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JP2901352B2 - 顔料分散剤及びそれを用いたオフセット印刷インキ組成物 - Google Patents

顔料分散剤及びそれを用いたオフセット印刷インキ組成物

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JP2901352B2
JP2901352B2 JP40927690A JP40927690A JP2901352B2 JP 2901352 B2 JP2901352 B2 JP 2901352B2 JP 40927690 A JP40927690 A JP 40927690A JP 40927690 A JP40927690 A JP 40927690A JP 2901352 B2 JP2901352 B2 JP 2901352B2
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Japan
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dispersant
pigment
polyester
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孝司 岩瀬
浩 大田
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Sakata Inx Corp
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Sakata Inx Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機あるいは有機顔料
を非水系の有機媒体中で高濃度かつ安定に分散させるた
めの顔料分散剤に関するものであり、特にオフセット印
刷インキ中に使用した場合、優れた印刷適性を発揮する
ことができる顔料分散剤を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に印刷インキや塗料等の被覆剤は、
主としてバインダー樹脂及び溶剤から成るビヒクル中に
着色剤としての顔料を微細に分散することにより調製さ
れる。そして、得られた顔料分散物は、長期間保存して
も顔料の再凝集を起こすことなく安定であり、その塗膜
は良好な光沢を有し、かつ発色性に優れていることが要
求される。一方このような顔料の微細な分散体を得るこ
とは困難であり、また作業効率の面から顔料濃度を高く
しようとすると往々にして、高粘度を呈したり、分散機
からの取出しや混合、撹拌、あるいは移送等の作業にお
いて取扱いが困難になることがあり、分散体中の顔料濃
度を高くできないという制約もあった。それゆえ、ビヒ
クル中に顔料を高濃度で安定に分散でき、かつその分散
体の粘度を低くする方法が求められてきた。これにはヒ
ビクルの顔料分散性を上げることが必要であり、ヒビク
ルを構成するバインダー樹脂の改良に関わる研究が数多
く行われてきている。しかし、バインダー樹脂には被覆
形成剤としての諸機能を持たせなければならない関係
上、顔料分散性を大幅に改善することが困難なことが多
く、現実的にはこれらの樹脂中に顔料分散剤を併用する
方法が一般的に行われている。
【0003】従来、顔料分散剤として、例えば、USP
3996059,特開昭61−163977等には、ヒ
ドロキシカルボン酸を脱水縮合したポリエステルと特定
のアミン類との反応により合成される、末端に遊離のア
ミノ基を持つ化合物が提案されている。
【0004】また、USP4224212,USP44
15705,USP3882088などには、分子量が
数万、低くても500を超えるポリアルキレンイミンを
上記のようなポリエステルと直接、あるいは間接的に反
応させた生成物が記載されている。さらに、特開昭64
−79279、特開平2−99132等にはポリアミン
と脂肪酸や酸無水物との反応生成物が、特公平1−54
378等にはポリアミンをポリイソシアネートで変性し
た化合物がそれぞれ提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの各種の試み
は、非水分散系における顔料の高濃度化、分散の安定化
という点において、一応の効果は認められるが、未だ十
分なものではない。その上、オフセット印刷インキで分
