[go: up one dir, main page]

JP3149034B2 - 薄膜トランジスタ - Google Patents

薄膜トランジスタ

Info

Publication number
JP3149034B2
JP3149034B2 JP35175891A JP35175891A JP3149034B2 JP 3149034 B2 JP3149034 B2 JP 3149034B2 JP 35175891 A JP35175891 A JP 35175891A JP 35175891 A JP35175891 A JP 35175891A JP 3149034 B2 JP3149034 B2 JP 3149034B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
insulating film
metal
wiring
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35175891A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05167074A (ja
Inventor
英孝 内海
卓 大村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to JP35175891A priority Critical patent/JP3149034B2/ja
Publication of JPH05167074A publication Critical patent/JPH05167074A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3149034B2 publication Critical patent/JP3149034B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面を保護絶縁膜で覆っ
た薄膜トランジスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄膜トランジスタ(TFT)には、スタ
ガー型、逆スタガー型、コプラナー型、逆コプラナー型
のものがある。
【0003】図5は従来の薄膜トランジスタの断面図で
あり、ここでは、アクティブマトリックス液晶表示素子
の基板上に形成された薄膜トランジスタを示している。
なお、この薄膜トランジスタは、逆スタガー型のもので
ある。
【0004】この薄膜トランジスタは、ガラス等からな
る透明な絶縁性基板1の上に形成されたゲート電極Gお
よびこのゲート電極Gにつながるゲート配線(図示せ
ず)と、前記ゲート電極Gおよびゲート配線を覆うゲー
ト絶縁膜(透明膜)2と、このゲート絶縁膜2の上に形
成されたi型半導体層3と、このi型半導体層3の上に
n型半導体層4を介して形成されたソース電極Sおよび
ドレイン電極Dと、前記ドレイン電極Dにつながるデー
タ配線DLとで構成されている。
【0005】なお、上記i型半導体層3はa−Si で形
成され、n型半導体層4はn型不純物をドープしたa−
Si で形成されており、n型半導体層4はi型半導体層
3のチャンネル領域(ソース電極Sとドレイン電極Dと
の間の領域)に対応する部分において分離されている。
【0006】また、上記ソース電極Sおよびドレイン電
極Dは、その上に形成した層間絶縁膜5で覆われてお
り、ドレイン電極Dにつながるデータ配線DLは、層間
絶縁膜5の上に形成されている。このデータ配線DL
は、層間絶縁膜5に設けたコンタクト孔5aにおいてド
レイン電極Dに接続されている。
【0007】6はゲート絶縁膜2の上に形成したITO
等の透明導電膜からなる画素電極であり、この画素電極
6は、その端部をソース電極Sの上に重ねて形成するこ
とによってソース電極Sに接続されている。
【0008】また、上記薄膜トランジスタの表面はデー
タ配線DLとともに保護絶縁膜7で覆われている。この
保護絶縁膜7は、ごみ等の付着によりデータ配線DL同
士が短絡したり、水分の付着やNa イオン等の重金属イ
オンによる汚染によってトランジスタ特性が劣化したり
するのを防ぐために設けられており、この保護絶縁膜7
は、従来、ゲート絶縁膜2および層間絶縁膜5と同じS
iN(窒化シリコン)膜とされている。
【0009】上記Si N膜は、プラズマCVD装置によ
って成膜されており、このプラズマCVD装置によるS
