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JP3043089B2 - 極低温液体注入装置 - Google Patents

極低温液体注入装置

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JP3043089B2
JP3043089B2 JP6704891A JP6704891A JP3043089B2 JP 3043089 B2 JP3043089 B2 JP 3043089B2 JP 6704891 A JP6704891 A JP 6704891A JP 6704891 A JP6704891 A JP 6704891A JP 3043089 B2 JP3043089 B2 JP 3043089B2
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heat insulating
insulating container
valve
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茂雄 中山
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Toshiba Corp
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  • Feeding, Discharge, Calcimining, Fusing, And Gas-Generation Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一方の断熱容器内に収
容されている極低温液体、たとえば液体ヘリウムを他方
の断熱容器内へ注入するときに用いられる極低温液体注
入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導磁石装置の主要部は、通常、断熱
容器(クライオスタット)内に超電導コイルと冷却用の
液体ヘリウムとを収容したものとなっている。断熱容器
は、良好な断熱機能が得られるように工夫されている
が、外部からの熱侵入を完全に防止できるものではな
い。また、断熱容器内には超電導コイルと外部電源とを
接続するパワーリードを介して外部から熱が侵入した
り、パワーリードで発生したジュール熱が侵入する。こ
のため、断熱容器内に収容されている液体ヘリウムは、
徐々に蒸発し、ついには全部がガス化する。したがっ
て、超電導コイルの超電導状態を維持するには、ガス化
によって減少した液分を補充する必要がある。
【0003】この補充には、断熱容器内に漂っているヘ
リウムガスを熱交換器で再液化する方式と、外部から断
熱容器内に液体ヘリウムを新たに注入する方式とがあ
る。前者はヘリウム冷凍機を必要とするので、恒久的な
設備などにおいて採用されている。一方、後者は実験設
備などにおいて広く採用されている。
【0004】ところで、断熱容器内に液体ヘリウムを新
たに注入する方式では、通常、次のようにしている。す
なわち、超電導コイルを収容した断熱容器の近くに液体
ヘリウムを収容した断熱構造のデュアーを配置するとと
もにデュアー内と断熱容器内とを断熱構造のトランスフ
ァーチューブで接続しておく。そして、注入時にデュア
ー内と断熱容器内とに圧力差を設定し、この圧力差を利
用してデュアー内の液体ヘリウムをトランスファーチュ
ーブを介して断熱容器内に注入するようにしている。
【0005】しかし、この方式では次のような問題が生
じる。すなわち、注入を停止してある期間経過すると、
トランスファーチューブ内は、外部からの熱侵入の影響
で室温に近い温度(たとえば、零度)のヘリウムガスで
占められる。この状態で再注入すると、トランスファー
チューブ内に存在している暖かいヘリウムガスも断熱容
器内に流れ込む。液体ヘリウム(−269度)の蒸発潜
熱は、1グラム当り、5カロリーと小さい。このため、
注入時に暖かいヘリウムガスが断熱容器内に流れ込む
と、断熱容器内に残っている液体ヘリウムおよび注入さ
れた液体ヘリウムの一部が蒸発する。この蒸発量は、ト
ランスファーチューブの出口が断熱容器内の液面より下
に位置している程多い。この結果、断熱容器内の液位
は、一旦、大幅に低下し、その後に徐々に上昇する。こ
のように、液体ヘリウムの無駄な消費が起こるばかり
か、超電導コイルを励磁したままの状態で注入すると、
液位低下に伴う冷却不良でクエンチが起こり、超電導コ
イルを焼損させてしまう虞が多分にある。
【0006】そこで最近、上述した不具合を緩和でき
