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JP2976350B2 - 眼に適用される合成粘弾性組成物 - Google Patents

眼に適用される合成粘弾性組成物

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JP2976350B2
JP2976350B2 JP6524279A JP52427994A JP2976350B2 JP 2976350 B2 JP2976350 B2 JP 2976350B2 JP 6524279 A JP6524279 A JP 6524279A JP 52427994 A JP52427994 A JP 52427994A JP 2976350 B2 JP2976350 B2 JP 2976350B2
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hydroxypropylmethylcellulose
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viscoelastic
hydroxypropyl methylcellulose
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NESURE SA
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08L1/284Alkyl ethers with hydroxylated hydrocarbon radicals

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、医療用粘弾性組成物に関する。本発明の粘
弾性組成物は、眼の手術の間、眼の中に入れて、眼の形
状を保持し、眼の内壁の繊細な組織を保護するために使
用されるものである。
水晶体が混濁する白内障は、視力に著しい影響を与
え、果ては失明させる場合もあり、従来長年にわたって
外科手術によって水晶体を摘出していた。最先端の方法
の一つは、いわゆるカウチング法(白内障圧下法)で、
長い針を使用して、混濁した水晶体を摘出する方法であ
る。しかし、1970年代になって、人工水晶体を眼内に装
着することができるようになり、安全で、しかも効果的
に白内障を摘出する技術が実用化されている。それ以前
は、混濁した水晶体を摘出した患者は、ある程度の視力
を得るためには、厚い眼鏡を使用しなければならなかっ
た。現在、米国における水晶体の摘出と、人工水晶体の
眼内装着例は、毎年100万件以上になっている。
水晶体の摘出と、人工水晶体の眼内装着の危険性の一
つは、角膜の内面の細胞層(角膜内皮)とその他の内部
組織が、剥離、或いは不注意な接触に対して非常に過敏
になっていることである。特に、角膜細胞に対する損
傷、或いは角膜細胞の摘出が、角膜生理に悪影響を与
え、角膜水腫、混濁を引起し、その結果、角膜が完全に
損壊することがある。
そのため、白内障手術の間、角膜内皮を保護すること
が試みられている。特に、眼の前方部へ種々の物質を注
入する療法が採用されている。このような物質として
は、平衡食塩水、及び空気ボーラス、並びに粘弾性組成
物がある。但し、平衡食塩水、及び空気ボーラスは、眼
から分散し易いので、使用面で制約がある。種々の天然
物、或いは実験室で合成される物質から製造される粘弾
性組成物には、ヒアルウロン酸ナトリウム、硫酸コンド
ロイチン、及びこれら両者の組合せ、セルロース物質、
並びにアクリルアミド系ポリマーがある。粘弾性組成物
は、眼の中に残留して眼の組織を保護するが、従来使用
されている粘弾性組成物には、色々と不都合な点があ
る。この不都合な点とは、アレルギー反応を引起すこ
と、神経中毒性の不純物を含むこと、粘度、或いは粘弾
性が不足していること、分子粒度が許容できないほど大
きいこと、疎線維性結合組織(櫛状靭帯)に浸入して、
そこを栓塞し、その結果、眼内圧の上昇を招くに至るゲ
ル、或いは塊状ポリマーであること、天然物を原料とす
るため、生産バッチによって品質にばらつきがあるこ
と、及びコスト高であることである。これらの物質は、
眼内圧の上昇を引起すので、通常、洗浄して眼から除去
される。さらに、ヒアルウロン酸系物質は、冷蔵保存が
必要であり、しかも貯蔵寿命が限られている。
従来のヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液の動
物による毒性テストにより、これらの物質は、種々の動
物組織内に摂取された場合でも、或いは注射された場合
でも、局所的にも、全身系にも、通常毒性がないことが
