に、カナダ標準フリー
ネスが660mlの針葉樹晒クラフトパルプを湿式抄紙
して得られた紙シートを積層した。この紙シートは、多
筒式ドライヤーを有する長網抄紙機により抄造され、こ
の紙シートのSMDは2.8μm 、坪量は30g/m
であった。この積層体を、紙シートが上に位置し、ス
パンボンド不織布が下に位置するようにして、プラスチ
ック糸で形成された移送用支持網状に戴置した。この支
持網は、構成する縦糸と横糸の直径がそれぞれ0.50
mm、0.55mmの平織(一重織)で、縦糸と横糸の
一インチ当たりの本数は、いずれも18本であった。
尚、縦糸はシートの流れ方向に平行な糸で、横糸は縦糸
に直角な糸を意味する。
【0041】次いで、積層体を載せたこの搬送用支持網
を、30m/minの速度で移送させながら、孔径0.
15mmのノズル孔が装置の巾方向(CD方向)に1mm
の間隔で並んでいる高圧水柱流噴出装置を、シートの流
れ方向(MD方向)に3列設置した高圧水柱流処理装置
を用いて、紙シート表面に390×10Pa (40k
gf/cm)の水圧で高圧水柱流処理を施した。以上
のようにして、紙シートを構成しているパルプとスパン
ボンド不織布を構成している連続繊維を交絡させ、両者
が一体化された複合不織布を得た。
【0042】<比較例2>ポリプロピレンスパンボンド不
織布を準備した。このスパンボンド不織布を構成する連
続繊維の繊度は、2.2dtexであり、スパンボンド
不織布の坪量は12g/m、熱融着点の面積の合計が
不織布表面積全体に占める割合は、13.6%であっ
た。このスパンボンド不織布の上に、カナダ標準フリー
ネスが660mlの針葉樹晒クラフトパルプを湿式抄紙
して得られた紙シートを積層した。この紙シートは、ヤ
ンキードライヤーを有する所謂ヤンキー抄紙機により製
造され、ドライクレープ法よりクレープ加工が施されて
おり、SMDは18.5μm、坪量は30g/mであ
った。この積層体を、紙シートが上に位置し、スパンボ
ンド不織布が下に位置するようにして、プラスチック糸
で形成された移送用支持網状に戴置した。この支持網
は、構成する縦糸と横糸の直径がそれぞれ0.50m
m、0.55mmの平織(一重織)で、縦糸と横糸の一
インチ当たりの本数は、いずれも18本であった。尚、
縦糸はシートの流れ方向に平行な糸で、横糸は縦糸に直
角な糸を意味する。
【0043】次いで、積層体を載せたこの搬送用支持網
を、30m/minの速度で移送させながら、孔径0.
15mmのノズル孔が装置の巾方向(CD方向)に1mm
の間隔で並んでいる高圧水柱流噴出装置を、シートの流
れ方向(MD方向)に3列設置した高圧水柱流処理装置
を用いて、紙シート表面に390×10Pa (40k
gf/cm)の水圧で高圧水柱流処理を施した。以上
のようにして、紙シートを構成しているパルプとスパン
ボンド不織布を構成している連続繊維を交絡させ、両者
が一体化された複合不織布を得た。
【0044】実施例1〜3、比較例1〜2で得られたシ
ートを下記の方法で試験し、その品質を評価した。結果
は表1に示すとおりである。
【0045】試験方法 (1) MD方向のSMD 表面試験機KES−FB−4(カトーテック(株)社製
KES−FBシステム)を用いて測定する。尚、試料
は、事前にJIS P 8111に準じて前処理を行った
ものを用いる。表面試験機に試料を測定方向がMD方向と
並行になるように、20gf/cmの張力でセットす
る。測定幅5mmとなるようした直径0.5mmのピア
ノ線で構成された測定子を用いる。測定子を通して試料
表面に10gfの荷重を付与しながら、サンプルを速度
0.1cm/secでMD方向と平行な方向に水平に移
動させ、測定距離2cmの間の試料の表面厚さの変動
(μm)を測定する。その際、測定距離(測定子の移動
距離)を横軸に、測定した表面厚さを縦軸にしたチャー
トを作成し、更に表面厚さの平均値を求めて、各測定点
における、表面厚さとその平均値との差の絶対値を算出
する。この差の絶対値を横軸の測定距離で積分し(チャ
ートにおいて、「表面厚さを表す折れ線」と「表面厚さ
の平均値を表す直線」によって囲まれた部分の面積を求
め)、更にこの積分値を測定距離で割って表面粗さ(S
MD)を求める。測定は、5枚のサンプルについて測定
し(N=5)、その平均値を表1に記した。
【0046】(2) 曲げ固さ(DRY) 純曲げ試験機KES−FB−2(カトーテック(株)社製
KES−FBシステム)を用いて試料幅20cm、つ
かみ間隔1cmで測定する。つまり、試料が試料幅20
cmの方向に直線状となり、つかみ間隔1cmの方向に
円弧状に曲がるように折り曲げで試験する。尚、試料
は、事前にJIS P 8111に準じて前処理を行って
ものを用いる。純曲げ方式(常に円弧を保ちながら)で
曲率増加速度0.5cm−1/secで試料を最大曲率
2.5cm−1まで表側に曲げ、元に戻す。次に−2.