る、いわゆる極低温液体注入装置が提案されている。こ
の極低温液体注入装置は、図2に示すように構成されて
いる。同図において、1は断熱容器を示し、この断熱容
器1内には超電導コイル2と、この超電導コイル2を冷
却する液体ヘリウム3とが収容されている。すなわち、
これらは超電導磁石装置の主要部を構成している。断熱
容器1内には液位を検出する液位センサ4が配置されて
おり、また断熱容器1の上壁には断熱容器1内の上部空
間を大気雰囲気に通じさせる配管5が設けられている。
配管5にはヘリウムガス回収用のガスバックが接続され
ている。そして、極低温液体注入装置10によって断熱
容器1内へ液体ヘリウムが適宜注入される。
【0007】極低温液体注入装置10は、内部に液体ヘ
リウム11を収容したデュアー12を備えている。デュ
アー12内と断熱容器1内とは断熱構造のトランスファ
ーチューブ13によって通じている。すなわち、トラン
スファーチューブ13の入口Aは、デュアー12内の液
体ヘリウム中に位置し、出口Bは断熱容器1内に位置し
ている。トランスファーチューブ13内の途中には電磁
駆動形のバルブ14が挿設されており、またトランスフ
ァーチューブ13内でバルブ14の設けられている位置
より上流位置には放出チューブ15が通じている。放出
チューブ15の途中には電磁駆動形のバルブ16が挿設
されており、さらに放出チューブ15内の温度を検出す
る温度センサ17が設けられている。一方、デュアー1
2内の上部空間は、配管18、電磁駆動形のバルブ19
を介して高圧ヘリウムボンベ20に通じている。そし
て、バルブ14、16、19は、制御装置21によって
次のように制御される。
【0008】断熱容器1内に収容されている液体ヘリウ
ム3の液位は、液位センサ4によって検出される。この
液位が定められたレベルまで低下すると、制御装置21
が動作を開始し、まずバルブ16を開に制御する。バル
ブ16の解放によってトランスファーチューブ13内の
暖かいヘリウムガスが放出チューブ15を介して大気中
へ放出される。この放出によってトランスファーチュー
ブ13内でバルブ14より上流領域および放出チューブ
15内の温度が低下する。温度センサ17で検出された
温度が、たとえば液体ヘリウム温度に近い温度になる
と、制御装置21はバルブ16を閉に制御するととも
に、バルブ14、19を開に制御する。この制御によっ
てデュアー12内の圧力P1 が断熱容器1内の圧力P2
より高くなり、この圧力差でデュアー12内の液体ヘリ
ウム11の一部がトランスファーチューブ13を介して
断熱容器1内に注入される。そして、断熱容器1内の液
位が所定レベルに達すると、制御装置21はバルブ1
4、19を閉に制御し、注入作業を終了する。
【0009】このように構成された極低温液体注入装置
10では、注入に先立ってトランスファーチューブ13
内の暖かいヘリウムガスを大気中へ放出するとともにト
ランスファーチューブ13を予冷しているので、注入時
に起こり易い液体ヘリウムの消費量増加および断熱容器
1内の大きな液位低下を抑制することができる。
【0010】しかしながら、上記のように構成された極
低温液体注入装置10にあっても次のような問題があっ
た。すなわち、従来装置では注入に先立ってトランスフ
ァーチューブ13内を大気に解放し、自然排気でトラン
スファーチューブ13内のガスを排気している。このた
め、トランスファーチューブ13の内壁温度を所要の温
度まで低下させるのに長時間を必要とする問題があっ
た。また、従来装置ではトランスファーチューブ13内
の一部、具体的にはバルブ14より下流領域については
排気および予冷を行うことができないので、注入時に依
然として液体ヘリウムの多量消費を招き、しかも大きな
液位低下も招く問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来の極
低温液体注入装置にあっては、注入に長時間を要するば
かりか、注入時において、依然として極低温液体の多量
消費を招き、また大きな液位低下を招くと言う問題があ
った。
【0012】そこで本発明は、上述した不具合を解消で
き、たとえば超電導コイルを励磁しているときであって
も安全に注入を実行できる極低温液体注入装置を提供す
ることを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、一方の断熱容器内に収容されている極低
温液体を他方の断熱容器内へ注入する極低温液体注入装
置において、一端が前記一方の断熱容器内の前記極低温
液体中に位置し、他端が前記他方の断熱容器内に位置す
るように配置される断熱構造のトランスファーチューブ
と、このトランスファーチューブ内の途中位置に通じた
