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JP2908629B2 - マイクロ波プラズマcvd法及びロール・ツー・ロール法を用いた堆積膜形成方法 - Google Patents

マイクロ波プラズマcvd法及びロール・ツー・ロール法を用いた堆積膜形成方法

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JP2908629B2
JP2908629B2 JP4072522A JP7252292A JP2908629B2 JP 2908629 B2 JP2908629 B2 JP 2908629B2 JP 4072522 A JP4072522 A JP 4072522A JP 7252292 A JP7252292 A JP 7252292A JP 2908629 B2 JP2908629 B2 JP 2908629B2
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JP
Japan
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film
gas
roll
microwave
forming
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JP4072522A
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豪人 吉野
正博 金井
靖 藤岡
直 芳里
正太郎 岡部
明 酒井
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Canon Inc
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Canon Inc
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大面積に亘って均一な
マイクロ波プラズマを生起させ、これにより引き起こさ
れる反応により原料ガスを分解、励起させることによっ
て大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する方法に関す
る。
【0002】更に詳しくは、非晶質半導体を利用した大
面積の光起電力素子の形成方法であって特に、積層型光
起電力素子を形成する少なくとも水素を含む非晶質シリ
コン・ゲルマニウム(以下a−SiGeと略記)膜及び
少なくとも水素を含む非晶質シリコン・カーバイド(以
降a−Sicと略記)膜の各々の膜中における上記元素
の割合を理想的に制御し、光起電力素子の改良する方法
に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、全世界的に電力需要が急激に増大
し、そうした需要をまかなうべく電力生産が活発化する
に及んで環境汚染の問題が深刻化して来ている。
【0004】因に、火力発電に代替する発電方式として
期待され、すでに実用期に入ってきている原子力発電に
おいては、チェルノブイリ原子力発電所事故に代表され
るように重大な放射能汚染が人体に被害を与えると共に
自然環境を侵す事態が発生し、原子力発電の今後の普及
が危ぶまれ、現実に原子力発電所の新設を禁止する法令
を定めた国さえ出て来ている。
【0005】又、火力発電にしても増大する電力需要を
まかなう上から石炭、石油に代表される化石燃料の使用
量は増加の一途をたどり、それにつれて排出される二酸
化炭素の量が増大し、大気中の二酸化炭素等の温室効果
ガス濃度を上昇させ、地球温暖化現象を招き、地球の年
平均気温は確実に上昇の一途をたどっており、IEA
(International Energy Age
ncy)では2005年までに二酸化炭素の排出量を2
0%削減することを提言している。
【0006】こうした背景のある一方、開発途上国にお
ける人口増加、そして、それに伴う電力需要の増大は必
至であり、先進諸国における今後更なる生活様式のエレ
クトロニクス化の促進による人口一人当りの電力消費量
の増大と相まって、電力供給問題は地球規模で検討され
ねばならない状況になってきている。
【0007】このような状況下で、太陽光を利用する太
陽電池による発電方式は、前述した放射能汚染や地球温
暖化等の問題を惹起することはなく、また、太陽光は地
球上至るところに降り注いでいるためエネルギー源の偏
在が少なく、さらには、複雑で大型の設備を必要とせず
に比較的高い発電効率が得られる等、今後の電力需要の
増大に対しても、環境破壊を引き起こすことなく対応で
きるクリーンな発電方式として注目を集め、実用化に向
けて様々な研究開発がなされている。
【0008】ところで、太陽電池を用いる発電方式につ
いては、それを電力需要を賄うものとして確立させるた
めには、使用する太陽電池が、光電変換効率が充分に高
く、特性安定性に優れたものであり、且つ大量生産し得
るものであることが基本的に要求される。
【0009】因に、一般的な家庭において必要な電力
は、一世帯あたり3kW程度である。一方、太陽による
エネルギーはピーク時で1KW/m2であり、その太陽
電池の光電変換効率が例えば10%程度であるとする
と、必要な電力を賄うためには前記太陽電池の面積は3
0m2 程度となる。そして、例えば十万世帯の家庭にお
いて必要な電力を供給するには3,000,000m2
といった面積の太陽電池が必要となる。
【0010】こうしたことから、容易に入手できるシラ
ン等の気体状の原料ガスを使用し、これをグロー放電分
解して、ガラスや金属シート等の比較的安価な基板上に
アモルファスシリコン(以降「a−Si」と略記する)
等の半導体薄膜を堆積させることにより作製できる太陽
電池が、量産性に富み、単結晶シリコン等を用いて作製
される太陽電池に比較して低コストで生産ができる可能
性があるとして注目され、その基本層構成、製造方法等
について各種の提案がなされている。
【0011】まずそうした光起電力素子の従来の基本層
構成についてみてみると、a−Si膜のバンドギャップ
が1.7ev程度であって充分に大きいものではないた
め、出力電圧が低く、また、特に蛍光灯のように短波長
光の割合が多い光源に対しては、充分な光電変換効率が
得られないという問題を有している。このため、民生機
器への応用も、消費電力の極めて小さい機器に限られて
しまう。更に、a−Si膜は、強い光を照射し続けると
光電特性が劣化する、いわゆるStaebler−Wr
onski効果と呼ばれる性質を有している場合が少く
ない。こうしたことから上述の光起電力素子は、長期に
わたって安定した特性を維持することが要求される電力
用の太陽電池としては実用に値しないものである。
【0012】ところで、特に光起電力素子を用いた電力
用の太陽電池の設計にあたっては、太陽光を有効に光電
変換することが重要であり、殊に広いスペクトル分布を
有する太陽光を可能な限り広い波長範囲で光電変化でき
る層構成とすることが重要である。
【0013】例えば、エネルギーバンドギャップの小さ
い半導体材料によって光起電力素子を形成した場合に
は、膜によって吸収される光の波長領域は短波長側から
長波長側まで広い範囲に広がるが、実際に光電変換され
て取り出されるエネルギー量は、用いる半導体材料のエ
ネルギーバンドギャップによって決定される為、長波長
成分は光電変換に有効に寄与するが短波長光成分の持つ
エネルギーは有効に光電変換に利用されない。
【0014】また、エネルギーバンドギャップの大きな
半導体材料によって光起電力素子を形成した場合には、
膜によって吸収され光電変換に寄与する太陽光の波長成
分は、用いた半導体材料のエネルギーバンドギャップ以
上のエネルギーを持つ短波長光成分であって、長波長光
成分は光電変換されるに至らない。
【0015】いずれにしろ、光起電力素子として外部へ
取り出される最大の電圧、即ち、開放端電圧(Voc)
は、接合される半導体材料のエネルギーバンドギャップ
の値で決定され、高いVocを得るにはバンドギャップ
の大きい半導体材料が有効である。
【0016】しかしながら、唯一の半導体材料をもって
光起電力素子を形成し、太陽電池として所望の光電変換
が行える様に試みても、その光電変換効率にはおのずと
限界がある。
【0017】こうしたところを勘案して、異なるエネル
ギーバンドギャップを有する複数の半導体材料を用い
て、複数の光起電力素子を積層して形成し、各別のエネ
ルギーバンドギャップを有する半導体材料で形成される
光起電力素子にて光電変換させる波長領域を分けること
により太陽光の光電変換効率を向上させる方法の提案が
ある。
【0018】該提案の太陽電池の層構成は、複数の光起
電力素子を積層したいわゆる電気的に直列な構造のもの
であり、個々の光起電力素子の特性が良くなければ全体
として高い光電変換効率の得られないものである。
【0019】図16はこうした積層型の太陽電池の一例
を取り挙げた模式図である。
【0020】図16において1601は導電性基体、1
602は下部光起電力素子(以下「ボトム・セル」と略
記)であり、具体的には材料としてa−SiGeを用い
ている。1602a〜1602cは各々ボトム・セルを
構成する各層であり、n型a−Si、i型a−SiG
e、p型微結晶(μC)−Si層である。1603は上
部光起電力素子(以下「トップ・セル」と略記)であり
具体的には材料としてa−Siを用いている。1603
a〜1603cは各々トップ・セルを構成する各層であ
り、n型a−Si、i型a−Si、p型μC−Si層で
ある。1604は透明電極であり、具体的にはITO、
IO等の材料からなる。1605は集電電極である。図
16において光は上部から入り、トップ・セルのa−S
i層、及びボトム・セルのa−SiGe層に吸収される
ことにより光キャリアを発生させ、光電変換を行なう。
【0021】ところで、a−Si及びa−SiGe膜中
で発生した光キャリア、具体的には電子とホールのペア
のうち電子は易動度が大きく比較的容易に全層を走行し
て光起電力に寄与できるのに対して、ホールは易動度が
小さく、例えばa−SiGe層中に発生したキャリアは
a−SiGe層中を走り切ることが出来ずに膜中にトラ
ップされてしまい、その結果、有効に起電力を取り出せ
ないという問題があった。こうした事態に対して、a−
SiGe膜の高品質化ひいてはホールの走行性の向上の
為に水素希釈法、三電極法等を利用した改善が試され、
ある程度の成果が出つつある。しかし、a−SiGe膜
に限ってみると、上記の様々な努力が試みられたにも拘
らず充分なホールの走行性を有する材料が得られたとは
今だ言い難い状況にある。
【0022】そこで、a−SiGe層中のホールの走行
性を改善させる手段として最近提案されている方法に、
a−SiGe層の光学的バンドギャップの連続変化法が
ある(以下グレーディドバンドギャップ法と略記) 図17(a)にグレーディド・バンドギャップ法により
作成されたa−SiGe膜のエネルギー・バンドの例を
あらわす模式図を示す。
【0023】図17(a)において、光は左側から入射
する。1701は伝導帯(Ec)のエネルギー準位であ
り、1702は価電子帯のエネルギー準位(Ev)であ
る。図17(a)において、SiとGeの含有率を連続
的に変化させることにより、バンドギャップ(Ec−E
v)の大きい領域と小さい領域を作り出す事ができる。
そして、その結果、光の入射側により強い内部電界を作
り出す。バンドギャップの狭い部所がp層側に寄る構成
としたのは、光がp層側から入射する為にp層側により
多くのキヤリアが発生し、又、発生したキャリアのうち
ホールはp層側に移動するからである。
【0024】図17(a)においては、前述の強い内部
電界に助けられてホールは、a−SiGe膜内を走りき
る事が可能であるが、図17(b)に示すエネルギー変
化箇所のない従来のa−SiGe膜ではホールは走行で
きずに、a−SiGe膜中にとどまってしまい起電力に
寄与しない。
【0025】又、グレーディド・バンドギャップのa−
SiGe層を作製する上で注意すべきことは、p層側界
面及びn層側界面においてはGeの含有率をほぼ0%と
して、p層及びn層と良好なエネルギー・マッチングを
とり、良好な接合を形成することである。良好な接合を
形成することによりキャリアの注入効率が増大し、結果
として太陽電池効率も向上する。
【0026】以上説明した如く、図16に示した構成の
a−Siトップ・セル、グレーデド・バンドギャップa
−SiGeボトム・セルあるいは更にミドル・セルを加
えた積層型光起電力素子が、現在、光起電力特性の良い
太陽電池として、異なる検討が試みられている。
【0027】ところで、以上説明したような層構成、あ
るいはグレーディド・バンドギャップのバンド・プロフ
ァイルの改良に関する研究、開発は従来バッジ式の生産
装置、すなわち1つの成膜空間中で基板を移動させずに
膜堆積し、各層の切り替え、グレーディド・バンドギャ
ップ作成時の組成の連続変化は成膜ガスの組成を時間的
に変化させることで実現してきた。従ってバッジ式にお
いては、例えばグレーディド・バンドギャップa−Si
Ge層におけるp層側及びn層側界面では、比較的容易
にGeの含有率を0まで落とし、良好な接合が作成可能
であったことに注意しておく必要がある。
【0028】次に、こうした光起電力素子の量産方法に
目を向けてみる。
【0029】光起電力素子の効率的な量産方法の1つと
してアモルファスシリコン系の太陽電池を作製する際、
その各々の半導体層形成用の独立した成膜室を設け、該
成膜室にて各々の半導体層の形成を行う方法が提案され
ている。
【0030】因に米国特許4,400,409号特許明
細書には、ロール・ツー・ロール(Roll to R
oll)方式を採用した連続プラズマCVD装置が開示
されている。この装置によれば、複数のグロー放電領域
を設け、所望の幅の十分に長い可撓性の基板を、該基板
が前記各グロー放電領域を順次貫通する経路に沿って配
置し、前記各グロー放電領域において必要とされる導電
型の半導体層を堆積形成しつつ、前記基板をその長手方
向に連続的に搬送せしめることによって、半導体接合を
有する素子を連続形成することができるとされている。
なお、該明細書においては、各半導体層形成時に用いる
ドーパントガスが他のグロー放電領域へ拡散、混入する
のを防止するにはガスゲートが用いられている。具体的
には、前記各グロー放電領域同志を、スリット状の分離
通路によって相互に分離し、さらに該分離通路に例えば
Ar、H2等の掃気用ガスの流れを形成させる手段が採
用されている。こうしたことからこのロール・ツー・ロ
ール方式は、半導体素子の量産に適する方式であると言
えよう。
【0031】しかしながら、前記各半導体層の形成はR
F(ラジオ周波数)を用いたプラズマCVD法によって
行われるところ、連続的に形成される膜の特性を維持し
つつその膜堆積速度の向上を図るにはおのずと限界があ
る。即ち、例えば膜厚が高々5000Åの半導体層を形
成する場合であっても相当長尺で、大面積にわたって常
時所定のプラズマを生起し、且つ該プラズマを均一に維
持する必要がある。ところが、そのようにするについて
は可成りの熟練を必要とし、その為に関係する種々のプ
ラズマ制御パラメーターを一般化するのは困難である。
また、用いる成膜用原料ガスの分解効率及び利用効率は
高くはなく、生産コストを引き上げる要因の一つになっ
ている。
【0032】一方、最近注目されているのが、マイクロ
