JP3182405B2 - 強誘電性液晶表示装置 - Google Patents
強誘電性液晶表示装置Info
- Publication number
- JP3182405B2 JP3182405B2 JP2844999A JP2844999A JP3182405B2 JP 3182405 B2 JP3182405 B2 JP 3182405B2 JP 2844999 A JP2844999 A JP 2844999A JP 2844999 A JP2844999 A JP 2844999A JP 3182405 B2 JP3182405 B2 JP 3182405B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- voltage
- ferroelectric liquid
- electrode
- pixel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
Description
装置に関する。
電性液晶はメモリ性,高速応答,広視野角などの優れた
特長を有しており、高精細大表示容量の液晶表示素子へ
の応用が盛んに研究されている。はじめに強誘電性液晶
表示装置の動作原理を説明する。図2(a)は強誘電性
液晶分子の移動経路を示す略図、図2(b)は図2
(a)の矢印8方向からの投影図である。ここで10は
強誘電性液晶の分子を表している。
基板に垂直に層構造を形成する。分子10はこの層の法
線方向9に対して13又は15の方向チルト角θ傾いて
配向している。強誘電性液晶の分子10はその長軸と直
行する方向に自発分極Psを持ち、外部からの電界を印
加すると、分子長軸と垂直な方向にこの電界と自発分極
Psのベクトル積に比例した力を受け2倍のチルト角2
θの頂角を持った円錐状の移動経路12の表面上を移動
する。この移動の推進力は自発分極であるので従来のネ
マチック液晶を用いたものに比べて1/100から1/
1000の高速応答性を有している。
界Eにより分子10が図2(b)に示す軸13まで移動
させられると安定状態14となり、負の電界Eにより分
子10が軸15まで移動させられると安定状態16とな
る性質を持つ。この安定状態は分子の移動に必要な電界
が印加されない限り保持される。即ちメモリ性を有して
いる。
方、例えば安定状態14の分子軸に偏光板の吸収軸を一
致させておくと、この状態は光を透過しない黒の状態と
なり、他方の安定状態16のときは光を透過する白の状
態となる。そして、マトリックス駆動により画素ごとに
分子10の安定状態が操作されて、所定の表示状態が得
られる。
すべての画素にバイアス電圧印加されるため、このバイ
アス電圧により分子の状態がゆらぎ、コントラストの低
下をひき起こす。
光の漏れが少なくコントラストの低下を低減できる配向
状態であるC1ユニフォームが強誘電性液晶の配向状態
として用いられている。
ト、C2ユニフォームが知られているが(Ferroelectri
cs,114,pp.3(1991),液晶討論会予稿集(1991. 向殿)、
特開平2−165120号等参照)、C1ツイスト、C
2ユニフォーム共にコントラストは低い。
において、印加電圧と応答速度との関係が特定の印加電
圧で応答速度が最小となり、その両側の電圧値で応答速
度が大きくなる関係となることを利用して、書き換えに
無関係な液晶分子にかかる力を低減させる駆動方法が提
案されている(特開昭62−56933号,特開平1−
24234号等参照)。以下にこの方法を説明する。
に分子の長軸方向と短軸方向の誘電率の差Δεと電界E
の2乗に比例した力が働く。つまり強誘電性液晶分子の
分子短軸方向に働く力Fは式(1)で表されるように F=K0×Ps×E+K1×Δε×E2 (1) (ここで、K0,K1は比例定数である)となる。この力
Fは応答速度と逆比例の関係にある。
れた電界EとΔε<0の液晶の応答速度の関係を示す。
図4に示すように30V付近で応答速度が最小となって
いる。30V付近までは強誘電性液晶分子に働く誘電異
方性が0未満の効果が小さい領域で、K0×Ps×E項
の効果が、K1×Δε×E2項の効果より充分大きいた
め、電圧が大きくなるにつれてFが大きくなり応答速度
が小さくなっている。30V以降は強誘電性液晶分子に
働く誘電異方性が0未満の効果が大きい領域で、逆にK
1×Δε×E2項の効果が大きくなるため、電圧が大きく
なるにつれてFが小さくなり応答速度が大きくなってい
る。
4234号公報は、以下のような駆動方法を提案してい
る。図5はこの駆動電圧波形を示す図である。ここで
(1)、(2)は走査電極に印加する電圧波形であり、
(1)は選択波形(2)は非選択波形である。(3)、
(4)は信号電極に印加する電圧波形であり、(3)は
黒の書き換え波形(4)は白の書き換え波形を示す。
(5)〜(8)は上記の(1)、(2)と(3)、
(4)を組み合わせたときに画素に印加される電圧波形
を示す。
を構成する液晶の白の状態を黒の状態へ書き換えるに
は、走査電極Liへ図5(1)に示す電圧波形を印加し
た時、信号電極Sjへ図5(3)に示す電圧波形を印加
して、図5(5)に示す電圧波形を画素Aijへ印加す
る。画素Aijを構成する液晶の黒の状態を白の状態へ書
き換えるには、走査電極Liへ図5(1)に示す電圧波
形を印加した時、信号電極Sjへ図5(4)に示す電圧
波形を印加して、図5(6)に示す電圧波形を画素Aij
へ印加する。他の画素Akjは、走査電極Lkへ図5
(2)に示す電圧波形が印加され、信号電極Sjへ図5
