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JP3218026B2 - 体積膨張反応を随伴する潜在性触媒型の硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

体積膨張反応を随伴する潜在性触媒型の硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物

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JP3218026B2
JP3218026B2 JP31010999A JP31010999A JP3218026B2 JP 3218026 B2 JP3218026 B2 JP 3218026B2 JP 31010999 A JP31010999 A JP 31010999A JP 31010999 A JP31010999 A JP 31010999A JP 3218026 B2 JP3218026 B2 JP 3218026B2
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Japan
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epoxy resin
curing
curing agent
cured
resin composition
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載洛 李
秀進 朴
根昊 郭
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Korea Research Institute of Chemical Technology KRICT
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Korea Research Institute of Chemical Technology KRICT
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬化反応時に体積
(カサ)膨張性を有する様に考案された、ヘキサフルオ
ロアンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化剤を
含有した新規なエポキシ樹脂組成物に関する。さらに
は、該エポキシ樹脂硬化系を硬化してなるエポキシ樹脂
硬化物、および該エポキシ樹脂硬化物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】既存の熱硬化性樹脂は、3〜15%のカ
サ縮小、すなわち、体積縮小をおこしながら硬化され
る。このような体積縮小は成形品の寸法安定性を低下さ
せ、例えば、精巧な接着剤及び優れた物性を有する複合
材料マトリックスを製造するにおいて、基質と媒質との
接着性の低下や、気孔(残存気泡により生じる孔)発
生、並びに微細亀裂(microcrack)発生等の問題を引きお
こす。このような成形品の収縮を防ぐために初期には充
填剤等を利用したが、これには成形用の鋳型の表面を損
傷させる等の多くの問題点を有していた。
【0003】その後、重合時(硬化のための重合)に熱
硬化性樹脂の体積収縮を抑制する、あるいは若干の体積
膨張をもたらすスピロオルト(spiro-ortho) 化合物が紹
介されたが、該化合物の合成過程は複雑であった。ま
た、例えば、硬化反応に供されたエポキシ樹脂とスピロ
オルト化合物とが共重合されてなるエポキシ樹脂の硬化
物は、そのガラス転移温度(Tg)が低いので残留応力が発
生し、その応用に制限があった。なお、このスピロオル
ト化合物は、一般に加熱時約25%まで熱硬化性樹脂の
体積を膨張させるが、エポキシ樹脂に混合した場合に
は、該エポキシ樹脂の硬化反応とは無関係に体積膨張が
おこり、硬化反応による体積収縮を効率的に抑制するこ
とが不可能であった。その結果、全体硬化系、および、
該硬化系を硬化させてなる硬化物、において物性の均一
化を達成することが困難であった。したがって、このよ
うな膨張性樹脂の硬化物は全体的な機械的均一性が要求
される構造材料としての有用性に劣るという問題点を有
していた。尚、上記の「硬化系」とは、熱硬化性樹脂等
の樹脂を含んでなり、例えば、熱等による硬化反応に供
される反応系のことを指す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明で
は既存のバルキー(bulky) 充填剤を含んでなる硬化系
や、その低いガラス転移温度と全体硬化系での不均一性
の誘発とにより機械的物性が劣るスピロオルト混合物
(すなわち、スピロオルト化合物を含有してなる硬化系
や、その硬化物)の有する問題点等を止揚し、合成が容
易、かつ、比較的高いガラス転移温度を示し、さらには
熱や紫外線等の様々なエネルギー源を適用することがで
きる触媒(すなわち硬化剤)が導入されてなる硬化系を
提供することを目的としている。これにより、加工上の
問題点等を解決し、高い活性と貯蔵安定性とを有する硬
化系を開発することができる。本願発明は同時に、残留
熱応力等の発生がなく、優れた寸法安定性を有する成形
品、体積縮小を起さない歯科用充填剤、高強度の精密接
着剤、微小亀裂の発生原因を除去した優れた物性を有す
る複合材料のマトリックス及び半導体、そして航空宇宙
材料に至るまで、高付加価値を創出できる先端精密分野
に適用可能な硬化物を提供できる、新しい機能を有する
硬化系の開発及びその応用を主目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるエポキシ
樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、エポキシ
樹脂を含んでなるエポキシ樹脂組成物であって、上記エ
ポキシ樹脂の硬化過程において、該エポキシ樹脂の体積
縮小を抑制する特性、または、体積膨張を誘導する特性
を有するヘキサフルオロアンチモネート含有陽イオン潜
在性触媒型の硬化剤をさらに含有してなり、上記ヘキサ
フルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬
化剤が以下に示す化学式(1)
【0006】
【化5】
【0007】に示された化合物であることを特徴として
いる。
【0008】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物は、上
記の課題を解決するために、エポキシ樹脂を含んでなる
エポキシ樹脂組成物であって、上記エポキシ樹脂の硬化