散剤として使用した場合に、インキの乳化特性に少なか
らず悪影響をもたらし、満足な印刷物が得られないとい
う問題を有するものであった。すなわち、湿し水と呼ば
れる水成分と、油性インキとの界面化学的な反発を利用
して画像形成をするオフセット印刷方式においては、湿
し水に対するインキの乳化特性を適当なバランスをもっ
て維持することが重要である。湿し水に対するインキの
乳化特性に悪影響をもたらすような顔料分散剤の使用は
非画像部にインキが転移する、いわゆる“汚れ”現象が
発生するなど、印刷適性に関わる種々の問題を生じる結
果となる。◎ このように、顔料分散剤は顔料の高濃度
分散を可能にするという基本性能の他に、インキの乳化
適性などの印刷適性を良好に維持することが要求され
る。
【0006】これを解決するために、本出願人は特開平
1−311177にメチルイミノビスプロピルアミンの
ごときアミンを用いた分散剤を既に提案している。これ
は、立体効果を高めたことにより顔料分散性が向上し、
また、遊離アミノ基の濃度を下げることにより上述の印
刷適性を改善しようとするものである。しかし、上記顔
料分散剤においても、印刷特性が十分なものとは言え
ず、より高い顔料分散を有し、かつ十分な印刷適性を保
持した顔料分散剤の開発が必要であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、非水分散系において顔
料を高濃度に、かつ安定に分散するとともに、オフセッ
ト印刷インキに適用した場合でも、その印刷適性を損な
うことのない、有用な新規分散剤を見いだした。すなわ
ち、本発明は、遊離のカルボキシル基を有して酸価が1
0〜60の範囲のポリエステルと、窒素原子を3〜6個
含有するポリアルキレンイミンとを、カルボキシル基の
1当量に対して活性水素を有するアミノ基の当量として
0.8〜1.0の範囲で反応させた反応生成物(請求項
1)である顔料分散剤を提供するものである。また本発
明は、前記のカルボキシル基含有ポリエステルが、12
−ヒドロキシステアリン酸の脱水重縮合により得られる
顔料分散剤(請求項2)を提供するものである。さらに
本発明は、顔料、樹脂、及び有機溶剤を主成分とするオ
フセット印刷インキ組成物において、請求項1,2のい
ずれかに記載の顔料分散剤を当該顔料に対して0.1〜
100重量%の範囲で含有せしめたオフセット印刷イン
キ組成物(請求項3)を提供するものである。
【0008】次に、本発明に係る分散剤と従来技術のそ
れを具体的に比較すると以下のようになる。
【0009】前述のUSP3996059,特開昭61
−163977等の明細書に記載された、ヒドロキシカ
ルボン酸から誘導されるポリエステルとアミン類との反
応生成物では、顔料に対する吸着活性点を持たせる目的
で末端に遊離のアミノ基が導入されており、かつ1分子
中にポリエステル連鎖を1つ持つ構造である。従って、
この分散剤では、いわゆる立体効果が少なく、十分な分
散効果が得られなかった。また、親水性の高いアミノ基
の濃度を高くした結果、インキの乳化特性等の印刷適性
に対しては悪影響をおよぼすといった問題があった。こ
れを解決するために、本出願人が提案した特開平1−3
11177に記載の分散剤は、立体効果を高めたことに
より顔料分散性が向上し、また、遊離アミノ基の濃度を
下げたことにより印刷適性の改善を計ることができたも
のである。しかし、印刷適性をさらに改善するために
は、もっと遊離アミノ基濃度を下げる必要があった。本
発明の分散剤は、この点について更に改良がなされたも
のである。先ず、本発明の分散剤は、通常3つ以上のポ
リエステル連鎖がポリアルキレンイミンと反応していて
立体効果がこれら先行例よりも大きく、優れた分散安定
効果を発揮する。また、先行例では分散性を付与するた
めに意図的に導入され、インキの乳化特性等に対しては
悪影響をおよぼしていた遊離アミノ基の濃度をごく低く
抑えてあり、印刷適性が改善されている。すなわち、遊
離のアミノ基ではなく、ポリアミド構造によっても吸着
活性を付与できたことが先行例と大きく異なる点であ
る。これにより、顔料分散性を維持しつつ印刷適性を改
善できたといえる。
【0010】また、USP4224212,USP44
15705,USP3882088などに記載されてい
るポリアルキレンイミンとヒドロキシカルボン酸のポリ
エステルとを直接、あるいは間接的に反応させた生成物
では、ポリアルキレンイミンの分子量が数万、低くても
