JP3099991B2 - 二軸配向積層ポリエステルフイルム - Google Patents
二軸配向積層ポリエステルフイルムInfo
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Description
テルフイルムに関するものであり、特に走行耐久性が要
求される磁気記録テープ用基材として有用なフイルムに
関する。
としてポリエチレン−2,6−ナフタレートフイルムが
知られている(例えば、特開昭62−241129号公
報、特開昭63−113931号公報)。また、芯層を
ポリエチレンテレフタレート、外層をポリエチレン−
2,6−ナフタレートとした積層型の二軸配向ポリエス
テルフイルムが知られている(例えば、特開昭63−1
97643号公報)。
長時間化の要求に伴い、カセットに収納される磁気テー
プを薄膜化して長尺化することが進められており、その
ためにはベースフイルムの薄膜化が不可欠となってきて
いる。しかし、これまで磁気テープのベースフイルムと
して広く使用されている二軸配向ポリエチレンテレフタ
レートフイルムの一層の薄膜化は磁気テープとしての腰
の強さを低下させ、テープ走行時にテープ端面の変形や
折れじわ等を発生させて記録に大きな歪を生じさせてし
まうことになり、薄膜化は限界に近い状況にある。一
方、二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレートフイ
ルムは、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルム
に比べ、機械強度、特に弾性率がかなり高いことが知ら
れており、その分一層の薄膜化が可能となり、磁気テー
プの記録の長時間化の要求に応えつつある。さらに、そ
の分子構造に剛直なナフタレン環を持つためフイルム表
面が硬くて傷つきにくいという特性も有している。ま
た、これらの二軸配向フイルムを磁気テープとして用い
る場合、その良好な走行性を確保するために、細かな粒
子を均一に含有させてフイルム表面に微細な突起を形成
させ易滑性を付与することが有効であることが知られて
いる。勿論こうした粒子は、ドロップアウトや出力特性
に悪影響を与えないような微小粒子が選択されている。
来の二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィ
ルムや外層をポリエチレン−2,6−ナフタレートとし
た積層型の二軸配向ポリエステルフイルムは、フイルム
の加工工程、例えば磁気テープにおいて磁性層塗布後の
カレンダー工程や搬送ガイドロールなどにおいて、フイ
ルム表面が削られて粉が発生し、その粉が工程内を汚染
して製品性能(出力特性やドロップアウト等)を著しく
悪化させることが問題となってきており、こうしたトラ
ブルは、最近の加工工程の増速化等による加工条件の苛
酷化も拍車をかけている。また、芯層をポリエチレンテ
レフタレート、外層をポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートとした積層型の二軸配向ポリエステルフイルムおい
ては、ポリエチレン−2,6−ナフタレートの層が薄い
ため、その優れた機械強度の寄与が小さく積層フイルム
全体としてさほど弾性率が上がらない。このため、磁気
テープのベースフイルムとして用いた場合、実質的に薄
膜化が難しいという問題があった。
に対応できる高い機械強度およびフイルム表面の傷つき
にくさを損なうことなく、苛酷な条件に対しても優れた
耐削れ性を発揮し得る、磁気テープ用ベースフイルムと
して最適な積層フイルムを提供することを目的とする。
二軸配向積層ポリエステルフイルムは、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート層の少なくとも片面にエチレン−
2,6−ナフタレート成分を30〜80重量%含むポリ
エステル層を積層した積層フイルムであって、積層され
た層の厚みが0.01μm以上で、かつ該積層厚みtμ
mと該積層部に含有させる粒子の平均粒径dμmが下式
(1) の関係を満足するものからなる。 0.1≦t/d≦2.5 (1)
されるポリエステル層においては、エチレン−2,6−
ナフタレート以外の他成分としてはエチレンテフタレー
トが好ましい。
フタレート(以後、PENと略すこともある。)は、そ
の優れた機械強度を発揮させるためには他成分の共重合
またはブレンドは10重量%以内、好ましくは5重量%
以内であることが望ましく、さらには該ポリマの固有粘
度は0.55以上であることが望ましい。
るエチレン−2,6−ナフタレート成分を含むポリエス
テル層におけるエチレン−2,6−ナフタレート以外の
成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ア
ジピン酸、シュウ酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン
酸などのジカルボン酸成分、またはその低級アルキルエ
ステルやジエチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、プロピレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオー
ル成分が挙げられ、含ませる方法としてはPENとの共
重合やブレンド(例えばポリエチレンテレフタレートや
その共重合物など)が挙げらるが、本発明の目的を達成
しうるものなら特にこれらに限定されるものではない。
そのほか、本発明を阻害しない範囲内で他種ポリマをブ
レンドまたは共重合してもよいし、酸化防止剤、熱安定
剤、滑剤、紫外線吸収剤、核生成剤などの無機または有
機の添加剤が通常添加される程度に添加されていてもよ
い。
には、エチレン−2,6−ナフタレート成分を30〜8
0重量%、好ましくは35〜75重量%、さらに好まし
くは40〜70重量%含むことが必要である。エチレン
−2,6−ナフタレート成分がこの範囲より少ないと耐
スクラッチ性や耐削れ性が悪化するので好ましくない。
一方、この範囲より多いと耐削れ性が悪化するので好ま
しくない。また、積層するポリエステルのIVを0.5
2以上、好ましくは0.55以上にするとフイルム表面
の耐削れ性が一層良好となるので望ましい。積層方法と
しては、均一で良好な表面形態を得やすい共押し出しに
よることが望ましい。
子を含有させその表面に微細な突起を形成させることに
より易滑性を付与するが、含有させる粒子は、その粒径
比(粒子の長径/短径)が1.0〜1.3、特に球形状
の場合に耐削れ性が一層良好となるので望ましい。含有
させる粒子の種類は特に限定されないが、上記の粒子特
性を満足させるには、アルミナ珪酸塩、1次粒子が凝集
した状態のシリカ、内部析出粒子などは好ましくなく、
コロイダルシリカに起因する実質的に球形のシリカ粒
子、架橋高分子による粒子(例えば架橋ポリスチレンや
架橋ジビニルベンゼン)などが挙げられる。しかしなが
ら、その他の粒子、例えば炭酸カルシウム、二酸化チタ
ン、アルミナ等の粒子でも粒径分布の適切なコントロー
ルにより十分に使いこなせるものである。
平均粒径が0.03〜1.5μm、好ましくは0.05
〜1μmの場合に耐削れ性が一層良好となるので望まし
い。
有させる粒子の量は0.05〜20重量%、好ましくは
0.1〜15重量%、より好ましくは0.1〜10重量
%である場合に、フイルムの滑り性が良好で、耐削れ性
が良好となるので望ましい。また、本発明を阻害しない
ならば粒子種や平均粒径の異なるものを2種類以上併用
しても構わない。
は、0.01μm以上、好ましくは0.03μm以上、
かつ積層厚みtμmと該積層部に含有させる粒子の平均
粒径dμmの関係式t/dが0.1〜2.5、好ましく
は0.3〜2である。積層厚みがこの範囲より薄いと耐
削れ性の改善が困難となるので好ましくない。また、t
/dがこの範囲より小さいと耐削れ性が悪化するので好
ましくない。一方、この範囲より大きいと耐スクラッチ
性が悪化するので好ましくない。なお、該積層部に平均
粒径の異なる2種類以上の粒子を併用する場合は、その
内の主用粒子の平均粒径dをもって関係式t/dを満足
させるようにする。
層のエチレン−2,6−ナフタレート成分以外の他成分
をエチレンテフタレートとした場合に、特に耐削れ性、
耐スクラッチ性が良好となるので好ましい。
面にエチレン−2,6−ナフタレート成分を含むポリエ
ステルを積層した二軸配向積層ポリエステルフイルムで
ある。無配向あるいは一軸配向フイルムでは、磁気テー
プとした場合の走行性、出力特性、耐削れ性等が不良と
なるので好ましくない。この配向の程度は特に限定する
ものではないが、フイルムの長手方向と幅方向の弾性率
の和が1200〜2000kg/mm2 、好ましくは1
300〜1800kg/mm2 である場合に、磁気テー
プとしての走行性、出力特性、耐削れ性等が良好となる
ので望ましい。
おいては高精度瀘過が必須であるが、PENはポリエチ
レンテレフタレート(以後PETと略すこともある。)
に比べて溶融粘度が数倍高いため、それに伴う初期の瀘
圧が著しく高い。また、易滑性を付与するために含有さ
せた粒子の目詰まりによる瀘圧上昇も急激であるため瀘
材の交換を頻繁に行なう必要がある。しかし、本発明フ
イルムにおいては、芯層部のPEN層にはエチレン−
2,6−ナフタレート含むポリエステル層が積層される
ので、この積層部に微小粒子を含有させて易滑性を付与
しておけば芯層部のPENには何ら粒子を含有させる必
要がなく、目詰まりによる瀘圧上昇は全く問題ない程度
に低く抑えられ瀘材の寿命を十分に長くできるし、ま
た、芯層のPENに微小粒子を含有させた場合、急激な
瀘圧上昇を抑制するために瀘材を多少甘くしても、積層
されたポリエステル層により粗大突起を低く抑えること
ができるなどの利点も有する。
イルムの製造方法について説明する。まず、積層部のポ