分岐チューブと、この分岐チューブに接続された排気ポ
ンプと、前記分岐チューブの途中に挿設されたバルブ
と、前記分岐チューブの内面温度を検出する温度センサ
と、注入に先立って前記温度センサの検出値が定められ
た値に至るまで前記トランスファーチューブ内を前記排
気ポンプで排気すべく上記バルブおよび前記排気ポンプ
を制御する制御装置とを備えている。
【0014】
【作用】注入時点が到来すると、制御装置は、排気ポン
プを動作開始させるとともにバルブを開に制御する。こ
の制御によってトランスファーチューブ内全体の暖かい
ガスが強制的に、かつ短時間に排気される。また、排気
ポンプの排気作用によって一方の断熱容器内および他方
の断熱容器内が減圧され、この減圧によって一方の断熱
容器内および他方の断熱容器内に存在している極低温液
体の蒸発が起こり、臨界温度に近いガスが発生する。こ
の臨界温度に近いガスもトランスファーチューブ内を通
って排気ポンプで排気される。したがって、トランスフ
ァーチューブの内壁は臨界温度に近いガスの顕熱で急速
に冷却される。そして、分岐チューブの内面温度が定め
られた温度まで低下すると、バルブが閉に制御されると
ともに排気ポンプが停止制御される。このときトランス
ファーチューブ内は極低温のガスで占められている。こ
の状態で注入を開始すれば、極低温液体の多量消費を招
くことなく、また大きな液位低下を招くことなく他方の
断熱容器内へ極低温液体を注入できることになる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。
【0016】図1には本発明の一実施例に係る極低温液
体注入装置30の概略構成が示されている。この図では
図2と同一部分が同一符号で示されている。したがっ
て、重複する部分の詳しい説明は省略する。
【0017】この実施例に係る極低温液体注入装置30
が従来の装置と異なる点は、断熱構造のトランスファー
チューブ13に接続される排気系31と、制御装置32
とにある。
【0018】すなわち、トランスファーチューブ13の
途中位置には空気圧駆動形のバルブ33が挿設されてい
る。そして、トランスファーチューブ13内でバルブ3
3より下流位置、つまりバルブ33と断熱容器1との間
に位置する部分には断熱構造の分岐チューブ34の一端
が通じている。この分岐チューブ34の他端は排気容量
が1分間当たり、数100リットルの排気ポンプ(真空
ポンプ)35に接続されている。分岐チューブ34の途
中には電磁駆動形のバルブ36が挿設されている。ま
た、分岐チューブ34の内面でバルブ36が設けられて
いる位置より下流位置には内面温度を検出するための白
金測温抵抗体からなる温度センサ37が設けられてい
る。
【0019】一方、制御装置32は、液位センサ4およ
び温度センサ37の出力を導入してバルブ19、33、
36、排気ポンプ35を次のように制御する。すなわ
ち、断熱容器1内に収容されている液体ヘリウム3の液
位が定められたレベルS1 まで低下すると、制御装置3
2は、まず排気ポンプ35を動作させるとともにバルブ
36を開に制御する。そして、温度センサ37で検出さ
れる温度が、たとえば−196度まで低下した時点でバ
ルブ33を開に制御する。温度センサ37で検出される
温度が、再度、−196度まで低下した時点でバルブ3
6を閉に制御するとともに排気ポンプ35の動作を停止
させる。同時にバルブ19を開に制御する。そして、断
熱容器1内の液位が定められたレベルS2 (S2
1 )に達した時点でバルブ19、33を閉に制御して
動作を終了する。
【0020】このような構成であると、断熱容器1内に
収容されている液体ヘリウム3の液位がレベルS1 まで
低下すると、排気ポンプ35が動作を開始するとともに
バルブ36が開き、トランスファーチューブ13内のバ
ルブ33より下流領域が強制的に排気される。したがっ
て、この領域に存在している暖かいヘリウムガスが排気
される。また、この強制排気によって断熱容器1内の圧
力が低下する。この低下に伴って、断熱容器1内に残っ
ている液体ヘリウム3の蒸発が起こり、臨界温度に近い
温度のヘリウムガスが発生する。この臨界温度に近い温
度のヘリウムガスも排気される。このため、トランスフ
ァーチューブ13内のバルブ33より下流領域が急速に
冷却され、その内壁面は短時間で−196度まで冷却さ
れる。
【0021】温度センサ37の検出温度が−1960度
に達すると、バルブ33も開になる。この時点からトラ
ンスファーチューブ13内のバルブ33より上流領域も
強制的に排気される。したがって、この領域に存在して
いる暖かいヘリウムガスも排気される。また、排気によ
