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JP2976845B2 - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼板

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JP2976845B2
JP2976845B2 JP7140178A JP14017895A JP2976845B2 JP 2976845 B2 JP2976845 B2 JP 2976845B2 JP 7140178 A JP7140178 A JP 7140178A JP 14017895 A JP14017895 A JP 14017895A JP 2976845 B2 JP2976845 B2 JP 2976845B2
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JP
Japan
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steel sheet
steel
coating
plating film
plating
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JP7140178A
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俊夫 中森
啓司 三木
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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  • Coating With Molten Metal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、めっき被膜と母材鋼板
との密着性に優れ、特に家電用塗装鋼板、自動車用鋼板
として好適な合金化溶融亜鉛めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家電、建材、及び自動車の産業分
野においては亜鉛系のめっき鋼板が大量に使用されてい
るが、とりわけ、防錆機能、溶接性、塗装後の性能、経
済性等に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板が広く用いら
れている。
【0003】合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、Znのめっ
き被膜中に少量のFeを合金させるとその塗料密着性が
向上し、腐食電位がZnに比べて貴で適度な犠牲防食作
用を有するようになることを活用したものである。こと
に溶接性および塗装後の耐食性が格段に向上し、しかも
溶融めっきに連続させた工程で、安価に合金化すること
ができる点から、自動車に多用されている。
【0004】この合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、通常、
連続的に溶融亜鉛めっきを施した鋼板を、引き続き合金
化用熱処理炉で 480〜600 ℃の鋼板温度にて 3〜30秒加
熱保持し、付着したZnめっき被膜に母板のFeを拡散
させ、Fe−Zn合金に変化させることにより製造され
る。できあがった鋼板のめっき被膜はFe−Znの金属
間化合物からなり、被膜層中の平均Fe濃度は多くの場
合、 7〜12重量%程度である。
【0005】めっき被膜のZnとしての付着量は片面当
たり25〜70g/m2程度であるが、この範囲より少ないもの
は通常の手段では製造することが難しく、またこの範囲
を上回るものはめっき被膜の耐パウダリング性を劣化さ
せる。パウダリングとは、成形加工時に被膜の一部が粉
末状になって剥離する現象で、防錆能の低下を生じるば
かりでなく、プレス成形時の製品表面疵発生の原因とな
る。パウダリングの防止に対して、めっき被膜中のAl
を若干増加させることも有効とされている。溶融亜鉛め
っきのめっき浴中には、溶融亜鉛めっき被膜の密着性を
向上させ、また操業中の浴のドロス発生の抑制に効果が
あるため、通常0.08〜0.11%程度の少量のAlが添加さ
れる。めっき被膜中には、浴中のAlが1.5 〜 3倍程度
濃化する傾向があり、0.12〜0.2 %程度になる。
【0006】合金化溶融亜鉛めっき鋼板は前述のように
塗装性や耐蝕性にすぐれているが、そのめっき被膜が加
工性に劣る金属間化合物であるため、変形の仕方や応力
の加わる状況により、めっき被膜と鋼板との界面(以下
「めっき被膜/鋼界面」と記す)で剥離することがあ
る。ことに自動車外板の外側に合金化溶融めっき被膜を
持ってくると、その上に合計で 100μm 程度の塗装が施
されるが、寒冷地で走行中に石跳ねなどによる衝撃を受
けた場合、塗膜の損傷に伴ってめっき被膜/鋼界面で剥
離を生じ、外観の悪化ばかりでなく耐食性も損なうこと
になる。つまり耐チッピング性が劣ってくる。
【0007】このような合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめ
っき被膜/鋼板界面の密着性劣化に対し、鋼中のPが影
響をおよぼすとして、例えば、特開平 6-41707号公報お
よび特開平 6-81099号公報には、鋼板中のP含有量を制
限してその改善を図った発明が提示されている。すなわ
ち、鋼中のPは密着性を大きく劣化させるのである。
【0008】合金化溶融亜鉛めっき鋼板の母材には、従
来低炭素のリムド鋼やAlキルド鋼が用いられることが
多かった。しかし、近年、特に自動車車体への適用が増
すにつれて、深絞り性が要求されることが多くなったた
め、IF鋼(InterstitialFree鋼)と呼ばれる極低炭素
鋼が使用される場合も増加している。そして、車体の高
強度化や軽量化の目的で、鋼板の強度を向上させるため
にコスト的に有利なPを添加した鋼板も大量に使用され
るようになってきた。
【0009】しかしながら、前述のように合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の場合、P添加鋼は耐チッピング性や界面
密着性が十分でない場合もあるという問題点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、合金化
溶融亜鉛めっき鋼板において、鋼中にPが多く存在する
とめっき被膜の密着強度が低下するため、P添加高強度
鋼を母板に用いると、めっき被膜の密着性が劣るという
難点があった。これに対し、本発明は経済的な強化元素
であるPを含有し、かつ、被膜の密着性のすぐれた合金
化溶融亜鉛めっき高強度鋼板を提供しようとするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、合金化溶
融亜鉛めっき鋼板にて、母材鋼板中のP含有量が0.02%
未満であればめっき被膜の密着強度は確保できるが、0.
