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JP3015677B2 - フィルムコーティングを施した分割錠剤 - Google Patents

フィルムコーティングを施した分割錠剤

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Publication number
JP3015677B2
JP3015677B2 JP6188565A JP18856594A JP3015677B2 JP 3015677 B2 JP3015677 B2 JP 3015677B2 JP 6188565 A JP6188565 A JP 6188565A JP 18856594 A JP18856594 A JP 18856594A JP 3015677 B2 JP3015677 B2 JP 3015677B2
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Japan
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tablet
film
coating
divided
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JP6188565A
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English (en)
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JPH0853345A (ja
Inventor
克己 大矢
喜久雄 手嶋
Original Assignee
ファイザー製薬株式会社
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Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=16225918&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3015677(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by ファイザー製薬株式会社 filed Critical ファイザー製薬株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、均一かつ容易に分割で
きるフィルムコーティングされた分割錠剤であって、フ
ィルムコーティング工程時にトラブルが生じないように
工夫された分割錠剤、好ましくは医薬用分割錠剤に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】分割錠剤は、服用量に応じて調剤時に薬
剤師または服用時に患者自身によって分割される錠剤で
あり、個々の患者に対する服用量管理を最適にし、処方
の際の融通性を高めるめに開発された。分割錠剤は通常
錠剤面に1個以上の刻み目(割線)を設けることによっ
て構成される。分割錠剤の例としては例えば特開昭61
−289027号を参照されたい。
【0003】ところで、薬剤の活性成分の不快な臭いや
味をマスクし、さらに光等に対する安定性を確保するた
めには錠剤にフィルムコーティングを施すことが望まし
い。しかしながら、市販されている割線入り錠剤は数多
くあり、分割錠剤に関する報告も多数あるにもかかわら
ず、フィルムコーティングを施した分割錠剤は実用化さ
れていなかった。その原因としては、フィルムコーティ
ングを施した分割錠剤の製造における以下のような様々
な問題が指摘されている。
【0004】1)フィルムコーティング工程における様
々なトラブル 通常の分割錠剤にフィルムコーティングを施そうとする
と、その工程中にツウィンニング(隣接するフィルムが
粘着して錠剤同士がくっついてしまう現象)、コアエロ
ージョン(素錠の磨損)、エッジチッピング(縁部分が
欠けてしまう現象)等の様々な問題が生じる。
【0005】2)分割の困難性 通常、分割操作としては、薬剤師または患者が両手で錠
剤をつかんで割線を開く(または閉じる)ような方法、
または机などの硬質平坦な面上で押圧する方法が用いら
れている。しかしながら、この方法では近年小型化の傾
向にある分割錠剤は分割し難いという問題がある。かか