って上流領域の圧力が低下するので、トランスファーチ
ューブ13の入口Aに侵入している液体ヘリウムの蒸発
が起こり、臨界温度に近い温度のヘリウムガスが発生す
る。この臨界温度に近い温度のヘリウムガスも排気され
る。このため、トランスファーチューブ13内のバルブ
33より上流領域が急速に冷却され、その内壁面は短時
間で−196度まで冷却される。
【0022】温度センサ37で検出される温度が、再
度、−196度まで低下すると、バルブ36が閉に制御
されるとともに排気ポンプ35の動作が停止される。同
時にバルブ19が開に制御される。この制御によってデ
ュアー12内の圧力P1 が断熱容器1内の圧力P2 より
高くなり、この圧力差でデュアー12内の液体ヘリウム
11の一部がトランスファーチューブ13を介して断熱
容器1内に注入される。そして、断熱容器1内の液位が
2 に達すると、制御装置32はバルブ19、33を閉
に制御して動作を終了する。
【0023】このように、注入に先立ってトランスファ
ーチューブ13内の全領域を排気ポンプ35で強制的に
排気し、この排気によってトランスファーチューブ13
内の暖かいヘリウムガスを排気するとともに臨界温度に
近い温度のヘリウムガスを発生させ、この極低温のヘリ
ウムガスも一緒に排気することによってトランスファー
チューブ13内全体を予冷するようにしている。
【0024】したがって、トランスファーチューブ13
がどのような長さを有していても、また、どのようなに
配設されていても、トランスファーチューブ13内の暖
かいヘリウムガスを短時間に排気でき、しかもトランス
ファーチューブ13の内壁を短時間にヘリウムの臨界温
度に近い温度まで予冷することができる。この結果、注
入時に起こり易い、液体ヘリウムの多量消費と、断熱容
器1内の大きな液面低下の発生を抑制することができ、
超電導コイル1を励磁しているままの状態でも安全に注
入することができる。
【0025】発明者は本実施例の効果を確認するために
次のような実験を行なった。内径が30cmの断熱容器1
内に超電導コイル2を収容し、この超電導コイル2の上
面から18cmの位置に液体ヘリウム3の液面があり、か
つP1 が2Psi(0.14Kg/cm 2 )のとき、制御装
置32を動作開始させた。このとき使用した排気ポンプ
35の排気容量は、1分間当り、200リットルのもの
である。また、トランスファーチューブ13は内径が5
mm、バルブ33より上流側の部分の長さが3m、下流側
の部分の長さが2m のものである。トランスファーチュ
ーブ13の下流領域を排気開始してから1分20秒経過
後に温度センサ37の指示値が−196度となった。こ
のとき断熱容器1内の液位は17.5cmであった。続い
て、トランスファーチューブ13の上流領域と下流領域
との同時排気が始まり、動作開始時点から2分で温度セ
ンサ37の指示値が再度−196度となった。このとき
断熱容器1内の液位は16.8cmであった。この時点
で、デュアー12から断熱容器1内へ液体ヘリウムの注
入が開始された。断熱容器1内の液位は、瞬時に5mm低
下した後に上昇に転じ、動作開始時点から3分経過した
時点で17.4cmまで回復し、3分25秒後に動作開始
時点の液位18cmに回復した。このように、注入過程で
の液位の低下の割合は約9%であり、消費した液体ヘリ
ウムは僅かに約900ccであることが確認された。
【0026】これに対して、従来の装置と同じ方式を採
用した場合には、排気開始から注入終了までに要した時
間は10分、液位低下の割合は27%、液体ヘリウム消
費量は3500ccであった。
【0027】したがって、本実施例の採用によって注入
特性を大幅に改善することができることが判る。なお、
1 を高くして注入液体ヘリウムの流量を多くすればす
るほど効果が大きいが、断熱容器1への熱侵入が大きい
(1W以上)場合には、液面回復に要する時間が長くな
る傾向にある。
【0028】本実施例ではトランスファーチューブ13
の出口Bを断熱容器1内の液面上に常に位置させてい
る。このため、注入時には、まずトランスファーチュー
ブ13内のバルブ33が設けられている位置より下流領
域を排気し、続いて上流領域および下流領域を同時に排
気する2段階排気方式を採用しているが、出口Bを断熱
容器1内の液体ヘリウム3中に常に位置させているとき
には下流側と上流側とを同時に排気するようにしてもよ
い。すなわち、出口Bを断熱容器1内の液面上に常に位
置させている条件で、トランスファーチューブ13内全
体を強制排気すると、断熱容器1内の液体ヘリウムの蒸
発より入口Aの部分に侵入している液体ヘリウムの蒸発
が早く起こり、この蒸発によって生成された臨界温度に
