JP3087377B2 - TiまたはTi合金製の部材のための表面硬化材、表面硬化方法および表面硬化部材 - Google Patents
TiまたはTi合金製の部材のための表面硬化材、表面硬化方法および表面硬化部材Info
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Description
の機械構造部材に硬質の表面を形成するための表面硬化
材に関する。 本発明は、その表面硬化材を使用して行
なう表面硬化方法と、その結果得られる表面硬化部材に
も関する。
金は一般に軽量であって比強度が高く、耐食性もすぐれ
ているため、種々の機械部品への使用が試みられてい
る。 とくに、回転や往復の運動をする部材に使用すれ
ば、在来の鋼製の部材の場合より駆動エネルギーを小さ
くでき、振動も軽減されて好ましい。
V,Ti−6Al−6V−2Sn,Ti−6Al−2S
n−4Zr−2Mo,Ti−22V−4Alなど、10
%までのAlを含有する種々の組成のものが開発され、
実用されつつある。その組織は、α型、α+β型、β型
である。 純Tiはもちろん、これらの合金も耐摩耗性
が十分ではないから、摺動や多数回の接触を繰り返す部
材として使用するのは困難である。
の部材に肉盛り溶接を行なって硬質表面を形成すること
が試みられた。 これは、常用のTi−6Al−4V合
金をマトリクスとし、金属炭化物を分散させたものを肉
盛り材として使用する手法であるが、400℃を超える
高温になると肉盛り材のマトリクスの組織が変化し、硬
度が低下してくるという難点があるため、適用できる場
面が限られている。
i、または(α+β)型Ti合金、β型Ti合金もしく
はα型Ti合金で製造した部材の表面に肉盛り溶接する
ことにより硬質の表面を形成して耐摩耗性を与える表面
硬化材であって、高温においても安定なものを提供し、
それにより従来Ti合金の使用が望まれながら実現して
いなかった分野、たとえば自動車エンジン用バルブへの
使用を可能にすることにある。
は(α+β)型Ti合金、β型Ti合金もしくはα型T
i合金で製造した部材の表面に肉盛り溶接することによ
り硬質の表面を形成するための表面硬化材は、Al:3
0〜42重量%を含有し残部が実質上TiであってTi
−Al金属間化合物を主体とする合金と、硬質の金属炭
化物、窒化物またはホウ化物の少なくとも1種とを、後
者が1〜50重量%を占めるように配合してなる。
る合金は、下記の添加元素の1種または2種以上を、2
種以上併用の場合は合計で20重量%以下含有してもよ
い。
じ)、W:0.5〜15%、Mn:0.1〜10%、C
r:0.1〜10%、V:0.1〜10%、B:0.0
1〜0.2%、Mo:0.1〜5%、Fe:0.1〜5
%、Ta:0.1〜10%、Zr:0.1〜5%および
Hf:0.1〜5%。
i合金、β型Ti合金もしくはα型Ti合金で製造した
部材の表面に、硬質の表面を形成するための表面硬化法
は、純Ti、または(α+β)型Ti合金、β型Ti合
金もしくはα型Ti合金で製造した部材の表面に、請求
項1または2に記載の表面硬化材の粉末を、プラズマパ
ウダーウエルディング法により肉盛り溶接することから
なる。
発明の表面硬化部材の代表的なものは、Ti合金製の自
動車エンジン用バルブのシートとの接触面に、請求項1
または2の表面硬化材を肉盛り溶接して、硬質表面を形
成したバルブである。
ズマパウダーウエルディングのほか、TIG法、あるい
はエレクトロンビームやレーザーなどの高エネルギーを
利用した方法がある。
化材は粉末状態であることが必要であるか、少なくとも
好都合である。 表面硬化材を構成するTi−Al合金
と金属炭化物、窒化物、ホウ化物などの硬質の粒子と
は、一体に溶製して粉末化したものに限らず、それぞれ
粉末状に用意したものを混合したものであってもよく、
要は、硬質の粒子がマトリクスとなる合金中に均質に分
散していることである。粉末の粒度は、肉盛り溶接を行
なう方法によっても適切な範囲が多少異なるが、通常は
60〜330メッシュが好適である。 マトリクスのT
i−Al合金は、基本的にはγ相(TiAl)および
α′相(Ti3Al)で構成されるが、β相が生成して
もとくに問題はない。
TiC,NbC,WC,TiN,NbN,BNなどは、
肉盛りされたTi−Al合金のマトリクス中に分散し
て、硬質の表面を形成する。 この効果は、Ti−Al
合金と硬質の粒子との配合物のうち、後者が少なくとも
1重量%を占めないと得られない。 一方、多量に加え
ると、肉盛り加工時に割れが発生しやすくなり、かつ肉
盛り部の靭性が低下するから、50重量%以内の配合に
止める。 一般には、後記する例にみるとおり、5〜3
0重量%の配合が適当である。
素は、共通の効果として靭延性の向上があり、いずれも
前記した下限値以上でその効果が得られる。 多量に加
えても効果が飽和したり、かえって靭延性が低下したり
する上から、それぞれ上限値までの添加に止める。 こ
れら任意添加元素は、B以外はTiより比重が大であっ
て、多量に加えると部材が軽量であるというメリットを
減殺することになるから、2種以上併用の場合も、合計
で20重量%を超えるべきでない。
う共通の効果に加えて、詳細にみるとそれぞれ次のよう
な意義がある。 すなわち、Nb,W,V,Ta,Z
r,Hfは、金属間化合物TiAlおよびTi3Alの
うち主として後者に固溶し、固溶強化により強度を高め
る。 また、Ti3Alの延性を改善する。 これらの
元素のうちとくにNbおよびWは、耐酸化性の向上にも
寄与する。 次に、Mn,Cr,Fe,Moは、2種の
金属間化合物のうちではTiAlの方に多量に固溶し、
強度を上昇させる。 とくにMnおよびCrは、TiA
lおよびTi3Alの両方の延性を高める。 さらにB
は、結晶粒を微細化して高温延性の改善に有効である。
Bの添加量の上限値が低いのは、TiB2の過大な析
出による延性低下を避けるためである。
〜Dの4種を用意した。Aは市販品であり、B〜Dは、
プラズマアークを熱源とし水冷銅ルツボをそなえたスカ