02%以上、特に0.03%以上になってくると被膜の密着強
度が大きく低下する原因について、種々検討をおこなっ
た。その結果では、P含有量の増加は、合金化処理後の
めっき被膜/鋼界面を平坦化させてその密着力を低下さ
せるばかりでなく、界面そのものの強度を下げ、被膜の
密着強度を低下させると推定された。
【0012】合金化処理過程で、めっき被膜/鋼界面に
金属間化合物のΓ相が形成される際に、母材鋼板の表面
に存在する鋼の金属結晶のそれぞれが凹状に侵食される
が、このΓ相形成反応の速度がその結晶方位によって異
なり、α相において{ 111}面では小さく{ 100}や
{ 110}面では大きい傾向がある。鋼板表面にはこれら
代表的低指数面の他種々の面方位の結晶が存在し、面方
位による侵食速度の違いが顕著になると、めっき被膜/
鋼界面の形状、つまり、めっき被膜を除去した後の鋼板
の表面が、凹凸の激しい、表面粗さの大きい状態になっ
てくる。ところが、P含有量の増加は、このような結晶
方位による侵食速度の違いを少なくし、めっき被膜/鋼
界面の形状を平坦化させる。
【0013】そこで、P含有量の高い母材鋼板の場合
に、被膜の密着強度を高める条件を種々検討し、めっき
被膜/鋼界面の形状を凹凸の激しい状態を現出させたと
ころ、十分な被膜密着性の得られることがわかり、本発
明に至ったのである。本発明の要旨は次のとおりであ
る。
【0014】重量%でP:0.02〜0.20%を含む鋼板の表
面に、Alを0.2 〜0.5 %を含む合金化溶融亜鉛めっき
被膜を有し、かつそのめっき被膜除去後の鋼表面の粗さ
zが 12≧Rz ≧0.0075・Sm + 6.7 ・・・・・・・・・・・ を満足することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼
板。ただし、Rz ( μm)は十点平均粗さ、Sm ( μm)は
凹凸の平均間隔で、いずれもJIS-B-0601に定義されてい
る。
【0015】ここで、めっき母材としての鋼板の組成
は、強化元素としてPを0.02〜0.20%含むものを対象と
し、他の鋼成分はとくには限定しない。しかし、汎用性
の高い鋼として望ましい化学組成は、重量%でC:0.01
%以下、Si:0.25%以下、Mn: 0.8%以下、Ti:
0.1%以下、Nb:0.1 %以下、B:0.0030%以下で、
残部は不可避的不純物とFeからなるものである。
【0016】なお、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面の
摩擦特性や、電着塗装性の改善のため、合金化めっき被
膜の上にさらにFeめっき、あるいはZn−Niめっき
などの上層めっきを施すこともあるが、これらにおいて
も本発明の効果が発揮されることはいうまでもない。
【0017】
【作用】本発明めっき鋼板において、母材としての鋼板
はPを0.02%以上含有するものとするが、特に強度が高
くて、被膜密着性の改善効果が発揮されるのは0.03%以
上である。0.02%未満ではめっき被膜/鋼界面の形状、
すなわちめっき被膜除去後の鋼表面の十点平均粗さRz
が式を満足していなくても、被膜のの密着強度を確保
できる。その上、0.02%未満では、添加による鋼の強度
向上の効果はほとんどない。一方、 0.2%を超えるよう
になると、如何にめっき被膜/鋼界面の形状を変えても
被膜の密着強度は十分でないばかりでなく、鋼板そのも