過程において、該エポキシ樹脂の体積縮小を抑制する特
性、または、体積膨張を誘導する特性を有するヘキサフ
ルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化
剤をさらに含有してなり、上記ヘキサフルオロアンチモ
ネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化剤が以下に示す
化学式(2)
【0009】
【化6】
【0010】に示された化合物であることを特徴として
いる。
【0011】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物は、上
記の課題を解決するために、エポキ シ樹脂を含んでなる
エポキシ樹脂組成物であって、上記エポキシ樹脂の硬化
過程において、該エポキシ樹脂の体積縮小を抑制する特
性、または、体積膨張を誘導する特性を有するヘキサフ
ルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化
剤をさらに含有してなり、上記ヘキサフルオロアンチモ
ネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化剤が以下に示す
化学式(3)
【0012】
【化7】
【0013】に示された化合物であることを特徴として
いる。
【0014】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物は、上
記の課題を解決するために、エポキシ樹脂を含んでなる
エポキシ樹脂組成物であって、上記エポキシ樹脂の硬化
過程において、該エポキシ樹脂の体積縮小を抑制する特
性、または、体積膨張を誘導する特性を有するヘキサフ
ルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化
剤をさらに含有してなり、上記ヘキサフルオロアンチモ
ネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化剤が以下に示す
化学式(4)
【0015】
【化8】
【0016】に示された化合物であることを特徴として
いる
【0017】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物は、上
記の課題を解決するために、上記Sb−A系のヘキサフ
ルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化
剤が0.00001〜25重量%の範囲内となるように
含有されてなることを特徴としている。
【0018】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物は、上
記の課題を解決するために、上記Sb−B系のヘキサフ
ルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化
剤が0.00001〜20重量%の範囲内となるように
含有されてなることを特徴としている。
【0019】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物は、上
記の課題を解決するために、上記Sb−C系のヘキサフ
ルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化
剤が0.00001〜25重量%の範囲内となるように
含有されてなることを特徴としている。
【0020】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物は、上
記の課題を解決するために、上記Sb−D系のヘキサフ
ルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化
剤が0.00001〜15重量%の範囲内となるように
含有されてなることを特徴としている。
【0021】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物はさら
に、上記の課題を解決するために、上記エポキシ樹脂
が、脂環式樹脂、芳香族二官能性樹脂、芳香族三官能性
樹脂、芳香族四官能性樹脂、より選択される少なくとも
一種類の樹脂であることを特徴としている。
【0022】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物はさら
に、上記の課題を解決するために、上記ヘキサフルオロ
アンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化剤が、
熱または光により、硬化反応を引きおこすものであるこ
とを特徴としている。
【0023】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物はさら
に、上記の課題を解決するために、上記光が紫外線、高
周波、マイクロ波、電子ビーム、X線、γ線より選択さ
れる少なくとも一つであることを特徴としている。
【0024】本発明にかかるエポキシ樹脂硬化物は、上
記の課題を解決するために、上記説明のいずれかのエポ
キシ樹脂組成物を硬化して得られることを特徴としてい
る。
【0025】本発明にかかるエポキシ樹脂硬化物の製造
方法は、上記の課題を解決するために、エポキシ樹脂
成物を硬化してエポキシ樹脂硬化物を製造する方法であ
って、上記エポキシ樹脂組成物の昇温速度を3〜7℃/
分として、120℃から180℃まで順次昇温して熱硬
化を行うことを特徴としている。
【0026】本発明にかかるエポキシ樹脂硬化物の製造
方法は、上記の課題を解決するために、エポキシ樹脂
成物を硬化してエポキシ樹脂硬化物を製造する方法であ
って、光が透過する透明材料より成る鋳型を用い、光発
生源と上記エポキシ樹脂組成物との距離を10〜15c
mの範囲内で維持して光硬化を行い、前後両面の硬化に
より約3mm以上の硬化試片を得ることを特徴としてい
る。
【0027】本発明にかかるエポキシ樹脂硬化物の製造
方法は、上記の課題を解決するために、エポキシ樹脂
成物を硬化してエポキシ樹脂硬化物を製造する方法であ
って、上記エポキシ樹脂組成物が1〜5重量%の割合で
上記ヘキサフルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性
触媒型の硬化剤を含有してなり、該エポキシ樹脂組成物
を熱硬化することを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明はエポキシ樹脂の硬化過程
で、別途の充填剤または添加物がなくても体積縮小を抑
制しうる特性、または体積膨張が起る特性を有する、ヘ
キサフルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型
の硬化剤を含むエポキシ樹脂硬化系に関するものであ
る。
【0029】本発明で「エポキシ樹脂硬化系」というの
はエポキシ樹脂に、ヘキサフルオロアンチモネート含有
陽イオン潜在性触媒型の硬化剤(以下、場合によっては
単に硬化剤と称する)を添加したエポキシ樹脂の硬化組
成物、すなわち、該硬化剤を含んでなり硬化反応に供さ
れる以前のエポキシ樹脂(低分子量のエポキシ樹脂:エ
ポキシ樹脂組成物)を意味するものである。尚、上記エ
ポキシ樹脂とは、一種類または二種類以上のエポキシド
からなるものであってもよく、また、これらのエポキシ
ドと共重合可能な共単量体を、さらに含んでなるもので
あってもよい。このとき、該共単量体の含有量等は特に
限定されるものではない。尚、上記エポキシ樹脂硬化系
内に、必要に応じて、エポキシド(単量体)や、各種添
加物を含ませることも可能である。
【0030】すなわち、本発明は上記ヘキサフルオロア
ンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化剤を含有
するエポキシ樹脂硬化系を硬化する場合、既存の熱硬化
性樹脂に現れる体積縮小がなく、かえって体積が膨張す
る現象が起るというおどろくべき発見に基づいている。
エポキシ樹脂硬化系を硬化させる際、体積収縮がなく、
かえって体積が増加するという事実の認識は、以前には
なかった本発明の特徴である。
【0031】このような高機能性が与られた新しい概念
の触媒型の硬化剤、および、該硬化剤を使用したエポキ
シ樹脂硬化系は貯蔵安定性も高く、熱及び紫外線等の外
部エネルギー源の選択性が高いという特徴をもさらに有
する。なお、本発明のエポキシ樹脂硬化系を用いれば、
既存の硬化系に比べてより優れた機械的物性を有する硬
化物を提供することが可能である。
【0032】本発明において上記エポキシ樹脂とは、具
体的には、例えば、脂環式樹脂、芳香族二官能性樹脂、
芳香族三官能性樹脂、芳香族四官能性樹脂、等が好適に
使用されるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0033】また、上記ヘキサフルオロアンチモネート
含有陽イオン潜在性触媒型の硬化剤としては、以下に示
す化学式(5)
【0034】
【化9】
【0035】に示された化合物からなる群より選択され
る少なくとも一種類以上の化合物であることが特に望ま
しい。なお、本発明では特にSb−A系、Sb−B系、
Sb−C系、Sb−D系を使用する。
【0036】また、上記化学式(5)に示すヘキサフル
オロアンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化剤
がSb−A系の場合0.00001 〜25重量%(質量%に同
じ)、 Sb−B系の場合0.00001 〜20重量%、Sb−C系の場合0.00001 〜25重量%、 Sb−D系の場合0.00001 〜15重量%、Sb−E系の場合0.00001 〜30重量%、 Sb−F系の場合0.00001 〜35重量%、Sb−G系の場合0.00001 〜30重量%、 Sb−H系の場合0.00001 〜30重量%、Sb−I系の場合0.00001 〜25重量%、 Sb−J系の場合0.00001 〜20重量%、Sb−K系の場合0.00001 〜35重量%、 Sb−L系の場合0.00001 〜20重量%、の範囲内となる
ようにエポキシ樹脂硬化系に含有されてなるとき、特に
優れた硬化物性、すなわち、エポキシ樹脂硬化系の体積
縮小がなく、かえって硬化系の体積膨張が起る特性がよ
り好適に発揮される。
【0037】上記ヘキサフルオロアンチモネート含有陽
イオン潜在性触媒型の硬化剤が含まれたエポキシ樹脂硬
化系としては、熱または光によりその硬化反応をおこす
ものが、簡便にエポキシ樹脂硬化物を得ることができる
という点で特に好ましい。
【0038】上記光としては紫外線;その波長が10n
m〜400nmの範囲内である高周波;マイクロ波;電
子ビーム;X線またはγ線;等が利用される。また、上
記の硬化反応は、超音波の照射により誘導されるもので
あってもよい。超音波の波長は特に限定されるものでは
ないが、20kHzであることがより好ましい。
【0039】熱硬化の場合には、例えば、昇温速度を3
〜7℃/分として、120℃から180℃まで順次昇温
して熱硬化を行う場合に、特に有効にエポキシ樹脂硬化
系の体積縮小を防ぐことができる。
【0040】光硬化の場合には、例えば、光が透過する
透明材料で鋳型を製造し、該鋳型を用いて、光発生源と
エポキシ樹脂硬化系との距離を10〜15cmの範囲内
で維持して、該エポキシ樹脂硬化系の前後両面を硬化す
ることにより約3mm以上の厚さの硬化試片が得られ
る。
【0041】上記の熱硬化または光硬化の場合には、1
〜5重量%の範囲内で上記ヘキサフルオロアンチモネー
ト含有陽イオン潜在性触媒型の硬化剤を含有してなるエ
ポキシ樹脂硬化系を硬化することで、メチルアルコール
(メタノール)吸収率および水分吸収率が従来品と比較
して低く、寸法安定性に優れたエポキシ樹脂硬化物が得
られる。
【0042】本発明はまた上記エポキシ樹脂硬化系の熱
硬化または光硬化、等により得られるエポキシ樹脂硬化
物に関するものである。
【0043】一般的に硬化過程で起こる樹脂(硬化系)
の体積縮小は、分子間距離がファンデルワールス(Van d
er Waals')距離(3〜5Å)から共有結合距離(1〜2
Å)に変わることによっておこる。特に、縮合重合によ
る硬化の場合には、水等の小さい分子等が副生物として
硬化系より抜け出るので、生成高分子(硬化物)の体積
をさらに減少させる。
【0044】重合反応による硬化が終了する時、生成し
た重合物は高温の硬化温度(CT)から常温(RT)ま
で冷却されるので(図1中、C〜D〜Eにて示す)この
時、図1に示すように該重合物の熱収縮がおきる。その
中で、ガラス転移温度(Tg )〜常温間での熱収縮(図1
中、D〜Eにて示す)が材料の特性に重大な影響をおよ
ぼすと知られている。
【0045】これはガラス転移温度以上では分子の流動
性が存在するので体積変化や形成された応力を緩和する
ことができる反面、ガラス転移温度以下ではガラス質の
状態のため分子の流動性がおち、応力緩和挙動を示すこ
とができないからであると思われる。
【0046】したがって、重合時(すなわち、硬化系を
硬化させる時)に、体積縮小を低下させるか、かえって
膨張させる方法、換言すれば、体積縮小を抑制、または
体積膨張をおこさせる方法は、次の2つに大別すること
ができる。
【0047】第一の方法は、硬化前の低分子量の重合体
と、硬化後の高分子量の重合体との熱膨張係数の差(該
差は、単量体と、硬化後の高分子量の重合体との熱膨張