分かっている。また、従来のHPMC系薬剤の眼内投与の結
果でも、内皮細胞に対して非毒性であること、及び眼内
圧を極くわずか、しかも一時的にしか上昇させないこ
と、並びに眼の混濁を急速に清浄にすることが分かって
いる。
ダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Compan
y)は、自社の「メソセル(Methocel)」(HPMCの商標
名)の使用の可能性を根拠付けるために、HPMCポリマー
の毒性と代謝作用について広範に研究してきた。そし
て、動物による代謝の拡大研究の結果、HPMCポリマー
が、非発熱性であること、非免疫原性であること、非細
胞毒性性であること、非毒性であること、及び新陳代謝
を受けず、摂取後急速に排出されるということが分かっ
た。これらの研究報告の大部分は、給餌研究による、HP
MCに対する動物体系の耐溶性に関するものである。しか
し、毒性に関するデータを参照すると、マイスとラット
にHPMCポリマーを、皮内、或いは血管内注射しても、毒
性、催奇形性、或いはその他の代謝の陰性副作用がない
ことが認められている。これらの報告から、HPMCポリマ
ーは、正常な動物代謝の障害にならないこと、それ自体
代謝転換されないこと、及び腎臓への血流から濾過さ
れ、動物体系に悪影響を与えずに排泄されるということ
が結論を下すことができる。これらの研究を確認して、
食品・医薬局(FDA)は、ダウ・ケミカル・カンパニー
(Dow Chemical Company)のHPMCの「メソセル(Methoc
el)」(商品名)について、ドラッグ・マスター(Drug
Master)ファイルNo.76に掲載した。。
ロバート(Robert)等が提出した資料で、家兎の眼に
2%のHPMC溶液を注射したことによる全身系毒性に関す
るデータが不足していた[ロバート・ワイ・グルーア
(Robert,Y.,Gloor,),ビー・ワッスマッス、イー・デ
ィー・(B.,Wachsmuth,E.D.,),ハースト、エム、(He
rbst,M.,),“ディー・ウーバープルフンク・デア・フ
ェルトグリフカイト・フォン・イントラアオクラー・イ
ンジザーター・ヒドロザイプロピルメチルセルローズ・
イン・ティアーフェアズッフ”(Die Uberprufung der
Vertrasmuch von intraokular injizerter Htdroxyprop
y lmethylcellulose im Tierversuc),クリン モナー
トブル アンゲンハイルクト(Klin Monatsbl Augenhei
kd),192:337−339、1988.)。これらの研究者達は、分
画したHPMCの2%溶液を、家兎の前眼房、及び後眼房に
注射し、眼内、及び全身の変化について12日間テストし
た。彼らは、眼内変化も全身変化も見出さなかった。こ
れらの結果により、HPMCポリマーが、動物の眼には非毒
性で、家兎には、全身系に非毒性であることが明らかで
ある。
これらの文献の中の有効な証拠によって、HPMCは、哺
乳動物系により新陳代謝を受けないということ、経口、
皮内、眼内、及び血管内投与によても非毒性であるとい
うこと、及び尿中排出によって系から安全に排出される
ということが証明されている。従って、これらの報告か
ら、HPMC溶液は、人の眼内適用、及び全身性適用しても
安全であるということが推断される。
HPMC溶液は、ヨーロッパ、及び米国等で、ここ数年
来、眼内適用可能な外科用粘弾性液体として使用されて
いる。HPMC溶液の臨床使用に関する文献は、これらのポ
リマーが安全で効果的な眼科外科用粘弾性液体であるこ
と、使用し易いこと、及び発熱反応や手術後の眼内圧を
過剰に上昇させないが、白内障手術の間、眼房を維持し
内皮を保護するという点では、ヒアルウロン酸生成物と
かろうじて均等であるということを記載している。
しかし、眼内手術にHPMC溶液を使用することは、ロー
ゼン(Rosen)により批判されている。[ローゼン、イ
ー・エス(Rosen,E.S.),グリゴリー、アール・ピー・
エフ(Gregpry,R.P.F.)、サーネット、エフ(Sernett,
F.)“イズ 2%ヒドロキシプロピルメチルセルロース
ア セイフ ソリウション フォアー イントラオペ
ラティブ クリニカル アプリケーションズ(Is 2% h
ydroxyppylmethulcellulose a safe solution for intr
aoperative clinical applications?"),ジェー・カタ
ラクト・アンド・リフラクティブ サージェリー(J.Ca
taract and Refractive Surgery,)12:679(1986);ロ
ーゼン、イー・エス(Rosen,E.S.)“ザ ウース オブ
