JP2978498B2 - 医療用袋 - Google Patents
医療用袋Info
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Description
にすぐれた薬液、血液などを入れる医療用袋に関する。
さらにくわしくは、エチレン系重合体を主成分とする少
なくとも二層からなるフィルムないしシートからなる医
療用袋に関するものであり、内容液の滅菌のための100
℃以上の熱処理に耐え、かつ衛生性が良好であり、しか
も透明性および柔軟性にもすぐれている薬液、血液など
を入れる医療用袋を提供することである。
て、ポリ塩化ビニルによる袋や、エチレン系共重合体を
使用して耐熱性向上のために架橋させた袋などが利用さ
れている。
チレンと1−オレフィンとの共重合体であり、かつ内外
層が低密度ポリエチレンまたは中間層よりも高い密度を
有するエチレンと1−オレフィンの共重合体からなる医
療用袋について以前に提案した(特開昭62−44256号お
よび同62−6436号)。
柔軟にするための可塑性や残留モノマーの毒性などの問
題がある。また、エチレン系共重合体の場合では、耐熱
性が乏しいために滅菌時に袋のシワ状態が発生するなど
の外観の劣る医療用袋が得られるなどの問題がある。
れも120℃の温度におけるMD方向の熱収縮率が20%を超
えていたため、115℃以上の滅菌熱処理において、フィ
ルム(またはシート)の表面の微少な熱収縮や熱変化の
ため透明性や柔軟性に問題があった。また、医療用袋に
製袋する場合、シール部分も大きな熱収縮による変形を
生じて生産性のみならず、外観上についても問題があっ
た。
かつこれらの欠点(問題点)がなく、すなわち衛生性が
良好であるのみならず、柔軟性および透明性が著しくす
ぐれ、かつ耐熱性にも良好であり、しかもシワや外観に
もすぐれている医療用袋を得ることである。
オレフィンとの共重合体からなる層との少なくとも二層
を積層して得られるフィルムないしシートからなり、該
フィルムないしシートが下記(a)および(b)の特性
を有することを特徴とする医療用袋、 (a)差動走査熱量計で測定して得られる117℃以下の
低密度ポリエチレンの含有量が15〜80重量% (b)120℃の温度におけるMD方向の熱収縮率が20%以
下 によって解決することができる。以下、本発明をさらに
くわしく説明する。
れるエチレン共重合体は低密度ポリエチレンおよびエチ
レンと1−オレフィンとの共重合体である。
であり、滅菌の温度条件から密度0.920g/cm3以上が好ま
しい。該低密度ポリエチレンは主鎖と長鎖分岐とからな
っているいわゆる高圧法ポリエチレンである。ここて、
長鎖分岐とは、主鎖に対して充分比較し得る程度の長さ
を有するものであり、たとえば炭素数が15以上の分岐を
意味する。
「エチレン系共重合体」と云う)は、その密度は通常0.
920/cm3以下であり、0.910g/cm3以下のものが好まし
く、特に0.905g/cm3以下のものが好適である。しかし、
現在の製造技術上の点から0.890g/cm3以上のものが好ま
しい。このエチレン系共重合体の製造に用いられる1−
オレフィンとは、通常炭素数が多くとも12個のα−オレ
フィンであり、代表例としてプロピレン、ブテン、ヘキ
セン−1、4−メチルペンテン−1およびオクテン−1
があげられる。このエチレン系共重合体において、コモ
ノマーとして共重合された1−オレフィンは、コモノマ
ーの共重合割合が高くなるにともない、密度が低下す
る。すなわち前記の“短鎖分岐”とは、主鎖と比較して
充分短く、炭素数が15未満の分岐をさす。
フィンとの共重合体のメルトフローインデックス(JIS
K7210にしたがい、条件4で測定、以下「MFR」と云
う)は成形性、強度などの点から通常0.1〜20g/10分で
あり、0.1〜15g/10分のものが望ましく、殊に0.1〜10g/
10分のものが好適である。
的に以上の低密度ポリエチレンおよびエチレン系共重合
体を使用することによって得られる。なお、フィルムな
いしシートは少なくとも低密度ポリエチレン層とエチレ
ン系共重合体層からなるものであるが、これらの重合体
の三層以上のものでもよい。
レーション法、共押出Tダイ法、ドライラミネーション
法、押出ラミネーション法など採用することができる
が、経済性の点からは水冷式共押出インフレーション法
および共押出Tダイ法が好ましい。
は一般には0.15〜0.80mmであり、0.15〜0.60mmが好まし
い。厚さが0.15mm未満では、質量感が損なわれる。一
方、0.80mmを超えると、柔軟性が不足する。