係数の差で比較してもよい)に起因する体積収縮問題を
解決するべく、図3に示すような体積膨張(図3中、A
〜Bにて示す)を重合時に生じさせる方法であり、第二
の方法は、硬化後の高分子量の重合体の熱膨張係数が、
硬化前の低分子量の重合体(または、単量体)の熱膨張
係数より低いことを鑑み、図2に示すように、等温重合
時(図2中、B〜Cにて示す)に、熱膨張係数の差に起
因する体積収縮を防ぐべく体積膨張を生じさせる方法で
ある。
【0048】または、エポキシ樹脂を含んでなる硬化系
においては、エポキシド環の開環重合反応が起るので、
重合時に水等の副生物が発生する縮重合型の重合反応硬
化系と比較して収縮が比較的少ない。しかし、体積が大
きい構造物では、このような体積収縮が原因となって残
留応力が非常に多く蓄積し、微細亀裂の発生と急激な破
壊現象とを引きおこすことがある。
【0049】しかし、本発明の潜在性触媒型の硬化剤を
使用した本エポキシ樹脂硬化系の場合には以下の化学反
応式に示すように、エポキシド環の開環により共有結合
が切断され、三次元網目状構造に転換する。該三次元網
目状構造は、ファンデルワールス結合に近い分子間距離
を有する線形鎖構造が多く含まれてなる。なお同時に、
水素結合により、上記の3次元網目状構造が二重に形成
される。すなわち、3次元網目状構造同士が水素結合を
介して結合し、さらに複雑な構造が形成される。このよ
うな多重網目状構造を形成する上記過程においては、分
子等の熱的挙動と立体効果とにより形成される分子間等
の空隙(すいた空間)、すなわち自由体積(free volum
e) 、を増加させる等、非常に複雑な無晶形(amorphous)
の結合構造が形成される。この結果、体積膨張を起す
ものと考えられる。このような開環反応発生の有無や水
素結合形成の有無はFT−IRのピーク分析を通じて確
認し、以下の実施例にその結果を示している。
【0050】
【化10】
【0051】
【化11】
【0052】本発明者らは、低分子量のエポキシ樹脂を
硬化してエポキシ樹脂硬化物(硬化後のエポキシ樹脂)
を製造する際における、エポキシ樹脂硬化系の収縮度ま
たは膨張度を確認するためにその密度変化を測定した。
密度は単位体積当りの質量の大きさとして、通常、g/
cm3 またはlb/in3 の単位で表される。そして、
上記エポキシ樹脂硬化系の硬化前後の密度を測定するこ
とにより、その収縮度や膨張度の可否を確認することが
できる。以下の表1〜26に示すように、各種潜在性触
媒を使用して硬化前後の密度を測定した結果、本発明に
かかるエポキシ樹脂硬化系では体積収縮がおこらない
(仮におこった場合であっても収縮率は極めて小さ
い)、または体積膨張性を有することが分かった。
【0053】注目すべき事実は、紫外線の照射により硬
化されてなる光硬化物(エポキシ樹脂硬化物の一例)の
場合、該光硬化物は熱硬化物(エポキシ樹脂硬化物の一
例)に比べ、概してより高い膨張性を示したという事実
の発見である。図4〜7に示すのは、各種潜在性触媒型
の硬化剤を含んでなるエポキシ樹脂硬化系のRDAデー
タである。より具体的には、図4は、以下に説明する二
官能性エポキシ樹脂YD-128とSb−A系の硬化剤とを含
んでなるエポキシ樹脂硬化系のRDAデータであり、図
5は、二官能性エポキシ樹脂 YD-128とSb−B系の硬
化剤とを含んでなるエポキシ樹脂硬化系のRDAデータ
であり、図6は、以下に説明する三官能性エポキシ樹脂
Tactix 742とSb−C系の硬化剤とを含んでなるエポ
キシ樹脂硬化系のRDAデータであり、図7は、以下に
説明する四官能性エポキシ樹脂MY 720 とSb−D系の
硬化剤とを含んでなるエポキシ樹脂硬化系のRDAデー
タである。
【0054】これらの図によれば、各図の下方に破線で
示される、ギャップサイズの増加(gap size increaseme
nt) 値であるΔL は、時間が経過するに従って増加する
傾向を示し、これも硬化反応中に体積膨張が進行してい
ることを示す証拠と見なすことができる。
【0055】本発明のエポキシ樹脂硬化系の潜在特性を
確認するために、各組成別(図8に示す4種類)に、1
50℃および50℃での転化率を時間の関数として求め
た。この結果は、図8に示す。150℃の場合、最終的
な転化率は約80%と優れた活性を示した反面、50℃
では、時間が十分に経過してもほぼ反応を示さない潜在
性を示した。なお、UV硬化系においても該触媒を添加
した場合と添加しない場合とに分けて時間−転化率の関
係を求め、この結果を図9に示した。図9によれば、光
硬化の場合も熱硬化の場合と同様の結果となることが確
認できるので、本発明のエポキシ樹脂硬化系は光に対す
る潜在性にも優れることが分かる。実際に、硬化前の低
分子量のエポキシ樹脂と潜在性触媒型の硬化剤とを混合
した後、常温で放置した場合、2〜6カ月の貯蔵安定性
を示した。尚、これらの実験に関しては、以下の実施例
で改めて詳細に説明を行う。
【0056】二官能性エポキシ樹脂 YD-128とSb−A
系の硬化剤とを含んでなるエポキシ樹脂硬化系を硬化す
る場合における、硬化時間によるNear−IRの測定
結果を図10に示した。これによれば、時間の経過に従
って吸収ピークが減少することが確認できる。これは3
員環型のエポキシ基が開環反応に関与し、環が開くこと
により体積膨張及び架橋反応に寄与したためであると考
えられる。
【0057】また、図11には、上記Near−IRの
測定に供されたものと同様のエポキシ樹脂硬化系におい
て、上記硬化剤の含量を変更してガラス転移温度を測定
した結果を示す。この結果から、本システムが深刻なガ
ラス転移温度の低下を示さない硬化系であることが確認
できた。
【0058】以下、本発明を実施例及び比較例を通じて
より詳しく説明するが、本発明の権利範囲はこれら実施
例に記載の範囲内に限定されるものではない。
【0059】〔実施例1〕 二官能性樹脂としては、ビスフェノールAのジグリシジ
ルエーテル(Diglycidylether of bisphenol A:本発明で
はDGEBA という) 系エポキシ樹脂を使用した。より具体
的には、チバガイギー(Ciba-Geigy)社の「LY 556」と国
都化学( 株) の「YD-128」とを使用した。また、脂環式
二官能性樹脂( 以下CAE という) としてはユニオン・カ
ーバイド(Union Carbide )社のエポキシ樹脂「ERL 42
21」を使用した。三官能性樹脂としてはダウ・ケミカル
(Dow chemical)社の「Tactix 742」と国都化学(株)
の「YH 300」とを使用し、四官能性エポキシ樹脂として
はチバガイギー社製である「MY 720」を使用した。潜在
性陽イオン硬化剤(ヘキサフルオロアンチモネート含有
