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JP3010685B2 - 有機電解質電池 - Google Patents

有機電解質電池

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JP3010685B2
JP3010685B2 JP2137955A JP13795590A JP3010685B2 JP 3010685 B2 JP3010685 B2 JP 3010685B2 JP 2137955 A JP2137955 A JP 2137955A JP 13795590 A JP13795590 A JP 13795590A JP 3010685 B2 JP3010685 B2 JP 3010685B2
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Sony Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、リチウム又はリチウム合金を主負極活物質
とし、二酸化マンガンを主正極活物質とする有機電解質
電池の改良に関するものである。
〔発明の概要〕
請求項1の発明は、負極活物質をリチウム又はリチウ
ム合金から主として構成するとともに正極活物質を二酸
化マンガンから主として構成している有機電解質電池に
おいて、二酸化マンガンとn−ブチルリチウムとから合
成されたLixMnO2(但し、0.7≦x≦1.2)が上記正極活
物質の全量に対して3〜20重量%だけ予め添加されてい
るとともに、上記LixMnO2は、FeKα線によるX線回折パ
ターンにおいて、回折角(2Θ、Θ:ブラッグ角)23.0
゜〜23.6゜における回折ピークの半値幅が2.5゜〜4.5゜
でありかつ回折角52.0゜〜52.2゜における回折ピークの
半値幅が0.8゜〜2.0゜であることによって、電池組立て
直後において予備放電処理なしで所望の適切な電池電位
を示す電池を、大量生産が可能でかつ安価な上記LixMnO
2を用いて得ることができるようにしたものである。
請求項2の発明は、上記有機電解質電池において、リ
チウム・マンガン複合酸化物とn−ブチルリチウムとか
ら合成されたLixMnO2(但し、0.7≦x≦1.2)が上記正
極活物質の全量に対して3〜20重量%だけ予め添加され
ているとともに、上記LixMnO2は、FeKα線によるX線回
折パターンにおいて、回折角(2Θ、Θ:ブラッグ角)
23.2゜〜23.4゜における回折ピークの半値幅が0.5゜〜
1.5゜でありかつ回折角51.0゜〜51.2゜における回折ピ
ークの半値幅が2.0゜〜4.0゜でありかつ回折角57.4゜〜
57.8゜における回折ピークの半値幅が1.5゜〜3.5゜であ
ることによって、電池組立て直後において予備放電処理
なしで所望の適切な電池電位を示す電池を、大量生産が
可能でかつ安価な上記LixMnO2を用いて得ることができ
るようにしたものである。
〔従来の技術〕
金属リチウムを負極に用い、電解液として有機溶媒を
用いる有機電解質電池(いわゆるリチウム一次電池)
は、保存性に優れ、性能がよいことから、有用な電池と
して注目されている。このような有機電解質電池は例え
ば時計、カメラ、電卓、電子機器のメモリーバックアッ
プ用などの電源として使用されている。
特に正極に二酸化マンガンを用いた有機電解質電池
(リチウム/二酸化マンガン電池)は、重負荷特性に優
れ、しかも原料が安価であるといったメリットから多数
生産されている。
ところが、リチウム/二酸化マンガンから成る有機電
解質電池は、電池組立て直後において3.5〜3.6Vという
非常に高い電位を示す。これは正極活物質において高活
性(高電域)な部分があるためと考えられている。
このため、電解液として用いている有機電解液が劣化
し、電池の保存性が悪化してしまう。
また、各種の民生用電子機器に内蔵されている電子部
分の作動電位が一般に3.3V付近にあるため、上述のよう