ヒドロキシプロピルメチルセルロース イン エクス
トラキャプスラ カタラクト エクストラクション ウ
イズ イントラオクラー レンズ インプランテーショ
ン”(The use of hydroxypropyl methylcellulose in
extracapsular cataract extraction with intraocular
lens implantation),アム ジェー オフサルモロジ
(Am J.Ophthalmology,),103:727(1987)]。ローゼ
ン(Rosen)の批判は、ヨーロッパの病院の薬局で調剤
されたHPMCの顕微鏡検査に基づいている。ローゼンは、
これらの病院の薬局で調剤されたHPMC、及び市販のHPMC
には、かなりの量の汚染物質と粒状物質が混入されてい
ること、そしてこのことが、外科療法に使用する間に問
題を引起すということを報告している。さらに、ローゼ
ンは、HPMCを濾過しようとする現在の試みは効果が無い
こと、及び「植物性粒状物質を含有しないHPMCの臨床用
溶液を製造することは不可能であろう。」と述べてい
る。しかし、モモース(Momose)等は、自動レーザ粒子
カウンタで粒状物質の数を測定したところ、彼の研究所
で製造した2%メチルセルロース製剤は、市販のヒアル
ウロン酸製剤に比べて、大きな粒子は殆ど含有していな
かったと報告している[モモース エイ(Momose
A.),ババ、ティー(Baba,T.),カサハラ エイ(Kas
ahara,A.)“パーティクルズ イン ビスコサージカル
マテリアルズ”(Particles in Viscosurgical Mater
ials,)、ジャーナル オブ ジ アイ(Journal of th
e Eye,)5:314(1988)]。
フェルナンド−ビゴ(Fernandez−Vigo)等は、1989
年、HPMC溶液の種々の濃縮物と粘度が、家兎の眼から除
去される半減時間は、3乃至4.5時間であったと報告し
ている[フェルナンド−ビゴ(Fernandez−Vigo)、ジ
ェー・エフ・、レフォージョ(J.F.,Refojo),ジャン
ブラ エム(Jumblatt,M.),“エリミネーション オ
ブ ヒドロキシプロピルメチルセルロース フロム ジ
アンテリアーチャンバ オブ ザ ラビット”(Elim
ination of hydroxypropylmethylcellulose from the a
nterior chamber of the rabbit,),ジェー・カタラク
ト・リフラクティブ(J.Cataract Refractive Syrger
y,)15:191(1989)]。彼等の実験は、比較的低分子量
のHPMC(86、000、或いは120、000ドルトン(Dalton
s))溶液を大量に家兎の眼に投与すること、及び単位
時間毎の残留HPMCを測定することを含んでいた。彼等
は、24時間後、家兎の眼から取出した房水サンプル中に
検出可能な量のHPMCは残存していないことを発見した。
彼等は、HPMCは24時間以内に完全に除去されると断定し
た。また、彼等は、通常の櫛状靭帯洗浄法によって、眼
内での代謝分解を起こさずに、眼からHPMCを除去するこ
とができると報告している。彼等は、内皮細胞に損傷が
発見されなかったこと、HPMC溶液を眼内へ注入した後で
眼内圧が極く一時的に上昇したこと、及び発熱反応時間
が長時間ではなかったことを報告している。
ジャコビ(Jacobi)等は、HPMC溶液の家兎の眼内投与
(前眼房、及び硝子体内)に関する研究により、発熱反
応が起こらなかったこと、眼内圧が極く一時的に上昇し
たこと、及び眼から急速に除去されたことが分かったこ
とを報告している。[ジャコビ ケイ、ダブリュウ(Ja
cobi,K.W.,),スコット、ケイ(Schott,K),グルーア
ビー,(Gloor,B.,),“コングレス デアー ドイ
ッチェン ゲゼルシャフト ヒュア イントラオクラリ
ーゼン インプランタチオン”(Kongress der Deutshe
n Cesellschaft fur Intraokularlinsen Implantatio
n,)、Berlin,Springer−Verlag,1987 pp86−89.)]。
彼等は、HPMCが、通常の流出機序により、眼から除去さ
れること、及び血流中に希釈されることを推断した。
HPMCポリマーが眼から急速に除去されるとするこれら
の報告は、このポリマーが、櫛状靭帯を通して行なう水
溶液による通常の清澄処置に悪影響を与えないこと、及
びそのポリマーの分子量と粘度が高いので、眼内圧が一
時的に上昇することを証明している。
しかしながら、これらの溶液は、依然として、不必要
な量の粒状汚染物質を含有している。しかも、従来の溶