波を用いたプラズマプロセスである。マイクロ波は周波
数帯が短いため従来のRFを用いた場合よりもエネルギ
ー密度を高めることが可能であり、プラズマを効率良く
発生させ、持続させることに適している。
【0033】例えば、米国特許第4,517,223号
明細書及び同第4,504,518号明細書には、低圧
下でのマイクロ波グロー放電プラズマ内で小面積の基体
上に薄膜を堆積形成させる方法が開示されているが、該
方法によれば、低圧下でのプロセス故、膜特性の低下の
原因となる活性種のポリマリゼーションを防ぎ、高品質
の堆積膜が得られるばかりでなく、プラズマ中でのポリ
シラン等の粉末の発生を抑え、且つ、堆積速度の飛躍的
向上が図れるとされてはいる。しかしながら、大面積に
亘って均一な堆積膜形成を行うにあたっての具体的開示
はなされていない。
【0034】一方、米国特許第4,729,341号明
細書には、一対の放射型導波管アプリケーターを用いた
高パワープロセスによって、大面積の円筒形基体上に光
導電性半導体薄膜を堆積形成させる低圧マイクロ波プラ
ズマCVD法及び装置が開示されているが、大面積基体
としては円筒形の基体、即ち、電子写真用光受容体とし
てのドラムに限られており、大面積且つ長尺の基体への
適用はなされていない。
【0035】以上の事態を踏まえれば、量産に適してい
るといわれるマイクロ波プラズマCVD法(以下「μW
−CVD法」と略記する)とロール・ツー・ロール生産
方法を合理的に組み合わせれば更にスループットの大き
い量産方法となる。
【0036】次に、前述の両方法を組み合わせたロール
・ツー・ロールμWプラズマCVD法(以下「R−Rμ
WCVD法」と略記する)を利用して、a−SiGe層
をi層(光電変換層)に用いたa−SiGe単層(シン
グル)セル太陽電池を作製する例を取り挙げ、その方法
の概略を述べる。
【0037】R−RμWCVD法による生産装置は、ロ
ール状に巻かれたボビンからa−SiGe膜形成用の帯
状基体を連続的に送り出して太陽電池を構成する少なく
ともn型a−Si層、i型a−SiGe層、p型a−S
i層等を含む層からなる複数の層を各々別個の反応容器
である成膜室内で形成するものであるが、各々の成膜空
間においては減圧状態を維持しながら、基体の複数の成
膜室間での移動を可能にし、かつ各々の成膜室内に供給
される、例えばn型a−Si層、p型a−Si層等の原
料となるガスが相互に拡散、混入する事を防止する機能
を有する連結部材(一般的に「ガス・ゲート」あるいは
単に「ゲート」と呼称される。)を具備している。
【0038】図15はR−RμWCVD方式によるa−
SiGe太陽電池等の半導体素子の生産装置を示す模式
図であり、図15において、1501はa−Si膜を堆
積する帯状基体(以降、単に基体と記す)であり、通
常、変形可能な導電性基体、例えばステンレス、アルミ
ニウム等の薄板あるいは非導電性薄板に導電性薄膜等を
コーティングした部材が用いられる。基体1501は円
形のボビン1511に巻きつけられ、送り出し室151
0内に据えつけられる。送り出し室1510内に設置さ
れたボビンから送り出された基体1501は、ガス・ゲ
ート(以降、単に“ゲート”と記す)1520、n型a
−Si成膜室1530、ゲート1540、i型a−Si
Ge成膜室1550、ゲート1560、p型a−Si成
膜室1570、ゲート1580を通過し、巻き取り室1
590内に設置された巻き取りボビン1591に巻き取
られる。
【0039】1530a,1550a,1570aはマ
イクロ波を放電空間に放射する為の誘電体窓からなるア
プリケーターであり、各々誘電体窓に垂直方向に設置さ
れた矩形導波管1530b,1550b,1570bを
通して不図示のマイクロ波電源より電力を印加され、各
々の成膜室内の放電空間でグロー放電が生起される。1
502a〜1506aは各々堆積膜形成の原料となるガ
スが充填されており、1502aはSiH4 ガス、15
03aはGeH4 ガス、1504aはH2 ガス、150
5aはPH3 ガス、1506aはB2 6 ガスが充填さ
れている。
【0040】各々のガスは開閉バルブ1502b〜15
06b及び減圧器1502c〜1506cを通ってガス
混合器1530c,1550c,1570cに導かれ
る。ガス混合器1530c〜1570cて所望の流量、
及び混合比とされた原料ガスは、ガス導入ライン153
0d,1550d,1570dを通って各成膜室内に噴
出する。成膜室内に導入されたガスは、油拡散ポンプ、
メカニカル・ブースター・ポンプ及びロータリー・ポン
プ等からなる排気装置1510e,1530e,155
0e,1570e,1590eにより、各室内での圧力
を所望のものとするように調整されながら排気され、不
図示の排ガス処理装置へ導かれる。又、1530f,1
550f,1570fは各々基板加熱用ヒーターであ
り、各々電源1530g,1550g,1570gより
電力が供給される。
【0041】1541,1561はゲートの開口断面積
を調節する部品であり、ガス流路を狭くして、各成膜室
間同志でのガスの相互拡散を減少させている。さらにゲ
ートにはガス導入口1542,1562より、膜形成に
悪影響を与えないガス、例えばH2 、He等のガスがボ
ンベ1507aから減圧器1507b、流量調節器15
07c,1507dを通って供給され、各成膜室内の原
料ガスの相互拡散を更に抑えている。
【0042】送り出し室1510より送り出された基体
1501は、次々と各成膜室内を進み、その表面にn型
a−Si膜、i型a−SiGe膜、p型a−Si膜を形
成されて最終的に巻き取り室1590に入る。
【0043】まず、n型a−Si成膜室1530内では
基体1501はヒータ1530fにより加熱され、所望
の温度にされる。又、ガス混合器1530cによりn型
a−Si膜の原料になるSiH4 、H2 、PH3 等のガ
スが各々最適の流量で混合され、成膜室1530に導入
される。同時にマイクロ波電力が導波管1530b及び
アプリケーター1530aを通して与えられ、成膜空間
内にグロー放電を生起せしめ、基体1501の表面にn
型a−Si膜を形成する。
【0044】次に、基体はゲート1540内を進み、i
型a−SiGe成膜室1550内に入る。成膜室155
0内では先述と同様に最適流量に設定されたSiH4
GeH4 、H2 ガスに最適パワーを与え、前記n型a−
Si膜上に所望のi型a−SiGe膜を形成する。以下
同様に、基体1501はゲート1560、p型a−Si
成膜室1570を経て巻き取り室1590内のボビン1
591に巻き取られる。このようにして、基体を次々と
n型、i型、p型成膜室を通過させてゆく為に、ロール
・ツー・ロール方式の生産装置では極めて高いスループ
ットが得られる。
【0045】以上、R−RμWCVD方式堆積膜形成装
置を利用したa−SiGe太陽電池の作製法を述べた
が、本例においては、a−SiGeは単一バンドギャッ
プであった。
【0046】前述したグレーディド・バンドギャップの
a−SiGe層を持つ、太陽電池をR−RμWCVD方
式生産装置で実現しようとした時には以下に記述する困
難があった。
【0047】図18は、R−RμWCVD方式を使って
グレーディド・バンドギャップを持つa−SiGe膜を
光起電力層とする太陽電池を作製する際のi層すなわち
a−SiGe層を形成する成膜空間を取り出して示した
模式図である。p型a−Si層及びn型a−Si層を堆
積する為の成膜空間は前述の場合と全く同様なのでここ
では割愛する。図18において、1801は帯状基体で
ある。1802は減圧状態を作り出す為の真空チャンバ
ーであり、下部に設けられた排気口1804を通して、
拡散ポンプ等からなる排気手段1805につながってい
る。1803は成膜空間チャンバーであり、基体180
1と併わせて成膜空間を形づくっている。
【0048】1820はSiH4 ガス・ライン、182
1はGeH4 ガスライン、1822はH2 ガス・ライン
である。各々のガスはガス混合器1814a,1814
b,1814c,1814dにつながっており、ガス混
合器1814a〜1814dにて所望のガス流量、比率
で混合されたガスは各々ガス・パイプ1813a,18
13b,1813c,1813dを通って、各々ガス放
出口1812a,1812b,1812c,1812d
より成膜空間に放出する。
【0049】1810a,1810b,1810c,1
810dは成膜空間へマイクロ波を導入する為の誘電体
窓を有するアプリケーターであり、不図示のマイクロ波
電源から、導波管1811a,1811b,1811
c,1811dを通ってマイクロ波が投入され、成膜空
間にマイクロ波グロー放電プラズマが励起され、基体1
801上に所望のa−SiGe層が堆積する。
【0050】ここでグレーディド・バンドキャップのa
−SiGe層を堆積するには、ガス混合器1814a〜
1814dにて混合するSiH4 ガスGeH4 ガスの混
合比を変えてやれば良い。具体的に、例えば、 ガス混合器1814aにて SiH4 ガス100scc
m (GeH4 0%) ガス混合器1814bにて SiH4 ガス 90scc
m GeH4 ガス 10sccm (GeH4 10%) ガス混合器1814cにて SiH4 ガス 50scc
m GeH4 ガス 50sccm (GeH4 50%) ガス混合器1814dにて SiH4 ガス100scc
m (GeH4 0%) とすることにより、ガス吹出口1812c近辺で、膜中
のGe比率で最大であり、従ってバンドギャップが極小
値となるようなグレーディド・バンドギャップa−Si
Ge層が形成される。この時のa−SiGe層のバンド
ギャップ・プロファイルを図19に示す。
【0051】図19においてEcは伝導帯のエネルギー
準位を示し、Evは価電子帯のエネルギー準位を示す。
又、Ec´はa−Si単独膜の場合の伝導帯のエネルギ
ー準位を示し、Ev´はその時の価電子帯のエネルギー
準位を示す。すなわち本例において体製したa−SiG
e膜はp層側界面、n層側界面ともにa−Si膜のバン
ドギャップ迄拡大しておらず相当量のGeが含まれてい
ることを示している。その結果、p層側、n層側ともに
良好なエネルギー・マッチングがとれず光キャリアの注
入効率が低下し、太陽電池効率が低下するという問題が
発生していた。
【0052】こうした問題を避ける為に、原料ガス中の
GeH4 ガスの比率を下げる、すなわち、a−SiGe
中のGe含有量を減らす方法が考えられる。しかし、こ
の方法においては確かにp層側、n層側のバンドギャッ
プが拡大し、各々の層との良好な接合を形成でき、キャ
リアの注入効率は上がるが、平均としてバンドギャップ
が拡大してしまうことになり発生するキャリアの量自体
が減少してしまい、結果として優れた太陽電池効率を得
ることができなかった。
【0053】又、上述の問題を避ける更に別の方法とし
て成膜空間を更に延長し、ガス放出口を更に多数設ける
方法がある。すなわち図18において成膜室1803を
更に左右に延長し、延長した左右各々の箇所に新たにガ
ス放出口を設け、両ガス放出口よりSiH4 ガスのみを
流すことによりa−SiGe層中の、p層側、n層側に
Si含有率の高い領域を延長する方法である。しかし、
この方法にも更に多数のガス・ライン、ガス放出口、ガ
ス混合器を要し、装置建造にかかるコストが著しく増大
するという欠点があった。
【0054】以上記述してきた問題点をまとめるなら
ば、従来、バッジ式の生産装置で自在に膜組成を変化さ
せ、どのようなプロファイルのグレーディド・バンドギ
ャップa−SiGe膜を作製する事が良いかは判明して
いたが、組成を時間的にではなく位置的に変化させるR
−RμWCVD法式では、こうした理想的なグレーディ
ド・バンドギャップa−SiGe膜を作成する事が困難
であったということである。
【0055】以上の説明は光起電力素子におけるa−S
iGe膜を特に取りあげ説明したが、こうした問題は本
例に限られるものではない。すなわち、一例として光起
電力素子の作製に限ってみても、光入射側の材料にa−
SiC、a−SiN等の高バンドキャップの非晶質半導
体化合物を組成を連続的に変化させようという際にも、
前述の界面における理想的な組成制御は困難であり又、
ロール・ツー・ロール方式でドーピング剤を含む組成制
御を界面近傍で理想的に行なうことは不可能であるとい
う問題があった。
【0056】
【発明が解決するための課題】以上説明したように、本
発明はR−RμWCVD方式を用いて連続的に組成変化
する、例えば、a−SiGe、a−SiC等の非晶質半
導体化合物、あるいは半導体素子への価電子制御剤のド
ーピング量が連続的に変化する膜等を含む、例えば光起
電力素子等の素子を作製する際に、前記素子の端面ある
いは他の種の膜との積層である場合には他の膜との界面
における組成制御を所望の通りに実現出来、理想的な接
合面を形成して、良好な特性の素子を作製する方法を提
供するものである。
【0057】本発明の更なる目的は、上記良好な特性を
持つ例えば光起電力素子を大面積で多量にかつ安価で作
製可能な方法を提供することにある。
【0058】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1のマイ
クロ波プラズマCVD法及びロール・ツー・ロール法を
用いた堆積膜形成方法は、帯状基体を成膜空間の側壁の
1つとなるようにして、長手方向に連続的に移動させな
がら、前記成膜空間内にガス供給手段を介して成膜用ガ
スを導入するとともにマイクロ波エネルギーをマイクロ
波アプリケーター手段により前記成膜空間内に放射させ
てマイクロ波プラズマを生起させ、移動する前記帯状基
体の被堆積面上に連続的に堆積膜を形成するマイクロ波
プラズマCVD法及びロール・ツー・ロール法を用いた
堆積膜形成法において、 前記帯状基体の移動方向に沿っ
て互いに離間して設けられた複数のガス放出口のうち第
1のガス放出口から第1の元素を含む第1のガスを前記
成膜空間に放出し、前記第1のガス放出口とは離間した
第2のガス放出口から前記第1の元素を含まず第2の元
素を含む第2のガスを前記成膜空間に放出して前記堆積
膜を形成する時に、 前記第2のガス放出口より前記第1
のガス放出口に近い位置に偏在して設けられたガス排出
口より前記成膜空間内を排気して、前記成膜空間内の前
記第1のガス放出口付近の前記第1の元素の濃度を前記
第2のガス放出口付近の前記元素の濃度より高くするこ
とにより、 前記帯状基体上に前記第1の元素と前記第2
の元素との組成比が膜厚方向に変化する膜を形成する
とを特徴とする。本発明に係る第2のマイクロ波プラズ
マCVD法及びロール・ツー・ロール法を用いた堆積膜
形成方法は、帯状基体を成膜空間の側壁の1つとなるよ
うにして、長手方向に連続的に移動させながら、前記成
膜空間内にガス供給手段を介して成膜用ガスを導入する
とともにマイクロ波エネルギーをマイクロ波アプリケー
ター手段により前記成膜空間内に放射させてマイクロ波
プラズマを生起させ、移動する前記帯状基体の被堆積面
上に連続的に堆積膜を形成するマイクロ波プラズマCV
D法及びロール・ツー・ロール法を用いた堆積膜形成法
において、 前記帯状基体の移動方向に沿って互いに離間
して設けられた複数のガス放出口のうち第1のガス放出
口から第1の元素を含む第1のガスを前記成膜空間に放
し、前記第1のガス放出口とは離間した第2のガス放
出口から前記第1の元素を含まず第2の元素を含む第2
のガスを前記成膜空間に放出して前記堆積膜を形成する
時に、 前記第1のガスの供給流量を前記第2のガスの供