な高電位のままの電池を電子機器内に組み込むと、この
電子機器において誤動作や電子部品の破損などの恐れが
生じてしまう。
そこで、その対処法として、電池の作製後、電池容量
の一部を意図的に予備放電処理して所望の電位まで電位
を低下させる工程が必要となっている。このため、電池
の製造工程が複雑となり、電池の生産性の面から上記工
程は大きな問題となっている。
このような問題を解決するため、特開昭62−290058号
公報において、正極活物質としての二酸化マンガンにLi
xMnO2を予め添加しておくことによって、予備放電処理
なしで所望の電池電位を示す電池を得ることが開示され
ている。
上記公報に示されているLixMnO2は、次のような方法
で合成されたものである。
(1)リチウムと二酸化マンガンとを有機電解液中で電
気化学的に反応させる(電気化学的方法)。
(2)炭酸リチウムと二酸化マンガンとを2:1(モル
比)の割合で混合し、不活性ガス雰囲気中にて800〜950
℃で3時間焼成する(熱化学的方法)。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のリチウム/二酸化マンガン電池において、上記
(1)の電気化学的方法で合成されたLixMnO2を正極活
物質としての二酸化マンガンに予め添加することによっ
て、所望の電池電位を得ることができる。しかしなが
ら、この電気化学的合成法によるLixMnO2は、有機電解
液中で電気化学的に反応させて得ているから、安価に大
量に合成して得ることができなくかつ高価になるといっ
た欠点がある。
したがって、電気化学的合成法によるLixMnO2は高価
でかつ生産性が悪いから、電池の生産性及びコストに悪
影響を与えてしまう。
また、上記(2)の熱化学的方法で合成されたLixMnO
2は安価に大量に合成できる。しかしながら、この熱化
学的合成法によるLixMnO2を、上述のリチウム/二酸化
マンガン電池において、正極活物質としての二酸化マン
ガンに予め添加しても電池電位が比較的高く所望の適切
な電池電位を得ることができない、といった欠点があ
る。
したがって、熱化学的合成法によるLiMnO2によれば、
電池の特性上満足のいくものを得られない。
本発明の目的は、上述のような欠点を総て解消し、電
池組立て直後において所望の適切な電池電位を示すとと
もに、生産性の優れた有機電解質電池を提供することで
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究の結
果、二酸化マンガンとn−ブチルリチウムとから合成さ
れたLixMnO2又はリチウム・マンガン複合酸化物とn−
ブチルリチウムとから合成されたLixMnO2を正極活物質
に添加することが極めて効果的であることを見い出して
本発明に至った。
すなわち、請求項1の発明は、負極活物質をリチウム
又はリチウム合金から主として構成するとともに、正極
活物質を二酸化マンガンから主として構成している有機
電解質電池において、二酸化マンガンとn−ブチルリチ
ウムとから合成されたLixMnO2(但し、0.7≦x≦1.2)
が上記正極活物質の全量にに対して3〜20重量%だけ予
め添加されているとともに、上記LixMnO2は、FeKα線に
よるX線回折パターンにおいて、回折角(2Θ、Θ:ブ
ラッグ角)23.0゜〜23.6゜における回折ピークの半値幅
が2.5゜〜4.5゜でありかつ回折角52.0゜〜52.2゜におけ
る回折ピークの半値幅が0.8゜〜2.0゜であることを特徴
とする。
また、請求項2の発明は、上記有機電解質電池におい
て、リチウム・マンガン複合酸化物とn−ブチルリチウ
ムとから合成されたLixMnO2(但し、0.7≦x≦1.2)が
上記正極活物質の全量に対して3〜20重量%だけ予め添
加されているとともに、上記LixMnO2は、FeKα線による
X線回折パターンにおいて、回折角(2Θ、Θ:ブラッ
グ角)23.2゜〜23.4゜における回折ピークの半値幅が0.
