JP3078296B2 - 4―ヒドロキシ―l―プロリンの製造法 - Google Patents
4―ヒドロキシ―l―プロリンの製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、DまたはL−4−ヒドロキシ−2−オキソ
グルタル酸(以下単に4−ヒドロキシ−2−オキソグル
タル酸と称す)からトランス−4−ヒドロキシ−L−プ
ロリンおよび/またはシス−4−ヒドロキシ−L−プロ
リン(以下単に4−ヒドロキシ−L−プロリンと称す)
を生合成する能力を有する微生物を用いた4−ヒドロキ
シ−L−プロリンの製造法に関する。4−ヒドロキシ−
L−プロリンは、医薬品の合成中間体などとして有用な
アミノ酸である。
グルタル酸(以下単に4−ヒドロキシ−2−オキソグル
タル酸と称す)からトランス−4−ヒドロキシ−L−プ
ロリンおよび/またはシス−4−ヒドロキシ−L−プロ
リン(以下単に4−ヒドロキシ−L−プロリンと称す)
を生合成する能力を有する微生物を用いた4−ヒドロキ
シ−L−プロリンの製造法に関する。4−ヒドロキシ−
L−プロリンは、医薬品の合成中間体などとして有用な
アミノ酸である。
従来の技術 従来の4−ヒドロキシ−L−プロリンの製造法として
は、コラーゲンを加水分解し、その構成アミノ酸である
トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを回収、分離
する方法が知られている。またD−グルタミン酸から合
成する方法〔ビュレッティン・オブ・ケミカル・ソサエ
テイ・オブ・ジャパン(Bull.Chem.Soc.Jap.)47,1704
(1974)〕や、グリオキサールとオキサロ酢酸から合成
する方法〔ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミスト
リィ(J.Org.Chem.)42,3440(1977)〕なども知られて
いる。
は、コラーゲンを加水分解し、その構成アミノ酸である
トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを回収、分離
する方法が知られている。またD−グルタミン酸から合
成する方法〔ビュレッティン・オブ・ケミカル・ソサエ
テイ・オブ・ジャパン(Bull.Chem.Soc.Jap.)47,1704
(1974)〕や、グリオキサールとオキサロ酢酸から合成
する方法〔ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミスト
リィ(J.Org.Chem.)42,3440(1977)〕なども知られて
いる。
発明が解決しようとする課題 従来の製造法は、(1)原料が高価である、(2)反
応工程が多い、(3)回収精製の工程に問題があるなど
の点で、工業的な製法として必ずしも満足できる方法で
はなく、工業的に安価に4−ヒドロキシ−L−プロリン
を製造する方法の開発が求められている。
応工程が多い、(3)回収精製の工程に問題があるなど
の点で、工業的な製法として必ずしも満足できる方法で
はなく、工業的に安価に4−ヒドロキシ−L−プロリン
を製造する方法の開発が求められている。
課題を解決するための手段 本発明者は、微生物の生合成系を利用して、4−ヒド
ロキシ−2−オキソグルタル酸から4−ヒドロキシ−L
−プロリンを製造できることを見出し、本発明を完成し
た。
ロキシ−2−オキソグルタル酸から4−ヒドロキシ−L
−プロリンを製造できることを見出し、本発明を完成し
た。
本発明は、エシェリヒア属に属し、4−ヒドロキシ−
2−オキソグルタル酸から4−ヒドロキシ−L−プロリ
ンを生合成する能力を有する微生物を用いて、アミノ基
供与体の存在下4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸
もしくは該微生物によって4−ヒドロキシ−2−オキソ
グルタル酸に転換される化合物から4−ヒドロキシ−L
−プロリンを製造する方法を提供する。
2−オキソグルタル酸から4−ヒドロキシ−L−プロリ
ンを生合成する能力を有する微生物を用いて、アミノ基
供与体の存在下4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸
もしくは該微生物によって4−ヒドロキシ−2−オキソ
グルタル酸に転換される化合物から4−ヒドロキシ−L
−プロリンを製造する方法を提供する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、具体的には、エシェリヒア属に属し、4−
ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸から4−ヒドロキシ
−L−プロリンを生合成する能力を有する微生物を、4
−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸もしくは該微生物
によって4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸に転換
される化合物を添加した培地で培養し、培養物中に4−
ヒドロキシ−L−プロリンを生成蓄積させ、該培養物か
ら4−ヒドロキシ−L−プロリンを採取するか、または