のが脆化してくる。したがって本発明で対象とする母材
鋼板のPの含有範囲は0.02〜 0.2%とする。
【0018】めっき被膜の合金化度は、塗装性、塗装後
耐食性、耐パウダリング性等の、被膜に要求される性能
を満足する範囲であればとくには規制しないが、一般的
には平均Fe濃度を 7.5〜12.5%の範囲とするのが望ま
しい。
【0019】めっき被膜中のAlの含有量は 0.2〜 0.5
%に規制する。これは、所要合金化度の範囲内にて、め
っき被膜除去後の鋼表面の十点平均粗さRz が式を満
足する状態にするために重要である。Znめっき被膜中
のAlは、FeとZnの境界面における合金化反応をミ
クロ的に不均一にさせる作用があり、 0.2%未満では
式の十点平均粗さRz が不十分になりやすく、 0.5%を
超えるとRz が大きくなりすぎる傾向がある。
【0020】本発明の最も特徴とするところは、合金化
後のめっき被膜除去後の鋼表面の十点平均粗さRz を、
次式で示される範囲内に規制することである。
【0021】 12≧Rz ≧0.0075・Sm + 6.7 ・・・・・・・・・ この式の右辺 Rz ≧0.0075・Sm + 6.7 ・・・・・・・・・・・ は高P含有量の母材に合金化溶融亜鉛めっきをおこなっ
た鋼板の被膜密着強度を調査して得られた結果で、この
条件を満たせば、低Pの鋼板を母材とした場合と同等の
被膜の密着強度が得られる。この式はまた、Sm すなわ
ち凹凸の平均間隔が小さければ、粗さRz が小さくても
密着性が確保できることを意味する。
【0022】Rz は凹凸の主として山の高さと谷の深さ
を示す指標であるのに対し、Sm は凹凸の平均間隔を示
す指標である。したがって、Sm が小さければ単位長さ
あたりの山−谷の繰り返し数が多い。すなわち幾何学的
面積が同じ場合、Rz が大きいほど、そしてSm が小さ
いほどミクロ的に見ためっき被膜/鋼界面の面積が大き
くなる。合金化溶融亜鉛めっき鋼板の被膜の密着強度の
本質的な支配因子が何であるか、現状では十分明らかで
はないが、界面が錯綜し、ミクロ的接触面積が大きいほ
ど被膜の密着強度が大きくなるのであろう。
【0023】ただし、合金化後のめっき被膜除去後鋼表
面粗さRz が大きくなりすぎると、めっきの表面におい
ても凹凸がはなはだしくなり、その上に塗装した時の塗
装表面の鮮映性までも低下させるようになるので、その
上限を Rz ≦12 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ とする。この式と式を合わせたものが式である。
なお、合金化溶融亜鉛めっき鋼板から、めっき被膜/鋼
界面の形状を損なうことなくめっき層のみを除去するの
は、濃度約10重量%の塩酸に適当な塩酸用のインヒビタ
ーを加えた溶液に浸漬することによって容易に実施でき
る。
【0024】次に本発明の鋼に関して好ましい母材鋼板
の化学組成、および製造条件を説明する。
【0025】母材のC含有量は0.01%以下が望ましい。
これは、C含有量が低いほどFeとZnの境界面におけ
る合金化反応をミクロ的に不均一にさせ、めっき被膜/
鋼界面を粗くできるためである。また一般的に、C量が
高くてもよければ、強度向上の目的にP含有量を増す必
要はない。しかしながら、溶融亜鉛めっき工程の急熱急
冷の焼鈍過程にて、深絞り性など母材鋼板の良好なプレ
ス加工性を得、かつ耐時効性もよくしようとすれば、0.
