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JP3151296B2 - 半導体素子 - Google Patents

半導体素子

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JP3151296B2
JP3151296B2 JP16462092A JP16462092A JP3151296B2 JP 3151296 B2 JP3151296 B2 JP 3151296B2 JP 16462092 A JP16462092 A JP 16462092A JP 16462092 A JP16462092 A JP 16462092A JP 3151296 B2 JP3151296 B2 JP 3151296B2
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semiconductor
layer
semiconductor layer
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semiconductor substrate
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裕章 工藤
和彦 猪口
聰 菅原
治久 瀧口
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Sharp Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光又は電子デバイスに関
し、特に、光メモリ等の情報処理装置、光コンピュー
タ、光計測などにおいて用いられる、集積化の可能な波
長制御型半導体レーザ、及び高速、大容量コンピュータ
やニューロコンピュータなどに用いられる高速電子素
子、低消費電力素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、波長選択性に注目した分布反射型
(Distributed Bragg Reflec
ter、以下DBR)レーザ及び分布帰還型(Dist
ributed Feed Back、以下DFB)レ
ーザが開発されているが、この種のレーザは単一縦モー
ドレーザとして優れた特性を有している。
【0003】図11に示す半導体レーザは、AlGaA
s系の代表的な例である分布帰還型DFB半導体レーザ
であり、光ガイド層1104上に沿って回折格子110
7を組み込んで構成したものである。また、図9にIn
P系DFBレーザの構造例を示す。図中、1001はI
nP基板、1002は光ガイド層、1003は活性層、
1004はクラッド層、1005はコンタクト層、10
06は回折格子をそれぞれ示す。
【0004】回折格子による平行入射に対する平行反射
波長λ0は、 λ0=2NeffΛ/m で表される。但し、Neffは回折格子領域での等価屈
折率、Λは回折格子周期、mは回折格子の次数である。
DBRレーザやDFBレーザでは、この波長選択性を利
用して単一縦モード発振を実現している。
【0005】更に近年、光デバイス、電子デバイスの高
機能化、高性能化をめざして、半導体超薄膜構造を採用
し、電子の量子力学的波動性を顕在化させ、多様な量子
効果を応用した光デバイス、電子デバイスの研究が進め
られている。
【0006】たとえば、一例として量子井戸構造レーザ
ーが挙げられる(図11)。このような量子井戸構造レ
ーザーでは、閉じ込め層1202により、電子及び正孔
が量子井戸層1201内で層厚方向に閉じ込められて量
子化されるため閾値電流密度が小さく、温度特性が良い
という優れた特性を有している。(参考文献としてEl
ectronics Letters 1982年18
号1095)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図10に示すAlGa
As系DFBレーザでは、GaAs基板1101上に第
1のエピタキシャル成長によりクラッド層1102、活
性層1103、光ガイド層1104まで順次成長させ、
前記光ガイド層1104表面に回折格子1107を形成
した後、第2のエピタキシャル成長によりクラッド層1
105、コンタクト層1106を順次成長させる必要が
ある。上記構造の場合、最低2回のエピタキシャル成長
プロセスが必要となる。さらに回折格子上の再成長界面
に非発光再結合中心が生じて、発光効率の低下、信頼性
