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JPH09316741A - 特殊複合仮撚糸 - Google Patents

特殊複合仮撚糸

Info

Publication number
JPH09316741A
JPH09316741A JP8131680A JP13168096A JPH09316741A JP H09316741 A JPH09316741 A JP H09316741A JP 8131680 A JP8131680 A JP 8131680A JP 13168096 A JP13168096 A JP 13168096A JP H09316741 A JPH09316741 A JP H09316741A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
winding
wound
composite false
twisted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8131680A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Fujiwara
正幸 藤原
Haruhiko Kawamoto
晴彦 川本
Yasuo Kishida
恭雄 岸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP8131680A priority Critical patent/JPH09316741A/ja
Publication of JPH09316741A publication Critical patent/JPH09316741A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 明瞭,かつ,ずれのないスラブ部と捲縮のあ
る地部を有し,製編織すれば,従来にない優れた外観と
風合を有する布帛となる特殊複合仮撚糸を提供する。 【解決手段】 少なくとも1本のマルチフィラメント糸
A(糸条A)の周囲を少なくとも1本のマルチフィラメ
ント糸B(糸条B)が1重あるいは3重に捲回した加工
糸の周囲を,少なくとも1本のマルチフィラメント糸C
(糸条C)が1重あるいは3重に捲回し,糸全体として
は,糸条Aに対して糸条B,Cにより2重,4重,6重
捲回部がランダムに形成された複合仮撚糸である。ま
た,4重捲回部には,糸条Aが捲縮を有する部分と捲縮
を有しない部分が存在し,かつ前記糸条B,Cのうち少
なくとも1本は,隣り合う2つの凸部の間に凹部が存在
する断面を有する単糸で構成された糸条である。そし
て,複合仮撚糸の各捲回部の最外層の撚方向は,2重捲
回部に対して糸条Aが捲縮を有しない4重捲回部は同方
向,糸条Aが捲縮を有する4重捲回部と6重捲回部は逆
方向となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,明瞭かつずれのな
いスラブ部と捲縮のある地部を有し,製編織すれば,従
来にない優れた外観と風合を有する布帛となる特殊複合
仮撚糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スラブを有する糸を用いた織編物は,そ
の外観と風合に特徴があり,広く用いられている。スラ
ブを有する糸条の一例として,特公昭62-21887号公報で
は,糸(芯糸)を仮撚加工するに際し,加撚域に,芯糸
より3%以上大きい乾熱収縮率を有する別の糸(捲付
糸)を供給し,複合仮撚加工して得られた,スラブが芯
糸に固定され,ずれのない特殊絡糸が提案されている。
しかしながら,この特殊絡糸は,芯糸より3%以上大き
い乾熱収縮率を有する捲付糸で形成されたずれのないス
ラブを有するものの,芯糸に対して鞘糸が1重,3重に
捲回しているのみで明瞭なスラブとはいえず,織編物に
するとスラブが不明瞭となり,形態変化に乏しいという
欠点があった。
【0003】また,特公平1-20254号公報では,少なく
とも3種の糸条を同時に仮撚加工して得られた2重,4
