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JP2007258269A - 半導体光素子 - Google Patents

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JP2007258269A JP2006077541A JP2006077541A JP2007258269A JP 2007258269 A JP2007258269 A JP 2007258269A JP 2006077541 A JP2006077541 A JP 2006077541A JP 2006077541 A JP2006077541 A JP 2006077541A JP 2007258269 A JP2007258269 A JP 2007258269A
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

【課題】発光効率の高い半導体光素子を提供する。
【解決手段】半導体光素子10は、回折格子のための周期的な凹凸が形成された表面12aを有するGaAs基板12と、GaAs基板12の表面12a上に設けられたIII−V族化合物半導体層14と、III−V族化合物半導体層14上に設けられており、構成元素として窒素及び砒素を含みIII−V族化合物半導体からなる活性層16とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体光素子に関する。
GaAs基板上にGaInNAsからなる活性層が設けられており、その活性層上に凸部と凹部が周期的に配列された回折格子層が形成された半導体レーザが知られている(特許文献1及び2参照)。
特開平11−74607号公報 特開2003−202529号公報
上述のような回折格子層を得るためには、通常、周期が数百nm、段差が数十nmの微細な凹凸をフォトリソグラフィー法により形成する。凹凸を形成する際の露光条件やエッチング条件は、例えば温度、湿度、振動、大気の流れ等の外的要因に左右され易い。このため、回折格子層を安定的に高品質で形成することは難しい。
また、回折格子層を活性層上に形成すると、回折格子層も含めて、半導体層をGaAs基板上に何層も成長してからでないと、回折格子層の品質の良否を判定することが出来ないので、それだけ良否判定が遅くなってしまう。不良の場合、プロセス中のGaAs基板を捨て、未使用のGaAs基板を新たに用いて最初からプロセスをやり直さなければならない。従って、良品の生産効率が悪く、製造コスト増加の原因となっていた。
そこで本発明者は、回折格子をGaAs基板と活性層との間に形成することを検討した。具体的には、GaAs基板の表面に凹凸を形成して回折格子を形成した後、凹凸表面上に活性層を形成した。本構造では、GaAs基板が下部クラッド層としての機能も果たすので、厚い下部クラッド層を別途設ける必要がない。したがって、半導体光素子の構造を単純化できると共に、プロセスが簡略化されるため、半導体光素子の製造コストを削減できる。また、活性層等の発光素子を構成するのに必要な半導体層を形成する前に回折格子を形成するので、回折格子の品質を早期に判定することができる。従って良品の生産性を向上させることが出来る。
さらに、GaAs基板表面上に回折格子を形成すると、回折格子の表面に存在する結晶欠陥が活性層に悪影響を及ぼし、発光素子の信頼性や内部量子効率が低下してしまう場合があることを本発明者は見出した。回折格子表面に存在する結晶欠陥密度は、GaAs基板の表面をエッチングして回折格子を形成する際に形成され易い。
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものであり、発光効率の高い半導体光素子を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の半導体光素子は、回折格子のための周期的な凹凸が形成された表面を有するGaAs基板と、前記GaAs基板の前記表面上に設けられたIII−V族化合物半導体層と、前記III−V族化合物半導体層上に設けられており、構成元素として窒素及び砒素を含みIII−V族化合物半導体からなる活性層とを備える。
本発明の半導体光素子では、GaAs基板と活性層との間にIII−V族化合物半導体層を設けることにより、回折格子表面に存在する結晶欠陥が増殖して活性層に到達することを抑制できる。よって、活性層の結晶品質を向上させることができるので、半導体光素子の信頼性や発光効率を高めることができる。
また、前記III−V族化合物半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記GaAs基板のバンドギャップエネルギーよりも大きいことが好ましい。この場合、活性層からGaAs基板へのキャリアの移動を抑制することができるので、回折格子表面の欠陥を介する非発光再結合が抑制され、半導体光素子の発光効率を更に高めることができる。