5cm−1まで裏側に曲げ、元に戻す。縦軸を試料幅1
cm当たりの曲げモーメント(gf・cm/cm)、横
軸を曲率(cm−1)としてチャートに記録したときの曲
率0.5〜1.5cm−1の間の傾斜を「曲げ固さ」と
して求める。測定はT(試料を、MD方向に直線状に
し、MD方向に直角な方向に円弧状となるように曲げる
場合)、Y(試料を、MD方向に直角な方向に直線状と
し、MD方向に円弧状となるように曲げる場合)それぞ
れN=5で行い、T、Yそれぞれの平均値を表1に記し
た。
【0047】(3)曲げ固さ(WET) JIS P 8111に準じて前処理した試料を、イオ
ン交換水に浸漬し、イオン交換水が試料の自重の1.9
〜2.1倍含まれるように、濾紙で水を切りサンプルと
する。曲げ固さ(DRY)の試験方法に準じて曲げ固さを
測定し、表1に記した。
【0048】(4)引裂強さ(mN) JIS P 8116に準じて、複合不織布の縦方向
(MD方向)の引裂強さを測定した。
【0049】(5)引張強度(N)、湿潤引張強度(N) JIS L 1906の引張強さ(標準時、湿潤時)に
準じて測定した。
【0050】
【表1】
【0051】実施例1〜3で得られた複合不織布は、引
張強度、引き裂き強度に優れるとともに、曲げ固さが小
さく、柔軟で風合いに優れたシートとなっている。これ
に対し、SMDが小さすぎる場合は(比較例1)、湿潤
時の曲げ固さ(曲げ固さWET)は、大差なく、柔軟な
ものとなっているが、非湿潤時の曲げ固さ(曲げ固さD
RY)、特にY(MD方向に円弧状となるように曲げた
場合)方向の曲げ固さが、実施例にかかる複合不織布に
比べて大幅に高くなり、風合いの固いシートとなった。
逆にSMDが大きすぎる場合(比較例2)、SMDが小
さすぎる場合(比較例1)については、非湿潤時の曲げ
固さ(曲げ固さDRY)のY方向の曲げ固さは低くなっ
ているものの、実施例にかかる複合不織布に比べると依
然高く、風合いに劣るものとなっている。
【0052】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明にかかる
複合不織布は、湿潤時のみならず、非湿潤状態において
も柔軟であり、さらに風合いにも優れたものであり、キ
ッチンタオル、ワイパー、テーブルカバー、ディナー用
マット等の雑貨用シート、ドリップ吸収材や包装材料等
に好適に使用できるという効果を奏する。また、本発明
にかかる複合不織布の製造方法は、紙シートのパルプ繊
維とスパンボンド不織とを交絡させる過程において特定
の紙シートを用いることにより、上記のような優れた複
合不織布を製造できるという効果を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持網上にスパンボンド不織布を載せ、
    その表面に紙シートを積層後、該紙シートの表面からス
    パンボンド不織布側に向けて高圧水柱流を施すことによ
    り、該紙シートを構成するパルプとスパンボンド不織布
    を構成する連続繊維とを交絡させて製造した複合不織布
    において、 該紙シートのMD方向に平行に測定した表面粗さ(SM
    D)が、4.0〜15.0μmの範囲である紙シートを
    用いたことを特徴とする複合不織布。
  2. 【請求項2】 前記紙シートは、クレープ加工を施され
    ることにより前記表面粗さ(SMD)が所定の数値範囲
    とされていることを特徴とする請求項1に記載の複合不
    織布。
  3. 【請求項3】 製造された前記複合不織布は、乾燥状態
    で、MD方向に円弧状となるように曲げた場合の曲げ固
    さが、0.010〜0.150gf・cm/cmの範
    囲であることを特徴とする請求項1または請求項2のい
    ずれかに記載した複合不織布。
  4. 【請求項4】 支持網上にスパンボンド不織布を載せ、
    その表面に紙シートを積層後、該紙シートの表面からス
    パンボンド不織布側に向けて高圧水柱流を施すことによ
    り、該紙シートを構成するパルプとスパンボンド不織布
    を構成する連続繊維とを交絡させて複合不織布を製造す
    る方法において、 該紙シートのMD方向に平行な方向に沿って測定した表
    面粗さ(SMD)が、4.0〜15.0μmの範囲であ
    る紙シートを用いたことを特徴とする複合不織布の製造
    方法。
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