液は、低分子量のHPMC系物質を主成分としているので、
所定の粘度にするためにはHPMCを高濃度で使用する必要
がある。このことが、汚染物質が高比率で混入する原因
になっている。さらに、このポリマーは、低分子量であ
るので、その溶液は適性粘度を保持していない。従来の
眼疾治療用のHPMC溶液は、低分子量の物質で製造されて
いたので、その粘度は、25℃で約4、000〜5、000CPS
である。その結果、これらの物質も、粘弾性はそれ程高
くはない。また、これらの物質は、可なりの量の粒状物
質を含んでいる。したがって、これらの物質を濾過しよ
うとすると、濾材の細孔が、直ぐにふさがってしまうの
で、0.5μmのフィルターで濾過することは不可能であ
る。
従来のHPMC溶液のさらなる問題点は、100℃以上の温
度でオートクレーブ処理すると、脱水する傾向があり、
その結果、非晶質の大きな凝集体が形成されることであ
る。これらの凝集体の大部分は、冷却すると直ちに再水
和されるが、かなりの量が、溶解しないまま残存ずる。
従来採用しているオートクレーブ処理、及びその後続工
程の冷却処理の結果、生成されたゲルの中に気泡が形成
されたり、懸濁される。そのため、生成された組成物の
粘度分布は均一ではなく、粘凋になればなる程、より分
子量が大きい物質が、容器の下部に沈降する。
上述した理由により、眼の外科療法に使用される、低
コストで、安定な、高粘度の物質が要されている。さら
に、この物質は、非毒性で、アレルギーを引起さないこ
と、及び眼内圧を上昇させる粒状物質、或いはゲルを含
まないことが要求されている。特に、有害な粒状物質を
含んでいない高分子量の物質から製造された高粘度のHP
MCの低濃度溶液が要求されている。
要 約 これらの要求を満足させる本発明は、ヒドロキシルプ
ロピル−メチルセルロースの生理的水溶液を主成分とす
る粘弾性組成物、及びその製造方法に関するものであ
る。
本発明の水溶液は、ナトリウム、カリウム、カルシウ
ム、及びマグネシウムをも含んでいる。それらの濃度
は、重量浸透圧濃度が、人の眼房水のそれより僅かに高
く、カルシウム濃度が人の眼房水のそれと殆ど同じで、
pHが生理的pHに近い値になるように調整される。また、
生成された組成物を精製して発熱性物質を除去し、平均
分子量を、375、000〜420、000の範囲に調整し、25℃で
細管粘度計で測定した静粘度を25、000〜40、000センチ
ポアズの範囲に調整される。
本発明の特徴、目的、及び利点は、以下の説明と特許
請求の範囲を参照することによって、一層よく理解され
よう。
解 説 本発明は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HP
MC)の粘凋な眼疾治療用水溶液、及びその製造方法に関
する。
本発明の溶液の他の成分は、NaCl,KCl,CaCl,MgCl,Na
を基礎にした緩衝剤で、NaC2H3O,或いはNa3C6HO7であ
る。HPMC溶液の成分濃度を調整して、重量浸透圧濃度、
及びpHを、人の眼房水のそれらに近付ける。人の眼房水
の重量浸透圧濃度は、約305mosm/kg(+20mosm/kg)で
ある。従って、粘凋溶液中のNaClの濃度を、約325mosm/
kg(+25mosm/kg)に調整して、それを眼に適用してい
る間、角膜内皮が膨潤するのを極力押さえる。人の眼房
水のpHは約7.4であるので、HPMC溶液の最終pHを、約7.2
+0.2に調整する。その他の塩類、及び緩衝剤の濃度を
調整して、市販の眼内注入溶液、及び外科療法用粘弾性
液のそれらに近付ける。
本発明の溶液を調剤する際に留意すべき重要な点の一
つは、使用中の沈殿物の形成である。このことは、市販
の硫酸コンドロイチン/ヒアウロン酸ナトリウム溶液に
関する報告がある[ウールマン エス、(Ullman,
S.),リヒテンシュタイン(Lichtenstein),ヒアライ
ン ケー(Heerlein,K),“コーニアル オパシティー
ス セカンダリー ツー ビスコート(Corneal Opacit
ies Secondary to Viscoat,),ジェー。カタラクト
アンド リフラクティブ サージェリー(J.Cataract a
nd Refractive Surgery,)12:489(1986)]。
この現象は、カルシウム濃度を人の眼房水の濃度とほ
ぼ同じに維持すること、及び緩衝剤としてリン酸塩の使
用しないことによって回避される。この事によって、Ca
3(PO4)が形成されなくなる。家兎の眼でテストして、
沈殿物がないことを検証した。
本発明の溶液を製造する際、特に留意すべきことは、
溶液、特にHPMCの中に、不純物、或いは粒状汚染物質を
混入させないことである。それらが混入していると、た