の低下が生じる問題がある。
【0008】一方、図9に示すInP系DFBレーザで
は、AlGaAs系DFBレーザと異なり、発振光の基
板での吸収損失がないため、基板1001上に回折格子
1006を形成したのちに1回のエピタキシャル成長に
より光ガイド層1002、活性層1003、クラッド層
1004、コンタクト層1005を順次形成することが
可能である。しかし、基板1001に形成した回折格子
1006上に光電界強度を分布させなければならないた
め、前記回折格子1006から活性層を含む導波領域を
遠ざけることができない。そのため、回折格子上の再成
長界面に生じる非発光再結合中心による発光効率の低
下、信頼性の低下の問題は免れない。また、光学特性を
改善するための自由度も小さくなる。
【0009】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、低消費電力でモード分離やモードホ
ッピングのない良質なレーザ光が得られ、しかも作製プ
ロセスが簡便でかつ光学特性に優れ、光制御素子などと
の集積が可能な波長制御型半導体レーザといった半導体
素子を提供することを目的とする。
【0010】また、図11に示した量子井戸レーザーで
は層に垂直な方向にのみ量子化されているだけで、量子
井戸に平行な方向では量子化されていないため、閾値電
流の低減や温度特性の改善には不十分な点があり、図1
2に示されるような曲がり活性導波路による量子細線効
果、更には図13に示されるような量子箱効果を利用し
たレーザーが提案されている。(特許公開 昭和61年
第212084号公報、同 昭和61年第212085
号公報、Journal of Crystal Gr
outh 104 (1990) 766〜772)し
かしながら、これらの構造については、利得領域である
一層または多層活性層を有し、この活性層の層厚が量子
効果が現れるほど薄く、かつ、この活性層の面方向に量
子効果が現れるほどにに非常に周期の短いうねりを有す
ることにより、電子及び正孔をうねりの方向にも閉じ込
め、量子効果を採用して、高性能化を実現してるが、電
子及び正孔をうねりの方向にも閉じ込めるためには、形
成した凹凸基板からわずかな距離内に活性領域を成長形
成させる必要があり、素子構造の自由度に制限があり、
更に凹凸基板との界面に生じる非発光再結合等の問題を
避けることが非常に困難である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体基板又
は半導体基板上に形成された第1の半導体層と、前記半
導体基板又は半導体層の表面に形成された凹凸構造と、
該凹凸構造上方に、この凹凸構造の形状に対応して、屈
折率分布、利得分布、及び/又はバンド変調を生じると
共に、少なくともその上面が平坦である第2の半導体層
と、該第2の半導体層の少なくとも一部に形成され、光
を導波する導波領域と、を、備える半導体素子を提供す
るものである。このとき、前記導波領域により導波され
る光の電界強度分布が、前記凹凸構造にとどかない半導
体素子を提供するものである。また、前記凹凸構造が形
成された半導体基板又は第1の半導体層と、該半導体基
板又は第1の半導体層の直上に形成される半導体層は、
一の屈折率を有する半導体素子を提供するものであ
る。さらに、前記凹凸構造は、周期的に形成されてなる
半導体素子を提供するものである。そして、前記凹凸構
造が前記第2の半導体層の少なくとも一部を含む導波領
域から管内波長以上離れている半導体素子を提供するも
のである。前記導波領域には、光を発生させる活性層が
含まれ、かつ、導波領域内に存在する全ての層の界面は
平坦であることが好ましい。
【0012】本発明は、前記第2の半導体層が、光を発
生させる活性層を成し、該活性層の層厚が量子効果が現
れるほど薄く形成された半導体素子において、前記凹凸
構造が前記活性層の面方向の1方向又は2方向に量子効
果が現れるように前記活性層に屈折率分布、利得分布、
及び/又はバンド変調を与えてなる半導体素子を提供す
るものである。また、前記第2の半導体層は、電子を移
動するチャネル層を成し、該チャネル層内を移動する電
子が前記凹凸構造に対応して1方向又は2方向に量子効
果を受けるようにチャネル層の電子移動部にバンド変調
を与えてなる半導体素子を提供するものである。
【0013】本発明による半導体素子の原理をを半導体
レーザを例にとり、図1の概念図に基づいて説明する。
図において101は半導体基板でその表面に周期的な凹