01%以下の極低炭素鋼にせざるを得ず、この極低炭素鋼
にてプレス加工性を阻害することなく強度を高めるに
は、Pの添加が極めて効果的なのである。
【0026】Siは極低炭素鋼において強度向上に有効
であり、必要に応じて添加してもよい。しかし、母材鋼
板の表面性状を劣化させ、不めっき部分を生じさせたり
するので、添加する場合は多くても0.25%以下の含有に
とどめることが望ましい。
【0027】Mnは、不可避的不純物の一つであるSに
よる製造時の熱間脆性を抑止するため、0.08%以上の含
有が好ましい。その上、極低炭素鋼にて強度を上昇させ
ることに利用できる。また、ある程度含有させる方がめ
っき被膜/鋼界面の密着力を増し、さらにSiの存在に
よる不めっき発生を抑止する効果もある。とくにSiを
0.1%以上含有する鋼の場合は、 0.3%以上含有させる
のが望ましい。ただし0.8 %を超える含有は製品のプレ
ス加工性を悪くするので、母材鋼中の望ましいMnの含
有量範囲は0.08〜 0.8%である。
【0028】鋼中のAlは、健全な鋳片を得るための脱
酸剤として添加されるので不可避的に存在する。ただし
多すぎると不めっきを誘発しやすいので、望ましい含有
量の範囲は 0.005〜0.05%である。
【0029】TiおよびNbは、鋼中に存在するC、
S、Nなどと結合してこれら元素を固定し、溶融めっき
ラインでの急熱急冷の焼鈍過程において、鋼板のプレス
加工性を高め、鋼を非時効化するのに効果がある。ま
た、ミクロ的にFeとZnの境界面を粗くする効果があ
る。これは、固溶Cを固定するのでC含有量を低下させ
たのと同じ効果が得られたためと考えられる。このよう
な効果を得るには、どちらの元素も 0.003%以上の含有
が必要であるが、多すぎると鋼板の延性を悪くするの
で、望ましいTiまたはNbの含有範囲はいずれも 0.0
03〜 0.1%である。TiまたはNbは、どちらか一方の
添加でも、両方共添加してもよい。
【0030】Pの添加は、鋼板を脆化させる傾向があ
る。この脆化の抑止にはBの添加が好ましい。その添加
の効果を発揮させるのに望ましい含有量範囲は0.0003〜
0.003%である。
【0031】鋼の不可避的不純物の代表例として、Sお
よびNがあるが、これらは鋼板のプレス加工性を劣化さ
せるので少なければ少ないほどよい。望ましいのは、S
では0.02以下、Nでは 0.007%以下である。
【0032】本発明の、合金化後のめっき被膜/鋼界面
の十点平均粗さRz を、Pが0.02%以上の鋼において、
式の範囲に制御することは通常の方法では容易には実
現できない。これを得るために望ましいめっき工程条件
の例を説明する。
【0033】(1) 溶融亜鉛めっきの連続処理工程におい
て、鋼板が還元帯通過後めっき浴に入る直前までに、 4
50〜 700℃の温度範囲にて、20〜 120sの時間滞留させ
る。
【0034】これによって高P含有量であっても、めっ
き被膜除去後の鋼表面のRz を大きくすることができ
る。理由は明らかでないが、Mnが鋼表面に偏析してく
るので、めっき後のFeとZnの境界面におけるMnの
存在が、合金化反応に影響をおよぼすと考えられる。次
に、 (2) Znのめっき浴中のAl濃度を重量%にて、0.12〜
0.17%に管理する。これによって、めっき被膜中のAl
含有量を 0.2〜 0.5%に制御できる。Al濃度が0.12%
未満では、めっき被膜中の含有量が 0.2%を下回るよう
になり、Rz が式を満足できないようになる。また浴
中Al濃度が0.17%を超えるようになると、めっき被膜
除去後の鋼表面のRz が式を満足しなくなる、すなわ
ち粗くなりすぎる。また、 (3) めっき後合金化処理をおこなう際に、合金化温度を
550℃以上とし、 430℃から 550℃の温度範囲を30℃/
s以上の昇温速度で急熱する。この高温への急速加熱に
より、鋼中のPが高くてもミクロ的にFeとZnの境界
面の合金化反応を不均一にし、境界面を粗くすることが
可能になる。合金化の加熱温度が 550℃未満、あるいは
昇温速度が30℃/s未満の場合は、式を満足するRz
が得られない。合金化の温度はとくには制限しないが、
高くなるとパウダリングが甚だしくなるのであまり高く
はできない。昇温速度も上限はないが、加熱のための設
備的、経済的制約の点で自ずから限界がある。高温への