リエステルにおいて、エチレン−2,6−ナフタレート
成分以外の他成分を含ませる方法としては、ポリエステ
ルの重合工程で他成分を共重合させる方法、PENと他
成分のポリエステルをあらかじめブレンドして溶融押し
出しする方法などがあるが、特に限定されるものではな
く、他成分の種類、性質によって適切な方法を用いるこ
とができる。
部のPENに粒子を含有させる方法としては、ポリエス
テルの重合工程で粒子を含有せしめる方法、粒子を実質
的に含有しないポリエステルをあらかじめ重合してお
き、そこにベント式二軸混練押出し機等を用いて粒子を
練り込む方法などがあるが、特に限定されず、粒子の種
類、性質によって適切な方法を用いることができる。ま
た、上記のホモまたは共重合ポリエステルに含有させる
粒子濃度を高め、粒子マスタチップとしておけば、必要
に応じて、実質的に粒子を含有しないポリエステルで任
意の濃度に希釈して使用できる。
合物などに粒子を含有させたポリエステルAのペレット
を、必要に応じて、実質的に粒子を含有しないポリエス
テルAまたは必要とされる他種ポリエステルで任意の濃
度に希釈し乾燥した後、公知の溶融押出機1に供給し、
実質的に粒子を含有しないPENに、必要に応じて少量
の粒子含有PENを加えて乾燥した後、溶融押出機2に
供給し、2または3層の合流ブロックまたはマニホール
ドを用いて、PENを芯層として積層し、スリット状の
口金から2または3層のシートを押出し、20〜60℃
のキャスティングロールで冷却して未延伸フイルムを作
る。この場合、合流断面が矩形の合流ブロックを用いて
積層する方法が、積層厚さをフイルム幅方向に均一にで
き、本発明範囲の積層厚み構成のフイルムを安定して製
造するのに有効である。
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、ついで幅方向の延伸を行なう逐次二軸延
伸法が、延伸破れなく本発明フイルムを得るのに有効で
ある。
なわれるが、予熱、延伸ロール群の表面材質は非粘着性
のもの(例えばテフロンやシリコンゴム)が好ましい。
ロールでの粘着はフイルムの面粗れや粗大突起を発生さ
せ、磁気テープとして用いた場合の耐削れ性や製品性能
が悪化する。長手方向の延伸温度は120〜150℃、
好ましくは125〜145℃である。延伸温度がこの範
囲を外れると延伸斑や面粗れが発生しやすく耐削れ性や
製品性能が悪化する。延伸倍率は3.5〜6倍、好まし
くは4〜5.5倍である。延伸倍率がこの範囲より小さ
いと延伸斑を生じたり、十分な機械強度が得られない。
一方、この範囲より大きいと幅方向の均一な延伸が難し
く、耐削れ性も悪化する傾向にある。また、長手方向の
延伸速度は5000〜200000%/minが均一延
伸する上で好適である。
ンタを用いる方法が一般的であり、延伸温度としては1
00〜160℃、好ましくは110〜150℃である。
延伸温度がこの範囲を外れると均一な延伸が難しくな
る。延伸倍率としては、3〜8倍、好ましくは4〜7倍
である。延伸倍率がこの範囲より小さいと耐削れ性が悪
化する傾向にある。一方この範囲より大きいとフイルム
破れが頻発する。幅方向の延伸速度は1000〜200
00%/minが均一延伸する上で好適である。
くとも一方向にさらに延伸してもよい。再延伸する場合
には、延伸温度を120〜170℃、延伸倍率を1.1
〜2倍にすることが好ましい。これらの範囲を外れる
と、均一な延伸ができなかったり、フイルム破れが頻発
したりする。また、耐削れ性も悪化する方向にある。
理温度としては、160〜240℃、好ましくは170
〜220℃である。熱処理温度がこの範囲を外れると、
耐削れ性が悪化する傾向にある。熱処理時間は、0.5
〜60秒が好適である。熱収縮抑制等を目的とした熱処
理後のリラックスは10%以内であれば任意に行なって
差し支えない。
本発明の特性値の測定方法および効果の評価方法は次の
とおりである。 (1)粒子の平均粒径 フイルムからポリエステルをプラズマ低温灰化処理法
(例えばヤマト科学製PR−503型)で除去し、粒子
を露出させる。処理条件は、ポリエステルは灰化される
が粒子はダメージを受けない条件を選択する。これをS
EM(走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像をイメ
ージアナライザーで処理する。観察箇所を変えて、粒子
数5000個以上で次の数値処理を行ない、それによっ
て求めた数平均径Dを平均粒径とする。 D= Di /N
数である。 (2)粒径比 上記(1)の測定において個々の粒子の長径の平均径/
短径の平均径の比である。すなわち、下式で求められ
る。 長径= D1i /N 短径= D2i /N ここで、D1i 、D2i はそれぞれ個々の粒子の長径
(最大径)、短径(最短径)、Nは粒子数である。
し、粒子をポリエステルから遠心分離して、粒子の全体
重量に対する比率(重量%)を持って粒子含有量とす
る。