エシェリヒア属に属し、4−ヒドロキシ−2−オキソグ
ルタル酸から4−ヒドロキシ−L−プロリンを生合成す
る能力を有する微生物の培養物、菌体またはそれらの処
理物を、水性媒体中でアミノ基供与体の存在下4−ヒド
ロキシ−2−オキソグルタル酸もしくは該微生物によっ
て4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸に転換される
化合物に作用させて、反応液中に生成した4−ヒドロキ
シ−L−プロリンを採取することにより実施できる。
ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸から4−ヒドロキシ
−L−プロリンを生合成する能力を有する微生物を、4
−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸もしくは該微生物
によって4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸に転換
される化合物を添加した培地で培養し、培養物中に4−
ヒドロキシ−L−プロリンを生成蓄積させ、該培養物か
ら4−ヒドロキシ−L−プロリンを採取するか、または
エシェリヒア属に属し、4−ヒドロキシ−2−オキソグ
ルタル酸から4−ヒドロキシ−L−プロリンを生合成す
る能力を有する微生物の培養物、菌体またはそれらの処
理物を、水性媒体中でアミノ基供与体の存在下4−ヒド
ロキシ−2−オキソグルタル酸もしくは該微生物によっ
て4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸に転換される
化合物に作用させて、反応液中に生成した4−ヒドロキ
シ−L−プロリンを採取することにより実施できる。
本発明に用いられる微生物としては、エシェリヒア属
に属し、4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸から4
−ヒドロキシ−L−プロリンを生合成する能力を有する
微生物なら、いかなる微生物でも使用できる。具体的に
は、エシェリヒア・コリATCC33625などがあげられる。
なかでもL−プロリンによるフィードバック阻害が解除
されたγ−グルタミルキナーゼを持ち、L−プロリンを
過剰生産する能力を獲得した該菌種の変異株、あるいは
遺伝子組換え等の手法によりL−プロリン生合成酵素活
性が増強された該菌種株を用いれば、より高い収率で4
−ヒドロキシ−L−プロリンを得ることができる。この
ような組換え株は、ドイチエらの記述した方法〔ヌクレ
イック・アシッヅ・リサーチ(Nucleic Acids Res.)1
2,6337(1984)〕に従えば取得可能である。あるいは本
明細書の実施例に記述した方法に従ってもよい。
に属し、4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸から4
−ヒドロキシ−L−プロリンを生合成する能力を有する
微生物なら、いかなる微生物でも使用できる。具体的に
は、エシェリヒア・コリATCC33625などがあげられる。
なかでもL−プロリンによるフィードバック阻害が解除
されたγ−グルタミルキナーゼを持ち、L−プロリンを
過剰生産する能力を獲得した該菌種の変異株、あるいは
遺伝子組換え等の手法によりL−プロリン生合成酵素活
性が増強された該菌種株を用いれば、より高い収率で4
−ヒドロキシ−L−プロリンを得ることができる。この
ような組換え株は、ドイチエらの記述した方法〔ヌクレ
イック・アシッヅ・リサーチ(Nucleic Acids Res.)1
2,6337(1984)〕に従えば取得可能である。あるいは本
明細書の実施例に記述した方法に従ってもよい。
L−プロリンによるフィードバック阻害が解除された
γ−グルタミルキナーゼを持ち、L−プロリンを過剰生
産する能力を獲得したエシェリヒア属菌種の具体例とし
ては、L−プロリンによるフィードバック阻害が解除さ
れたエシェリヒア・コリMM294株由来のproB遺伝子を組
み込んだ組換え体DNAを保有するエシェリヒア・コリK83
があげられる。該菌株は、平成2年3月15日付で、ブダ
ペスト条約に基づいて、工業技術院微生物工業技術研究
所(微工研)に、エシェリヒア・コリK83(FERM BP−28
07)として寄託されている。
γ−グルタミルキナーゼを持ち、L−プロリンを過剰生
産する能力を獲得したエシェリヒア属菌種の具体例とし
ては、L−プロリンによるフィードバック阻害が解除さ
れたエシェリヒア・コリMM294株由来のproB遺伝子を組
み込んだ組換え体DNAを保有するエシェリヒア・コリK83
があげられる。該菌株は、平成2年3月15日付で、ブダ
ペスト条約に基づいて、工業技術院微生物工業技術研究
所(微工研)に、エシェリヒア・コリK83(FERM BP−28
07)として寄託されている。
微生物中で4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸に
変換される化合物としては、例えばエシェリヒア・コリ
の場合には、4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸の