給流量より少なくして前記成膜空間内の前記第1のガス
放出口付近の圧力を前記第2のガス放出口付近の圧力よ
り低くし、前記成膜空間内の前記第1のガス放出口付近
における前記第1の元素の濃度を前記第2のガス放出口
付近における前記元素の濃度より高くすることにより、
前記帯状基体上に前記第1の元素と前記第2の元素との
組成比が膜厚方向に変化する膜を形成することを特徴と
する。
【0059】
【作用】例えば、グレーディッドバンドギャップのi−
a−SiGe層を有す3層構造の太陽電池(p−a−S
i/i−a−SiGe/n−a−Si)を帯状基板状に
連続して作製する場合、上述した本発明に係る2つの堆
積膜形成方法によれば第2のガス放出口近くにおける
第1の元素の濃度が非常に低くなるため、そこで堆積さ
れる堆積膜中の第1の元素含有量を極めて低い値に抑え
ることができる。また、第1のガス中の第1の元素濃度
を高めても第2のガス放出口付近における第1の元素濃
度を低くできるために、堆積膜中の第1の元素の組成比
を広い範囲で変えることが可能となる。例えば、a−S
iGe層中のGe含有量をn−a−Si及びp−a−S
iとの界面で実質的に0とすることが可能となる。即
ち、p層側及びn層側界面近傍のバンドギャップをa−
Si膜のそれに限りなく近づけることができるため、理
想的な接合を形成することが可能となる。その結果、光
起電力特性の優れた太陽電池を大面積に亘り安価に作製
することが可能となる。
【0060】
【実施態様例】以下、実施態様例とともに本発明の構成
をを詳細に説明する。
【0061】本発明者は図18に示すグレーディド・バ
ンドキャップa−SiGe作製用放電空間を有する図1
5のRoll to Roll生産装置を用いて鋭意研
究を重ねた結果、以下の事実を見出した。
【0062】図18に示す放電空間において、成膜ガス
としてはSiH4 100%ガスをガス放出口1812a
〜1812dより等量成膜空間に放出する。マイクロ波
はアプリケーター1810cよりのみ投入してグロー放
電を生起せしめ、他のアプリケーターにはマイクロ波電
力は投入しない。この状態で静止した帯状基板にa−S
i膜を堆積させた。このようにして帯状基板上に堆積し
たa−Si膜についてその膜厚分布を基板長尺方向に沿
って調べた結果を図20の実線に2001に示す。
【0063】図20において、2011a,2011
b,2011c,2011dは各々図18におけるガス
放出孔1812a,1812b,1812c,1812
dに対応する位置を示す。本図に示す通りa−Si膜の
膜厚はマイクロ波電力を投入した2011c位置を最大
値としたガウス型に近い分布を示している。
【0064】一方、全く同様の方法にて、すべてのガス
放出口からGeH4 ガスを導入し、アプリケーター18
10cよりのみマイクロ波電力を投入して堆積した非晶
質ゲルマニウム(以降「a−Ge」と略記する)につい
てその膜厚分布を調べた結果を図20の破線2002に
示す。
【0065】以上の結果から、a−Geの膜堆積速度の
成膜空間内分布はa−Si膜堆積分布より狭く、シャー
プになっているが、放電空間の端部においてもかなりの
堆積速度を有している事が分かる。これ等はa−Si膜
及びa−Ge膜が堆積するに際しての前駆体が、ある程
度の拡散距離を有していることによると考えられる。一
方、実際にグレーディド・バンドキャップa−SiGe
層を作製しようとする際には図20の2011a,20
11c,2011dすべての位置にて、アプリケーター
よりマイクロ波電力を投入し、マイクロ波グロー放電を
起こし、その位置におけるa−Si膜の膜堆積速度を上
げるのであるが、既述の事実、すなわち成膜空間端部に
おいてもa−Geの堆積速度が有限であることから膜中
のGe含有率を下げることが有限であることは明らかで
ある。
【0066】以上を換言すれば、前記実験においてa−
Ge膜の堆積速度が実質的に0となる方法を考案しなけ
れば、a−SiGe膜のp層側及びn層側界面近傍での
バンドギャップをa−Si膜のそれと同一にする事は不
可能である。
【0067】本発明者は以上の知見にもとづいて鋭意検
討を重ねた結果、前記実験においてa−Ge膜の膜厚分
布を急俊なものとし、その成膜速度を急激に0に落とす
方法、すなわち現実のグレーディド・バンドギャップa
−SiGe膜においてp層側及びn層側界面近傍のバン
ドギャップをa−Si膜のそれに限りなく近づける本発
明の方法を見出すに至った。
【0068】以下、その具体例を図1を用いて説明す
る。
【0069】図1は、図18に示す従来のグレーディド
・バンドギャップa−SiGe成膜室を本発明の方法に
従って改良した装置の一例を示す模式図である。
【0070】図1において、101は帯状基体である。
102は減圧状態を作り出す為の真空チャンバーであ
り、下部に設けられた排気口104を通して、拡散ポン
プ等からなる排気手段105につながっている。103
は成膜チャンバーであり、基体101と併わせて成膜空
間を形づくっている。
【0071】120はSiH4 ガス・ライン、121は
GeH4 ガス・ライン、122はH2 ガス・ラインであ
る。各々のガスはガス混合器114a,114b,11
4c,114dにつながっており、ガス混合器114a
〜114dにて所望のガス流量、比率で混合されたガス
は各々ガス・パイプ113a,113b,113c,1
13dを通って、各々ガス放出口112a,112b,
112c,112dより成膜空間に放出する。
【0072】110a,110b,110c,110d
は成膜空間へマイクロ波を導入するための誘電体窓を有
するアプリケーターであり、不図示のマイクロ波電源か
ら導波管111a,111b,111c,111dを通
ってマイクロ波が投入され、成膜空間にマイクロ波グロ
ー放電プラズマが励起され、基体101上に所望のa−
SiGe膜が堆積する。
【0073】又、115a,115b,115c,11
5dは圧力計であり、各々ガス放出口112a,112
b,112c,112d近傍の圧力を調べることができ
るように設置されている。
【0074】ここで、グレーディド・バンドギャップの
a−SiGe層を堆積するには、既述の如くガス混合器
114a〜114dにて混合するSiH4 ガスとGeH
4 ガスの比率を各々のガス混合器各に変えてやれば良
い。
【0075】本図にあらわしたところの本発明の方法を
具体化する手段の従来との相違点は、成膜空間103の
底部に開けられた穴の配置にある。すなわちガス放出口
112c近辺にて最もバンドギャップの小さな、つまり
Ge含有率の最も高いa−SiGe膜を得ようとする
時、その位置に対応する箇所に排気口を集中して設けた
ことに特徴がある。この時のガスの流れを模式的にあら
わしたのが図2である。
【0076】図2において、201は真空容器、202
は拡散ポンプ等からなる排気手段、203は成膜空間を
形づくる為のチャンバー、204a〜204dはガス放
出孔、205はチャンバー203の底部に設けられた排
気穴、206は帯状基体である。
【0077】本発明の図2の構成において、圧力は20
4a,204dが高く、204b,204cが低くなっ
ておりガスの流れは図中矢印で示す通りに排気孔に向う
流れをもっている。このようなガスの流れを作りだすこ
とにより、例えばガス放出孔204b及び204cから
成膜空間に流れ出たGeH4 ガス、及びGeH4 ガスの
マイクロ波電力により励起されて膜堆積前の前駆体とな
った成分は、ガス放出口204a,204dから放出さ
れるガスの流れに邪魔されて、こうした前駆体は放電空
間端部に届くことがなくなり、実質的にその箇所でのG
e成分の堆積速度はほぼ0となる。
【0078】以上の事実は次の実験により確認された。
【0079】図1に示す放電空間において成膜ガスとし
ては、GeH4 100%ガスをガス放出口112a〜1
12dより等量成膜空間に放出する。マイクロ波はアプ
リケーター110cよりのみ投入してグロー放電を生起
せしめ、他のアプリケーターにはマイクロ波電力は投入
しない。この状態で静止した帯状基板にa−Ge膜を堆
積させた。このようにして帯状基板上に堆積したa−G
e膜についてその膜厚分布を基板長尺方向に沿って調べ
た結果を図3の実線に示す。
【0080】図3において301a,301b,301
c,301dは各々図1におけるガス放出孔112a,
112b,112c,112dに対応する位置を示す。
a−Ge膜の膜厚が301c位置を最大値としたガウス
型に近い分布を示している点は既述の実験と同様である
が、分布形はよりシャープになっており、成膜空間端部
でのa−Ge膜の膜堆積速度は0である。
【0081】以上の事実は本発明の堆積膜形成法によれ
ばガス放出口112a〜112dから適宜SiH4 ガス
とGeH4 ガスの流量を調整して流し、110a〜11
0dのすべてのアプリケーターにマイクロ波を導入して
膜堆積を行なった時に成膜空間端部でのGeの含有率を
0とし、バンドギャップをa−Siのそれと同一である
膜を作製可能であることを示している。
【0082】次に、実際に本発明の堆積膜形成法に基づ
いて上記の装置を用いてグレーディド・バンドギャップ
a−SiGeを堆積した。
【0083】グレーディド・バンドギャップのa−Si
Ge層を堆積するには、ガス混合114a〜114dに
て混合するSiH4 ガス、GeH4 ガスの混合比を変え
てやれば良い。具体的には、例えば ガス混合器114aにて SiH4 ガス100sccm
(GeH4 0%) ガス混合器114bにて SiH4 ガス 90sccm GeH4 ガス 10sccm (GeH4 10%) ガス混合器114cにて SiH4 ガス 50sccm GeH4 ガス 50sccm (GeH4 50%) ガス混合器114dにて SiH4 ガス100sccm
(GeH4 0%) とすることにより、ガス吹出口112c近辺で、膜中の
Ge比率で極大であり、従ってバンドギャップが極小値
となるようなグレーディド・バンドギャップa−SiG
e層が形成される。以上の条件のもとで実際に堆積した
a−SiGe層のバンドギャップ・プロファイルを図4
に示す。
【0084】図4において401a〜401dは各々ガ
ス放出口112a〜112dの位置に相当し、Ecは伝
導帯のエネルギー準位を示し、Evは価電子帯のエネル
ギー準位を示す。又Ec´はa−Si単独膜の場合の伝
導電のエネルギー準位を示し、Ev´はその時の価電子
帯のエネルギー準位を示す。すなわち本例において作製
したa−SiGe膜はp層側界面、n層側界面ともにa
−Si膜のバンドギャップ迄拡大しており、端面ではほ
ぼ完全なa−Si膜が形成されていることが分かる。
【0085】その結果、p層側、n層側ともに良好なエ
ネルギー・マッチング及び接合が形成され光キャリアの
注入効率が良く、又、優れた太陽電池効率をもつ光起電
力素子を形成することができる。
【0086】この時、圧力計115a〜115dにより
測定した成膜空間内の圧力分布を図5に示す。図5にお
いて501a〜501dは各々ガス放出口112a〜1
12dの位置に相当する。
【0087】以上から、Geの含有率が最大となる箇所
の圧力を最小とする本発明の方法が、成膜空間端部での
Ge含有率を下げ、p層側及びn層側両者に良好な接合
を形成できることが明らかになった。
【0088】以上、図1に示す装置を用いて本発明の堆
積膜形成法について発明してきたが、本発明の意図は図
1に示した如く、成膜チャンバーの底部の一部にのみ集
中して排気口を設けて、ガス流を制御したことによるも
の以外でも、Ge含有率の高い箇所で圧力が低くなるよ
うにする方法であれば良いのであり、その為の手段は他
にも考えられる。そうした一例を以下に記す。
【0089】成膜装置としては図18に示した成膜空間
低部の排気口が均一に配置されたタイプの装置を使い、
希釈ガス流量により圧力の制御を行なう。その具体例と
して、 ガス混合器1814aにて SiH4 ガス100scc
m H2 ガス 500sccm ガス混合器1814bにて SiH4 ガス 90scc
m GeH4 ガス 10sccm H2 ガス 150sccm ガス混合器1814cにて SiH4 ガス 50scc
m GeH4 ガス 50sccm ガス混合器1814dにて SiH4 ガス100scc
m H2 ガス 500sccm とすることにより、成膜空間端部での圧力をGeの含有
率が最も高い箇所の圧力より高くすることができる。こ
うした方法によっても成膜空間端部で堆積する膜中のG
eの含有率が極少であることを本発明者等は確認してお
り、この結果に関しては実施例において詳説するものと
し、ここでは割愛する。
【0090】以上、グレーディド・バンドギャップa−
SiGe膜を作製する場合を特に取り挙げて述べてきた
が、本発明は以上の例に限定されるものでなく、別種の
バンドギャップ・プロファイルの作成及び様々な半導
体、合金の組成制御、又、更には半導体の価電子制御を
行なう際に価電子制御剤のドーピング・プロファイルを
理想的に変化させる場合等、マイクロ波プラズマCVD
法及びロール・ツー・ロール法を用い膜堆積の種々の応
用に適用できることは言うまでもない。
【0091】そうした例を次に述べる。
【0092】まず、非晶質半導体材料及び、それ等の合
金におけるバンドギャップ・プロファイルのバリエーシ
ョンについて述べる。
【0093】本発明によって作製される光起電力素子に
おいて好適に用いられるi型半導体層を構成する半導体
材料としては、a−Si:H,a−Si:F,a−S
i:H:F,a−SiC:H,a−SiC:F,a−S
iC:H:F,a−SiGe:H,a−SiGe:F,
a−SiGe:H:F,poly−Si:H,poly
−Si:F,poly−Si:H:F等いわゆるIV族
及びIV族合金系半導体材料の他、II−VI族及びI
II−V族のいわゆる化合物半導体材料等が挙げられ
る。中でもa−SiGe:H,a−SiGe:F,a−
SiGe:H:F,a−SiC:H,a−SiC:F,
a−SiC:H:F等の所謂IV族合金系半導体をi型
半導体層に用いる場合には光の入射側からの禁制帯幅
(バンドギャップ:Egopt)を適宜変化させることによ
り特性を向上出来る事は既に述べた。
【0094】図6(a)〜(d)に様々なバリエーショ
ンのバンドギャップ・プロファイルの具体例を示した。
図中矢印(→)は光の入射側を表わしている。
【0095】図6(a)に示したバンドギャップ・プロ
ファイルは光の入射側よりバンドギャップが一定のもの
である。図6(b)に示したバンドギャップ・プロファ
イルは光の入射側のバンドギャップが狭く、除々にバン
ドギャップが広がるタイプのものでありFF(フィル・
ファクター:曲線因子)の改善に効果がある。図6
(c)に示したバンドギャップ・プロファイルは光の入
射側のバンドギャップが広く、除々にバンドギャップが
狭くなるタイプのものでありVoc:開放電圧の改善に
効果がある。
【0096】図6(d)に示したバンドギャップ・プロ
ファイルは光の入射側のバンドギャップが広く、比較的
急峻にバンドギャップが狭まり、再び広がっていく既に
述べたタイプのものであり、図6(b)と図6(c)と
を組み合わせて両者の効果を同時に得ることができ又、
理想的な接合面を作る事により、良好な特性を得ること
が出来る。
【0097】本発明の方法により、例えば、a−Si:
Hとa−SiGe:Hとを用いて図6(d)に示すバン
ドギャップ・プロファイルをもつi型半導体層を作製す
ることが出来る。また、a−SiC:H(Egopt=2.