(3)または(4)に示す電圧波形が印加されるので、
これらの画素へは図5(7)または(8)に示す電圧波
形が印加されその画素の表示状態は変化しない。
(6)及び(5)に示す電圧−Va,Vaの絶対値が図4
で応答速度が最小値を示す電圧である30V近辺の電圧
で、−Va−2Vb',Va+2Vb'の絶対値が30Vより
充分大きい電圧であるということである。誘電異方性Δ
ε<0であるため、30Vを境に前者の電圧により液晶
分子に働く力が後者の電圧により液晶分子へ働く力より
大きくなるので、後者では表示の書き換えは起こらな
い。更には表示の書き換えに無関係な後者の電圧が大き
いほど液晶分子の短軸方向に働く力が小さくなり、液晶
分子の揺らぎを押さえることができ、高コントラストを
実現することができる。
等が“The JOERS/ALVEY Ferroelectric Multiplexing S
cheme”で、上記関係を利用した別の方法を提案してい
る。図8はこの駆動電圧波形を示す図である。この駆動
方法は1画面の書換を2フィールドかけて行い、第1の
フィールドで図8(a)に示す駆動波形を印加し、第2
のフィールドで図8(b)に示す駆動波形を印加すると
いうものである。ここで(4)は信号電極Sに印加する
電圧波形であり、書き換えに寄与しない保持電圧波形を
示す。その他(1)〜(8)は図5と同様の電圧波形を
表している。
えるには、第1のフィールドで走査電極Liへ図8
(a)の(1)に示す選択電圧を印加した時、信号電極
Sjへ図8(a)の(3)に示す黒の書き換え電圧を印
加して、図8(a)の(5)に示す電圧波形を画素を構
成する液晶分子へ印加し、黒情報に書き換える。次の第
2のフィールドで走査電極Liへ図8(b)の(1)に
示す選択電圧を印加し、信号電極Sjへ図8(b)の
(4)に示す保持電圧を印加して、図8(b)の(6)
に示す電圧波形を画素Aijを構成する液晶分子へ印加し
黒の状態を保持する。
えるには、第1のフィールドで走査電極Liへ図8
(a)の(1)に示す選択電圧を印加したとき、信号電
極Sjへ図8(a)の(4)に示す保持電圧を印加し
て、図8(a)の(6)に示す電圧波形を画素Aijを構
成する液晶分子へ印加し、まず黒の状態を保持する。次
の第2のフィールドで走査電圧Liへ図8(b)の
(1)に示す選択電圧を印加したとき、信号電極Sjへ
図8(b)の(3)に示す白の書き換え電圧を印加し
て、図8(b)の(5)に示す電圧波形を画素Aijを構
成する液晶分子へ印加し、白の状態へ書き換える。
ールドで走査電極Liへ図8(a)の(2)に示す非選
択電圧が印加され、信号電極Sjへ図8(a)の(3)
または(4)に示す電圧波形が印加され、図8(a)の
(7)または(8)に示す電圧波形が画素Aijを構成す
る液晶分子へ印加される。
(b)の(2)に示す非選択電圧が印加されたとき、信
号電圧Sjへ図8(b)の(4)または(3)に示す電
圧波形が印加され、図8(b)の(8)または(7)に
示す電圧波形が画素Aijを構成する液晶分子へ印加され
る。
も表示状態は変化しない。この駆動法でも重要となるの
は、図8(a)の(5)または図8(b)の(5)に示
す電圧−Vs+VdまたはVs−Vdの絶対値が、図6
(a)での応答速度の最小値を示す40V付近であり、
図8(a)の(6)または図8(b)の(6)に示す電
圧−Vs−VdまたはVs+Vdの電圧が、40Vより充分
大きいということである。誘電異方性Δε<0であるた
め、40Vを境に前者の電圧により液晶分子に働く力が
後者の電圧により液晶分子へ働く力より大きくなるの
で、後者では表示の書き換えは起こらない。
圧が大きいほど液晶分子の短軸方向に働く力が小さくな
り、液晶分子の揺らぎを押さえることができ、高コント
ラストを実現することができる。また、(5)では書き
換え用の電圧−Vs+VdまたはVs−Vdの前に予め同極
性の電圧−VdまたはVdが印加され、液晶分子が書き換
え易い状態にあるので、書換の電圧である−Vs+Vdま
たはVs−Vdを小さくすることができる。
異方性(Δε)が0未満の強誘電性液晶を用いた液晶表
示装置を上記駆動方法により駆動すれば、コントラスト
は向上し、さらに、C1ユニフォームを用いれば一層の
コントラストの向上が期待できる。しかしながら、実際
に上記のような強誘電性液晶表示装置を作製してみる
と、期待する程の高いコントラストは得られなかった。
でなく、良好なスイッチングが得られない場合もあっ
た。そこで、このような原因を調べた結果、C1ユニフ
ォームは上記のような駆動方法に適さないこと、さら
に、一画素内に複数の配向状態が混在することがあるこ
とがわかった。
強誘電性液晶素子にΔε<0の液晶材料SCE−8(メ
ルク社製)を用いたときの配向状態を示す偏光顕微鏡観
察図であるが、P.W.H.Surguy等らが発表し
た駆動法で駆動したとき良好なコントラストを示す部分
aと5以下のコントラストしか示さない部分bとスイッ
チングしない部分cが存在する。
0未満の強誘電性液晶の有するような印加電圧と応答速
度との関係を利用した駆動方法と配向状態との組み合わ
せを最適化することによって、高コントラストの強誘電
性液晶表示装置を提供することを目的とする。さらに、
全画素内において単一な配向状態を得ることのできる強
誘電性液晶表示装置を提供することを目的とする。
れば、第1の電極と一軸配向処理された第1の配向膜が
この順に積層された第1の基板と、該第1の電極と対向
するように配置された第2の電極と一軸配向処理された
第2の配向膜がこの順に積層された第2の基板との間に
強誘電性液晶を介在させてなり、該第1の電極が複数の
