JP2948229B2 - 特殊複合糸 - Google Patents
特殊複合糸Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,ループやタルミを有する合成繊維のフイラ
メント群が金属フイラメントを部分的に包み込んで一体
化した複合糸であって,優れた耐熱性と導電性を有する
織編物あるいは敷物,壁材等の産業資材製品を得ること
のできる特殊複合糸に関するものである。
メント群が金属フイラメントを部分的に包み込んで一体
化した複合糸であって,優れた耐熱性と導電性を有する
織編物あるいは敷物,壁材等の産業資材製品を得ること
のできる特殊複合糸に関するものである。
(従来の技術) 従来,金属成分を混入した特殊な線条物が種々提案さ
れている。例えば,金属成分を芯にして,その周囲を樹
脂あるいはゴム状の物質で被覆したものがあるが,この
ような金属混入線条物は,金属成分が完全に被覆されて
いるので,加熱されるときの熱伝導性が低く,放熱効果
がほとんど期待できない。また,金属成分を絶縁物で被
覆しているので,他の導電性物質と接触しても静電気が
散逸せず,静電気除去の効果が乏しいという欠点を有し
ている。
れている。例えば,金属成分を芯にして,その周囲を樹
脂あるいはゴム状の物質で被覆したものがあるが,この
ような金属混入線条物は,金属成分が完全に被覆されて
いるので,加熱されるときの熱伝導性が低く,放熱効果
がほとんど期待できない。また,金属成分を絶縁物で被
覆しているので,他の導電性物質と接触しても静電気が
散逸せず,静電気除去の効果が乏しいという欠点を有し
ている。
また,合成繊維糸条と金属フイラメントとを撚合わせ
たものもあるが,物理的性質に大きな差異がある金属フ
イラメントと合成繊維糸条とを撚合わせたものは,屈
曲,捻じれ,伸長等の機械的応力を与えた場合,両者が
撚りで密着しているうえに,金属フイラメントの塑性変
形が起こって両者が部分的に分離し,金属フイラメント
がアーチ状に浮き出た形状になりやすく,布帛にする
と,外観及び風合を損ねるという欠点がある。
たものもあるが,物理的性質に大きな差異がある金属フ
イラメントと合成繊維糸条とを撚合わせたものは,屈
曲,捻じれ,伸長等の機械的応力を与えた場合,両者が
撚りで密着しているうえに,金属フイラメントの塑性変
形が起こって両者が部分的に分離し,金属フイラメント
がアーチ状に浮き出た形状になりやすく,布帛にする
と,外観及び風合を損ねるという欠点がある。
さらに,金属フイラメントを芯にして,なま糸状の合
成繊維糸条をその周りに旋回させた,いわゆるカバリン
グ状のものも考えられるが,この糸条は,上記したよう
な金属フイラメントの分離現象は生じないものの,芯に
ある金属フイラメントの露出度が少なすぎて,放熱性や
導電性が低下するという欠点がある。
成繊維糸条をその周りに旋回させた,いわゆるカバリン
グ状のものも考えられるが,この糸条は,上記したよう
な金属フイラメントの分離現象は生じないものの,芯に
ある金属フイラメントの露出度が少なすぎて,放熱性や
導電性が低下するという欠点がある。
また,特公昭51−20618号公報には,有機繊維と導電
性繊維のステープルフアイバーを混紡した紡績糸が開示
されているが,この紡績糸は,糸条中で導電性繊維が不
連続でランダムに分散しているため,糸条の長手方向に
わたる導電性が低いという欠点がある。また,たとえ導
電性繊維が熱伝導性の高い物質であっても,紡績糸中で
不連続に分散しているため放熱作用が少なく,糸条とし
ては耐熱性に乏しいものであった。
性繊維のステープルフアイバーを混紡した紡績糸が開示
されているが,この紡績糸は,糸条中で導電性繊維が不
連続でランダムに分散しているため,糸条の長手方向に
わたる導電性が低いという欠点がある。また,たとえ導
電性繊維が熱伝導性の高い物質であっても,紡績糸中で
不連続に分散しているため放熱作用が少なく,糸条とし
ては耐熱性に乏しいものであった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上述した欠点を解消し,熱伝導性や熱放散
性が向上し,かつ得られる布帛は表面接触による導電作
用を有し,静電気除去の機能を高めることのできる特殊
複合糸を提供することを技術的な課題とするものであ
る。