切り出し、チャック間の距離を100mm、引張速度2
0mm/min、チャート速度500mm/minとし
て、インストロンタイプの引張試験機にて引っ張り、チ
ャートに描かれた荷重−伸び曲線の立ち上がりに接線を
引き弾性率を計算する。
ら深さ3000nmの範囲のフイルム中の粒子の内、最
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまでの厚さ方向の分析を行なう。表層で
は表面という界面のために粒子濃度は低く、表面から中
に入るにつれて粒子濃度は高くなる。本発明フイルムの
場合、一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始め
る。この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の
1/2となる深さ(この深さは極大値となる深さよりも
深い)を求め、これを積層厚さとした。条件は次の通り
である。 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA社製 A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種:O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域:400μm□ 分析領域:ゲート30% 測定真空度:6.0×10-9Torr E−GUN:0.5KV−3.0A なお、表層から深さ3000nmの範囲に最も多く含有
する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでの測定が
難しいので、表面からエッチングしながらXPS(X線
光電子分析法)、IR(赤外分光法)などで上記同様の
デプスプロファイルを測定し積層厚さを求めてもよい
し、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変
化状態やポリマの違いによるコントラストの差から界面
を認識し積層厚さを求めることもできる。さらには、積
層ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚さを
求めることもできる。
のにフェザー安全剃刃製片刃を垂直に押し当て、さらに
1mm押し込んだ状態で、走行張力90g、走行速度2
50m/minとして、50m走行させる。この時、片
刃の先に付着したフイルム表面の削れ物の高さを顕微鏡
で読み取り削れ量とした(単位はμm)。少なくとも片
面について、この削れ量を測定し、耐削れ性を次のよう
に判定した。 削れ量(μm) 判定 30未満 : ◎ 本発明の目的範囲内で特に好ましい。 30〜50未満 : ○ 本発明の目的範囲内で好ましい。 50〜100未満 : △ 本発明の目的を達成するには不十分。 100以上 : × 本発明の目的を達成できない。 ここでの削れ量50μmという値は、磁気テープの高性
能化が一層計られる中、加工工程特にカレンダー工程に
おいて、フイルム表面が削れることによって製品性能
上、特にドロップアウトや出力不足を引き起こすか否か
をこれまで以上に厳しく判定するための臨界点である。
のをテープ走行試験機を使用して、ガイドピン(表面粗
さRa:0.04μm)上を、ピン巻付け角60度、走
行張力65g、走行速度250m/minとして、10
0m走行させる。この時、ガイドピンに付いた削れ粉の
量を目視で測り、耐削れ性を次のように判定した。 削れ粉付着量 判定 極少ない : ○ 本発明の目的範囲内で好ましい。 やや多い : △ 本発明の目的を達成するには不十分。 多い : × 本発明の目的を達成できない。 本評価は、実機に対応した走行試験であり、フイルム表
面が削れることによって磁気テープの製品性能上、特に
ドロップアウトや出力不足を厳しく判定するものであ
る。
のをテープ走行試験機を使用して、ガイドピン(表面粗
さRa:0.04μm)上を、ピン巻付け角60度、走
行張力65g、走行速度250m/minとして、10
0m走行させる。この時、フイルムに入った傷を顕微鏡
で観察し、耐スクラッチ性を次のように判定した。 スクラッチ傷の数(本) 判定 5未満 : ◎ 実用可で特に好ましい。 5〜10未満 : ○ 実用可。 10以上 : × 実用不可。 本評価は、実機に対応した走行試験であり、スクラッチ
傷によって面形態が悪化し磁気テープの製品性能上、特
にドロップアウトや出力不足を厳しく判定するものであ
る。
子、架橋ポリスチレン粒子を含有するエチレングリコー
ルスラリーを調製し、このエチレングリコールスラリー
を2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,6−
ナフタレンジカルボン酸ジメチルを含む他のジカルボン
酸ジメチルとエステル交換反応させ、重縮合し、該粒子
を0.5〜10重量%含有する固有粘度0.60のPE
Nまたはその共重合物のペレットを作った(ポリエステ
