JP2952978B2 - 透光性イツトリア焼結体及びその製造方法 - Google Patents
透光性イツトリア焼結体及びその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、優れた透光性と機械的強度とを兼ね備え、
特に厚さ3mm以上で使用する赤外透過窓等の用途に好適
な透光性イツトリア焼結体、及びその製造方法に関す
る。
特に厚さ3mm以上で使用する赤外透過窓等の用途に好適
な透光性イツトリア焼結体、及びその製造方法に関す
る。
イツトリア(Y2O3)は2350℃以下において結晶型が立
方晶であるため結晶粒界での散乱が少なく、高密度に焼
結した場合非常に高い透光性を示すことが知られてい
る。
方晶であるため結晶粒界での散乱が少なく、高密度に焼
結した場合非常に高い透光性を示すことが知られてい
る。
通常、イツトリア焼結体の透光性は可視領域の波長0.
3μm付近から急激に高くなり、赤外領域の波長3〜6
μm付近で最高となる。従つて、イツトリア焼結体は光
学窓のような透光性材料として有望視され、従来から各
種の方法によつて製造が試みられている。
3μm付近から急激に高くなり、赤外領域の波長3〜6
μm付近で最高となる。従つて、イツトリア焼結体は光
学窓のような透光性材料として有望視され、従来から各
種の方法によつて製造が試みられている。
例えば、特開昭54−17911号公報や特開昭54−17910号
公報に記載されるように、焼結助剤として酸化ランタン
(La2O3)やアルミナ(Al2O3)を添加して低O3雰囲気中
で焼結する方法がある、しかし、この焼結助剤を用いる
方法では、緻密化が容易で機械的強度が高くなるもの
の、焼結助剤が焼結体中に残留するため部分的に第2相
が出現し易く、組織的不均一性により光が散乱されて透
過率が低くなる欠点があり、従つて又直径50mm以上のよ
うな大型材について光学的に均一な材料を得ることが困
難であつた。又、La2O3等を添加すると熱伝導率が7W/m
・K程度に低下し、耐熱衝撃性も低下する欠点があつ
た。
公報に記載されるように、焼結助剤として酸化ランタン
(La2O3)やアルミナ(Al2O3)を添加して低O3雰囲気中
で焼結する方法がある、しかし、この焼結助剤を用いる
方法では、緻密化が容易で機械的強度が高くなるもの
の、焼結助剤が焼結体中に残留するため部分的に第2相
が出現し易く、組織的不均一性により光が散乱されて透
過率が低くなる欠点があり、従つて又直径50mm以上のよ
うな大型材について光学的に均一な材料を得ることが困
難であつた。又、La2O3等を添加すると熱伝導率が7W/m
・K程度に低下し、耐熱衝撃性も低下する欠点があつ
た。
米国特許第3,878,280号には、イツトリア粉末を真空
中でホツトプレスする方法が開示されている。しかし、
この方法ではグラフアイト型の強度上の制約から500kg/
cm2以上の高圧をかけることが難しく、そのため充分な
緻密化が進行せず、透過率が低いという欠点があつた。
中でホツトプレスする方法が開示されている。しかし、
この方法ではグラフアイト型の強度上の制約から500kg/
cm2以上の高圧をかけることが難しく、そのため充分な
緻密化が進行せず、透過率が低いという欠点があつた。
又、特開昭63−201061号公報に示されるように、Y2O3
粉末を1700〜1900℃で無加圧焼結して閉気孔とした後、
圧力25000〜30000psi及び温度1700〜1900℃でHIP処理す
る方法も知られている。しかし、この方法では焼結温度
及びHIP温度が共に1700℃以上高いため、Y2O3焼結体の
平均結晶粒径が150μm程度と粗大になり、曲げ強度も1
10MPa程度に留まり、残留歪の発生も多いため、充分な
耐熱衝撃性が得られない欠点があつた。
粉末を1700〜1900℃で無加圧焼結して閉気孔とした後、
圧力25000〜30000psi及び温度1700〜1900℃でHIP処理す
る方法も知られている。しかし、この方法では焼結温度
及びHIP温度が共に1700℃以上高いため、Y2O3焼結体の
平均結晶粒径が150μm程度と粗大になり、曲げ強度も1
10MPa程度に留まり、残留歪の発生も多いため、充分な
耐熱衝撃性が得られない欠点があつた。
従つて、上記した従来の各方法で製造されたイツトリ