性が向上し,かつ得られる布帛は表面接触による導電作
用を有し,静電気除去の機能を高めることのできる特殊
複合糸を提供することを技術的な課題とするものであ
る。
(課題を解決するための手段) すなわち,本発明は,金属フイラメントとループやタ
ルミを有する合成繊維マルチフイラメント糸条からなる
複合糸であって,金属フイラメントを芯にして,合成繊
維マルチフイラメント糸条が50〜500T/Mの撚回数で旋回
し,前記合成繊維マルチフイラメント糸条のループやタ
ルミを形成したフイラメント群により,金属フイラメン
トが部分的に包み込まれていることを特徴とする特殊複
合糸を要旨とするものである。
ルミを有する合成繊維マルチフイラメント糸条からなる
複合糸であって,金属フイラメントを芯にして,合成繊
維マルチフイラメント糸条が50〜500T/Mの撚回数で旋回
し,前記合成繊維マルチフイラメント糸条のループやタ
ルミを形成したフイラメント群により,金属フイラメン
トが部分的に包み込まれていることを特徴とする特殊複
合糸を要旨とするものである。
以下,本発明を詳細に説明する。
まず,本発明の特殊複合糸は,金属フイラメントと合
成繊維マルチフイラメント糸条から構成されており,両
者が一体化した複合形態の糸条である。本発明の特殊複
合糸における金属フイラメントは,熱伝導性や導電性等
の機能性を発揮させるためのものであり,合成繊維マル
チフイラメント糸条は,金属フイラメントの補強および
布帛の物性や感性を高める役割を果たすためのものであ
る。
成繊維マルチフイラメント糸条から構成されており,両
者が一体化した複合形態の糸条である。本発明の特殊複
合糸における金属フイラメントは,熱伝導性や導電性等
の機能性を発揮させるためのものであり,合成繊維マル
チフイラメント糸条は,金属フイラメントの補強および
布帛の物性や感性を高める役割を果たすためのものであ
る。
本発明における金属フイラメントとは,種々の機械的
加工が可能で,かつ熱伝導性や導電性に優れた,例えば
銅やアルミニウム,クロム等の線条物であり,その太さ
としては,加工性の点から20μm〜200μmの範囲が好
ましい。なお,金属フイラメントは,単一の線条又は複
数の線条のいずれでもよい。
加工が可能で,かつ熱伝導性や導電性に優れた,例えば
銅やアルミニウム,クロム等の線条物であり,その太さ
としては,加工性の点から20μm〜200μmの範囲が好
ましい。なお,金属フイラメントは,単一の線条又は複
数の線条のいずれでもよい。
また,合成繊維マルチフイラメント糸条としては,ポ
リエステル系,ポリアミド系,ポリアクリロニトリル系
等,一般に知られている合成繊維の長繊維糸条であれば
よい。
リエステル系,ポリアミド系,ポリアクリロニトリル系
等,一般に知られている合成繊維の長繊維糸条であれば
よい。
次に,本発明の特殊複合糸では,合成繊維マルチフイ
ラメント糸条のフイラメント群にループやタルミを形成
していることが必要である。各フイラメントがループや
タルミを形成していることにより,ループ同士のフアス
ナー現象による接合が起こって,金属フイラメントとの
包合性が向上し,しかも金属フイラメントの露出する部
分がランダムに形成されるため,放熱性や導電性に優れ
たものとなる。
ラメント糸条のフイラメント群にループやタルミを形成
していることが必要である。各フイラメントがループや
タルミを形成していることにより,ループ同士のフアス
ナー現象による接合が起こって,金属フイラメントとの
包合性が向上し,しかも金属フイラメントの露出する部
分がランダムに形成されるため,放熱性や導電性に優れ
たものとなる。
一方,合成繊維マルチフイラメント糸条にループやタ
ルミが形成されていない場合は,金属フイラメントとマ
ルチフイラメント糸条が分離しやすいため,取り扱い性
が悪くなったり,製品の品質が低下する。
ルミが形成されていない場合は,金属フイラメントとマ
ルチフイラメント糸条が分離しやすいため,取り扱い性
が悪くなったり,製品の品質が低下する。
第1図(a)(b)は,本発明の特殊複合糸の一実施
態様を示す概略側面図とその部分拡大図であり,金属フ
イラメント(2)が芯側に配置され,それを柔らかく包
み込むように合成繊維マルチフイラメント糸条(1)が
50〜500T/Mの撚回数で旋回し,糸条(1)のループ