また、前記III−V族化合物半導体層は、交互に積層された第1の半導体層及び第2の半導体層を含み、前記第1の半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記第2の半導体層のバンドギャップエネルギーとは異なっていることが好ましい。この場合、第1の半導体層と第2の半導体層との界面において結晶欠陥の進行が遮断され易くなる。よって、回折格子表面に存在する結晶欠陥が増殖して活性層に到達することを更に抑制できる。
また、前記活性層の端部には、光ファイバ等との光学的結合を改善するために、スポットサイズ変換領域が設けられていることが好ましい。この場合、活性層の端部が変形する。通常、回折格子は活性層上に形成されるので、活性層が変形すると回折格子を高精度に形成することができない。しかしながら、本発明では回折格子がGaAs基板と活性層との間に設けられているので、活性層が変形しても回折格子を高精度に形成することができる。
また、前記III−V族化合物半導体層の厚さは、0.2μm以下であることが好ましい。この場合、III−V族化合物半導体層の厚さが0.2μm以下と薄いので、活性層中を導波する光と回折格子との光結合効率が向上する。また、III−V族化合物半導体層の厚さは0.2μm以下と薄いので、導波光はこのIII−V族化合物半導体層では閉じ込められず、GaAs基板側に大きく染み出している。従って、III−V族化合物半導体層はクラッド層としての機能は有していない。
本発明によれば、高信頼性且つ発光効率の高い半導体光素子が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体光素子を模式的に示す断面図である。図1中には3次元空間を表すX軸、Y軸及びZ軸が示されている。また、図1中には、第1実施形態に係る半導体光素子のエネルギーバンド図についても併せて示されている。軸Egは、バンドギャップエネルギーの大きさを示す。
図1に示される半導体光素子10は、第1導電型(ここではn型とする)のGaAs基板12と、GaAs基板12の表面12a上に設けられたIII−V族化合物半導体層14と、III−V族化合物半導体層14上に設けられた活性層16と、活性層16上に設けられた第2導電型(ここではp型とする)の上部クラッド層18とを備える。GaAs基板12の表面12aには、回折格子のための周期的な凹凸が形成されている。凹凸は、凹部及び凸部から構成される。回折格子は、表面12aに、例えばY軸方向に延びる溝をX軸方向に所定のピッチで周期的に形成することによって得られる。溝のピッチは例えば数百nm、深さは例えば数十nmである。GaAs基板12の厚み方向はZ軸方向である。
上部クラッド層18上には、コンタクト層20及び電極22がこの順に設けられている。コンタクト層20によって、電極22のオーミック接触が実現される。GaAs基板12の表面12aとは反対側の面(裏面)12b上には、電極24が設けられている。半導体光素子10は、例えば、光通信に用いられる発振波長1μm以上の分布帰還型の半導体レーザ(DFBレーザ)である。
回折格子は、例えばドライエッチングによりGaAs基板の表面に溝を形成することによって得られる。ドライエッチングする前のGaAs基板は、例えばGaAsインゴットをスライスすることによって得られるバルク基板と、バルク基板上に成長されたGaAsバッファ層とを備えることが好ましい。GaAs基板12の表面12aには、通常、例えばGaAs基板製造時に形成されるクラックやスクラッチによるダメージ等に起因する結晶欠陥が存在し、結晶欠陥密度は、通常、100〜2000(cm−2)である。さらに表面12aに回折格子を形成する場合には、その加工ダメージにより、新たな欠陥が付加されやすい。GaAs基板12のバンドギャップエネルギー(Eg1)は、約1.42eV(1eV=1.6×10−19J)である。
図1中のエネルギーバンド図に示されるように、III−V族化合物半導体層14のバンドギャップエネルギー(Eg2)は、GaAs基板12のバンドギャップエネルギー(Eg1)よりも大きいことが好ましい。活性層16のバンドギャップエネルギー(Eg3)は、GaAs基板12のバンドギャップエネルギー(Eg1)よりも小さい。上部クラッド層18のバンドギャップエネルギー(Eg4)は、活性層16のバンドギャップエネルギー(Eg3)よりも大きい。コンタクト層20のバンドギャップエネルギー(Eg5)は、上部クラッド層18のバンドギャップエネルギー(Eg4)よりも小さい。
III−V族化合物半導体層14は、GaAsの格子定数と同じか又はこれに近い格子定数を有する半導体材料から成ることが好ましい。この場合、格子不整に起因する欠陥を生じないため、GaAs基板12の表面12a上に結晶性の良好なIII−V族化合物半導体層14をエピタキシャル成長させることができる。
III−V族化合物半導体層14は、例えばGaInAs、GaAs、GaInP、GaInAsP、或いは後述する活性層16の材料と同様の、N、Ga及びAsを含むIII−V族の窒化物半導体材料等のAlフリーの材料からなることが好ましい。この場合、III−V族化合物半導体層14と活性層16との界面において、経時変化に伴うAlの酸化が起こらない。よって、上記界面におけるAlの酸化に起因する非発光センターの数の増加を抑制することができる。また、活性層16をエピタキシャル成長させる際に、III−V族化合物半導体層14の表面においてAlの酸化が起こらないので、良好な結晶品質を有する活性層16が得られる。これにより、特性や信頼性の良好な半導体光素子10が得られる。
