JP3105374B2 - 液晶表示デバイス - Google Patents
液晶表示デバイスInfo
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- JP3105374B2 JP3105374B2 JP05044124A JP4412493A JP3105374B2 JP 3105374 B2 JP3105374 B2 JP 3105374B2 JP 05044124 A JP05044124 A JP 05044124A JP 4412493 A JP4412493 A JP 4412493A JP 3105374 B2 JP3105374 B2 JP 3105374B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示デバイスに関す
る。さらに詳しくは、偏光めがねをかけてどの方向から
みても、認識できる液晶表示デバイスに関する。
る。さらに詳しくは、偏光めがねをかけてどの方向から
みても、認識できる液晶表示デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示デバイスは電気信号により液晶
の状態変化を起させ、光学情報に変換するもので、その
機構の違いにより、ツイストネマティック方式や複屈折
制御方式などの方式が採用されている。
の状態変化を起させ、光学情報に変換するもので、その
機構の違いにより、ツイストネマティック方式や複屈折
制御方式などの方式が採用されている。
【0003】従来の液晶表示デバイスの一例を図3に示
す。図3は従来のツイストネマティック型液晶表示デバ
イスを偏光めがねをかけて眺めたばあいの偏光めがねの
吸収軸の方向などを示す分解説明図である。図3におい
て、液晶層(図示されず)が2枚の透明基板(図示され
ず)に挾持された液晶セル1の両側にフロント側偏光板
2およびリア側偏光板3が配設され、裏面側には光源5
が配設されている。液晶層としては、たとえばツイスト
ネマティック(以下、TNという)液晶材料が用いられ
ている。
す。図3は従来のツイストネマティック型液晶表示デバ
イスを偏光めがねをかけて眺めたばあいの偏光めがねの
吸収軸の方向などを示す分解説明図である。図3におい
て、液晶層(図示されず)が2枚の透明基板(図示され
ず)に挾持された液晶セル1の両側にフロント側偏光板
2およびリア側偏光板3が配設され、裏面側には光源5
が配設されている。液晶層としては、たとえばツイスト
ネマティック(以下、TNという)液晶材料が用いられ
ている。
【0004】この例では、前述のフロント側偏光板2お
よびリア側偏光板3は、それぞれの吸収軸の方向C、D
がほぼ同一方向になるように構成されると共に、液晶層
の表示面(フロント面)側の液晶分子の配列方向である
ラビング方向Aとフロント側偏光板2の吸収軸方向Cと
が同一方向になるように構成されている。さらに、この
TN型液晶層は、液晶層のフロント側である表面と、液
晶層のリア側である裏面での液晶分子の配列方向A、B
が90°ねじれているため、フロント側偏光板2の吸収軸
Cとリア側偏光板3の吸収軸の方向Dとが同一方向であ
るタイプはネガ型液晶表示デバイスとよばれ、両電極間
に電圧が印加されていないとき、背景が暗色にみえる。
この逆に両偏光板の吸収軸方向を垂直方向にすることに
よりポジ型にすることもできる。
よびリア側偏光板3は、それぞれの吸収軸の方向C、D
がほぼ同一方向になるように構成されると共に、液晶層
の表示面(フロント面)側の液晶分子の配列方向である
ラビング方向Aとフロント側偏光板2の吸収軸方向Cと
が同一方向になるように構成されている。さらに、この
TN型液晶層は、液晶層のフロント側である表面と、液
晶層のリア側である裏面での液晶分子の配列方向A、B
が90°ねじれているため、フロント側偏光板2の吸収軸
Cとリア側偏光板3の吸収軸の方向Dとが同一方向であ
るタイプはネガ型液晶表示デバイスとよばれ、両電極間
に電圧が印加されていないとき、背景が暗色にみえる。
この逆に両偏光板の吸収軸方向を垂直方向にすることに
よりポジ型にすることもできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の液晶表