重,6重捲付部を有する複合ファンシーヤーンが提案さ
れている。この複合ファンシーヤーンは,芯側に配され
た糸に対して,鞘側の糸が2重,4重,6重に捲回して
いるので,形態変化は前者に比べれば出やすいが,図7
で示したように,単に捲回させる糸を1本増やして3本
の糸条を同時に仮撚加工して得られたものであり,しか
も芯糸に捲縮が存在しないので,変化に乏しくて製編織
してもスラブ効果を強調することができなかった。さら
にはスラブ (捲付部) が固定されていないため,製編織
の際にスラブのずれによるネップが生じるという欠点が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記の欠点
を解消し,製編織して得られる布帛に明瞭かつ多様なス
ラブ部が存在し,斑感,スパン調の風合及びふくらみ感
とともに,独特なシャリ感を付与することができ,しか
もスラブ部のずれのない特殊複合仮撚糸を提供すること
を技術的な課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記の課
題を達成するために鋭意検討した結果,本発明に到達し
た。すなわち,本発明は,少なくとも1本のマルチフィ
ラメント糸A(糸条A)の周囲を少なくとも1本のマル
チフィラメント糸B(糸条B)が1重あるいは3重に捲
回した加工糸の周囲を,少なくとも1本のマルチフィラ
メント糸C(糸条C)が1重あるいは3重に捲回し,糸
全体としては,糸条Aに対して糸条B,Cにより2重,
4重,6重捲回部がランダムに形成され,前記4重捲回
部には糸条Aが捲縮を有する部分と捲縮を有しない部分
が存在し,かつ前記糸条B,Cのうち少なくとも1本
は,隣り合う2つの凸部の間に凹部が存在する断面を有
する単糸で構成された糸条である複合仮撚糸であって,
前記複合仮撚糸の各捲回部の最外層の撚方向は,2重捲
回部に対して糸条Aが捲縮を有しない4重捲回部は同方
向,糸条Aが捲縮を有する4重捲回部と6重捲回部は逆
方向であることを特徴とする特殊複合仮撚糸を要旨とす
るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】まず,本発明を図面を参照しなが
ら説明する。図1は本発明の特殊複合仮撚糸の一実施態
様を示す説明図であり,図1(a)は側面図,図1
(b)は糸条Aに対する糸条B,Cの捲回状態を示して
おり,図1(a),(b)の位置が対応するように示し
たものである。
【0007】図1において,糸条Bは,糸条Aに対して
(イ)と(ニ)の領域では1重に捲回し,この領域の糸
条Aには解撚による捲縮が付与されており,ふくらみを
有している。また,糸条Bは,(ロ)と(ハ)の領域で
は糸条Aに3重に捲回しており,この部分は強固な捲回
により解撚されていないので糸条Aは捲縮を有していな
い。一方,糸条Cは,糸条AとBで形成される仮撚捲付
糸に対して(イ)と(ロ)の領域では1重に捲回し,
(ハ)と(ニ)の領域では3重に捲回している。
【0008】すなわち,糸全体としては,糸条Aに対し
て(イ)の領域では糸条B,Cにより2重捲回部を形成
し,(ロ)の領域では糸条Bの3重捲回部に糸条Cが1
重に捲回することで4重捲回部を形成しており,これと
は逆に,(ニ)の領域では糸条Bの1重捲回部に糸条C
が3重に捲回することで4重捲回部を形成している。
【0009】そして,後者の4重捲回部は,糸条Aの捲
縮によるふくらみを有した部分に糸条B,Cが捲回して
いるため,前者の4重捲回部と比較してふくらみをもっ
ている。さらに,(ハ)の領域では糸条Bの3重捲回部
に糸条Cが3重に捲回することで6重捲回部を形成して
いる。
【0010】また,本発明の特殊複合仮撚糸の各捲回部
の最外層の撚方向は,図1の(イ)の2重捲回部に対し
て,糸条Bの3重捲回部の周囲に糸条Cが1重に捲回し
た部分である4重捲回部(ロ)は,過解撚されて同方向
であり,これとは逆に,糸条Bの1重捲回部の周囲に糸
条Cが3重に捲回した部分である4重捲回部(二)と糸
条Bの3重捲回部の周囲に糸条Cが3重に捲回した部分
である6重捲回部(ハ)は,撚の反転による強固の捲付