なお、III−V族化合物半導体層14は、例えばAlGaInP、AlGaAsといったAlを含むIII−V族化合物半導体からなってもよい。
GaAsに格子整合するAlGaInPは組成比を調整することで、約2.3eVまでのバンドギャップエネルギーを実現できる。GaAsに格子整合するAlGaAsは組成比を調整することで、約2.16eVまでのバンドギャップエネルギーを実現できる。GaAsに格子整合するGaInAsPは組成比を調整することで、約1.9eVまでのバンドギャップエネルギーを実現できる。GaAsに格子整合するGaInPは、約1.9eVのバンドギャップエネルギーを実現できる。
III−V族化合物半導体層14は、自由キャリアによる導波光の吸収損の発生を防ぐため、アンドープのIII−V族化合物半導体からなることが好ましいが、III−V族化合物半導体層14には不純物がドープされてもよい。III−V族化合物半導体層14に不純物をドープする場合、III−V族化合物半導体層14は第1導電型であることが好ましい。
III−V族化合物半導体層14の厚さは0.2μm(200nm)以下であることが好ましく、5nm以上50nm以下であることがより好ましい。III−V族化合物半導体層14の厚さとしては、回折格子の凹凸の段差以上の厚さがあり、回折格子を平坦に埋め込める程度の厚さがあることが好ましい。この場合、III−V族化合物半導体層14上に成長する各半導体層も平坦に成長することが可能となり、下地層の凹凸に起因する異常成長の発生が抑制され、良好なエピタキシャル成長が得られる。III−V族化合物半導体層14の厚さが0.2μm以下と薄い場合、活性層16中を導波する光と回折格子との距離が十分近いため、回折格子に対する導波光の光結合効率が向上し、良好な発光特性を実現するのが容易となる。一方、III−V族化合物半導体層14の厚さが0.2μmを超えると、III−V族化合物半導体層14が障壁となることにより、キャリアがGaAs基板12から活性層16に注入され難くなるとともに、活性層16と回折格子の距離が大となるため、回折格子に対する導波光の光結合効率が減少するので、発光効率が低下する。またIII−V族化合物半導体層14の厚さが5nm未満であると、回折格子の表面12aに存在する結晶欠陥が活性層16に向けて増殖するのを抑制する効果が不十分となるので、活性層16の結晶品質が低下する傾向にある。
活性層16は、バルク構造、単一量子井戸構造(SQW)、又は多重量子井戸構造(MQW)のいずれを有してもよい。例えば活性層16が多重量子井戸構造を有する場合、活性層16は、交互に積層されたバリア層と井戸層とからなる。
活性層16は、構成元素として窒素及び砒素、更に必要に応じてガリウムを含んでおり、III−V族化合物半導体からなる。具体的には、例えばGaInNAs、GaNAs等が挙げられる。一実施例において、活性層16は、厚さ8nmのGaAsバリア層と、厚さ7nmのGa0.65In0.350.006As0.994井戸層とが交互に積層されてなる。
なお、組成比を調整することによって、Ga、Asを含むIII−V族の窒化物半導体材料の格子定数を、GaAsの格子定数と同じか又はこれに近い格子定数に設定することができる。これにより、格子不整に起因する欠陥を生ずる事無く、GaAs基板12上に良好な結晶性の活性層16を成長させることができる。Ga、Asを含むIII−V族の窒化物半導体材料のバンドギャップエネルギーは、通常1μm以上のフォトルミネッセンス波長に相当する。このようなGa、Asを含むIII−V族の窒化物半導体材料を活性層16の材料に用いる場合、1μm以上の長波長域の発振波長を容易に実現することができる。よって、例えば1〜1.6μm帯の光通信用光源を作製することができる。なお、1〜1.6μm帯の発振光に対してGaAsは透明であるので、GaAs基板12によって光は吸収されない。またGaAsは上記III−V族の窒化物半導体材料に比べて低屈折率である。従ってGaAs基板12は上記発振光を吸収せずに、活性層16に上記発振光を閉じ込めるように作用するため、下部クラッド層として兼用することが出来る。
また、GaInNAs又はGaNAsに、Sb及びPのうち少なくとも一方を添加してもよい。Sbはいわゆるサーファクタントとして機能し、GaInNAs又はGaNAsの3次元成長を抑制する。これにより、GaInNAs又はGaNAsの結晶品質が改善される。PはGaInNAs又はGaNAsの局所的な結晶歪を低減させる。これにより、GaInNAs又はGaNAsの結晶品質が改善される。また、Pは、結晶成長を行う際に結晶中に取り込まれるNの量を増大する。