i N膜の成膜は、一般に、基板1を予備加熱室において
予備加熱した後、この基板1を成膜室に移送して所定の
成膜温度まで加熱し、この後プロセスガス雰囲気中でプ
ラズマ放電を起させてSiNを堆積させる方法で行なわ
れている。このSi N膜は、一般に、基板温度(表面温
度)を約250〜270℃にして成膜されており、この
ような基板温度で成膜したSi N膜は、膜質が緻密で、
良好な絶縁耐圧をもっている。
【0010】一方、薄膜トランジスタにおいては、その
動作特性を良くするために、ゲート配線およびデータ配
線DLの抵抗をできるだけ小さくするのが望ましい。こ
のため、薄膜トランジスタの電極および配線は、安価で
かつ抵抗も低いAl (アルミニウム)にTi (チタン)
やTa (タンタル)等の高融点金属を含有させたAl系
合金で形成されている。なお、ソース,ドレイン電極
S,Dは、上記Al 系合金またはCr (クロム)等で形
成されている。
【0011】このように、電極および配線を高融点金属
を含有させたAl 系合金で形成しているのは、純Al 膜
はこれを数百℃に加熱すると膜表面が荒れてヒロックと
呼ばれる鋭い突起が発生するためであり、特に、下部電
極および下部配線であるゲート電極Dおよびゲート配線
を純Al で形成したのでは、その上にゲート絶縁膜2や
層間絶縁膜5等をプラズマCVD装置によって成膜する
際にゲート電極Gおよびゲート配線の表面にヒロックが
発生し、このヒロックの影響でゲート絶縁膜2や層間絶
縁膜5にクラック等の欠陥が発生して、上下の電極(ゲ
ート電極Gとソース,ドレイン電極S,D)同士や、上
下の配線(ゲート配線とデータ配線DL)同士が短絡し
てしまう。
【0012】しかし、Al にTi やTa 等の高融点金属
を含有させると、加熱時の表面の荒れが抑制されるた
め、電極および配線を上記Al 系合金で形成しておけ
ば、ゲート絶縁膜2や層間絶縁膜5等の成膜時に電極お
よび配線の表面にヒロックが発生するのを防いで、上下
の電極間および配線間の短絡をなくすことができる。な
お、上記Al 系合金の加熱時の表面荒れは、高融点金属
の含有量を多くするほど、効果的に抑制できるが、その
含有量を多くするとAl 系合金の抵抗が高くなるため、
高融点金属の含有量は、薄膜トランジスタの製造工程中
にヒロックを発生させない範囲で、できるだけ少なくす
るのが望ましい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように保護絶縁膜をゲート絶縁膜および層間絶縁膜と同
じSi N膜としている従来の薄膜トランジスタは、その
下部電極および下部配線を高融点金属の含有量の多いA
l 系合金で形成しておかないと、薄膜トランジスタの製
造過程で、上下の配線間および電極間に上述した短絡が
発生してしまうという問題をもっていた。
【0014】すなわち、例えば図5に示した逆スタガー
型薄膜トランジスタは、基板1上にゲート電極Gおよび
ゲート配線を形成した後、ゲート絶縁膜2と、i型半導
体層3およびn型半導体層4と、ソース,ドレイン用金
属膜とを順次成膜し、次いで上記金属膜とn型半導体層
4およびi型半導体層3をトランジスタ素子領域の外形
にパターニングするとともに、上記金属膜とn型半導体
層4とをソース,ドレイン電極S,Dの形状にパターニ
ングし、この後、層間絶縁膜5を成膜してこの層間絶縁
膜5にコンタクト孔5aを形成し、次いで上記層間絶縁
膜5の上にデータ配線用金属膜を成膜し、この金属膜を
パターニングしてデータ配線DLを形成た後、その上に
保護絶縁膜7を成膜する製法で製造されている。
【0015】なお、画素電極6は、上記ソース,ドレイ
ン用金属膜とn型半導体層4とをソース,ドレイン電極
S,Dの形状にパターニングした後、ITO等の透明導
電膜を成膜し、この透明導電膜をパターニングして形成
されている。
【0016】この製法において、プラズマCVD装置に
より成膜されるのは、ゲート絶縁膜2と、i型およびn
型半導体層3,4と、層間絶縁膜5と、保護絶縁膜7で
あり、ゲート絶縁膜2と層間絶縁膜5および保護絶縁膜
7(いずれもSi N膜)は上述したように約250〜2
70℃の基板温度で成膜され、またi型およびn型半導
体層3,4は約250℃の基板温度で成膜されている。
なお、ソース,ドレイン用金属膜およびデータ配線用金
属膜と上記透明導電膜は、スパッタ装置により約100
℃の基板温度で成膜されている。
【0017】したがって、上記逆スタガー型薄膜トラン
ジスタの製造においては、下部電極および下部配線であ