500を超え、ポリアルキレンイミンから誘導された比
較的極性の高い部位が1分子中で大きな役割を占める。
従って、非水系中で用いた場合に相溶性が低下して顔料
分散が十分に達成されなかったり、たとえ溶解したとし
てもインキ中では乳化特性に好ましくない影響を与える
ものである。これに対して、本発明の分散剤は窒素原子
を3〜6個含有するポリアルキレンイミンを原料として
いるので、上述のような問題はなく、目的とする分散性
能、印刷適性を発揮するものである。
【0011】さらに、特開昭64−79279、特開平
2−99132等に記載されている、ポリアミンと脂肪
酸や酸無水物との反応生成物には顔料を高濃度に分散す
るために有用な立体効果を持つ重合体鎖がないのに対
し、本発明では3本以上のポリエステル連鎖を持つため
十分な顔料分散性が得られるのである。
【0012】また、特公平1−54378に見られるポ
リアミンをポリイソシアネートで変性した化合物では、
反応により生成したウレタン結合が一般に有機溶剤に溶
解しにくく、非水系で用いるには溶剤の選択等に制約が
あるのに対して、本分散剤ではこのようなことはない。
【0013】
【作用】以上、従来の分散剤との具体的比較を行った上
で、以下に本発明に係る分散剤の構成について説明す
る。
【0014】本発明で使用するポリエステルとしては、
カルボキシル基を有する化合物とヒドロキシル基を有す
る化合物とのポリ縮合により合成されるポリエステルで
あって、末端に遊離のカルボキシル基を有するものが使
用できる。
【0015】目的の遊離のカルボキシル基を有するポリ
エステルを得るための材料の1つであるジカルボン酸と
しては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,2−,ま
たは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル
酸等が例示でき、他の材料であるジオールとしては、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール等のジオールが例示できる。これらの材料を
用いてモル数を考慮し、エステル化反応させることによ
って、目的とするポリエステルを得ることができる。
【0016】なお、本発明の分散剤を得るに際して、ヒ
ドロキシル基を有する脂肪酸のボリ重合により得られる
ポリエステルが特に好適である。ヒドロキシル基を有す
る脂肪酸としては、リシノール酸、12−ヒドロキシス
テアリン酸、あるいは少量の飽和または不飽和脂肪酸と
の混合物である市販のひまし油脂肪酸、およびその水添
加物が挙げられる。
【0017】これらの材料を用いて目的とするポリエス
テルを得るには、エステル化触媒の存在または非存在下
に、160〜220℃に加熱して生成する水を除去しつ
つ、所定の酸価になるまで反応すればよい。ポリエステ
ルの酸価としては、10〜60、好ましくは20〜50
の範囲が望ましい。酸価が60を超えるとポリエステル
鎖の長さが十分でないため、分子量効果による分散安定
化が不十分となり、また、ヒドロキシル基等の極性基濃
度が高くなり過ぎるためにオフセット印刷適性が損なわ
れることとなる。逆に酸価が10を下回ると吸着活性点
の濃度が低くなり、顔料表面に対する吸着力が弱くな
り、分散剤として十分な効果が得られ難くなる。
【0018】また、本発明で使用することのできる、窒
素原子数が3〜6個のポリアルキレンイミンの具体例と
しては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサ
ミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラ
ミン、テトラプロピレンペンタミン、ペンタプロピレン
ヘキサンなどが挙げられる。これらのアミン化合物とポ
リエステルとの反応は、ポリエステルの遊離のカルボキ
シル基に対してアミンの活性水素を有するアミノ基の当
量比が0.8〜1.0の範囲であることが最適である。
両者の反応は、前記のポリエステル化の反応が完了した
後、内容物を100℃前後に冷却し、所定量のアミンを
添加し、160〜180℃に再加熱して、アミド化によ
り生成する水を回収することによって行うことでがき
る。
【0019】本発明の分散剤を使用するに際し、適当な
溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水