ア焼結体では、試料厚さ2.5mmにおける波長3〜6μm
での直線透過率が最高のもので80%程度であつて、直線
透過率の高いものほど曲げ強度が低く且つ残留歪の発生
も多くなるので、厚さ3mm以上で使用される赤外透過窓
等の材料として用いるためには、直線透過率と曲げ強度
を同時に向上させ、残留歪を低減させる必要があつた。
ア焼結体では、試料厚さ2.5mmにおける波長3〜6μm
での直線透過率が最高のもので80%程度であつて、直線
透過率の高いものほど曲げ強度が低く且つ残留歪の発生
も多くなるので、厚さ3mm以上で使用される赤外透過窓
等の材料として用いるためには、直線透過率と曲げ強度
を同時に向上させ、残留歪を低減させる必要があつた。
本発明はかかる従来の事情に鑑み、高純度且つ高強度
であつて同時に優れた透光性を有し、特に厚さ3mm以上
の赤外透過窓材等として好適な直線透過率を有し、大型
材であつても光学的に均一で割れや残留歪のない透光性
イツトリア焼結体、及びそを製造方法を提供することを
目的とする。
であつて同時に優れた透光性を有し、特に厚さ3mm以上
の赤外透過窓材等として好適な直線透過率を有し、大型
材であつても光学的に均一で割れや残留歪のない透光性
イツトリア焼結体、及びそを製造方法を提供することを
目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の透光性イツトリア
焼結体の製造方法においては、純度99.9%以上及び比表
面積(BET値)2m2/g以上10m2/g未満のイツトリア粉末
を、温度1300〜1700℃及び圧力100〜500kg/cm2での真空
中におけるホツトプレスにより理論密度比95%以上に緻
密化し、次に温度1400〜1900℃及び圧力500kg/cm2以上
にてHIP処理することを特徴とする。
焼結体の製造方法においては、純度99.9%以上及び比表
面積(BET値)2m2/g以上10m2/g未満のイツトリア粉末
を、温度1300〜1700℃及び圧力100〜500kg/cm2での真空
中におけるホツトプレスにより理論密度比95%以上に緻
密化し、次に温度1400〜1900℃及び圧力500kg/cm2以上
にてHIP処理することを特徴とする。
又、上記方法により製造される透光性イツトリア焼結
体は純度99.9%以上の多結晶イツトリア焼結体からな
り、試料厚さ3mmでの直線透過率が波長3〜6μmの赤
外領域で80%以上であつて、平均結晶粒径が100μm以
下で、4点曲げ強度が120MPa以上であることを特徴とす
る。
体は純度99.9%以上の多結晶イツトリア焼結体からな
り、試料厚さ3mmでの直線透過率が波長3〜6μmの赤
外領域で80%以上であつて、平均結晶粒径が100μm以
下で、4点曲げ強度が120MPa以上であることを特徴とす
る。
本発明方法では、真空中でのホツトプレス及びその後
のHIP(熱間等方圧プレス)により、焼結助剤を用いる
ことなく、直線透過率が空間的に均一で高く同時に曲げ
強度に優れたイツトリア焼結体を得ることが出来る。
のHIP(熱間等方圧プレス)により、焼結助剤を用いる
ことなく、直線透過率が空間的に均一で高く同時に曲げ
強度に優れたイツトリア焼結体を得ることが出来る。
焼結体の原料であるイツトリア粉末は、不純物吸収に
よる透光性の低下を防ぐために99.9%以上の純度のもの
を使用し、特にFe等の遷移金属元素の含有は好ましくな
い。
よる透光性の低下を防ぐために99.9%以上の純度のもの
を使用し、特にFe等の遷移金属元素の含有は好ましくな
い。
又、イツトリア粉末は一次粒子の粒径が約0.4〜0.2μ
m以下、即ち表面積がBET値で2m2/g以上10m2/g未満であ
ることが必要である。BET値が10m2/g以上の粉末では粒
子同士のブリツジングによりホツトプレス中に割れが生
じやすく、又割れが生じなかつた場合でも過大な歪が残
留するため精密な光学部品としては不適当である。一
方、2m2/g未満の場合には、ホツトプレス中に密度が上
りにくくHIPによる緻密化が不充分となり、透過率が低
下する。即ち、イツトリア粉末の表面積がBET値で2m2/g
以上10m2/g未満であることが、透光性に優れ且つ残留歪
や割れが発生せず、結晶粒径が微細で緻密な焼結体を得
るために必要な条件の一つである。