5゜〜1.5゜でありかつ回折角51.0゜〜51.2゜における回
折ピークの半値幅が2.0゜〜4.0゜でありかつ回折角57.4
゜〜57.8゜における回折ピークの半値幅が1.5゜〜3.5゜
であることを特徴とする。
〔作用〕
二酸化マンガン又はリチウム・マンガン複合酸化物と
n−ブチルリチウムとから合成されたLixMnO2を正極活
物質に添加することによって、電池の組立て直後におい
て正極活物質にある高電位部分が高電位ではない部分へ
と変化して除去される。
上記LixMnO2が正極活物質における上記高電位(高活
性)部分によって酸化させられてLi(x-y)MnO2という形
になって上記LixMnO2におけるxの値が減少し、同時に
上記高電位部分が消失してしまうと推定される。
そして、正極活物質に予め添加される上記LixMnO2
おけるxの値が0.7未満の小さな値であると、このLixMn
O2において上記高電位部分によって酸化させられる量が
少ないから、上記高電位部分の除去効果が少なくなると
考えられる。
また、上記LixMnO2の添加量は3重量%未満である
と、上記高電位部分の除去効果が充分に得られなく、ま
た20重量%を超えると、電池容量の低下が顕著となる。
また、上記LixMnO2は安価に大量に合成することが可
能である。
〔実施例〕
以下、本発明をコイン形の有機電解質電池(リチウム
/二酸化マンガン電池)に適用した実施例について第1
図〜第7図を参照しながら説明する。
最初に、実施例において用いたLixMnO2の合成例につ
いて説明する。
合成例1 n−ブチルリチウムと二酸化マンガンとの反応による
LixMnO2の合成を次のように行った。
電解二酸化マンガン1kgとn−ブチルリチウム15%含
有のヘキサン溶液7.3とをヘキサン1中で数時間反
応させた後、この溶液をろ過し、次に、120℃で一昼夜
真空乾燥を行って茶褐色の粉末を得た。
この粉末のX線回折パターンを第2図に示す。同図に
示されたX線回折パターンは、二酸化マンガンのX線回
折パターンと比較して明らかに異なっていることが確認
された。
この粉末は、二酸化マンガンとn−ブチルリチウムと
が反応したLixMnO2であると推定され、本来LixMnO2とい
う化学式で表わされるものである。このLixMnO2中のx
値を原子吸光法によって求めたところx=0.83であっ
た。
なお、本合成例1の方法によれば、LixMnO2を安価に
大量に合成できる。
合成例2 上記合成例1と同様に、電解二酸化マンガン1kgとn
−ブチルリチウム15%含有のヘキサン溶液5.1とをヘ
キサン1中で数時間反応させた後、この溶液をろ過
し、次に、120℃で一昼夜真空乾燥を行って茶褐色の粉
末を得た。
この粉末のX線回折パターンを第3図に示す。同図に
示されたX線回折パターンは、第2図に示す上記合成例
1のX線回折パターンと比べて若干異なるプロファイル
(回折パターンのピーク強度は変化しているが、ピーク
位置は変化していない)を示している。この場合、原子
吸光法によって求めたLixMnO2中のx値は0.70であっ
た。
合成例3 n−ブチルリチウム15%含有のヘキサン溶液4.4を
反応させる以外は上述の合成例1及び2と同様の方法に
よって、LixMnO2を合成して得た。この場合、原子吸光
法によって求めたLixMnO2中のx値は、0.60であった。
合成例4 本合成例4は、リチウム・マンガン複合酸化物とn−
ブチルリチウムとを反応させてLixMnO2を合成したもの
である。
電解二酸化マンガン1モルと炭酸リチウム0.25モルか
ら成る混合物を、空気中にて350℃で6時間焼成するこ
とによって、Li0.5MnO2を得た。次に、このLi0.5MnO2 1
kgとn−ブチルリチウム15%含有のヘキサン溶液5.5
をヘキサン1中で数時間反応させた後、この溶液をろ
過し、次に120℃で一昼夜真空乾燥を行った。
この結果得られたLixMnO2のX線回折パターンを第4
図に示す。また、このLixMnO2のxは、原子吸光法によ