(3)やタルミ(4)が外周部に形成されている。ま
た,金属フイラメント(2)は,合成繊維マルチフイラ
メント糸条(1)のループ(3)やタルミ(4)で覆わ
れている部分以外に,露出している部分がランダムに無
数存在している。
態様を示す概略側面図とその部分拡大図であり,金属フ
イラメント(2)が芯側に配置され,それを柔らかく包
み込むように合成繊維マルチフイラメント糸条(1)が
50〜500T/Mの撚回数で旋回し,糸条(1)のループ
(3)やタルミ(4)が外周部に形成されている。ま
た,金属フイラメント(2)は,合成繊維マルチフイラ
メント糸条(1)のループ(3)やタルミ(4)で覆わ
れている部分以外に,露出している部分がランダムに無
数存在している。
本発明の特殊複合糸は,上記したように,合成繊維マ
ルチフイラメント糸条のループやタルミが相互に絡みつ
いて,金属フイラメントを柔らかく,かつランダムに包
み込んだ形態をしているので,両者間の接合には柔軟性
や自由性がある。したがって,機械的応力により金属フ
イラメントが塑性変形しても,マルチフイラメントのル
ープやタルミ等もその変形に追従するように変形するの
で,カバリング性が失われない。しかも,金属フイラメ
ントが糸条表面にランダムに露出しているため,この糸
条を使用した布帛は,放熱性や布帛同士の表面接触によ
る導電性が優れたものとなる。
ルチフイラメント糸条のループやタルミが相互に絡みつ
いて,金属フイラメントを柔らかく,かつランダムに包
み込んだ形態をしているので,両者間の接合には柔軟性
や自由性がある。したがって,機械的応力により金属フ
イラメントが塑性変形しても,マルチフイラメントのル
ープやタルミ等もその変形に追従するように変形するの
で,カバリング性が失われない。しかも,金属フイラメ
ントが糸条表面にランダムに露出しているため,この糸
条を使用した布帛は,放熱性や布帛同士の表面接触によ
る導電性が優れたものとなる。
本発明の特殊複合糸は,上記したように,マルチフイ
ラメント糸条のループ,タルミによる被覆性を利用して
金属フイラメントを包み込む形態を有しているが,金属
フイラメントを芯にして,上記合成繊維マルチフイラメ
ント糸条を好ましくは50〜500T/M,特に好ましくは100〜
300T/Mの旋回数で旋回させたものであれば,その包合性
がより強く安定なものとなる。
ラメント糸条のループ,タルミによる被覆性を利用して
金属フイラメントを包み込む形態を有しているが,金属
フイラメントを芯にして,上記合成繊維マルチフイラメ
ント糸条を好ましくは50〜500T/M,特に好ましくは100〜
300T/Mの旋回数で旋回させたものであれば,その包合性
がより強く安定なものとなる。
すなわち,前述したように,金属フイラメントを芯に
して,なま糸又は仮撚捲縮糸等の合成繊維糸条をその周
りに旋回させた,いわゆるカバリング状の糸条は,合成
繊維糸条による被覆度が高く,芯にある金属フイラメン
トの露出度が少なすぎて放熱性や導電性が低下するとい
う欠点がある。
して,なま糸又は仮撚捲縮糸等の合成繊維糸条をその周
りに旋回させた,いわゆるカバリング状の糸条は,合成
繊維糸条による被覆度が高く,芯にある金属フイラメン
トの露出度が少なすぎて放熱性や導電性が低下するとい
う欠点がある。
一方,本発明の特殊複合糸を構成する合成繊維マルチ
フイラメント糸条はループやタルミを有するので,金属
フイラメントを芯にして,上記合成繊維マルチフイラメ
ント糸条を50〜500T/M,好ましくは100〜300T/Mの撚回数
で旋回させることにより,フアスナー現象によるループ
同士の絡み合いと撚回の相乗作用で金属フイラメントの
変形に対する追従性が一層向上し,撚回被覆状態の均一
性を保つことができる。
フイラメント糸条はループやタルミを有するので,金属
フイラメントを芯にして,上記合成繊維マルチフイラメ
ント糸条を50〜500T/M,好ましくは100〜300T/Mの撚回数
で旋回させることにより,フアスナー現象によるループ
同士の絡み合いと撚回の相乗作用で金属フイラメントの
変形に対する追従性が一層向上し,撚回被覆状態の均一
性を保つことができる。
また,金属フイラメントの周囲を旋回する合成繊維マ
ルチフイラメント糸条にはループやタルミにより空隙が
形成されているので,50〜500T/Mの旋回数では,なま糸
