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JP3285480B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物

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JP3285480B2
JP3285480B2 JP34040195A JP34040195A JP3285480B2 JP 3285480 B2 JP3285480 B2 JP 3285480B2 JP 34040195 A JP34040195 A JP 34040195A JP 34040195 A JP34040195 A JP 34040195A JP 3285480 B2 JP3285480 B2 JP 3285480B2
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Polyplastics Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、改良されたポリア
セタール樹脂組成物に関する。更に詳しくは、ポリアセ
タール樹脂にアミノアルコキシシランで表面処理された
ガラス系無機充填剤とホウ酸化合物を添加してなる、成
形品の機械的強度に優れたポリアセタール樹脂組成物に
関するものである。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリア
セタール樹脂が、ガラス系無機充填剤により強化される
ことは、従来より知られているが、化学的に不活性な
為、単にポリアセタール樹脂と例えばガラスビーズ等の
ガラス系無機充填剤と溶融混練しても、補強効果は現れ
ず、逆に非強化のポリアセタール樹脂よりも機械的強度
が低下する場合もある。この点を改良するために、ガラ
ス系無機充填剤をエポキシ系化合物、シラン系化合物、
チタネート系化合物等で表面処理したものを使用する方
法が提案されている。しかし、これらの方法によって
も、工業的に実施する場合、機械的強度の向上が小さ
く、未だ満足できるものではない。
【０００３】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる問題
に鑑み、優れた機械的物性を持つ強化ポリアセタール樹
脂組成物を得るべく鋭意研究を重ねた結果、少量のホウ
酸化合物をポリアセタール樹脂及びアミノアルコキシシ
ランで表面処理されたガラス系無機充填剤と共に溶融混
練して組成物を調製することによって、かかる問題が顕
著に改善されることを確認し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は (A) ポリアセタール樹脂 100重量部に対して (B) アミノアルコキシシランで表面処理されたガラス系
無機充填剤３〜200 重量部と (C) ホウ酸化合物 0.001〜3.0 重量部を添加して成るポ
リアセタール樹脂組成物に関するものである。
【０００４】
【発明の実施の形態】以下に本発明の構成成分について
説明する。本発明で用いられるポリアセタール樹脂(A)
とは、オキシメチレン基(-CH2O-)を主たる構成単位とす
る高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマー、
又はオキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし、これ
以外に他の構成単位、例えばエチレンオキサイド、1,3
−ジオキソラン、1,4 −ブタンジオール等のコモノマー
単位を少量含有するコポリマー、ターポリマー、ブロッ
クポリマーの何れにても良く、又、分子が線状のみなら
ず分岐、架橋構造を有するものであってもよく、又、他
の有機基を導入した公知の変性ポリオキシメチレンであ
ってもよい。又、その重合度に関しても特に制限はな
く、溶融成形加工性を有するもの（例えば 190℃、2160
ｇ荷重下でのメルトフロー値（ＭＦＲ）が 1.0〜100 ｇ
／10分）であればよい。
【０００５】次に本発明で用いられる(B) 成分のガラス
系無機充填剤は、目的に応じて繊維状（ガラス繊維）、
粉状（ミルドファイバー）、粒状（ガラスビーズ）、板
状（ガラスフレーク）の充填剤または中空状（ガラスバ
ルーン）またはこれらの混合物が用いられる。本発明に
おいて、ガラス系無機充填剤としては、アミノアルコキ
シシランで表面処理されたものが使用される。未処理の
ものや、チタネート系あるいはアミノアルコキシシラン
以外のシラン系カップリング剤等の表面処理剤による処
理を施されている無機充填剤では、本発明の目的に対す
る効果が劣る。チタネート系表面処理剤としては、例え
ばチタニウム−ｉ−プロポキシオクチレングリコレー
ト、テトラ−ｎ−ブトキシチタン、テトラキス（２−エ
チルヘキソキシ）チタン等が挙げられる。又、シラン系
カップリング剤としては、例えばビニルアルコキシシラ
ン、エポキシアルコキシシラン、アミノアルコキシシラ
ン、メルカプトアルコキシシラン、アリルアルコキシシ
ラン等が挙げられる。ビニルアルコキシシランとして
は、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリス（β−メトキシエトキシ）シ
ランなどが挙げられる。エポキシアルコキシシランとし
ては、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、β−（3,4 −エポキシシクロヘキシル）エチルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシランなどが挙げられる。アミノアルコキシシラン
としては、例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルメチルジエトキシシラン、Ｎ−（β−アミノエチル）
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、Ｎ−フェニ
ル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げ