05eV)とa−Si:H(Egopt=1.72eV)と
を用いて、図6(c)に示すバンドギャップ・プロファ
イルをもつi型半導体層を作製することが出来る。
【0098】また、本発明の方法及び装置により図7
(a)〜(d)に示すドーピングプロファイルをもつ半
導体層を作製することが出来る。図中矢印(→)は光の
入射側を表わしている。
【0099】図7(a)はノンドープのi型半導体層の
プロファイルである。これに対し、図7(b)は光の入
射側のフェルミレベルが価電子帯よりで、除々にフェル
ミレベルが伝導帯に寄るタイプのものであり、光発生キ
ャリアの再結合を防ぎ、キャリアの走行性を高めるのに
効果がある。図7(c)は光の入射側よりフェルミレベ
ルが除々に価電子帯に寄るタイプのものであり、光の入
射側にn型半導体層を設けた場合に図7(b)の場合と
同様の効果がある。図7(d)は、光の入射側よりほぼ
連続的にフェルミレベルが価電子帯より伝導帯に変化し
ているタイプのものである。
【0100】図7(b)〜(d)に示した連続的にフェ
ルミ準位が変化する堆積膜を形成しようとした時、本発
明の方法では、例えば図7(b)の場合には、光の入射
側で高濃度のドーピングを行なうので光入射側を堆積す
るのに相当する成膜空間内位置で圧力を低いものとし、
成膜空間反対側ではi型半導体とする為ドーパントの流
入を防ぐように高い圧力設定とする。図7(c)の場合
には図7(b)と対称形であり、逆の圧力設定とする。
同様に図7(d)においては膜中間部でフェルミレベル
がi層形となり、もっともドーパント濃度が低いので、
i層形となる膜を堆積するのに相当する成膜空間での位
置での圧力を最も高いものとする。
【0101】これらのバンドギャップ・プロファイル及
びフェルミレベル・プロファイルの設計を適宜行うこと
により、高光電変換効率の光起電力素子を作製すること
が出来る。特に、これらのプロファイルは、図16に示
したタンデム型又はトリプル型光起電力素子のi型半導
体層に適用されるのが望ましい。
【0102】以下、本発明のかかる箇所について更に詳
しく述べてゆくこととする。
【0103】本発明の方法は、連続して移動する帯状部
材上にマイクロ波プラズマCVD法により機能性堆積膜
を連続的に形成する装置であって、前記帯状部材をその
長手方向に連続的に移動させながら、その途中で放電空
間を形成する放電チャンバーとあいまってその内部を実
質的に真空に保持し得る成膜室を有し、前記成膜室内に
マイクロ波プラズマを生起させるための、マイクロ波ア
プリケーター手段と、前記成膜室内を排気する排気手段
と、前記成膜室内に堆積膜形成用原料ガスを導入するた
めの手段と、前記帯状部材を加熱及び/又は冷却するた
めの温度制御手段とを備えていて、前記連続的に移動す
る帯状部材の前記マイクロ波プラズマに曝される側の表
面上に、理想的に組成制御された堆積膜を形成するよう
にしたことを特徴とする堆積膜の連続形成方法である。
【0104】本発明において成膜チャンバー及び帯状部
材を側壁として形成される成膜空間の端面あるいは対向
する両端面には、少なくとも1つ以上の前記マイクロ波
アプリケーター手段を介して、前記マイクロ波エネルギ
ーを前記成膜空間内に放射させるようにする。
【0105】また、前記マイクロ波アプリケーター手段
は前記端面に垂直方向に配設し、前記マイクロ波エネル
ギーを前記側壁と平行な方向に放射させるようにする。
【0106】本発明の方法においては、前記マイクロ波
エネルギーは前記マイクロ波アプリケーター手段の先端
部分に設けられた誘電体窓を介して放射させるようにす
る。
【0107】そして、前記誘電体窓にて前記マイクロ波
アプリケーター手段と前記成膜空間との気密を保持させ
るようにする。
【0108】本発明の方法において、成膜空間内にてマ
イクロ波プラズマを均一に生起させ閉じ込めるには、成
膜空間の両端面のうち片側又は、両側よりマイクロ波エ
ネルギーを放射させ、前記成膜空間内にマイクロ波エネ
ルギーを閉じ込めるようにする。
【0109】前記帯状部材の幅が比較的狭い場合には、
片側からマイクロ波エネルギーを放射させるだけでも前
記成膜空間内に生起するマイクロ波プラズマの均一性は
保たれるが、前記帯状部材の幅が、例えばマイクロ波の
波長の1波長を超えるような場合には、両側からマイク
ロ波エネルギーを放射させるのが、マイクロ波プラズマ
の均一性を保つ上で好ましい。
【0110】互いに対向させて配設させる場合には、一
方のマイクロ波アプリケーター手段より放射させたマイ
クロ波エネルギーを、他方のマイクロ波アプリケーター
手段が受信し、受信されたマイクロ波エネルギーが前記
他方のマイクロ波アプリケーター手段に接続されている
マイクロ波電源にまで達して、該マイクロ波電源に損傷
を与えたり、マイクロ波の発振に異常を生ぜしめる等の
悪影響を及ぼすことのないように特別配慮される必要が
ある。具体的には、前記マイクロ波アプリケーター手段
中を進行するマイクロ波の電界方向同志が互いに平行と
ならないように前記マイクロ波アプリケーターを配設す
るようにする。
【0111】本発明の方法において、前記成膜空間の両
端面のうち片側のみからマイクロ波エネルギーを放射さ
せる場合には、他方の端面からのマイクロ波エネルギー
の漏洩がないようにすることが必要であり、前記端面を
導電性部材で密封したり、穴径が用いるマイクロ波の波
長の好ましくは1/2波長以下、より好ましくは1/4
波長以下の金網、パンチングボードなどで覆うことが望
ましい。
【0112】勿論、前記成膜空間内で生起するマイクロ
波プラズマの均一性は、前記成膜空間内にマイクロ波エ
ネルギーが十分に伝送される必要があり、前記成膜空間
はいわゆる導波管に類する構造とされるのが望ましい。
そのためには成膜チャンバー及び帯状部材は導電性の材
料で構成されることが好ましいが、帯状部材は少なくと
もその片面が導電処理を施されたものであっても良い。
【0113】前記マイクロ波透過性部材は前記マイクロ
波アプリケーター手段の先端部分に設けられ、前記成膜
室内の真空雰囲気と前記マイクロ波アプリケーター手段
の設置されている外気とを分離し、その内外間に存在し
ている圧力差に耐え得るような構造に設計される。具体
的には、そのマイクロ波の進行方向に対する断面形状が
好ましくは円形、方形、楕円形の平板、ベルジャー状、
ダブレット状、円錐状とされるのが望ましい。
【0114】また、前記マイクロ波透過性部材のマイク
ロ波の進行方向に対する厚さは、ここでのマイクロ波の
反射が最少に抑えられるように、用いる材質の誘電率を
考慮して、設計されるのが望ましく、例えば平板状であ
るならばマイクロ波の波長の1/2波長にほぼ等しくさ
れるのが好ましい。更に、その材質としては、マイクロ
波アプリケーター手段から放射されるマイクロ波エネル
ギーを最小の損失で前記成膜室内へ透過させることがで
き、また、前記成膜室内への大気の流入が生じない気密
性の優れたものが好ましく、具体的には石英、アルミ
ナ、窒化ケイ素、ベリリア、マグネシア、ジルコニア、
窒化ホウ素、炭化ケイ素等のガラス又はファインセラミ
ックス等が挙げられる。
【0115】また、前記マイクロ波透過性部材はマイク
ロ波エネルギー及び/又はプラズマエネルギーによる加
熱によって熱劣化(ヒビ割れ、破壊)等を起こすことを
防止するため均一に冷却されることが好ましい。
【0116】具体的な冷却手段としては、前記マイクロ
波透過性部材の大気側の面に向けて吹きつけられる冷却
空気流であってもよいし、前記マイクロ波アプリケータ
ー手段そのものを冷却空気、水、オイル、フレオン等の
冷却媒体にて冷却し前記マイクロ波アプリケーター手段
に接する部分を介して前記マイクロ波透過性部材を冷却
しても良い。前記マイクロ波透過性部材を十分に低い温
度まで冷却することで、比較的高いパワーのマイクロ波
エネルギーを前記成膜室内へ導入しても、発生する熱に
よって前記マイクロ波透過性部材にひび割れ等の破壊を
生じさせることなく、高電子密度のプラズマを生起する
ことができる。
【0117】また、本発明の方法において、前記マイク
ロ波透過性部材がマイクロ波プラズマに接している部分
には、前記帯状部材上と同様膜堆積が起こる。従って、
堆積する膜の種類、特性にもよるが、該堆積膜によって
前記マイクロ波アプリケーター手段から放射されるべき
マイクロ波エネルギーが吸収又は反射等され、前記帯状
部材によって形成される成膜室内へのマイクロ波エネル
ギーの放射量が減少し、放電開始直後に比較して著しく
その変化量が増大した場合には、マイクロ波プラズマの
維持そのものが困難になるばかりでなく、形成される堆
積膜の堆積速度の減少や特性等の変化を生じることがあ
る。このような場合には、前記マイクロ波透過性部材に
堆積される膜をドライエッチング、ウェットエッチン
グ、又は機械的方法等により除去すれば初期状態を復元
できる。特に、前記真空状態を維持したまま堆積膜の除
去を行う方法としてはドライエッチングが好適に用いら
れる。
【0118】また、前記マイクロ波アプリケーター手段
ごと前記成膜室内の真空状態は保持したまま、いわゆる
ロードロック方式で前記成膜室外へ取り出し、前記マイ
クロ波透過性部材上に堆積した膜をウェットエッチング
又は機械的除去等によって剥離して再利用するか、又
は、新品と交換しても良い。
【0119】更には、前記マイクロ波透過性部材の前記
成膜室側の表面に沿って、該マイクロ波透過性部材とほ
ぼ同等のマイクロ波透過性を有する材質からなるシート
を連続的に送ることによって、該シートの表面上に堆積
膜を付着、形成させ、前記マイクロ波プラズマ領域外へ
排出するといった手法を採用することもできる。
【0120】本発明の方法におけるマイクロ波アプリケ
ーター手段はマイクロ波伝送用導波管と同一規格のもの
であっても良いし、他の規格のものであっても良い。ま
た、前記マイクロ波アプリケーター手段中でのマイクロ
波の伝送モードは、前記成膜室内でのマイクロ波エネル
ギーの伝送を効率良く行わせしめ、且つ、マイクロ波プ
ラズマを安定して生起・維持・制御せしめる上で、単一
モードとなるように前記マイクロ波アプリケーターの寸
法・形状等が設計されるのが望ましい。但し、複数モー
ドが伝送されるようなものであっても、使用する原料ガ
ス、圧力、マイクロ波電力等のマイクロ波プラズマ生起
条件を適宜選択することによって使用することもでき
る。単一モードとなるように設計される場合の伝送モー
ドとしては、例えばTE10モード、TE11モード、eH
1 モード、TM11モード、TM01モード等を挙げること
ができるが、好ましくはTE10モード、TE11モード、
eH1 モードが選択される。そして、前記マイクロ波ア
プリケーター手段には、上述の伝送モードが伝送可能な
導波管が接続され、好ましくは該導波管中の伝送モード
と前記マイクロ波アプリケーター手段中の伝送モードと
は一致させるのが望ましい。前記導波管の種類として
は、使用されるマイクロ波の周波数帯(バンド)及びモ
ードによって適宜選択され、少なくともそのカットオフ
周波数は使用される周波数よりも小さいものであること
が好ましく、具体的にはJIS,EIAJ,IEC,J
AN等の規格の方形導波管、円形導波管、又は楕円導波
管等の他、2.45GHzのマイクロ波用の自社規格と
して、方形の断面の内径で幅96mm×高さ27mmの
もの等を挙げることができる。
【0121】本発明の方法において、マイクロ波電源よ
り供給されるマイクロ波エネルギーは、前記マイクロ波
アプリケーター手段を介して効率良く前記成膜室内へ放
射されるため、いわゆるマイクロ波アプリケーターに起
因する反射波に関する問題は回避しやすく、マイクロ波
回路においてはスリースタブチューナー又はE−Hチュ
ーナー等のマイクロ波整合回路を用いなくとも比較的安
定した放電を維持することが可能であるが、放電開始前
や放電開始後でも異常放電等により強い反射波を生ずる
ような場合にはマイクロ波電源の保護のために前記マイ
クロ波整合回路を設けることが望ましい。
【0122】本発明の方法において用いられるマイクロ
波電源から供給されるマイクロ波周波数は、好ましくは
民生用に用いられている2.45GHzが挙げられる
が、他の周波数帯のものであっても比較的入手し易いも
のであれば用いることができる。また、安定した放電を
得るには発振様式はいわゆる連続発振であることが望ま
しい、そのリップル幅が、使用出力領域において、好ま
しくは30%以内、より好ましくは10%以内であるこ
とが望ましい。
【0123】次に、本発明の堆積膜形成装置において用
いられる帯状部材について述べる。本発明の方法におい
て好適に用いられる帯状部材の材質としては、マイクロ
波プラズマCVD法による機能性堆積膜形成時に必要と
される温度において変形、歪みが少なく、所望の強度を
有し、また、導電性を有するものであることが好まし
く、具体的にはステンレススチール、アルミニウム及び
その合金、鉄及びその合金、銅及びその合金等の金属の
薄板及びその複合体、及びそれらの表面に異種材質の金
属薄膜及び/またはSiO2,Si3 4 ,Al
2 3 ,AlN等の絶縁性薄膜をスパッタ法、蒸着法、
鍍金法等により表面コーティング処理を行ったもの。
又、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレ
ート、エポキシ等の耐熱性樹脂性シート又はこれらとガ
ラスファイバー、カーボンファイバー、ホウ素ファイバ
ー、金属繊維等との複合体の表面に金属単体または合
金、及び透明導電性酸化物(TCO)等を鍍金、蒸着、
スパッタ、塗布等の方法で導電性処理を行ったものが挙
げられる。
【0124】勿論、前記帯状部材が金属等の電気導電性
のものであっても、長波長光の基板表面上での反射率を
向上させたり、基板材質と堆積膜との間での構成元素の
相互拡散を防止したり短絡防止用の干渉層とする等の目
的で異種の金属層等を前記基板上の堆積膜が形成される
側に設けても良い。又、前記帯状部材が比較的透明であ
って、該帯状部材の側から光入射を行う層構成の太陽電
池とする場合には前記透明導電性酸化物や金属薄膜等の
導電性薄膜をあらかじめ堆積形成しておくことが望まし
い。
【0125】また、前記帯状部材の表面性としてはいわ
ゆる平滑面であっても、微小の凹凸面であっても良い。
微少の凹凸面とする場合にはその凹凸形状は球状、円錐
状、角錐状等であって、且つその最大高さ(Rmax)
は好ましくは500Å乃至5000Åとすることによ
り、該表面での光反射が乱反射となり、該表面での反射
光の光路長の増大をもたらす。
【0126】また、前記帯状部材の厚さとしては、前記
搬送手段による搬送時に要求される強度を発揮する範囲
内であれば、コスト、収納スペース等を考慮して可能な
限り薄い方が望ましい。具体的には、好ましくは0.0
1mm乃至5mm、より好ましくは0.02mm乃至2
mm、最適には0.05mm乃至1mmであることが望
ましいが、比較的金属等の薄板を用いた方が厚さを薄く
しても所望の強度が得られやすい。
【0127】また、前記帯状部材の幅寸法については、
前記マイクロ波アプリケーター手段を用いた場合におい
てその長手方向に対するマイクロ波プラズマの均一性が
保たれ、且つ、前記湾曲形状が維持される程度であるこ
とが好ましく、具体的には好ましくは5cm乃至100
cm、より好ましくは10cm乃至80cmであること
が望ましい。
【0128】更に、前記帯状部材の長さについては、特
に制限されることはなく、ロール状に巻き取られる程度
の長さであっても良く、長尺のものを溶接等によって更
に長尺化したものであっても良い。
【0129】本発明の方法において配設されるガス供給
手段はパイプ状のガス導入管で構成され、その側面には
1列又は複数例のガス放出口が開けられている。
【0130】前記ガス導入管を構成する材質としてはマ
イクロ波プラズマ中で損傷を受けることがないものが好
適に用いられる。具体的にステンレススチール、ニッケ
ル、チタン、ニオブ、タンタル、タングステン、バナジ
ウム、モリブデン等耐熱性金属及びこれらをアルミナ、
窒化ケイ素、石英等のセラミックス上に溶射処理等した
もの、そしてアルミナ、窒化ケイ素、石英等のセラミッ
クス単体、及び複合体で構成されるもの等を挙げること
ができる。
【0131】本発明の方法において、該ガス供給手段か
ら放出される堆積膜形成用原料ガスは、好ましくは前記
帯状部材の幅方向には均一に、放出される様にする。
【0132】そして、前記ガス供給手段は各々前記帯状
部材に平行に配設するようにする。
【0133】本発明の方法において用いられる前記ガス
供給手段の数は、少なくとも形成しようとする機能性堆
積膜の成分元素数に等しいか、又はそれ以上であること
が望ましく、夫々のガス供給手段から放出させる堆積膜
形成用原料ガスの組成を適宜変化させることにより、理
想的に組成制御された機能性堆積膜を形成することがで
きる。
【0134】前記ガス供給手段の夫々は、放出される堆
積膜形成用原料ガスが確実に励起分解されるように前記
成膜空間内に含まれるよう配設されるのが望ましい。ま
た、形成される堆積膜に所望の組成分布をもたせる為、
該ガス供給手段の配置を適宜調整することが望ましい。
更に、前記成膜空間内での堆積膜形成用原料ガスの流路
を調整、制御する為に該成膜空間内に整流板等を設けて
も良い。
【0135】本発明の方法において、成膜室内で生起す
るマイクロ波プラズマのプラズマ電位を制御する為に、
前記ガス導入管にバイアス電圧を印加しても良い。そし
て、複数のガス導入管に印加されるバイアス電圧は夫々
等しくても、又互いに異なっていても良い。バイアス電
圧としては直流、脈流及び交流電圧を単独又は夫々を重
畳させて印加させることが望ましい。
【0136】バイアス電圧を効果的に印加させるには、
ガス導入管及び、帯状部材のいずれもがその表面が導電
性であることが望ましい。
【0137】バイアス電圧を印加し、プラズマ電位を制
御することによって、プラズマの安定性、再現性及び膜
特性の向上、欠陥の発生の抑制が図られる。
【0138】本発明の方法において、前記ガス導入管よ
り前記柱状の成膜室内に導入された堆積膜形成用原料ガ
スはその一部又は全部が分解して堆積膜形成用の前駆体
を発生し、堆積膜形成が行われるが、末分解の原料ガ
ス、又は分解によって異種の組成のガスとなったものは
すみやかに前記成膜室外に排気される必要がある。ただ
し、排気孔面積を必要以上に大きくすると、該排気孔よ
りのマイクロ波エネルギーの漏れが生じ、プラズマの不
安定性の原因となったり、他の電子機器、人体等への悪
影響を及ぼすこととなる。従って、本発明の方法におい
ては、該排気孔は、マイクロ波の漏洩防止上、使用され
るマイクロ波の波長の好ましくは1/2波長以下、より
好ましくは1/4波長以下であることが望ましい。
【0139】本発明の方法において前記成膜室及び/又
は隔離容器を他の成膜手段を有する真空容器と真空雰囲
気を分解独立させ、且つ、前記帯状部材をそれらの中を
貫通させて連続的に搬送するにはガスゲート手段が好適
に用いられる。本発明の装置において前記成膜室及び/
又は隔離容器内は修正パッシェン曲線の最小値付近の動
作に必要な程度の低圧に保たれるのが望ましいため、前
記成膜室及び/又は隔離容器に接続される他の真空容器
内の圧力としては少なくともその圧力にほぼ等しいか又
はそれよりも高い圧力となるケースが多い。従って、前
記ガスゲート手段の能力としては前記各容器間に生じる
圧力差によって、相互に使用している堆積膜形成用原料
ガスを拡散させない能力を有することが必要である。従
って、その基本概念は米国特許第4,438,723号
に開示されているガスゲート手段を採用することができ
るが、更にその能力は改善される必要がある。具体的に
は、最大106 倍程度の圧力差に耐え得ることが必要で
あり、排気ポンプとしては排気能力の大きい油拡散ポン
プ、ターボ分子ポンプ、メカニカルブースターポンプ等
が好適に用いられる。また、ガスゲートの断面形状とし
てはスリット状又はこれに類似する形状であり、その全
長及び用いる排気ポンプの排気能力等と合わせて、一般
のコンダクタンス計算式を用いてそれらの寸法が計算、
設計される。更に、分離能力を高めるためにゲートガス
を併用することが好ましく、例えばAr,He,Ne,
Kr,Xe,Rn等の希ガス又はH2 等の堆積膜形成用
希釈ガスが挙げられる。ゲートガス流量、圧力としては
ガスゲート全体のコンダクタンス及び用いる排気ポンプ
の能力等によって適宜決定されるが、ガスゲートのほぼ
中央部に圧力の最大となるポイントを設定すればゲート
ガスはガスゲート中央部から両サイドの真空容器側へ流
れ、一方、ガスゲートのほぼ中央部に圧力の最小となる
ポイントを設定すれば両サイドの容器から流れ込む堆積
膜形成用原料ガスと共にゲートガスもガスゲート中央部
から排気される。従って両者の場合において両サイドの
容器間での相互のガス拡散の最小限に抑えることができ
る。実際には、質量分析計を用いて拡散してくるガス量
を測定したり、堆積膜の組成分析を行なうことによって
最適条件を決定する。
【0140】本発明の方法によって形成される組成制御
された機能性堆積膜としては、SiGe,SiC,Ge
C,SiSn,GeSn,SnC等所謂IV族合金半導
体薄膜、GaAs,GaP,GaSb,InP,InA
s等所謂III−V族化合物半導体薄膜、ZnSe,Z
nS,ZnTe,CdS,CdSe,CdTe等所謂I
I−VI族化合物半導体薄膜、CuAlS2 ,CuAl
Se2 ,CuAlTe2 ,CuInS2 ,CuInSe
2 ,CuInTe2 ,CuGaS2 ,CuGaSe2
CuGaTe,AgInSe2 ,AgInTe2 等所謂
I−III−VI族化合物半導体薄膜、ZnSiP2
ZnGeAs2 ,CdSiAs2 ,CdSnP2 等所謂
II−IV−V族化合物半導体薄膜、Cu2 O,TiO
2 ,In2 3 ,SnO2 ,ZnO,CdO,Bi2
3 ,CdSnO4 等所謂酸化物半導体薄膜、及びこれら
の半導体を価電子制御する為に価電子制御元素を含有さ
せたものを挙げることが出来る。
【0141】また、Si,Ge,C等所謂IV族半導体
薄膜に価電子制御元素を含有させたものを挙げることが
できる。勿論a−Si:H,a−Si:H:F等非晶質
半導体において、水素及び/又はフッ素含有量を変化さ
せたものであっても良い。
【0142】上述した半導体薄膜において組成制御を行
うことにより禁制帯幅制御、価電子制御、屈折率制御、
結晶制御等が行われる。前記帯状部材上に組成制御され
た機能性堆積膜を形成させることにより、電気的、光学
的、機械的に優れた特性を有する大面積薄膜半導体デバ
イスを作製することが出来る。
【0143】すなわち、堆積形成された半導体層の禁制
帯幅及び/又は価電子密度を変化させるよりキャリアの
走行性を高めたり、半導体界面でのキャリアの再結合を
防止することで電気的特性が向上する。
【0144】また、屈折率を連続的に変化させることに
より光学的無反射面とすることで半導体層中への光透過
率を向上させることが出来る。
【0145】更には、水素含有量等を変化させることに
より構造的変化を付けることで応力緩和がなされ、基板
との密着性の高い堆積膜を形成することができる。
【0146】本発明において、前述の機能性堆積膜を形
成する為に用いられる堆積膜形成用原料ガスは、所望の
機能性堆積膜の組成に応じて適宜その混合比を調製して
前記成膜空間内に導入する。導入に際しては複数のガス
供給手段が用いられるが、夫々のガス供給手段から導入
される堆積膜形成用原料ガスの組成は異なっていても良
く、目的によっては同じであっても良い。又、必要に応
じて時間的に連続的に組成変化を行わせても良い。
【0147】本発明においてIV族半導体又はIV族合
金半導体等膜を形成する為に好適に用いられる、周期律
表第IV族元素を含む化合物としては、Si原子、Ge
原子、C原子、Sn原子、Pb原子を含む化合物であっ
て、具体的にはSiH4 ,Si2 6 ,Si3 8 ,S
3 6 ,Si4 8 ,Si5 10,等のシラン系化合
物、SiF4 ,(SiF2 5 ,(SiF2 6 ,(S
iF2 4 ,Si2 6 ,Si3 8 ,SiHF3 ,S
iH2 2 ,Si2 2 4 ,Si2 3 3,SiC
4 ,(SiCl2 5 ,SiBr4 ,(SiBr2
5 ,Si2 Cl6 ,Si2 Br6 ,SiHCl3 ,Si
HBr3 ,SiHl3 ,Si2 Cl3 3 等のハロゲン
化シラン化合物、GeH4 ,Ge2 6 等のゲルマン化
合物、GeF4 ,(GeF2 5 ,(GeF2 6
(GeF2 4 ,Ge2 6 ,Ge3 8 ,GeH
3 ,GeH2 2 ,Ge2 2 4 ,Ge2
3 3 ,GeCl4 ,(GeCl2 5 ,GeBr4
(GeBr2 5 ,Ge2 Cl6 ,Ge2 Br6 ,Ge
HCl3 ,GeHBr3 ,GeHl3 ,Ge2 Cl3
3 等のハロゲン化ゲルマニウム化合物、 CH4 ,C2
6 ,C3 8 等のメタン列炭化水素ガス、C2 4
3 6 等のエチレン列炭化水素ガス、C6 6 等の環
式炭化水素ガス、CF4 ,(CF2 5 ,(C
2 6 ,(CF2 4 ,C2 6,C3 8 ,CHF
3 ,CH2 2 ,CCl4 ,(CCl2 5 ,CB
4 ,(CBr2 5 ,C2 Cl6 ,C2 Br6 ,CH
Cl3 ,CHl3 ,C2 Cl3 3 等のハロゲン化炭素
化合物、SnH4 ,Sn(CH3 4 等のスズ化合物、
Pb(CH3 4 、Pb(C2 5 6 等の鉛化合物等
を挙げることが出来る。これらの化合物は1種で用いて
も2種以上混合して用いても良い。
【0148】本発明において、これらの化合物を適宜混
合して用いることにより所謂の組成制御が行われる。
【0149】本発明において形成されるIV族半導体又
は、IV族合金半導体を価電子制御する為に用いられる
価電子制御剤としては、p型の不純物として、周期律表
第III族の元素、例えば、B,Al,Ga,In,T
l等が好適なものとして挙げられ、n型不純物として
は、周期律表第V族の元素、例えばN,P,As,S
b,Bi等が好適なものとして挙げられるが、殊に、
B,Ga,P,Sb等が最適である。ドーピングされる
不純物の量は、所望される電気的、光学的特性に応じて
適宜決定される。
【0150】このような不純物導入用の原料物質として
は、常温常圧でガス状態の又は、少なくとも膜形成条件
下で容易にガス化し得るものが採用される。そのような
不純物導入用の出発物質として具体的には、PH3 ,P