や仮撚捲縮糸の場合とは異なって糸条の導電性や耐熱性
を損なうことがない。
ルチフイラメント糸条にはループやタルミにより空隙が
形成されているので,50〜500T/Mの旋回数では,なま糸
や仮撚捲縮糸の場合とは異なって糸条の導電性や耐熱性
を損なうことがない。
次に,本発明の特殊複合糸の製法例について説明す
る。
る。
第2図は,本発明の特殊複合糸を製造するための一実
施態様を示す概略工程図である。第2図において,合成
繊維マルチフイラメント糸条(5)及び(6)は,各々
糸条供給ローラ(8),(9)により一定の過供給率で
ループ形成能を有する流体撹乱ノズル(10),(11)に
供給され,ループやタルミを形成した交絡糸条(Y1),
(Y2)となってデリベリーローラ(12),(13)で引き
取られながらラツピングガイド(15)に導かれる。
施態様を示す概略工程図である。第2図において,合成
繊維マルチフイラメント糸条(5)及び(6)は,各々
糸条供給ローラ(8),(9)により一定の過供給率で
ループ形成能を有する流体撹乱ノズル(10),(11)に
供給され,ループやタルミを形成した交絡糸条(Y1),
(Y2)となってデリベリーローラ(12),(13)で引き
取られながらラツピングガイド(15)に導かれる。
一方,金属フイラメント(7)は,線材供給ローラ
(14)によってラツピングガイド(15)に導かれる。
(14)によってラツピングガイド(15)に導かれる。
次いで,交絡糸条(Y1),(Y2)は,ラツピングガイ
ド(15)の中心に対してある一定の角度θを保って,斜
め方向から導入される。また,金属フイラメント(7)
は,ラツピングガイド(15)の中央,すなわち交絡糸条
(Y1),(Y2)の中間に導入され,両糸条(Y1),
(Y2)によって両側から挟み込まれながら合流し,交絡
糸条(Y1),(Y2)および金属フイラメント(7)の3
本が一体となって第2デリベリーローラ(16)に引き取
られ,パツケージ(17)として巻き取られる。
ド(15)の中心に対してある一定の角度θを保って,斜
め方向から導入される。また,金属フイラメント(7)
は,ラツピングガイド(15)の中央,すなわち交絡糸条
(Y1),(Y2)の中間に導入され,両糸条(Y1),
(Y2)によって両側から挟み込まれながら合流し,交絡
糸条(Y1),(Y2)および金属フイラメント(7)の3
本が一体となって第2デリベリーローラ(16)に引き取
られ,パツケージ(17)として巻き取られる。
上記において,交絡糸条(Y1),(Y2)は,ラツピン
グガイド(15)を通過する際に,金属フイラメント
(7)を包み込む角度θで走行し,ラツピングガイド
(15)の出口付近では,交絡糸条(Y1),(Y2)のルー
プやタルミが絡みつくような適度の圧迫を受けながらデ
リベリーローラ(16)に引き取られる。このようにし
て,金属フイラメント(7)は2本の交絡糸条(Y1)と
(Y2)のループやタルミ等により包み込まれた形態にな
り,本発明の特殊複合糸が得られる。
グガイド(15)を通過する際に,金属フイラメント
(7)を包み込む角度θで走行し,ラツピングガイド
(15)の出口付近では,交絡糸条(Y1),(Y2)のルー
プやタルミが絡みつくような適度の圧迫を受けながらデ
リベリーローラ(16)に引き取られる。このようにし
て,金属フイラメント(7)は2本の交絡糸条(Y1)と
(Y2)のループやタルミ等により包み込まれた形態にな
り,本発明の特殊複合糸が得られる。
なお,上記合成繊維マルチフイラメント糸(5),
(6)は同種又は異種のいずれでもよく,繊度が異なっ
ていてもよい。
(6)は同種又は異種のいずれでもよく,繊度が異なっ
ていてもよい。
また,交絡糸条(Y1),(Y2)を得るための流体撹乱
ノズル(10),(11)は,ループやタルミを形成しうる
ノズルであればいずれでもよく,例えば,特公昭34−89
69号公報や特公昭35−1673号公報等に記載されているタ
スランノズル等が適用できる。
ノズル(10),(11)は,ループやタルミを形成しうる
ノズルであればいずれでもよく,例えば,特公昭34−89
69号公報や特公昭35−1673号公報等に記載されているタ
スランノズル等が適用できる。
上記の製法例では,2本の合成繊維マルチフイラメント
糸条で金属フイラメントを包み込んだが,1本の合成繊維