NとGaとAsとを含み、Sb及びPのうち少なくとも一方が添加されたIII−V族の窒化物半導体材料としては、例えば、GaNAsP、GaInNAsP、GaNAsSb、GaInNAsSb、GaNAsSbP、GaInNAsSbP等が挙げられる。これらのIII−V族の窒化物半導体材料の格子定数は、組成比を調整することによって、GaAsの格子定数と同じか又はこれに近い格子定数に設定することができる。従って、格子不整に起因する欠陥が生じないため、GaAs基板12上にこれらの材料を結晶性良く成長させることができる。
上部クラッド層18は、第2導電型のIII−V族化合物半導体からなることが好ましい。上部クラッド層18は、GaAsに格子整合する半導体材料からなることが更に好ましい。上部クラッド層18の材料としては、例えばGaAsがあるが、この他にもGaAsに格子整合するAlGaInP、GaInP、AlGaAs、GaInAsP等も挙げられる。
上部クラッド層18のバンドギャップエネルギー(Eg4)は、GaAsのバンドギャップエネルギーよりも大きいことが好ましい。この場合、上部クラッド層18にGaAsを用いた場合に比べて、活性層16と上部クラッド層18との間のバンドギャップエネルギーの差を大きくすることができる。よって、活性層16により強くキャリアを閉じ込めることができる。
また、上部クラッド層18のバンドギャップエネルギー(Eg4)は、GaAsのバンドギャップエネルギーよりも大きいので、上部クラッド層18の屈折率は、GaAsの屈折率よりも有意に低くなる。したがって、上部クラッド層18にGaAsを用いた場合に比べて、活性層16と上部クラッド層18との屈折率差が大きくなるので、活性層16により強く光を閉じ込めることができる。以上の理由により、上部クラッド層18にGaAsを用いた場合に比べて、半導体光素子10の発光効率が更に高くなる。
コンタクト層20は、電極22とのオーミック接触形成を容易にするため、バンドギャップエネルギーが小さい第2導電型のIII−V族化合物半導体からなることが好ましい。コンタクト層20は、例えばp−GaAsからなる。
III−V族化合物半導体層14、活性層16、上部クラッド層18及びコンタクト層20を形成する際には、例えばOMVPE法やMBE法等の成長法を用いることができる。
上述の半導体光素子10では、GaAs基板12と活性層16との間にIII−V族化合物半導体層14を設けることにより、GaAs基板12の回折格子表面12aに存在する結晶欠陥が増殖して活性層16に到達することを抑制できる。よって、活性層16の結晶品質の低下を抑制できるので、半導体光素子10の信頼性や発光効率の低下を防止できる。
また、III−V族化合物半導体層14のバンドギャップエネルギー(Eg2)がGaAs基板12のバンドギャップエネルギー(Eg1)よりも大きいと、活性層16からGaAs基板12へのキャリアの移動を抑制することができる。よって、回折格子表面12aの欠陥を介するキャリアの非発光再結合を効果的に抑制できるので、半導体光素子10の発光効率低下を更に防止することができる。
さらに、半導体光素子10では、活性層16を形成する前に回折格子を形成するので、回折格子の品質を早期に判定することができる。よって、不良品の製造を早期に停止することができるので、良品の生産性が格段に向上すると共に半導体光素子の製造コストを削減できる。
さらに、III−V族化合物半導体層14の厚さが0.2μm以下であることが好ましい。この場合、電極22と電極24との間に電極22側を高電位側として電圧を印加すると、一方のキャリア(ここでは正孔)が上部クラッド層18から活性層16に注入される。一方、III−V族化合物半導体層14の厚さが0.2μm以下と薄いので、他方のキャリア(ここでは電子)はGaAs基板12からIII−V族化合物半導体層14を通り抜けて活性層16に注入される。活性層16において電子と正孔とが再結合することにより、活性層16から光が出射される。
ここで、GaAs基板12のバンドギャップエネルギー(Eg1)は活性層16のバンドギャップエネルギー(Eg3)よりも大きく、且つGaAs基板12の屈折率は活性層16の屈折率よりも小さいので、GaAs基板12は下部クラッド(活性層16中にキャリア及び導波光を閉じ込める部材)として機能する。よって、GaAs基板12と活性層16との間に厚い下部クラッド層(導波光を良好に閉じ込めるため、通常2μm以上の厚さが必要)を設ける必要がない。したがって、半導体光素子10の構造を単純化できると共に、プロセスが簡略化されるため、半導体光素子の製造コストを削減できる。また同じく下部クラッド層の成長が不要となるため、成膜装置の負荷を軽減することができ、成膜装置の劣化を抑制することができる。
また、III−V族化合物半導体層14の厚さが0.2μm以下と薄い場合、III−V族化合物半導体層14を短時間で成長させることができる。従って、III−V族化合物半導体層14を導入しても生産性は損なわれない。
図2は、図1に示す半導体光素子の一部を模式的に示す図である。図2に示されるように、GaAs基板12の回折格子表面12aに存在する結晶欠陥d1が増殖すると、III−V族化合物半導体層14内に結晶欠陥d2が形成される。しかしながら、III−V族化合物半導体層14を設けることにより、結晶欠陥d2はIII−V族化合物半導体層14内で終端される。III−V族化合物半導体層14が高品質の結晶膜であると、結晶欠陥d2はIII−V族化合物半導体層14内で終端され易くなる。したがって、結晶欠陥d2が活性層16に到達し難くなるので、活性層16の結晶劣化を抑制できる。従って高い信頼性を有する半導体発光素子10が得られる。