m以下、即ち表面積がBET値で2m2/g以上10m2/g未満であ
ることが必要である。BET値が10m2/g以上の粉末では粒
子同士のブリツジングによりホツトプレス中に割れが生
じやすく、又割れが生じなかつた場合でも過大な歪が残
留するため精密な光学部品としては不適当である。一
方、2m2/g未満の場合には、ホツトプレス中に密度が上
りにくくHIPによる緻密化が不充分となり、透過率が低
下する。即ち、イツトリア粉末の表面積がBET値で2m2/g
以上10m2/g未満であることが、透光性に優れ且つ残留歪
や割れが発生せず、結晶粒径が微細で緻密な焼結体を得
るために必要な条件の一つである。
更に、La2O3等の焼結助剤を添加しないので、従来の
ような第2相による透過率の低下や空間的の不均一、熱
伝導率の低下が発生しない。
ような第2相による透過率の低下や空間的の不均一、熱
伝導率の低下が発生しない。
本発明方法のホツトプレス工程において、温度を1300
〜1700℃とするのは、1300℃未満では理論密度比95%以
上の高密度な焼結体を得ることが難しく、1700℃を超え
ると真空中ではY2O3中の酸素イオンが表面から抜けて組
成比にずれを起し、光学的に均一な焼結体を得ることが
難しくなるからである。又、圧力が100kg/cm2未満では
やはり理論密度比95%以上の高密度な焼結体を得ること
が難しく、500kg/cm2を超えると強度的にグラフアイト
型の使用が難しくなる。尚、ホツトプレスで得られる焼
結体の理論密度比が95%未満の場合には、残留気孔の多
くがいわゆる解放気孔となり、後のHIP処理で高圧ガス
がこの気孔を通つて内部に進入し、HIP処理でほ高密度
化が充分に進行しない結果となるからである。
〜1700℃とするのは、1300℃未満では理論密度比95%以
上の高密度な焼結体を得ることが難しく、1700℃を超え
ると真空中ではY2O3中の酸素イオンが表面から抜けて組
成比にずれを起し、光学的に均一な焼結体を得ることが
難しくなるからである。又、圧力が100kg/cm2未満では
やはり理論密度比95%以上の高密度な焼結体を得ること
が難しく、500kg/cm2を超えると強度的にグラフアイト
型の使用が難しくなる。尚、ホツトプレスで得られる焼
結体の理論密度比が95%未満の場合には、残留気孔の多
くがいわゆる解放気孔となり、後のHIP処理で高圧ガス
がこの気孔を通つて内部に進入し、HIP処理でほ高密度
化が充分に進行しない結果となるからである。
又、HIP工程において、温度を1400〜1900℃(好まし
くは1400〜1700℃)とするのは、1400℃未満では気孔の
除去作用が不充分となり満足すべき透光性が得られず、
1900℃を超えると粒成長が著しく粗大となるため、充分
な曲げ強度が得られないからである。HIP圧力が500kg/c
m2未満でも気孔の除去が不充分となり満足すべき透光性
が得られないが、圧力の上限はHIP装置の能力的な制限
から通常2000kg/cm2程度となる。HIP処理で用いるガス
は、Ar等の不活性ガス、窒素ガス又は酸素ガス、若しく
はこれらの混合ガスが好ましく、特に酸素ガスを混合す
ることによつて、焼結体からの脱酸素による透光性の低
下を防止出来る利点がある。
くは1400〜1700℃)とするのは、1400℃未満では気孔の
除去作用が不充分となり満足すべき透光性が得られず、
1900℃を超えると粒成長が著しく粗大となるため、充分
な曲げ強度が得られないからである。HIP圧力が500kg/c
m2未満でも気孔の除去が不充分となり満足すべき透光性
が得られないが、圧力の上限はHIP装置の能力的な制限
から通常2000kg/cm2程度となる。HIP処理で用いるガス
は、Ar等の不活性ガス、窒素ガス又は酸素ガス、若しく
はこれらの混合ガスが好ましく、特に酸素ガスを混合す
ることによつて、焼結体からの脱酸素による透光性の低
下を防止出来る利点がある。
上記の如く本発明方法では、ホツトプレス温度が1300
〜1700℃及びHIP温度が1400〜1900℃と従来方法に比べ
て明らかに低温でのプロセスが可能となるので、結晶粒
成長が抑制され微細で高強度の焼結体が得られる。即
ち、得られるイツトリア焼結体の平均結晶粒径は従来よ
り微細な2〜100μmの範囲となり、4点曲げ強度も120