示デバイスのばあい、フロント側偏光板2から出射する
光が直線偏光になっているため、図3に示すように観測
者7が偏光めがね6をかけているばあい、見る方向によ
っては液晶表示面が見えなくなる。すなわちフロント側
偏光板2の吸収軸の方向Cと偏光めがね6の吸収軸の方
向Fとのなす角度が90°のばあい、光源5から液晶表示
デバイスに入射し、フロント側偏光板2から出射する光
が、自動車の運転や釣などのときに使用される偏光めが
ね6を透過できなくなるという欠点がある。とくに液晶
表示デバイスが自動車のインジケータなど、表示計器に
使用されたばあい、運転者が偏光板を使用したサングラ
スをかけていることがよくあるため、問題となる。
示デバイスのばあい、フロント側偏光板2から出射する
光が直線偏光になっているため、図3に示すように観測
者7が偏光めがね6をかけているばあい、見る方向によ
っては液晶表示面が見えなくなる。すなわちフロント側
偏光板2の吸収軸の方向Cと偏光めがね6の吸収軸の方
向Fとのなす角度が90°のばあい、光源5から液晶表示
デバイスに入射し、フロント側偏光板2から出射する光
が、自動車の運転や釣などのときに使用される偏光めが
ね6を透過できなくなるという欠点がある。とくに液晶
表示デバイスが自動車のインジケータなど、表示計器に
使用されたばあい、運転者が偏光板を使用したサングラ
スをかけていることがよくあるため、問題となる。
【0006】本発明の目的は、偏光めがねをかけた観測
者がどの方向から眺めても、表示面が偏った着色になら
ないで、確実に視認できる液晶表示デバイスを提供する
ことにある。
者がどの方向から眺めても、表示面が偏った着色になら
ないで、確実に視認できる液晶表示デバイスを提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、偏光めが
ねをかけて液晶表示デバイスをどの方向から見ても見え
るようにするため、鋭意検討を重ねた結果、表示面側で
あるフロント側偏光板の表面に位相差板を配置し、その
光学軸の方向とフロント側偏光板の吸収軸の方向とのな
す角度を一定範囲に設定し、かつ、位相差板のリターデ
イションΔn・dを一定値以上にすることにより、偏光
めがねをかけてどの方向から見ても可視光の全域に対し
認識できることを見出した。
ねをかけて液晶表示デバイスをどの方向から見ても見え
るようにするため、鋭意検討を重ねた結果、表示面側で
あるフロント側偏光板の表面に位相差板を配置し、その
光学軸の方向とフロント側偏光板の吸収軸の方向とのな
す角度を一定範囲に設定し、かつ、位相差板のリターデ
イションΔn・dを一定値以上にすることにより、偏光
めがねをかけてどの方向から見ても可視光の全域に対し
認識できることを見出した。
【0008】本発明の液晶表示デバイスは、2枚の透明
基板で液晶層が挾持され、該2枚の透明基板の外側にそ
れぞれ偏光板が配置され、前記液晶層の一方の面で表示
されてなる液晶表示デバイスであって、前記液晶層の表
示面側に配置されたフロント側偏光板の前面に位相差板
が配置され、該位相差板はその光学軸が前記フロント側
偏光板の吸収軸とほぼ35°〜55°の角度をなすように配
置されると共に、前記位相差板のリターデイションがほ
ぼ4000nm以上の範囲に設定されてなるものである。
基板で液晶層が挾持され、該2枚の透明基板の外側にそ
れぞれ偏光板が配置され、前記液晶層の一方の面で表示
されてなる液晶表示デバイスであって、前記液晶層の表
示面側に配置されたフロント側偏光板の前面に位相差板
が配置され、該位相差板はその光学軸が前記フロント側
偏光板の吸収軸とほぼ35°〜55°の角度をなすように配
置されると共に、前記位相差板のリターデイションがほ
ぼ4000nm以上の範囲に設定されてなるものである。
【0009】
【作用】本発明によれば、フロント側偏光板の前面に位
相差板を配設し、位相差板の光学軸の方向とフロント側
偏光板の吸収軸の方向とのなす角度をほぼ35°〜55°に
すると共に、そのリターデイションΔn・dをほぼ4000
nm以上に設定しているため、位相差板の複屈折性により
常光線と異常光線とのあいだの位相のズレが1/4波長
となる波長の光が、可視光の全波長領域(380nm 〜780n
m )にわたって多数存在する。すなわち青色波長領域