2 4 ,PF3 ,PF5 ,PCl3 ,AsH3 ,AsF
3 ,AsF5 ,AsCl3 ,SbH3 ,SbF5 ,Bi
3 ,BF3 ,BCl3 ,BBr3 ,B2 6 ,B4
10,B5 9 ,B5 11,B6 10,B6 12,AlC
3 等を挙げられることが出来る。上記の不純物元素を
含む化合物は、1種用いても2種以上併用してもよい。
【0151】本発明においてII−VI族化合物半導体
を形成する為に用いられる周期律表第II族元素を含む
化合物としては、具体的にはZn(CH3 2 ,Zn
(C25 2 ,Zn(OCH3 2 ,Zn(OC2
5 2 ,Cd(CH3 2 ,Cd(C2 5 2 ,Cd
(C3 7 2 ,Cd(C4 9 2 ,Hg(CH3
2 ,Hg(C2 5 2 ,Hg(C6 5 2 ,Hg
(C=(C6 5 ))2 等が挙げられる。また周期律表
第VI族元素を含む化合物としては、具体的にはNO,
2 O,CO2 ,CO,H2 S,SCl2 ,S2
2 ,SOCl2 ,SeH2 ,SeCl2 ,Se2 Br
2 ,Se(CH3 2 ,Se(C2 5 2 ,Te
2 ,Te(CH3 2 ,Te(C2 5 2 等が挙げ
られる。
【0152】勿論、これ等の原料物質は1種のみならず
2種以上混合して使用することも出来る。
【0153】本発明において形成されるII−VI族化
合物半導体を価電子制御する為に用いられる価電子制御
剤としては、周期律表I,III,IV,V族の元素を
含む化合物等を有効なものとして挙げることができる。
【0154】具体的にはI族元素を含む化合物として
は、LiC3 7 ,Li(sec−C49 ),Li2 S,
Li3 N等が好適なものとして挙げることができる。
【0155】また、III族元素を含む化合物として
は、BX3 ,B2 6 ,B4 10,B5 9 ,B
5 11,B6 10,B(CH3 3 ,B(C
2 5 3 ,B6 12,AlX3 ,Al(CH3 2
l,Al(CH3 3 ,Al(OCH3 3 ,Al(C
3 )Cl2 ,Al(C2 5 3 ,Al(OC
2 5 3 ,Al(CH3 3 Cl3 ,Al(i−C4
9 3 ,Al(i−C3 7 3 ,Al(C37
3 ,Al(OC4 9 3 ,GaX3 ,Ga(OC
3 3 ,Ga(OC2 5 3 ,Ga(OC3 7
3 ,Ga(OC4 9 3 ,Ga(CH3 3,Ga2
6 ,GaH(C2 5 2 ,Ga(OC2 5 )(C
2 5 2 ,In(CH3 3 ,In(C3 7 3
In(C4 9 3 、V族元素を含む化合物としてはN
3 ,HN3 ,N2 5 3 ,N2 4 ,NH4 3
PX3 ,P(OCH3 3 ,P(OC2 5 3 ,P
(C3 7 3 ,P(OC4 9 3 ,P(C
3 3 ,P(C2 5 3 ,P(C3 7 3 ,P
(C4 9 3,P(OCH3 3 ,P(OC2 5
3 ,P(OC3 7 3 ,P(OC4 9 3 ,P(S
CN)3 ,P2 4 ,PH3 ,AsH3 ,AsX3 ,A
s(OCH3 3 ,As(OC2 5 3 ,As(OC
3 7 3 ,As(OC4 9 3 ,As(C
3 3 ,As(CH3 3 ,As(C2 5 3 ,A
s(C6 5 3 ,SbX3 ,Sb(OCH3 3 ,S
b(OC2 5 3 ,Sb(OC37 3 ,Sb(O
4 9 3 ,Sb(CH3 3 ,Sb(C
3 7 3 ,Sb(C4 9 3 などが挙げられる。
【0156】上記において、Xはハロゲン(F,Cl,
Br,I)を示す。
【0157】勿論、これ等の原料物質は1種であっても
よいが、2種又はそれ以上を併用してもよい。
【0158】更に、IV族元素を含む化合物としては前
述した化合物を用いることが出来る。
【0159】本発明においてIII−V族化合物半導体
を形成する為に用いられる、周期律表第III族元素を
含む化合物としては、具体的にはBX3 (但し、Xはハ
ロゲン原子を示す。),B2 6 ,B4 10,B
5 9 ,B5 11,B6 10,B612,AlX3 (但
し、Xはハロゲン原子を示す。)、Al(CH3 2
l,Al(CH3 3 ,Al(OCH3 3 ,Al(C
3 )Cl2 ,Al(C2 5 3 ,Al(OC
2 5 3 ,Al(CH3 3 Cl3 ,Al(i−C4
93 ,Al(i−C3 7 3 ,Al(C3 7
3 ,Al(OC4 9 3 ,GaX3 (但し、Xはハロ
ゲン原子を示す。),Ga(OCH3 3 ,Ga(CO
2 5 3 ,Ga(OC3 7 3 ,Ga(OC
4 9 3 ,Ga(CH3 3 ,Ga2 6 ,GaH
(C2 5 2 ,Ga(OC2 5 )(C2 5 2
In(CH3 3 ,In(C3 7 3 ,In(C4
9 3 等が挙げられる。また周期律表第V族元素を含む
化合物としては、具体的にはNH3 ,HN3 ,N2 5
3 ,N2 4 ,NH4 3 ,PX3 (但し、Xはハロ
ゲン原子を示す。),P(OCH3 3 ,P(OC2
5 3 ,P(C3 7 3 ,P(OC4 9 3 ,P
(CH3 3 ,P(C2 5 3 ,P(C3 7 3
P(C4 93 ,P(OCH3 3 ,P(OC
2 5 3 ,P(OC3 7 3 ,P(OC
4 9 3 ,P(SCN)3 ,P2 4 ,PH3 ,As
3 (但し、Xはハロゲン原子を示す。),AsH3
As(OCH3 3 ,As(OC2 5 3 ,As(O
3 7 3 ,As(OC4 9 3 ,As(CH3
3 ,As(CH33 ,As(C2 5 3 ,As(C
6 5 3 ,SbX3 (但し、Xはハロゲン原子を示
す。),Sb(OCH3 3 ,Sb(OC2 5 3
Sb(OC37 3 ,Sb(OC4 9 3 ,Sb
(CH3 3 ,Sb(C3 7 3 ,Sb(C4 9
3 などが挙げられる。(但し、Xはハロゲン原子、具体
的にはF,Cl,Br,Iの中から選ばれる少なくとも
一つを表す。)勿論、これ等の原料物質は1種あるいは
2種以上混合して用いることができる。
【0160】本発明において形成されるIII−V族化
合物半導体を価原子制御するために用いられる価原子制
御剤としては、周期律表II、IV,VI族の元素を含
む化合物等を有効なものとして挙げることができる。
【0161】具体的には、II族元素を含む化合物とし
ては、Zn(CH3 2 ,Zn(C2 5 2 ,Zn
(OCH3 2 ,Zn(OC2 5 2 ,Cd(C
3 2 ,Cd(C2 5 2 ,Cd(C3 7 2
Cd(C4 9 2 ,Hg(CH32 ,Hg(C2
5 2 ,Hg(C6 5 2 ,Hg((C=(C
6 5 ))2 等を挙げることができ、VI族元素を含む
化合物としては、NO,N2 O,CO2 ,CO,H
2 S,SCl2 ,S2 Cl2 ,SOCl2 ,SeH2
SeCl2 ,Se2 Br2 ,Se(CH3 2 ,Se
(C2 5 2 ,TeH2 ,Te(CH3 2 ,Te
(C2 5 2 等を挙げることがことができる。
【0162】勿論、これ等の原料物質は1種であっても
よいが、2種又はそれ以上を併用してもよい。
【0163】更々、IV族元素を含む化合物としては前
述した化合物を挙げることが出来る。
【0164】本発明において前述した原料化合物はH
e,Ne,Ar,Kr,Xe,Rn等の希ガス、及びH
4 ,HF,HCl等の希釈ガスと混合して導入されても
良い。また、これらの希釈ガス等は独立してガス供給手
段から導入されても良い。
【0165】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は実施例により何ら制限されるものではない。
【0166】(実施例1及び比較例1)図1に示した本
発明の堆積膜形成法及び図18に示した従来の堆積膜形
成法の両者により以下の実験を行なった。
【0167】具体的な作業方法、例えばガスの混合、導
入方法等はすでに述べた通りであり、重複するのでここ
では、省くものとし、本実施例において行なった特徴的
な事項について記す。
【0168】まず、第1に図1に示す本発明の堆積膜形
成方法及び図18に示す従来の堆積膜形成法を図15に
示したロール・ツー・ロール方式生産装置のi層成膜室
1550として取り込んだ。言い換えれば図15に示す
ロール・ツー・ロール方式生産装置におけるi層成膜チ
ャンバーのみを本発明の堆積膜形成法によるものと、従
来の堆積膜形成法によるものとを交換して実験したこと
である。
【0169】尚、グレーディド・バンドギャップa−S
iGe層成膜室へのガス混合器は更にその内部に各ガス
放出口用に複数のガス混合器を有している。
【0170】本実施例においては、n層成膜室1530
及びp層成膜室1570には成膜ガス及びドーピングガ
スは全く流さず、又、マイクロ波電力による放電も生起
せず、単に帯状基体の通過するチャンバーとした。すな
わち、本実施例においてはi層成膜室にて堆積する膜の
単膜特性の把握をその目的の1つとしたものである。第
2に、本実施例においては帯状基体は、固定して動かな
いものとして、その帯状基体のi層成膜チャンバーに該
当する位置の成膜空間に対向するよう基体長尺方向に沿
って#7059ガラスを設置した。帯状基体へのガラス
の固定方法は帯状基体及びガラスに穴を開けてネジで固
定する、あるいは高融点で無機系の接着剤、例えばアロ
ン・セラミック等で固定する方法等があるが、本実施例
においては前者を採用した。
【0171】すなわち、本実施例においては、i層チャ
ンバー成膜室の入口側端面から出口側端面迄各々の箇所
で堆積する膜を積層した状態で膜を調べようとするもの
ではなく、成膜室の各箇所、各々での特性を分離して調
べようとするするものである。
【0172】第3に図18に示す従来の堆積膜形成方法
においても、図1に示す本発明の堆積膜形成方法と同様
に成膜室の長尺方向に沿って複数の真空計を設け、成膜
室各箇所での圧力をモニターした。
【0173】以上の基本条件のもとで、表1に示す成膜
条件により、約1μmの膜厚を持つa−SiGe膜の形
成を行なった。本発明の堆積膜形成方法と従来の堆積膜
形成法における成膜条件は圧力を除いて全く同一であ
る。
【0174】尚、表1のi層成膜室における位置a,
b,c,dは各々図1における真空計115a〜115
dによる測定位置に対応している。
【0175】
【表1】 得られた膜について、分光器を用いた光学的バンドギャ
ップの測定及びX線マイクロ・アナライザーを用いた、
Si及びGeの組成分析を行なった。i層チャンバー・
成膜室の長尺方向各箇所において行なった以上の測定結
果を図8に示す。
【0176】図8(a)は各位置に対する光学的バンド
ギャップを表わしたものであり、実線が本発明の堆積膜
形成法、破線が従来の堆積膜形成法によるものである。
図8(b)は各位置での膜中Ge含有率を示したもので
あり、実線が本発明の堆積膜形成法、破線が従来の堆積
膜形成法によるものである。
【0177】図8(a),(b)から分かるように、従
来の堆積膜形成法においては、成膜空間端部において数
%程度のGeを含有し、それに従って光学的バンドギャ
ップも約1.65eVとa−Siのそれよりも狭いもの
なっている。従って本発明の堆積膜形成方法が理想的に
Geの含有率を制御して、所望のバンドギャップ・プロ
ファィルの膜を作成できることが判明した。
【0178】(実施例及び比較例2)図1に示した本発
明の堆積膜形成法及び図18に示した従来の堆積膜形成
方法の両者により以下の実験を行なった。
【0179】具体的な作業方法、例えばガスの混合、導
入方法等はすでに述べた通りでありここでは省くものと
し、本実施例において行なった特徴的な事項について記
す。まず、第1には、実施例1と同様に図1に示す本発
明の堆積模形成方法及び図18に示す従来の堆積膜形成
法を図15に示したロール・ツー・ロール方式、生産装
置のi層成膜室1550として取り込んだ。
【0180】第2に図18に示す従来の堆積形成方法に
おいても、図1に示す本発明の堆積膜形成方法と同様に
成膜室の長尺方向に沿って複数の真空計を設け成膜室各
箇所での圧力をモニターした。
【0181】第3に、本実施例においては、シングル・
セル太陽電池を構成するn型a−Si層、i型グレーデ
ィド・バンドギャップa−SiGe層、p型a−Si層
を積層した。各々の層厚はn型a−Si層を200Å、
i型グレーディド・バンドギャップa−SiGe層を2
500Å、p型a−Si層を120Åとした。こうした
成膜条件を表2に示す。
【0182】
【表2】 本発明の堆積膜形成方法と従来の堆積膜形成法における
成膜条件は圧力を除いて同一である。尚、表2のi層式
膜室における位置a,b,c,dは各々図1における圧
力計115a〜115dによる測定位置に対応してい
る。
【0183】本発明の堆積膜形成法及び従来の堆積膜形
成法共に2枚づつの試料を作製し、一枚は組成分析を行
い、一枚はその試料上に更に蒸着法により透明電極(I
TO)及び集電電極(CrとAgの積層)を積層してシ
ングル太陽電池セルとした。組成分析はオージェ電子分
光により行ないp層側から分析を進め、基板迄の深さ方
向のGe含有率のプロファイルを調べた。その結果を図
9に示す。図9において実線が本発明の堆積膜形成法に
よるものであり、破線が従来の堆積膜形成法によるもの
である。図9から分かる通り、従来の堆積膜形成法にお