陽イオン潜在性触媒型の硬化剤)はベンジルブロマイド
とピラジン及びピリジンを出発物質として合成した。
(Y.C. Kim, S.J. Park, and J. R. Lee, Polymer J., 2
9, 759 (1997)) 。より具体的に、例えば、Sb−E系
の硬化剤の合成方法を例に挙げて説明を行う。スターラ
ーを備えた容量250mlのフラスコに、60g(20
mmol)のピラジンと7.30g(42.7mmo
l)のベンジルブロマイドとを供し、室温で24時間混
合して反応させた。続いて、反応液をろ過し、白色の臭
化ベンジルピラジニウム塩を得た。この臭化ベンジルピ
ラジニウム塩を蒸留水30mlに溶解後、ろ過して不純
物(不溶物)が取り除かれた溶液を得た。そして、該溶
液に5.17g(20mmol)のNaSbF6 を添加
し、得られた白色生成物をメチルアルコールを用いて再
結晶させることで、4.84gのN−benzylpyrazinium
hexafluoroantimonate (BPH;Sb−E系のヘキサ
フルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬
化剤の一種)を白色反応生成物として得ることができ
る。
【0060】そして、上記のエポキシ樹脂とヘキサフル
オロアンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化剤
(上記例示したSb−E系のものに限定されない)と
を、以下に示す表1〜表26に記載のように組み合わせ
て本実施例にかかるエポキシ樹脂硬化系とした。尚、エ
ポキシ樹脂硬化系の硬化反応はそれぞれ、熱硬化および
UV硬化によった。
【0061】上記熱硬化における硬化条件は、120℃
で1時間、150℃で2時間、および、180℃で2時
間のいずれかとし、また、上記UV硬化における硬化条
件は、光が透過する透明材料より成る鋳型を用い、UV
発生源とエポキシ樹脂硬化系との距離を12cmで維持
して、前後両面側から3時間づつUVを照射する条件で
行われた。
【0062】〔実施例2〕 エポキシ樹脂硬化系の硬化時における体積膨張性の一要
因として、3員環の共有結合構造であるエポキシ基が開
環反応をおこし、これ(共有結合距離)より長い結合距
離を有するファンデルワールス結合に変わるメカニズム
が提案できる。このような事実は、例えば樹脂内の官能
基等の変化から確認できる。そこで、Perstorp Analyti
cal NIR System 16500型(Near−IR分光分析機)
を使用して、官能基の変化を観測し、その結果を図10
に示した。図10において、5つの線種で示すパターン
は、ある一つのエポキシ樹脂硬化系を硬化する際に、時
間をかえて5度測定したピークそれぞれのパターンを示
している。該実験結果から、このエポキシ樹脂硬化系に
おいては、反応時間が経過するに従ってエポキシ基が減
少することが分かる。すなわち、該結果より、開環反応
による結合長さの増加が間接的に確認できた。
【0063】〔実施例3〕 単一試片における密度変化は、その結晶化度の変化、添
加剤の損失(添加剤添加の有無)、溶媒吸着、等の原因
により引きおこされる。すなわち、固体密度の変化を測
定することにより、その物性変化を容易に予測すること
ができる。そこで、上記実施例1において例示したエポ
キシド樹脂硬化系の、硬化前後における密度変化を測定
した。
【0064】硬化前・後におけるエポキシ樹脂(すなわ
ち、低分子量の重合体、および、硬化により高分子量と
なった重合体)硬化系の密度変化を測定するためにエポ
キシ樹脂に添加量を違えて潜在性触媒等を添加してエポ
キシ樹脂硬化系を調製した後、真空ポンプにより減圧し
て気泡を除去した。硬化前の液相密度は10mlのメス
シリンダーを利用し、ASTM D-792の記載に従ってその密
度を測定した。また、上記実施例1に記載の方法に従っ
て硬化した重合体(エポキシ樹脂硬化物)は、ASTM D-7
92の記載に従い密度勾配管を用いてその密度を測定し
た。以下の表1〜表26に、使用されたエポキシ樹脂硬
化系の組成、および、これらの測定結果を整理した。
尚、以下に示す表において、「硬化系の密度」とは、硬
化後の硬化系の密度(硬化物の密度)のことを指してい
る。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
【表8】
【0073】
【表9】
【0074】
【表10】
【0075】
【表11】
【0076】
【表12】
【0077】
【表13】
【0078】
【表14】
【0079】
【表15】
【0080】
【表16】
【0081】
【表17】
【0082】
【表18】
【0083】
【表19】
【0084】
【表20】
【0085】
【表21】
【0086】
【表22】
【0087】
【表23】
【0088】
【表24】
【0089】
【表25】
【0090】
【表26】
【0091】上記表1〜26に示す結果によれば、熱硬
化、UV硬化にかかわらず、硬化後のエポキシ樹脂硬化
系(すなわち、エポキシ樹脂硬化物)の多くは、硬化前
のエポキシ樹脂硬化系と比較して、その体積が膨張して
いることが観察された。
【0092】一方、例えば、表1等に示すように、Sb
−A系の触媒の添加量が0.00005重量%となるべ
く調製されたエポキシ樹脂硬化系においては、その体積
がやや収縮していることが見受けられる。しかしなが
ら、一般にエポキシ樹脂を硬化する場合においては3〜
15%の収縮が見られることを考慮すれば、本発明にか
かるエポキシ樹脂硬化系は、ほぼ全ての場合において少
なくとも硬化反応における体積収縮を低減可能であると
いう特性を有することが確認される。
【0093】〔実施例4〕 本発明にかかるエポキシ樹脂硬化系の熱的潜在特性を確
認するために、温度調節器TA2100が装着された熱分析試
験機「DuPont DSC910 」を測定装置として使用し、エポ
キシ樹脂硬化系A(脂環式DGEBA(エポキシ樹脂)
+Sb−A(硬化剤));エポキシ樹脂硬化系B(芳香
族DGEBA(エポキシ樹脂)+Sb−A(硬化
剤));それぞれの50℃と150℃とでの転化率を時
間の関数として求めた。この結果は、図8に示す。
【0094】図8の記載によれば、上記の温度が150
℃の場合、エポキシ樹脂硬化系A・Bともに、最終的な
転化率は約80%と優れた活性を示した。一方、50℃
の場合、時間が十分に経過してもほぼ反応を示さない潜
在性を示した。すなわち、本発明にかかるエポキシ樹脂
硬化系は低温においては硬化反応がほとんどおこらない
ため、貯蔵安定性に優れている。また、高温においては
十分な転化率を示すため、工業的な観点から非常に有用
であることが分かる。