(380 〜500nm )、緑色波長領域(500nm 〜600nm )、
赤色波長領域(600nm 〜780nm)のいずれの波長領域にお
いても、透過率のわるい波長もある反面、透過率のよい
波長が存在し、各色領域で、円偏光に近い楕円偏光にな
る。そのため、一定方向の吸収軸を有する偏光めがねを
使用して、液晶表示デバイスをどの方向から見ても表示
される色によって表示面が見づらくなったりすることが
なく良好に認識することができる。
相差板を配設し、位相差板の光学軸の方向とフロント側
偏光板の吸収軸の方向とのなす角度をほぼ35°〜55°に
すると共に、そのリターデイションΔn・dをほぼ4000
nm以上に設定しているため、位相差板の複屈折性により
常光線と異常光線とのあいだの位相のズレが1/4波長
となる波長の光が、可視光の全波長領域(380nm 〜780n
m )にわたって多数存在する。すなわち青色波長領域
(380 〜500nm )、緑色波長領域(500nm 〜600nm )、
赤色波長領域(600nm 〜780nm)のいずれの波長領域にお
いても、透過率のわるい波長もある反面、透過率のよい
波長が存在し、各色領域で、円偏光に近い楕円偏光にな
る。そのため、一定方向の吸収軸を有する偏光めがねを
使用して、液晶表示デバイスをどの方向から見ても表示
される色によって表示面が見づらくなったりすることが
なく良好に認識することができる。
【0010】
【実施例】つぎに、図面を参照しながら本発明を説明す
る。図1は本発明のTN型液晶表示デバイスを偏光めが
ねをかけて眺めたばあいの偏光めがねの吸収軸の方向な
どを示す分解説明図、図2は液晶セルに電界を印加した
ばあいに、位相差板から出た種々の波長の光の偏光めが
ねの透過率を表わすグラフである。
る。図1は本発明のTN型液晶表示デバイスを偏光めが
ねをかけて眺めたばあいの偏光めがねの吸収軸の方向な
どを示す分解説明図、図2は液晶セルに電界を印加した
ばあいに、位相差板から出た種々の波長の光の偏光めが
ねの透過率を表わすグラフである。
【0011】図1において、液晶層が2枚の透明基板に
挾持された液晶セル1の両側にフロント側偏光板2およ
びリア側偏光板3が配設され、表示面側であるフロント
側偏光板2の表面側にさらに位相差板4が配設されてい
る。また裏面側には光源5が配設されている。液晶材料
としては、たとえばTN液晶が用いられ、両透明基板間
で90°のねじれが生じるため、両側の透明基板に設けら
れるラビング方向は、たとえば図1にA、Bで示される
ように90°の方向をなしている。また両偏光板2、3の
吸収軸の方向C、Dは図1に示すように、フロント側と
リア側とで同じ方向にして、ネガ型TN液晶表示デバイ
スを構成している。6は偏光めがねを示し、位相差板4
の光学軸の方向をE、偏光めがね6の吸収軸の方向をF
で示している。位相差板4は、フロント側偏光板2の前
に一定の間隙をあけて配置してもよいし、フロント側偏
光板2の表面に密着または接着してもよい。また位相差
板4の表面をアングレア処理し、乱反射機能をもたせて
もよい。こうすることにより液晶表示パネル表面におけ
る外光反射による視認性低下を防止する効果がある。位
相差板4はたとえばポリカーボネートなどの異常光線と
常光線とのあいだで位相差を生じるフィルムからなり、
高分子材料が熱延伸され、一軸延伸高分子フィルムに形
成されている。また位相差板4は、雲母、人工雲母、水
晶などの無機物により作製することもできる。位相遅れ
(リターデイション)Rと屈折率ne 、no とのあいだ
には R=|ne −no |×d=Δn・d の関係が成り立つ。ここで、dは板材の厚さ、ne は異
常光線に対する屈折率、no は常光線に対する屈折率で
ある。
挾持された液晶セル1の両側にフロント側偏光板2およ
びリア側偏光板3が配設され、表示面側であるフロント
側偏光板2の表面側にさらに位相差板4が配設されてい
る。また裏面側には光源5が配設されている。液晶材料
としては、たとえばTN液晶が用いられ、両透明基板間
で90°のねじれが生じるため、両側の透明基板に設けら
れるラビング方向は、たとえば図1にA、Bで示される
ように90°の方向をなしている。また両偏光板2、3の
吸収軸の方向C、Dは図1に示すように、フロント側と