のために解撚されておらず,逆方向である。すなわち,
2重捲回部に対して,各捲回部の最外層の撚方向は,糸
条Aが捲縮を有しない4重捲回部は同方向,糸条Aが捲
縮を有する4重捲回部と6重捲回部は逆方向である。
【0011】さらに,本発明の特殊複合仮撚糸は,糸条
B,Cのうち少なくとも1本は,特殊な断面を有する単
糸で構成された糸条である。本発明において,特殊な断
面とは,図2(a)の十字形,図2(b)のトリローバ
ル形,あるいは5〜10葉断面のように,隣り合う2つの
凸部の間に凹部が存在するものをいう。このような断面
を有する有する単糸 (特殊断面糸) で構成された糸条を
含む複合糸を製編織すれば,通常の丸断面糸使いでは得
られないシャリ感に富んだ布帛を得ることができ,特に
凸部が鋭角である特殊断面糸を用いれば,よりシャリ感
を強調することができる。
【0012】また,上記のように,糸条B,Cのうち少
なくとも1本が,特殊断面糸で構成された糸条であるた
め,スラブ部 (各捲回部) をずれ難くすることができ
る。図3は,本発明の特殊複合仮撚糸のスラブ部 (各捲
回部) がずれ難いことを説明するための図である。図3
(a)は十字断面糸と丸断面糸,図3(b)は十字断面
糸同士が接触している例であるが,いずれの場合におい
ても単糸間の接触面積が大きく,また, 他の単糸が凹部
に保持されているため糸同士が滑り難く,スラブ部全体
として非常にずれ難い構造となっている。さらに, 図3
(c)のように互いの糸軸がずれて接触している場合に
おいては,特殊断面糸の変形により接触面積が増大する
とともに,元に戻ろうとする反発力とスラブ部の捲付に
よる押圧が互いに働いているため, 前者と同じくずれ難
いスラブ部を形成する。
【0013】特殊断面糸は糸条B,Cのいずれに用いて
もよく,糸条Bに用いれば,糸条Bが糸条Aと糸条Cの
間に位置するため,スラブ部のずれ防止の効果が向上す
るとともに,糸条Cの1重捲回部,すなわち図1の
(イ)や(ロ)の領域で糸条Cの間隙からランダムに露
出するため,織編物にすれば,微妙なシャリ感を表現す
ることができる。逆に,糸条Cに用いれば,糸条Cが特
殊複合仮撚糸の最外層に位置するため,従来にない変化
に富んだ独特のシャリ感を有する織編物を得ることがで
きる。さらに,特殊断面糸を糸条B,Cの両者に用いれ
ば,スラブ部のずれ防止の効果が向上するとともに,独
特のシャリ感をもつ織編物を得ることができる。
【0014】このように,本発明の特殊複合仮撚糸は,
ふくらみを有する2重捲回部と糸条Aが解撚されてふく
らみを持った4重捲回部,糸条Aが解撚されていない4
重捲回部及び6重捲回部がランダムに形成されているの
で,製編織して得られる布帛に変化に富んだスラブ効果
を付与することが可能である。しかも,芯糸となる糸条
Aに仮撚捲縮が付与されているため,ソフトでふくらみ
感のあるスパン調風合が表現できるとともに,糸条B,
Cの少なくとも一方に特殊断面糸を用いることでスラブ
部のずれが解消され,変化に富んだスラブ部によるこれ
までにない独特のシャリ感を付与することができる。さ
らに凸部が鋭角である特殊断面糸を用いれば,一層シャ
リ感が強調された織編物を得ることができる。
【0015】本発明の特殊複合仮撚糸を構成する糸条
A,B,Cとしては,ポリアミド,ポリエステル等の熱
可塑性合成繊維であれば,いずれの素材を用いてもよ
い。糸条繊度としては,仮撚捲付糸の芯糸となる糸条A
より捲付糸となる糸条Bが小さいことが好ましく, ま
た,糸条Cの繊度は, 糸条Bより小さいことが好まし
い。
【0016】次に,本発明の特殊複合仮撚糸の製法例に
ついて説明する。図4は本発明の特殊複合仮撚糸の製法
例を示す概略工程図である。図4において,糸条Aは,
給糸ローラ1によりパッケージから第1の仮撚域に供給
され,第1ヒータ4,スピンナ5,第1引取ローラ6に
より一連の仮撚加工が施されるが,その際,給糸ローラ
2によりパッケージから引き出された糸条Bは,ガイド
3を経て糸条Aの加撚域に,好ましくは糸軸と垂直にオ
ーバーフィード状態で供給される。そして,糸条Bは,