急速加熱が有効なのは、鋼の結晶粒内の欠陥や粒界で優
先的に合金化反応が進み、めっき被膜/鋼界面の凹凸を
大きくするためと思われる。
【0035】
【実施例】表1に示す化学組成の 5種類の圧延ままの冷
延鋼板を用い、表面をアルカリ洗浄し、露点−35℃の水
素15%を含む窒素雰囲気中にて、最高加熱温度 820℃で
還元焼鈍した後、 460℃まで表2に示す条件で冷却し、
その 700℃から 460℃に至る温度域での滞留時間を種々
変えた。次いでAl濃度0.11〜0.18%、温度 460℃の溶
融亜鉛浴に 1秒間浸漬して付着量50g/m2のめっきをお
こなった。続いて、昇温速度を15〜65℃/sの範囲で変
えて所要温度まで加熱し、所定時間保持により合金化処
理をおこない、冷却して合金化亜鉛めっき鋼板とした。
各鋼板の、この還元燒鈍後の冷却、および 700℃以下で
の滞留から、合金化終了までの製造条件をまとめて表3
に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板から試
験片を切り出して、10重量%の塩酸にインヒビター(朝
日化学製:イビット710N)を 0.5容量%添加した液で、
めっき被膜のみを溶解除去し、めっき被膜を化学分析し
て組成を確認した。めっき被膜除去後の鋼板は、触針式
表面粗さ計(東京精密製:サーフコム554A)により 55d
eg円錐型、先端径 1μm の触針を用いて、走査距離 8m
m、カットオフ 0.8mmの条件で表面の凹凸を計測し、粗
さのパラメータRz およびSm を求めた。これらの結果
を表3に示した。
【0040】また、得られた鋼板の被膜の密着性を評価
するため、チッピング試験をおこなった。幅70mm、長さ
150mmの鋼板を切出し、燐酸塩処理(Chemifil社製:CF
168使用)した後、その上に膜厚30μm のカチオン電着
塗装( PPG社製:Uniprime使用)、膜厚15μm の中塗り
塗装(同社製:エポキシエステル系塗料使用)および膜
厚45μm の上塗り塗装(同社製:アクリル・エナメル系
塗料使用)を順次施した。SAE-J400の規定に準拠したグ
ラベロメーターを用いて、JIS-A5001 に規定される道路
用砕石をこの塗装試験片に吹きつけた後、テープ剥離を
おこなって被膜の剥離痕を観察した。この場合、1枚の
試験片において剥離痕をその最大のものから順に5個選
び、痕径を測定して平均した。これらの結果も併せて表
3に示す。
【0041】これらの結果の比較からわかるように、め
っき被膜除去後の被膜/鋼界面粗さが本発明の規定する
範囲を満足する鋼板は、その範囲を外れるものに比較し
て、塗装後のチッピング試験における剥離径が小さく、
めっき被膜の密着性が優れている。なお、整理番号15お
よび16は、チッピング試験における剥離径が小さく、被
膜密着性は良好であるが、被膜/鋼界面の粗さが甚だし
く、塗装後表面の鮮映性が劣るものであった。
【0042】
【発明の効果】本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、
母材がPを含む高強度の鋼板であり、しかも被膜の密着
性の優れたものである。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板
は、前述の幅広い用途、特に自動車用に活用できる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でP:0.02〜0.20%を含む鋼板の表
    面に、Alを0.2 〜0.5 %を含む合金化溶融亜鉛めっき
    被膜を有し、かつそのめっき被膜除去後の鋼表面の粗さ
    zが 12≧Rz ≧0.0075・Sm + 6.7 を満足することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼
    板。(ただし、Rz ( μm):十点平均粗さ、Sm ( μ
    m):凹凸の平均間隔)
JP7140178A 1995-06-07 1995-06-07 合金化溶融亜鉛めっき鋼板 Expired - Lifetime JP2976845B2 (ja)

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