とえ極微量でも、発熱反応を引起すからである。このこ
とは、本発明にとって致命的な欠陥になる。そのため、
あらゆる手段を講じて、極微量の汚染物質を除去する。
すなわち、多段濾過法、及び分離法を利用して好ましい
分子量を有するHPMCを生成し、溶液の高温滅菌に起因す
る分子量の変動を回避する。
従来のHPMC溶液の粘度は、25℃で4、000〜5、000cp
s.である。これに対し、高分子量と低高分子量のHPMC物
質を混合して使用することによって、粘度を15、000〜4
0、000の範囲に調整することができる。高分子量物質に
よって、粘弾性度が高くなる。平均分子量が220、000の
物質と、平均分子量が85、000の物質を2:1で混合するこ
とが好ましく、初期組成のHPMCの量は約3%である。
以下に述べる処理をすることによって、低分子量物質
の濃度を著しく低くして、残留物質の平均分子量を25
0、000〜約420、000の範囲に調整することができる。溶
液中に残留しているHPMCの平均分子量の好ましい範囲
は、約375、000〜約420、000ドルトンで、溶液粘度は、
約25、000〜約40、000cpsの範囲が好ましい。
非毒性で、粒状物質を含まない本発明の高粘度溶液を
製造するための出発物質は、ダウ・ケミカル・カンパニ
ー(Dow Chemical Company)から、「メソセル(Methoc
el)」なる商品名で販売されているHPMCポリマーが好ま
しい。従来のHPMC溶液の場合とは異なり、特に好ましい
出発物質は、低分子量のHPMC(Methocel E10M)と高分
子量のHPMC(Methocel K100M)を、2:1の比率で初期混
合した混合物である。これら二つの物質は、下記の粘度
を有していると報告されている。
Methocel E10M: 2%粘度= 14、000cps Methocel E100M:2%粘度=100、900cps HPMC物質の初期混合濃度は、約3.0%であるが、濾過
処理後、溶液中のHPMC物質の濃度は、約2.0〜2.5%に低
下する。
本発明の溶液の特性を発揮させる処理工程を、次に説
明する。
粒状汚染物質の除去 HPMC溶液を濾過するための従来技術は、溶液を0.5μ
mのフィルターを使用し、高圧で強制濾過するものであ
った。しかし、除去しようとする物質の大部分がゼラチ
ン状であるので、加圧すると、ゲルが再形成され、それ
らがフィルターの細孔を無理に通過しようとする。さら
に、高圧下では、フィルターは目詰まりし、塩類の溶液
だけがフィルターを通過する。
溶液温度を約40−45℃に上昇させて、粘度を低下させ
ることによって、低圧でも可能になるので、濾過処理が
大幅に改良されることが分かった。第2に、溶液を小孔
径の連続多段フィルターを通過させることにより、大き
なゲルと粒子が最小の孔径のフィルターに達する前に、
それらを除去することができた。適性な濾過方法は、50
μm、25μm、10μm、5μm、1μm、、及び0.5μ
mのフィルターで構成されるカスケードを2回通過させ
ることである。
この濾過方法を採用することにより、濾過工程中、過
剰の圧力が不用となり、事実上、0.5μm以上のあらゆ
る物質が除去される。
以下に述べる方法によると、低分子量物質の濃度は著
しく低下させられる。
精製工程 不用な低分子量物質を完全に除去するために、HPMCの
乾燥混合物を、塩溶液中で60℃で継続攪拌して懸濁させ
る。この60℃は、従来の文献が、溶液形成温度として推
薦している100℃より低い。この処理によって、HPMCの
ポリマー粒径孔構造が拡張され、低分子量の物質が溶媒
化する。HPMCが高温で溶媒化すると、低分子量物質は、
形成されたゲルの中に包摂され、容易に分離しなくな
る。一旦、低分子量物質が溶媒化すると、100℃近傍で
継続して攪拌すると、組成物がゆっくりと上昇してく
る。
ついで、攪拌を停止すると、高分子量物質が混合容器
の底に沈降する。沈降が停止すると、不用な低分子量物
質を含んでいる上澄み液を、注意深く除去して、廃棄す
る。この処理工程を数回反復するが、4回が最適である
と思われる。この処理工程によって、低分子量の汚染物
質と発熱物質が除去され、高粘度の最終溶液が生成され
る。
オートクレーブ処理による凝集体の除去 中間処理としてのオートクレーブ処理、及び濾過処理
は、再水和されにくい凝集体を除去するためのものであ
る。この処理は、オートクレーブの中で、組成物を115
℃に加熱し、急速攪拌して95℃に冷却して凝集体を破壊
し、均質な再水和物とし、さらに40℃に冷却し、1.0μ
mのフィルターを通過させて、不溶解性のHPMC凝集体を
除去する段階を含んでいる。この処理によって、最終オ
ートクレーブ工程で形成される凝集体が除去される。ま
た、この処理によって、バクテリア汚染に起因する溶液