走査電極であり、該第2の電極が該走査電極と交差する
ように配置された複数の信号電極であり、該走査電極と
信号電極の交差する部分が画素となるように構成され、
画素を駆動するための駆動手段を有し、上記第1の配向
膜に対する上記強誘電性液晶の分子のプレチルト角の方
向と、上記第2の配向膜に対する上記強誘電性液晶の分
子のプレチルト角の方向とが互いに反対であり、上記プ
レチルト角が共に5゜以上10゜以下であり、上記強誘
電性液晶の配向状態がシェブロン構造であり、かつC2
配向となっており、上記強誘電性液晶が、0未満の誘電
異方性を有していることを特徴とする強誘電性液晶表示
装置が提供される。
一軸配向処理された第1の配向膜がこの順に積層された
第1の基板と、該第1の電極と対向するように配置され
た第2の電極と一軸配向処理された第2の配向膜がこの
順に積層された第2の基板との間に強誘電性液晶を介在
させてなり、該第1の電極が複数の走査電極であり、該
第2の電極が該走査電極と交差するように配置された複
数の信号電極であり、該走査電極と信号電極の交差する
部分が画素となるように構成され、選択された走査電極
上の表示を書換える画素に、前記液晶分子を最小の時間
でスイッチングさせ得る電圧またはそれに近似の電圧の
書換え電圧を印加し、かつ選択された走査電極上の表示
を書換えない画素に、前記書換え電圧より絶対値が大で
ある非書換え電圧を印加して画素を駆動するための駆動
手段を有し、上記第1の配向膜に対する上記強誘電性液
晶の分子のプレチルト角の方向と、上記第2の配向膜に
対する上記強誘電性液晶の分子のプレチルト角の方向と
が互いに反対であり、上記プレチルト角が共に5゜以上
10゜以下であり、上記強誘電性液晶の配向状態がシェ
ブロン構造であり、かつC2配向となっていることを特
徴とする強誘電性液晶表示装置が提供される。
1以下が好ましく、自発分極(以下、Psと略)が10
nC/cm2以下であることが好ましい。
板が用いられ、通常ガラス基板が使われる。この第1お
よび第2の基板の上にはそれぞれInO3,SnO2,IT
Oなどの導電性薄膜からなる第1および第2の透明電極
が設けられる。この第1の透明電極は走査電極とされ、
第2の透明電極は信号電極とされる。電極は透明な複数
の線状パターンよりなり、この信号電極および走査電極
は、前記線状パターンが直交する向きに配置される。
の絶縁膜は例えば、酸化タンタル、酸化ニオブ、SiO
2,SiNx,Al2O3などの無機系薄膜、ポリイミド、
フォトレジスト樹脂、高分子液晶などの有機系薄膜など
を用いることができる。絶縁膜が無機系薄膜の場合には
陽極酸化法、蒸着法、スパッタ法、CVD法、あるいは
溶液塗布法などによって形成できる。また、絶縁膜が有
機系薄膜の場合には有機物質を溶かした溶液またはその
前駆体溶液を用いて、スピンナー塗布法、浸せき塗布
法、スクリーン印刷法、ロール塗布法などで塗布し、所
定の硬化条件(加熱、光照射など)で硬化させ形成する
方法、あるいは蒸着法、スパッタ法、CVD法などで形
成したり、LB(Langumuir-Blodgett)法などで形成す
ることもできる。
された絶縁膜の上に、第1および第2の液晶配向膜が形
成される。液晶配向膜には無機系の層を用いる場合と有
機系の層を用いる場合とがある。無機系の液晶配向膜を
用いる場合、酸化ケイ素の斜め蒸着が良好である。ま
た、回転蒸着などの方法を用いることもできる。有機系
の液晶配向膜を用いる場合、ナイロン、ポリビニルアル
コール、ポリイミド等を用いることができ、通常この上
をラビングして配向処理される。また、高分子液晶、L
B膜を用いて配向させたり、磁場による配向、スペーサ
エッジ法による配向処理なども可能である。また、Si
O2,SiNxなどを蒸着し、その上をラビングして配向
処理する方法も可能である。
晶分子のなす角として定義する。これは、配向膜表面が
微細な凹凸を有するためである。また、角の大きさは基
板面内方向からの傾きの大きさで定義する。この発明に
よる液晶配向膜に対するプレチルト角は、ポリイミド系
等の液晶配向膜をラビング処理あるいは酸化珪素を斜め
蒸着した後、これを垂直配向剤N,N−オクタデシル−
3−アミノプロピルトリメソオキシリル クロリド
(N,N−octadecyl−3−aminopro
pyltrimethoxysilyl chroli
de:DMOAP)によって処理することによって変更
できる。ラビング処理条件においては、ラビング処理時
の布の種類、毛足のあたる長さ、ローラーの回転数を変
化させることにより、プレチルト角を変更できる。さら
に、蒸着処理条件においては酸化珪素の蒸着角度と厚膜
によって制御できる。
対とは、例えば、図12(a)で示すように、第1の配
向膜に対する分子19のプレチルト角が基板2に対して
右の角度を持っているとき、第2の配向膜に対する分子
19のプレチルト角は基板2に対して左の角度を持ち、
相互に逆向きとなることを意味する。この発明の誘電異
方性が0未満であるシェブロン構造のスメクティック液
晶は、市販のSCE−8、ZLI−3234B、ZLI
−4851/000、ZLI−5014/000等(い
ずれもメルク社製)のほかに、次式で示される化合物
(1)〜(16)等を適宜混合して作成される。
シ系硬化樹脂で注入口を封止して液晶セルとされる。さ
らに、必要に応じて、この液晶セルの上下に偏光軸をほ
ぼ直交させた偏光板を配置させ、偏光板の一方の偏光軸
をセルの液晶のどちらか一方の光軸にほぼ一致させて強
誘電性液晶表示装置とする。
電性液晶は基板に垂直に層構造を形成していると述べた