リア側とで同じ方向にして、ネガ型TN液晶表示デバイ
スを構成している。6は偏光めがねを示し、位相差板4
の光学軸の方向をE、偏光めがね6の吸収軸の方向をF
で示している。位相差板4は、フロント側偏光板2の前
に一定の間隙をあけて配置してもよいし、フロント側偏
光板2の表面に密着または接着してもよい。また位相差
板4の表面をアングレア処理し、乱反射機能をもたせて
もよい。こうすることにより液晶表示パネル表面におけ
る外光反射による視認性低下を防止する効果がある。位
相差板4はたとえばポリカーボネートなどの異常光線と
常光線とのあいだで位相差を生じるフィルムからなり、
高分子材料が熱延伸され、一軸延伸高分子フィルムに形
成されている。また位相差板4は、雲母、人工雲母、水
晶などの無機物により作製することもできる。位相遅れ
(リターデイション)Rと屈折率ne 、no とのあいだ
には R=|ne −no |×d=Δn・d の関係が成り立つ。ここで、dは板材の厚さ、ne は異
常光線に対する屈折率、no は常光線に対する屈折率で
ある。
【0012】前述のように表示面側に偏光板が配設され
た液晶表示デバイスでは、フロント側偏光板2から出射
した光は、フロント側偏光板の吸収軸の方向と一致する
直線偏光となっているが、本発明では位相差板4を配設
しているため、位相差板4を透過する際に常光線と異常
光線との間に位相のずれが生じ、楕円偏光に変わる。し
たがって位相差板4を配設することにより、偏光めがね
6をかけて液晶表示デバイスを観賞したばあいでも、一
般的にはどの方向からでも観賞できる筈である。しか
し、光の波長と位相差板の厚さによっては殆ど直線偏光
となったり、短軸が短い楕円偏光となったり、また可視
光の波長領域は広く、波長によっては見づらい部分が生
じ、見る方向によって見づらいばあいが生じる。そこで
本発明者らは位相差板の光学軸の方向や厚さを種々変え
て鋭意検討を重ねた結果、位相差板4をフロント側偏光
板2の表面側に配置すると共に、位相差板4の光学軸方
向Eとフロント側偏光板2の吸収軸方向Cとのなす角度
(鋭角)αをほぼ35°〜55°にし、同時に位相差板のリ
ターデイションΔn・dをほぼ4000nm以上にすることに
より、偏光めがねをかけてどの方向から観賞しても良好
に視認できることを見出した。
た液晶表示デバイスでは、フロント側偏光板2から出射
した光は、フロント側偏光板の吸収軸の方向と一致する
直線偏光となっているが、本発明では位相差板4を配設
しているため、位相差板4を透過する際に常光線と異常
光線との間に位相のずれが生じ、楕円偏光に変わる。し
たがって位相差板4を配設することにより、偏光めがね
6をかけて液晶表示デバイスを観賞したばあいでも、一
般的にはどの方向からでも観賞できる筈である。しか
し、光の波長と位相差板の厚さによっては殆ど直線偏光
となったり、短軸が短い楕円偏光となったり、また可視
光の波長領域は広く、波長によっては見づらい部分が生
じ、見る方向によって見づらいばあいが生じる。そこで
本発明者らは位相差板の光学軸の方向や厚さを種々変え
て鋭意検討を重ねた結果、位相差板4をフロント側偏光
板2の表面側に配置すると共に、位相差板4の光学軸方
向Eとフロント側偏光板2の吸収軸方向Cとのなす角度
(鋭角)αをほぼ35°〜55°にし、同時に位相差板のリ
ターデイションΔn・dをほぼ4000nm以上にすることに
より、偏光めがねをかけてどの方向から観賞しても良好
に視認できることを見出した。
【0013】前述の構成の液晶表示デバイスを製造し、
位相差板4をフロント側偏光板2の表面に密着させ、位
相差板4の光学軸の方向Eとフロント側偏光板2の吸収
軸の方向Cとのなす角度αを、0〜90°のあいだで5°
または10°ずつ変えると共に、それぞれの角度αに対
し、位相差板のリターデイションΔn・dを500 〜1000
0 nmの範囲で変化させた。それぞれのリターデイション
Δn・dの値と角度αのときに、偏光めがね6の吸収軸
Fを360 °回転させながら、観測者7が目視により液晶
表示面の視認特性を測定した。表1にその結果を示す。
位相差板4をフロント側偏光板2の表面に密着させ、位
相差板4の光学軸の方向Eとフロント側偏光板2の吸収
軸の方向Cとのなす角度αを、0〜90°のあいだで5°
または10°ずつ変えると共に、それぞれの角度αに対