って求めて1.20であった。
なお、本合成例4の方法によれば、LixMnO2を安価に
大量に合成できる。
合成例5 本合成例5は、上述の特開昭62−290058号公報に示さ
れている熱化学的合成法によってLiMnO2を合成したもの
である。
電解二酸化マンガン1モルと炭酸リチウム0.5モルか
ら成る混合物を、不活性ガス雰囲気中にて800〜950℃で
3時間焼成することによって、LiMnO2を得た。このLiMn
O2のX線回折パターンを第5図に示す。
第5図に示す熱化学的合成法によって得たLiMnO2のX
線回折パターンと、第2図〜第4図に示す二酸化マンガ
ン又はリチウム・マンガン複合酸化物とn−ブチルリチ
ウムとから合成されたLixMnO2の各X線回折パターンと
を比較すると、明らかに両者に相異が見られる。
また、第2図と第4図とを比較すると、二酸化マンガ
ンとn−ブチルリチウムとから合成されたLixMnO2と、
リチウム・マンガン複合酸化物とn−ブチルリチウムと
から合成されたLixMnO2とは、例えば回折角(2Θ、
Θ:ブラッグ角)57.6゜近傍における回折ピーク(第4
図に矢印eで示す)によって区別され得ることがわか
り、両者の結晶状態は異なっていることが推定される。
以上の合成例1〜4で得られたLixMnO2は、例えば熱
化学合成法によって得られたLixMnO2とは違った結晶構
造を有していると考えられ、これらを用いて以下に述べ
るように有機電解質電池を作製した。
実施例1 本実施例1の電池は、正極活物質としての二酸化マン
ガンに合成例1で得たLixMnO2(x=0.83)を添加した
ものである。
第1図はコイン形の上記電池の縦断面図であるが、こ
の電池を次のようにして作製した。
二酸化マンガン88.9重量部とグラファイト9.3重量部
とポリテトラフルオロエチレン1.8重量部とを混合し、
この混合物に対して上記合成例1で得たLixMnO2(x=
0.83)を9重量部混合して、正極合剤を得た。この場
合、二酸化マンガンに対するLixMnO2の添加量は10.1重
量%である。
次に、上記正極合剤を用い、直径15.5mm、厚さ16.5m
m、重量0.894gに加圧成型することによって、円板状の
正極ペレット5を得た。
また、負極活物質として金属リチウムを用い、これを
円板状にして負極ペレット4とした。
なお、リチウム合金を負極活物質としてもよく、この
リチウム合金として、Al、Pb、Sn、Bi、Cd、Cu、Feなど
を合金元素として一種類以上添加したものを用いること
ができる。この場合、これら合金元素はリチウムの電位
を大きく変化させない程度に添加されるのが好ましい。
また、電解液としては、プロピレンカーボネートとジ
メトキシエタンを体積比で1:1に混合したものに、1モ
ル/のLiClO4を溶解させて得られた有機電解液を用い
た。
なお、電解液としては、LiClO4以外の公知のリチウム
塩を電解質とし、これを他の公知の有機溶剤に溶解した
非水系の有機電解液を用いてもよい。
また、ポリプロピレン製の不織布を用いてセパレータ
3とした。
次に、金属製の負極カップ1に負極ペレット4を圧着
し、この負極ペレット4の上に上記電解液を含浸させた
セパレータ3を置き、プラスチックなどの絶縁材料から
成るガスケット6をはめ込んだ後、正極ペレット5をセ
パレータ3の上に置き、金属製の正極缶2を被せた。そ
して、正極缶2の端をかしめることによって電池内部の
密閉性を得た。
以上のようにして、外径20mm、総高3.2mmのコイン形
の有機電解質電池を作製した。この電池を、便宜上、電
池Aとする。
実施例2 本実施例2では、上記合成例4で得たLixMnO2(x=
1.20)を用いた以外は上記実施例1と同様にして電池D
を作製した。
比較例1 本発明の効果を確認するための比較例1として、上記
合成例5で熱化学的合成法によって得たLiMnO2を用いた
以外は上記実施例1と同様にして電池Eを作製した。
比較例2 比較例2として、実施例1においてLixMnO2を添加せ
ずに他は同様にして電池Fを作製した。