erential Scanning Calorimeter,(以下「DSC」とい
う)で測定して得られる117℃以下の融点成分が15〜80
重量%、好ましくは20〜80重量%である。117℃以下の
融点成分が15重量%未満では成形加工性が劣り安定成形
ができない。一方、80重量%を超えるとシール性及び外
観が劣るので好ましくない。
下のものが若干存在することがある。この場合、本発明
の医療用袋中に前記低密度ポリエチレン(高圧法ポリエ
チレン)が15重量%以上含有することが好ましい。
の温度においてMD方向の熱収縮率が20%以下(望ましく
は、18%以下)であることである。フィルムないしシー
トが120℃の温度においてMD方向の熱収縮率が20%を超
えるならば、115℃以上の滅菌熱処理においても透明性
および柔軟性がよくないのみならず、外観もよくない。
さらに、医療用袋に製袋した場合、シール部分も大きな
熱収縮による変形を生じてよくない。
トシールさせることによって適宜所定の形状、寸法に製
袋して注出入口を取付けることによって本発明の医療用
袋を製造することができる。
る。
12のD法にしたがい、23℃±0.1℃の温度において測定
した。さらに、融点はDSC−法にしたがい、昇温速度が
1分間当り10℃で昇温させ、ピークの温度を求めた。ま
た、柔軟性はASTM D−882に準拠し、引張弾性率を測定
し、自然排出法は肉眼で観察することによって評価し
た。さらに、透明性は内容液充填した後、115℃の温度
で30分間高圧蒸気滅菌処理をし、40℃において40分間熱
処理したさいに肉眼で観察した。また、透明性は生理食
塩水を充填し、滅菌後の透視性を肉眼で観察すること、
およびASTM D−1003法に準拠して測定することによって
求めたヘーズ(Haze)によって評価した。さらに、熱収
縮率はJIS Z1709にしたがい、120℃の温度において縦
方向について測定した。また、衛生性は日本薬局方輪液
用プラスチック容器試験法に基づいて試験した結果を評
価した。また、外観は得られた医療用袋を肉眼で観察し
た。以上のうち、シール性および外観は、それぞれ、シ
ワ、変形および破袋の状態を観察した。なお、シール
性、柔軟性の自然排出性、透明性の肉眼による観察、外
観および総合判定は下記の四ランクで示した。
層をそれぞれ構成するポリマーとして、密度が0.927g/c
m3であり、かつ融点が114℃である高圧法で製造した低
密度ポリエチレン〔MFR 1.1g/10分、以下「PE(1)」
と云う〕、密度が0.909g/cm3であるエチレンとブテン−
1との共重合体〔MFR 1.2g/10分、短鎖分岐のアルキル
基の平均の炭素数 約2、1000個のの炭素に対する短鎖
分岐の平均の数 約27、融点 121℃、以下「PE(2)
と云う〕、密度が0.896g/cm3であるエチレンとブテン−
1との共重合体〔MFR 1.5g/10分、短鎖分岐のアルキル
基の平均の炭素数 約2、1000個の炭素に対する短鎖分
岐の平均の数 約35、融点 118℃、以下「PE(3)」
と云う〕および密度が0.900g/cm3であるエチレンとヘキ
セン−1との共重合体〔MFR 2.0g/10分、短鎖分岐のア
ルキル基の平均の炭素数 約4、1000個の炭素に対する
短鎖分岐の平均の数 約35、融点 120℃、以下「PE
(4)」と云う〕を使った。
示されているポリマーを径が65mmの押出機を用いて中間
層を、また径がそれぞれ40mmの押出機を使用して内層お
よび外層を製造し、三層ダイス(径 150mm、スパイラ
ル構造、ダイス温度を第1表に示す)を使ってインフレ
ーション成形し(引取速度を第1表に示す。ブロー比
1.5)、水冷リングを用いて冷却してそれぞれ三層から
なるフィルムを製造した(実施例1、2、比較例1、
2)。
れているポリマーを三種三層のTダイ(幅 600mm、ダ
イスの温度を第1表に示す)を備えた共押出機(径 65
mmが1台、40mmが2台)を用い、引取速度をそれぞれ第
1表に示す条件でTダイ成形した後、チルロール法で冷
却させて各層の厚さが第2表に示されるフィルムを製造
した(実施例3、比較例3、6)。
れの種類が示されているポリマーの押出し、ダイス(径
150mm、単層、スパイラル構造、温度を第1表に示
す)を使ってそれぞれインフレーション成形し(引取速
度を第1表に示す。ブロー比 1.5)、水冷リングを用
いて冷却させ、各厚さが第2表に示されている単層のフ
ィルムを製造した(比較例4、5)。
容積 500ml)を製造した。このようにして得られたそ