糸条Aの旋回力により糸条Aに捲回されつつ,捲回張力
の変動により上下に振動し,加撚域で図5(a)で示す
ように,糸条Aに対して1重,3重捲回部を形成する。
【0017】この後,解撚域で解撚作用を受けるが,3
重捲回部は,糸条Bの撚の反転による強固な捲付のため
解撚が行われず,図5(b)で示したように,施撚方向
と同方向の撚を有するものとなる。一方,1重捲回部に
おける糸条Bは,過解撚により施撚方向と逆方向の撚を
有するものとなり,また,糸条Aには,捲縮によるふく
らみが付与される。第1引取ローラ6を通過した直後の
仮撚捲付糸は,上記のような1重捲回部と3重捲回部と
をランダムな長さで交互に有している。
【0018】引き続いて,第1引取ローラ6を通過した
仮撚捲付糸は,第2ヒータ9,スピンナ10,第2引取ロ
ーラ11により第2の仮撚加工が施されるが,この際,給
糸ローラ7によりパッケージから引き出された糸条C
は,ガイド8を経て前記仮撚捲付糸の加撚域に,好まし
くはオーバーフィード状態で供給される。このとき,糸
条Cは,芯糸となる仮撚捲付糸の旋回力により前記仮撚
捲付糸に捲回しつつ,捲回張力の変動により上下に振動
し,図5(c)で示すように,前記仮撚捲付糸に対して
1重,3重に捲回し,糸全体としては,糸条Aに対し
て,糸条B,Cが2重,4重,6重捲回部を形成する。
【0019】この後,解撚作用を受け,次いで,捲取パ
ッケージ12に捲取られるが,6重捲回部と糸条Bの1重
捲回部に糸条Cが3重に捲回した部分は解撚が行われ
ず,図1(a)のように,施撚方向と同方向の撚を有す
るものとなる。一方,2重捲回部と糸条Bの3重捲回部
に糸条Cが1重に捲回した部分は,過解撚されて施撚方
向と逆方向の撚を有するものとなる。すなわち,図1で
説明すると,各捲回部の最外層の撚方向は,2重捲回部
(イ)に対して糸条Aが捲縮を有しない4重捲回部
(ロ)は同方向,糸条Aが捲縮を有する4重捲回部
(ニ)と6重捲回部(ハ)は逆方向となる。
【0020】本発明の特殊複合仮撚糸は,例えば上記の
ような製造法を用い,糸条B又はC,あるいは糸条B及
びCの両方に特殊断面糸を採用することで,製造するこ
とができる。
【0021】
【作用】本発明の特殊複合仮撚糸は,ふくらみを有する
2重捲回部と,太さの異なる2種のスラブが存在する4
重捲回部及び6重捲回部をランダムに有し,しかも捲付
糸の少なくとも一部に特殊断面糸が使用されているの
で,製編織して得られる布帛には明瞭かつ多様なスラブ
部が存在し,斑感,ふくらみ感及びスパン調の風合を表
現できるとともに,独特のシャリ感をも付与することが
できる。さらに,特殊断面糸の形状と,変形による反発
力によってスラブ部のずれを防止することができる。
【0022】
【実施例】次に,本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお,スラブ部のずれの評価は, 次の方法で行っ
た。市販の梨地ワッシャ2個を逆向きに合わせた間に,
2重捲回部と次の2重捲回部との間で囲まれた4重捲回
部と6重捲回部にわたるスラブ部に印をつけた糸を通
し,実繊度の30分の1g(グラム)の荷重を乗せて3m
/min の速度で走行させ,ワッシャ通過後の印の部分の
ずれを観察した。測定は各々10点行い,移動したスラブ
部の個数と次式で示すずれ率により評価した。 ずれ率(%)=〔(X−Y)/X〕×100 ただし,Xは走行前のスラブ部長さ,Yは走行後のスラ
ブ部長さである。
【0023】実施例1 糸条Aとして100d/48fの丸断面を有するポリエチレン
テレフタレート(PET)延伸糸,糸条Bとして図2
(a)に示すような十字断面を有する75d/10fのPE
T延伸糸,糸条Cとして50d/24fの丸断面を有するP
ET延伸糸を用い,図4に示す仮撚加工装置を用いて下
記の条件で加工し,本発明の特殊複合仮撚糸を得た。 スピンドル回転数 12.5×104 rpm スピンナ5の仮撚数 Z−2500T/M スピンナ10の仮撚数 S−2000T/M 糸条Aのフィード率 7% 糸条Bのフィード率 80% 糸条Cのフィード率 72% 第1ヒータ温度 200℃ 第2ヒータ温度 200℃ 得られた糸のスラブ部分のずれを評価したが,10点のう