この電池Fを、30Ωの負荷抵抗で8分間放電させる予
備放電処理を行うことによって、電池Fの組立て直後に
おける高電位部分を除去した。
上記4種類の電池A、D、E及びFについて、それぞ
れ60℃の恒温槽で20日間保存し、保存前及び保存後の開
路電圧、内部抵抗をそれぞれ測定した。この結果を第1
表に示す。
上記第1表からわかるように、二酸化マンガンとn−
ブチルリチウムとから合成したLixMnO2(x=0.83)を
正極活物質としての二酸化マンガンに添加した上記電池
Aと、リチウム・マンガン複合酸化物とn−ブチルリチ
ウムとから合成したLixMnO2(x=1.20)を同じく添加
した電池Dとは、組立て直後において所望の適切な電池
電圧を示し、かつ予備放電処理を施した電池Fと同等以
上の優れた保存特性を示す。
また、二酸化マンガンと炭酸リチウムとから熱化学的
に合成したLiMnO2を添加した電池Eは、電池A及びDと
比較して高電位部分の除去効果が小さいことがわかる。
以上の結果より、二酸化マンガンとn−ブチルリチウ
ム及びリチウム・マンガン複合酸化物とn−ブチルリチ
ウムから合成した各LixMnO2は熱化学的に合成したLiMnO
2と比べて所望の適切な電池電圧と優れた保存特性とを
示しかつ予備放電処理を施した電池と同等以上の性能を
有すると言える。
上記LixMnO2を正極活物質に添加することによって、
電池の組立て直後において正極活物質にある高電位部分
が高電位ではない部分へと変化して除去されるものと考
えられる。
次に、正極活物質としての二酸化マンガンに添加する
LixMnO2におけるxの値と電池の保存性との関係を明ら
かにするため、次の実施例3及び4を行った。
実施例3 本実施例3では、上記合成例2で得たLixMnO2(x=
0.70)を用いた以外は上記実施例1と同様にして電池B
を作製した。
実施例4 本実施例4では、上記合成例3で得たLixMnO2(x=
0.60)を用いた以外は上記実施例1と同様にして電池C
を作製した。
上記2種類の電池B及びCについて、それぞれ60℃の
恒温槽で20日間保存し、保存前及び保存後の開路電圧、
内部抵抗をそれぞれ測定した。この結果を第2表に示
す。なお、同表には比較のために、上記電池A及びDの
結果も合せて示している。
上記第2表からわかるように、LixMnO2におけるxの
値が0.70以上であるLixMnO2を正極活物質としての二酸
化マンガンに添加した電池A、B及びDは、予備放電処
理を施した上記電池Fと同等以上の優れた保存特性を示
すのに対して、xの値が0.6になるとLixMnO2を添加する
効果は認められなくなる。つまり、保存前、保存後の電
池電圧は添加するLixMnO2のx値によって変わることが
わかる。
この理由として、次のようなことが推定されている。
すなわち、LixMnO2が正極活物質における高電位部分
によって酸化させられてLi(x-y)MnO2という形になって
上記LixMnO2におけるxの値が減少し、同時に上記高電
位部分が消失してしまうが、正極活物質に予め添加され
る上記LixMnO2におけるxの値が小さな値であると、こ
のLixMnO2において上記高電位部分によって酸化させら
れる量が少ないから、上記高電位部分の除去効果が少な
くなると考えられる。
以上の結果により、電池の組立て直後において所望の
適切な電池電位が得られるLixMnO2におけるxの値は0.7
≦x≦1.20であり、xの値がこの範囲内であるLixMnO2
を添加することによって、正極活物質における高電位部
分の除去効果が得られると言える。
次に、上記LixMnO2(0.7≦x≦1.2)を正極活物質と
しての二酸化マンガンに添加することによって、上述の
ように上記高電位部分の除去効果が得られることがわか
ったが、どれだけの量を添加する必要があるかが不明で
あり、また電池容量の低下の懸念があったので、LixMnO
2の添加量について次のように検討した。
二酸化マンガンとn−ブチルリチウムとから合成され