るゲート電極Gおよびゲート配線が、ゲート絶縁膜2、
i型およびn型半導体層3,4、層間絶縁膜5、保護絶
縁膜7の成膜の度に繰返し数百℃に加熱される。
【0018】そして、このようにゲート電極Gおよびゲ
ート配線が繰返し数百℃に加熱されると、例えば層間絶
縁膜5の成膜まではゲート電極Gおよびゲート配線にヒ
ロックが発生しなくても、最後の保護絶縁膜7の成膜時
にゲート電極Gおよびゲート配線にヒロックが発生し、
このヒロックの影響でゲート絶縁膜2や層間絶縁膜5に
欠陥が発生して、上下の電極間および配線間に短絡を発
生させてしまう。
【0019】このため、従来の薄膜トランジスタでは、
その下部電極および下部配線を、最後に成膜される保護
絶縁膜の成膜時にもヒロックを発生しないように、高融
点金属の含有量を多くしたAl 系合金で形成する必要が
あり、そのため、下部電極および下部配線の抵抗が高く
なって、薄膜トランジスタの動作特性を低下させてしま
う。
【0020】本発明の目的は、製造過程において下部電
極および下部配線が数百℃に加熱される回数を少なくし
て、前記下部電極および下部配線を高融点金属の含有量
が少ないAl 系合金で形成してもヒロックが発生しない
ようにした、上下の電極間および配線間の短絡を防ぎ、
しかも下部電極および下部配線の抵抗を小さくして動作
特性を向上させることができる薄膜トランジスタを提供
することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本願発明の薄膜トランジ
スタは、ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層、ソー
ス、ドレイン電極が形成された素子領域の表面を覆う保
護絶縁膜を、前記素子領域上に成膜された金属膜の酸化
処理により形成された酸化金属膜としたことを特徴とす
る。
【0022】
【作用】上記酸化金属膜からなる保護絶縁膜は、金属膜
を成膜し、この金属膜を酸化させることによって形成す
ることができる。また、上記金属膜は、スパッタ装置に
より約100℃程度の低い基板温度で成膜でき、この金
属膜の酸化処理も、基板を加熱することなく行なえる。
【0023】したがって、本発明の薄膜トランジスタに
よれば、その保護絶縁膜を低温で成膜できるため、製造
過程において下部電極および下部配線が数百℃に加熱さ
れる回数を少なくすることができる。そして、このよう
に下部電極および下部配線が数百℃に加熱される回数が
少なければ、前記下部電極および下部配線を高融点金属
の含有量が少ないAl 系合金で形成してもヒロックが発
生することはないため、ゲート絶縁膜等に前記ヒロック
の影響による欠陥を発生させてしまうことはなく、した
がって上下の電極間および配線間の短絡を防ぐことがで
きる。また、下部電極およびその配線を高融点金属の含
有量が少ないAl 系合金で形成できるため、下部電極お
よび下部配線の抵抗を小さくして薄膜トランジスタの動
作特性を向上させることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を、アクティブ
マトリックス液晶表示素子の基板上に形成する薄膜トラ
ンジスタを例にとって図面を参照し説明する。
【0025】図1はこの実施例の薄膜トランジスタの断
面図である。なお、この実施例の薄膜トランジスタは、
逆スタガー型のものであり、トランジスタ素子部の構成
は図5に示した従来の薄膜トランジスタと同じであるか
ら、その説明は図に同符号を付して省略する。
【0026】この実施例の薄膜トランジスタは、そのゲ
ート絶縁膜2と層間絶縁膜5はプラズマCVD装置によ
り成膜されたSi N膜とし、保護絶縁膜11は酸化金属
膜としたもので、この保護絶縁膜11は、純Al または
微量の高融点金属(Ti ,Ta 等)を含有させたAl 系
合金からなる金属膜を成膜し、この金属膜を酸化させる
ことによって形成されている。なお、この実施例では、
ドレイン電極Dにつながるデータ配線DLを、保護絶縁
膜11とされる前記金属膜で形成しており、このデータ
配線DLは、前記金属膜を部分的に酸化させずに残すこ
とによって形成されている。
【0027】上記薄膜トランジスタは、次のような工程
で製造される。
【0028】[工程1]基板1上に高融点金属を含有さ
せたAl 系合金からなるゲート用金属膜をスパッタ装置
により成膜し、このゲート用金属膜をパターニングして
ゲート電極Gおよびゲート配線を形成する。