が、実際にはくの字に折れ曲がった2種類の層構造(シ
ェブロン層構造)を示す。図10にこの構造を説明する
ための強誘電性液晶素子の断面図を示す。ここで、4’
は配向膜界面、10は液晶分子、12は分子の移動経
路、19はプレチルトを表している。
らはシェブロン層構造の折れ曲がり方向をプレチルト1
9との関係から、折れ曲がり方向とプレチルト19方向
が逆の場合をC1配向、同じ場合をC2配向と名付けて
いる。もう一つはユニフォーム(U)とツイスト(T)
である。ユニフォームは消光位を示す配向、ツイストは
消光位を示さない配向である。向殿らは1991年液晶
討論会予稿集、でプレチルト角の大きい配向膜を用いた
パラレルラビングの強誘電性液晶セルにおいて、C1
U,C1T,C2の3つの配向が得られたことを報告し
ている。本発明者らは更に詳細に検討した結果、パラレ
ルラビングの強誘電性液晶素子においてはC1U,C1
T,C2U,C2Tの4つの配向状態が存在することが
分かった。図11にこれらの配向状態を説明するための
強誘電性液晶表示装置の断面図を示す。(a),(b)
はC1配向でシェブロン層構造の折れ曲がり方向とプレ
チルト19方向が逆である。(c),(d)はC2配向
でシェブロン層構造の折れ曲がり方向とプレチルト19
方向が同じである。この内(a),(c)はユニフォー
ム配向で両配向膜界面での液晶分子の方向が同一であ
る。一方(b),(d)はツイスト配向でシェブロン層
構造の折れ曲がり部分から配向膜界面までの間で一部捩
れている。
答速度との関係において、特定の印加電圧で応答速度が
最小となり、その両側の電圧値で応答速度が大きくなる
ことを利用したものである(以後応答速度が最小となる
特定の印加電圧値をVminと略す)。
では、電圧を上げればより高速にスイッチングするた
め、非書き換え波形には書き換え波形で用いる電圧より
絶対値の低い値を用いる必要があったが、本発明では、
強誘電性液晶に誘電異方性が0未満のものを用いること
によって、上記関係を出現させて非書き換え波形に書き
換え波形で用いる電圧より絶対値の大きい値を用いるこ
とを可能にし、バイアス電圧によるコントラストの低下
を防いでいる。
従来の駆動方法ではコントラストが低いものの、上記本
発明の駆動手段のVminを用いる方法で駆動すると、メ
モリ角が広がり、かつバイアス部分での光の漏れが殆ど
発生しなくなってコントラストが高くなる。さらに、表
1に示すように、C1Uに比べ応答速度が速い。
の組み合わせで、以下に示す実施例1と同じ構造の表示
装置で得られた値である。また表5のC1U配向は、圧
力衝撃等によりジクザグ欠陥を発生させて得たものであ
る。メモリパルス幅は、図7(b)で示した双極パルス
を印加したときのメモリパルス幅を示し、パルス電圧は
5V/μmとして、画素全面を書き換えるのに必要な最
小パルス幅で求めた。
値が小さくなりやすく、動作温度範囲も広い。一方、C
1T配向は消光位がなく、C2T配向は、マトリックス
駆動において非選択期間に画素へ印加されるバイアス電
圧を大きくすることによりユニフォーム転移させ消光性
を向上させることはできるが、高速・低電圧駆動の点で
C2U配向に劣る。
方法で駆動する場合、C2U配向が最も高コントラスト
であり、高応答速度となる。さらに低電圧駆動も可能と
なる。また、本発明のプレチルト角を5°以上10°以
下とする構成は、上記C2U配向を均一に得るための構
造である。プレチルト角が10°より大きくなると、C
2U配向の他にC1U配向等が混入し、プレチルト角が
5°未満であるとC2U配向の他にC1T配向等が混入
して不均一となる。さらには、C2U配向が得られなく
なる。
°以下とすると、どのような液晶材料に対しても全画素
にわたって均一なC2U配向が得られるようになる。ま
た、自発分極を10nC/cm2以下とすることは、Vmin
を小さくするように作用する。
いて、実施例を挙げ具体的に説明する。 <実施例1>本願発明の強誘電性液晶装置を例示する。
図1は強誘電性液晶装置の構造の一例を示す断面図であ
る。2枚のガラス基板(厚さ約2μm)2a、2bが互
いに対向させて配置され、一方のガラス基板2aの表面
にはインジウム錫酸化物(以下、ITOと略称する)か
らなる透明な信号電極Sが複数本互いに平行に配置さ
れ、その上はSiO2からなる透明な絶縁膜(厚さ約2
00nm)が形成されている。
板2bの表面にはITOからなる透明な走査電極Lが信
号電極Sと直交する向きに複数本互いに平行に配置され
ており、その上はSiO2からなる透明な絶縁膜3bで
被覆されている。各絶縁膜3a,3b上にはラビング処
理により一軸配向処理が施された配向膜4a,4bが形
成される。配向膜はポリイミド膜、またはポリビニルア
ルコールの有機高分子膜が用いられる。
注入口を残して封止剤5で貼り合わされ、その注入口か
ら配向膜4a,4bで挟まれる空間内に強誘電性液晶6
が挟持され、上記注入口は封止剤5で封止される。この
ようにして貼り合わせた2枚のガラス基板2a,2b
は、互いに偏光軸が直交するように配置した2枚の偏光
板7a,7bで挟まれている。
2101(チッソ社製)を用い、プレチルト角は約7°
であった。この配向膜の厚さは約50nmとした。つい
で、ラビング方向が第1および第2の液晶配向膜で同じ
向きになるように、即ちプレチルト角度が相互に逆向き
になるように配置した。これに強誘電性液晶6としてΔ
ε=−1.8、Ps=3.2nC/cm2のSCE−8
(メルク製)を注入し、強誘電性液晶表示装置とした。
し、チルト角、メモリ角を測定した。チルト角は21.