生成酵素D−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸アルド
ラーゼの基質であるピルビン酸とグリオキシル酸があげ
られる〔ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミスト
リー(J.Biol.Chem.)247,5079(1972)〕。
変換される化合物としては、例えばエシェリヒア・コリ
の場合には、4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸の
生成酵素D−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸アルド
ラーゼの基質であるピルビン酸とグリオキシル酸があげ
られる〔ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミスト
リー(J.Biol.Chem.)247,5079(1972)〕。
また、培地または反応液に、さらにアスパラギン酸あ
るいはアスパラギン、または微生物中でアスパラギン酸
に変換される化合物を添加すれば、より高収率で4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンが生成される。微生物中でアス
パラギン酸に変換される化合物としては、例えばエシェ
リヒア・コリの場合には、その生成酵素アスパルターゼ
の基質であるフマル酸とアンモニアがあげられる。
るいはアスパラギン、または微生物中でアスパラギン酸
に変換される化合物を添加すれば、より高収率で4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンが生成される。微生物中でアス
パラギン酸に変換される化合物としては、例えばエシェ
リヒア・コリの場合には、その生成酵素アスパルターゼ
の基質であるフマル酸とアンモニアがあげられる。
本発明に用いられる微生物の培養は、通常用いられる
合成ないし天然培地を用いて行うことができる。培地中
の炭素源としては、グルコース、フラクトース、シュー
クロース、マルトース、ラクトース、澱粉、澱粉加水分
解物、糖蜜、セルロース加水分解物などの糖類や、酢
酸、乳酸などの有機酸、あるいはエタノールなどのアル
コールなどが用いられる。窒素源としては、アンモニ
ア、硫酸アンニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニ
ウムなどのアンモニウム塩や尿素、硝酸塩ならびにペプ
トン、肉エキス、酵母エキス、コーン・スチープ・リカ
ーなどの各種の窒素含有有機化合物が使用可能である。
無機塩としては、リン酸カリウム、硫酸アンモニウム、
塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウ
ム、硫酸第1鉄、硫酸マンガンなどが使用できる。他に
微量元素としてカルシウム、亜鉛、ほう素、銅、コバル
ト、モリブデンなどの塩類を加えてもよい。また微生物
によってはビタミン、アミノ酸、核酸関連物質などの添
加により生育がより良好になるが、前記したような他の
培地成分にしたがって培地に供給されれば、特に加えな
くてもよい。
合成ないし天然培地を用いて行うことができる。培地中
の炭素源としては、グルコース、フラクトース、シュー
クロース、マルトース、ラクトース、澱粉、澱粉加水分
解物、糖蜜、セルロース加水分解物などの糖類や、酢
酸、乳酸などの有機酸、あるいはエタノールなどのアル
コールなどが用いられる。窒素源としては、アンモニ
ア、硫酸アンニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニ
ウムなどのアンモニウム塩や尿素、硝酸塩ならびにペプ
トン、肉エキス、酵母エキス、コーン・スチープ・リカ
ーなどの各種の窒素含有有機化合物が使用可能である。
無機塩としては、リン酸カリウム、硫酸アンモニウム、
塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウ
ム、硫酸第1鉄、硫酸マンガンなどが使用できる。他に
微量元素としてカルシウム、亜鉛、ほう素、銅、コバル
ト、モリブデンなどの塩類を加えてもよい。また微生物
によってはビタミン、アミノ酸、核酸関連物質などの添
加により生育がより良好になるが、前記したような他の
培地成分にしたがって培地に供給されれば、特に加えな
くてもよい。
上記培地に4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸も
しくは微生物中で該化合物に変換される化合物を添加し
て、上記微生物の培養を行うことにより、4−ヒドロキ
シ−L−プロリンを培養液中に生成蓄積させることがで
きる。培地に添加する4−ヒドロキシ−2−オキソグル
タル酸もしくは微生物中で該化合物に変換される化合物
の濃度には特に制限はないが、一般には0.1〜50g/の
濃度を保持しながら培養する。アスパラギン酸、アスパ
ラギン、または微生物中でアスパラギン酸に変換される
化合物の添加量にも特に制限はないが、一般には0.1〜5
0g/の濃度になるように加える。
しくは微生物中で該化合物に変換される化合物を添加し