凸部106を形成する。この半導体基板101上に形成
された周期的な凹凸部106上に、1回のエピタキシャ
ル成長により第1クラッド層102、活性層103、第
2クラッド層104、コンタクト層105を順次積層さ
せ、光導波路領域及び発光領域を含むレーザ構造を形成
する。
【0014】前記エピタキシャル成長により形成された
導波領域は、ほぼ平坦に形成され、また、半導体基板表
面に形成した凹凸部上の成長メカニズムの差異により、
利得分布及び/又は屈折率屈折率分布が導波領域内に形
成され、その分布が半導体基板表面に形成した凹凸部の
周期に対応して変化するものである。
【0015】また、この半導体レーザにおいては、半導
体基板表面に形成した周期的な凹凸部に光電界強度分布
が存在しなくても、導波領域内に形成した利得分布及び
/又は屈折率分布により光帰還させるものである。
【0016】しかも、導波領域に量子効果構造を用いる
ことにより光導波方向に利得分布又は屈折率分布が形成
されるため、量子細線化、量子箱化も可能となり半導体
レーザ特性向上に大きく効果を発揮する。
【0017】
【作用】本発明においては、1回のエピタキシャル成長
で波長制御型半導体レーザ構造を形成することが可能で
あり、また光導波路領域及び発光領域が平坦であるため
光学特性も向上し、モノリシック化の際の光波結合効率
の向上にも効果がある。さらに、基板の凹凸部上の再成
長界面に光電界強度分布が存在する必要がないためモノ
リシック化による層方向での他のデバイスとの整合の自
由度が向上し、また信頼性向上にも効果がある。
【0018】さらに導波領域に量子効果構造を採用する
ことで、導波方向に利得分布又は屈折率分布を更に付け
加えることが容易であるため、作製が困難とされていた
量子細線デバイス、量子箱デバイスの作製が可能とな
り、超高速、超低消費電力の光デバイス及び電子デバイ
スを実現できる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。
【0020】図2(a)〜(c)は本発明の第1実施例
の概略図及び特性図である。図2(a)中201はn−
GaAs基板であり、この基板201一主面上には所定
周期Λ(2000〜2500Å)の回折格子206が形
成される。これは、周知の技術である二光束干渉露光法
又は電子ビーム露光法とエッチング技術により形成でき
る。この回折格子206が形成されたn−GaAs基板
201上に、減圧MOCVD法を用いてn型AlGaA
s(Al組成比X=0.5)クラッド層202を0.5
μm、AlGaAs(Al組成比X=0.13)活性層
203を0.1μm、p型AlGaAs(組成比X=
0.5)クラッド層204を0.5μm、p型GaAs
コンタクト層205を1.0μmと順次成長させる。こ
のとき、成長温度600〜750℃、V/III比60〜
120で成長させることにより活性層203を平坦に成
長させることが可能となる。
【0021】このエピタキシャル成長工程の後、該エピ
タキシャル成長層上及び基板201裏面にそれぞれ電極
を形成して(図示せず)、10μm電極ストライプ構造
レーザ素子を作製する。その代表的な素子特性を図2
(b)及び(c)に示す。図2(b)は電流−光出力特
性を示す。閾値電流Ith〜110mA、10mW時駆動
電流Iop〜140mAと従来のファブリーペロー型レー
ザと同等の特性を示しており光吸収損失がないことか
ら、光学設計通りn−GaAs基板201には光電界強
度分布が存在しないことが判る。また10mW・APC
パルス駆動時の発振波長温度依存性を図2(c)に示
す。動的単一縦モード温度範囲△T〜80℃と良好なD
FBモード特性を示している。
【0022】以上の結果から光電界強度分布がn型Ga
As基板201上に形成された回折格子206上に存在
しないにもかかわらずDFBモード動作を示しており、
このことは、活性層203及び光導波路領域(202,
203,204)での利得分布又は屈折率分布が、n型
GaAs基板201上に形成された回折格子206の周
期に対応していることを示している。
【0023】回折格子206上へのエピタキシャル成長
法による成長速度の面方位依存性に影響を受け、回折格
子206の周期に対応する応力歪みが平坦に形成された
活性層及び光導波路領域に形成されるため、等価的に利
得分布を形成する。この応力歪みは成長層間の混晶比の
差、及び成長温度が高いほど顕著である。
【0024】また同時に、回折格子206を形成してい