し、位相差板のリターデイションΔn・dを500 〜1000
0 nmの範囲で変化させた。それぞれのリターデイション
Δn・dの値と角度αのときに、偏光めがね6の吸収軸
Fを360 °回転させながら、観測者7が目視により液晶
表示面の視認特性を測定した。表1にその結果を示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1から明らかなように、リターデイショ
ンΔn・dがほぼ4000nm以上で、かつ、角度αがほぼ35
°〜55°の範囲では、偏光めがね6の吸収軸方向Fを36
0 °どの方向に向けても液晶表示面が認識できた。とく
にリターデイションが5000nm以上で、かつ、角度αが45
°の範囲で認識状態が最も優れており(表1のa)、ま
たリターデイションが5000nm以上で、かつ、角度αが40
°〜50°の範囲でも良好に認識でき、好ましかった(表
1のb)。さらにリターデイションが4000nm以上で、か
つ、角度αが35°〜55°の範囲でもやや視認特性は低下
したが認識はできた(表1のc)。また、偏光めがねの
角度によっては認識できないものを−で示した。
ンΔn・dがほぼ4000nm以上で、かつ、角度αがほぼ35
°〜55°の範囲では、偏光めがね6の吸収軸方向Fを36
0 °どの方向に向けても液晶表示面が認識できた。とく
にリターデイションが5000nm以上で、かつ、角度αが45
°の範囲で認識状態が最も優れており(表1のa)、ま
たリターデイションが5000nm以上で、かつ、角度αが40
°〜50°の範囲でも良好に認識でき、好ましかった(表
1のb)。さらにリターデイションが4000nm以上で、か
つ、角度αが35°〜55°の範囲でもやや視認特性は低下
したが認識はできた(表1のc)。また、偏光めがねの
角度によっては認識できないものを−で示した。
【0016】本発明ではリターデイションが大きな位相
差板を使用しているため、位相差板に入射する直線偏光
の波長の違いがわずかであっても、位相差板による常光
線と異常光線との位相のズレは大きなものとなり、図2
に示すように、位相のズレが1/4波長となる波長の光
が可視光の波長領域に多数存在する。そのため、前述の
角度αがほぼ35°〜55°、位相差板のリターデイション
をほぼ4000nm以上にすることにより、偏光めがねをかけ
てどの方向から見ても、液晶表示デバイスの表示画面を
認識することができる。
差板を使用しているため、位相差板に入射する直線偏光
の波長の違いがわずかであっても、位相差板による常光
線と異常光線との位相のズレは大きなものとなり、図2
に示すように、位相のズレが1/4波長となる波長の光
が可視光の波長領域に多数存在する。そのため、前述の
角度αがほぼ35°〜55°、位相差板のリターデイション
をほぼ4000nm以上にすることにより、偏光めがねをかけ
てどの方向から見ても、液晶表示デバイスの表示画面を
認識することができる。
【0017】なお、図2は位相差板の角度αを45°、リ
ターデイションが5000nm、偏光めがねの吸収軸方向Fを
フロント側偏光板の吸収軸方向Cと直交する方向とした
ときの各波長に対する透過率を示す。ここでフロント側
偏光板2の吸収軸方向Cと偏光めがね6の吸収軸方向F
を同一方向にし、位相差板4がないときの透過率を100
%とした。
ターデイションが5000nm、偏光めがねの吸収軸方向Fを
フロント側偏光板の吸収軸方向Cと直交する方向とした
ときの各波長に対する透過率を示す。ここでフロント側
偏光板2の吸収軸方向Cと偏光めがね6の吸収軸方向F
を同一方向にし、位相差板4がないときの透過率を100
%とした。
【0018】前記実施例では、液晶セルの背後に光源5
を配置する透過型液晶表示デバイスの例を示したが、光
源5に代えて反射板を配置し、表示面側からの光を反射
させる反射型液晶表示デバイスにしても反射した光が透
過型のばあいと同じ経路をとるため、同様の結果がえら
れた。
を配置する透過型液晶表示デバイスの例を示したが、光
源5に代えて反射板を配置し、表示面側からの光を反射
させる反射型液晶表示デバイスにしても反射した光が透
過型のばあいと同じ経路をとるため、同様の結果がえら
れた。
【0019】本発明の効果はネガタイプの液晶表示デバ