さらに、III−V族化合物半導体層14のバンドギャップエネルギー(Eg2)が、GaAs基板12のバンドギャップエネルギー(Eg1)よりも大きいと、III−V族化合物半導体層14と活性層16とのバンドギャップエネルギー差は非常に大きくなる。したがって、キャリアC2が活性層16からIII−V族化合物半導体層14を通過してGaAs基板12に漏洩することを抑制できる。その結果、活性層16により多くのキャリアを閉じ込めることができる。したがって、発光効率が高い半導体光素子10が得られる。
また、キャリア(ここでは電子)C1はGaAs基板12の回折格子表面12aに向けて進行する。しかしながら、活性層16からIII−V族化合物半導体層14に向けて進行するキャリア(ここでは正孔)C2は、活性層16とIII−V族化合物半導体層14との界面におけるヘテロ障壁によってブロックされる。よって、キャリアC2はGaAs基板12の表面12aに到達し難いので、GaAs基板12の表面12aに存在する結晶欠陥d1における正孔と電子との非発光再結合が大幅に低減される。このため、内部量子効率の低下を軽減することができるので、発光効率が顕著に改善される。
また、III−V族化合物半導体層14のバンドギャップエネルギー(Eg2)が、GaAs基板12のバンドギャップエネルギー(Eg1)よりも大きいと、III−V族化合物半導体層14の屈折率はGaAs基板12の屈折率よりも有意に低くなる。したがって、III−V族化合物半導体層14が無い場合に比べて、活性層16とその外部領域との屈折率差が大きくなるので、活性層16により多くの光を閉じ込めることができる。したがって、半導体光素子10の発光効率が高くなる。
上述のように、半導体光素子10ではキャリア及び光の閉じ込め性を向上させることができるので、半導体光素子10の発光特性及び温度特性等を改善させることができる。
また、III−V族化合物半導体層14がアンドープのIII−V族化合物半導体からなる場合、III−V族化合物半導体層14における自由キャリアによる導波光の吸収が抑制されるので、導波光の吸収損失が少なくなる。よって、半導体光素子10の発光効率を更に向上させることができる。
活性層16と上部クラッド層18との間には、別のIII−V族化合物半導体層が設けられていてもよい。この別のIII−V族化合物半導体層は、III−V族化合物半導体層14と同様の構造及び材料からなることが好ましい。この別のIII−V族化合物半導体層は、アンドープのIII−V族化合物半導体からなってもよいし、第2導電型であってもよい。上部クラッド層18がGaAsから成る場合、この別のIII−V族化合物半導体層のバンドギャップエネルギーはGaAsのバンドギャップエネルギーよりも大きいことが好ましい。この場合、この半導体層が無い場合に比べて、より多くのキャリアを活性層16に閉じ込めることができる。またこの場合、この別のIII−V族化合物半導体層はGaAsより低屈折率となるので、この半導体層が無い場合に比べて、活性層とその外部領域との屈折率差を大きく出来、その結果、より多くの光を活性層16に閉じ込めることができる。以上の理由により、半導体発光素子10の発光特性が改善される。
なお、GaAs基板に代えてInP基板を用いた半導体光素子では、InP基板のバンドギャップエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有するIII−V族化合物半導体層をInP基板上に形成することは困難である。何故なら、InP基板に格子整合し、且つInPより高バンドギャップの材料は存在しないからである。
図3は、III−V族化合物半導体層14の構造の一例を示す断面図である。図3に示されるように、III−V族化合物半導体層14は、交互に積層された第1の半導体層26及び第2の半導体層28を含んでもよい。III−V族化合物半導体層14は、多層膜構造を有している。特にIII−V族化合物半導体層14は、半導体層26及び半導体層28が、いずれも厚さ数nmの薄膜で形成された、超格子構造であることが好ましい。この場合、III−V族化合物半導体層14の等価的バンドギャップエネルギー(Eg2)は、半導体層26の材料の組成と、半導体層28の材料の組成を、超格子層全体における、各々の半導体層毎の合計の厚さで、重み付けして平均した組成の材料に対応するバンドギャップエネルギーとほぼ同等になる。例えば、半導体層26がAlx1Ga1-x1Asから成り、その厚さがd1、層数がN1であり、また半導体層28がAlx2Ga1-x2Asから成り、その厚さがd2、層数がN2である場合、
Al平均組成=(x1*d1*N1+x2*d2*N2)/(d1*N1+d2*N2)
Ga平均組成={(1-x1)*d1*N1+(1-x2)*d2*N2}/(d1*N1+d2*N2)