る面方位に依存した成長速度の違いにより成長層への不
純物濃度の取り込まれ量も変化するため、これにより等
価的に利得の分布を形成することが可能となる。これは
成長温度、成長圧力、原料ガスの流量に応じて成長速度
に差をつけることにより可能である。
【0025】図3は本発明の第2の実施例の概略図であ
る。図3は、AlGaAs系830nm帯半導体レーザ
ーの光の進行方向に平行な面に沿う中央縦断図面であ
る。本実施例ではn型GaAs基板301上にn型Al
0・45Ga0・55As回折格子印刻層302が積層されてい
る。前記n型Al0・45Ga0・55As回折格子印刻層30
2主面上には所定周期Λ(2000〜2500Å)の回
折格子307が形成される。これは周知の技術である二
光束干渉露光法又は電子ビーム露光法とエッチング技術
により形成できる。
【0026】この回折格子307が形成されたn型Al
0・45Ga0・55As回折格子印刻層302上に減圧MOC
VD法を用いて、n型Al0・45Ga0・55Asクラッド層
303、Al0・05Ga0・95As活性層304、P型Al
0・45Ga0・55Asクラッド層305、p型GaAsコン
タクト層306を順次成長させる。
【0027】このとき、成長温度、V/III比、成長層
厚を制御することにより、活性層304を平坦に成長さ
せることが可能となる。
【0028】この実施例と第1の実施例との相違点は回
折格子印刻層302と、n型クラッド層303のAl混
晶比が同一であることから回折格子307での屈折率の
変調は起こっていない。しかしながら、第1の実施例と
同様の作用により平坦に形成された活性層及び光導波領
域に回折格子307の周期に対応して利得分布又は屈折
率分布が形成され、導波されるレーザー光に対して幾何
学的な回折格子が存在しないにもかかわらず、良好なD
FBモード動作が可能となる。
【0029】図4は本発明の第3の実施例の概略図であ
る。図4はInP系1.3μm帯半導体レーザーの光の
進行方向に平行な面に沿う中央縦断図面である。
【0030】図中401はInP基板、402は回折格
子印刻層、403は第1クラッド層、404は活性層、
405は第2クラッド層、406はコンタクト層、40
7は回折格子をそれぞれ示している。
【0031】図9に示したInP系DFBレーザーの従
来構造との相違点としては、活性層404と回折格子4
07との距離を管内波長(d=λ/n ただし λ:発
振波長、n:実効屈折率)以上(>0.4μm)に離し
ても、第1の実施例と同様の作用により、良好なDFB
モード動作が可能となり、かつ、回折格子407上の再
成長界面に活性層404を含む導波領域に導波される光
の電界強度分布が存在しないことにより、再成長界面に
よる発光効率の低下や信頼性等の問題を回避できる。
【0032】図5は本発明の第4の実施例の概略図であ
る。図5はZnCdSSe系460nm帯半導体レーザ
ーの光の進行方向に平行な面に沿う中央縦断図面であ
る。
【0033】本実施例ではn型GaAs基板501主面
上には所定周期Λの回折格子510が形成される。この
回折格子510の周期Λは1次の回折格子では800〜
1000Å、2次の回折格子では1600〜2000Å
程度となり、これは周知の技術である電子ビーム露光法
とエッチング技術により形成できる。この回折格子51
0が形成されたn型GaAs基板501上にMOCVD
法を用いてn−ZnSeバッファ層502、ZnSSe
クラッド層503(2.5μm)、ZnSeSCH層5
04(0.5μm)、ZnCdSe活性層506(10
nm)、ZnSe−SCH層507(0.5μm)、Z
nSSeクラッド層508(1.5μm)及びZnSe
コンタクト層509(0.1μm)を順次成長させる。
【0034】本実施例についても第1の実施例と同様の
作用により、MOCVD成長条件を制御することで活性
層506及び光導波領域を平坦に、かつ、回折格子51
0の周期に対応して利得分布又は屈折率分布が形成さ
れ、ZnCdSSe系においても容易にDFBモード動
作を得ることが可能となる。
【0035】図6は本発明の第5の実施例の概略図であ
る。図6はAlGaAs系半導体量子細線レーザーの光
の進行方向に垂直な面に沿う中央縦断図面である。
【0036】図6中、601はn−GaAs基板であ
り、この基板601主面上には所定周期(500〜10
00Å)の回折格子606が形成される。これは、周知
の技術である電子ビーム露光法とエッチング技術により
形成出来る。この回折格子606が形成されたn−Ga