て、上記微生物の培養を行うことにより、4−ヒドロキ
シ−L−プロリンを培養液中に生成蓄積させることがで
きる。培地に添加する4−ヒドロキシ−2−オキソグル
タル酸もしくは微生物中で該化合物に変換される化合物
の濃度には特に制限はないが、一般には0.1〜50g/の
濃度を保持しながら培養する。アスパラギン酸、アスパ
ラギン、または微生物中でアスパラギン酸に変換される
化合物の添加量にも特に制限はないが、一般には0.1〜5
0g/の濃度になるように加える。
培養液からの4−ヒドロキシ−L−プロリンの採取方
法は、通常培養液からアミノ酸採取に用いられる方法に
したがって実施することができる。例えば、遠心分離に
より菌体を除いた培養液上清から、イオン交換樹脂膜処
理法などの操作を組み合わせて、4−ヒドロキシ−L−
プロリンを単離することができる。
法は、通常培養液からアミノ酸採取に用いられる方法に
したがって実施することができる。例えば、遠心分離に
より菌体を除いた培養液上清から、イオン交換樹脂膜処
理法などの操作を組み合わせて、4−ヒドロキシ−L−
プロリンを単離することができる。
さらに、上記したような通常の培地を使用して培養し
て得た微生物の培養物、菌体もしくはそれらの処理物
と、4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸もしくは微
生物中で該化合物に変換される化合物とを、アミノ基供
与体の存在下に反応させて4−ヒドロキシ−L−プロリ
ンを生成させることもできる。反応は、水性媒体中4−
ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸もしくは微生物中で
該化合物に変換される化合物1〜200g/、微生物の菌
体またはその処理物0.1〜200g/(微生物菌体換算)、
これにアミノ基供与体としてアスパラギン酸やアスパラ
ギン、各種アミノ酸、アンモニウム塩、尿素などを加
え、温度20〜60℃、pH6〜11の条件で行い、反応時間は
0.1〜200時間程度である。水性媒体としては、例えばリ
ン酸バッファーや生理食塩水などが使用できる。また反
応液から4−ヒドロキシ−L−プロリンを取得する方法
としては、前記した方法が同様に使用できる。
て得た微生物の培養物、菌体もしくはそれらの処理物
と、4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸もしくは微
生物中で該化合物に変換される化合物とを、アミノ基供
与体の存在下に反応させて4−ヒドロキシ−L−プロリ
ンを生成させることもできる。反応は、水性媒体中4−
ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸もしくは微生物中で
該化合物に変換される化合物1〜200g/、微生物の菌
体またはその処理物0.1〜200g/(微生物菌体換算)、
これにアミノ基供与体としてアスパラギン酸やアスパラ
ギン、各種アミノ酸、アンモニウム塩、尿素などを加
え、温度20〜60℃、pH6〜11の条件で行い、反応時間は
0.1〜200時間程度である。水性媒体としては、例えばリ
ン酸バッファーや生理食塩水などが使用できる。また反
応液から4−ヒドロキシ−L−プロリンを取得する方法
としては、前記した方法が同様に使用できる。
以下に本発明の実施例を示す。
実施例 1)エシェリヒア・コリのproAB遺伝子のクローニング エシェリヒア・コリK12株のproAB遺伝子を含む染色体
DNAは、エシェリヒア・コリK12株亜株MM294(ATCC3362
5)より常法〔バイオキミカ・エ・バイオフィジカ・ア
クタ(Biochim.Biophys.Acta)72,619(1963)〕により
単離した。ベクターとして使用したpBR322(アンピシリ
ン耐性、テトラサイクリン耐性)は、宝酒造社製の市販
品を用いた。pBR322プラスミドDNA1μgおよびMM294株
染色体DNA3μgを含む制限酵素Pst I用反応液(10mMト
リス、50mM NaCl、7mM MgCl2、pH7.5)100μに16単
位のPst I(宝酒造社製)を添加し、37℃で60分間反応
後、65℃で40分間加温して反応を停止させた。該反応消
化物に、10倍濃度のT4リガーゼ緩衝液(660mMトリス、6
6mM MgCl2、100mMジチオスレイトール、pH7.6)12μ
、100mM ATP3μおよびT4リガーゼ(宝酒造社製)3
50単位を加え、15℃で16時間反応させた。このリガーゼ
反応混合物をproAの欠損変異を有するエシェリヒア・コ
リK12株亜株HB101(ATCC33694)〔マニアテイスら;モ
レキュラー・クローニング(Molecular Cloning,A Labo
ratory Manual)(1982),504頁〕の形質転換に供し
た。エシェリヒア・コリの形質転換は常法〔モレキュラ
ー・クローニング(Molecular Cloning,A Laboratory M
anual)(1982),250〜251頁〕に従った。選択培地に
は、20μg/mlのテトラサイクリンを含むデービス最小寒
天培地〔グルコース2g、(NH4)2SO41g、K2HPO47g、KH2
PO42g、MgSO4・7H2O 0.1g、クエン酸3ナトリウム塩0.