たLixMnO2(x=0.83)の添加量(重量%で表わす)を
四通りに変化させて実施例1と同様にして4種類の電池
を作製した。
この結果得られたLixMnO2の添加量(重量%)と各電
池で得られた保存前及び保存後の開路電圧との関係を第
6図に示す。なお、この開路電圧は上述と同様の方法で
測定した。
また、上記LixMnO2の添加量(重量%)と各電池で得
られた放電容量との関係を第7図に示す。なお、この放
電容量は60℃−20日間保存後に求めた。
第6図から、上記LixMnO2の添加量が1重量%では上
記高電位部分の除去効果は認められず、少なくとも3重
量%の添加量が必要であることがわかる。
また、第7図から、上記LixMnO2の添加量が10重量%
までは、放電容量にほとんど差はないが、20重量%では
放電容量は若干低下しており、30重量%では放電容量は
大幅に低下していることがわかる。
以上の結果から、上記LixMnO2の添加量としては3〜2
0重量%が好ましく、3〜10重量%がさらに好ましいと
言える。なお、この添加量の好ましい範囲は、LixMnO2
におけるxが0.7〜1.2の範囲で変化しても変わらない。
また、本発明者のさらなる研究によれば、第2図及び
第3図に示すような、二酸化マンガンとn−ブチルリチ
ウムとから合成されたLixMnO2(0.7≦x≦1.2)につい
てのX線回折パターンにおいて、回折角23.0゜〜23.6゜
における回折ピーク(第2図及び第3図に矢印aで示
す)の半値幅が2.5゜〜4.5゜でありかつ回折角52.0゜〜
52.2゜における回折ピーク(第2図及び第3図に矢印b
で示す)の半値幅が0.8゜〜2.0゜であることによって、
このLixMnO2を特定できることがわかった。
また、第4図に示すような、リチウム・マンガン複合
酸化物とn−ブチルリチウムとから合成されたLixMnO2
(0.7≦x≦1.2)についてのX線回折パターンにおい
て、回折角23.2゜〜23.4゜における回折ピーク(第4図
に矢印cで示す)の半値幅が0.5゜〜1.5゜でありかつ回
折角51.0゜〜51.2゜における回折ピーク(第4図に矢印
dで示す)半値幅が2.0゜〜4.0゜でありかつ回折角57.4
゜〜57.8゜における回折ピーク(第4図に矢印eで示
す)の半値幅が1.5゜〜3.5゜であることによって、この
LixMnO2を特定できることがわかった。
上述のような各回折ピークにおける半値幅の範囲は、
LixMnO2におけるxに関する0.7〜1.2の範囲にほぼ対応
している。
なお、リチウム/二酸化マンガン(Li/MnO2)電池に
おける放電反応は MnO2+mLi→LimMnO2 (1) のように進行すると考えられるが、本発明において正極
活物質にLixMnO2に予め添加したことは、次のようにし
て判別できる。
即ち、上記式(1)のような放電反応において、電池
の正極ペレット5のセパレータ3側(負極ペレット4に
対向する側)と正極缶2側とでは、その放電反応の進行
が異なることが知られている(永浦亭、電子情報通信学
会技術研究報告、vol.88、No.362,29(1989))。
電池の放電反応の進行とともに、各時点における正極
ペレットの両側のX線回折パターンを調べると、上記式
(1)におけるm=0.10に相当する時点でセパレータ側
にのみ新しい回折ピークがあらわれる一方、正極缶側の
回折パターンはほとんど変化しない。これは、セパレー
タ側においてのみ放電反応が進行し、正極缶側は未放電
であるといった不均一反応が進行していることを意味し
ている。
この不均一反応がm=0.55まで続いた後、m=0.86ま
でセパレータ側と正極缶側とにおいて同じ放電反応、即
ち均一反応が進行する。
正極活物質としての二酸化マンガン(MnO2)が本来有
する容量の約64%(0.55/0.86)を放電するまでは、正
極活物質においてセパレータ側と正極缶側とではX線回
折パターンに差が認められる。
したがって、本発明による電池を上記範囲内で放電し
ても、正極缶側の正極ペレット(正極活物質)のX線回