る状況において、分割錠剤にフィルムコーティングを施
すと分割にさらに大きな力が必要となるので、分割錠剤
の分割はますます困難となる。さらに、衛生面から錠剤
に直接手を触れることなしに分割して容器から取り出せ
るように錠剤をPTP(塩化ビニル/塩化ビニリデン複
合シート)等の包装の上から分割できることが好ましい
が、包装の上からの分割はより大きな力を必要とする。
【0006】社会の高齢化が進み、老齢者に薬物が投与
される機会が増えているので、容易に使いこなせる製品
の開発は益々重要になっている。
【0007】3)フィルムの付着 分割時にフィルムが完全に割線に沿って分割しないた
め、分割後の外観、形状に問題が生じる。
【0008】4)分割の不均一性 分割錠剤の利点は投薬量を精密に管理できる点にある。
しかしながら、フィルムコーティングを施すことによっ
て分割の際に強い力が必要となる等の理由により、分割
が不均一となりやすく上記利点が失われる恐れがある。
【0009】分割投与される錠剤には狭心症治療薬、血
圧降下剤、抗不整脈剤など薬理作用の強い成分を含有す
る場合も多く見られ、分割錠剤の均一な分割は非常に重
要な問題である。
【0010】以上のように、フィルムコーティングを施
した分割錠剤は製造が困難なため、その必要性にもかか
わらず実用化されていなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フィ
ルムコーティングした分割錠剤の実用化を図ることであ
る。より詳細には本発明はフィルムコーティング工程時
に上記ツウィンニング等のトラブルを生じないように工
夫された分割錠剤を提供する。
【0012】本発明はさらに、分割が容易で、分割時に
フィルムが割れた錠剤と一体になって分割でき、投薬量
を正確に分割できる、フィルムコーティングを施した分
割錠剤を提供する。
【0013】本発明はさらに、小粒でも容易に分割でき
るフィルムコーティングを施した分割錠剤を提供する。
【0014】本発明はさらに、PTP包装から取り出す
前に容易に分割できるフィルムコーティングを施した分
割錠剤を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のフィルムコーテ
ィングを施してなる分割可能な錠剤は、上面及び/また
は下面に錠剤の分割を容易にする少なくとも一本の溝か
らなる割線を設けた盤状の素錠であって、その上面を、
対向する縁部から割線へ向けて徐々に凹ませ、その下面
を周辺部から中心部に向けて徐々に盛り上げるが、但
し、周辺部よりも中心部の方が薄肉となるようにし、か
つ、フィルムコーティングを施してなることを特徴とす
る。錠剤の上面の凹み具合および下面の盛り上がり具合
に差を設けて、中心部を周辺部よりも薄肉とすること
は、フィルムコーティング時にツウィンニングが生じる
危険を防止するために重要である。なお、本明細書にお
いては、上杵の面を上面、下杵の面を下面とする。
【0016】凹みおよび盛り上がりの具体的形状は適宜
決定してよいが、好ましい態様においては、本発明の分
割錠剤は、上面に椀状の曲面を有する凹部及び錠剤の分
割を可能とするための少なくとも1つの溝を形成し、下
面に丘状の曲面を有する凸部を形成し、かつ上面の曲率
半径を下面の曲率半径よりも小さくする。上面の曲率半
径は錠剤の大きさにもよるが、例えば直径8mmの錠剤
では好ましくは6〜14mmであり、下面の曲率半径は
好ましくは10〜20mmである。
【0017】本発明の分割錠剤は、上下方向から眺めた
ときの輪郭は、円、楕円、多角形、星状等の任意の形に
することができるが、フィルムコーティングを容易に施
すためには円形ないし楕円形とすると都合が良い。錠剤
の大きさは大型ないし小型のものであってよく、例えば
直径6mmから10mmのもの、またはさらに小型のも
のとしては3mmから6mmとすることが可能である。
また、錠剤の厚さは素錠の成分や分割の容易性等を考慮
してよく、例えば、上面最高部と下面最低部の距離とし
て測定した値で3〜5mmである。
【0018】分割を容易にするための溝は、円形錠剤の
場合は凹みをもつ上面のほぼ直径方向に沿って少なくと
も一本形成する。円形錠剤を4分割したい時は、直径方
向に沿い、かつ直交する2本の溝を形成する。楕円形錠
剤の場合は、長径、短径のいずれの方向に沿って形成し
てもよい。溝の切り口は、V字状ないしU字状が好まし
い。さらに、錠剤を加工する際に縁部の角に破損が生ず
るのを防止するために、上下面の円周部および溝の角を