素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエス
テル類、さらには、脂肪族炭化水素を主成分とする鉱物
油等が挙げられる。
【0020】本発明の分散剤の主たる用途であるオフセ
ット印刷インキに使用する場合は、鉱物油などオフセッ
ト印刷インキに使用されている通常の溶剤が望ましい溶
媒となる。
【0021】またインキに使用する顔料としては、一般
に使用されている無色あるいは有色の顔料が例示でき、
具体的には、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、磁性酸化鉄等の無機顔料や、アゾ顔料、レーキ顔
料、フタロシアニン顔料、イソインドリン顔料、キナク
リドン顔料等の有機顔料、またカーボンブラック等が挙
げられる。
【0022】なお、オフセット印刷インキの分野では、
顔料の含水ケーキ中の水をフラッシング手法を用いて油
性ビヒクルと置換することによって、ベースインキを調
製することが一般に行われている。従来、特に黄色のア
ゾ系顔料ベースを得るための好適な分散剤がなかったの
であるが、本発明の分散剤はかかる場合においても優れ
た効果を発揮するものである。
【0023】また分散剤の使用量は、上記の各種顔料を
基準として0.1〜100重量%、好ましくは、1.0
〜20重量%の範囲である。ただし、これは各顔料の性
質、特にその表面積や表面官能基濃度に応じて変化する
ものであり、それぞれの場合において適値を定めること
が必要である。
【0024】なお、本発明に係る分散剤を使用したオフ
セット印刷インキの製造に際しては、公知のバインダー
樹脂、すなわち、各種アルキッド樹脂、各種フェノール
樹脂、石油樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリエステル樹
脂等が使用でき、必要に応じてその他の添加剤を用いる
ことができる。
【0025】また、本発明に係る分散剤をオフセット印
刷以外のインキもしくは塗料の分散剤として使用する場
合は、従来よりそれらの分野で使用されていた各種樹
脂、各種有機溶剤を用いて調製することができるもので
ある。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明の主旨と適用範囲を逸脱しない限り、これらの実施
例によって制限されるものではない。なお記述中「部」
は重量部を示す。 ポリエステルの製造例1 冷却管、水分分離管を備えたフラスコに市販の12−ヒ
ドロキシステアリン酸(水酸基価=160mgKOH/
g、酸価=180mgKOH/g)700部を入れ、10
0℃前後に加熱して溶融し、これにキシレン70部、触
媒としてテトラ−n−ブチルチタネート1.0部を加
え、180〜200℃で窒素気流下に生成する水を分離
回収しながら12時間損拌した。得られた重合物は淡褐
色で粘性があり、不揮発分90%、固形分の酸価は35
mgKOH/gであった(ポリエステルaという)。 ポリエステルの製造例2 市販のひまし油脂肪酸(水酸基価=160mgKOH/
g、酸価=180mgKOH/g)を用いた他はポリエス
テルaの場合と同様の手順で10時間エステル化反応を
行い、不揮発分90%、固形分の酸価が44mgKOH/
gの重合物を得た(ポリエステルbという)。
【0027】[実施例1]上記と同様の反応容器にポリ
エステルaの150部とジエチレントリアミン(市販
品、活性水素を有するアミノ基の濃度は27mmol/g)
の2.8部(これはポリエステルの遊離カルボキシル基
に対してジエチレントリアミンの活性水素を有するアミ
ノ基が0.90当量であることに相当する)を入れ、窒
素気流下に160〜180℃で生成する水を分離回収し
ながら3時間攪拌し、ついでキシレンを減圧留去して分
散剤aを得た。これは淡褐色の粘性体であり、GPCに
よる重量平均分子量は7500、アミン価は5.0mgK
OH/g、酸価は8.0mgKOH/gであった。
【0028】[実施例2]ポリエステルbの150部と
トリエチレンテトラミン(市販品、活性水素を有するア
ミノ基の濃度は23mmol/g)の4.1部(遊離カルボ
キシル基に対して活性水素を有するアミノ基が0.90
当量であることに相当する)を混合し、実施例1と同様
の操作により分散剤bを得た。これは淡褐色の粘性体で
あり、重量平均分子量は7300、アミン価は5.6mg
KOH/g、酸価は8.4mgKOH/gであった。
