JP3226585U - サイレンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】吸音材の吸音効果の低下を招くことなく、充填孔からの繊維材料の飛び出しを防止して押し込み作業や溶接不良を防ぐことができ、優れた消音効果を有するサイレンサを提供する。【解決手段】繊維材料を充填するための充填孔を備えたサイレンサであって、当該充填孔をバーリング加工による縦壁6aで形成するとともに、当該縦壁の先端部の内径が当該縦壁の立ち上がり部の内径の、0.7倍以上かつ0.9倍以下となるよう構成した。繊維材料を充填した後に充填孔に蓋8を取り付ける。【選択図】図3
Description
本考案は、自動車などの排気管に設けられるサイレンサに関する。
従来、自動車などの排気管に設けられるサイレンサとして、多数の通気孔を所定箇所に貫設した排気管の外周に、吸音材の機能を有するグラスウールなどの繊維材料をバインダで固めて包囲し、さらに周囲を外郭で包囲したものが知られている。
この場合、排気管を通る高温、高圧の排気ガスが通気孔を介して繊維材料に繰り返し作用することにより消音効果が発揮される。そのため、繊維材料が次第に劣化して通気孔から排気ガス中に吸い込まれ、外気に飛散して環境を汚染してしまうという問題がある。また、繊維材料の飛散により、サイレンサ内の繊維材料の重量が減少して消音効果が低下するという問題がある。
近年では、このような繊維材料の飛散を防止するため、吸音材としてグラスファイバーなどの長繊維材を使用し長繊維材をボディ内に直接充填する方法が使用されている。長繊維材を使用することにより、サイレンサ内に直接充填でき製造コストが抑制できると共に、通気孔から繊維材料が飛散することを防止でき、消音効果の優れたサイレンサを提供することが可能となる。
長繊維材をサイレンサの内部空間に直接充填する方法としては、ボディに充填用の孔を設けて充填ノズルを充填孔に差し込み、排気管とボディとの間に気圧差を設けてボディの内部空間に長繊維材を直接充填する。長繊維材の充填が完了すると、充填用孔部を蓋により閉塞し、蓋の周囲を溶接で固着するというものである。
しかしながら、上記の特許文献1のサイレンサの充填孔構造では、充填時または充填完了時に長繊維材が充填孔から飛び出したり、ボディ内に積層された長繊維材が自身の反発力により充填孔からはみ出してしまう問題がある。充填孔から長繊維材がはみ出してしまうと、人の手や治具で押し込む作業が必要となる。また、長繊維材が充填用孔からはみ出したまま蓋をすると、長繊維材が溶接合わせ面など意図しない個所に噛み込まれて溶接不良を起こしてしまい、蓋をボディに確実に固着することができず、例えば消音効果が損なわれてしまうという問題があった。
本考案はこのような問題点を解決するためになされたものであり、充填孔からの繊維材料の飛び出しを防止して押し込み作業や溶接不良を防ぐことができ、優れた消音効果を有するサイレンサを提供することを目的とする。
請求項1に係る考案は、繊維材料を充填するための充填孔を備えたサイレンサであって、当該充填孔をバーリング加工による縦壁で形成するとともに、当該縦壁の先端部の内径が当該縦壁の立ち上がり部の内径の、0.7倍以上かつ0.9倍以下であることを特徴とする。
請求項2に係る考案は請求項1の構成に加えて、前記縦壁先端部に前記充填孔内周に向けた折返し部を形成したことを特徴とする。
請求項3に係る考案は請求項1または請求項2の構成に加えて、前記バーリング加工部周囲の面は、前記サイレンサが車載状態において前記サイレンサ外周に向けた傾斜を形成するよう構成したことを特徴とする。
請求項1記載の考案によれば、充填孔を縦壁で形成したことにより繊維材料が溶接個所へ飛び出すことを防止することができ、繊維材料をボディ内に押し戻す作業が不要となる。そして、繊維材料を充填した後に充填孔に蓋を取り付ける際、蓋の側面部が縦壁の外側に嵌合するように位置決めすることができ、蓋により充填孔を容易に閉塞することができるため作業効率を向上させることができる。
また、当該縦壁の先端部の内径が当該縦壁の立ち上がり部の内径の、0.7倍以上かつ0.9倍以下とすることで、より効果的に繊維材料の溶接個所への飛び出しを防止することができ、溶接を行う蓋と充填孔外周との間に繊維材料が噛み込まれて溶接不良を起こすことなく、確実に溶接を行うことが可能となる。
請求項2記載の考案によれば、充填孔の縦壁先端部に形成した折返し部により、充填した繊維材料を押さえて充填孔からの飛び出しをより効果的に防止することができる。これにより、繊維材料が溶接個所への飛び出しを防ぐことができ、溶接を行う蓋と充填孔外周との間に繊維材料が噛み込まれて溶接不良を起こすことなく、確実に溶接を行うことが可能となる。
請求項3記載の考案によれば、充填孔のバーリング部周囲の面を、サイレンサ車載状態においてサイレンサ外周に向けた傾斜を形成したことにより、水がかかっても水がサイレンサ外周に排出されやすくなり、充填孔周囲のサビの発生を防ぐことができる。