【0095】〔実施例5〕 本発明にかかるエポキシ樹脂硬化系の光に対する潜在特
性を確認するために、ELC4000UV 硬化剤とエポキシ樹脂
とからなるエポキシ樹脂硬化系C1(脂環式DGEBA
(エポキシ樹脂)+Sb−A(硬化剤));エポキシ樹
脂硬化系D1(芳香族DGEBA(エポキシ樹脂)+S
b−A(硬化剤));を使用し、室温における硬化時間
−転化率の関係をFT−IRの分析を通じて測定した。
【0096】また、上記エポキシ樹脂硬化系C1・D1
に、触媒としてのBPH(Sb−A系の硬化剤の一種)
を添加したエポキシ樹脂硬化系C2(脂環式DGEBA
(エポキシ樹脂)+Sb−A(硬化剤)+BPH(触
媒));エポキシ樹脂硬化系D2(芳香族DGEBA
(エポキシ樹脂)+Sb−A(硬化剤)+BPH(触
媒));を使用し、室温における硬化時間−転化率(吸
光度で表される)をFT−IRの分析を通じて測定し
た。これらの結果は図9にまとめて示す。
【0097】図9の記載より、触媒であるBPHが未添
加のエポキシ樹脂硬化系C1・D1は、時間が十分に経
過してもほぼ反応をおこさず貯蔵安定性に優れているこ
とが分かる。一方、BPH添加後のエポキシ樹脂硬化系
C2・D2では、最終的な転化率は約80%またはそれ
以上と優れた活性を示すことが分かる。
【0098】〔実施例6〕 熱硬化試片を製造するために、潜在性触媒型の硬化剤
と、DGEBA(エポキシ樹脂)としてのYD-128とを均
一に混合してエポキシ樹脂硬化系を調製し、さらに透明
な液相が得られるまで撹拌した。続いて、樹脂内の気泡
と残留溶媒とを除去するために真空オーブンで約1時間
減圧した後、3mm厚のシリコンゴムをスペーサーとす
る15mm×20mmサイズの鋼鉄板製鋳型に上記エポ
キシ樹脂硬化系を注入して熱硬化を行った。熱硬化は、
対流オーブンを用いて昇温速度を5℃/minに維持
し、120℃(1時間)、150℃(2時間)、180
℃(2時間)の3通りの硬化条件で行われた。
【0099】尚、昇温速度は特に限定されるものではな
いが、7℃/minを超えると急激な硬化反応により、
硬化系の内部に気泡が発生する場合がある。したがっ
て、該昇温速度は7℃/min以下であることがより好
ましい。
【0100】〔実施例7〕 光硬化試片の製造を行った。エポキシ樹脂硬化系を調製
する工程は上記実施例6と同様であり、鋳型としては上
記の鋼鉄板製のものに替えて3mm厚のガラス板製のも
のを使用した。また、光硬化は、ELC4000 硬化剤を使用
して行われた。より具体的には、上記のエポキシ樹脂硬
化系とランプ(光発生源)との距離を12cmで維持
し、前後両面それぞれに対し3時間にわたり波長365
nmの光を照射する条件下で光硬化した。尚、エポキシ
樹脂硬化系とランプとの距離が10cm未満である場
合、光発生源の種類によっては、該エポキシ樹脂硬化系
が光以外に熱による影響を受けるおそれがある。また、
該距離が15cmを超える場合には、光発生源よりエネ
ルギーが十分伝達されなくなるおそれがある。したがっ
て、エポキシ樹脂硬化系の硬化をスムーズに行うために
は、エポキシ樹脂硬化系と光発生源との距離が10cm
〜15cmの範囲内であることがより好ましい。
【0101】〔実施例8〕 本発明にかかるエポキシ樹脂硬化物のガラス転移温度(T
g ) を測定するために上記説明の「Dupont DSC910 」を
測定装置として使用した。また、昇温速度を10℃/m
in、ガラス転移温度の測定範囲を30℃〜350℃と
して実験を行った。本実施例においてガラス転移温度の
測定に供された試片は、上記実施例6で製造した熱硬化
試片である。ガラス転移温度の測定結果を図11に示
す。この結果から、本システムが深刻なガラス転移温度
の低下を示さないエポキシ樹脂硬化系であることが確認
できた。
【0102】〔実施例9〕 本発明にかかるエポキシ樹脂硬化物の3点曲げ強さは、
実施例6及び7で製造した熱硬化試片および光硬化試片
を用いて測定された。より具体的には、該測定は、ASTM
D790 の記載に従って行われ、測定装置として「インス
トロン・モデル(Instron Model)1125 」曲げ試験機(Ins
tron Flexural Tester;インストロン社製の商品名) を
使用し、支持台間の距離と試片の重量との比を16:1
で固定し、クロス−ヘッド速度(cross-head speed)を2
mm/minで維持して行われた。3点曲げ強さの測定
結果は、既存の硬化物を試片として用いた測定値ととも
に図12に示した。尚、図12において、既存の硬化物
とは番号1〜5に示す組成を有するものを指し、本発明
にかかるエポキシ樹脂硬化物とは番号6〜11に示す組
成を有するものを指す。
【0103】図12に示すように、アミン系触媒型の硬
化剤を含有してなる硬化系を硬化して得られる既存の硬
化物の曲げ強さは約75〜125MPaの範囲内であ
り、本発明にかかるエポキシ樹脂硬化系を硬化して得ら
れるエポキシ樹脂硬化物の曲げ強さは125〜150M
Paの範囲内となっている。したがって、本発明にかか
るエポキシ樹脂硬化系は、優れたエポキシ樹脂硬化物を
提供可能であることが分かる。
【0104】〔実施例10〕 試片として、上記実施例6で得られた熱硬化試片(また
は光硬化試片)を用い、そのメチルアルコール吸収率お
よび水分吸収率を測定した。より具体的には、ASTM C20
-83 の記載に従って実験を行った。その結果を図13
(メチルアルコール(メタノール)吸収率)と図14
(水分吸収率)とに示す。アミン類等の硬化剤を使用し
てなる従来の硬化物は、メチルアルコール吸収率が通常
約0.5重量%〜2.5重量%(約となる。また、水分
吸収率が0.35〜0.63重量%となる。したがっ
て、本発明にかかるエポキシ樹脂硬化物のメチルアルコ
ール吸収率および水分吸収率は、従来のものと比較して
より低くなっていることが分かる。これにより、本発明
にかかるエポキシ樹脂硬化物は高い寸法安定性を示すこ
とが予測される。
【0105】また、本発明にかかるエポキシ樹脂硬化系
の硬化反応時における体積膨張が、まばらに独立した孔
隙、すなわち、ホールが残留する(形成される)ことに
よる体積増加に起因するものではなく、複合的多重架橋
構造を形成することによる体積増加に起因するものであ
ると間接的に推測することができる。
【0106】〔実施例11〕 試片として、上記実施例6で得られた熱硬化試片(また
は光硬化試片)を用い、該試片の引張実験を行った。引
張実験は、「Instron Model 1125 Instron Tensile Tes
ter 」を測定装置として使用して室温における上記試片
の引張強度、引張弾性率、及び伸張率(elongation)を測
定するものであり、 ASTM D638の記載に従って行われ