MPa以上であつて最高で180MPaと高く、赤外透過窓材と
して重要な特性である耐熱衝撃性が従来よりも著しく改
善向上される。
〜1700℃及びHIP温度が1400〜1900℃と従来方法に比べ
て明らかに低温でのプロセスが可能となるので、結晶粒
成長が抑制され微細で高強度の焼結体が得られる。即
ち、得られるイツトリア焼結体の平均結晶粒径は従来よ
り微細な2〜100μmの範囲となり、4点曲げ強度も120
MPa以上であつて最高で180MPaと高く、赤外透過窓材と
して重要な特性である耐熱衝撃性が従来よりも著しく改
善向上される。
実施例1 純度99.9%、比表面積4.6m2/g(BET値)の高純度Y2O3
粉末を、内径120mmのグラフアイト型を用いて3×10-3t
orrの真空中において温度1450℃及び圧力300kg/cm2で3
時間ホツトプレスして、理論密度比98%白色の焼結体を
得た。次にこの焼結体をHIP装置に入れ、Arガスを用い
て温度1620℃及び圧力2000kg/cm2で2時間のHIP処理を
行なつた。得られたY2O3焼結体は外観的に無色透明であ
つた。
粉末を、内径120mmのグラフアイト型を用いて3×10-3t
orrの真空中において温度1450℃及び圧力300kg/cm2で3
時間ホツトプレスして、理論密度比98%白色の焼結体を
得た。次にこの焼結体をHIP装置に入れ、Arガスを用い
て温度1620℃及び圧力2000kg/cm2で2時間のHIP処理を
行なつた。得られたY2O3焼結体は外観的に無色透明であ
つた。
得られたY2O3焼結体を厚さ3mmに鏡面研磨加工し、分
光光度計で直線透過率を測定したところ、波長3〜6μ
mの赤外領域で82%以上の透光性を示した。又、光弾性
装置で歪を測定したところ、残留歪による干渉縞は観測
されなかつた。この焼結体の平均結晶粒径は25μmで、
JIS R 1601に基づく4点曲げ強度は156MPaであつた。
光光度計で直線透過率を測定したところ、波長3〜6μ
mの赤外領域で82%以上の透光性を示した。又、光弾性
装置で歪を測定したところ、残留歪による干渉縞は観測
されなかつた。この焼結体の平均結晶粒径は25μmで、
JIS R 1601に基づく4点曲げ強度は156MPaであつた。
実施例2 純度99.9%、比表面積3.5m2/g(BET値)の高純度Y2O3
粉末を、内径120mmのグラフアイト型を用いて3×10-3t
orrの真空中において温度1650℃及び圧力150kg/cm2で3
時間ホツトプレスして、理論密度比97%の白色の焼結体
を得た。次にこの焼結体をHIP装置に入れ、Arガスを用
いて温度1750℃及び圧力2000kg/cm2で1時間のHIP処理
を行なつた。得られたY2O3焼結体は外観的に無色透明で
あつた。
粉末を、内径120mmのグラフアイト型を用いて3×10-3t
orrの真空中において温度1650℃及び圧力150kg/cm2で3
時間ホツトプレスして、理論密度比97%の白色の焼結体
を得た。次にこの焼結体をHIP装置に入れ、Arガスを用
いて温度1750℃及び圧力2000kg/cm2で1時間のHIP処理
を行なつた。得られたY2O3焼結体は外観的に無色透明で
あつた。
得られたY2O3焼結体を厚さ3mmに鏡面研磨加工し、分
光光度計で直線透過率を測定したところ、波長3〜6μ
mの赤外領域で81%以上の透光性を示した。又、光弾性
装置で歪を測定したところ、残留歪による干渉縞は観測
されなかつた。この焼結体の平均結晶粒径は90μmで、
JIS R 1601に基づく4点曲げ強度は124MPaであつた。
光光度計で直線透過率を測定したところ、波長3〜6μ
mの赤外領域で81%以上の透光性を示した。又、光弾性
装置で歪を測定したところ、残留歪による干渉縞は観測
されなかつた。この焼結体の平均結晶粒径は90μmで、
JIS R 1601に基づく4点曲げ強度は124MPaであつた。
実施例3 純度99.9%、比表面積8.5m2/g(BET値)の高純度Y2O3
粉末を、内径120mmのグラフアイト型を用いて3×10-3t
orrの真空中において温度1320℃及び圧力450kg/cm2で5
時間ホツトプレスして、理論密度比98%の白色の焼結体
を得た。次にこの焼結体をHIP装置に入れ、Arガスを用