イスのみならず、ポジタイプの液晶表示デバイスのばあ
いでも、同様の効果がえられる。さらに本発明は、TN
液晶を用いた液晶表示デバイスに限定されず、他の液
晶、たとえばスーパーツイストネマティック液晶を用い
た液晶表示デバイスなどでも、フロント側偏光板の吸収
軸と位相差板の光学軸方向の関係を保持することによ
り、同様の効果がえられる。
イスのみならず、ポジタイプの液晶表示デバイスのばあ
いでも、同様の効果がえられる。さらに本発明は、TN
液晶を用いた液晶表示デバイスに限定されず、他の液
晶、たとえばスーパーツイストネマティック液晶を用い
た液晶表示デバイスなどでも、フロント側偏光板の吸収
軸と位相差板の光学軸方向の関係を保持することによ
り、同様の効果がえられる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、液晶表示デバイスのフ
ロント側偏光板の前面に、ほぼ4000nm以上のリターデイ
ションを有し、その光学軸が特定方向を向いた位相差板
を配置しているため、偏光めがねをかけてどの方向から
眺めたばあいでも、可視領域の各色を認識することがで
き、液晶表示面を明確に認識することができる。その結
果、偏光めがねをかけて運転することが多いドライバー
などが、自動車内の計器類を見るばあいでも常に視認す
ることができ、運転に支障をきたすことがない。
ロント側偏光板の前面に、ほぼ4000nm以上のリターデイ
ションを有し、その光学軸が特定方向を向いた位相差板
を配置しているため、偏光めがねをかけてどの方向から
眺めたばあいでも、可視領域の各色を認識することがで
き、液晶表示面を明確に認識することができる。その結
果、偏光めがねをかけて運転することが多いドライバー
などが、自動車内の計器類を見るばあいでも常に視認す
ることができ、運転に支障をきたすことがない。
【0021】さらに本発明の液晶表示デバイスは、従来
の液晶表示デバイスの表面に、ポリカーボネートなどか
らなる厚い位相差板を設けるだけでえられるので、従来
の製造プロセスを殆ど変更する必要がなく、安価にうる
ことができる。
の液晶表示デバイスの表面に、ポリカーボネートなどか
らなる厚い位相差板を設けるだけでえられるので、従来
の製造プロセスを殆ど変更する必要がなく、安価にうる
ことができる。
【図1】本発明のTN型液晶表示デバイスを偏光めがね
をかけて眺めたばあいの偏光めがねの吸収軸の方向など
を示す分解説明図である。
をかけて眺めたばあいの偏光めがねの吸収軸の方向など
を示す分解説明図である。
【図2】位相差板から出た種々の波長の光の偏光めがね
の透過率を表わすグラフである。
の透過率を表わすグラフである。
【図3】従来のTN型液晶表示デバイスを偏光めがねを
かけて眺めたばあいの偏光めがねの吸収軸の方向などを
示す分解説明図である。
かけて眺めたばあいの偏光めがねの吸収軸の方向などを
示す分解説明図である。
1 液晶セル 2 フロント側偏光板 3 リア側偏光板 4 位相差板 C フロント側偏光板の吸収軸方向 E 位相差板の光学軸方向
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1335 - 1/13363
Claims (1)
- 【請求項1】 2枚の透明基板で液晶層が挾持され、該
2枚の透明基板の外側にそれぞれ偏光板が配置され、前
記液晶層の一方の面で表示されてなる液晶表示デバイス
であって、前記液晶層の表示面側に配置されたフロント
側偏光板の前面に位相差板が配置され、該位相差板はそ
の光学軸が前記フロント側偏光板の吸収軸とほぼ35°〜
55°の角度をなすように配置されると共に、前記位相差
板のリターデイションがほぼ4000nm以上の範囲に設定さ
れてなる液晶表示デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05044124A JP3105374B2 (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 液晶表示デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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