いてはp層側界面近傍及びn層側界面近傍ともに数%程
度のGeを含有しているのに対して本発明の堆積膜形成
法においては実質的にGeは含まれておらず、理想的な
膜組成制御ができている事が分かる。
【0184】一方、透明電極及び集電電極を積層したセ
ルについてその、太陽電池特性を調べた。照射光として
はAM1.5の擬似太陽光を用い、エネルギー密度は1
00mW/cm2 とした。尚、各々のサブセルの測定面
積は0.5cm2 である。その結果は次の通りである。
【0185】従来の堆積膜形成装置を用いて作製したセ
ルの変換効率8.6%本実施例の堆積膜形成装置を用い
て作製したセルの変換効率9.0%以上の結果から、本
発明の堆積膜形成装置を用いて理想的に組成制御の行な
われたセルは従来のセルに比して変換効率が向上してい
ることが判明した。
【0186】(実施例3)図18に示す排気穴が等間隔
であるi層成膜チャンバを用いて1812a〜1812
d、ガス放出口から導入するガス量を変更することによ
り本発明の堆積膜形成法を実施した。
【0187】本実施例においても図1に示す本発明の堆
積膜形成方法と同様に成膜室の長尺方向に沿って複数の
圧力計を設け成膜室名箇所での圧力をモニターした。
【0188】本例においては、n型a−Si層及びp型
a−Si層の作製条件は第2表と全く同一であり、各々
の層厚はn型a−Si層を200Å、i型グレーディド
・バンドギャップa−SiGeを2500Å、p型a−
Si層を100Åとした。
【0189】実験はi層チャンバー1812a−181
2d各々のガス放出口から放出するガス量を変えて4回
行ない、夫々実験を実験1〜4とする。
【0190】その時のガス量及び各位置の圧力を表3に
示す。
【0191】
【表3】 実験1は各ガス放出口から放出するH2 流量が1812
a〜1812dで同一な場合であり、従来の堆積膜形成
法に相当する。実験2〜4はガス放出口1812cから
放出するH2 ガス流量を極小として、その他のガス放出
口から流出するH2 ガス量を漸次増やしたものである。
実験2から4に向かうに従って圧力勾配がきつくなって
ゆく。
【0192】共に2枚づつの試料を作製し、一枚は組成
は組成分析を行ない、一枚はその試料上に更に蒸着法に
より透明電極(ITO)及び集電電極(CrとAgの積
層)を積層してシングル太陽電池セルとした。
【0193】組成分析はオージェ電子分光により行ない
p層側から分析を進め、基板迄の深さ方向のGe含有率
のプロファィルを調べた。実験1〜4に対してのその結
果を図10に示す。
【0194】図10に示した通り実験1から実験4に向
かって成膜空間端部近辺での含有率が下がっており、G
e含有率は急峻な勾配を持つ。
【0195】一方、透明電極及び集電電極を積層したセ
ルについて、その太陽電池特性を調べた。照射光として
はAM1.5の擬似太陽光を用い、エネルギー密度は1
00mW/cm2 とした。尚、個々のサブ・セルの測定
面積は0.5cm2 である。実験1〜4に対する測定結
果を表4に示す。
【0196】
【表4】 表4に示す通り実験1から3に向かって変換効率が向上
しており、本発明の堆積膜形成法が優れている事が判明
した。
【0197】実験4では、実験3に比して変換効率は低
下しているが、実験1すなわち従来の堆積膜形成法より
は優れている。実験4において実験3より変換効率が低
下したのは、Ge含有率の高い箇所で、バンドギャップ
・プロファイルが急峻なものとなりすぎ、逆に成膜空間
端部でのバンドギャップ・プロファイルがフラット化し
たためにキャリアの走行性が低下したものと考えられ
る。
【0198】(実施例4)本発明の方法を用いてトップ
・セルのi層をアモルファス・シリコンとしたタンデム
型太陽電池を作成した。
【0199】作成に用いた装置の概略図を図11に示
す。図11に示した生産装置は、基本的には図15に示
した生産装置をタンデム型太陽電池用に成膜室を増室し
たものである。図11において1100は基板送り出し
室、1110はボトム・セル用n型a−Si層成膜室、
1120はボトム・セル用i型グレーディド・バンドギ
ャップa−SiGe層成膜室、1130はボトム・セル
用・p型a−Si層成膜室、1140はトップ・セル用
n型a−Si層成膜室、1150はトップ・セル用i型
a−Si層成膜室、1160はトップ・セル用p型a−
Si層成膜室であり、各々の成膜室にはガス混合器11
11,1121,…1161より所望の流量及び流量比
で混合された成膜ガスが導入され、不図示のマイクロ波
電源より電力が与えられ、基体1102上に所望の膜を
形成する。尚グレーディド・バンドギャップa−SiG
e形成用成膜へのガス混合器は更に3の内部で各ガス放
出口用に複数のガス混合器を有している。成膜ガスの原
料ボンベは基本的に図15に示した物と同様である。
又、1181〜1187は各々各室間を連結するゲート
である。
【0200】各々のゲートにはパージ・ガス噴出口が設
けられており、各々の噴出口へはパージ・ガスボンベか
らパージ・ガスが所望の流量供給される。その他の膜形
成に関わる箇所及びa−Si膜形成のための工程は従来
の技術に示したものと同様であるのでその説明を省略す
る。
【0201】更に、本実施においては、図11において
ボトム・セル用i型グレーディド・バンドギャップa−
SiGe膜成膜室1120として本発明の堆積膜形成方
法に基づく図12の堆積膜形成手段を用いた。
【0202】図12はロール・ツー・ロール方式に用い
られる基体をi層成膜チャンバー内で湾曲させ、基板自
身で成膜室を形成したものである。
【0203】こうした構成により膜堆積面のかなりの部
分を基体が占めることとなり成膜ガスの利用効率が向上
する。
【0204】このような湾曲した基板により形成した円
形断面を持つ柱状の放電空間の内部には、同心円状に本
発明の圧力調整を行なう排気調整板を設け、圧力調節を
行なった。
【0205】又、本例においてはマイクロ波は柱状の放
電空間の端面に対向するように2ケのアプリケーターを
備えている。
【0206】図12において、1201は幅20cm帯
状部材であり、SUS430BA材で構成され、又、半
径12cmの柱状に湾曲している。1202,1203
は帯状部材1201を柱状に湾曲させる為のローラー1
204は搬送用リング、1206a,1206bは温度
調節機構であって全周に備えられている。1207,1
208はマイクロ波導入用アプリケーター、1209は
誘電体窓、1211,1212は導波管であり、不図示
のマイクロ波電源につながっている。1213a〜12
13dはガス導入管、1214は排気口であり、不図示
の拡散ポンプ等の排気手段につながっている。1215
は圧力調節の為の排気調節板である。
【0207】又、任意の位置の圧力は真空計によって調
べられるようになっている(不図示)。このような構成
によるガスの流れを模式的に示したのが図13である。
【0208】図13において、1301は柱状に湾曲し
た帯状基体、1302はローラー、1303は排気調節
板、1304はガス放出口である。
【0209】図11及び図12に示した装置を用いて本
発明の堆積膜形成法によりタンデム・セル太陽電池を作
製した。セルの層構成は図16に示したタイプのもので
ある。
【0210】各々の層厚はボトム・セルn型a−Si層
を200Å、ボトム・セルi型グレーディド・バンドギ
ャップi型a−SiGe層を2800Å、ボトム・セル
p型a−Si層を120Å、トップ・セルn型a−Si
層を180Å、トップ・セルi型a−Si層を2000
Å、トップ・セルp型a−Si層を100Åとした。そ
の成膜条件を表5に示す。表中i型a−SiGe層中及
びi型a−Si層層中の位置a,b,c,dは各々帯状
基体の進入方向から数えたガス放出口の位置に対応して
いる。
【0211】
【表5】 作成したセルに更に透明電極及び集電電極を積層し、そ
の太陽電池特性を調べた。照射光としては、AM1.5
の擬似太陽光を用い、エネルギー密度は100mW/c
2 とした。尚、測定面積は0.5cm2 である。その
結果、手内変換効率12.4%と優れた特性を持ってい
ることが確認された。
【0212】(実施例5)図1に示した装置を用いて本
発明の堆積膜形成法によりa−SiC膜の堆積を行なっ
た。
【0213】具体的な作業方法、例えばガスの混合、導
入方法等はすでに述べた通りであり、重複するので、こ
こでは省くものとし、本実施例において行なった特徴的
な事項について記す。
【0214】まず、第1に図1に示す本発明の堆積膜形
成方法を図15に示したロール・ツー・ロール方式生産
装置のa−SiC膜成膜室1550として取り込んだ。
【0215】本実施例においては、n層成膜室1530
及びp層成膜室1570には成膜ガス及びドーピング・
ガスは全く流さず、又、マイクロ波電力による放電も生
起せず、単に帯状基体の通過するチャンバーとした。す
なわち、本実施例においてはa−SiC膜成膜室にて堆
積する膜の単層特性の把握をその目的の1つとしたもの
である。
【0216】第2に本実施例においては、帯状基体は、
固定して動かないものとして、その帯状基体のa−Si
C膜成膜チャンバーに該当する位置の成膜空間側に基体
長尺方向に沿って#7059ガラスを設置した。帯状基
体へのガラスの固定方法は帯状基体及びガラスに穴を開
けてネジで固定する、あるいは高融点で無機系の接着
剤、例えばアロン・セラミック等で固定する方法等があ
るが、本実施例においては前者を採用した。
【0217】すなわち、本実施例においては、a−Si
C膜成膜チャンバー成膜室の入口側端面から出口側端面
迄各々の箇所で堆積する膜を堆積した状態で膜を調べよ
うとするものではなく、成膜室の各箇所、各々での特性
を分離して調べようとするものである。
【0218】尚、本実施例では図15中のボンベ150
3aはGeH4 ガスボンベに変えてC2 2 ガスボンベ
に変換してある。更に、本実施例はSiC層成膜室のガ
ス放出口すべてに直流電源を接続し、+60Vのバイア
ス電圧を印加した。
【0219】以上の基本条件のもとで、表6に示す成膜
条件により、約1μmの膜圧を持つa−SiC膜の形成
を行なった。尚、表6SiC層成膜室における位置a,
b,c,dは各々図1におけるガス放出口112a〜1
12dの位置に対応している。
【0220】
【表6】 得られた膜について、X線マイクロ・アナライザーによ
るC含有率の測定を行なった。i層チャンバー成膜室の
長尺方向各箇所において行なった以上の測定結果を図1
4に示す。
【0221】図14から分かる通り、成膜空間端部での
C含有率は実質的に0となっており、本発明の堆積膜形
成法の効果が確認された。
【0222】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のR−Rμ
WCVD方式により、連続的に組成変化する例えばa−
SiGe,a−SiC等の合金膜、あるいは半導体素子
への価電子制御剤のドーピング量が連続的に変化する膜
等を含む、例えば光起電力素子等の素子を作製する際
に、前記素子の端面あるいは他の種の膜との積層である
場合には他の膜との界面における組成制御を所望の通り
に実現出来、理想的な接合面を形成して、良好な特性の
素子の作製が可能となる。
【0223】更に、本発明により上記、良好な特性を持
つ例えば光起電力素子を大面積で多量にかつ安価で作製
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の堆積膜形成法を実現する装置の一例を
示す模式図。
【図2】本発明の堆積膜形成法を採用した堆積膜形成装
置内におけるガスの流れを模式的に示した図。
【図3】本発明の堆積膜形成法を利用して作製したa−
Ge膜の膜厚分布を示すグラフ。
【図4】本発明の堆積膜形成法を利用して作製したグレ
ーディド・バンドキャップa−SiGe膜のエネルギー
・バンドを示す模式図。
【図5】本発明の堆積膜形成法にもとづく堆積膜形成時
の成膜空間内の圧力を示すグラフ。
【図6】a−SiGe膜においてバンドギャップを連続
的に変化させる場合の様々なバリエーションを示す模式
図。
【図7】半導体において価電子制御剤の含有量を連続的
に変化させ、フェル準位を連続的に変化させた場合の様
々なバリエーションを示す模式図。
【図8】図8(a)は本発明及び従来の堆積膜形成法を
利用して堆積した膜の光学的バンドギャップの位置依存
性を示すグラフ。図8(b)は本発明及び従来の堆積膜
形成法を利用して堆積した膜におけるGe含有率の位置
依存性を示すグラフ。
【図9】本発明及び従来の堆積膜形成法を利用した堆積
した膜におけるGe含有率の深さ方向の分布を示したグ
ラフ。
【図10】本発明の堆積膜形成法において成膜空間内の
圧力分布を種々変更しながら作製した膜におけるGe含
有率の深さ方向の分布を示したグラフ。
【図11】本発明の堆積膜形成法を利用してa−SiG
e及びa−Siからなる積層型太陽電池を作製する際に
用いられる装置の一例を示す模式図。
【図12】本発明の堆積膜形成方法を利用した堆積膜形
成装置であって帯状基体を湾曲させて柱状の成膜空間を
形成し、かつその柱状成膜空間の両端面からマイクロ波
を投入する場合を示す模式図。
【図13】図12に示した堆積膜形成装置におけるガス
の流れを模式的に示した図。