ル炉を用いて、Arガス雰囲気中で原料を溶解して8kg
鋳塊としたものである。これらを鍛造して、径20mmの
丸棒に仕上げた。
の、Ti合金および硬質粒子の配合物を調製した。 T
i合金は、溶湯の遠心噴霧により粉末としたものから6
0〜140メッシュの範囲をふるい分け、別に用意した
硬質粒子の、やはり60〜140メッシュの粉末と混合
した。
ダーウエルディングにより、前記A〜Dの部材の径20
mmの丸棒の端面に、その外周に沿って一周するように肉
盛り溶接した。 溶接の条件は、肉盛り材によって若干
異なるが、下記の範囲内にある: 電流 80〜120A 速度 80〜250mm/min ガス量 プラズマ用、パウダー用各1.0l/min シールド用10l/min 肉盛りした試片を観察して割れの有無を観察したのち縦
に切断し、肉盛り部分の断面について、ビッカース硬さ
を測定した(荷重10kgf)。 次に、肉盛り部分を先
端にもつピン型の試験片を製作し、回転するSUJ2の
ディスクに一定圧力で押しつけるピンオンディスク摩耗
試験(試験条件は、周速62.6m/min 、距離2.6
3×104m、押付力10kg、潤滑なし)を行ない、一
定の距離を摺動した後の摩耗量(重量減)を記録した。
(比較例)に示す。
材の表面に肉盛り溶接を行ない、硬質の表面を形成する
ことにより、TiおよびTi合金の弱点であった低い耐
摩耗性を効果的に高めることができる。
トリクスは、相安定性にすぐれていて、高温に長時間さ
らした場合にも、組織が変化することなく硬度の低下を
生じることがない。 従ってこの技術は、Ti合金で製
造した自動車エンジンのバルブなどに適用したとき、と
くにその意義が大きい。
Claims (5)
- 【請求項1】 純Ti、または(α+β)型Ti合金、
β型Ti合金もしくはα型Ti合金で製造した部材の表
面に肉盛り溶接することにより硬質の表面を形成するた
めの表面硬化材であって、Al:30〜42重量%を含
有し残部が実質上TiであってTi−Al金属間化合物
を主体とする合金と、硬質の金属炭化物、窒化物または
ホウ化物の少なくとも1種とを、後者が1〜50重量%
を占めるように配合してなる表面硬化材。 - 【請求項2】 Ti−Al金属間化合物を主体とする合
金が、下記の添加元素の1種または2種以上を、2種以
上併用の場合は合計で20重量%以下含有する請求項1
の表面硬化材:Nb:0.5〜15%(重量%、以下同
じ)、W:0.5〜15%、Mn:0.1〜10%、C
r:0.1〜10%、V:0.1〜10%、B:0.0
1〜0.2%、Mo:0.1〜5%、Fe:0.1〜5
%、Ta:0.1〜10%、Zr:0.1〜5%および
Hf:0.1〜5%。 - 【請求項3】 純Ti、または(α+β)型Ti合金、
β型Ti合金もしくはα型Ti合金で製造した部材の表
面に、請求項1または2に記載の表面硬化材の粉末を、
プラズマパウダーウエルディング法により肉盛り溶接す
ることからなる表面硬化方法。 - 【請求項4】 Ti−6Al−4V,Ti−6Al−6
V−2Sn,Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Moお
よびTi−22V−4Alからえらんだ、10重量%以
下のAlを含有するTi合金で製造した部材の表面に、
請求項1または2に記載の表面硬化材を肉盛り溶接して
なる表面硬化部材。 - 【請求項5】 Ti合金製の自動車エンジン用バルブの
シートとの接触面に請求項1または2の表面硬化材を肉
盛り溶接して硬質の表面を形成したバルブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03245527A JP3087377B2 (ja) | 1991-09-25 | 1991-09-25 | TiまたはTi合金製の部材のための表面硬化材、表面硬化方法および表面硬化部材 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP03245527A JP3087377B2 (ja) | 1991-09-25 | 1991-09-25 | TiまたはTi合金製の部材のための表面硬化材、表面硬化方法および表面硬化部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0592294A JPH0592294A (ja) | 1993-04-16 |
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ID=17135017
Family Applications (1)
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JP03245527A Expired - Fee Related JP3087377B2 (ja) | 1991-09-25 | 1991-09-25 | TiまたはTi合金製の部材のための表面硬化材、表面硬化方法および表面硬化部材 |
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69434085T2 (de) * | 1993-09-24 | 2005-10-13 | The Ishizuka Research Institute Ltd., Hiratsuka | Kompositmaterial und verfahren zu dessen herstellung |
JP5888540B2 (ja) * | 2010-09-30 | 2016-03-22 | 国立大学法人九州工業大学 | ホウ素含有純チタン材および同純チタン材の製造方法 |
-
1991
- 1991-09-25 JP JP03245527A patent/JP3087377B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0592294A (ja) | 1993-04-16 |
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