【0029】[実施例3]ポリエステルaの150部と
テトラエチレンペンタミン(市販品、活性水素を有する
アミノ基の濃度は19mmol/g)の4.0部(遊離カル
ボキシル基に対して活性水素を有するアミノ基が0.9
0当量であることに相当する)を混合し、上記と同様の
操作により分散剤cを得た。これは淡褐色の粘性体であ
り、重量平均分子量は9500、アミン価は8.0mgK
OH/g、酸価は7.9mgKOH/gであった。
【0030】[実施例4]ポリエステルbの150部と
ペンタエチレンヘキサミン(市販品、活性水素を有する
アミノ基の濃度は15mmol/g)の6.4部(遊離カル
ボキシル基に対して活性水素を有するアミノ基が0.9
0当量であることに相当する)を混合し、同様の操作を
行い分散剤dを得た。これは淡褐色の粘性体であり、重
量平均分子量は9100、アミン価は10.0mgKOH
/g、酸価は8.2mgKOH/gであった。
【0031】[比較例1]ポリエステルaの150部と
3,3′−メチルイミノビスプロピルアミン(市販品、
1級のアミノ基の濃度は13.7mmol/g)の5.5部
(ポリエステルの遊離カルボキシル基に対してメチルイ
ミノビスプロピルアミンの1級アミノ基が0.90当量
であることに相当する)を混合し、上記の実施例1と同
様の操作により、淡褐色の粘性体である分散剤eを得
た。重量平均分子量は5300、アミン価は15mgKO
H/g、酸価は7.7mgKOH/gであった。
【0032】[比較例2]ポリエステルaの150部と
N,N′−ジメチルアミノ−1,3プロパンジアミン
(市販品、1級アミノ基の濃度は9.79mmol/g)の
7.7部(遊離カルボキシル基に対して1級アミノ基が
0.90当量であることに相当する)を混合し、同様の
操作により淡褐色ワックス状の分散剤fを得た。重量平
均分子量は2200、アミン価は27mgKOH/g、酸
価は8.4mgKOH/gであった。
【0033】[比較例3]上記と同様の反応装置にポリ
エチレンイミンの30%水溶液(市販品、分子量約30
000、活性水素を持つアミノ基の濃度は、水溶液の状
態で2.53mmol/g)の30.0部とトルエン10.
0部を入れ、窒素気流下に100〜120℃で撹拌し、
約20部の水を分離回収した。ここに、ポリエステルa
の150部(遊離カルボキシル基に対して活性アミノ基
が0.90当量であることに相当する)を加え、さら
に、窒素気流下に160〜180℃で生成する水を回収
しながら3時間撹拌した。ついでキシレンを減圧留去し
て高粘ちょうの淡褐色物である分散剤gを得た。アミン
価は28mgKOH/g、酸価は9.0mgKOH/gであ
った。
【0034】[比較例4]同様の反応装置に、分子量約
600のポリエチレンイミン(市販品、活性水素を持つ
アミノ基の濃度は8.50mmol/g)の8.9部、およ
びポリエステルaの150部(遊離カルボキシル基に対
して活性アミノ基が0.90当量であることに相当す
る)を加え、窒素気流下に160〜180℃で生成する
水を分離回収しながら3時間撹拌した。ついでキシレン
を減圧留去して粘ちょうの淡褐色物である分散剤hを得
た。アミン価は25mgKOH/g、酸価は8.7mgKO
H/gであった。
【0035】性能評価試験 実施例1〜4および比較例1〜4で得た各分散剤を用い
て、以下に示す処方でオフセット印刷インキ用マスター
ベース、及びオフセットインキを調製し、それらの性状
と性能を比較した。結果を表1と表2に示した。
【0036】藍系のマスターベース: フタロシアニンブルー 50部 分散剤 5部 アルキッド樹脂 10部 ロジン変性フェノール樹脂ワニス 10部 5号ソルベント(日本石油製) 25部 墨系のマスターベース: カーボンブラック 50部 分散剤 5部 アルキッド樹脂 10部 ロジン変性フェノール樹脂ワニス 10部 5号ソルベント 25部 上記組織物を十分混合し、3本ロールミルを用いて練肉
を行い、ベースインキを調製した。また、以下の配合に
よってオフセットインキを得た。
【0037】 マスターベース 35部 ロジン変性フェノール樹脂ワニス 50部 フッソワックス 2部 ナフテン酸コバルト(Co:6%) 1部 5号ソルベント 12部 なお、上記ワニスは、ロジン変性フェノール樹脂(日立
化成製、ヒタノール27A)40部、亜麻仁油25部、
および5号ソルベント35部を220℃で均一に加熱溶
解して調製したものである。
【0038】
【表1】