4°、メモリ角は13.9°であった。ここでチルト角
は電界印加時の消光位間の角度の1/2、メモリ角は無
電界時の消光位間の角度である。この強誘電性液晶表示
装置は全面が良好な消光性を示すC2U配向であった。
答速度の関係を図7(a)に示す電圧波形を用いて測定
した。結果を図13(a)に示した。後述する駆動方法
によって実用に適した駆動電圧で良好なコントラストを
得るためには、この電圧−応答速度の関係において、明
確な応答速度の最小値とその最小値を示す電圧が小さい
ことが必要である。本実施例では図13(a)に示した
ように25V付近に応答速度が最小になる電圧(Vmi
n)が存在した。
系の概略的な構成図を示す。走査電極Lの各々は符号L
に添字i(i=0〜F)を付加して区別し、信号電極S
の各々は符号Sに添字j(j=0〜F)を付加して区別
している。また、以後の説明では、任意の走査電極Li
と任意の信号電極Sjが交差する部分の画素を符号Aij
で表すものとする。
動回路17を接続し、信号電極Sに信号側駆動回路18
を接続する。この走査側駆動回路17は走査電極Lに電
圧を印加するための回路であり、図示しないアドレスデ
コーターとラッチとアナログスイッチから構成され、指
定された画素Aijに対応する走査電極Liへ選択し、電
圧Vc1を印加し、それ以外の走査電極Lk( k≠i)へ
非選択電圧Vc0を印加する。
電圧を印加する為の回路であり、図示しないシフトレジ
スタとラッチとアナログスイッチから構成され、選択し
た走査電極Liに対して信号電極Sjへ黒を表示する場合
には黒書き換え電圧Vs1を印加し、白を表示する場合
には白書き換え電圧Vs0を印加する。次に、この駆動
系の駆動方法について図面に基づいて説明する。ここで
は画素はL1、L2及びS1、S2の2本づつの走査電極と
信号電極で達成される4画素について説明する。
応答速度特性に応答速度の最小値を有する強誘電性液晶
表示装置において、次式(2)で設定されるΔε<0効
果が大きい領域の電圧(V0+V1)が印加されたとき液
晶分子が受ける力と、式(3)で設定されるΔε<0効
果が小さい領域の電圧(V0/2)が印加されたとき液晶
分子が受ける力とがほぼ等しくなるように設定すること
が可能となる。ここでVminは応答速度が最小となると
きの電圧である。
(1)に示す電圧−V0/2の後に電圧V0/2と電圧0が
続く電圧波形を印加した場合に画素に生じる透過光量の
変化と同じ透過光量の変化を与える電圧波形は、図15
の(2)〜(6)の電圧波形が存在することになる。ま
た、白か黒かのメモリ状態にある画素へ、図15の
(7)に示す電圧V0/2の後に電圧−V0/2と電圧0が
続く電圧波形を印加した場合に画素に生じる透過光量の
変化と同じ透過光量の変化を与える電圧波形は、図15
の(8)〜(12)の電圧波形が存在することになる。
の液晶を注入した強誘電性液晶表示装置に用いる駆動波
形を決めるやり方は以下のようになる。このとき、書き
換えない画素の透過光量の変化をほぼ等しくして、クロ
ストークを発生させないようにする。
いよう非選択時に画素へ印加される電圧を決める。今、
画素A11を書き換えるものとする。このときL1に選択
電圧、L2に非選択電圧が印加され、S1に書き換える電
圧、S2に保持電圧が印加される。非選択電圧を印加し
た走査電圧L2と保持電圧を印加した信号電極S2から構
成される画素A22へ印加する電圧波形を図15の(1)
とすれば、この電圧波形を印加した時の画素の透過光量
の変化とほぼ等しい透過光量の変化を示す電圧波形は、
図15の(2)〜(6)の電圧波形である。そのような
電圧波形のうち、図15の(2)を非選択電圧を印加し
た走査電極L1と書換え電圧を印加した信号電極S1から
構成される画素A21へ印加する電圧波形とする。
保持電圧を印加した信号電極S2から構成される画素A
12へ印加する電圧波形を図15の(1)〜(6)の電圧
波形から決める。このときA12の透過光量の変化が先の
非選択波形を印加したA12、およびA22と等しくなるよ
うにする。画素A22、A21、A12へ印加される電圧
V22、V21、V12と、選択電圧を印加した走査電極と書
換え電圧を印加した信号電極から構成される画素A11へ
印加される電圧V11との間には、 V22−V21=V12−V11 (4) 即ち、 V11=V12−(V22−V21) (5) なる関係式が成り立つので、画素A11へ印加される電圧
が0か正の電圧だけを含むように画素A12へ印加する電
圧波形を決めると図15の(3)の電圧波形となる。
図16の(a)の電圧波形の組合せであり、例えば図1
6(a)の(5)に示すのが画素A11へ印加される電圧
波形である。同様にしてこのほかにも図16(b)〜
(d)の電圧波形の組み合わせを作る事ができる。ここ
で(a)、(b)は書き換える画素A11に正の電圧が印
加されているので黒に、(c)、(d)は書き換える画
素A11に負の電圧が印加されているので白に書き換えら
れることになる。
図17(b)に示す走査電極および信号電極へ印加する
電圧波形の組み合わせを決める事ができる。また、図1
6の(c)の電圧波形の組み合わせから図17(a)に
示す走査電極および信号電極へ印加する電圧波形の組み
合わせを決めることができる。
非選択電圧波形を印加した走査電極と、保持電圧を印加
した信号電極から構成される画素へ印加する電圧波形と
して、図16の(c)または(a)の電圧波形の組み合
わせの(1)A22の電圧波形をあてる。図17(a)ま
たは(b)の(7)に示す非選択電圧波形を印加した走
査電極と書き換え電圧波形を印加した信号電極から構成
される画素へ印加する電圧波形として、図16の(c)
または(a)の電圧波形の組み合わせの(2)A21の電
圧波形をあてる。
選択電圧波形を印加した走査電圧と保持電圧波形を印加
した信号電極から構成される画素へ印加する電圧波形と
して、図16の(c)または(a)の電圧波形の組み合
わせの(4)A12の電圧波形をあてる。図17(a)ま
たは(b)の(5)に示す選択電圧波形を印加した走査
電極と書き換え電圧波形を印加した信号電極から構成さ
れる画素へ印加する電圧波形として、図16の(c)ま
たは(a)の電圧波形の組み合わせの(5)A11の電圧
波形をあてる。
(a)の(1)または図17(b)の(1)と決めれ
ば、信号電極へ印加する書き換え電圧波形は図17
(a)の(3)または図17(b)の(3)、走査電極
へ印加する非選択電圧波形は図17(a)の(2)また
は図17(b)の(2)、信号電極に印加する保持電圧
波形は(4)と順次決まる。これは、図17(a)の
(1)の電圧をV1とし、図17(a)の(2)の電圧
をV2とし、図17(a)の(3)の電圧をV3とし、図
17(a)の(4)の電圧V4としたとき、 V3=V1−V5 (6) V4=V1−V6 (7) V2=V3+V7 (8) の関係があるからである。
れば、図17(a)または(b)の(6)で示すΔε<
0効果が大きい領域の電圧波形を、画素を構成する液晶
分子に印加したときの画素の透過光量の変化は、図17
(a)の(7)か(8)または、図17(b)の(7)
か(8)で示すΔε<0効果が小さい領域の電圧波形を
画素を構成する液晶分子に印加したときの画素の透過光
量の変化とほぼ等しくなり、フリッカの生じない表示品
位の高い強誘電性液晶表示装置を得ることができる。
0の代わりに電圧V0+α(α>0)を使えば、図17
(a)の(6)または図17(b)の(6)の電圧波形
を画素に印加されたときの画素の透過光量の変化は、図
17(a)の(7)か(8)または図17(b)の
(7)か(8)の電圧波形を画素に印加したときの画素
の透過光量の変化より小さくなり、より好ましい。
の目安としてバイアス比を検討する。バイアス比とは書
き換える画素に印加される電圧と非選択された画素に印
加される電圧の比で、これが大きいほどコントラストが
大きくなる。
バイアス比は図17(a)の(5)または図17(b)
の(5)の電圧と、図17(a)の(7)か(8)また
は図17(b)の(7)か(8)の電圧の比 B=V0/2÷(V1+V0/2) (9) であり、高コントラストは期待できない。しかし、図1
7(a)の電圧波形の組み合わせの単位時間軸をt0か
らt1とし、図17(a)の電圧波形の組み合わせを、
それ自身と時間2tずらせて、2回重ねると図18
(a)の電圧波形の組み合わせとなり、また図17
(b)の電圧波形の組み合わせの時間軸をt0からt1と
し、図17(b)の電圧波形の組み合わせを、それ自身
と時間2tずらせて、2回重ねると図18(b)の電圧
波形の組み合わせとなる。図18のバイアス比Bは B=V0/2÷(2V1+V0) (10) となり、かなりのコントラストが期待できる。
って更に高コントラストを実現することができる。図1
7の電圧波形の組み合わせが何回でも重ね合わせられる
のはΔε<0の効果が大きい領域である図17(a)ま
たは(b)の(6)の電圧波形と、Δε<0の効果が小
さい領域である図17(a)または(b)の(7)と
(8)の電圧波形が液晶分子の短軸方向に同じ力を与え
るよう設計した。それは、非選択時に液晶分子のメモリ
状態が変化しないのと同様に、図17(a)または
(b)の(6)の電圧波形を何回重ね合わせても液晶分
子のメモリ状態を変化させられないからである。さら
に、図17において電圧V0/2の代わりに電圧V0/2+
α(α>0)を使えばより高コントラストを実現でき
る。
これ以外でも図8に示した駆動法2(P.W.H. Surguy et
al., Ferroelectrics, 122, 63 (1991).)および図23
に表される駆動法3(WO92/02925(PCT))等を用いること
ができる。
て動作させた。式(2)を参照して、電圧V0+V1=5
0Vと固定し、電圧V0を可変にして、図18(a)の
(7)と(8)の電圧を画素へ印加しその光学的応答を
フォトダイオードで電気信号に測定した特性と、図18
(a)の(6)の電圧を画素へ印加しその光学的応答を
フォトダイオードで電気信号に測定した特性を比較し、
ほぼ等しい透過光量を与える電圧として V0/2=10.5V V1=29V を得た。
アス電圧として使い、図18(a)の(6)の電圧を1
0Hz周期で印加し、次に、図18(b)の(7)(8)
の電圧をバイアス電圧として使い、図18(b)の
(6)の電圧を10Hz周期で印加し、これらを繰り返
したがフリッカは感じられなかった。
りに図18(a)の(5)の電圧を印加しても画素を一
方の状態に書き換えられた。さらに図18(b)の
(6)の電圧の代わりに図18(b)の(5)の電圧を