マルチフイラメント糸条で金属フイラメントを包み込ん
でもよい。
糸条で金属フイラメントを包み込んだが,1本の合成繊維
マルチフイラメント糸条で金属フイラメントを包み込ん
でもよい。
(作 用) 本発明の特殊複合糸は,ループやタルミを形成してい
る合成繊維マルチフイラメント糸条により金属フイラメ
ントが覆われた形態であるが,合成繊維マルチフイラメ
ント糸条のフイラメントのループやタルミの絡みつきあ
るいは膨らみにより金属フイラメントが包み込まれてい
るため,金属フイラメントの露出する部分が微細かつ無
数にあり,しかも長手方向にランダムに存在する。
る合成繊維マルチフイラメント糸条により金属フイラメ
ントが覆われた形態であるが,合成繊維マルチフイラメ
ント糸条のフイラメントのループやタルミの絡みつきあ
るいは膨らみにより金属フイラメントが包み込まれてい
るため,金属フイラメントの露出する部分が微細かつ無
数にあり,しかも長手方向にランダムに存在する。
したがって,本発明の特殊複合糸は,その糸条同士が
当接すると,金属フイラメント間に容易に導電作用が起
こり,また,外気に触れる露出部分が無数にあるため,
放熱作用が促進され,耐熱性が向上する。さらに,ルー
プやタルミ自体は外力に対し自由に変形しやすいもので
あるから,剛性の強い金属フイラメントの変形に対し
て,柔軟に追従しうる性能も有する。
当接すると,金属フイラメント間に容易に導電作用が起
こり,また,外気に触れる露出部分が無数にあるため,
放熱作用が促進され,耐熱性が向上する。さらに,ルー
プやタルミ自体は外力に対し自由に変形しやすいもので
あるから,剛性の強い金属フイラメントの変形に対し
て,柔軟に追従しうる性能も有する。
(実施例) 次に,本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 240d/144fのナイロン6糸を,第1表に示す加工条件
で流体攪乱処理してループやタルミを有する交絡糸を製
造した。
で流体攪乱処理してループやタルミを有する交絡糸を製
造した。
次いで,カバリング撚糸機を用いて,直径30μmの銅
線を芯とし,上記交絡糸を200T/Mの撚数で銅線に旋回さ
せて本発明の交撚複合糸を得た。
線を芯とし,上記交絡糸を200T/Mの撚数で銅線に旋回さ
せて本発明の交撚複合糸を得た。
得られた特殊複合糸は,銅線を芯とし,この銅線を覆
うように撚回するナイロン6フイラメントに形成された
多数のループやタルミが絡みつき,かつ,金属フイラメ
ントの露出する部分がランダムに多数存在した糸条であ
った。
うように撚回するナイロン6フイラメントに形成された
多数のループやタルミが絡みつき,かつ,金属フイラメ
ントの露出する部分がランダムに多数存在した糸条であ
った。
この特殊複合糸を用いて平織物および天竺編物を製造
した。
した。
得られた織物と編物は,いずれもスパンライクな風合
と外観を呈するものであり,また,これらの布帛を屈曲
させても,銅線の露出や形状変化を生ずることがなく,
導電性や耐熱性に優れたものであった。
と外観を呈するものであり,また,これらの布帛を屈曲
させても,銅線の露出や形状変化を生ずることがなく,
導電性や耐熱性に優れたものであった。
(発明の効果) 上述したように,本発明の特殊複合糸は,合成繊維マ
ルチフイラメント糸条がループやタルミを多数形成して
おり,金属フイラメントを複合糸の内部に含ませて,そ
の周りをループやタルミ等が絡みついたフイラメント群
で柔らかく包み込んだ形態を有している。したがって,
金属フイラメントの露出部が無数にランダムに糸条表面
に現れるため,特殊複合糸同士の任意個所の接触であっ
ても,安定した導電性を得ることができる。
ルチフイラメント糸条がループやタルミを多数形成して
おり,金属フイラメントを複合糸の内部に含ませて,そ
の周りをループやタルミ等が絡みついたフイラメント群
で柔らかく包み込んだ形態を有している。したがって,
金属フイラメントの露出部が無数にランダムに糸条表面
に現れるため,特殊複合糸同士の任意個所の接触であっ
ても,安定した導電性を得ることができる。
また,この特殊複合糸は,熱伝導性の高い金属フイラ
メントの露出部が多いため,高温加熱時の放熱性が高
く,このため,合成繊維マルチフイラメント糸条の融点
以上の加熱体と接しても,容易に溶融することがなく,