た。より具体的には、クロス−ヘッド速度を1mm/
分、ストレーンゲージの長さ(strain gage length)を5
0mmに維持して行った。引張実験の結果は図15、図
16にまとめて示す。
【0107】上記の図15、図16に示すように、引張
強度、引張弾性率、及び伸張率の値はいずれも、Sb−
A系の硬化剤の含量が約1重量%の場合にもっとも低い
値を示すが、それ以降、該硬化剤の含量が増加するごと
に、いずれの値も上昇し、良好な物性を有するエポキシ
樹脂硬化物が得られることがわかる。
【0108】〔実施例12〕 Sb−B系の硬化剤と芳香族二官能性エポキシ樹脂(LY5
56) とからなるエポキシ樹脂硬化系を硬化反応に供し、
該エポキシ樹脂硬化系の広角X線分析を行った。上記の
硬化反応は、120℃で1時間、150℃で2時間、お
よび、180℃で2時間の条件下で行われた。該分析の
結果を図17に示す。図17の記載によれば、Sb−B
系の硬化剤は、1)硬化反応を誘導するとともに、2)
三次元架橋構造形成時に該構造に配列方向を与えること
が分かる。また、このような効果は、Sb−B系の硬化
剤を低い濃度で含有してなるエポキシ樹脂硬化系におい
て特に著しいことが分かる。すなわち、図17に示すよ
うに、濃度の低い順に、高い強度が観測されている。
尚、該図17において、Y軸の単位はcps(count per
second)であり、X軸は角度0°における値を示してい
る。
【0109】以上の実施の形態、および、実施例に記載
のように、本発明にかかるエポキシ樹脂硬化系を用いる
ことにより、初期亀裂の発生及び剥離現象を起さない優
れた物性の複合材料を提供することができる。また、本
エポキシ樹脂硬化系に使用した潜在性触媒型の硬化剤
は、熱だけでなく、紫外線のような光エネルギー源によ
っても活性を示し、体積膨張性を誘導することから推し
て、該エポキシ樹脂硬化系は、半導体及び精密工業化
学、自動車、航空宇宙材料に至るまでその応用分野を大
きく拡大可能であると考えられる。
【0110】
【発明の効果】ヘキサフルオロアンチモネート含有陽イ
オン潜在性触媒型の硬化剤を含んでなる本発明のエポキ
シ樹脂硬化系は、1)熱および光に対する潜在性に優
れ、2)既存の膨張性硬化系、すなわち硬化反応時に体
積膨張性を有する既存の硬化系、と比較して高いガラス
転移温度を示し、その硬化物(エポキシ樹脂硬化物)は
より優れた機械的物性を示した。加えて、上記のエポキ
シ樹脂硬化物はメチルアルコール吸収率および水分吸収
率も低いため、長期間使用時に大きな問題点となりう
る、水と溶剤とに対する寸法安定性に優れるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】硬化反応時における、硬化系の体積収縮による
密度変化パターンを示す説明図である。
【図2】硬化反応時における、他の硬化系の体積膨張に
よる密度変化パターンを示す説明図である。
【図3】硬化反応時における、さらに他の硬化系の体積
膨張による密度変化パターンを示す説明図である。
【図4】本発明にかかるエポキシ樹脂硬化系(二官能性
エポキシ樹脂+Sb−A系の硬化剤)のRDA実験結果
を示したチャートである。
【図5】本発明にかかる他のエポキシ樹脂硬化系(二官
能性エポキシ樹脂+Sb−B系の硬化剤)のRDA実験
結果を示したチャートである。
【図6】本発明にかかるさらに他のエポキシ樹脂硬化系
(三官能性エポキシ樹脂+Sb−C系の硬化剤)のRD
A実験結果を示したチャートである。
【図7】本発明にかかるさらに他のエポキシ樹脂硬化系
(四官能性エポキシ樹脂+Sb−D系の硬化剤)のRD
A実験結果を示したチャートである。
【図8】本発明にかかるさらに他のエポキシ樹脂硬化系
(二官能性脂環式エポキシ樹脂+Sb−A系の硬化剤、
および、芳香族エポキシ樹脂+Sb−A系の硬化剤)を
熱硬化した場合における、時間−転化率の関係を示すグ
ラフである。
【図9】本発明にかかるさらに他のエポキシ樹脂硬化系
(二官能性脂環式樹脂+Sb−A系の硬化剤、および、
芳香族エポキシ樹脂+Sb−A系の硬化剤)を、触媒
(BPH)を使用して、または、触媒を使用しないで光
硬化を行った場合における、時間−転化率の関係を示す
グラフである。
【図10】本発明にかかるさらに他のエポキシ樹脂硬化
系(二官能性エポキシ樹脂+Sb−A系の硬化剤)のN
ear−IRのピーク変化を示したチャートである。
【図11】本発明にかかるさらに他のエポキシ樹脂硬化
系(二官能性エポキシ樹脂+Sb−A系の硬化剤)にお
いて、触媒含量を変更してガラス転移温度(Tg ) を測定
した結果を示すグラフである。
【図12】本発明にかかるさらに他のエポキシ樹脂硬化
系と、既存の硬化剤を使用した硬化系とのそれぞれを硬
化して得られた熱硬化試片及び光硬化試片を用い、曲げ
強さを測定した結果を示すグラフである。
【図13】本発明にかかるさらに他のエポキシ樹脂硬化
系(二官能性エポキシ樹脂+Sb−A系の硬化剤)を触
媒含量を変更して調製し、これを硬化して得られた硬化
物のメタノールの吸収率を測定した結果を示すグラフで
ある。
【図14】本発明にかかるさらに他のエポキシ樹脂硬化
系(二官能性エポキシ樹脂+Sb−A系の硬化剤)を触
媒含量を変更して調製し、これを硬化して得られた硬化
物の水分の吸収率を測定した結果を示すグラフである。
【図15】本発明にかかるさらに他のエポキシ樹脂硬化
系(二官能性エポキシ樹脂+Sb−K系の硬化剤)を触
媒含量を変更して調製し、これを硬化して得られた硬化
物の引張強度と引張弾性率とを測定した結果を示すグラ
フである。
【図16】本発明にかかるさらに他のエポキシ樹脂硬化
系(二官能性エポキシ樹脂+Sb−K系の硬化剤)を触
媒含量を変更して調製し、これを硬化して得られた硬化
物の伸張率を測定した結果を示すグラフである。
【図17】本発明にかかるさらに他のエポキシ樹脂硬化
系(芳香族二官能性エポキシ樹脂(LY556) +Sb−B系
の硬化剤)を硬化する場合における、広角X線分析によ
る分析結果を示したチャートである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−182797(JP,A) 特開 平6−321915(JP,A) 特開 平11−29623(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/68

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂を含んでなるエポキシ樹脂
    成物であって、 上記エポキシ樹脂の硬化過程において、該エポキシ樹脂
    の体積縮小を抑制する特性、または、体積膨張を誘導す
    る特性を有するヘキサフルオロアンチモネート含有陽イ