As基板601上に前記実施例と同様に減圧MOCVD
法を用いて、n型AlGaAsクラッド層602、Al
GaAs GRIN SCH SQW層構造603、p
型AlGaAsクラッド層604、p型GaAsコンタ
クト層605を順次形成させる。
【0037】ここで、前記実施例との相違点は本実施例
が活性領域及び光導波路領域にGRIN SCH SQ
W層構造603を設けたことと、基板601主面上に形
成された回折格子606の周期を量子効果が現れる程度
までに小さくしたことにある。
【0038】このような構成であっても先の実施例と同
様な効果が得られることは勿論のこと、それに加え次の
ような効果が得られる。回折格子606の凹凸周期に対
応して活性領域に利得分布又は屈折率分布を与えること
ができ1次元の量子効果半導体レーザーを形成すること
が可能となる。これにより消費電力が非常に小さく高速
応答可能な半導体レーザーを得ることができる。
【0039】図7は本発明の第6の実施例の概略図であ
る。この実施例と前記第5の実施例との相違点は、n型
GaAs基板701上に形成する周期的凹凸構造706
に2次元的凹凸構造を用いて、その周期を電子の閉じ込
め可能な0.1μm程度とし、かつ780nm帯DFB
レーザの回折格子としての動作も可能な1次の回折格子
周期Λ〜0.1μmとする。この周期的凹凸構造は電子
ビーム露光法により形成が可能である。また光波の導波
方向についてはDFBレーザ動作を可能とする1次回折
格子周期Λ〜0.1μm程度を要するが光波の導波方向
と垂直な方向については電子の閉じ込め効果をより強く
発揮するために0.1μm以下にすることが有効である
ことは言うまでもない。
【0040】また、電子ビーム露光法による周期的凹凸
構造マスクを作製した後、活性領域に凹凸構造の周期性
の影響を強く反映させるために、塩素ガスによるリアク
ティブイオンエッチング(RIE)法に代表されるドラ
イエッチング技術を用いることにより、アスペクト比の
大きい周期的凹凸構造を形成することが有効である。
【0041】このような周期的凹凸構造上に活性領域7
03及び光導波路領域(702,703,704)をエ
ピタキシャル成長させることにより2次元的な周期的凹
凸構造に対応して、活性領域703に2次元方向に利得
分布を形成することが可能となる。このことから層厚方
向でのMQW構造(703)と合わせて0次元的量子箱
効果を得ることができ、極低消費電力、超高速DFBレ
ーザを作製することが可能になる。尚、図7において7
05はコンタクト層であり、706は回折格子である。
【0042】以上のように、周期的凹凸構造を半導体基
板上に形成し、その周期的凹凸構造上に1回のエピタキ
シャル成長で平坦状に光導波路領域あるいは発光領域を
成長させ、成長メカニズムによって、光導波路領域及び
発光領域に利得分布及び/又は屈折率分布を凹凸構造を
反映して周期的に分布させることにより、特性の優れた
波長制御型半導体レーザを得ることができる。又、発光
領域あるいは光導波領域が平坦であることから次世代O
EIC等のモノリシック化に関して他のデバイスと高結
合効率が得やすい。
【0043】また、基板上に周期的凹凸構造を形成し、
かつ基板上周期的凹凸構造面には光電界強度が分布しな
いことにより、周期的凹凸構造を形成する手段として、
ダメージの問題を含んでいるドライ加工プロセスの適用
も可能となる。
【0044】さらに周期的利得分布あるいは屈折率分布
が光導波領域、及び発光領域全域に形成されるため結合
効率の非常に強い動的単一縦モード発振特性を可能にす
ることも大きな効果である。しかも成長条件あるいは構
造を設計することにより結合効率の大小は容易に選択す
ることが可能になる。
【0045】以上のようなことにより次世代OEICの
キーデバイスとなり得る動的単一縦モード発振可能な波
長制御型半導体レーザを設計の自由度が高く容易に得る
ことができ、優れた特性が得られるという効果がある。
【0046】図8は本発明の第7の実施例の概略図であ
る。図8は量子細線トランジスタの構造図である。図8
中、801はGaAs基板であり、この基板801主面
上には電子のド・ブロイ波長以下の周期(<300Å)
の回折格子808が形成される。これは周知の技術であ
る電子ビーム露光法とエッチング技術により形成でき
る。この回折格子808が形成されたGaAs基板80
1上に実施例1と同様に減圧MOCVD法によりGaA
sチャネル層802、量子井戸構造AlGaAsスペー