耐熱性が向上する。
メントの露出部が多いため,高温加熱時の放熱性が高
く,このため,合成繊維マルチフイラメント糸条の融点
以上の加熱体と接しても,容易に溶融することがなく,
耐熱性が向上する。
さらに,この特殊複合糸を,折ったり,曲げたりする
ときに生ずる金属フイラメントの塑性変形にも,フイラ
メントに形成されたループやタルミがその変形に追従
し,金属フイラメントが部分的に外部に突き出ることが
なく,形態安定性にも優れている。
ときに生ずる金属フイラメントの塑性変形にも,フイラ
メントに形成されたループやタルミがその変形に追従
し,金属フイラメントが部分的に外部に突き出ることが
なく,形態安定性にも優れている。
第1図(a)(b)は,本発明の特殊複合糸の一実施態
様を示す概略側面図とその部分拡大図,第2図は,本発
明の特殊複合糸の製法例を示す概略工程図である。 (1)……合成繊維マルチフイラメント糸 (2)……金属フイラメント (3)……ループ (4)……タルミ
様を示す概略側面図とその部分拡大図,第2図は,本発
明の特殊複合糸の製法例を示す概略工程図である。 (1)……合成繊維マルチフイラメント糸 (2)……金属フイラメント (3)……ループ (4)……タルミ
Claims (1)
- 【請求項1】金属フイラメントとループやタルミを有す
る合成繊維マルチフイラメント糸条からなる複合糸であ
って,金属フイラメントを芯にして,合成繊維マルチフ
イラメント糸条が50〜500T/Mの撚回数で旋回し,前記合
成繊維マルチフイラメント糸条のループやタルミを形成
したフイラメント群により金属フイラメントが部分的に
包み込まれていることを特徴とする特殊複合糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1038942A JP2948229B2 (ja) | 1989-02-17 | 1989-02-17 | 特殊複合糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1038942A JP2948229B2 (ja) | 1989-02-17 | 1989-02-17 | 特殊複合糸 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02221430A JPH02221430A (ja) | 1990-09-04 |
JP2948229B2 true JP2948229B2 (ja) | 1999-09-13 |
Family
ID=12539279
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1038942A Expired - Fee Related JP2948229B2 (ja) | 1989-02-17 | 1989-02-17 | 特殊複合糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2948229B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2882067B1 (fr) * | 2005-02-15 | 2007-04-20 | Olivier Lefebvre | Fil composite et textile obtenu |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62153379U (ja) * | 1986-03-17 | 1987-09-29 | ||
JPS6321942A (ja) * | 1986-07-08 | 1988-01-29 | 東レ株式会社 | 導電性複合加工糸とその製造方法 |
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1989
- 1989-02-17 JP JP1038942A patent/JP2948229B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH02221430A (ja) | 1990-09-04 |
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