印加しても、画素をもう一方の状態へ書き換えられた。
このとき、コントラスト30が得られた。
電性液晶表示装置を、誘電異方性が0未満の効果が大き
な領域の電圧を用いない図22の電圧波形により動作さ
せたところ、スイッチング速度が遅く、バイアス電圧に
よる光の漏れが大きいため、高いコントラストが得られ
なかった。尚、この駆動方法は、いわゆる1/3バイア
ス駆動と呼ばれるものであり、本願発明に係るτ−Vmi
n を利用した駆動方法ではない。
表示装置において、配向膜の種類を変えた場合の液晶の
配向状態、チルト角、メモリ角の測定結果を表2に示
す。
をそれぞれ一対のガラス基板上に塗布し、ラビングし、
該一対の基板を50μm厚さでラビング方向が反平行と
なるように貼り合わせ、これにネマチック液晶E−8
(メルク製)を注入し、磁場容量法によって測定した。
子の配向膜に対するプレチルト角と考えられる。表2か
ら、SCE−8に対して、プレチルト角が5°及び7°
の場合には、全画素にわたって均一にC2U配向が得ら
れるが、3°ではC2TとC2Uが混在し、また、14
°ではC1Tになる場合とC2Uになる場合があること
がわかる。
合が実施例1であるが、PSI−A−2101に代えて
PSI−A−2001を用いた場合についての結果を以
下に示す。メモリ角は無電界時に後述するように配向が
ツイスト配向のため明確な消光位が得られなかったの
で、透過光量が最も低くなる2つの位置の間の角度をメ
モリ角とした。
示装置はC1T配向中にC1U配向とC2U配向が混在
している配向で、消光性の悪く、不均一な表示品位であ
った。作製した強誘電性液晶表示装置のC1T配向にお
ける電圧−応答速度の関係を図7(a)に示した電圧波
形を用いて測定した。結果を図13(b)に示した。図
13(b)に示したように応答速度が最小になる電圧
(Vmin)が存在した。
=50Vの条件でのスイッチングはできなかった。さら
に、初期配向がC1T配向を示した強誘電性液晶表示装
置に対して電界印加の処理によってC1UまたはC2U
配向へと変化させることができた。この時、C1U配向
はC2U配向と比較してスイッチング速度が遅いだけで
なく、安定性に劣り、経時変化によってもC1T配向へ
戻った。
を示す。メモリ角は無電界時にツイスト配向のため明確
な消光位が得られなかったので、透過光量が最も低くな
る2つの位置の間の角度とした。表2に示したようにこ
の強誘電性液晶表示装置は全面がC2T配向で、消光性
が悪かった。
答速度の関係を図7(a)に示した電圧波形を用いて測
定した。結果を図13(b)に示した。図13(b)に
示したように60V付近に応答速度が最小になる電圧
(Vmin)が存在した。しかしながら、実施例1と同様
の方法での高コントラストでのスイッチングはできなか
った。
いた場合についての結果を示す。メモリ角は無電界時に
ツイスト配向のため明確な消光位が得られなかったの
で、透過光量が最も低くなる2つの位置の間の角度とし
た。表2に示したようにこの強誘電性液晶表示装置はC
1T配向中にC2U配向が混在している配向で、消光性
が悪かった。
SO14を用いた場合についての結果を示す。作製した
強誘電性液晶表示装置の電圧−応答速度の関係を図7
(a)に示した電圧波形を用いて測定した。結果を図1
3(a)に示した。図13(a)に示したように40V
付近に応答速度が最小になる電圧(Vmin)が存在し
た。しかしながら、上記のようにC2TとC2Uとが混
在するため消光性が悪かった。さらに、C2Tとなるこ
とが多かった。
性液晶としてSCE−8を用いる代わりに、以下の化合
物(1)〜(9)を表3に示した割合で混合したΔε<
0液晶組成物1〜6を用いて強誘電性液晶表示装置を作
成した。それぞれのΔεの値は、おおよそ、組成物1が
−1.4、組成物2が−2.0、組成物3が−2.0、
組成物5が−1.7である。
答速度の関係を図7(a)に示した電圧波形を用いて測
定した。結果を図14に示した。図14(a)及び
(b)に示したように25〜30V付近に応答速度が最
小になる電圧(Vmin)が存在した。尚、これらの強誘
電性液晶表示装置は全面が良好な消光性を示すC2U配
向であった。
=7.5V、V1=15Vとして10Hz周期で動作さ
せた。このとき図17(a)及び(b)の(7)、
(8)を印加した時と(6)を印加した時の間でフリッ
カは感じられなかった。また、図17(a)及び(b)
の(5)を印加することによって、表示を書き換えるこ
とができた。
電性液晶としてSCE−8を用いる代わりに化合物
(8)〜(16)を表3に示した割合で混合したΔε<
0の液晶組成物7〜12を用いて、配向膜にはPSI−
A−X007(チッソ社製)を用いて強誘電性液晶表示
装置を作製した。
答速度の関係を図7(a)に示した電圧波形を用いて測
定した。結果を図20に示した。図20(a)及び
(b)に示したように30〜40V付近に応答速度が最
小になる電圧(Vmin)が存在した。尚、これらの強誘
電性液晶表示装置はC2U配向を示した。これらを、駆
動法3の電圧波形を用いて動作させたところ、駆動電圧
40V程度で、高速・高コントラストでスイッチングし
た。尚、以上の実施例2〜13で、プレチルト角が7°
の場合には材料を変えてもC2Uが得られることがわか
る。
よび5とZLI−5014/000(Δε:約−0.