いて温度1600℃及び圧力2000kg/cm2で2時間のHIP処理
を行なつた。得られたY2O3焼結体は外観的に無色透明で
あつた。
粉末を、内径120mmのグラフアイト型を用いて3×10-3t
orrの真空中において温度1320℃及び圧力450kg/cm2で5
時間ホツトプレスして、理論密度比98%の白色の焼結体
を得た。次にこの焼結体をHIP装置に入れ、Arガスを用
いて温度1600℃及び圧力2000kg/cm2で2時間のHIP処理
を行なつた。得られたY2O3焼結体は外観的に無色透明で
あつた。
得られたY2O3焼結体を厚さ3mmに鏡面研磨加工し、分
光光度計で直線透過率を測定したところ、波長3〜6μ
mの赤外領域で80%以上の透光性を示した。又、光弾性
装置で歪を測定したところ、残留歪による干渉縞は観測
されなかつた。この焼結体の平均結晶粒径は2μmで、
JIS R 1601に基づく4点曲げ強度は172MPaであつた。
光光度計で直線透過率を測定したところ、波長3〜6μ
mの赤外領域で80%以上の透光性を示した。又、光弾性
装置で歪を測定したところ、残留歪による干渉縞は観測
されなかつた。この焼結体の平均結晶粒径は2μmで、
JIS R 1601に基づく4点曲げ強度は172MPaであつた。
実施例4 実施例1と同様にして理論密度比98%の白色の焼結体
を得た。この焼結体をHIP装置に入れ、N2ガスを用いて
温度1600℃及び圧力2000kg/cm2で2時間のHIP処理を行
なつた、得られたY2O3焼結体は外観的に無色透明であつ
た。
を得た。この焼結体をHIP装置に入れ、N2ガスを用いて
温度1600℃及び圧力2000kg/cm2で2時間のHIP処理を行
なつた、得られたY2O3焼結体は外観的に無色透明であつ
た。
得られたY2O3焼結体について実施例1と同様の測定を
行なつた結果、試料厚さ3mmの波長3〜6μmでの直線
透過率は81%以上であり、残留歪による干渉縞は観測さ
れず、また焼結体の平均結晶粒径は20μmであつてJIS
R 1601に基づく4点曲げ強度は160MPaであつた。
行なつた結果、試料厚さ3mmの波長3〜6μmでの直線
透過率は81%以上であり、残留歪による干渉縞は観測さ
れず、また焼結体の平均結晶粒径は20μmであつてJIS
R 1601に基づく4点曲げ強度は160MPaであつた。
実施例5 実施例3と同様にして理論密度比98%の白色の焼結体
を得た。この焼結体をHIP装置に入れ、Ar−4%O2ガス
を用いて温度1500℃及び圧力2000kg/cm2で4時間のHIP
処理を行なつた。得られたY2O3焼結体は外観的に無色透
明であつた。
を得た。この焼結体をHIP装置に入れ、Ar−4%O2ガス
を用いて温度1500℃及び圧力2000kg/cm2で4時間のHIP
処理を行なつた。得られたY2O3焼結体は外観的に無色透
明であつた。
得られたY2O3焼結体について実施例1と同様の測定を
行なつた結果、試料厚さ3mmの波長3〜6μmでの直線
透過率は80%以上であり、残留歪による干渉縞は観測さ
れず、また焼結体の平均結晶粒径は15μmであつてJIS
R 1601に基づく4点曲げ強度は162MPaであつた。
行なつた結果、試料厚さ3mmの波長3〜6μmでの直線
透過率は80%以上であり、残留歪による干渉縞は観測さ
れず、また焼結体の平均結晶粒径は15μmであつてJIS
R 1601に基づく4点曲げ強度は162MPaであつた。
比較例 純度99.9%比表面積19.6m2/g(BET値)の高純度Y2O3
粉末を、内径120mmのグラフアイト型を用いて3×10-3t
orrの真空中において温度1350℃及び圧力250kg/cm2で3
時間ホツトプレスし、理論密度比98%の白色の焼結体を
得たが一部に割れが生じていた。この焼結体をHIP装置
に入れ、Arガスを用いて温度1650℃及び圧力2000kg/cm2
で2時間のHIP処理を行なつた。得られたY2O3焼結体は
外観的に無色透明であつた。
粉末を、内径120mmのグラフアイト型を用いて3×10-3t
orrの真空中において温度1350℃及び圧力250kg/cm2で3
時間ホツトプレスし、理論密度比98%の白色の焼結体を
得たが一部に割れが生じていた。この焼結体をHIP装置
に入れ、Arガスを用いて温度1650℃及び圧力2000kg/cm2