    オン潜在性触媒型の硬化剤をさらに含有してなり、 上記ヘキサフルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性
    触媒型の硬化剤が以下に示す化学式(1) 【化1】 に示された化合物であることを特徴とするエポキシ樹脂
    組成物
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂を含んでなるエポキシ樹脂組
    成物であって、 上記エポキシ樹脂の硬化過程において、該エポキシ樹脂
    の体積縮小を抑制する特性、または、体積膨張を誘導す
    る特性を有するヘキサフルオロアンチモネート含有陽イ
    オン潜在性触媒型の硬化剤をさらに含有してなり、 上記ヘキサフルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性
    触媒型の硬化剤が以下に示す化学式(2) 【化2】 に示された化合物であることを特徴とするエポキシ樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】エポキシ樹脂を含んでなるエポキシ樹脂組
    成物であって、 上記エポキシ樹脂の硬化過程において、該エポキシ樹脂
    の体積縮小を抑制する特性、または、体積膨張を誘導す
    る特性を有するヘキサフルオロアンチモネート含有陽イ
    オン潜在性触媒型の硬化剤をさらに含有してなり、 上記ヘキサフルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性
    触媒型の硬化剤が以下に示す化学式(3) 【化3】 に示された化合物であることを特徴とするエポキシ樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】エポキシ樹脂を含んでなるエポキシ樹脂組
    成物であって、 上記エポキシ樹脂の硬化過程において、該エポキシ樹脂
    の体積縮小を抑制する特性、または、体積膨張を誘導す
    る特性を有するヘキサフルオロアンチモネート 含有陽イ
    オン潜在性触媒型の硬化剤をさらに含有してなり、 上記ヘキサフルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性
    触媒型の硬化剤が以下に示す化学式(4) 【化4】 に示された化合物であることを特徴とするエポキシ樹脂
    組成物
  5. 【請求項5】上記Sb−A系のヘキサフルオロアンチモ
    ネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化剤が0.000
    01〜25重量%の範囲内となるように含有されてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】上記Sb−B系のヘキサフルオロアンチモ
    ネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化剤が0.000
    01〜20重量%の範囲内となるように含有されてなる
    ことを特徴とする請求項2に記載のエポキシ樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】上記Sb−C系のヘキサフルオロアンチモ
    ネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化剤が0.000
    01〜25重量%の範囲内となるように含有されてなる
    ことを特徴とする請求項3に記載のエポキシ樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】上記Sb−D系のヘキサフルオロアンチモ
    ネート含有陽イオン潜在性触媒型の硬化剤が0.000
    01〜15重量%の範囲内となるように含有されてなる
    ことを特徴とする請求項4に記載のエポキシ樹脂組成
    物。
  9. 【請求項9】上記エポキシ樹脂が、脂環式樹脂、芳香族
    二官能性樹脂、芳香族三官能性樹脂 、芳香族四官能性樹
    脂、より選択される少なくとも一種類の樹脂であること
    を特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の
    エポキシ樹脂組成物。
  10. 【請求項10】上記ヘキサフルオロアンチモネート含有
    陽イオン潜在性触媒型の硬化剤が、熱または光により、
    硬化反応を引きおこすものであることを特徴とする請求
    項1ないし9のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成
    物。
  11. 【請求項11】上記光が紫外線、高周波、マイクロ波、
    電子ビーム、X線、γ線より選択される少なくとも一つ
    であることを特徴とする請求項10に記載のエポキシ樹
    脂組成物。
  12. 【請求項12】請求項1ないし11のいずれか一項に記
    載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られることを特徴
    とするエポキシ樹脂硬化物。
  13. 【請求項13】請求項10に記載のエポキシ樹脂組成物
    を硬化してエポキシ樹脂硬化物を製造する方法であっ
    て、 上記エポキシ樹脂組成物の昇温速度を3〜7℃/分とし
    て、120℃から180℃まで順次昇温して熱硬化を行
    うことを特徴とするエポキシ樹脂硬化物の製造方法。
  14. 【請求項14】請求項10に記載のエポキシ樹脂組成物
    を硬化してエポキシ樹脂硬化物を製造する方法であっ
    て、 光が透過する透明材料より成る鋳型を用い、光発生源と
    上記エポキシ樹脂組成物との距離を10〜15cmの範
    囲内で維持して光硬化を行い、前後両面の硬化により約
    3mm以上の硬化試片を得ることを特徴とするエポキシ
    樹脂硬化物の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項10に記載のエポキシ樹脂組成物
    を硬化してエポキシ樹脂硬化物を製造する方法であっ
    て、 上記エポキシ樹脂組成物が1〜5重量%の割合で上記ヘ
    キサフルオロアンチモネート含有陽イオン潜在性触媒型
    の硬化剤を含有してなり、該エポキシ樹脂組成物を熱硬
    化することを特徴とするエポキシ樹脂硬化物の製造方
    法。
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