As平均組成=(1*d1*N1+1*d2*N2)/(d1*N1+d2*N2)=1
と計算され、本超格子層の等価的バンドギャップエネルギーは、上記平均組成で与えられるAlGaAsのバンドギャップエネルギーと同等になる。
半導体層26のバンドギャップエネルギー(Eα)は、半導体層28のバンドギャップエネルギー(Eβ)とは異なっている。この場合、半導体層26と半導体層28との界面において結晶欠陥の進行が遮断され易くなる。よって、GaAs基板12の回折格子表面12aに存在する結晶欠陥d1が活性層16に到達することを更に抑制できる。
超格子を構成する半導体層26及び半導体層28は、互いに同じ材料からなってもよい。この場合、半導体層26の材料の組成比は、半導体層28の材料の組成比とは異なっている。かかる材料としては、例えば、AlGaInP、AlGaAs、GaInAsP等が挙げられる。また、半導体層26及び半導体層28は、互いに異なる材料からなってもよい。かかる材料の組み合わせとしては、例えば、AlGaInP/GaInP、AlGaInP/GaInAsP、GaInP/GaInAsP、AlGaInP/GaAs、GaInP/GaAs、AlGaAs/GaAs、GaInAsP/GaAs等が挙げられる。上記超格子の組み合わせにおいては、半導体層26,28の材料組成を適宜選択することにより、その等価的なバンドギャップエネルギーをGaAs基板より大と出来る。従って、これらの超格子をIII−V族化合物半導体層14に用いた場合にも、上記と同様に発光効率、及び信頼性が改善された半導体光素子10を得ることが出来る。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る半導体光素子を模式的に示す断面図である。図4に示される半導体光素子10aは、第1実施形態に係る半導体光素子10における活性層16を活性層17cに置き換えた構成を有する。
活性層17cは、活性層16と同様の材料から構成される。活性層17cの端部19cには、光のスポットサイズを変換するスポットサイズ変換領域が設けられている。端部19cに形成されたスポットサイズ変換領域は、先に向かうに従って活性層17cの厚さが薄くなる形状を有し、その結果、スポットサイズ変換領域におけるスポットサイズSP1は、活性層17cのスポットサイズ変換領域以外の部分におけるスポットサイズSP2よりも拡大できる。
上述の場合、活性層17cの端部19cの厚さは長手方向(X方向)で変動するため、端部19cは平坦でなくなる。通常、回折格子は活性層上に形成されるが、活性層が平坦で無い場合は、その上に形成される回折格子のパターンニングやエッチングを精度良く、且つ再現性良く行うことが困難となる。従って回折格子作製における歩留まりや再現性の確保が困難となる。しかしながら、半導体光素子10aでは回折格子がGaAs基板12と活性層17cとの間に設けられているので、活性層17cが変形しても回折格子を高精度に且つ、再現性良く形成することができる。
スポットサイズ変換領域が付加された活性層形状は他にもあり、図5は、それらの具体例を模式的に示す斜視図である。図5(A)に示される活性層17aの端部19aは、先に向かうに従って活性層17aの幅が狭くなる形状を有する。図5(B)に示される活性層17bの端部19bは、先に向かうに従って活性層17bの幅が広くなる形状を有する。図5(C)に示される活性層17cは、図4に示されるものと同一である。図5(D)に示される活性層17dの端部19dは、先に向かうに従って活性層17dの厚さが厚くなる形状を有する。いずれの場合であっても、端部19a〜19dにおいて、スポットサイズを拡大することができる。
通常のスポットサイズ変換領域が設けられていない半導体発光素子では、光のスポットサイズSP1は直径1〜2μm程度である。これは、例えば光ファイバ等のガラス系光部品のスポットサイズ(直径8〜10μm)に比べて非常に小さい。一方、活性層17cの端部19cでは、光のスポットサイズSP2を直径8〜10μm程度に拡大することができる。よって、スポットサイズ変換領域が設けられた半導体光素子10aでは、活性層17cの端部19cを光ファイバに光学的に結合した場合に、結合効率を向上させることができる。
スポットサイズ変換領域では、スポットサイズSP2の直径が例えば8〜10μmと拡大するので、光が活性層16からクラッド層側に大きく染み出す。この場合、拡大した光がクラッド層外にまで染み出すことによる導波損の増加を防止するには、これを充分含む程度まで、上下のクラッド層を厚くする必要があり、例えばスポットサイズが8〜10μmの場合は、従来構造では、上下のクラッド層はその半分の4〜5μm程度まで厚くしなければならない。しかしながら、実際の成長装置を用いて、このような厚いクラッド層を成長するには膨大な時間がかかり、生産性の悪化や、装置酷使による成長装置の早期劣化を引き起こす。一方、半導体光素子10aでは、GaAs基板12が厚い下部クラッド層の役割を兼ねることができるので、下部クラッド層が不要になる。従って従来構造に比べて、生産性の悪化や成長装置劣化が半減される。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係る半導体光素子を模式的に示す斜視図である。図7は、図6に示されるVII-VII線に沿った断面図である。図6及び図7に示される半導体光素子10bは、第1実施形態に係る半導体光素子10の構成において、上部クラッド層18がリッジ部19を有し、リッジ部19を埋め込むように上部クラッド層18とコンタクト層20との間に設けられた第1導電型(ここではn型)の電流ブロック領域38を更に備える。リッジ部19及び電流ブロック領域38によって、電流狭窄構造が形成される。また、活性層16は、量子井戸構造を有しており、交互に積層された井戸層34とバリア層36とを有する。