軽く削った形にすることもできる。
【0019】本発明の錠剤は、上記構成により、フィル
ムコーティングに際してツウィンニング等の防止ができ
るだけでなく、テーブル等の平らな面に逆さに置いて上
から押して圧力を加えることにより容易に分割すること
ができる。
【0020】本発明の好ましい一態様を図1(上杵:V
割線フチ角 下杵:Rフチ角)に示す。この図におい
て、aは底から眺めた図、bは上から眺めた図、そして
cは溝が走る方向から眺めた側面図である。本態様の分
割錠剤は下杵曲型のカラテ型(錠剤上面が縁から割線に
向かって傾斜している錠剤形状)に属するものである。
Rは下面の曲率半径、rは上面の曲率半径を表し、R>
rである。このような形状を適用することにより、フィ
ルムコーティング時のツウィンニング、コアエロージョ
ン及びエッジチッピング等のコーティングトラブルは全
て解消され(後記、表2)、分割時の割れ易さも従来の
典型的分割錠剤より向上した(後記、表3)。
【0021】本発明の錠剤に施すコーティングは錠剤の
コーティングに通常用いられているものでもよいが、本
発明者らは分割錠剤に使用するために適するコーティン
グ剤についても検討した。その結果によれば、分割錠剤
に施されるコーティングは、50μmの膜厚のフィルム
に形成されたときに、好ましくは以下の物性を有する。
引っ張り強度は、好ましくは250kg/cm2〜45
0kg/cm2、より好ましくは300kg/cm2〜4
50kg/cm2である。伸び率は、好ましくは1.0%
〜4.0%、より好ましくは1.5%〜3.5%である。
【0022】2つの物性を上記好ましい範囲に規定した
コーティングを本発明の錠剤に施した時、フィルムで覆
われたままの錠剤を容易に分割することができる。フィ
ルムが分割時に剥がれたり、不均一に伸びて分割された
素錠に付着したりすることがなく、錠剤をきれいに分割
できるので、投薬量の狂いを生じることが少なくなる。
【0023】上記の好ましいフィルムコーティングを形
成させるために使用できるフィルム形成性ポリマーの例
としては(これに限られるわけではないが)セルロース
エーテル系ポリマーがある。セルロースエーテル系ポリ
マーは、分子量が12000〜120000、粘度が
2.5〜18cSt(25℃)である。セルロースエー
テル系ポリマーには、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、メ
チルセルロース等が含まれる。好ましくは、HPMCで
ある。HPMCとして例えばTC−5(日本薬局方ヒド
ロキシプロピリメチルセルロース2910)が使用でき
る。
【0024】素錠にフィルムコーティングを施すには、
セルロースエーテル系ポリマーを好ましくは3〜15重
量%、より好ましくは4〜10重量%含み、その他に所
望成分(顔料、可塑剤等)を含むポリマー組成物として
使用するとよい。溶媒としては、水及び/またはエタノ
ール等を使用できる。
【0025】顔料は、薬効成分を光等から保護し、ある
いは錠剤に美感を付与したり、種類分けしたりするため
に使用する。例えば、酸化チタン、タルク等が使用でき
るがこれらに限られるわけではない。本発明のフィルム
形成性ポリマー組成物は、顔料を好ましくは0.5〜1
0重量%、より好ましくは1〜5重量%含む。
【0026】コーティングは、慣用のコーティング法に
よって、例えば、市販されている機器を用いて、膜厚が
10〜50μmとなるように行う。本明細書中の実施例
では、研究室スケールのドリアコーター(株式会社 バ
ウレック社製)を用いてフィルムコーティングを行っ
た。尚。このようにして製剤しうる有効成分の例として
は、ブロモクリプチン、ピンドロール、ボビンドロー
ル、ジゴキシン、メトラゾン、アムロジピン等、多種の
医薬品が挙げられる。
【0027】以下、実施例を記載するが、これらの実施
例は本発明を制限するためのものではない。
【0028】
【実施例及び試験例】実施例1 . 図1、図3および図4の素錠を製造して、各々に
フィルムコーティングを施し、コーティング工程のトラ
ブル発生を比較した。図1は既に説明した本発明の好ま
しい態様の素錠であり、図3および図4は、各々従来知
られていた分割錠剤の代表的な平型(上杵:割線入平型
下杵:平型)および下杵平型のカラテ型(上杵:V割
線フチ角 下杵:平型フチ角)の形状の素錠である(特
開昭61−289027号)。各図において、a、b、
およびcは、前記図1にて説明した意味を表す。