の貯蔵問題が解消される。
非均質性の粘度部分の除去 注射器内での最終オートクレーブ処理が終了した後、
生成物を急速に冷却すると、粘凋な物質が注射器の底に
沈降し、組成物の層が形成される。一方、溶液を満たし
た注射器を、1時間に約6℃というゆっくりとした速度
で、90℃から室温に冷却すると、非常に均質なゲルが生
成される。
気泡の除去 処理工程中に発生して、溶解している気体が、粘凋溶
液中に取込まれている。最終生成物を包装する前に、こ
の気体を除去しておかないと、最終生成物が気泡を含ん
でいるため、医師が眼の手術を行なう際、手術部位を目
視しにくくなる。
実施例 1 図1は、本発明の特徴を説明する実施例1の工程を表
すフローチャートである。
a)NaCl−174グラム、KCl−22.5グラム、CaCl−2H2O−
14.4グラム、MgCl−6H2O−9.0グラム、NaC2H3O2−3H2O
−117グラム、及びNa3C6HO7−2H2O−51.0グラムを、蒸
留水に添加し、NaOHを使用して、pHを8.70に調整して、
30リットルの塩溶液を製造した。
b)次いで、塩溶液5リットルを60℃に加熱し、メソセ
ル(Methocel)E10M 300グラムとメソセル(Methocel)
K100M 150グラムの混合物を塩溶液中で攪拌し、20分間
その温度を維持した。次いで、生成した組成物を95℃に
攪拌して、20分間維持した。攪拌を停止し、溶液を約15
分間沈降させ、上澄み液を吸引した。
C)次いで、上澄み液を除去した後に残存しているポリ
マーを、4リットルの塩溶液中で、100℃で再懸濁さ
せ、10分間攪拌した。溶液を10分間沈降させた後、上澄
み液を吸引した。次いで、3.0リットルの塩溶液を使用
して、さらに再懸濁を2回繰り返した。
d)上澄み液を除去した後、3回再懸濁を繰り返し、残
存しているポリマーを、15リットルの塩溶液中で、100
℃で再懸濁し、ゆっくりと冷却しながら5時間攪拌して
40℃にまで降下させた。ついで、溶液を5時間静置した
ところ、粘凋なゲルが生成された。
e)40℃に維持しながら、多孔度が50μm、25μm、10
μm、5μm、1μm、及び0.5μmの連続フィルター
を使用してゲルを濾過した。同じサイズのフィルターは
少なくとも2枚使用した。
f)最終フィルターを通過した物質を加圧(12psi.)オ
ートクレーブ中で、115℃で25分間加熱し、約30分間、
ゆっくりと冷却して99℃に降下させた。ついで、オート
クレーブから取出して、5時間かけて40℃に冷却し、無
菌状態下で、5時間その温度で維持した。
g)無菌状態を維持しながら、溶液を1.0μmのフィル
ターを通過させ、10リットルの容器に採取した。温度を
40℃に維持して、10時間減圧して溶解している窒素ガス
を脱気した。ついで、脱気した無菌溶液を、無菌的に貯
蔵容器に分配し、0〜4℃で貯蔵した。
h)この工程は、貯蔵した溶液を注射器に無菌的に、計
量分配することによって終了する。ただし、注射器は、
あらかじめ、121℃で20分間オートクレーブ処理し、1
時間6℃の降下速度で室温まで冷却し、ついで24時間20
psi.で加圧処理してある。
生成物は、清澄な、粘凋溶液で、ゼロズレ粘度が40、
000cps.、平均分子量が409、800、HPMC濃度が2.32%,
屈折率が1.333であった。
実施例1で製造した溶液の生物学的、及び動物テスト
を行なった。家兎の眼内に投与し、眼内圧、内皮細胞の
状態、及び全身発熱反応を評価して、単品としての最大
投与量を評価した。家兎の眼は、内皮細胞、眼内圧、及
び粘弾性物質に対する発熱反応、並びに内皮細胞に対す
る急性毒性の研究モデルとしてよく使用される。全身抗
原性、細胞毒性、及び動物モデルによる感応性(被刺激
性)、並びに試験管内モデルによる突然変異誘発性、及
び溶血性を評価するテストも行なった。それらの結果を
以下にまとめる。
テスト 結 果 細胞毒性(寒天オーバーレイ) 非毒性 細胞毒性(MEM溶離) 非毒性 家兎の眼内感応性(眼圧計、鏡面写真) 非感応性、非毒性 突然変異誘発性、(Ames可溶性試薬) 非誘発性 感作(最大化法、モルモット) 非感作性 溶血性(試験管内直接接触) 非溶血性 全身抗原性(モルモット) 非抗原性 表皮感応性(家兎) 非感応性 経口急性毒性 非毒性 腹腔内急性毒性(マウス) 非毒性 これらの研究から、HPMC溶液は、眼内細胞に対して、
非毒性、非突然変異誘発性、非抗原性、非溶血性、非感
作性、非発熱性であること、及び危険な眼内圧上昇を引
起さないことが証明された。さらに、本発明の物質は、
細胞の正常な有核分裂、及びその後の細胞の正常な成長
に悪影響を与えない。最大投与量による、家兎の眼内圧
上昇は一時的な現象で、あらゆる場合において、24時間
正常範囲内にあった。