さらに、半導体光素子10bでは、第1実施形態に係る半導体光素子10の構成に加えて、活性層16とIII−V族化合物半導体層14との間に光閉じ込め層30が設けられており、活性層16と上部クラッド層18との間に光閉じ込め層32が設けられている。光閉じ込め層30,32はアンドープのIII−V族化合物半導体からなることが好ましい。光閉じ込め層30は、第1導電型(ここではn型)であってもよい。光閉じ込め層32は、第2導電型(ここではp型)であってもよい。
電流ブロック領域38は、GaAsに格子整合する半導体材料からなることが好ましい。また、光をリッジ部19に閉じ込めるために、電流ブロック領域38の屈折率は、上部クラッド層18の屈折率よりも小さいことが好ましい。例えば上部クラッド層18がGaAsで構成される場合は、電流ブロック領域38を構成する半導体材料としては、例えば、GaAsより低屈折率のAlGaAs、AlGaInP、GaInP等が挙げられる。電流ブロック領域38のn型ドーパントとしては、例えばSe、Si等を用いることが好ましい。
半導体光素子10bでは、第1実施形態に係る半導体光素子10と同様の作用効果が得られる。さらに、光閉じ込め層30,32によってより多くの光を活性層16に閉じ込めることができる。したがって、第1実施形態に係る半導体光素子10よりも発光効率を更に向上させることができる。
光閉じ込め層30のバンドギャップエネルギーは、GaAs基板12のバンドギャップエネルギー(Eg1)と井戸層34のバンドギャップエネルギー(Eg3)との間であることが好ましい。この場合、GaAs基板12から井戸層34にキャリアを注入する時に、光閉じ込め層30が障壁にならない。同様に、光閉じ込め層32のバンドギャップエネルギーは、上部クラッド層18のバンドギャップエネルギー(Eg4)と井戸層34のバンドギャップエネルギー(Eg3)との間であることが好ましい。この場合、上部クラッド層18から井戸層34にキャリアを注入する時に、光閉じ込め層32が障壁にならない。
また、光閉じ込め層30の屈折率は、GaAs基板12の屈折率と井戸層34の屈折率との間であることが好ましい。また、光閉じ込め層32の屈折率は、上部クラッド層18の屈折率と井戸層34の屈折率との間であることが好ましい。この場合、GaAs基板12と上部クラッド層18は、井戸層34において発生した光を活性層16及び光閉じ込め層30,32内に閉じ込めるように作用し、その結果、活性層16への光閉じ込めが強化される。特に、活性層16が量子井戸構造を有する場合、それ単独では小さい光閉じ込め係数しか得られないが、光閉じ込め層30,32によって光閉じ込め係数を増大させることができる。
光閉じ込め層30,32に用いられる材料としては、第1実施形態のところで列挙したNとGaとAsとを含むIII−V族の窒化物半導体材料が挙げられる。この他に光閉じ込め層30,32は、例えばGaInAs、GaInAsP等からなってもよい。これらは、GaAsの格子定数と同じか又はこれに近い格子定数を有する。従って、格子不整に起因する欠陥を生じないため、GaAs基板12上に結晶性の良好な光閉じ込め層30,32をエピタキシャル成長させることができる。材料の組成比を調整することによって、光閉じ込め層30,32のバンドギャップエネルギー及び屈折率を所望の値に調整することができる。またバリア層36の材料としては、光閉じ込め層30,32の材料と同じ材料を使用できる。
図8は、第3実施形態に係る半導体光素子の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。図9は、第3実施形態に係る半導体光素子の製造方法の各工程を模式的に示す図である。以下、半導体光素子10bの製造方法について説明する。
まず、図8(A)に示されるように、GaAs基板13上に、所定のピッチΛで周期的に配列されたレジストマスク42を形成する。レジストマスク42は、ストライプ状に配置されることが好ましい。レジストマスク42の幅Lは、回折格子の結合係数が半導体発光素子10bの動作に最適な値となるように適宜調整されることが好ましい。レジストマスク42の形成に際しては、例えば干渉露光法やEB露光法が用いられる。
次に、図8(B)に示されるように、レジストマスク42を用いてGaAs基板13をウェットエッチング又はドライエッチングする。これにより、回折格子のための凹凸が形成された表面12aを有するGaAs基板12が得られる。