サ層803、AlGaAsキャリアドーピング層80
4、GaAsコンタクト層809を順次成長させ、さら
に、ソース領域807、ゲート領域806、ドレイン領
域805をイオン拡散により形成する。このエピタキシ
ャル成長の後、各領域に電極を形成し、量子細線トラン
ジスタ素子を作製する。
【0047】前記実施例と同様、回折格子808の周期
に対応して電子が移動する方向と垂直方向にバンド変調
されるため、量子細線効果によりゲート電圧を変化させ
ると、電子の局在する場所が変化し、電子の移動度を変
えることができる。このように低電圧で高速動作が可能
な量子細線トランジスタの作製が可能となる。
【0048】上記本発明の実施例においてAlGaAs
系DFBレーザを用いて説明を行ったが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、InP系、InGaAlP
系といった他のIII−V族、又は、II−VI族、I−III
−V族等他の族についても同様の効果が得られ、また、
DFBレーザに限らずDBRレーザ、DRレーザ、及び
波長選択フィルター素子等へも適用が可能である。更
に、凹凸部は周期的形状に限定されるものではなく、ま
た、光デバイスのみならず、電子デバイスへも適用可能
であることはいうまでもない。
【0049】
【発明の効果】本発明により、基板のバンドギャップ等
の特性に依存することがなくなり、また凹凸加工のダメ
ージが導波領域に及ぶことがなくなり、さらには再成長
界面準位から逃れることが可能となる。
【0050】また、凹凸部を周期的にすることにより、
単一縦モード発振を容易に得ることができ、単一のエネ
ルギーの電子を走行させることができて高速化を図るこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理の概念図である。
【図2】本発明の第1の実施例による半導体レーザ装置
を示す概略図及び特性図である。
【図3】本発明の第2の実施例による半導体レーザ装置
を示す概略図である。
【図4】本発明の第3の実施例による半導体レーザ装置
を示す概略図である。
【図5】本発明の第4の実施例による半導体レーザ装置
を示す概略図である。
【図6】本発明の第5の実施例による半導体レーザー装
置を示す概略図である。
【図7】本発明の第6の実施例による半導体レーザー装
置を示す概略図である。
【図8】本発明の第7の実施例による量子細線トランジ
スタ素子を表す概略図である。
【図9】従来の半導体レーザー装置を示す概略図であ
る。
【図10】従来の半導体レーザー装置を示す概略図であ
る。
【図11】従来の半導体レーザー装置を示す概略図であ
る。
【図12】従来の半導体レーザー装置を示す概略図であ
る。
【図13】従来の半導体レーザー装置を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
10 基板 11 バッファー層 12 n型クラッド層 13 第1ガイド層 14 活性層 15 第2ガイド層 16 p型クラッド層 17 キャップ層 18 p電極 19 n電極 101 半導体基板 102 第1クラッド層 103 発光領域 104 第2クラッド層 105 コンタクト層 106 周期的凹凸構造 201,301,401,501 601 701 8
01n型GaAs基板 202,303,403,602 702n型AlGa
Asクラッド層 204,305,405,604 704p型AlGa
Asクラッド層 205,306,406,605 p型GaAsコ
ンタクト層 203 p型AlGaA
s活性層 603 GRIN・SC
H・SQW活性層 703 MQW活性層 206,307 周期的凹凸構造 2次回折格子Λ〜2200Å 510 周期的凹凸構造 1次回折格子Λ〜1100Å 706 2次元周期的凹
凸構造 〜Λ〜1000Å 503 ZnSSeクラッド層 506 ZnCdSe活性層 508 ZnSSeクラッド層 509 ZnSeコンタクト層 801 GaAs基板 802 GaAsチャンネル層 803 量子井戸構造AlGaAsスペーサ層 804 AlGaAsキャリアドーピング層 805 ドレイン領域 806 ゲート 807 ソース領域 808 回折格子(周期<300Å)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀧口 治久 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−248585(JP,A) 特開 昭61−212084(JP,A) 特開 昭61−212085(JP,A) 特開 平1−124279(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板又は該半導体基板上に形成され