で2時間のHIP処理を行なつた。得られたY2O3焼結体は
外観的に無色透明であつた。
得られたY2O3焼結体について実施例1と同様の測定を
行なつた結果、試料厚さ3mmの波長3〜6μmでの直線
透過率は81%以上であつたが、残留歪による干渉縞が観
測された。また焼結体の平均結晶粒径は20μmであつて
JIS R 1601に基づく4点曲げ強度は160MPaであつた。
行なつた結果、試料厚さ3mmの波長3〜6μmでの直線
透過率は81%以上であつたが、残留歪による干渉縞が観
測された。また焼結体の平均結晶粒径は20μmであつて
JIS R 1601に基づく4点曲げ強度は160MPaであつた。
本発明によれば、焼結助剤を用いることなく、微細な
結晶粒径を有し高強度であつて、同時に波長3〜6μm
の赤外領域での直線透過率に優れ、直径50mm以上で厚さ
3mm以上の大型材であつても光学的に均一で等れや歪の
ない透光性イツトリア焼結体を得ることが出来る。
結晶粒径を有し高強度であつて、同時に波長3〜6μm
の赤外領域での直線透過率に優れ、直径50mm以上で厚さ
3mm以上の大型材であつても光学的に均一で等れや歪の
ない透光性イツトリア焼結体を得ることが出来る。
この透光性イツトリア焼結体は厚さ3mm以上で使用さ
れる赤外透過窓材として特に有用である。
れる赤外透過窓材として特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01F 17/00 C04B 35/42 - 35/50 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】純度99.9%以上及び比表面積(BET値)2m2
/g以上10m2/g未満のイツトリア粉末を、温度1300〜1700
℃及び圧力100〜500kg/cm2での真空中におけるホツトプ
レスにより理論密度比95%以上に緻密化し、次に温度14
00〜1900℃及び圧力500kg/cm2以上にてHIP処理すること
を特徴とする透光性イツトリア焼結体の製造方法。 - 【請求項2】HIP処理は不活性ガス、窒素ガス又は酸素
ガス、若しくはこれらの混合ガスを用いることを特徴と
する、請求項(1)記載の透光性イツトリア焼結体の製
造方法。 - 【請求項3】純度99.9%以上の多結晶イツトリア焼結体
からなり、試料厚さ3mmでの直線透過率が波長3〜6μ
mの赤外領域で80%以上であり、平均結晶粒径が100μ
m以下で、4点曲げ強度が120MPa以上であることを特徴
とする透光性イツトリア焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2186892A JP2952978B2 (ja) | 1990-07-13 | 1990-07-13 | 透光性イツトリア焼結体及びその製造方法 |
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JP2186892A JP2952978B2 (ja) | 1990-07-13 | 1990-07-13 | 透光性イツトリア焼結体及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0474764A JPH0474764A (ja) | 1992-03-10 |
JP2952978B2 true JP2952978B2 (ja) | 1999-09-27 |
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KR20090045427A (ko) | 2005-07-15 | 2009-05-07 | 토토 가부시키가이샤 | 이트리아 소결체 및 내식성 부재, 그 제조방법 |
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1990
- 1990-07-13 JP JP2186892A patent/JP2952978B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0474764A (ja) | 1992-03-10 |
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