ち, ずれたものはなく,極めて形態安定性の良好なもの
であった。
【0024】また, この糸を経糸と緯糸に用い,ウォー
タージェットルームを使用して,経糸密度70本/2.54c
m,緯糸密度45本/2.54cmで平織に製織した。得られた
織物はスラブのランダムな太さ斑により形態変化に富
み,ソフトでふくらみのあるスパンタッチに加えて微妙
なシャリ感があり,従来にない風合であった。また,準
備,製織工程でネップ等の発生は全くなく,製織性も良
好であった。
【0025】実施例2 糸条Bとして丸断面を有する75d/36fのPET延伸
糸,糸条Cとして十字断面を有する50d/10fのPET
延伸糸を用いた以外は実施例1と同様に加工を行い本発
明の特殊複合仮撚糸を得た。得られた糸条のスラブ部分
を前記の方法で評価した結果,10点のうち, ずれたスラ
ブが1点あったが,そのずれ率は9%と小さく,ネップ
状にはならなかった。
【0026】また,この糸を実施例1と同じ条件で製織
したところ,得られた織物は形態変化に富み,ソフトで
ふくらみのあるスパンタッチに加えて,スラブ部分のラ
ンダムな出現により強弱の変化に富んだシャリ感が付与
されていた。さらに,上記の準備,製織工程でネップ等
の発生は全くなく,製織性も良好であった。
【0027】比較例1 糸条Bとして丸断面を有する75d/36fのPET延伸
糸,糸条Cとして図6に示すような三角断面を有する50
d/12fのPET延伸糸を使用した以外は,実施例1と
同様に加工を行い, 複合仮撚糸を得た。得られた糸条の
スラブ部分を前記の方法で評価した結果,10点のうち8
点のスラブがずれ,そのずれ率は45〜88%と大きく,特
に70%以上のものはネップ状となっていた。
【0028】また, この糸を実施例1と同じ条件にて製
織したところ,得られた織物はスラブのランダムな太さ
斑により形態変化に富みソフトでスパン調の風合いを有
してはいたが,シャリ感がないものであった。さらに,
ウォータージェットルームの反ノズル側に多数のネップ
が発生し,製織性に劣るものであった。
【0029】比較例2 実施例2と同じ糸使いで,図7に示す仮撚加工工程に従
い,次の条件で加工を行った。 スピンドル回転数 12.5×104 rpm スピンナ5の仮撚数 Z−2500T/M 糸条Aのフィード率 7% 糸条Bのフィード率 80% 糸条Cのフィード率 72% 第1ヒータ温度 200℃ 第2ヒータ温度 200℃ 得られた糸のスラブ部のずれを前記の方法で評価した結
果,10点のうち2点のスラブがずれたが,そのずれ率は
11%, 14%と小さかった。しかしながら,この糸を実施
例1と同じ条件で製織したところ,得られた織物は形態
変化に乏しく,シャリ感は付与されていたものの従来の
織物と何等変わりはなかった。また,実施例1〜2の織
物と比較して,風合いが粗硬で, ふくらみ感にも劣って
いた。
【0030】
【発明の効果】本発明の特殊複合仮撚糸は,ランダムな
太さ斑とふくらみを持つ実質的に3種類のスラブが特殊
断面糸を含む糸で形成されているので,この糸を用いた
織編物に変化に富んだ形態と,ソフトでふくらみ感のあ
るスパン調の風合及び従来にない変化に富んだシャリ感
を付与することができる。また,特殊断面糸の特性によ
ってスラブ自体のずれが解消されるため,製編織の際に
ネップの発生がなく,欠点減少による経済的効果や作業
の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特殊複合仮撚糸の一実施態様を示す説
明図であり,(a)は側面図,(b)は糸条Aに対する
糸条B,Cの捲回状態を示し,(a),(b)の位置が
対応するように示したものである。
【図2】(a),(b)は,本発明において,糸条Bや
糸条Cを構成する特殊断面糸の実施態様を示す断面図で
ある。
【図3】本発明の特殊複合仮撚糸において,(a)は特
殊断面糸と丸断面糸が同じ軸方向に接触している状態を
示す説明図,(b)は特殊断面糸同士が同じ軸方向に接
触している状態を示す説明図,(c)は特殊断面糸と丸