折パターンを調べることによって、正極活物質に上記Li
xMnO2を予め添加しているかどうかを判別できる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、二酸化マンガン又はリチウム・マン
ガン複合酸化物とn−ブチルリチウムとから合成された
LixMnO2(但し、0.7≦x≦1.20)を適切な量だけ正極活
物質に予め添加しておくことによって、電池組立て直後
において予備放電処理なしで所望の適切な電池電位を示
し、所望の電池容量を保持しかつ保存特性のよい有機電
解質電池を提供できる。
また、上記LixMnO2は安価に大量に合成し得て生産性
のよいものであり、また電池の予備放電処理の工程を省
略できるから、電池の生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図は本発明による実施例、及び比較例を説
明するためのものであって、第1図はリチウム/二酸化
マンガン電池の縦断面図、第2図〜第5図は第1図に示
す電池における正極活物質に添加したLixMnO2のFeKα線
によるX線回折パターンを示す図であって、第2図はx
=0.83であるLixMnO2の回折パターン、第3図はx=0.7
0であるLixMnO2の回折パターン、第4図はx=1.20であ
るLixMnO2の回折パターン、第5図は比較のために熱化
学的合成法によって得たLiMnO2の回折パターン、第6図
は第1図に示す電池におけるLixMnO2の添加量と電池の
保存前及び保存後の開路電圧との関係を示す図、第7図
は同じLixMnO2の添加量と電池の保存後の放電容量との
関係を示す図である。 なお図面に用いられた符合において、 4……負極ペレット(負極活物質) 5……正極ペレット(正極活物質) である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/02 - 4/04 H01M 4/50,4/58 H01M 10/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負極活物質をリチウム又はリチウム合金か
    ら主として構成するとともに、正極活物質を二酸化マン
    ガンから主として構成している有機電解質電池におい
    て、 二酸化マンガンとn−ブチルリチウムとから合成された
    LixMnO2(但し、0.7≦x≦1.2)が上記正極活物質の全
    量に対して3〜20重量%だけ予め添加されているととも
    に、 上記LixMnO2は、FeKα線によるX線回折パターンにおい
    て、回折角(2Θ、Θ:ブラッグ角)23.0゜〜23.6゜に
    おける回折ピークの半値幅が2.5゜〜4.5゜でありかつ回
    折角52.0゜〜52.2゜における回折ピークの半値幅が0.8
    ゜〜2.0゜であることを特徴とする有機電解質電池。
  2. 【請求項2】負極活物質をリチウム又はリチウム合金か
    ら主として構成するとともに、正極活物質を二酸化マン
    ガンから主として構成している有機電解質電池におい
    て、 リチウム・マンガン複合酸化物とn−ブチルリチウムと
    から合成されたLixMnO2(但し、0.7≦x≦1.2)が上記
    正極活物質の全量に対して3〜20重量%だけ予め添加さ
    れているとともに、 上記LixMnO2は、FeKα線によるX線回折パターンにおい
    て、回折角(2Θ、Θ:ブラッグ角)23.2゜〜23.4゜に
    おける回折ピークの半値幅が0.5゜〜1.5゜でありかつ回
    折角51.0゜〜51.2゜における回折ピークの半値幅が2.0
    ゜〜4.0゜でありかつ回折角57.4゜〜57.8゜における回
    折ピークの半値幅が1.5゜〜3.5゜であることを特徴とす
    る有機電解質電池。
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