9)をそれぞれ用いて、これを前記駆動法1、2、3を
用いてスイッチング時間と駆動電圧を測定した結果を表
4に示した。いずれも良好な結果であった。
上記実施例2において、配向膜としてPSI−A−21
01(チッソ社製)を用いる代わりに、プレチルト角3
°のPSI−XS014を用いて強誘電性液晶表示装置
を作成した。この強誘電性液晶表示装置は全面がC2T
配向で、消光性が悪かった。
S012を用いた場合もC2T配向となった。このよう
に、プレチルト角3°の場合、SCE8以外の材料では
C2Uが全く得られなかった。
誘電性液晶としてSCE−8を用いる代わりに、組成の
異なるZLI−4851/000(Δε:約−0.7)
および5014/000(Δε:約−0.9)(メルク
社製)を用いて、配向膜にはPSI−A−2101(チ
ッソ社製)を用いる代わりに、プレチルト角5°のPS
I−A−X007(チッソ社製)を用いて強誘電性液晶
表示装置を作製した。全画素にわたって均一なC2U配
向が得られた。
答速度の関係を図7(a)に示した電圧波形を用いて測
定した。その結果を図21に示した。図21に示したよ
うに40〜50V付近に応答速度が最小になる電圧(V
min)が存在した。
のLX−1400(日立化成社製)を用いた市販品液晶
セルKSRO−02(E.H.C.社製、セルギャップ
2μm、パラレルラビング)にSCE−12(メルク社
製)を注入した強誘電性液晶表示装置とした。この強誘
電性液晶表示装置はC1T配向中にC2T配向が混在し
ている配向で、消光性が悪く、不均一な表示品位であっ
た。なお、表5に示したようにSCE−12は実施例3
で用いたSCE−8と比較して、Δεの値は等しいが、
自発分極の値は大きな強誘電性液晶組成物であった。
答速度の関係を図7(b)に示した電圧波形を用いて測
定した。結果を図19に示した。図19に示したように
60Vまでの測定範囲内で応答速度が最小になる電圧
(Vmin)が存在しなかった。
性液晶分子のプレチルト角を5°〜10°とすることに
より、液晶材料にかかわらず、全画素にわたって均一な
C2U配向の上記強誘電性液晶表示装置を提供すること
ができた。さらに、高コントラストで高速駆動できる強
誘電性液晶表示装置を提供することができた。
強誘電性液晶を用いる本発明によれば、低電圧駆動の上
記強誘電性液晶表示装置を提供することができた。
の断面図である。
(a)、(a)の投影図(b)である。
る。
を示す図である。
に印加した電圧波形図である。
波形を示す図である。
図である。
ある。
である。
方向を示す図である。
性液晶の特性図である。
電性液晶の特性図である。
明するための図である。
明するための図である。
ある。
る。
電性液晶の特性図である。
電性液晶の特性図である。
電性液晶の特性図である。
である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 第1の電極と一軸配向処理された第1の
配向膜がこの順に積層された第1の基板と、該第1の電
極と対向するように配置された第2の電極と一軸配向処
理された第2の配向膜がこの順に積層された第2の基板
との間に強誘電性液晶を介在させてなり、該第1の電極
が複数の走査電極であり、該第2の電極が該走査電極と
交差するように配置された複数の信号電極であり、該走
査電極と信号電極の交差する部分が画素となるように構
成され、画素を駆動するための駆動手段を有し、上記第
1の配向膜に対する上記強誘電性液晶の分子のプレチル
ト角の方向と、上記第2の配向膜に対する上記強誘電性
液晶の分子のプレチルト角の方向とが互いに反対であ
り、上記プレチルト角が共に5゜以上10゜以下であ
り、上記強誘電性液晶の配向状態がシェブロン構造であ
り、かつC2配向となっており、上記強誘電性液晶が、
0未満の誘電異方性を有していることを特徴とする強誘
電性液晶表示装置。 - 【請求項2】 強誘電性液晶が、10nC/cm2以下の
自発分極である請求項1に記載の強誘電性液晶表示装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2844999A JP3182405B2 (ja) | 1992-04-28 | 1999-02-05 | 強誘電性液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-110222 | 1992-04-28 | ||
JP11022292 | 1992-04-28 | ||
JP2844999A JP3182405B2 (ja) | 1992-04-28 | 1999-02-05 | 強誘電性液晶表示装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10298293A Division JP2905030B2 (ja) | 1992-04-28 | 1993-04-28 | 強誘電性液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11271779A JPH11271779A (ja) | 1999-10-08 |
JP3182405B2 true JP3182405B2 (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=26366562
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2844999A Expired - Fee Related JP3182405B2 (ja) | 1992-04-28 | 1999-02-05 | 強誘電性液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3182405B2 (ja) |
-
1999
- 1999-02-05 JP JP2844999A patent/JP3182405B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11271779A (ja) | 1999-10-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0542518B1 (en) | Liquid crystal element and driving method thereof | |
US5276542A (en) | Ferroelectric liquid crystal apparatus having temperature compensation control circuit | |
US5404237A (en) | Ferroelectric liquid crystal display having c2u alignment and the rewriting voltage<non-rewriting voltage | |
US5323172A (en) | Ferroelectric liquid crystal display device | |
US5646754A (en) | Ferroelectric liquid crystal display device including a ferroelectric liquid crystal material capable of exhibiting the smectic A phase and the chiral smectic C phase | |
JP2905030B2 (ja) | 強誘電性液晶表示装置 | |
KR100232690B1 (ko) | 액정 표시 장치 | |
JP3182405B2 (ja) | 強誘電性液晶表示装置 | |
JP3094013B2 (ja) | 強誘電性液晶表示装置 | |
JPH11279556A (ja) | 強誘電性液晶表示装置 | |
US5990856A (en) | Ferroelectric liquid crystal element and ferroelectric liquid crystal material | |
JP3205598B2 (ja) | 液晶表示素子及びその駆動方法 | |
JP2000089256A (ja) | 反強誘電性液晶光学素子及びその駆動方法 | |
JP3365587B2 (ja) | 液晶装置 | |
JPH06194623A (ja) | 反強誘電性液晶表示素子の駆動方法 | |
KR0161377B1 (ko) | 강유전성 액정표시소자 | |
JPH0862639A (ja) | 液晶装置 | |
JP2763212B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JPH06186583A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2851500B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JPH0553114A (ja) | 強誘電性液晶表示装置 | |
JPH06273801A (ja) | 液晶電気光学装置 | |
JPH05158042A (ja) | 液晶表示装置 | |
JPH05216033A (ja) | 強誘電液晶素子 | |
JPH0862640A (ja) | 液晶装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 7 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080420 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 8 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090420 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 8 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090420 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100420 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100420 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110420 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120420 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |