JP3118252B2 - 超音波振動装置及びその方法並びにこれらを用いた駆動装置及びその方法 - Google Patents
超音波振動装置及びその方法並びにこれらを用いた駆動装置及びその方法Info
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- JP3118252B2 JP3118252B2 JP02340814A JP34081490A JP3118252B2 JP 3118252 B2 JP3118252 B2 JP 3118252B2 JP 02340814 A JP02340814 A JP 02340814A JP 34081490 A JP34081490 A JP 34081490A JP 3118252 B2 JP3118252 B2 JP 3118252B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、超音波振動装置及びその方法並びにこれ
らを用いた駆動装置及びその方法に係り、特に、縦振動
と屈曲振動との結合(楕円振動)を単相の励振用電源の
投入により生起せしめる定在波型の超音波振動装置及び
その方法並びにこれらを用いた駆動装置及びその方法に
関する。
らを用いた駆動装置及びその方法に係り、特に、縦振動
と屈曲振動との結合(楕円振動)を単相の励振用電源の
投入により生起せしめる定在波型の超音波振動装置及び
その方法並びにこれらを用いた駆動装置及びその方法に
関する。
[従来の技術] 小型、軽量、かつ構造がシンプルであるなどの点に着
目して、超音波楕円振動を駆動力とする超音波駆動装置
(超音波モータ)が開発されている。
目して、超音波楕円振動を駆動力とする超音波駆動装置
(超音波モータ)が開発されている。
従来、この種の装置として、弾性振動体に発生する振
動の種類から分類すると、定在波を用いる定在波型超音
波モータ装置と進行波を用いる進行波型超音波モータ装
置と二つのタイプに大別される。
動の種類から分類すると、定在波を用いる定在波型超音
波モータ装置と進行波を用いる進行波型超音波モータ装
置と二つのタイプに大別される。
上記のもののうち定在波型超音波モータ装置として
は、弾性振動体に縦振動(弾性振動体の長さ方向への広
がり振動)と弾性振動体のある一面に垂直な振動成分を
もつ固有振動との、二つの独立した振動モードを、夫々
別の電源(二相電源)で励振することにより、弾性振動
体の表面に楕円運動を生起し、この楕円運動を運動抽出
体に伝達し、駆動力として利用する平板状の超音波モー
タ装置が知られている。この二相電源により駆動される
タイプの平板状の超音波モータ装置は、時間的な位相差
をつけて二つの振動モードを励振することによって、弾
性振動体の表面に生起される楕円運動の回転方向を切り
換えることにより、運動抽出体の運動方向を正逆転切り
換えすることができる。
は、弾性振動体に縦振動(弾性振動体の長さ方向への広
がり振動)と弾性振動体のある一面に垂直な振動成分を
もつ固有振動との、二つの独立した振動モードを、夫々
別の電源(二相電源)で励振することにより、弾性振動
体の表面に楕円運動を生起し、この楕円運動を運動抽出
体に伝達し、駆動力として利用する平板状の超音波モー
タ装置が知られている。この二相電源により駆動される
タイプの平板状の超音波モータ装置は、時間的な位相差
をつけて二つの振動モードを励振することによって、弾
性振動体の表面に生起される楕円運動の回転方向を切り
換えることにより、運動抽出体の運動方向を正逆転切り
換えすることができる。
ところが、この二相電源駆動の平板状の超音波モータ
装置は、2種類の独立した振動モードを使用するため、
夫々の振動モードに対して励動源が必要となり、単相電
源により駆動される超音波モータ装置と比較すると、超
音波モータ装置本体および電源ともに複雑にならざるを
得ないという問題点を有していた。
装置は、2種類の独立した振動モードを使用するため、
夫々の振動モードに対して励動源が必要となり、単相電
源により駆動される超音波モータ装置と比較すると、超
音波モータ装置本体および電源ともに複雑にならざるを
得ないという問題点を有していた。
そこで先に、本願と同一出願人の出願にかかる特願平
1−137983号、特願平1−137985号、特願平1−138696
号により、上記二相電源で励振される二つの独立した振
動モードを利用して正逆転可能としたものの改良タイプ
として単相電源を利用したものが提案されている。
1−137983号、特願平1−137985号、特願平1−138696
号により、上記二相電源で励振される二つの独立した振
動モードを利用して正逆転可能としたものの改良タイプ
として単相電源を利用したものが提案されている。
以下、その概要を説明すると、 第11図は、この種の定在波型の駆動方式を採用する超
音波振動装置のうち、構造が最もシンプルな提案例を示
す図である。この図において、、符号1は圧電セラミッ
クス(PZT)からなる平板状の弾性体である。第11図
(a)の上記弾性体1の上面は、その端部E、Fが欠落
され、これにより弾性体1は屈曲振動の中性面Nに関し
て非対称な断面形状になされている。これに加えて、弾
性体1は、縦振動共振周波数と、屈曲振動共振周波数と
が一致ないしは接近するように形成されている。上記装
置が駆動するためには、このように、弾性体1が上記中
性面Nに関して非対称な形状となっていることが肝要で
ある。
音波振動装置のうち、構造が最もシンプルな提案例を示
す図である。この図において、、符号1は圧電セラミッ
クス(PZT)からなる平板状の弾性体である。第11図
(a)の上記弾性体1の上面は、その端部E、Fが欠落
され、これにより弾性体1は屈曲振動の中性面Nに関し
て非対称な断面形状になされている。これに加えて、弾
性体1は、縦振動共振周波数と、屈曲振動共振周波数と
が一致ないしは接近するように形成されている。上記装
置が駆動するためには、このように、弾性体1が上記中
性面Nに関して非対称な形状となっていることが肝要で
ある。
もしも、第12図(a)に示す弾性体1のように、屈曲
振動(図中矢印)の中性面Nに関して対称な断面形状を
有する場合には、同図(b)に示すように、屈曲振動に
おいては、中性面Nを境として長さが伸びる領域と縮む
領域とが対等に分布することになる。これに対して、弾
性体1の面に平行な縦振動の変位は、面に垂直方向に一
様に分布する(第13図(a)、(b)参照)。
振動(図中矢印)の中性面Nに関して対称な断面形状を
有する場合には、同図(b)に示すように、屈曲振動に
おいては、中性面Nを境として長さが伸びる領域と縮む
領域とが対等に分布することになる。これに対して、弾
性体1の面に平行な縦振動の変位は、面に垂直方向に一
様に分布する(第13図(a)、(b)参照)。
それゆえ、屈曲振動のX方向(第13図)の成分をUB、
縦振動のX方向の成分をULとすると、縦振動と屈曲振動
との相互作用を表す量∫uBuLdvは、弾性体1の全領域に
わたって積分が行なわれる結果、正負打ち消し合い0と
なる。このことは、物理的には、断面が上記中性面Nに
関して対称な形状を有する弾性体においては、縦振動と
屈曲振動とのエネルギのやりとりは行なわれないことを
意味する。すなわち、縦振動と駆動振動との結合が生じ
ないこと、したがって、楕円振動が生起しないことを意
味する。それゆえ、上記対称性を有する弾性体1を用い
て、第11図(b)に示す超音波駆動装置を作製しても、
駆動力を得ることができないのである。
縦振動のX方向の成分をULとすると、縦振動と屈曲振動
との相互作用を表す量∫uBuLdvは、弾性体1の全領域に
わたって積分が行なわれる結果、正負打ち消し合い0と
なる。このことは、物理的には、断面が上記中性面Nに
関して対称な形状を有する弾性体においては、縦振動と
屈曲振動とのエネルギのやりとりは行なわれないことを
意味する。すなわち、縦振動と駆動振動との結合が生じ
ないこと、したがって、楕円振動が生起しないことを意
味する。それゆえ、上記対称性を有する弾性体1を用い
て、第11図(b)に示す超音波駆動装置を作製しても、
駆動力を得ることができないのである。
一方、第11図(a)に示すように、弾性体1が上記中
性面Nに関して非対称な形状の場合には、屈曲振動は、
中性面Nを境として長さが伸びる領域と縮む領域とが対
等には分布しないために、上記相互作用量∫uBuLdvは0
とならない。すなわち、縦振動と屈曲振動とはエネルギ
のやりとりを行って結合し、楕円運動を生起する。
性面Nに関して非対称な形状の場合には、屈曲振動は、
中性面Nを境として長さが伸びる領域と縮む領域とが対
等には分布しないために、上記相互作用量∫uBuLdvは0
とならない。すなわち、縦振動と屈曲振動とはエネルギ
のやりとりを行って結合し、楕円運動を生起する。
これらの現象は、有限要素法によるシュミレーション
によっても裏付けられている他、実験的にも確認されて
いる。
によっても裏付けられている他、実験的にも確認されて
いる。
上記の装置において、単相の励振用電源を電極3及び
弾性体1に接続し、弾性体1の縦振動共振周波数で圧電
体2を強く励振すると、弾性体には縦振動モードが生起
される他、屈曲振動モードも誘起される。
弾性体1に接続し、弾性体1の縦振動共振周波数で圧電
体2を強く励振すると、弾性体には縦振動モードが生起
される他、屈曲振動モードも誘起される。
このように、縦振動モードに加えて、屈曲振動モード
も誘起されるのは、上記したように、弾性体1は、両者
の共振周波数が一致ないしは接近した形状となっている
からである。
も誘起されるのは、上記したように、弾性体1は、両者
の共振周波数が一致ないしは接近した形状となっている
からである。
[発明が解決しようとする課題] ところで第11図(a)に示す上記の提案技術では、ど
の程度の切り欠き、とのような切り欠きがあれば、高い
振動結合性を得ることができるのかを把握することは困
難であった。それゆえ、設計仕様毎に、実験あるいは有
限要素法によるシュミレーションをおこなわなければな
らず、このため設計が繁雑かつ困難となっていた。ま
た、たとえ設計が出来たとしても、設計通りの切り欠き
部を得ることは必ずしも容易ではなく、このため、装置
の品質性能にばらつきが生じ、その上、特にこのように
切り欠きによるメカ的な非対称性による場合は同一周波
数では正逆方向の制御を行うことが出来ないなど実用性
に欠けていた。
の程度の切り欠き、とのような切り欠きがあれば、高い
振動結合性を得ることができるのかを把握することは困
難であった。それゆえ、設計仕様毎に、実験あるいは有
限要素法によるシュミレーションをおこなわなければな
らず、このため設計が繁雑かつ困難となっていた。ま
た、たとえ設計が出来たとしても、設計通りの切り欠き
部を得ることは必ずしも容易ではなく、このため、装置
の品質性能にばらつきが生じ、その上、特にこのように
切り欠きによるメカ的な非対称性による場合は同一周波
数では正逆方向の制御を行うことが出来ないなど実用性
に欠けていた。
また単相電源を利用した改良タイプの超音波モータ
は、二つの振動モードを利用しており、そのうち一つを
弾性振動体の長さ方向中点に関して対称な振動モード
(屈曲振動)とし、他の1つを弾性振動体の長さ方向中
点に関して反対称な振動モード(縦振動)としている。
そのため弾性振動体の長さ方向に関して異なる位置に各
振動モードの節が位置しており、弾性振動体をフレーム
部材に固定しようとした時、振動モードのロスが最も少
ない各モードの節の重なりを固定位置として選択するこ
とができない。そのため上記改良タイプの超音波モータ
装置は、弾性振動体を発泡性ゴムよりなる支持部材で支
持しているにとどまるものであった。即ち従来の超音波
モータ装置は、弾性振動体を固定支持することが困難で
あるという問題点を有していた。
は、二つの振動モードを利用しており、そのうち一つを
弾性振動体の長さ方向中点に関して対称な振動モード
(屈曲振動)とし、他の1つを弾性振動体の長さ方向中
点に関して反対称な振動モード(縦振動)としている。
そのため弾性振動体の長さ方向に関して異なる位置に各
振動モードの節が位置しており、弾性振動体をフレーム
部材に固定しようとした時、振動モードのロスが最も少
ない各モードの節の重なりを固定位置として選択するこ
とができない。そのため上記改良タイプの超音波モータ
装置は、弾性振動体を発泡性ゴムよりなる支持部材で支
持しているにとどまるものであった。即ち従来の超音波
モータ装置は、弾性振動体を固定支持することが困難で
あるという問題点を有していた。
[発明の目的] この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、圧電
体に切り欠き部を設けることにより非対称性を得る代わ
りに、電気的制御により非対称性を得ることにより、構
造が簡単でかつ設計製作取り扱いが容易な超音波振動装
置及びその方法並びにこれらを用いた駆動装置及びその
方法を提供することを目的としている。
体に切り欠き部を設けることにより非対称性を得る代わ
りに、電気的制御により非対称性を得ることにより、構
造が簡単でかつ設計製作取り扱いが容易な超音波振動装
置及びその方法並びにこれらを用いた駆動装置及びその
方法を提供することを目的としている。
また、この発明は、電気的に非対称性を誘発し制御す
ることにより、高い振動結合性を得ることができる超音
波振動装置及びその方法を提供することを目的としてい
ると共に、高効率の超音波駆動装置及びその方法を提供
することを目的としている。
ることにより、高い振動結合性を得ることができる超音
波振動装置及びその方法を提供することを目的としてい
ると共に、高効率の超音波駆動装置及びその方法を提供
することを目的としている。
さらに、この発明は、電気的制御により、容易かつ迅
速に楕円振動の回転方向の向き、ひいては駆動力の向き
を反転し得る超音波振動装置及びその方法並びにこれら
を用いた駆動装置及びその方法を提供することを目的と
している。
速に楕円振動の回転方向の向き、ひいては駆動力の向き
を反転し得る超音波振動装置及びその方法並びにこれら
を用いた駆動装置及びその方法を提供することを目的と
している。
さらにまた、弾性振動体をフレーム部材に固定支持し
てもこの弾性振動体に発生する二つの振動モードのロス
が無く、かつ単相電源の駆動により運動抽出体の運動方
向をコントロール可能にするとともに、超音波モータ装
置本体および電源の構造を簡潔にした超音波モータ装置
を提供することを目的としている。
てもこの弾性振動体に発生する二つの振動モードのロス
が無く、かつ単相電源の駆動により運動抽出体の運動方
向をコントロール可能にするとともに、超音波モータ装
置本体および電源の構造を簡潔にした超音波モータ装置
を提供することを目的としている。
即ち、弾性振動体を使用する装置に確実に固定支持で
きる結果の動作安定性と共に固定支持による振動の減衰
をなくすという効率性と、更には単相電源により駆動さ
れる超音波モータ装置の簡潔さと、二相電源により駆動
される正逆転可能な超音波モータ装置のような制御性を
兼ね備えてなる板状の超音波モータ装置の提供を目的と
している。
きる結果の動作安定性と共に固定支持による振動の減衰
をなくすという効率性と、更には単相電源により駆動さ
れる超音波モータ装置の簡潔さと、二相電源により駆動
される正逆転可能な超音波モータ装置のような制御性を
兼ね備えてなる板状の超音波モータ装置の提供を目的と
している。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
板状の弾性体と、該弾性体に縦振動と屈曲振動とを生起
する圧電体とからなる超音波振動装置において、前記圧
電体を前記弾性体の厚み方向を2等分する平面に対し前
記縦振動と屈曲振動とが結合しない鏡映位置にそれぞれ
設けるとともに、この圧電体の一方のみに電圧を印加し
て前記縦振動と屈曲振動とを結合する電源とを設けたこ
とを特徴としている。
板状の弾性体と、該弾性体に縦振動と屈曲振動とを生起
する圧電体とからなる超音波振動装置において、前記圧
電体を前記弾性体の厚み方向を2等分する平面に対し前
記縦振動と屈曲振動とが結合しない鏡映位置にそれぞれ
設けるとともに、この圧電体の一方のみに電圧を印加し
て前記縦振動と屈曲振動とを結合する電源とを設けたこ
とを特徴としている。
請求項2記載の発明は、板状の弾性体と、該弾性体に
縦振動と屈曲振動とを生起する圧電体とからなる超音波
振動装置において、前記圧電体を前記弾性体の厚み方向
を2等分する平面に対し前記縦振動と屈曲振動とが結合
しない鏡映位置にそれぞれ設けるとともに、この圧電体
の一方のみに電圧を印加して前記縦振動と屈曲振動とを
結合する電源と、この縦振動と屈曲振動との結合振動の
節部以外の前記弾性体の平面に圧接し結合振動を付与す
る運動抽出体とを設けてなることを特徴としている。
縦振動と屈曲振動とを生起する圧電体とからなる超音波
振動装置において、前記圧電体を前記弾性体の厚み方向
を2等分する平面に対し前記縦振動と屈曲振動とが結合
しない鏡映位置にそれぞれ設けるとともに、この圧電体
の一方のみに電圧を印加して前記縦振動と屈曲振動とを
結合する電源と、この縦振動と屈曲振動との結合振動の
節部以外の前記弾性体の平面に圧接し結合振動を付与す
る運動抽出体とを設けてなることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、板状の弾性体と、該弾性体に
縦振動と屈曲振動とを生起する圧電体とからなる超音波
振動装置において、前記圧電体を前記弾性体の厚み方向
を2等分する平面に対し前記縦振動と屈曲振動とが結合
しない鏡映位置にそれぞれ設けるとともに、この圧電体
の一方のみに電圧を印加して前記縦振動と屈曲振動とを
結合する電源と、前記電源を前記圧電体に択一的に接続
する電源切換手段と、前記縦振動と屈曲振動との結合振
動の節部以外の前記弾性体の平面に圧接し結合振動を付
与する運動抽出体とを設けてなることを特徴としてい
る。
縦振動と屈曲振動とを生起する圧電体とからなる超音波
振動装置において、前記圧電体を前記弾性体の厚み方向
を2等分する平面に対し前記縦振動と屈曲振動とが結合
しない鏡映位置にそれぞれ設けるとともに、この圧電体
の一方のみに電圧を印加して前記縦振動と屈曲振動とを
結合する電源と、前記電源を前記圧電体に択一的に接続
する電源切換手段と、前記縦振動と屈曲振動との結合振
動の節部以外の前記弾性体の平面に圧接し結合振動を付
与する運動抽出体とを設けてなることを特徴としてい
る。
請求項4記載の発明は、前記圧電体は、一方のみに前
記電源から電圧が印加され、他方が電源に対し電気的に
オープンにされた状態で維持されてなることを特徴とし
ている。
記電源から電圧が印加され、他方が電源に対し電気的に
オープンにされた状態で維持されてなることを特徴とし
ている。
請求項5記載の発明は、前記圧電体を前記弾性体の平
面中央部に配設してなることを特徴としている。
面中央部に配設してなることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、前記圧電体をそれぞれ複数個
設け、互いにそれぞれ対向し配設してなることを特徴と
している。
設け、互いにそれぞれ対向し配設してなることを特徴と
している。
請求項7記載の発明は、前記圧電体をそれぞれ複数個
配設してなることを特徴としている。
配設してなることを特徴としている。
請求項8記載の発明は、前記圧電体を、前記弾性体の
縦振動共振時に、当該弾性体の対抗する平面に生じる縦
振動定在波の節部の位置にそれぞれ配設してなることを
特徴としている。
縦振動共振時に、当該弾性体の対抗する平面に生じる縦
振動定在波の節部の位置にそれぞれ配設してなることを
特徴としている。
請求項9記載の発明は、フレーム部材に固定するため
の取付部を、前記弾性体の縦振動共振時に、その対抗す
る平面に生じる縦振動定在波の節部の位置に有すること
を特徴としている。
の取付部を、前記弾性体の縦振動共振時に、その対抗す
る平面に生じる縦振動定在波の節部の位置に有すること
を特徴としている。
請求項10記載の発明は、前記運動抽出体は回転ローラ
手段からなることを特徴としている。
手段からなることを特徴としている。
請求項11記載の発明は、板状の弾性体と、該弾性体に
縦振動と屈曲振動とを生起する圧電体とからなる超音波
振動装置において、前記圧電体を前記弾性体の厚み方向
を2等分する平面に対し前記縦振動と屈曲振動とが結合
しない鏡映位置にそれぞれ設け、前記縦振動と屈曲振動
とを結合せずに、前記圧電体の一方のみに電圧を印加す
る電源を設け、この電源により前記縦振動と屈曲振動と
を結合することを特徴としている。
縦振動と屈曲振動とを生起する圧電体とからなる超音波
振動装置において、前記圧電体を前記弾性体の厚み方向
を2等分する平面に対し前記縦振動と屈曲振動とが結合
しない鏡映位置にそれぞれ設け、前記縦振動と屈曲振動
とを結合せずに、前記圧電体の一方のみに電圧を印加す
る電源を設け、この電源により前記縦振動と屈曲振動と
を結合することを特徴としている。
請求項12記載の発明は、前記圧電体の一方を電気的に
オープンの状態に設定すると共に、他方の圧電体に前記
弾性体に縦振動と屈曲振動とを生起するために交流電圧
を印加することにより、前記板状の弾性体に付与される
駆動力の方向を逆転させることを特徴としている。
オープンの状態に設定すると共に、他方の圧電体に前記
弾性体に縦振動と屈曲振動とを生起するために交流電圧
を印加することにより、前記板状の弾性体に付与される
駆動力の方向を逆転させることを特徴としている。
[作用] 上記構成において、第1の圧電体に電源を投入すれ
ば、弾性体には面に平行な縦振動が励振される。縦振動
が励振されると、面に垂直な振動成分をもつ屈曲振動も
励振される。この場合において、電気的にショート状態
の第1の圧電体とオープン状態の第2の圧電体とでは、
機械的硬さが異なるので、屈曲振動の中性面に関して非
対称とり、このため、縦振動と屈曲振動との間で結合が
生じ、かくして駆動力に変換し得る楕円振動が生起され
る。
ば、弾性体には面に平行な縦振動が励振される。縦振動
が励振されると、面に垂直な振動成分をもつ屈曲振動も
励振される。この場合において、電気的にショート状態
の第1の圧電体とオープン状態の第2の圧電体とでは、
機械的硬さが異なるので、屈曲振動の中性面に関して非
対称とり、このため、縦振動と屈曲振動との間で結合が
生じ、かくして駆動力に変換し得る楕円振動が生起され
る。
次に、第1の圧電体をオープン状態にし、第2の圧電
体に電源を投入すれば、逆回りの楕円運動が生起され
る。このとき、弾性体の表面に圧接された移動体部は逆
向きの回転となる。
体に電源を投入すれば、逆回りの楕円運動が生起され
る。このとき、弾性体の表面に圧接された移動体部は逆
向きの回転となる。
[発明の基本原理] 以下に、この発明の動作原理について述べる。
この発明は、圧電体(圧電セラミックス)の表面には
機械的変形により分極電荷が生起するが、このとき、圧
電体が電気的にオープンの状態(開放状態)であるかシ
ョートの状態(短絡状態)であるかにより圧電体の機械
的硬さが異なることを利用するものである。
機械的変形により分極電荷が生起するが、このとき、圧
電体が電気的にオープンの状態(開放状態)であるかシ
ョートの状態(短絡状態)であるかにより圧電体の機械
的硬さが異なることを利用するものである。
両者の機械的硬さの違いは音速(縦波の速度)の違い
となって現れる。そこで、両者の機械的硬さの違いを音
速で表示すると、電気的ショート状態の場合には、分極
電荷は消失するので、音速Vshortは第1式で表される。
となって現れる。そこで、両者の機械的硬さの違いを音
速で表示すると、電気的ショート状態の場合には、分極
電荷は消失するので、音速Vshortは第1式で表される。
一方、電気的オープン状態の場合には、分極電荷は放
電しないので、音速Vopenは第2式で表される。
電しないので、音速Vopenは第2式で表される。
ここで。C11は、圧電体の弾性率、e31は、圧電定数、
ε33は圧電体の誘電率である。
ε33は圧電体の誘電率である。
第1図は、圧電体の上記電気機械的性質を利用するこ
とにより、非対称性を電気的に得る用にした、この発明
の超音波振動装置の基本的原理を説明するための図であ
る。この図において、符号4は圧電セラミックス(装置
としては金属の素材が用いられる。)から成る板状の弾
性体である。5a、5bは厚さ方向に分極された板状の圧電
体(圧電セラミックス)であり、一方(5a)が弾性体4
の上面に他方(5b)が下面に、それぞれ互いに向い合っ
て接着されている。6aは圧電体5aの上面に形成された電
極である。7は弾性体4の縦振動共振周波数の高周波電
圧を出力する励振用の電源であり、この電源7に対し、
一方の圧電体5aがスイッチSW1によって電気的にショー
トされた状態に、他方の圧電体5bがスイッチSW2によっ
て電気的にオープンされた状態にそれぞれ維持されてい
る。
とにより、非対称性を電気的に得る用にした、この発明
の超音波振動装置の基本的原理を説明するための図であ
る。この図において、符号4は圧電セラミックス(装置
としては金属の素材が用いられる。)から成る板状の弾
性体である。5a、5bは厚さ方向に分極された板状の圧電
体(圧電セラミックス)であり、一方(5a)が弾性体4
の上面に他方(5b)が下面に、それぞれ互いに向い合っ
て接着されている。6aは圧電体5aの上面に形成された電
極である。7は弾性体4の縦振動共振周波数の高周波電
圧を出力する励振用の電源であり、この電源7に対し、
一方の圧電体5aがスイッチSW1によって電気的にショー
トされた状態に、他方の圧電体5bがスイッチSW2によっ
て電気的にオープンされた状態にそれぞれ維持されてい
る。
上記弾性体4は屈曲振動の中性面Nに関して対称な断
面形状となっており、かつ、縦振動共振周波数と屈曲振
動共振周波数とが一致ないしは接近するように形成され
ている。
面形状となっており、かつ、縦振動共振周波数と屈曲振
動共振周波数とが一致ないしは接近するように形成され
ている。
一般に、板状の弾性体の共振周波数fLは、第3式のよ
うに表される。
うに表される。
ここで、Eは弾性体のヤング率、ρはその密度、lは
その長さである。
その長さである。
一方板状の弾性体の表面における屈曲振動の共振周波
数fBは、第4式のように表される。
数fBは、第4式のように表される。
ここで、wは弾性体の幅、tはその厚さである。
また、αは第5式の根であり、小さい方から対称屈曲
振動の共振モードの次数に対応している。
振動の共振モードの次数に対応している。
sin(α/2)cosh(α/2) +cos(α/2)sinh(α/2)=0 …(5) 以上よりfL=fBのとき、すなわち 第6式の関係を弾性体の長さl、幅w、厚さtが満た
せば縦振動の振動モードと屈曲振動の振動モードとは共
存し、上述したように弾性体の表面に楕円振動が生起さ
れる。この場合において、長さl、幅w、厚さtの3変
数のうち任意の2つを自由に選択することが可能であ
る。
せば縦振動の振動モードと屈曲振動の振動モードとは共
存し、上述したように弾性体の表面に楕円振動が生起さ
れる。この場合において、長さl、幅w、厚さtの3変
数のうち任意の2つを自由に選択することが可能であ
る。
上記構成において、圧電体5aに電源7を投入すれば、
弾性体4には面に平行な縦振動が励振される。縦振動が
励振されると、面に垂直な振動成分をもつ屈曲振動も励
振される。この場合において、電気的にオープン状態の
圧電体5aとショート状態の圧電体5bとは、機械的硬さが
異なるので、弾性体4は屈曲振動の中性面に関して非対
称となる。したがって、縦振動と屈曲振動とは結合し、
かくして駆動力に変換し得る楕円振動が生起される。
弾性体4には面に平行な縦振動が励振される。縦振動が
励振されると、面に垂直な振動成分をもつ屈曲振動も励
振される。この場合において、電気的にオープン状態の
圧電体5aとショート状態の圧電体5bとは、機械的硬さが
異なるので、弾性体4は屈曲振動の中性面に関して非対
称となる。したがって、縦振動と屈曲振動とは結合し、
かくして駆動力に変換し得る楕円振動が生起される。
[実施例] 以下、図面を参照してこの発明の実施例について説明
する。
する。
(第1実施例) 第2図はこの発明の第1実施例である超音波振動装置
を使用する駆動装置(超音波駆動装置)の構成を示す断
面図、第3図は同斜視図である。この図面において、符
号10はステンレスやアルミなどの金属素材からなる板状
の弾性体であり、この弾性体10の両面には圧電体(圧電
振動子)12a,12bが相対向して配置され接着されてい
る。これらの弾性体10と圧電体12a,12bとから超音波駆
動装置の振動体部が該略構成されている。上記圧電体12
a,12bの両側の面のうち、少なくとも弾性体10と接触し
ていない側の面には図示せぬ導電層が形成されている。
圧電体12a,12bの各両平面のうち、弾性体10と接触して
いない側の面には、電気線路14a,14bの一端がそれぞれ
接続されており、これら電気線路14a,14bの他端は、ス
イッチ機構16の端子16a,16bにそれぞれ接続されてい
る。弾性体10には、電気線路14cの一端が接続されてお
り、この他端は励振用の単相電源18に接続されている。
また、弾性体10の、圧電体12aが設けられている側に
は、弾性体10と直接的に接触するように運動抽出体20が
配設されている。上記弾性体10は、弾性体10の長さ方向
中央部から延設された凸部11を有し、この凸部11に設け
られた穴13に固定ビス15を通すことで図示せぬフレーム
部材に固定支持されている。上記凸部11は、弾性体10の
長さによって決まる縦振動の共振から発生する節の位置
に設定されている。さらに、この例においては、弾性体
10は、フレーム部材に固定されている状態における弾性
体10の長さ方向に発生する縦振動の共振周波数と、幅方
向に生じる屈曲振動の共振周波数とがほぼ一致する形状
(長さ、幅及び厚さ)を有するように形成されている。
上記圧電体12a,12bは、弾性体10の長さ方向中点に発生
する縦振動の節が、各電圧体12a、12bの長さ方向のほぼ
中央に位置するように弾性体10上に配設されている。
を使用する駆動装置(超音波駆動装置)の構成を示す断
面図、第3図は同斜視図である。この図面において、符
号10はステンレスやアルミなどの金属素材からなる板状
の弾性体であり、この弾性体10の両面には圧電体(圧電
振動子)12a,12bが相対向して配置され接着されてい
る。これらの弾性体10と圧電体12a,12bとから超音波駆
動装置の振動体部が該略構成されている。上記圧電体12
a,12bの両側の面のうち、少なくとも弾性体10と接触し
ていない側の面には図示せぬ導電層が形成されている。
圧電体12a,12bの各両平面のうち、弾性体10と接触して
いない側の面には、電気線路14a,14bの一端がそれぞれ
接続されており、これら電気線路14a,14bの他端は、ス
イッチ機構16の端子16a,16bにそれぞれ接続されてい
る。弾性体10には、電気線路14cの一端が接続されてお
り、この他端は励振用の単相電源18に接続されている。
また、弾性体10の、圧電体12aが設けられている側に
は、弾性体10と直接的に接触するように運動抽出体20が
配設されている。上記弾性体10は、弾性体10の長さ方向
中央部から延設された凸部11を有し、この凸部11に設け
られた穴13に固定ビス15を通すことで図示せぬフレーム
部材に固定支持されている。上記凸部11は、弾性体10の
長さによって決まる縦振動の共振から発生する節の位置
に設定されている。さらに、この例においては、弾性体
10は、フレーム部材に固定されている状態における弾性
体10の長さ方向に発生する縦振動の共振周波数と、幅方
向に生じる屈曲振動の共振周波数とがほぼ一致する形状
(長さ、幅及び厚さ)を有するように形成されている。
上記圧電体12a,12bは、弾性体10の長さ方向中点に発生
する縦振動の節が、各電圧体12a、12bの長さ方向のほぼ
中央に位置するように弾性体10上に配設されている。
上記単相電源18は、圧電体12a,12bに、弾性体10の縦
振動共振周波数と同一の周波数の高周波電圧を供給する
ための電源であり、上記スイッチ機構16は、スイッチ16
cの切り換え動作により、単相電源18から出力される高
周波電圧を電圧体12a,12bに対して択一的に印加するた
めの電気的切り換え手段である。また、上記運動抽出体
20は、弾性体10上で任意の手段により位置決めされ、か
つ弾性体10に任意の加圧手段により加圧された、回転自
在のローラ状部材からなっている。
振動共振周波数と同一の周波数の高周波電圧を供給する
ための電源であり、上記スイッチ機構16は、スイッチ16
cの切り換え動作により、単相電源18から出力される高
周波電圧を電圧体12a,12bに対して択一的に印加するた
めの電気的切り換え手段である。また、上記運動抽出体
20は、弾性体10上で任意の手段により位置決めされ、か
つ弾性体10に任意の加圧手段により加圧された、回転自
在のローラ状部材からなっている。
つぎに、第4図を参照して、上記構成を有する超音波
駆動装置の作用について説明する。
駆動装置の作用について説明する。
第4図は、振動モードL10(節が一つ)の縦振動と振
動モードB20(節が二つ)の屈曲振動とが共振によって
同じに生起する寸法形状に形成された弾性体10からなる
振動体部を示しており、図示していないが、振動モード
L10の節の位置に対応して凸部が両側に設けられ、これ
らの凸部が図示していないフレーム部材に固定支持され
ている。
動モードB20(節が二つ)の屈曲振動とが共振によって
同じに生起する寸法形状に形成された弾性体10からなる
振動体部を示しており、図示していないが、振動モード
L10の節の位置に対応して凸部が両側に設けられ、これ