近い温度のヘリウムガスが排気され、バルブ33より下
流領域が十分に予冷されていないにもかかわらず、温度
センサ37の検出値が目標とする温度に到達してしま
う。この状態で注入が開始されると、下流領域内に存在
している温度の高いヘリウムガスの影響で液体ヘリウム
の消費が増加する。実験によれば、液面低下が17%と
大きくなり、液体ヘリウムの消費量も2000ccであっ
た。したがって、出口Bを断熱容器1内の液面上に常に
位置させている条件では、本実施例のように、2段階排
気方式を採用することが好ましい。
【0029】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。すなわち、デュアー内の圧力を高める
手段は、デュアー内に電気ヒータを設置し、これを付勢
することによって高めるようにしてもよい。また、液体
ヘリウムに限らず、液体窒素、液体酸素の場合にも使用
できる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
変形できる。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、極
低温液体を注入するに先立ってトランスファーチューブ
内全体を強制的に排気するようにしているので、この排
気によってトランスファーチューブ内に存在している暖
かいガスを排気できるとともに臨界温度に近いガスでト
ランスファーチューブを予冷することができる。この結
果、トランスファーチューブがどのように配設されてい
る場合であっても、極低温液体の消費量を十分に抑えた
状態で、また注入される側の液面低下も十分に抑えた状
態で、しかも短時間に注入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る極低温液体注入装置の
概略構成図
【図2】従来の極低温液体注入装置の概略構成図。
【符号の説明】
1…断熱容器、 2…超電導コイ
ル、3,11…液体ヘリウム、 5…配管、
12…デュアー 13…トランス
ファーチューブ、19…バルブ、
20…高圧ヘリウムボンベ、30…極低温液体注入装
置、 31…排気系、32…制御装置、
33…バルブ、34…分岐チューブ、
35…排気ポンプ、36…バルブ、
37…温度センサ、A…入口、
B…出口。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の断熱容器内に収容されている極低温
    液体を他方の断熱容器内へ注入する極低温液体注入装置
    において、一端が前記一方の断熱容器内の前記極低温液
    体中に位置し、他端が前記他方の断熱容器内に位置する
    ように配置される断熱構造のトランスファーチューブ
    と、このトランスファーチューブ内の途中位置に通じた
    分岐チューブと、この分岐チューブに接続された排気ポ
    ンプと、前記分岐チューブの途中に挿設されたバルブ
    と、前記分岐チューブの内面温度を検出する温度センサ
    と、注入に先立って前記温度センサの検出値が定められ
    た値に至るまで前記トランスファーチューブ内を前記排
    気ポンプで排気すべく上記バルブおよび前記排気ポンプ
    を制御する制御装置とを具備してなることを特徴とする
    極低温液体注入装置。
  2. 【請求項2】一方の断熱容器内に収容されている極低温
    液体を他方の断熱容器内へ注入する極低温液体注入装置
    において、一端が前記一方の断熱容器内の前記極低温液
    体中に位置し、他端が前記他方の断熱容器内に位置する
    ように配置される断熱構造のトランスファーチューブ
    と、このトランスファーチューブの途中に挿設された第
    1のバルブと、前記トランスファーチューブ内の前記第
    1のバルブより下流位置に通じた分岐チューブと、この
    分岐チューブに接続された排気ポンプと、前記分岐チュ
    ーブの途中に挿設された第2のバルブと、前記分岐チュ
    ーブの内面温度を検出する温度センサと、注入に先立っ
    て前記温度センサの検出値が定められた値に至るまで前
    記トランスファーチューブ内の前記第1のバルブより下
    流領域を前記排気ポンプで排気した後、前記温度センサ
    の検出値が前記値に至るまで前記トランスファーチュー
    ブ内全体を上記排気ポンプで排気すべく上記第1、第2
    のバルブおよび前記排気ポンプを制御する制御装置とを
    具備してなることを特徴とする極低温液体注入装置。
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