次に、図8(C)に示されるように、GaAs基板12の表面12a上に、III−V族化合物半導体層14、光閉じ込め層30、井戸層34、バリア層36、井戸層34、光閉じ込め層32、上部クラッド層18aをこの順に形成する。これらの層は、例えば、MBE法、OMVPE法、LPE法等の結晶成長法を用いて形成される。例えばOMVPE法を用いる場合、III族の原料としては、例えば、TEG、TMG、TMI、TMA等の有機金属を好適に用いることができる。V族の原料としては、例えば、AsH、PH等の水素化ガスを好適に用いることができる。Nの原料としては、例えば、DMHyを好適に用いることができる。p型のドーパントとしては、例えばZn等を使用することができる。
次に、図9(A)に示されるように、上部クラッド層18a上にリッジ部19の頂面の形状に対応するようにパターニングされた誘電体マスク40を形成する。誘電体マスク40は、例えばSiN、SiO等からなる。
次に、図9(B)に示されるように、誘電体マスク40を用いて上部クラッド層18aをドライエッチング又はウェットエッチングすることによって、リッジ部19を有する上部クラッド層18を形成する。
次に、図9(C)に示されるように、リッジ部19を埋め込むように、上部クラッド層18上に電流ブロック領域38を結晶成長させる。
次に、誘電体マスク40を除去した後、図6及び図7に示されるように、リッジ部19及び電流ブロック領域38上に、コンタクト層20を結晶成長させる。その後、例えば蒸着法やスパッタ法を用いて、コンタクト層20上に電極22を形成し、GaAs基板12の裏面上に電極24を形成する。これにより、半導体光素子10bが製造される。
なお、電流ブロック領域38の材料として、例えばベンゾシクロブテン(BCB)、ポリイミド、半絶縁性の半導体等を用いてもよい。また、電流ブロック領域38に代えて、リッジ部19の側面を例えばSiN、SiO等の絶縁膜で覆ってもよい。さらに、上部クラッド層18aをエッチングする際に、活性層16までエッチングすることによってメサ部を形成し、そのメサ部を、ヘテロ接合を有する半導体領域により埋め込んだ、埋め込みヘテロストラクチャー構造であってもよい
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されない。
例えば、半導体光素子10,10a,10bは半導体レーザに限定されず、LED、半導体光増幅素子、電界吸収型の光変調素子及びこれらを集積した半導体光集積素子等でもよい。いずれの場合であっても、回折格子表面に存在する結晶欠陥が活性層に与える影響を低減することができる。
第1実施形態に係る半導体光素子を模式的に示す断面図である。 図1に示す半導体光素子の一部を模式的に示す図である。 III−V族化合物半導体層の構造の一例を示す断面図である。 第2実施形態に係る半導体光素子を模式的に示す断面図である。 活性層の形状の具体例を模式的に示す斜視図である。 第3実施形態に係る半導体光素子を模式的に示す斜視図である。 図6に示されるVII-VII線に沿った断面図である。 第3実施形態に係る半導体光素子の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。 第3実施形態に係る半導体光素子の製造方法の各工程を模式的に示す図である。
符号の説明
10,10a,10b…半導体光素子、12…GaAs基板、12a…GaAs基板の表面、14…III−V族化合物半導体層、16,17a〜17d…活性層、18…上部クラッド層、19a〜19d…活性層の端部、26…第1の半導体層、28…第2の半導体層。

Claims (5)

  1. 回折格子のための周期的な凹凸が形成された表面を有するGaAs基板と、
    前記GaAs基板の前記表面上に設けられたIII−V族化合物半導体層と、
    前記III−V族化合物半導体層上に設けられており、構成元素として窒素及び砒素を含みIII−V族化合物半導体からなる活性層と、
    を備える、半導体光素子。
  2. 前記III−V族化合物半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記GaAs基板のバンドギャップエネルギーよりも大きい、請求項1に記載の半導体光素子。
  3. 前記III−V族化合物半導体層は、交互に積層された第1の半導体層及び第2の半導体層を含み、
    前記第1の半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記第2の半導体層のバンドギャップエネルギーとは異なっている、請求項1又は2に記載の半導体光素子。
  4. 前記活性層の端部には、スポットサイズ変換領域が設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体光素子。
  5. 前記III−V族化合物半導体層の厚さは、0.2μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体光素子。
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