以上、好ましい態様に関して、本発明をかなり詳細に
説明してきたが、他の変形も可能である。例えば、粘弾
性溶液を眼科治療用として説明してきたが、関節の潤滑
剤(肘関節、股関節等)、外科手術後の組織の癒着防
止、或いは栄養剤、若しくは化粧品の担体等の生理学的
用途がある。
また、本発明において、種々の分子量を有する出発物
質を選択すること、或いはそれらを異なる比率で混合す
ること、若しくは高濃度の出発物質を使用することによ
って、溶液の粘度を変えることができる。
HPMCの特定混合物に関して説明したが、特定の組合
せ、及び濃度は最終目的生成物の所定の物性に依存して
決定される。したがって、種々の異なるHPMCを使用する
ことができる。2つの異なる物質を使用する必要はな
い。1種類のHPMC物質を、上述した方法で処理し、或い
は2つ以上の物質の混合物を使用することができる。
種々の塩、及び緩衝剤を、様々な適用方法で使用する
ことができ、また特別の目的のために、他の物質を溶液
に添加してもよい。さらに、汚染物質を除去するため
に、組成物中の汚染物質の大きさ、及び性状に応じて、
1つ以上のフィルターを組み合わせて使用できること
は、当業者の理解するところである。処理工程の順序は
組み替えてもよい。
従って、請求の範囲の精神、及び範囲は、本発明の好
ましい態様に関する上記記載に限定して理解されるべき
ではない。

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒドロキシプロピルメチルセルロースの生
    理塩溶液を含む生理的に適用される改良組成物であっ
    て、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの生理塩溶液
    が、実質的に有害な粒状物質を含まず、15,000cps.以上
    のゼロズレ粘度、250,000ドルトン(Daltons)以上の平
    均分子量を有していて、かつ治療的に有効な量を人体に
    投与した場合、非発熱性で非毒性である、ヒドロキシプ
    ロピルメチルセルロースの生理塩溶液を含む生理的に適
    用される組成物。
  2. 【請求項2】生理的に有効な量の溶液を人の眼に注入し
    た場合、前記組成物が非発熱性で、かつ非毒性である請
    求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、
    2.0〜2.5%の濃度で含まれている請求項1に記載の粘弾
    性溶液。
  4. 【請求項4】溶液の粘度が、25,000〜40,000センチポイ
    ズである請求項2に記載の粘弾性溶液。
  5. 【請求項5】ヒドロキシプロピルメチルセルロースの平
    均分子量が、175,000以上、420,000未満である請求項2
    に記載の粘弾性溶液。
  6. 【請求項6】第1の分子量を有する第1のヒドロキシプ
    ロピルメチルセルロース、及び第1の分子量より大きな
    分子量を有する第2のヒドロキシプロピルメチルセルロ
    ースの混合物で、粒状物質を含まず、非発熱性で、かつ
    非毒性の溶液を生成されるように処理されている混合物
    から製造される請求項2に記載の粘弾性溶液。
  7. 【請求項7】混合物が、濾過、再溶解、及び低分子量物
    質の除去、中間オートクレーブ処理、並びに溶解ガスの
    除去処理をされる請求項6に記載の粘弾性溶液。
  8. 【請求項8】処理後の粘弾性溶液中のヒドロキシプロピ
    ルメチルセルロースが、第1のヒドロキシプロピルメチ
    ルセルロース、或いは第2のヒドロキシプロピルメチル
    セルロースの平均分子量より大きい平均分子量を有して
    いる請求項7に記載の粘弾性溶液。
  9. 【請求項9】第1のヒドロキシプロピルメチルセルロー
    スが、85,000の平均分子量を有し、第2のヒドロキシプ
    ロピルメチルセルロースが、220,000の平均分子量を有
    している請求項6に記載の粘弾性溶液。
  10. 【請求項10】処理後のヒドロキシプロピルメチルセル
    ロースの平均分子量が、375,000以上、420,000未満であ
    る請求項8に記載の粘弾性溶液。
  11. 【請求項11】ヒドロキシプロピルメチルセルロースの
    濃度が、2.3%である請求項6に記載の粘弾性溶液。
  12. 【請求項12】ヒドロキシプロピルメチルセルロース
    が、410,000の平均分子量を有している請求項5に記載
    の粘弾性溶液。
  13. 【請求項13】生理塩溶液中のヒドロキシプロピルメチ
    ルセルロースの粘弾性溶液であって、実質的に有害な粒
    状物質を含まず、治療上効果的な量を人の眼に注入した