ルA)。また、常法によって、固有粘度0.63のPE
Nのペレットを作った。これらのペレットをそれぞれ1
70℃で6時間真空乾燥した後、ポリエステルA、必要
に応じてポリエステルAの無粒子や他種ポリエステルと
混合したものを積層側の押出機に供給し、一方、PEN
を芯層側の押出機に供給し、280〜300℃で溶融
し、これらの溶融ポリマを合流部が矩形の3層合流ブロ
ックで合流積層し、スリット幅1mmの口金から吐出さ
せ、静電印加キャストにより表面温度30℃のキャステ
ィングドラムに巻き付けて冷却固化して、未延伸フイル
ムを作った。この未延伸フイルムをロール表面温度13
0℃にて長手方向に5倍延伸し、ひき続きテンタにて雰
囲気温度135℃にて幅方向に4.5倍延伸し、190
℃にて5秒間熱固定し、全厚さ6μmで積層部のポリマ
組成、粒子種、平均粒径、積層厚み等を変えた二軸配向
積層ポリエステルフイルムを得た(表1)。
ムの特性は表2に示す通りであり、本発明の要件を満足
するものは、PENが有する高い機械強度を損なうこと
なく、耐削れ性、耐スクラッチ性に優れたものである
が、そうでない場合はこれら特性を兼備したものは得ら
れなかった。
℃、延伸倍率を3.4倍とし、幅方向の延伸温度を95
℃、延伸倍率を4.0倍とする以外は比較例1と同様に
して二軸配向積層ポリエステルフイルムを得た。本フイ
ルムは、芯層をPETとしているため弾性率が450/
530kg/mm2 (長手方向/幅方向)と低い上に、
耐削れ性も不良であった。
−ナフタレート層の少なくとも片面に積層するポリエス
テル層のエチレン−2,6−ナフタレート成分の量と積
層厚みを特定の構成とした二軸配向積層ポリエステルフ
イルムとしたので、芯層部のポリエチレン−2,6−ナ
フタレート層によって高い機械強度を得つつ、積層部の
エチレン−2,6−ナフタレート成分を含んだポリエス
テル層によって優れた耐削れ性、耐スクラッチ性を得る
ことができ、本発明フイルムを磁気テープに用いた場
合、その加工工程内での削れ粉や擦り傷の発生を大幅に
抑制でき、高品位な磁気テープを安定して作ることがで
きる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリエチレン−2,6−ナフタレート層
の少なくとも片面にエチレン−2,6−ナフタレート成
分を30〜80重量%含むポリエステル層を積層した積
層フイルムであって、積層された層の厚みが0.01μ
m以上で、かつ該積層厚みtμmと該積層部に含有させ
る粒子の平均粒径dμmが下式(1) の関係を満足するこ
とを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフイルム。 0.1≦t/d≦2.5 (1) - 【請求項2】 前記積層フイルムの少なくとも片面に積
層されるポリエステル層において、エチレン−2,6−
ナフタレート以外の他成分がエチレンテフタレートで構
成される請求項1の二軸配向積層ポリエステルフイル
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6939792A JP3099991B2 (ja) | 1992-02-20 | 1992-02-20 | 二軸配向積層ポリエステルフイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6939792A JP3099991B2 (ja) | 1992-02-20 | 1992-02-20 | 二軸配向積層ポリエステルフイルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05229083A JPH05229083A (ja) | 1993-09-07 |
JP3099991B2 true JP3099991B2 (ja) | 2000-10-16 |
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ID=13401433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6939792A Expired - Lifetime JP3099991B2 (ja) | 1992-02-20 | 1992-02-20 | 二軸配向積層ポリエステルフイルム |
Country Status (1)
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-
1992
- 1992-02-20 JP JP6939792A patent/JP3099991B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH05229083A (ja) | 1993-09-07 |
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