【0029】各素錠は、単発打錠機KT−2型(日栄精
工株式会社製)により、結晶セルロース−無水リン酸水
素カルシウム(2:1 W/W)の賦形剤を97重量%
、カルボキシメチルスターチナトリウム2重量%、ス
テアリン酸マグネシウム1重量%を含む直径8mm、重
量200mgの素錠として直接圧縮法によって調製し
た。
【0030】錠剤破壊強度測定器(富山産業株式会社
製)による素錠の強度は7〜8kgとなるようにした。
【0031】. コーティング皮膜剤としてHPMC
のTC−5を6重量%、顔料として酸化チタン及びタル
クを、それぞれHPMCの20重量%及び10重量%配
合したものを水・エタノール混液に溶解したものを調製
し、コーティング溶液とした。研究室スケールのドリア
コーター500(株式会社 バウレック社製)を用い
て、上記コーティング溶液を膜厚30〜50μmとなる
よう、素錠にフィルムコーティングを行った。尚、本実
施例には下記のEタイプおよびRタイプの2種類のTC
−5を使用した。
【0032】
【表1】品種 粘度 平均重合度* E 2.5−3.5 65 R 5.2−7.0 160 *GPC法による重量平均重合度(光散乱法で補正)
【0033】試験例1 錠剤形状とコーティングトラブ
ルの発生率 錠剤形状と種々のフィルムコーティングトラブルとの関
係を表2に示す。表2からわかるように、本発明の下杵
曲型のカラテ型分割錠剤(図1)は、従来の平型分割錠
剤(図3)および下杵平型のカラテ型分割錠剤(図4)
が伴うツウィンニング等のフィルムコーティングトラブ
ルを全く伴わなかった。平型のものは、フィルムコーテ
ィングを施した場合、フィルムコーティング時のツウィ
ンニング、コアエロージョン及びエッジチッピング等の
コーティングトラブルを生じ(表2)、さらに、分割時
の分割性に問題があった(表3)。下杵平型のカラテ型
は、やや割れ難く(表3)、ツウィンニングおよびコア
エロージョンのコーティングトラブルが認められた(表
2)。
【0034】
【表2】 表2 錠剤形状とコーティングトラブルの発生率 従来 従来 本発明 平型 下杵平型の 下杵曲型の カラテ型 カラテ型 ツウィンニング 78% 30% 0% コアエロージョン 6% 4% 0% エッジチッピング 1% 0% 0% 素錠の硬度: 7−8kg 錠剤破壊強度測定器(富山
産業株式会社製) 錠剤径 : 8mm φ
【0035】試験例2 HPMC品種及び配合割合とコ
ーティングトラブルの発生率 本発明の下杵曲型のカラテ型(図1)で素錠を製造し、
HPMCのRタイプおよびEタイプを種々の割合で配合
したものを使用し、実施例1.Bに従ってフィルムコー
ティングを行った。各種のコーティングトラブル(ツウ
ィンニング、コアエロージョン、エッジチッピング)の
発生率を調べた結果、いずれの配合割合の場合もコーテ
ィングトラブルは全く発生しなかった。 素錠の硬度: 6−7kg 錠剤破壊強度測定器(富山
産業株式会社製) 錠剤径 : 8mm φ
【0036】試験例1および2の結果より、錠剤形状を
本発明の下杵曲型のカラテ型とし、コーティング用皮膜
剤としてHPMCを使用すると(HPMCのタイプにか
かわらず)フィルムコーティング時のトラブルが解消さ
れることがわかった。
【0037】試験例3 錠剤形状と分割性 図1、図3および図4に示す錠剤形状で素錠を製造し、
HPMCのTC−5を使用して実施例1.Bに従ってフ
ィルムコーティングを行った。フィルムコーティングを
施した分割錠剤の分割性(分割時の割れ易さ、曲げ強
度)を試験した。結果を表3に表す。表3からわかるよ
うに、本発明の下杵曲型のカラテ型分割錠剤(図1)お
よび下杵平型のカラテ型分割錠剤(図4)のようにカラ
テ型分割錠剤の場合、平型分割錠剤(図3)と比較して
分割し易く、曲げ強度も小さな値を示した。
【0038】
【表3】 表3 錠剤形状と分割性 従来 従来 本発明 平型 下杵平型の 下杵曲型の カラテ型 カラテ型 分割時の 割れ難い やや 割れ易い割れ易さ 割れ難い 曲げ強度 6.4Kg 5.1Kg 3.6Kg 素錠の硬度: 7−8kg 錠剤破壊強度測定器(富山
産業株式会社製) 錠剤径 : 8mm φ 曲げ強度測定: 割線部分を下にした状態に試料を錠剤
台に置き加圧ヘッド上から割線を開くように分割した時
の圧力を曲げ強度とした。錠剤破壊強度測定器(富山産
業株式会社製)
【0039】試験例4 HPMC品種及び配合割合と分
割性 本発明の下杵曲型のカラテ型(図1)で素錠を製造し、