    た第1の半導体層と、 前記半導体基板又は第1の半導体層の表面に形成された
    凹凸構造と、 該凹凸構造上方に形成され、この凹凸構造の形状に対応
    して屈折率分布、利得分布、及び/又はバンド変調を生
    じると共に、少なくともその上面が平坦である第2の半
    導体層と、 該第2の半導体層の少なくとも一部に形成され、光を導
    波する導波領域と、を、少なくとも備えてなり、 前記導波領域により導波される光の電界強度分布は、前
    記凹凸構造にとどかないことを特徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】 半導体基板又は該半導体基板上に形成さ
    れた第1の半導体層と、 前記半導体基板又は第1の半導体層の表面に形成された
    凹凸構造と、 該凹凸構造上方に形成され、この凹凸構造の形状に対応
    して屈折率分布、利得分布、及び/又はバンド変調を生
    じると共に、少なくともその上面が平坦である第2の半
    導体層と、 該第2の半導体層の少なくとも一部に形成され、光を導
    波する導波領域と、を、少なくとも備えてなり、 前記凹凸構造が形成された半導体基板又は第1の半導体
    層と、該半導体基板又は第1の半導体層の直上に形成さ
    れる半導体層は、一の屈折率を有することを特徴とす
    る半導体素子。
  3. 【請求項3】 半導体基板又は該半導体基板上に形成さ
    れた第1の半導体層と、 前記半導体基板又は半導体層の表面に形成された凹凸構
    造と、 該凹凸構造上方に、この凹凸構造の形状に対応して屈折
    率分布、利得分布、及び/又はバンド変調を生じると共
    に、少なくともその上面が平坦である第2の半導体層
    と、を備え、 前記第2の半導体層の少なくとも一部が、光を導波する
    導波領域に形成されてなり、前記凹凸構造が該導波領域
    から管内波長以上離れていることを特徴とする半導体素
    子。
  4. 【請求項4】 半導体基板又は該半導体基板上に形成さ
    れた第1の半導体層と、 前記半導体基板又は半導体層の表面に形成された凹凸構
    造と、 該凹凸構造上方に、この凹凸構造の形状に対応して屈折
    率分布、利得分布、及び/又はバンド変調を生じると共
    に、少なくともその上面が平坦である第2の半導体層
    と、を備え、前記第2の半導体層が、光を発生させる活
    性層を成し、該活性層の層厚が量子効果が現れるほど薄
    く形成された半導体素子において、 前記凹凸構造が活性層の面方向の1方向又は2方向に量
    子効果が現れるように前記活性層に屈折率分布、利得分
    布、及び/又はバンド変調を与えてなることを特徴とす
    る半導体素子。
  5. 【請求項5】 半導体基板又は該半導体基板上に形成さ
    れた第1の半導体層と、 前記半導体基板又は半導体層の表面に形成された凹凸構
    造と、 該凹凸構造上方に、この凹凸構造の形状に対応して屈折
    率分布、利得分布、及び/又はバンド変調を生じると共
    に、少なくともその上面が平坦である第2の半導体層
    と、を備え、 前記第2の半導体層は、電子を移動するチャネル層を成
    し、該チャネル層内を移動する電子が前記凹凸構造に対
    応して1方向又は2方向に量子効果を受けるようにチャ
    ネル層の電子移動部にバンド変調を与えてなることを特
    徴とする半導体素子。
  6. 【請求項6】 前記第2の半導体層の少なくとも一部
    は、光を導波する導波領域内に形成されてなると共に、
    前記凹凸構造が前記第2の半導体層の少なくとも一部を
    含む導波領域から管内波長以上離れていることを特徴と
    する請求項4、又は5に記載の半導体素子。
  7. 【請求項7】 前記凹凸構造は、周期的に形成されてな
    ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の
    半導体素子。
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