れぞれの医療用袋の各種特性の測定を行った。それらの
結果を第3表に示す。
には、フィルムの引取速度およびダイス温度によってコ
ントロールを行った(熱収縮値を小さくするには、一例
としてダイスの温度を非常に高温にし、かつフィルムな
いしシートの引取速度を極端に小さくすることによって
可能となる)。
耳が不安定であり、安定成形ができなかった。
用袋は、柔軟性が良好であるばかりでなく、透明性にも
すぐれており、かつ耐熱性およびシール性が良好である
ことは明らかである。
する。
ワ、変形などの発生がほとんどなく、外観的にも良好で
ある。
生じることがない。
簡易である。
ない。
Claims (2)
- 【請求項1】低密度ポリエチレンからなる層およびエチ
レンと1−オレフィンとの共重合体からなる層との少な
くとも二層を積層して得られるフィルムないしシートか
らなり、該フィルムないしシートが下記(a)および
(b)の特性を有することを特徴とする医療用袋。 (a)差動走査熱量計で測定して得られる117℃以下の
低密度ポリエチレンの含有量が15〜80重量% (b)120℃の温度におけるMD方向の熱収縮率が20%以
下 - 【請求項2】低密度ポリエチレンからなる内外層と、エ
チレンと1−オレフィンとの共重合体からなる中間層か
らなるフィルムないしシートからなり、該フィルムない
しシートが下記(a)および(b)の特性を有すること
を特徴とする医療用袋。 (a)差動走査熱量計で測定して得られる117℃以下の
低密度ポリエチレンの含有量が15〜80重量% (b)120℃の温度におけるMD方向の熱収縮率が20%以
下
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63306698A JP2978498B2 (ja) | 1988-12-03 | 1988-12-03 | 医療用袋 |
EP19890122128 EP0377121A3 (en) | 1988-12-03 | 1989-11-30 | Medical bag |
KR1019890017724A KR0157613B1 (ko) | 1988-12-03 | 1989-12-01 | 의료용 백 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63306698A JP2978498B2 (ja) | 1988-12-03 | 1988-12-03 | 医療用袋 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02191459A JPH02191459A (ja) | 1990-07-27 |
JP2978498B2 true JP2978498B2 (ja) | 1999-11-15 |
Family
ID=17960231
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63306698A Expired - Lifetime JP2978498B2 (ja) | 1988-12-03 | 1988-12-03 | 医療用袋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2978498B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2779419B2 (ja) * | 1990-10-15 | 1998-07-23 | 清水製薬株式会社 | 易ヒートシール性医療用多層シートおよびそれを用いたプラスチックフィルム製輸液用バッグ |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53125452A (en) * | 1977-04-09 | 1978-11-01 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | Polyolefin composition |
JPS6244256A (ja) * | 1985-08-23 | 1987-02-26 | 昭和電工株式会社 | 医療用袋 |
-
1988
- 1988-12-03 JP JP63306698A patent/JP2978498B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02191459A (ja) | 1990-07-27 |
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