以下、本考案の実施形態について図面に基づいて説明する。尚、以下の実施形態の説明は、本質的な例示に過ぎず、本考案、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
本実施例のサイレンサ1は、自動車の内燃機関の排気系に設けられ、図1に示すように、パイプ2とパイプ外側に設けられるボディ3a・3bと、ボディ3a・3b内部の長手方向の所定の部位に複数設けられ、パイプ2とボディ3a・3bとに固着される仕切り板4と、パイプ2、仕切り板4、およびボディ3a・3bとの間に充填される繊維材料5と、を備える。
パイプ2は、円筒状でありその周面には多数の通気孔2aが形成されている。パイプ2を通る排気ガス中の騒音は、通気孔2aを介して繊維材料5に吸音される。
ボディ3は、金属薄板をプレス加工した上側ボディ3aと下側ボディ3bからなり、二つのボディ3a、3bの対向する周縁部を合わせて接合することで、内部空間を有した断面略楕円形に形成されている。以下、上側ボディ3aと下側ボディ3bを合わせたボディ全体をボディ3と呼ぶ。パイプ2がサイレンサ1のボディ3を貫通し、ボディの外側から内側にむけて配置されている。本考案に係る消音器ボディ2は上側ボディ2aと下側ボディ2bからなる所謂モナカ合わせ構造となっている。本考案に係る消音器ボディ2は上側ボディ2aと下側ボディ2bからなる所謂モナカ合わせ構造となっている。
仕切り板4は、ボディ3の長手方向の所定の位置にパイプ1本あたり2か所設けられている。パイプ2の通気孔2aを形成した部分の両端部に仕切り板4が配置され、ボディ3との間で閉塞空間が形成されている。仕切り板4は、仕切り板4の所定箇所には多数の通気孔4aが設けられ、仕切り板4の略中央にはパイプ2が貫通する貫通孔4bが設けられている。上側ボディ3a、下側ボディ3b、パイプ2および仕切り板4で囲まれた内部空間に吸音材としての機能を持つ繊維材料5を充填する。
仕切り板4は、仕切り板4の貫通孔4bとパイプ2の外周はMIG溶接により固着され、仕切り板4と下側ボディ3bとはスポット溶接で、仕切り板4と上側ボディ3aはMIG溶接でそれぞれ固着されている。
繊維材料5は、吸音機能を有する長繊維材である。繊維材料5は、パイプ2の通気孔2aおよび仕切り板4の通気孔4aを通る排気ガスの騒音を吸音する。繊維材料5は、例えばグラスファイバーなどのガラス繊維材の長繊維材を用いると好適であるが、ガラス繊維材以外の吸音材として機能する長繊維材を用いてもよい。
図2に示すように、上側ボディ3aには、繊維材料5を充填するための充填孔6が設けられている。充填孔6は、図3に示すように、バーリング加工による縦壁6aを有している。充填孔6を縦壁6aで形成したことにより、縦壁6aが充填孔周囲への繊維材料5の飛び出しを妨げる壁として作用するため、繊維材料5が溶接個所へ飛び出すことを防止することができる。また、繊維材料5を充填した後に充填孔6に蓋8を取り付ける際、蓋8の側面部8bが縦壁6aの外側に嵌合するように位置決めすることができ、蓋8の位置決め性が向上し作業効率を向上させることができる。
さらに縦壁6aの先端部の内径は縦壁6aの立ち上がり部の内径の、0.7倍以上かつ0.9倍以下である。先端部の内径が立ち上がり部の内径に比べて絞られているため、より効果的に充填孔からの繊維材料5の飛び出しを防ぎ、蓋8をしめた際に、溶接部への繊維材料5の噛み込みを抑止することができる。先端部の内径と立ち上がり部の内径の比率の下限0.7と上限0.9の根拠は以下のとおりである。
上限0.9を超えて先端部の内径が大きく成ると縦壁6aの繊維材料5の飛び出しを妨げる壁としての機能が低くなり、繊維材料5が飛び出すことを防止することが十分にできなくなる。また下限0.7を超えて先端部の内径が小さくなると繊維材料充填のための充填ノズル7を挿入するための十分な内径が確保できなくなる。すなわち充填ノズル7挿入に必要な内径を確保しつつ繊維材料5の飛び出しを防止できる内径の比率が下限0.7から上限0.9の範囲となる。
上限0.9を超えて先端部の内径が大きく成ると縦壁6aの繊維材料5の飛び出しを妨げる壁としての機能が低くなり、繊維材料5が飛び出すことを防止することが十分にできなくなる。また下限0.7を超えて先端部の内径が小さくなると繊維材料充填のための充填ノズル7を挿入するための十分な内径が確保できなくなる。すなわち充填ノズル7挿入に必要な内径を確保しつつ繊維材料5の飛び出しを防止できる内径の比率が下限0.7から上限0.9の範囲となる。
縦壁6aの先端部には充填孔6内周に向けた折返し部6bが形成されている。これにより、繊維材料5がボディ3の外側へ飛び出すことを防ぐことができ、溶接を行う蓋8と充填孔6外周との間に繊維材料5が噛み込まれて溶接不良を起こすことなく、確実に溶接を行うことが可能となる。
なお本実施例の先端部の内径と立ち上がり部の内径の比率は0.79、縦壁6aの高さは3mmである。