5g、サイアミン塩酸塩4mgおよび寒天16gを水1とに含
み、pH7.2に調整した培地〕を用いた。出現した形質転
換株の培養菌体からマニアテイスらにより記述された方
法〔モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning,
A Laboratory Manual)(1982),86〜96頁〕に従って、
プラスミドDNAを単離した。形質転換株の1株から得ら
れpPRO−1と命名されたプラスミドは、各種制限酵素で
の消化とアガロースゲル電気泳動による解析の結果、pB
R322の唯一のPst I切断部位に、ドイチエらの報告したp
roABオペロン〔ヌクレイック・アシッゾ・リサーチ(Nu
cleic Acids Res.)12,6337(1984)〕と同一の構造を
有する3.0キロベースのPst I DNA断片が挿入された構造
であることが示された。pPRO−1を用いHB101株を再形
質転換した。選択培地には、20μg/mlのテトラサイクリ
ンを含むL培地〔バクトトリプトン10g、酵母エキス5
g、グルコース1g、NaCl 5gを水1に含み、pH7.2に調
整した培地〕を用いた。得られたテトラサイクリン耐性
形質転換株はすべてプロリン非要求性を示し、エシェリ
ヒア・コリK12株のproAB遺伝子がクローニングされたこ
とが確認された。pPRO−1の作製過程を第1図に示す。
DNAは、エシェリヒア・コリK12株亜株MM294(ATCC3362
5)より常法〔バイオキミカ・エ・バイオフィジカ・ア
クタ(Biochim.Biophys.Acta)72,619(1963)〕により
単離した。ベクターとして使用したpBR322(アンピシリ
ン耐性、テトラサイクリン耐性)は、宝酒造社製の市販
品を用いた。pBR322プラスミドDNA1μgおよびMM294株
染色体DNA3μgを含む制限酵素Pst I用反応液(10mMト
リス、50mM NaCl、7mM MgCl2、pH7.5)100μに16単
位のPst I(宝酒造社製)を添加し、37℃で60分間反応
後、65℃で40分間加温して反応を停止させた。該反応消
化物に、10倍濃度のT4リガーゼ緩衝液(660mMトリス、6
6mM MgCl2、100mMジチオスレイトール、pH7.6)12μ
、100mM ATP3μおよびT4リガーゼ(宝酒造社製)3
50単位を加え、15℃で16時間反応させた。このリガーゼ
反応混合物をproAの欠損変異を有するエシェリヒア・コ
リK12株亜株HB101(ATCC33694)〔マニアテイスら;モ
レキュラー・クローニング(Molecular Cloning,A Labo
ratory Manual)(1982),504頁〕の形質転換に供し
た。エシェリヒア・コリの形質転換は常法〔モレキュラ
ー・クローニング(Molecular Cloning,A Laboratory M
anual)(1982),250〜251頁〕に従った。選択培地に
は、20μg/mlのテトラサイクリンを含むデービス最小寒
天培地〔グルコース2g、(NH4)2SO41g、K2HPO47g、KH2
PO42g、MgSO4・7H2O 0.1g、クエン酸3ナトリウム塩0.
5g、サイアミン塩酸塩4mgおよび寒天16gを水1とに含
み、pH7.2に調整した培地〕を用いた。出現した形質転
換株の培養菌体からマニアテイスらにより記述された方
法〔モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning,
A Laboratory Manual)(1982),86〜96頁〕に従って、
プラスミドDNAを単離した。形質転換株の1株から得ら
れpPRO−1と命名されたプラスミドは、各種制限酵素で
の消化とアガロースゲル電気泳動による解析の結果、pB
R322の唯一のPst I切断部位に、ドイチエらの報告したp
roABオペロン〔ヌクレイック・アシッゾ・リサーチ(Nu
cleic Acids Res.)12,6337(1984)〕と同一の構造を
有する3.0キロベースのPst I DNA断片が挿入された構造
であることが示された。pPRO−1を用いHB101株を再形
質転換した。選択培地には、20μg/mlのテトラサイクリ
ンを含むL培地〔バクトトリプトン10g、酵母エキス5
g、グルコース1g、NaCl 5gを水1に含み、pH7.2に調
整した培地〕を用いた。得られたテトラサイクリン耐性
形質転換株はすべてプロリン非要求性を示し、エシェリ
ヒア・コリK12株のproAB遺伝子がクローニングされたこ
とが確認された。pPRO−1の作製過程を第1図に示す。
2)プロリンによるフィードバック阻害が弱められた変
異型pPRO−1の取得 プロリンによるフィードバック阻害が弱められた変異
型pPRO−1を、プロリンのアナログである3,4−デヒド
ロ−DL−プロリン(DHP)を用いて、以下のようにして
取得した。pPRO−1を保有するHB101株にN−メチル−
N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)400μg/
mlを用いて通常の変異処理操作を施した後、100μg/ml
のDHPを含むデービス最小寒天培地に塗布した。出現し
たDHP耐性株について、スミスらにより記述された方法
〔ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J.Bacterio
l.)157,545(1984)〕に従って、proB遺伝子によって
コードされ、通常はプロリンによるフィードバック阻害
を受ける酵素γ−グルタミルキナーゼの活性を測定し
た。その結果、DHP耐性株の1株であるDHP1株の該酵素
については、プロリンによる阻害が約100倍弱められて
いることが判明した。このDHP1株より前述の方法に従っ