    時に非発熱性で、かつ非毒性である粘弾性溶液を製造す
    る方法で、 (a) ヒドロキシプロピルメチルセルロースを塩溶液
    中に分散して懸濁液を生成する工程、 (b) 工程aの懸濁液を95℃に加熱し、溶解しない物
    質を沈降させ、そして溶解していない物質より上の上澄
    み液を廃棄する工程、 (c) 溶解しない物質を再懸濁してヒドロキシプロピ
    ルメチルセルロースの第2の懸濁液を生成する工程、 (d) ゲルを、孔の大きさが0.5μmの最終フィルタ
    ーを含む連続フィルターを通過させて清澄溶液を生成す
    る工程、 (e) 清澄溶液をオートクレーブ処理する工程、 (f)オートクレーブ処理した清澄な溶液を冷却し、冷
    却した溶液を濾過する工程、及び (g) 濾過した冷却溶液を脱気する工程、を含む粘弾
    性溶液を製造する方法。
  14. 【請求項14】生理塩溶液が、8.7のpHを有し、かつNaC
    l,KCl,CaCl・2H2O,MgCl・6H2O,NaC2H3O2・3H2O,Na3C6HO
    7・2H2Oを含む請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】塩溶液中に分散しているヒドロキシプロ
    ピルメチルセルロースが、第1のヒドロキシプロピルメ
    チルセルロース、及び第1のヒドロキシプロピルメチル
    セルロースの分子量より大きな分子量を有する第2のヒ
    ドロキシプロピルメチルセルロースとの混合物である請
    求項13に記載の方法。
  16. 【請求項16】第1のヒドロキシプロピルメチルセルロ
    ースが、85,000ドルトン(Daltons)の分子量を有し、
    かつ第2のヒドロキシプロピルメチルセルロースが、22
    0,000ドルトン(Daltons)の分子量を有している請求項
    15に記載の方法。
  17. 【請求項17】懸濁液中の第1のヒドロキシプロピルメ
    チルセルロースの量が、第2のヒドロキシプロピルメチ
    ルセルロースの量と略同じである請求項15に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】懸濁液中のヒドロキシプロピルメチルセ
    ルロースが、3重量%である請求項15に記載の方法。
  19. 【請求項19】脱気した溶液中のヒドロキシプロピルメ
    チルセルロースの濃度が、2.0〜2.5%である請求項13に
    記載の方法。
  20. 【請求項20】脱気した溶液中のヒドロキシプロピルメ
    チルセルロースの濃度が、2.3%である請求項13に記載
    の方法。
  21. 【請求項21】脱気した溶液中のヒドロキシプロピルメ
    チルセルロースの粘度が、15,000センチポイズである請
    求項13に記載の方法。
  22. 【請求項22】脱気した溶液中のヒドロキシプロピルメ
    チルセルロースの粘度が、40,000センチポイズである請
    求項13に記載の方法。
  23. 【請求項23】脱気した溶液中のヒドロキシプロピルメ
    チルセルロースの分子量が、375,000以上で、420,000未
    満である請求項13に記載の方法。
  24. 【請求項24】脱気した溶液中のヒドロキシプロピルメ
    チルセルロースの分子量が、410,000である請求項13に
    記載の方法。
  25. 【請求項25】人の眼に注入される粘弾性組成物であっ
    て、前記組成物が、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
    スの生理的塩溶液から成り、 ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、375,000以
    上、420,000未満の分子量を有し、かつ2.0〜2.5%の濃
    度で含有され、 組成物が、25,000〜40,000センチポイズの粘度を有し、
    直径が0.5μm以上の粒状物質、及びゲルを含まず、そ
    して非発熱性で、かつ非毒性である、人の眼に注入され
    る粘弾性組成物。
  26. 【請求項26】ヒドロキシプロピルメチルセルロースの
    濃度が2.3%で、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
    の平均分子量が409,800で、かつ組成物のゼロズレ粘度
    が、40,000センチポイズである請求項25の粘弾性組成
    物。
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