られる。メルカプトアルコキシシランとしては、例えば
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
アリルアルコキシシランとしては、例えばγ−ジアリル
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アリルアミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アリルチオプロピル
トリメトキシシランなどが挙げられる。何れの表面処理
剤を用いても、ある程度の効果を得ることができるが、
本発明の目的のためには、アミノアルコキシシランが特
に好ましい表面処理剤である。表面処理剤の使用量は、
無機充填剤100 重量部に対して0.01〜20重量部、好まし
くは0.05〜10重量部、特に好ましくは0.05〜５重量部で
ある。 (B) 成分としての無機充填剤の配合量は、３〜200 重量
部、好ましくは５〜150 重量部、特に好ましくは10〜10
0 重量部である。３重量部未満では機械的物性の改善が
不十分であり、200 重量部を越えると成形加工が困難に
なる。
【０００６】本発明で用いられる(C) 成分のホウ酸化合
物としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸及び
三酸化二ホウ素が挙げられ、市販品を使用することが出
来る。(C) 成分としてのホウ酸化合物の配合量は、0.00
1 〜３重量部、好ましくは0.005 〜１重量部、特に好ま
しくは0.01〜0.5 重量部である。0.001 重量部未満では
所望の効果が得られず、３重量部を越えると熱安定性が
問題となる。
【０００７】本発明の組成物は、さらに公知の各種安定
剤を添加して安定性を補強することができる。また、目
的とする用途に応じてその物性を改善するため、更に公
知の各種の添加物を配合し得る。添加物の例を示せば、
各種の着色剤、滑剤、離型剤、核剤、帯電防止剤、その
他の界面活性剤、異種ポリマー、有機改良剤、本発明で
使用する以外の充填剤等である。
【０００８】次に本発明の組成物の調製は、従来の樹脂
組成物調製法として一般に用いられる公知の方法により
容易に調製される。例えば各成分を混合した後、１軸又
は２軸の押出機により練込み押出しして、ペレットを調
製し、しかる後、成形する方法、一旦組成の異なるペレ
ット（マスターバッチ）を調製し、そのペレットを所定
量混合（稀釈）して成形に供し、成形後に目的組成の成
形品を得る方法等、何れも使用できる。又、斯かる組成
物の調製において、基体であるポリアセタール樹脂の一
部又は全部を粉砕し、これとその他の成分を混合した
後、押出等を行うことは添加物の分散性を良くする上で
好ましい方法である。
【０００９】
【発明の効果】本発明によれば、優れた機械的物性を備
えたポリアセタール樹脂組成物を提供することができ
る。
【００１０】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例１〜13、比較例１〜16 ポリアセタール樹脂〔ポリプラスチックス（株）製、商
品名「ジュラコン・Ｍ270 」〕100 重量部に、表１，２
に示す各種のガラス系無機充填剤とホウ酸を表１，２に
示す量で配合し、シリンダー温度 200℃の押出機で溶融
混練し、ペレット状の組成物を調製した。次いでこのペ
レット状の組成物から射出成形機を用いて試験片を成形
し、以下に示す物性を測定した。結果を表１，２に示
す。比較のため、それぞれのガラス系無機充填剤に対し
て、ホウ酸を添加しない組成物についても同様に調製
し、評価を行った。結果を表３に示す。尚、測定・評価
方法は次の通りである。 引張強伸度／曲げ強度 試験片を温度23℃、湿度50％の条件下に48時間放置し、
ASTM-D638(引張) とASTM-D790(曲げ) に準じて測定し
た。
【００１１】
【表１】
【００１２】
【表２】
【００１３】
【表３】
【００１４】* B-1 ；ガラスビーズ（表面処理剤無使
用） B-2 ；γ−アミノプロピルトリエトキシシランで表面処
理したガラスビーズ B-3 ；ビニルトリエトキシシランで表面処理したガラス
ビーズ B-4 ；γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランで
表面処理したガラスビーズ B-5 ；メルカプトプロピルトリメトキシシランで表面処
理したガラスビーズ B-6 ；チタニウム−ｉ−プロポキシオクチレングリコレ
ートで表面処理したガラスビーズ B-7 ；γ−アミノプロピルトリエトキシシランで表面処
理したガラスファイバー B-8 ；チタニウム−ｉ−プロポキシオクチレングリコレ
ートで表面処理したガラスファィバー B-9 ；γ−アミノプロピルトリエトキシシランで表面処
理したガラスフレーク C-1 ；オルトホウ酸 C-2 ；四ホウ酸

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】(A) ポリアセタール樹脂 100重量部に対し
    て (B) アミノアルコキシシランで表面処理されたガラス系
    無機充填剤３〜200 重量部と (C) ホウ酸化合物 0.001〜3.0 重量部 を添加して成るポリアセタール樹脂組成物。
  2. 【請求項２】(B) 成分が、ガラス繊維である請求項１記
    載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 【請求項３】(B) 成分が、ガラスビーズ、ミルドファイ
    バー及びガラスフレークから選ばれた無機充填剤である
    請求項１記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 【請求項４】(C) ホウ酸化合物が、オルトホウ酸、メタ
    ホウ酸、四ホウ酸及び三酸化二ホウ素の中から選ばれる
    少なくとも１種であるである請求項１〜３の何れか１項
    記載のポリアセタール樹脂組成物。
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