て調製されpPRO−11と命名したプラスミドを用い、HB10
1株を再形質転換したところ、得られたテトラサイクリ
ン耐性株はすべて100μg/mlのDHPに耐性であった。この
ようにして、プロリンによるフィードバッグ阻害の弱め
られた変異型γ−グルタミルキナーゼ遺伝子を含むプラ
スミドを取得した。
異型pPRO−1の取得 プロリンによるフィードバック阻害が弱められた変異
型pPRO−1を、プロリンのアナログである3,4−デヒド
ロ−DL−プロリン(DHP)を用いて、以下のようにして
取得した。pPRO−1を保有するHB101株にN−メチル−
N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)400μg/
mlを用いて通常の変異処理操作を施した後、100μg/ml
のDHPを含むデービス最小寒天培地に塗布した。出現し
たDHP耐性株について、スミスらにより記述された方法
〔ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J.Bacterio
l.)157,545(1984)〕に従って、proB遺伝子によって
コードされ、通常はプロリンによるフィードバック阻害
を受ける酵素γ−グルタミルキナーゼの活性を測定し
た。その結果、DHP耐性株の1株であるDHP1株の該酵素
については、プロリンによる阻害が約100倍弱められて
いることが判明した。このDHP1株より前述の方法に従っ
て調製されpPRO−11と命名したプラスミドを用い、HB10
1株を再形質転換したところ、得られたテトラサイクリ
ン耐性株はすべて100μg/mlのDHPに耐性であった。この
ようにして、プロリンによるフィードバッグ阻害の弱め
られた変異型γ−グルタミルキナーゼ遺伝子を含むプラ
スミドを取得した。
3)4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸の調製 ルッフォらの方法〔バイオケミカル・ジャーナル(Bi
ochem.J.)85,588(1962)〕に従い、4−ヒドロキシ−
2−オキソグルタル酸を調製した。即ち、1.32gのオキ
サロ酢酸および1.14gのグリオキシル酸ナトリウムを純
水に溶解し、水酸化ナトリウムでpHを7.4に調整した
後、容量を50mlとした。40℃で3時間加温した後、塩化
水素でpHを3に調整した。室温で30分放置した後、水酸
化ナトリウムでpHを再び中性にした。グルタミン酸デヒ
ドロゲナーゼによる定量〔バーグマイヤー編;メソッゾ
・オブ・エンザイマティック・アナリシス(Methods of
Enzymatic Analysis)第2版、第1巻、p461(197
4)〕の結果、該反応液中には0.18mole/のDL−4−ヒ
ドロキシ−2−オキソグルタル酸が生成していた。
ochem.J.)85,588(1962)〕に従い、4−ヒドロキシ−
2−オキソグルタル酸を調製した。即ち、1.32gのオキ
サロ酢酸および1.14gのグリオキシル酸ナトリウムを純
水に溶解し、水酸化ナトリウムでpHを7.4に調整した
後、容量を50mlとした。40℃で3時間加温した後、塩化
水素でpHを3に調整した。室温で30分放置した後、水酸
化ナトリウムでpHを再び中性にした。グルタミン酸デヒ
ドロゲナーゼによる定量〔バーグマイヤー編;メソッゾ
・オブ・エンザイマティック・アナリシス(Methods of
Enzymatic Analysis)第2版、第1巻、p461(197
4)〕の結果、該反応液中には0.18mole/のDL−4−ヒ
ドロキシ−2−オキソグルタル酸が生成していた。
4)4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸からの4−
ヒドロキシ−L−プロリンの生産(1) 3)項で調製したDL−4−ヒドロキシ−2−オキソグ
ルタル酸を用いて、以下のようにトランス−4−ヒドロ
キシ−L−プロリンおよびシス−4−ヒドロキシ−L−
プロリンの生産試験を行った。
ヒドロキシ−L−プロリンの生産(1) 3)項で調製したDL−4−ヒドロキシ−2−オキソグ
ルタル酸を用いて、以下のようにトランス−4−ヒドロ
キシ−L−プロリンおよびシス−4−ヒドロキシ−L−
プロリンの生産試験を行った。
3mlのL培地を試験管に分注し、滅菌後、エシェリヒ
ア・コリK12株亜株MM294(ATCC 33625)、および常法
によりpPRO−11を導入したMM294株(K83株)を接種し、
30℃で16時間振とう培養した。培養終了後、遠心分離操
作にて該培養物よりエシェリヒア・コリの菌体を集め、
滅菌した純水にて洗浄後、滅菌した10mlのA培地〔グル
コース30g、KH2PO41g、(NH4)2SO410g、MgSO4・7H2O
1g、FeSO4・7H2O2mg、MnSO4・7H2O 2mgCaCO330gを純水
1に含みpH7.4に調整した培地〕に懸濁し、太形試験
管中で30℃で振とう培養した。培養開始8時間後に3)
項で調製したDL−4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル
酸(HOG)を液中濃度が10mMになるように添加し、さら
に60時間培養した。ベロンの記述した方法〔アナリテイ
カル・バイオケミストリー(Anal.Biochem.)137,151
(1984)〕に従い、薄層クロマトグラフィーにて培養物
中の2級アミンを分析したところ、HOGを添加したK83株
の培養物上清からトランス−4−ヒドロキシ−L−プロ
リンおよびシス−4−ヒドロキシ−L−プロリンが検出
された。HPLCにて定量した培養液中のトランス−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンおよびシス−4−ヒドロキシ−
L−プロリンの量を第1表に示す。