らの凸部が図示していないフレーム部材に固定支持され
ている。
同図に示す振動体部において、たとえば、圧電体12a
に対して電源を投入して圧電体12aを(所定の縦振動共
振周波数で)励振すると、弾性体10の長さ方向に縦振動
の振動モードL10が発生すると共に、その幅方向には上
記縦振動に共鳴して屈曲振動の振動モードB20が誘起さ
れる。そして、これら両振動の結合により、楕円振動が
弾性体10の表面に生起される。この例においては、屈曲
振動の振動モードはB20であるので、弾性体10の幅方向
に関して屈曲振動の節を境に中央部10cにおける楕円振
動と両端部10sにおける楕円振動とでは回転の向きが互
いに逆である。このとき、例えば、運動抽出体20が弾性
体の中央部10cにのみ接触するようになされていれば、
一定方向の駆動力を抽出することができる。次に、スイ
ッチ16cを切り換えて圧電体12bに対して電源を投入する
と、圧電体12bが励振し、この励振に伴って、弾性体10
の長さ方向に縦振動の振動モードL10が発生すると共
に、その幅方向には上記縦振動に共鳴して屈曲振動の振
動モードB20が誘起される。この例においては、圧電体1
2a,12bのいずれの励振によっても、同相の縦振動(同一
方向の変形に対して同相の縦振動)が発生するが、屈曲
振動の位相は、圧電体12a,12bのいずれを励振するかに
よって互いに180度異なるものとなる。このため、圧電
体12aを励振するときは、弾性体10の表面に生起される
楕円振動は、たとえば第2図及び第3図上に実線矢印で
示す向きに回転し、したがって運動抽出体20により取り
出される運動(駆動力)の向きも同図の実線矢印で示す
向きとなる。次に、圧電体12bの励振に切り換えると、
弾性体10の表面に生起される楕円振動は、たとえば同図
の破線矢印で示す向きに逆転し、したがって運動抽出体
20により取り出される運動(駆動力)も同図の破線矢印
で示す向きに逆転する。
に対して電源を投入して圧電体12aを(所定の縦振動共
振周波数で)励振すると、弾性体10の長さ方向に縦振動
の振動モードL10が発生すると共に、その幅方向には上
記縦振動に共鳴して屈曲振動の振動モードB20が誘起さ
れる。そして、これら両振動の結合により、楕円振動が
弾性体10の表面に生起される。この例においては、屈曲
振動の振動モードはB20であるので、弾性体10の幅方向
に関して屈曲振動の節を境に中央部10cにおける楕円振
動と両端部10sにおける楕円振動とでは回転の向きが互
いに逆である。このとき、例えば、運動抽出体20が弾性
体の中央部10cにのみ接触するようになされていれば、
一定方向の駆動力を抽出することができる。次に、スイ
ッチ16cを切り換えて圧電体12bに対して電源を投入する
と、圧電体12bが励振し、この励振に伴って、弾性体10
の長さ方向に縦振動の振動モードL10が発生すると共
に、その幅方向には上記縦振動に共鳴して屈曲振動の振
動モードB20が誘起される。この例においては、圧電体1
2a,12bのいずれの励振によっても、同相の縦振動(同一
方向の変形に対して同相の縦振動)が発生するが、屈曲
振動の位相は、圧電体12a,12bのいずれを励振するかに
よって互いに180度異なるものとなる。このため、圧電
体12aを励振するときは、弾性体10の表面に生起される
楕円振動は、たとえば第2図及び第3図上に実線矢印で
示す向きに回転し、したがって運動抽出体20により取り
出される運動(駆動力)の向きも同図の実線矢印で示す
向きとなる。次に、圧電体12bの励振に切り換えると、
弾性体10の表面に生起される楕円振動は、たとえば同図
の破線矢印で示す向きに逆転し、したがって運動抽出体
20により取り出される運動(駆動力)も同図の破線矢印
で示す向きに逆転する。
なお、楕円振動の駆動力を成分に分解して考えれば、
運動抽出体20には、屈曲振動によって浮揚力が付与さ
れ、縦振動によって駆動力が付与されることになる。
運動抽出体20には、屈曲振動によって浮揚力が付与さ
れ、縦振動によって駆動力が付与されることになる。
上記構成によれば、運動抽出体20上にカード状部材、
紙葉類などの被搬送物を接触させれば、スイッチ16cの
切り換えにより、被搬送物を任意の方向に移送できる。
紙葉類などの被搬送物を接触させれば、スイッチ16cの
切り換えにより、被搬送物を任意の方向に移送できる。
また、フレーム部材に固定支持される凸部11は、縦振
動の節の位置に設けられているので、弾性体10の固定支
持に起因する縦振動の減衰を防止することができる。
動の節の位置に設けられているので、弾性体10の固定支
持に起因する縦振動の減衰を防止することができる。
さらにまた、屈曲振動の振動モードは、弾性体10の幅
方向に発生するようになっているので、縦振動の節の位
置をフレーム部材により固定した場合でも、弾性体10の
長さ方向両端部においては、屈曲振動の振動モード発生
は抑制されない。
方向に発生するようになっているので、縦振動の節の位
置をフレーム部材により固定した場合でも、弾性体10の
長さ方向両端部においては、屈曲振動の振動モード発生
は抑制されない。
したがって、応答性にすぐれた高効率の駆動力を得る
ことができる。
ことができる。
(第2実施例) 第5図(a)、(b)、(c)は、第2実施例である
超音波駆動装置の構成を示す図であり、同図(a)は平
面図、同図(b)及び(c)はそれぞれ部分断面図であ
る。これらの図において、第2図及び第3図に示した各
部に対応する部分については、同一符号を付して、その
説明を省略する。この例に於いては、弾性体10として、
たとえば寸法が27.3[mm]×1[mm]×8[mm]のSUS4
20(ステンレス)板が使用され、この弾性体10の対向平
面上には、上記第1実施例と同様に圧電体12a,12bがそ
れぞれ貼付されている。これらの圧電体12a,12bとし
て、例えば寸法が15[mm]×0.5[mm]×8[mm]のPZT
(ジルコン酸チタン酸塩)板が使用される。弾性体10
は、そのほぼ中央から延設された凸部11、11によってフ
レーム部材30に固定支持されている。フレーム部材30の
両側面に沿って、一対のアーム36a、36bが設けられてお
り、これらのアーム36a、36bはフレーム部材30の一端に
設けられた軸34によってそれぞれの一端を回転自在に軸
支されている。アーム36a、36bのそれぞれの他端はスプ
リング支持部材38を介して連結されており、これによ
り、これら一対のアーム36a、36bが一体的に回動出切る
ようになっている。又、アーム36a、36bのそれぞれの中
間部位には、ローラ状の運動抽出体20を回転自在に軸支
する運動抽出体支持軸40が貫通されている。上記運動抽
出体20は、第5図(a)に示すように、弾性体10の幅方
向のほぼ中央部で、かつその長さ方向の端部近傍に配設
されている。加圧スプリング42は、運動抽出物20を弾性
体10に常時圧接するために、一端がフレーム部材30の端
面に係止され、他端がスプリング支持部材38に係止され
ることにより張設されている。また、アーム36aから外
側に突出している運動抽出体支持軸40の部位には、プー
リ44が一体的に取り付けられている。
超音波駆動装置の構成を示す図であり、同図(a)は平
面図、同図(b)及び(c)はそれぞれ部分断面図であ
る。これらの図において、第2図及び第3図に示した各
部に対応する部分については、同一符号を付して、その
説明を省略する。この例に於いては、弾性体10として、
たとえば寸法が27.3[mm]×1[mm]×8[mm]のSUS4
20(ステンレス)板が使用され、この弾性体10の対向平
面上には、上記第1実施例と同様に圧電体12a,12bがそ
れぞれ貼付されている。これらの圧電体12a,12bとし
て、例えば寸法が15[mm]×0.5[mm]×8[mm]のPZT
(ジルコン酸チタン酸塩)板が使用される。弾性体10
は、そのほぼ中央から延設された凸部11、11によってフ
レーム部材30に固定支持されている。フレーム部材30の
両側面に沿って、一対のアーム36a、36bが設けられてお
り、これらのアーム36a、36bはフレーム部材30の一端に
設けられた軸34によってそれぞれの一端を回転自在に軸
支されている。アーム36a、36bのそれぞれの他端はスプ
リング支持部材38を介して連結されており、これによ
り、これら一対のアーム36a、36bが一体的に回動出切る
ようになっている。又、アーム36a、36bのそれぞれの中
間部位には、ローラ状の運動抽出体20を回転自在に軸支
する運動抽出体支持軸40が貫通されている。上記運動抽
出体20は、第5図(a)に示すように、弾性体10の幅方
向のほぼ中央部で、かつその長さ方向の端部近傍に配設
されている。加圧スプリング42は、運動抽出物20を弾性
体10に常時圧接するために、一端がフレーム部材30の端
面に係止され、他端がスプリング支持部材38に係止され
ることにより張設されている。また、アーム36aから外
側に突出している運動抽出体支持軸40の部位には、プー
リ44が一体的に取り付けられている。
なお、この第2実施例においても第一実施例と同様構
成の単相電源、スイッチ機構などが適宣用いられるもの
であるが、簡単のため、第5図においては省略されてい
る。
成の単相電源、スイッチ機構などが適宣用いられるもの
であるが、簡単のため、第5図においては省略されてい
る。
上記構成において、単相電源の投入により、周波数98
KHzの高周波電圧がスイッチ機構を介して電圧体12aある
いは12bに印加される。これにより、圧電体12aあるいは
12bは励振し、弾性体10上に、縦振動の振動モードL10と
屈曲振動の振動モードB20とを発生させる。発生したこ
れら両振動は互いに結合し、この結合により楕円運動が
生起される。運動抽出体20は、生起された楕円運動から
駆動力を抽出し、抽出された駆動力はプーリ44に伝達さ
れる。
KHzの高周波電圧がスイッチ機構を介して電圧体12aある
いは12bに印加される。これにより、圧電体12aあるいは
12bは励振し、弾性体10上に、縦振動の振動モードL10と
屈曲振動の振動モードB20とを発生させる。発生したこ
れら両振動は互いに結合し、この結合により楕円運動が
生起される。運動抽出体20は、生起された楕円運動から
駆動力を抽出し、抽出された駆動力はプーリ44に伝達さ
れる。
第5図(d)は、この例の超音波駆動装置によりプー
リ44に伝達されるトルクT−回転数N特性の計測値を示
すグラフである。この図に示すように、11Vの電圧を印
加したとき、トルク[T]及び回転数[N]は、最大ト
ルク15[gcm]、無負荷回転数600[rpm]が得られた。
リ44に伝達されるトルクT−回転数N特性の計測値を示
すグラフである。この図に示すように、11Vの電圧を印
加したとき、トルク[T]及び回転数[N]は、最大ト
ルク15[gcm]、無負荷回転数600[rpm]が得られた。
(第3実施例) 第6図は第3実施例の超音波駆動装置に適用される振
動体部の構成を示す斜視図である。この図に示すよう
に、この例の弾性体10は振動モードL20の縦振動と振動
モードB20の屈曲振動との共振結合が生じる形状に形成
されている。しかして、この弾性体10に生じる縦振動の
振動モードはL20であるから、二つの節が弾性体10の長
さ方向中点に関して互いに対称な位置にそれぞれ発生す
るようになっている。この例の弾性体10の一の面には、
互いに同一形状である一対の圧電体12c,12dが、上記縦
振動の各節が発生する部分にそれぞれ配設されている。
さらに、これら各節が発生する部分には弾性体10をフレ
ーム部材に固定支持するための凸部11,11が延設されて
いる。
動体部の構成を示す斜視図である。この図に示すよう
に、この例の弾性体10は振動モードL20の縦振動と振動
モードB20の屈曲振動との共振結合が生じる形状に形成
されている。しかして、この弾性体10に生じる縦振動の
振動モードはL20であるから、二つの節が弾性体10の長
さ方向中点に関して互いに対称な位置にそれぞれ発生す
るようになっている。この例の弾性体10の一の面には、
互いに同一形状である一対の圧電体12c,12dが、上記縦
振動の各節が発生する部分にそれぞれ配設されている。
さらに、これら各節が発生する部分には弾性体10をフレ
ーム部材に固定支持するための凸部11,11が延設されて
いる。
上記第3実施例の構成において、たとえば、圧電体12
cに対して電源を投入して、圧電体12cを(所定の縦振動
共振周波数で)励振すると、弾性体10の長さ方向に縦振
動の振動モードL20が発生すると共に、その幅方向には
上記縦振動に共鳴して屈曲振動の振動モードB20が誘起
される。そして、これら両振動の結合により、楕円振動
が弾性体10の表面に生起される。
cに対して電源を投入して、圧電体12cを(所定の縦振動
共振周波数で)励振すると、弾性体10の長さ方向に縦振
動の振動モードL20が発生すると共に、その幅方向には
上記縦振動に共鳴して屈曲振動の振動モードB20が誘起
される。そして、これら両振動の結合により、楕円振動
が弾性体10の表面に生起される。
次に、スイッチを切り換えて圧電体12dに対して電源
を投入すると、圧電体12dが励振し、この励振に伴っ
て、弾性体10の長さ方向に縦振動の振動モードL20が発
生すると共に、その幅方向には上記縦振動に共鳴して屈
曲振動の振動モードB20が誘起される。
を投入すると、圧電体12dが励振し、この励振に伴っ
て、弾性体10の長さ方向に縦振動の振動モードL20が発
生すると共に、その幅方向には上記縦振動に共鳴して屈
曲振動の振動モードB20が誘起される。
圧電体12dによる励振の場合は、圧電体12cによる励振
の場合を180度回転させた場合にほかならず、したがっ
て、圧電体12cによる励振の場合と圧電体12dによる励振
の場合とでは互いに逆向きの駆動力が得られる。
の場合を180度回転させた場合にほかならず、したがっ
て、圧電体12cによる励振の場合と圧電体12dによる励振
の場合とでは互いに逆向きの駆動力が得られる。
一般的にも、弾性体10の長さ方向中点に関して、共振
によって発生する縦振動が対称で、節の数が偶数個(た
とえば、振動モードL20,L40)のモードのとき、弾性体1
0の同一面上中心対称の位置に縦振動の励振源である圧
電体を対にして設置すれば、それらを択一的に駆動する
ことにより、振動体部に発生する縦振動と屈曲振動との
結合位相をコントロールすることができ、したがって、
駆動力の正逆転のコントロールが可能となる。
によって発生する縦振動が対称で、節の数が偶数個(た
とえば、振動モードL20,L40)のモードのとき、弾性体1
0の同一面上中心対称の位置に縦振動の励振源である圧
電体を対にして設置すれば、それらを択一的に駆動する
ことにより、振動体部に発生する縦振動と屈曲振動との
結合位相をコントロールすることができ、したがって、
駆動力の正逆転のコントロールが可能となる。
なお、この第3実施例の場合のように、縦振動が対称
な場合に生起する楕円振動は第7式及び第8式により表
される。
な場合に生起する楕円振動は第7式及び第8式により表
される。
X=acos(k1x)cos(ωt) ……(7) Y={bcos(k2x)+ccosh(k2x)}sin(ωt+d) ……(8) ここで、Xはx方向(長さ方向)の変位、Yはy方向
(面に垂直方向)の変位、k1は縦振動の波数、k2は屈曲
振動の波数、ωは各周波数である。
(面に垂直方向)の変位、k1は縦振動の波数、k2は屈曲
振動の波数、ωは各周波数である。
(第4実施例) 第7図は第4実施例の超音波駆動装置に適用される振
動体部の構成を示す斜視図である。この図に示すよう
に、この例の弾性体10は振動モードL30の縦振動と振動
モードB20の屈曲振動との共振結合が生じる形状に形成
されている。しかして、この弾性体10に生じる縦振動の
振動モードはL30であるから、三つの節が弾性体10の長
さ方向中点の位置及び長さ方向中点に関して互いに対称
な位置にそれぞれ発生するようになっている。この例の
弾性体10には、互いに同一形状である一対の圧電体12e,
12fが、上記長さ方向中点に関して互いに対称な位置に
発生する縦振動の節の部分に、かつ互いに対向する面に
それぞれ設けられている。さらに、これら圧電体12e,12
fが配設される弾性体10の部位には弾性体10をフレーム
部材に固定支持するための凸部13,13が延設されてい
る。
動体部の構成を示す斜視図である。この図に示すよう
に、この例の弾性体10は振動モードL30の縦振動と振動
モードB20の屈曲振動との共振結合が生じる形状に形成
されている。しかして、この弾性体10に生じる縦振動の
振動モードはL30であるから、三つの節が弾性体10の長
さ方向中点の位置及び長さ方向中点に関して互いに対称
な位置にそれぞれ発生するようになっている。この例の
弾性体10には、互いに同一形状である一対の圧電体12e,
12fが、上記長さ方向中点に関して互いに対称な位置に
発生する縦振動の節の部分に、かつ互いに対向する面に
それぞれ設けられている。さらに、これら圧電体12e,12
fが配設される弾性体10の部位には弾性体10をフレーム
部材に固定支持するための凸部13,13が延設されてい
る。
上記第4実施例の構成において、たとえば、圧電体12
eに対して電源を投入して、圧電体12eを(所定の縦振動
共振周波数で)励振すると、弾性体10の長さ方向に縦振
動の振動モードL30が発生すると共に、その幅方向には
上記縦振動に共鳴して屈曲振動の振動モードB20が誘起
される。そして、これら両振動の結合により、楕円振動
が弾性体10の表面に生起される。
eに対して電源を投入して、圧電体12eを(所定の縦振動
共振周波数で)励振すると、弾性体10の長さ方向に縦振
動の振動モードL30が発生すると共に、その幅方向には
上記縦振動に共鳴して屈曲振動の振動モードB20が誘起
される。そして、これら両振動の結合により、楕円振動
が弾性体10の表面に生起される。
次に、スイッチを切り換えて圧電体12fに対して電源
を投入すると、圧電体12Fが励振し、この励振に伴っ
て、弾性体10の長さ方向に縦振動の振動モードL30が発
生すると共に、その幅方向には上記縦振動に共鳴して屈
曲振動の振動モードB20が誘起される。
を投入すると、圧電体12Fが励振し、この励振に伴っ
て、弾性体10の長さ方向に縦振動の振動モードL30が発
生すると共に、その幅方向には上記縦振動に共鳴して屈
曲振動の振動モードB20が誘起される。
圧電体12fによる励振の場合は、圧電体12eによる励振
の場合と縦振動の位相は同相であるが、屈曲振動成分の
位相が180度異なるため、圧電体12eによる励振の場合と
圧電体12fによる励振の場合とでは互いに逆向きの駆動
力が得られる。
の場合と縦振動の位相は同相であるが、屈曲振動成分の
位相が180度異なるため、圧電体12eによる励振の場合と
圧電体12fによる励振の場合とでは互いに逆向きの駆動
力が得られる。
一般的にも、弾性体10の長さ方向中点に関して、共振
によって発生する縦振動が反対称で、節の数が奇数個
(たとえば、振動モードL10,L30)のモードのとき、弾
性体10の対向する面のそれぞれ節の位置に縦振動の励振
源である圧電体を対にして設置すれば、それらを択一的
に駆動することにより、振動体部に発生する縦振動と屈
曲振動との結合位相をコントロールすることができ、し
たがって、駆動力の正逆転のコントロールが可能とな
る。
によって発生する縦振動が反対称で、節の数が奇数個
(たとえば、振動モードL10,L30)のモードのとき、弾
性体10の対向する面のそれぞれ節の位置に縦振動の励振
源である圧電体を対にして設置すれば、それらを択一的
に駆動することにより、振動体部に発生する縦振動と屈
曲振動との結合位相をコントロールすることができ、し
たがって、駆動力の正逆転のコントロールが可能とな
る。
なお、この第4実施例の場合のように、縦振動が反対
称な場合に生起する楕円振動は第9式及び第10式により
表される。
称な場合に生起する楕円振動は第9式及び第10式により
表される。
X=asin(k1x)cos(ωt) ……(9) Y={bcos(k2x)+ccosh(k2x)}sin(ωt+d) ……(10) ここで、Xはx方向(長さ方向)の変位、Yはy方向
(面に垂直方向)の変位、k1は縦振動の波数、k2は屈曲
振動の波数、ωは各周波数である。
(面に垂直方向)の変位、k1は縦振動の波数、k2は屈曲
振動の波数、ωは各周波数である。
なお、上述の実施例においては、振動モードL10の縦
振動と振動モードB20の屈曲振動とが共振によって同時
に生起し結合する弾性体10を用いた場合(第4図)につ
いて述べたが、これに限らず、第8図に示すように、振
動モードL10の縦振動と振動モードB40の屈曲振動とが結
合する弾性体、第9図に示すように振動モードL30の縦
振動と振動モードB20の屈曲振動とが結合する弾性体、
第10図に示すように振動モードL30の縦振動と振動モー
ドB40の屈曲振動とが結合する弾性体をそれぞれ用いる
ようにしても上記したと同様の効果を得ることができ
る。これらの弾性体にあっては、いずれも長さ方向の中
心に縦振動の節の部分が生じるようになっており、した
がって、この節の位置に対応して、フレーム部材に固定
支持するための凸部を設けることが好適であることは上
述した通りである。
振動と振動モードB20の屈曲振動とが共振によって同時
に生起し結合する弾性体10を用いた場合(第4図)につ
いて述べたが、これに限らず、第8図に示すように、振
動モードL10の縦振動と振動モードB40の屈曲振動とが結
合する弾性体、第9図に示すように振動モードL30の縦
振動と振動モードB20の屈曲振動とが結合する弾性体、
第10図に示すように振動モードL30の縦振動と振動モー
ドB40の屈曲振動とが結合する弾性体をそれぞれ用いる
ようにしても上記したと同様の効果を得ることができ
る。これらの弾性体にあっては、いずれも長さ方向の中
心に縦振動の節の部分が生じるようになっており、した
がって、この節の位置に対応して、フレーム部材に固定
支持するための凸部を設けることが好適であることは上
述した通りである。
また、上述の実施例においては、ローラ状の運動抽出
体20を用いた場合について述べたが、これに限らず、例
えば、半球状体でもよいことは勿論であり、弾性体表面
に生起された楕円運動を抽出し得る形状であればよい。
体20を用いた場合について述べたが、これに限らず、例
えば、半球状体でもよいことは勿論であり、弾性体表面
に生起された楕円運動を抽出し得る形状であればよい。
さらにまた、上述の実施例においては、2個の圧電体
を配設し、そのうち一の圧電体に電圧を印加すると共
に、他は電気的オープン状体に設定する場合について述
べたが、このような場合に限定するものでなく、3個以
上の圧電体を配設し、そのうち2個以上の圧電体につい
て電気的ショート状態、あるいはオープン状態とするよ
うにすれば、一段と大きな駆動力を得ることができる。
を配設し、そのうち一の圧電体に電圧を印加すると共
に、他は電気的オープン状体に設定する場合について述
べたが、このような場合に限定するものでなく、3個以
上の圧電体を配設し、そのうち2個以上の圧電体につい
て電気的ショート状態、あるいはオープン状態とするよ
うにすれば、一段と大きな駆動力を得ることができる。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明によれば、電気的制御
により楕円運動を発生させることができるので、設計製
作操作が一段と容易になると共に、高効率で駆動力を抽
出することが可能である。
により楕円運動を発生させることができるので、設計製
作操作が一段と容易になると共に、高効率で駆動力を抽
出することが可能である。
また、楕円運動の向きを、したがって駆動力の向きを
自在に変えることができる。
自在に変えることができる。
また、弾性体に発生する縦振動の節の部分で弾性体を
フレーム部分に固定するので、縦振動の損失が生じるこ
とがなく、安定動作及び高い駆動力を得ることができ
る。また、特別の弾性体保持機構も不要である。
フレーム部分に固定するので、縦振動の損失が生じるこ
とがなく、安定動作及び高い駆動力を得ることができ
る。また、特別の弾性体保持機構も不要である。
以上に加えて、弾性体の幅方向に屈曲振動を発生する
ように構成すれば、弾性体固定による屈曲振動への影響
を少なくすることができるので、一段と高い動作安定性
及びエネルギ変換効率を達成することができる。
ように構成すれば、弾性体固定による屈曲振動への影響
を少なくすることができるので、一段と高い動作安定性
及びエネルギ変換効率を達成することができる。
第1図は、この発明の超音波振動装置の基本的構成を示
す図、第2図は、この発明の第1実施例である超音波駆
動装置の構成を示す断面図、第3図は、同斜視図、第4
図は、同実施例の動作を説明するための図、第5図
(a)は、この発明の第2実施例である超音波駆動装置
の構成を示す平面図、同図(b)及び(c)は同断面
図、同図(d)は同装置のトルク−回転数特性の実験値
を示すグラフ、第6図は、この発明の第3実施例である
超音波駆動装置に用いられる振動体部の構成を示す斜視
図、第7図は、この発明の第4実施例である超音波駆動
装置に用いられる振動体部の構成を示す斜視図、第8図
ないし第10図は、第1実施に係る振動体部の構成の変形
例を示す図、第11図は、従来の超音波駆動装置の構成を
示す図、第12図(a)、(b)は中性面に関して対称な
弾性体に生起される屈曲振動を示す図、第13図(a)、
(b)は、同弾性体に生起される縦振動を示す図であ
る。 4,10……弾性体、 5a,5b,12a〜12f……圧電体、7,18……電源、 11……凸部(取付部)、16……スイッチ機構、 20……運動抽出体、30……フレーム部材、 N……中性面。
す図、第2図は、この発明の第1実施例である超音波駆
動装置の構成を示す断面図、第3図は、同斜視図、第4
図は、同実施例の動作を説明するための図、第5図
(a)は、この発明の第2実施例である超音波駆動装置
の構成を示す平面図、同図(b)及び(c)は同断面
図、同図(d)は同装置のトルク−回転数特性の実験値
を示すグラフ、第6図は、この発明の第3実施例である
超音波駆動装置に用いられる振動体部の構成を示す斜視
図、第7図は、この発明の第4実施例である超音波駆動
装置に用いられる振動体部の構成を示す斜視図、第8図
ないし第10図は、第1実施に係る振動体部の構成の変形
例を示す図、第11図は、従来の超音波駆動装置の構成を
示す図、第12図(a)、(b)は中性面に関して対称な
弾性体に生起される屈曲振動を示す図、第13図(a)、
(b)は、同弾性体に生起される縦振動を示す図であ
る。 4,10……弾性体、 5a,5b,12a〜12f……圧電体、7,18……電源、 11……凸部(取付部)、16……スイッチ機構、 20……運動抽出体、30……フレーム部材、 N……中性面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00
Claims (12)
- 【請求項1】板状の弾性体と、該弾性体に縦振動と屈曲
振動とを生起する圧電体とからなる超音波振動装置にお
いて、前記圧電体を前記弾性体の厚み方向を2等分する
平面に対し前記縦振動と屈曲振動とが結合しない鏡映位
置にそれぞれ設けるとともに、この圧電体の一方のみに
電圧を印加して前記縦振動と屈曲振動とを結合する電源
とを設けたことを特徴とする超音波振動装置 - 【請求項2】板状の弾性体と、該弾性体に縦振動と屈曲
振動とを生起する圧電体とからなる超音波振動装置にお
いて、前記圧電体を前記弾性体の厚み方向を2等分する
平面に対し前記縦振動と屈曲振動とが結合しない鏡映位
置にそれぞれ設けるとともに、この圧電体の一方のみに
電圧を印加して前記縦振動と屈曲振動とを結合する電源
と、この縦振動と屈曲振動との結合振動の節部以外の前
記弾性体の平面に圧接し結合振動を付与する運動抽出体
とを設けてなることを特徴とする超音波振動装置。 - 【請求項3】板状の弾性体と、該弾性体に縦振動と屈曲
振動とを生起する圧電体とからなる超音波振動装置にお
いて、前記圧電体を前記弾性体の厚み方向を2等分する
平面に対し前記縦振動と屈曲振動とが結合しない鏡映位
置にそれぞれ設けるとともに、この圧電体の一方のみに
電圧を印加して前記縦振動と屈曲振動とを結合する電源
と、前記電源を前記圧電体に択一的に接続する電源切換
手段と、前記縦振動と屈曲振動との結合振動の節部以外
の前記弾性体の平面に圧接し結合振動を付与する運動抽
出体とを設けてなることを特徴とする超音波振動装置。 - 【請求項4】前記圧電体は、一方のみに前記電源から電
圧が印加され、他方が電源に対し電気的にオープンにさ
れた状態で維持されてなることを特徴とする請求項1及
び3記載の超音波振動装置。 - 【請求項5】前記圧電体を前記弾性体の平面中央部に配
設してなることを特徴とする請求項1及び3記載の超音
波振動装置。 - 【請求項6】前記圧電体をそれぞれ複数個設け、互いに
それぞれ対向し配設してなることを特徴とする請求項1
及び3記載の超音波振動装置。 - 【請求項7】前記圧電体をそれぞれ複数個配設してなる
ことを特徴とする請求項1及び3記載の超音波振動装
置。 - 【請求項8】前記圧電体を、前記弾性体の縦振動共振時
に、当該弾性体の対抗する平面に生じる縦振動定在波の
節部の位置にそれぞれ配設してなることを特徴とする請
求項1乃至7記載の超音波振動装置。 - 【請求項9】フレーム部材に固定するための取付部を、
前記弾性体の縦振動共振時に、その対抗する平面に生じ
る縦振動定在波の節部の位置に有することを特徴とする
請求項1乃至7記載の超音波振動装置。 - 【請求項10】前記運動抽出体は回転ローラ手段からな
ることを特徴とする請求項2又は3記載の超音波駆動装
置。 - 【請求項11】板状の弾性体と、該弾性体に縦振動と屈
曲振動とを生起する圧電体とからなる超音波振動装置に
おいて、前記圧電体を前記弾性体の厚み方向を2等分す
る平面に対し前記縦振動と屈曲振動とが結合しない鏡映
位置にそれぞれ設け、前記縦振動と屈曲振動とを結合せ
ずに、前記圧電体の一方のみに電圧を印加する電源を設
け、この電源により前記縦振動と屈曲振動とを結合する
ことを特徴とする超音波駆動方法。 - 【請求項12】前記圧電体の一方を電気的にオープンの
状態に設定すると共に、他方の圧電体に前記弾性体に縦
振動と屈曲振動とを生起するために交流電圧を印加する
ことにより、前記板状の弾性体に付与される駆動力の方
向を逆転させることを特徴とする請求項11記載の超音波
駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02340814A JP3118252B2 (ja) | 1990-02-27 | 1990-11-30 | 超音波振動装置及びその方法並びにこれらを用いた駆動装置及びその方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2-46606 | 1990-02-27 | ||
JP4660690 | 1990-02-27 | ||
JP02340814A JP3118252B2 (ja) | 1990-02-27 | 1990-11-30 | 超音波振動装置及びその方法並びにこれらを用いた駆動装置及びその方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03265477A JPH03265477A (ja) | 1991-11-26 |
JP3118252B2 true JP3118252B2 (ja) | 2000-12-18 |
Family
ID=26386707
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02340814A Expired - Fee Related JP3118252B2 (ja) | 1990-02-27 | 1990-11-30 | 超音波振動装置及びその方法並びにこれらを用いた駆動装置及びその方法 |
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---|---|
JP (1) | JP3118252B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0462327U (ja) * | 1990-10-01 | 1992-05-28 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4813708B2 (ja) | 1999-05-31 | 2011-11-09 | ナノモーション リミテッド | 多層圧電性モータ |
AU2000228235A1 (en) * | 2000-02-24 | 2001-09-03 | Nanomotion Ltd. | Resonance shifting |
JP5144097B2 (ja) * | 2007-03-23 | 2013-02-13 | 太平洋セメント株式会社 | 超音波モータ装置 |
JP6870200B2 (ja) | 2014-11-13 | 2021-05-12 | 株式会社リコー | 素子、及び発電装置 |
-
1990
- 1990-11-30 JP JP02340814A patent/JP3118252B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0462327U (ja) * | 1990-10-01 | 1992-05-28 |
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---|---|
JPH03265477A (ja) | 1991-11-26 |
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