HPMCのRタイプおよびEタイプを表4および5に示
すように配合割合を変化させて使用してコーティング液
を調製した。実施例1.Bに従ってフィルムコーティン
グを行い、その分割性を試験した。表4は未包装品の結
果、表5はPTP(塩化ビニル/塩化ビニリデン複合シ
ート 厚さ:300μm)のブリスター包装したものを
包装の上から分割した結果を示す。なお、ブリスター包
装とは、熱可塑性フィルムを加熱し、圧縮空気によって
ポケットを成型した中に錠剤またはカプセルを入れ、ア
ルミ箔で加熱圧着したシート状の包装形態である。
【0040】
【表4】 表4 HPMC品種及び配合割合と分割性(未包装品) R R/E R/E R/E E (2:1 W/W) (1:1 W/W) (1:2 W/W) 分割時の 割れ易い 割れ易い 割れ易い 割れ易い 割れ易い割れ易さ 曲げ強度 2.8Kg 2.8Kg 2.8Kg 2.8Kg 2.2Kg 分割時の 認める 認める 認める わずかに 認めず フィルム付着 認める 素錠の硬度: 6−7kg 錠剤破壊強度測定器(富山
産業株式会社製) 錠剤径 : 8mm φ 曲げ強度測定: 割線部分を下にした状態に試料を錠剤
台に置き加圧ヘッド上から割線を開くように分割した時
の圧力を曲げ強度とした。錠剤破壊強度測定器(富山産
業株式会社製)
【0041】
【表5】 表5 HPMC品種及び配合割合と分割性(PTP包装品) R R/E R/E R/E E (2:1 W/W) (1:1 W/W) (1:2 W/W) 分割時の 割れ難い 割れ難い 割れ難い ほぼ 割れ易い割れ易さ 割れ易い 曲げ強度 3.5Kg 3.3Kg 3.3Kg 3.0Kg 2.6Kg 分割時の 認める 認める 認める わずかに 認めず フィルム付着 認める 曲げ強度は、PTP包装の上から割線を開くように分割
して測定した。素錠の硬度、錠剤径は表4と同じ
【0042】以上のように、HPLCの品種および配合
割合を変化させたコーティング液でフィルムコーティン
グしたフィルムコーティング錠は未包装形態ではいずれ
の試料も分割の容易性に全く問題はなかったが(表
4)、PTP包装を施した場合EタイプのHPMCを2
/3以上配合しないと分割性にやや問題があることがわ
かった(表5)。
【0043】また、未包装、PTP包装いずれの場合も
EタイプのHPMC等の低分子ポリマーを配合すること
により皮膜の引っ張り強度が減少した。その結果、分割
時に素錠とフィルムとを一体に分割することが可能とな
り、分割面の外観および形状も良好となりフィルム付着
の問題も解消された。
【0044】試験例5 フィルムの物性の測定 実施例1.Bのコーティング溶液において、HPMCと
してTC−5のEタイプおよび/またはRタイプを各表
に示す割合で使用したものを用いてキャスティングフィ
ルムを調製後、島津オートグラフでフィルムの引っ張り
強度及び伸び率を測定した(膜厚:50μm)。結果を
表6に示す。
【0045】
【表6】 表6 フィルムの引っ張り強度及び伸び率 HPMCの品種 R R/E R/E R/E E と配合割合 (2:1 W/W) (1:1 W/W) (1:2 W/W) 引張り強度 511 512 452 401 407(Kg/cm2 伸び率 5.1 4.5 3.8 2.5 2.0 (%) 水分 3.1 3.5 3.4 3.3 3.7 (%) 試験法:島津オートグラフ(DSS−10T−S型)、
膜厚 50±5μm 25℃、52%RH 2日間放置(調温)した後、25
℃、50%RH恒温室で測定
【0046】表6および試験例2ないし4の結果から、
分割が容易で、分割時にフィルムが半分に割れた錠剤と
一体になって分割できる、フィルムコーティングを施し
た分割錠剤の製造ためには、コーティングが50μmの
膜厚のフィルムに形成された時に、300Kg/cm2
ないし450Kg/cm2の引っ張り強度、及び1.5%
ないし3.5%の伸び率の物性を有するものであること
が好ましいことがわかった。
【0047】試験例6 分割錠剤の重量偏差 本発明の下杵曲型のカラテ型(図1)で素錠を製造し、
EタイプのHPMCを用いて実施例1.Bに従ってフィ
ルムコーティングを施した。コーティングした錠剤を用
いて分割前(原錠)及び分割後(半錠)の重量偏差試験
を実施した。
【0048】その結果、表7のように分割後の重量偏差
は良好な値が得られ、本分割錠剤は均一に分割できるこ
とが明らかとなった。
【0049】
【表7】 表7 分割錠剤の重量偏差 (n=20) 原 錠 半 錠 平均±標準偏差 変動係数 平均±標準偏差 変動係数 206.3±1.1 0.5 103.2±2.1 2.0
【0050】
【発明の効果】フィルムコーティングを施した分割錠剤
において形状を工夫することによって、コーティング時
のトラブルを防止でき、かつ容易に分割できる分割錠剤
が得られた。
【0051】さらに、所望により、フィルムコーティン
グ用成膜剤としてHPMC等のセルロースエーテル系ポ
リマー(好ましくはHPMC−Eタイプ等の低分子ポリ
マーを全使用量の65%以上配合したもの)を使用した
場合、フィルム付着もほとんど認められず、かつ、PT
P包装品においてもPTPの上から指で押すことにより
容易に分割できる分割錠剤が得られた。本分割錠剤は分
割による錠剤重量の変動も小さく、良好な分割性を示し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の錠剤形状である下杵曲型のカ
ラテ型の一態様(上杵:V割線フチ角 下杵:Rフチ
角)を表す。Rは下面の曲率半径、rは上面の曲率半径
を表し、R>rである。aは下面図、bは上面図、cは
側面図である。
【図2】 図2は本発明の錠剤形状である下杵曲型のカ
ラテ型の一態様(上杵:V割線フチ角 下杵:Rフチ
角)を表す。Rは下面の曲率半径、上面は平斜面を表
す。aは下面図、bは上面図、cは側面図である。
【図3】 図3は、既知の錠剤形状である平型(上杵:
割線入平型 下杵:平型)を表す。aは下面図、bは上
面図、cは側面図である。
【図4】 図4は、既知の錠剤形状である下杵平型のカ
ラテ型(上杵:V割線フチ角 下杵:平型フチ角)を表
す。aは下面図、bは上面図、cは側面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−59708(JP,A) 実公 昭40−3680(JP,Y1) 「萬有製薬医療用医薬品添付文書集 1994年版」,発行所:株式会社 萬有製 薬株式会社,(1994年4月発行),p. 182,183,268 日本薬学会「医薬品添加物ハンドブッ ク」,丸善株式会社,(1989),p. 286−288 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/44 A61K 9/28 A61K 47/38

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 盤状の素錠の上面に錠剤の分割を容易に
    する少なくとも一本の溝からなる割線を設け、該上面は
    対向する縁部から割線へ向けて徐々に凹ませ、素錠の下
    面は周辺部から中心部に向けて徐々に盛り上げ、凹ませ
    た上面および盛り上げた下面には各々曲面を形成させる
    が、上面の曲率半径を下面の曲率半径より小さくするこ
    とによって、周辺部より中心部の方が薄肉となるように
    した上記素錠に、フィルムコーティングを施してなる、
    分割錠剤。
  2. 【請求項2】 上下方向から眺めたときの輪郭が円形な
    いし楕円形である請求項1に記載の錠剤。
  3. 【請求項3】 円形の直径が3mmから12mmの範囲であ
    る請求項2に記載の錠剤。
  4. 【請求項4】 コーティングが50μm の膜厚のフィル
    ムに形成されたときに、250kg/cm2 ないし450kg
    /cm2 の引っ張り強度、および、1%ないし4%の伸び
    率の物性を有するものである、請求項1ないし3のいず
    れか1項に記載の錠剤。
  5. 【請求項5】 フィルムコーティングがセルロースエー
    テル系重合体を含むフィルム形成性ポリマーから形成さ
    れる、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の錠剤。
  6. 【請求項6】 セルロースエーテル系重合体がヒドロキ
    シプロピルメチルセルロースである、請求項5に記載の
    錠剤。
  7. 【請求項7】 フィルムコーティングを形成するフィル
    ム形成性ポリマーが顔料を含む、請求項5または6に記
    載の錠剤。
JP6188565A 1994-08-10 1994-08-10 フィルムコーティングを施した分割錠剤 Expired - Lifetime JP3015677B2 (ja)

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