ア・コリK12株亜株MM294(ATCC 33625)、および常法
によりpPRO−11を導入したMM294株(K83株)を接種し、
30℃で16時間振とう培養した。培養終了後、遠心分離操
作にて該培養物よりエシェリヒア・コリの菌体を集め、
滅菌した純水にて洗浄後、滅菌した10mlのA培地〔グル
コース30g、KH2PO41g、(NH4)2SO410g、MgSO4・7H2O
1g、FeSO4・7H2O2mg、MnSO4・7H2O 2mgCaCO330gを純水
1に含みpH7.4に調整した培地〕に懸濁し、太形試験
管中で30℃で振とう培養した。培養開始8時間後に3)
項で調製したDL−4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル
酸(HOG)を液中濃度が10mMになるように添加し、さら
に60時間培養した。ベロンの記述した方法〔アナリテイ
カル・バイオケミストリー(Anal.Biochem.)137,151
(1984)〕に従い、薄層クロマトグラフィーにて培養物
中の2級アミンを分析したところ、HOGを添加したK83株
の培養物上清からトランス−4−ヒドロキシ−L−プロ
リンおよびシス−4−ヒドロキシ−L−プロリンが検出
された。HPLCにて定量した培養液中のトランス−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンおよびシス−4−ヒドロキシ−
L−プロリンの量を第1表に示す。
5)4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸からの4−
ヒドロキシ−L−プロリンの生産(2) 4)項と同様にしてMM294株およびK83株をA培地にて
培養した。培養開始8時間後、HOG10mM、HOG10mMおよび
アスパラギン酸(ASP)またはアスパラギン(ASN)20mM
またはピルビン酸(PYR)とグリオキシル酸(GOX)を同
時に各50mMをそれぞれ添加して、さらに60時間培養し
た。HPLCにて定量した培養液中のトランス−4−ヒドロ
キシ−L−プロリンおよびシス−4−ヒドロキシ−L−
プロリンの量を第2表に示す。
ヒドロキシ−L−プロリンの生産(2) 4)項と同様にしてMM294株およびK83株をA培地にて
培養した。培養開始8時間後、HOG10mM、HOG10mMおよび
アスパラギン酸(ASP)またはアスパラギン(ASN)20mM
またはピルビン酸(PYR)とグリオキシル酸(GOX)を同
時に各50mMをそれぞれ添加して、さらに60時間培養し
た。HPLCにて定量した培養液中のトランス−4−ヒドロ
キシ−L−プロリンおよびシス−4−ヒドロキシ−L−
プロリンの量を第2表に示す。
6)4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸からの4−
ヒドロキシ−L−プロリンの生産(3) B培地〔グルコース10g、クエン酸2g、NaNH4HPO4・4H
2O 3g、K2HPO45g、MgSO4・7H2O 0.5g、酵母エキス1g
を純水1中に含みpH7.0に調整した培地〕100mlを三角
フラスコにとり、120℃、20分間殺菌した後、K83株を1
白金耳植菌し、30℃で24時間培養した。培養後遠心分離
し、50mMリン酸バッファー(pH7.5)で洗浄して得た湿
菌体を、グルコース1%、4−ヒドロキシ−2−オキソ
グルタル酸40mM、塩化アンモニウム0.1%、アスパラギ
ン酸0.1%を含有する予めpH7.5に調整した反応液に懸濁
し、30℃で2日間反応を行った。培養液中のトランス−
4−ヒドロキシ−L−プロリンおよびシス−4−ヒドロ
キシ−L−プロリンをHPLCにて定量したところ、0.7mM
のトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンおよび0.7m
Mのシス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの生成が認め
られた。
ヒドロキシ−L−プロリンの生産(3) B培地〔グルコース10g、クエン酸2g、NaNH4HPO4・4H
2O 3g、K2HPO45g、MgSO4・7H2O 0.5g、酵母エキス1g
を純水1中に含みpH7.0に調整した培地〕100mlを三角
フラスコにとり、120℃、20分間殺菌した後、K83株を1
白金耳植菌し、30℃で24時間培養した。培養後遠心分離
し、50mMリン酸バッファー(pH7.5)で洗浄して得た湿
菌体を、グルコース1%、4−ヒドロキシ−2−オキソ
グルタル酸40mM、塩化アンモニウム0.1%、アスパラギ
ン酸0.1%を含有する予めpH7.5に調整した反応液に懸濁
し、30℃で2日間反応を行った。培養液中のトランス−
4−ヒドロキシ−L−プロリンおよびシス−4−ヒドロ
キシ−L−プロリンをHPLCにて定量したところ、0.7mM
のトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンおよび0.7m
Mのシス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの生成が認め
られた。
発明の効果 本発明によれば、4−ヒドロキシ−2−オキソグルタ
ル酸から4−ヒドロキシ−L−プロリンを生合成する能
力を有する微生物を、4−ヒドロキシ−2−オキソグル
タル酸もしくは微生物中で該化合物に変換される化合物
と作用させることにより、4−ヒドロキシ−L−プロリ
ンを効率よく製造することができる。
ル酸から4−ヒドロキシ−L−プロリンを生合成する能
力を有する微生物を、4−ヒドロキシ−2−オキソグル
タル酸もしくは微生物中で該化合物に変換される化合物
と作用させることにより、4−ヒドロキシ−L−プロリ
ンを効率よく製造することができる。