【0029】[工程2]次に、ゲート絶縁膜(Si N
膜)2と、i型半導体層(i型a−Si 層)3と、n型
半導体層(n型a−Si 層)4とをプラズマCVD装置
により連続して順次成膜し、さらにその上に、ソース,
ドレイン用金属膜(Cr または高融点金属を含有させた
Al 系合金膜)をスパッタ装置により成膜する。
【0030】[工程3]次に、上記ソース,ドレイン用
金属膜とn型半導体層4およびi型半導体層3をトラン
ジスタ素子領域の外形にパターニングするとともに、上
記ソース,ドレイン用金属膜とn型半導体層4とをソー
ス,ドレイン電極S,Dの形状にパターニングする。
【0031】[工程4]次に、ITO等の透明導電膜を
スパッタ装置により成膜し、この透明導電膜をパターニ
ングして画素電極6を形成する。
【0032】[工程5]次に、層間絶縁膜(Si N膜)
5をプラズマCVD装置により成膜し、この層間絶縁膜
5にドレイン電極Dに対応するコンタクト孔5aを形成
する。
【0033】[工程6]次に、上記層間絶縁膜5の上
に、保護絶縁膜11およびデータ配線DLとなる金属膜
を成膜し、この金属膜のパターニングおよび酸化処理に
より保護絶縁膜11とデータ配線DLとを形成して、薄
膜トランジスタを完成する。
【0034】図2は、上記保護絶縁膜11とデータ配線
DLの形成工程を示しており、保護絶縁膜11とデータ
配線DLは次のようにして形成される。
【0035】[工程6−1]まず、図2(a)に示すよ
うに、純Al または微量の高融点金属を含有させたAl
系合金からなる金属膜10をスパッタ装置により成膜す
る。
【0036】[工程6−2]次に、図2(b)に示すよ
うに、上記金属膜10を、フォトリソグラフィ法によ
り、トランジスタ素子領域およびデータ配線形成部に対
応する形状にパターニングする。
【0037】[工程6−3]次に、図2(c)に示すよ
うに、上記金属膜10の上に、上記データ配線形成部を
覆うレジストマスクMを形成し、この後上記金属膜10
を酸化処理して、この金属膜10のデータ配線形成部以
外の領域をその膜厚全体にわたって酸化させて、この酸
化領域を酸化膜10aとする。
【0038】上記金属膜10の酸化処理は、例えば陽極
酸化によって行なう。この陽極酸化は、金属膜10を成
膜した基板1を電解液中に浸漬して前記金属膜10を電
解液中において対向電極(白金電極)と対向させ、金属
膜10を陽極とし、対向電極を陰極として、この両極間
に電圧を印加して行なう。このように電解液中において
金属膜10と対向電極の間に電圧を印加すると、陽極で
ある金属膜10のレジストマスクMで覆われていない領
域(電解液中に接する領域)が化成反応を起して陽極酸
化され、この金属膜10の酸化領域が酸化膜10aとな
る。
【0039】この場合、上記金属膜10はその表面側か
ら酸化されて行くが、その酸化深さは主に印加電圧によ
って決まるから、金属膜10の膜厚に応じて印加電圧を
設定すれば、金属膜10の酸化領域をその層厚全体にわ
たって酸化させることができる。また、上記陽極酸化に
おける金属膜10への通電は、レジストマスクMで覆わ
れているデータ配線形成部の非酸化領域10bを電流経
路として行なうことができる。
【0040】[工程6−4]次に、上記レジストマスク
Mを剥離して、再び上記金属膜10の陽極酸化処理を行
ない、図2(d)に示すように、上記金属膜10のデー
タ配線形成部([工程6−3]においてレジストマスク
Mで覆っておいた部分)の表面を酸化させ、この部分も
酸化膜10aとする。なお、このときの陽極酸化処理
は、上記[工程6−3]における陽極酸化処理よりも印
加電圧を低く設定して行なう。またこの場合、金属膜1
0の他の部分はすでに酸化膜10aとなっているため、
金属膜10は、データ配線形成部の表面(トランジスタ
素子領域以外の線状部分では上面と両側面)だけを酸化
される。
【0041】このように、トランジスタ素子領域および
データ配線形成部を覆う形状にパターニングした金属膜
10のデータ配線形成部以外の領域をその膜厚全体にわ
たって酸化させ、さらに金属膜10のデータ配線形成部
の表面を酸化させると、この金属膜10のデータ配線形
成部に残された非酸化領域10bがデータ配線DLとな
り、このデータ配線DLの表面および他の全ての領域の
酸化膜10aが保護絶縁膜11となる。
【0042】以上のように、上記実施例の薄膜トランジ
スタは、その表面を覆う保護絶縁膜11を、酸化金属膜
としたものであり、この酸化金属膜からなる保護絶縁膜
11は、上記のように金属膜10を成膜し、この金属膜
10を酸化させることによって形成することができる。
また、上記金属膜10は、スパッタ装置により約100
℃程度の低い基板温度で成膜でき、この金属膜10の酸
化処理も、基板1を加熱することなく行なえる。
【0043】したがって、上記薄膜トランジスタによれ
ば、その保護絶縁膜11を低温で成膜できるため、製造
過程において下部電極および下部配線であるゲート電極
Gおよびゲート配線が数百℃に加熱される回数を少なく
することができる。そして、このようにゲート電極Gお
よびゲート配線が数百℃に加熱される回数が少なけれ
ば、前記ゲート電極Gおよびゲート配線を高融点金属の
含有量が少ないAl 系合金で形成することができる。
【0044】すなわち、上記実施例の薄膜トランジスタ
の製造過程においてゲート電極Gおよびゲート配線が数
百℃に加熱されるのは、Si N膜からなるゲート絶縁膜
2および層間絶縁膜5の成膜時(いずれも基板温度約2
50〜270℃)と、i型およびn型半導体層3,4の
成膜時(基板温度約250℃)であり、したがって、ゲ
ート電極Gおよびゲート配線に用いるAl 系合金の高融
点金属含有量は、上記ゲート絶縁膜2とi型およびn型
半導体層3,4と層間絶縁膜5の成膜時の数百℃加熱に
耐えられる(ヒロックを発生しない)だけ量でよい。
【0045】なお、ゲート電極Gおよびゲート配線は、
ソース,ドレイン用金属膜やデータ配線用金属膜および
画素電極用透明導電膜の成膜時にも、また保護絶縁膜1
1となる金属膜10の成膜時にも加熱されるが、これら
のスパッタ装置による成膜時の基板温度は約100℃で
あり、この温度は、ゲート用金属膜をスパッタ装置によ
り成膜する際の基板温度(約100℃)と同程度である
ため、これらの成膜時にゲート電極Gおよびゲート配線
の表面が荒れることはない。
【0046】そして、上記薄膜トランジスタによれば、
ゲート電極Gおよびゲート配線を高融点金属の含有量が
少ないAl 系合金で形成してもヒロックが発生すること
はなく、したがってゲート絶縁膜2や層間絶縁膜5に前
記ヒロックの影響による欠陥を発生させてしまうことは
ないから、ゲート電極Gとソース,ドレイン電極S,D
との間およびゲート配線とデータ配線DLとの間の短絡
を防ぐことができる。また、ゲート電極Gおよびゲート
配線を高融点金属の含有量が少ないAl 系合金で形成で
きるため、このゲート電極Gおよびゲート配線の抵抗を
小さくして動作特性を向上させることができる。
【0047】さらに、上記薄膜トランジスタによれば、
保護絶縁膜11となる金属膜10を約100℃の低い基
板温度で成膜できるため、薄膜トランジスタの製造過程
においてソース,ドレイン電極S,Dが数百℃に加熱さ
れるのは層間絶縁膜5の成膜時だけであり、したがっ
て、このソース,ドレイン電極S,DをAl 系合金で形
成する場合は、このAl 系合金の高融点金属含有量を、
ゲート電極Gおよびゲート配線に用いるAl 系合金より
さらに少なくすることができる。
【0048】しかも、上記実施例では、データ配線DL
を、保護絶縁膜11となる金属膜10を酸化させて酸化
膜10aとする際に、この金属膜10を部分的に酸化さ
せずに残し、この金属膜10の非酸化領域10bをデー
タ配線DLとしているため、従来の薄膜トランジスタの
ようにデータ配線用金属膜と保護絶縁膜とをそれぞれス
パッタ装置とプラズマCVD装置とによって成膜する必
要はなく、したがって薄膜トランジスタの製造能率を向
上させることができる。
【0049】なお、上記実施例では、保護絶縁膜11と
なる金属膜10を、電解液中で化成反応を起させる陽極
酸化処理によって酸化させているが、この金属膜10の
酸化処理は、ガス雰囲気中で化成反応を起させるプラズ
マ酸化によって行なってもよい。
【0050】また、上記実施例では、酸化金属膜からな
る保護絶縁膜11を、トランジスタ素子領域とデータ配
線DLの上にのみ形成しているが、Al またはAl 系合
金を酸化させた酸化金属膜は透明膜であるから、上記保
護絶縁膜(酸化金属膜)11は、図3に示す第2の実施
例のように、画素電極6も覆って基板1のほぼ全面に形
成してもよい。この場合は、上述した製法における金属
膜10のパターニング工程が不要となるため、薄膜トラ
ンジスタの製造能率をさらに向上させることができる。
【0051】さらに上記実施例の薄膜トランジスタで
は、ソース,ドレイン電極S,Dを覆う層間絶縁膜5の
上にデータ配線DLを形成しているが、このデータ配線
DLは、ゲート絶縁膜2の上にドレイン電極Dと一体に
形成してもよく、その場合は、層間絶縁膜5をなくし
て、ソース,ドレイン電極S,Dおよびデータ配線DL
の上に保護絶縁膜11を形成すればよい。
【0052】すなわち、図4は本発明の第3の実施例を
示しており、この実施例の薄膜トランジスタは、データ
配線DLをドレイン電極Dと一体に形成し、その上に酸
化金属膜からなる保護絶縁膜11を形成したものであ
る。この実施例においては、ソース,ドレイン電極S,
Dおよびデータ配線DLが保護絶縁膜11となる金属膜
をスパッタ装置により成膜する際にその基板温度(約1
00℃)に加熱されるだけであるから、ソース,ドレイ
ン電極S,Dおよびデータ配線DLを、純Al または極
く僅かな高融点金属を含有させたAl 系合金で形成でき
る。
【0053】さらに、上記各実施例の薄膜トランジスタ
は、アクティブマトリックス液晶表示素子の基板上に形
成されるものであるが、本発明は、種々の回路基板等に
形成される薄膜トランジスタに広く適用できる。さらに
本発明は、逆スタガー型の薄膜トランジスタに限らず、
スタガー型、コプラナー型、逆コプラナー型の薄膜トラ
ンジスタにも適用することができる。
【0054】
【発明の効果】本発明の薄膜トランジスタは、その表面
を覆う保護絶縁膜を酸化金属膜としたことを特徴とする
ものであり、この酸化金属膜からなる保護絶縁膜は、金
属膜を成膜し、この金属膜を酸化させることによって形
成することができる。また、上記金属膜は、スパッタ装
置により約100℃程度の低い基板温度で成膜でき、こ
の金属膜の酸化処理も、基板を加熱することなく行なえ
る。
【0055】したがって、本発明の薄膜トランジスタに
よれば、その保護絶縁膜を低温で成膜できるため、製造
過程において下部電極および下部配線が数百℃に加熱さ
れる回数を少なくすることができる。そして、このよう
に下部電極および下部配線が数百℃に加熱される回数が
少なければ、前記下部電極および下部配線を高融点金属
の含有量が少ないAl 系合金で形成してもヒロックが発
生することはないため、ゲート絶縁膜等に前記ヒロック
の影響による欠陥を発生させてしまうことはなく、した
がって上下の電極間および配線間の短絡を防ぐことがで
きる。また、下部電極およびその配線を高融点金属の含
有量が少ないAl 系合金で形成できるため、下部電極お
よび下部配線の抵抗を小さくして薄膜トランジスタの動
作特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す薄膜トランジスタ
の断面図。
【図2】上記薄膜トランジスタの保護絶縁膜とデータ配
線の形成工程図。
【図3】本発明の第2の実施例を示す薄膜トランジスタ
の断面図。
【図4】本発明の第3の実施例を示す薄膜トランジスタ
の断面図。
【図5】従来の薄膜トランジスタの断面図。
【符号の説明】 1…基板、G…ゲート電極、2…ゲート絶縁膜、3…i
型半導体層、4…n型半導体層、S…ソース電極、D…
ドレイン電極、5…層間絶縁膜、5a…コンタクト孔、
6…画素電極、DL…データ配線、10…金属膜、10
a…酸化膜、10b…非酸化領域、M…レジストマス
ク、11…保護絶縁膜。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/316 G02F 1/1368

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層、ソ
    ース電極、ドレイン電極が形成された素子領域の表面を
    保護絶縁膜で覆った薄膜トランジスタにおいて、前記保
    護絶縁膜は、前記素子領域上に成膜された金属膜の酸化
    処理により形成された酸化金属膜からなることを特徴と
    する薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 ドレイン電極は、前記素子領域上に成膜さ
    れた前記金属膜の非酸化領域により形成されてなること
    を特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 【請求項3】 薄膜トランジスタの保護絶縁膜より下層に
    設けられた電極は、AlまたはAl系合金により形成さ
    れ、前記保護絶縁膜は、AlまたはAl系合金を酸化さ
    せた酸化Alにより形成されていることを特徴とする請
    求項1または2に記載の薄膜トランジスタ。