【図14】図12に示した装置を用い、本発明の堆積膜
形成法により作製したグレーディド・バンドギャップa
−SiC膜におけるC含有率を示すグラフ。
【図15】従来のロール・ツー・ロール方式生産装置を
示す模式図。
【図16】積層型の太陽電池の一例を示す模式図。
【図17】a−SiGe膜のエネルギー・バンド図。 (a) グレーディド・バンドギャップ法による場合 (b) 従来法の場合
【図18】ロール・ツー・ロール方式生産装置における
従来の成膜空間の配置を示す模式図。
【図19】従来の堆積膜形成法を用いて作製したa−S
iGe膜のエネルギー・バンドを示す模式図。
【図20】従来の堆積膜形成法を用いて作製したa−S
i膜及びa−Ge膜の膜厚分布を示すグラフ。
【符号の説明】
101 帯状基体 102 減圧状態を作り出す為の真空チャンバー 104 排気口 105 排気手段 103 成膜チャンバー 120 SiH4 ガス・ライン 121 GeH4 ガス・ライン 122 H2 ガス・ライン 114a,114b,114c,114d ガス混合器 113a,113b,113c,113d ガス・パイ
プ 112a,112b,112c,112d ガス放出口 110a,110b,110c,110d 誘電体窓を
有するマイクロ波アプリケーター 111a,111b,111c,111d 導波管 201 真空チャンバー 222 排気手段 203 成膜チャンバー 204a〜204d ガス放出口 205 排気口 206 帯状基体 1100 送り出し室 1102 基体 1110 ボトム・セル用n型a−Si層成膜室 1120 ボトム・セル用i型a−SiGe層成膜室 1130 ボトム・セル用p型a−Si層成膜室 1140 トップ・セル用n型a−Si層成膜室 1150 トップ・セル用i型a−Si層成膜室 1160 トップ・セル用p型a−Si層成膜室 1111,1121,1161 ガス混合器 1190 SiH4 ガス,GeH4 ガス,H2 ガス,B
2 6 ガス,PH3 ガス充填ガスボンベ 1181〜1187 ゲート。 1201 帯状部材 1202,1203 帯状部材1201を柱状に湾曲さ
せる為のローラー 1204 搬送用リング 1206a,1206b 温度調節機構 1207,1208 マイクロ波アプリケーター 1209 誘電体窓 1211,1212 導波管 1213a〜1213d ガス導入管 1214 排気口 1215 排気調節板 1301 柱状に湾曲した帯状基体 1302 ローラー 1303 排気調節板 1304 ガス放出口 1501 帯状基体 1511,1591 各々基体1501を巻きつけるボ
ビン 1510 基体の送り出し室 1530 n型a−Si成膜室 1550 i型a−SiGe成膜室 1570 p型a−Si成膜室 1590 基体の巻き取り室 1520,1540,1560,1580 ゲート 1530a,1550a,1570a マイクロ波アプ
リケーター 1530b,1550b,1570b 導波管 1502a〜1506a 原料ガス・ボンベ 1502a SiH4 ガス・ボンベ 1503a GeH4 ガス・ボンベ 1504a H2 ガス・ボンベ 1505a PH3 ガス・ボンベ 1506a B2 6 ガス・ボンベ 1502b〜1506b ガスボンベの開閉バルブ 1502c〜1506c 減圧器 1530c,1550c,1570c ガス混合器 1530d,1550d,1570d ガス導入ライン 1510e,1530e,1550e,1570e,1
590e 排気ポンプ 1530f,1550f,1570f 基体加熱用ヒー
ター 1530g,1550g,1570g 基体加熱用ヒー
ターの電源 1507a ゲート用パージ・ガス・ボンベ 1507b 減圧器 1507c,1507d ガス流量調節器 1601 導電性基体 1602 下部光起電力素子(ボトム・セル) 1602 n型a−Si, 1602b i型a−SiGe、 1602c p型微結晶μC−Si層 1603 上部光起電力素子 1603a n型a−Si, 1603b i型a−Si、 1603c p型微結晶μC−Si層 1604 透明電極 1605 集電電極 1801 帯状基体 1802 真空チャンバー 1803 成膜チャンバー 1804 排気口 1805 排気手段 1820 SiH4 ガス・ライン 1821 GeH4 ガス・ライン 1822 H2 ガス・ライン 1814a〜1814d ガス混合器 1813a〜1813d ガス・パイプ 1812a〜1812d ガス放出口 1810a〜1810d マイクロ波アプリケーター 1811a〜1811d 導波管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芳里 直 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 岡部 正太郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 酒井 明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−30421(JP,A)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状基体を成膜空間の側壁の1つとなる
    ようにして、長手方向に連続的に移動させながら、前記
    成膜空間内にガス供給手段を介して成膜用ガスを導入す
    とともにマイクロ波エネルギーをマイクロ波アプリケ
    ーター手段により前記成膜空間内に放射させてマイクロ
    波プラズマを生起させ、移動する前記帯状基体の被堆積
    上に連続的に堆積膜を形成するマイクロ波プラズマC
    VD法及びロール・ツー・ロール法を用いた堆積膜形成
    法において、前記帯状基体の移動方向に沿って互いに離間して設けら
    れた複数のガス放出口のうち第1のガス放出口から第1
    の元素を含む第1のガスを前記成膜空間に放出し、前記
    第1のガス放出口とは離間した第2のガス放出口から前
    記第1の元素を含まず第2の元素を含む第2のガスを前
    記成膜空間に放出して前記堆積膜を形成する時に、 前記第2のガス放出口より前記第1のガス放出口に近い
    位置に偏在して設けられたガス排出口より前記成膜空間
    内を排気して、前記成膜空間内の前記第1のガス放出口
    付近の前記第1の元素の濃度を前記第2のガス放出口付
    近の前記元素の濃度より高くすることにより、 前記帯状基体上に前記第1の元素と前記第2の元素との
    組成比が膜厚方向に変化する膜を形成する ことを特徴と
    するマイクロ波プラズマCVD法及びロール・ツー・ロ
    ール法を用いた堆積膜形成方法。
  2. 【請求項2】 箱型のチャンバの凹部上を被堆積面が下
    方を向くように前記帯状基体を移動させるとともに、前
    記第1のガス放出口下方の該チャンバの底部に複数偏在
    して設けられている前記ガス排出口より前記チャンバ内
    を排気することを特徴とする請求項1に記載のマイクロ
    波プラズマCVD法及びロール・ツー・ロール法を用い
    た堆積膜形成方法。
  3. 【請求項3】 前記成膜空間は前記帯状基体を柱状に湾
    曲させて移動させるとともに、湾曲させた該帯状基体の
    内部に該帯状基体の被堆積面に沿って、前記第1のガス
    放出口近傍に前記ガス排気口となる開口が偏在して設け
    られた湾曲した排気調整板を設け、該開口を介して該成
    膜空間内を排気することを特徴とする請求項1に記載の
    マイクロ波プラズマCVD法及びロール・ツー・ロール
    法を用いた堆積膜形成方法。
  4. 【請求項4】 前記帯状基体の移動方向に沿った、前記
    第1のガス放出口の両側に前記第2のガス放出口を各々
    配置し、各第2のガス放出口から前記第2のガスを放出
    することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項
    記載のマイクロ波プラズマCVD法及びロール・ツー・
    ロール法を用いた堆積膜形成方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の元素としてはゲルマニウムを
    用い、前記第2の元素としてはシリコンを用い、前記堆
    積膜として水素又はハロゲンの少なくともいずれか一方
    とゲルマニウムとシリコンとを含む非晶質半導体膜を形
    成することを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波プ
    ラズマCVD法及びロール・ツー・ロール法を用いた堆
    積膜形成方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の元素としてはカーボンを用
    い、前記第2の元素としてはシリコンを用い、前記堆積
    膜として水素又はハロゲンの少なくともいずれか一方と
    カーボンとシリコンとを含む非晶質半導体膜を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波プラズマ
    CVD法及びロール・ツー・ロール法を用いた堆積膜形
    成方法。
  7. 【請求項7】 帯状基体を成膜空間の側壁の1つとなる
    ようにして、長手方向に連続的に移動させながら、前記
    成膜空間内にガス供給手段を介して成膜用ガスを導入す
    るとともにマイクロ波エネルギーをマイクロ波アプリケ
    ーター手段により前記成膜空間内に放射させてマイクロ
    波プラズマを生起させ、移動する前記帯状基体の被堆積
    面上に連続的に堆積膜を形成するマイクロ波プラズマC
    VD法及びロール・ツー・ロール法を用いた堆積膜形成
    法において、 前記帯状基体の移動方向に沿って互いに離間して設けら
    れた複数のガス放出口のうち第1のガス放出口から第1
    の元素を含む第1のガスを前記成膜空間に放出し、前記
    第1のガス放出口とは離間した第2のガス放出口から前
    記第1の元素を含まず第2の元素を含む第2のガスを前
    記成膜空間に放出して前記堆積膜を形成する時に、 前記第1のガスの供給流量を前記第2のガスの供給流量
    より少なくして前記成膜空間内の前記第1のガス放出口
    付近の圧力を前記第2のガス放出口付近の圧力より低く
    し、前記成膜空間内の前記第1のガス放出口付近におけ
    る前記第1の元 素の濃度を前記第2のガス放出口付近に
    おける前記元素の濃度より高くすることにより、 前記帯状基体上に前記第1の元素と前記第2の元素との
    組成比が膜厚方向に変化する膜を形成することを特徴と
    するマイクロ波プラズマCVD法及びロール・ツー・ロ
    ール法を用いた堆積膜形成方法。
  8. 【請求項8】 箱型のチャンバの凹部上を被堆積面が下
    方を向くように前記帯状基体を移動させるとともに、該
    チャンバの底部に均一に配置された複数の前記ガス排出
    口より前記チャンバ内を排気することを特徴とする請求
    項7に記載のマイクロ波プラズマCVD法及びロール・
    ツー・ロール法を用いた堆積膜形成方法。
  9. 【請求項9】 前記帯状基体の移動方向に沿った、前記
    第1のガス放出口の両側に前記第2のガス放出口を各々
    配置し、各第2のガス放出口から前記第2のガスを放出
    することを特徴とする請求項7又は8に記載のマイクロ
    波プラズマCVD法及びロール・ツー・ロール法を用い
    た堆積膜形成方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の元素としてはゲルマニウム
    を用い、前記第2の元素としてはシリコンを用い、前記
    堆積膜として水素又はハロゲンの少なくともいずれか一
    方とゲルマニウムとシリコンとを含む非晶質半導体膜を
    形成することを特徴とする請求項7に記載のマイクロ波
    プラズマCVD法及びロール・ツー・ロール法を用いた
    堆積膜形成方法。
  11. 【請求項11】 前記第1の元素としてはカーボンを用
    い、前記第2の元素としてはシリコンを用い、前記堆積
    膜として水素又はハロゲンの少なくともいずれか一方と
    カーボンとシリコンとを含む非晶質半導体膜を形成する
    ことを特徴とする請求項7に記載のマイクロ波プラズマ
    CVD法及びロール・ツー・ロール法を用いた堆積膜形
    成方法。
  12. 【請求項12】 前記堆積膜として、N型シリコン膜と
    P型シリコン膜との間に挟持されたI型のシリコンゲル
    マニウム膜を形成する際に、該I型のシリコンゲルマニ
    ウム膜をその膜厚方向の両端部でゲルマニウム含有量が
    実質的に零となるように形成することを特徴とする請求
    項1又は7に記載のマイクロ波プラズマCVD法及びロ
    ール・ツー・ロール法を用いた堆積膜形成方法。
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