第1図は、pPRO−1の制限酵素Pst IおよびSal Iによる
切断地図とpPRO−1の作製過程を示す。図中PはPst I
を、SはSal Iを表す。プラスミドの大きさは、キロベ
ース(kb)で表示されている。pPRO−1の太い実線部分
は、MM294株染色体DNAよりクローニングしたproAB遺伝
子を含むDNA断片を表している。
切断地図とpPRO−1の作製過程を示す。図中PはPst I
を、SはSal Iを表す。プラスミドの大きさは、キロベ
ース(kb)で表示されている。pPRO−1の太い実線部分
は、MM294株染色体DNAよりクローニングしたproAB遺伝
子を含むDNA断片を表している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 13/04 C12R 1:19)
Claims (7)
- 【請求項1】エシェリヒア属に属し、4−ヒドロキシ−
2−オキソグルタル酸から4−ヒドロキシ−L−プロリ
ンを生合成する能力を有する微生物を用いて、アミノ基
供与体の存在下4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸
もしくは該微生物によって4−ヒドロキシ−2−オキソ
グルタル酸に転換される化合物から4−ヒドロキシ−L
−プロリンを製造する方法。 - 【請求項2】該方法がエシェリヒア属に属し、4−ヒド
ロキシ−2−オキソグルタル酸から4−ヒドロキシ−L
−プロリンを生合成する能力を有する微生物を、4−ヒ
ドロキシ−2−オキソグルタル酸もしくは該微生物によ
って4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸に転換され
る化合物を添加した培地で培養し、培養物中に4−ヒド
ロキシ−L−プロリンを生成蓄積させ、該培養物から4
−ヒドロキシ−L−プロリンを採取することからなる方
法である請求項1記載の方法。 - 【請求項3】該培地中に、アスパラギン酸、アスパラギ
ンまたは該微生物によってアスパラギン酸に転換される
化合物を添加して培養する請求項2記載の方法。 - 【請求項4】該方法がエシェリヒア属に属し、4−ヒド
ロキシ−2−オキソグルタル酸から4−ヒドロキシ−L
−プロリンを生合成する能力を有する微生物の培養物、
菌体またはそれらの処理物を、水性媒体中でアミノ基供
与体の存在下4−ヒドロキシ−2−オキソグルタル酸も
しくは該微生物によって4−ヒドロキシ−2−オキソグ
ルタル酸に転換される化合物に作用させて、反応液中に
生成した4−ヒドロキシ−L−プロリンを採取すること
からなる方法である請求項1記載の方法。 - 【請求項5】該反応液中に、アスパラギン酸、アスパラ
ギンまたは該微生物によってアスパラギン酸に転換され
る化合物を添加して反応する請求項4記載の方法。 - 【請求項6】該微生物が、L−プロリンによるフィード
バック阻害から解除されたL−プロリン生合成系を有す
る微生物であるか、またはL−プロリン生合成系の酵素
活性量が増強された微生物である請求項1〜5記載の方
法。 - 【請求項7】該微生物が、L−プロリンによるフィード
バック阻害が解除されたγ−グルタミルキナーゼをコー
ドする遺伝子を組み込んだ組換え体DNAを保有する微生
物である請求項1〜6記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6678290A JP3078296B2 (ja) | 1990-03-19 | 1990-03-19 | 4―ヒドロキシ―l―プロリンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6678290A JP3078296B2 (ja) | 1990-03-19 | 1990-03-19 | 4―ヒドロキシ―l―プロリンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03266995A JPH03266995A (ja) | 1991-11-27 |
JP3078296B2 true JP3078296B2 (ja) | 2000-08-21 |
Family
ID=13325782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6678290A Expired - Lifetime JP3078296B2 (ja) | 1990-03-19 | 1990-03-19 | 4―ヒドロキシ―l―プロリンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3078296B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05236980A (ja) * | 1991-12-17 | 1993-09-17 | Sankyo Co Ltd | トランス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製造法 |
JP3698742B2 (ja) * | 1994-03-01 | 2005-09-21 | 協和醗酵工業株式会社 | 光学活性4−ヒドロキシ−2−ケトグルタル酸の製造法 |
JP5697327B2 (ja) * | 2009-11-09 | 2015-04-08 | 協和発酵バイオ株式会社 | シス−ヒドロキシ−l−プロリンの製造方法 |
-
1990
- 1990-03-19 JP JP6678290A patent/JP3078296B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03266995A (ja) | 1991-11-27 |
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