断面糸が異なる軸方向に接触している状態を示す説明図
である。
【図4】本発明の特殊複合仮撚糸の製法例を示す概略工
程図である。
【図5】(a)は第1仮撚加工工程の加撚域での糸条の
状態を示す説明図,(b)は第1仮撚加工工程の解撚域
での糸条の状態を示す説明図,(c)は第2仮撚加工工
程の加撚域での糸条の状態を示す説明図である。
【図6】従来の三角断面糸を示す断面図である。
【図7】従来の複合仮撚糸の製造方法を示す概略工程図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03D 15/00 D03D 15/00 C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1本のマルチフィラメント糸
    Aの周囲を少なくとも1本のマルチフィラメント糸Bが
    1重あるいは3重に捲回した加工糸の周囲を,少なくと
    も1本のマルチフィラメント糸Cが1重あるいは3重に
    捲回し,糸全体としては,マルチフィラメント糸Aに対
    してマルチフィラメント糸B,Cにより2重,4重,6
    重捲回部がランダムに形成され,前記4重捲回部にはマ
    ルチフィラメント糸Aが捲縮を有する部分と捲縮を有し
    ない部分が存在し,かつ前記マルチフィラメント糸B,
    Cのうち少なくとも1本は,隣り合う2つの凸部の間に
    凹部が存在する断面を有する単糸で構成された糸条であ
    る複合仮撚糸であって,前記複合仮撚糸の各捲回部の最
    外層の撚方向は,2重捲回部に対してマルチフィラメン
    ト糸Aが捲縮を有しない4重捲回部は同方向,マルチフ
    ィラメント糸Aが捲縮を有する4重捲回部と6重捲回部
    は逆方向であることを特徴とする特殊複合仮撚糸。
JP8131680A 1996-05-27 1996-05-27 特殊複合仮撚糸 Pending JPH09316741A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8131680A JPH09316741A (ja) 1996-05-27 1996-05-27 特殊複合仮撚糸

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8131680A JPH09316741A (ja) 1996-05-27 1996-05-27 特殊複合仮撚糸

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JPH09316741A true JPH09316741A (ja) 1997-12-09

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ID=15063716

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8131680A Pending JPH09316741A (ja) 1996-05-27 1996-05-27 特殊複合仮撚糸

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09316741A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2233620A3 (en) * 2009-03-23 2013-11-27 Politechnika Lodzka Shielding fabric against electromagnetic radiation

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2233620A3 (en) * 2009-03-23 2013-11-27 Politechnika Lodzka Shielding fabric against electromagnetic radiation

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