【0039】 藍インキにおける評価結果 分散剤 ベースインキ インキ 粘度 着色力 貯蔵安定性 光 沢 印刷適性 1 a 245 115 優 優 優 実 2 b 255 116 優 優 優 施 3 c 230 114 優 優 優 例 4 d 265 116 優 優 優 1 e 250 115 優 優 良 比 2 f 680 105 良 良 可 較 3 g 720 103 可 良 不可 例 4 h 750 103 可 良 不可 参考例 なし 練肉不可 100 不 可 良 良
【0040】
【表2】
【0041】 墨インキにおける評価結果 分散剤 ベースインキ インキ 粘度 着色力 貯蔵安定性 光 沢 印刷適性 1 a 155 109 優 優 優 実 2 b 145 108 優 優 優 施 3 c 140 108 優 優 優 例 4 d 150 107 優 優 優 1 e 170 108 優 優 良 比 2 f 375 103 良 良 可 較 3 g 660 101 可 良 不可 例 4 h 690 102 可 良 不可 参考例 なし 練肉不可 100 不 可 良 良 なお、分散剤を使用しない参考例の場合では、相当量を
アルキッド樹脂で置き換えたものであるが、マスターベ
ースの練肉ができなかった。したがって顔料濃度を25
%まで低下させてベースインキを調製しインキ化を行っ
ている。
【0042】なお、各評価項目は以下の方法で行った。
粘度 ラレー粘度計を使用し、25℃における粘度(ポ
イズ)を測定した。着色力 白ベースインキを各ベース
インキで着色し、顔料分散剤を使用しないベースインキ
の着色力を100として、%で示した。貯蔵安定性 ベ
ースインキを25℃の恒温槽に1ケ月間保存し、調製時
との粘度差により判定した(優は最も優れているもの、
良は良好なもの、可は十分でないもの、不可は安定性の
ないものである)。光沢 印刷物の光沢を目視により判
定した。印刷安定性 三菱重工業製のオフセット枚葉印
刷機により実際の印刷を行い、水巾適性、インキ転移
性、汚れ等を総合的に判定した(優は最も優れているも
の、良は良好なもの、可は十分でないもの、不可は適性
のないものである)。表に見られるように、本発明の分
散剤a〜dを用いた場合にのみ高い顔料分散性と印刷適
性が得られ、特開平1−311177の分散剤eに比較
しても印刷適性が改善されている。一方比較例に挙げた
分散剤f〜hでは分散性、印刷適性ともに十分ではな
い。
【0043】
【発明の効果】本発明の分散剤を非水系の塗料や印刷イ
ンキに使用することにより、顔料を従来よりも高濃度で
ビヒクル中に分散することが可能となり、得られた分散
体は高い着色力と貯蔵安定性を示す結果、作業効率の大
幅な向上と在庫コストや輸送コストの削減が計れること
となる。また、従来の分散剤では印刷適性に悪影響があ
るためにオフセット印刷インキ中での使用に問題があっ
たものが、本発明の分散剤は、かかる懸念なく、高い印
刷適性を維持しつつ高濃度ベースインキの調製が可能と
なるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 17/00 C09D 7/02 C09D 7/12 C09D 11/00 - 11/20 B01F 17/00 - 17/56

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸価が10〜60の範囲にある遊離のカ
    ルボキシル基含有ポリエステルと、窒素原子を3〜6個
    含有するポリアルキレンイミンとを、前記ポリエステル
    のカルボキシル基の1当量に対して前記ポリアルキレン
    イミノの活性水素を有するアミノ基の当量として0.8
    〜1.0の範囲で反応せしめたことを特徴とする顔料分
    散剤。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステルが12−ヒドロキシス
    テアリン酸の脱水重縮合により得られるものである請求
    項1記載の顔料分散剤。
  3. 【請求項3】 顔料、樹脂、及び有機溶剤を主成分とす
    るオフセット印刷インキ組成物において、請求項1,2
    のいずれかに記載の顔料分散剤を前記顔料に対して、
    0.1〜100重量%の範囲で含有したオフセット印刷
    インキ組成物。
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