なお本実施例の先端部の内径と立ち上がり部の内径の比率は0.79、縦壁6aの高さは3mmである。
蓋8は、繊維材料5を充填した後の充填孔6を上側ボディ3aの外側から閉塞する部材である。蓋8は、図3に示すように、ハット状の断面形状を成し、外周側の平坦なフランジ部8aと、そのフランジ部8aの内周縁から立ち上がる側面部8bと、その側面部8bの内周側を閉塞する平坦な閉塞部8cとを有している。蓋8の側面部8bは、充填孔6aの縦壁6aの立ち上がり部に沿う角度で形成されており、充填孔6と嵌合するよう形成されている。このような形状の蓋8は例えばプレス成型で製作される。
本実施形態のサイレンサ1を製造する工程の概要を説明する。まず繊維材料5の充填を除いてはサイレンサ1の組み立ては終了している。(この組み立て工程は一般的な工程のため説明は省略する。)次に、パイプ2とボディ3a、3bと仕切り板4とで囲まれた空間内に、図2に示すように、充填孔6に挿入した充填ノズル7から繊維材料5を送り込むことにより充填する。この繊維材料5の充填工程では、上側ボディ3aの充填孔6に形成されている縦壁6aが、繊維材料5がボディ3外に飛び出しだすことを妨げる壁として作用するため、繊維材料5が充填孔6外周の溶接部に入り込むことを防止することができる。また、充填孔6の縦壁6a先端部に折返し部6bを形成することで、より効果的に繊維材料5が溶接部に入り込むことを防止することができる。
繊維材料5を充填した後、図3に示すように、蓋8を充填孔6に配置する。蓋8を配置する際には、蓋8の側面部8bが縦壁6aの外周部に嵌合するよう配置する。そして、蓋8のフランジ部8a外周をMIG溶接して固着する。このように充填孔6を蓋8で閉塞することで、繊維材料5の充填工程が完了しサイレンサ1が完成する。
本考案の第2実施例を、図4および図5を用いて説明する。本実施形態のサイレンサ1は、充填孔6のバーリング加工部周囲の面6cを、図4に示すようにサイレンサ車載状態においてサイレンサ外周に向けた傾斜αを有する面で形成した。これにより、蓋8や充填孔6付近に水がかかっても水がサイレンサ外周に留まることなく図5に示す矢印の方向に排出される。このため充填孔周囲にサビが発生するのを防ぐことができる。
1 サイレンサ
2 パイプ
3 ボディ
4 仕切り板
5 繊維材料
6 充填孔
7 充填ノズル
8 蓋
2 パイプ
3 ボディ
4 仕切り板
5 繊維材料
6 充填孔
7 充填ノズル
8 蓋
Claims (3)
- 繊維材料を充填するための充填孔を備えたサイレンサであって、
当該充填孔をバーリング加工による縦壁で形成するとともに、当該縦壁の先端部の内径が当該縦壁の立ち上がり部の内径の、0.7倍以上かつ0.9倍以下であること、
を特徴とするサイレンサ。 - 前記縦壁先端部に前記充填孔内周に向けた折返し部を形成したこと、
を特徴とする請求項1に記載のサイレンサ。 - 前記バーリング加工部周囲の面は、前記サイレンサが車載状態において前記サイレンサ外周に向けた傾斜を形成するよう構成したこと、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のサイレンサ。
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JP2020001239U JP3226585U (ja) | 2020-04-07 | 2020-04-07 | サイレンサ |
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WO2022030184A1 (ja) * | 2020-08-07 | 2022-02-10 | 株式会社ユタカ技研 | 消音器への吸音材充填方法 |
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2020
- 2020-04-07 JP JP2020001239U patent/JP3226585U/ja active Active
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JP2022030975A (ja) * | 2020-08-07 | 2022-02-18 | 株式会社ユタカ技研 | 消音器への吸音材充填方法 |
JP7260511B2 (ja) | 2020-08-07 | 2023-04-18 | 株式会社ユタカ技研 | 消音器への吸音材充填方法 |
US12188389B2 (en) | 2020-08-07 | 2025-01-07 | Yutaka Glken Co., Ltd. | Method for filling silencer with sound absorbing material |
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