JP35175891A 1991-12-16 1991-12-16 薄膜トランジスタ Expired - Fee Related JP3149034B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35175891A JP3149034B2 (ja) 1991-12-16 1991-12-16 薄膜トランジスタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35175891A JP3149034B2 (ja) 1991-12-16 1991-12-16 薄膜トランジスタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05167074A JPH05167074A (ja) 1993-07-02
JP3149034B2 true JP3149034B2 (ja) 2001-03-26

Family

ID=18419409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35175891A Expired - Fee Related JP3149034B2 (ja) 1991-12-16 1991-12-16 薄膜トランジスタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3149034B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102108572B1 (ko) * 2011-09-26 2020-05-07 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 반도체 장치 및 반도체 장치의 제작 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05167074A (ja) 1993-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0457328B1 (en) Active matrix structure for liquid crystal display elements
US5334860A (en) Panel having thin film element formed thereon
KR970004885B1 (ko) 평판표시장치 및 그 제조방법
KR950008931B1 (ko) 표시패널의 제조방법
JPH05216070A (ja) 多層導体層構造デバイス
JPH06188419A (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
KR20000022736A (ko) 박막 트랜지스터 및 액정 표시 장치
KR960006110B1 (ko) 반도체 장치 및 그 제조 방법
JPH03190141A (ja) 平板ディスプレー用薄膜トランジスタ及びその製造方法
JP3094610B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JPH04188770A (ja) 薄膜トランジスタ
JP3149034B2 (ja) 薄膜トランジスタ
JP2752983B2 (ja) 液晶表示用薄膜トランジスタの製造方法
JP3195837B2 (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
JP3599174B2 (ja) 薄膜トランジスタパネル及びその製造方法
JPH05150268A (ja) 薄膜トランジスタパネルの製造方法
JPH07176525A (ja) 低抵抗配線の形成方法
JP3245612B2 (ja) 多層配線板の製造方法
JP3245613B2 (ja) 薄膜素子の製造方法
JP3257001B2 (ja) 多層配線板及び多層配線板の製造方法
JP3245614B2 (ja) 薄膜素子の製造方法
JPH05152572A (ja) 金属配線、及びそれを用いた半導体装置及びtft液晶表示装置
KR100265053B1 (ko) 표시패널 및 그 제조방법
JPH06265933A (ja) 液晶表示装置及びその製造方法
JPH05203989A (ja) 短絡解消方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees