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JP2883412B2 - 虹彩色積層体および金銀糸 - Google Patents

虹彩色積層体および金銀糸

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JP2883412B2
JP2883412B2 JP2160746A JP16074690A JP2883412B2 JP 2883412 B2 JP2883412 B2 JP 2883412B2 JP 2160746 A JP2160746 A JP 2160746A JP 16074690 A JP16074690 A JP 16074690A JP 2883412 B2 JP2883412 B2 JP 2883412B2
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正成 瀬口
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Oike and Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は虹彩色積層体および金銀糸に関する。
[従来の技術・発明が解決しようとする課題] 従来より、ポリエステルフイルムなどに硫化亜鉛など
の虹彩化合物薄膜層を設けてなる虹彩色積層体をスリッ
トしたところの虹彩色金銀色が知られている。
しかしながら、かかる従来の虹彩色金銀糸は、呈する
虹彩色が単調で光沢が劣り、しかも金銀糸としての実用
特性(漂白、染色、精練などの加工処理に対する抵抗
性、あるいは耐洗濯性など)に劣るなどの問題があっ
た。
本発明は前記の点に鑑みて、呈する虹彩色が色彩豊富
でかつ光沢がきわめてすぐれ、しかも実用特性にすぐれ
た虹彩色積層体、なかんづく虹彩色金銀糸を提供せんと
するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、透明なプラスチックフイルムの片面に、虹
彩化合物薄膜層と不均一な厚さを有する透明な樹脂層と
が積層されてなる透明な虹彩層が設けられてなる積層体
であって、前記虹彩層が前記プラスチックフイルム上
に、透明な樹脂下塗層および透明な第1無機保護層の順
で積層された層を介して設けられ、前記虹彩層の前記第
1無機保護層と反対の側に透明な第2無機保護層を介し
て透明な樹脂上塗層が設けられてなることを特徴とする
虹彩色積層体に関する。
さらに本発明は、前記虹彩色積層体をスリットしてな
る虹彩色金銀糸に関する。
[作用および実施例] 本発明の虹彩色積層体を図面にもとづいて説明する。
第1図は本発明の虹彩色積層体の一実施例を示す概略
部分断面図である。第1図において、(1)は透明なプ
ラスチックフイルムであり、その片面に透明な樹脂下塗
層(2)および透明な第1無機保護層(3a)がこの順に
設けられ、そのうえに虹彩層(4)が設けられている。
本実施例の虹彩層(4)は虹彩化合物薄膜層(4a)のう
えに不均一な厚さを有する透明な樹脂層(4b)を積層し
たものである。さらに該樹脂層(4b)のうえに透明な第
2無機保護層(3b)を介して透明な樹脂上塗層(5)が
設けられている。
第2図は本発明の虹彩色積層体の他の実施例を示す概
略部分断面図である。第2図に示される虹彩色積層体に
おいても、プラスチックフイルム(1)の片面に透明な
樹脂下塗層(2)および透明な第1無機保護層(3a)が
この順に設けられ、そのうえに虹彩層(4)が設けられ
ているが、本実施例の虹彩層(4)は不均一な厚さを有
する透明な樹脂層(4b)のうえに虹彩化合物薄膜層(4
a)を積層したものであり、該薄膜層(4a)のうえにさ
らに透明な第2無機保護層(3b)を介して透明な樹脂上
塗層(5)が設けられている。
本発明の虹彩色積層体においてはプラスチックフイル
ム(1)の側およびその反対側のいずれにおいても虹彩
色がえられる。
本発明においては、虹彩層(4)が虹彩化合物薄膜層
(4a)と不均一な厚さを有する透明な樹脂層(4b)とを
積層した構成であるため、虹彩色が色彩豊富で、光沢も
すぐれている。
また、虹彩層(4)をプラスチックフイルム(1)上
に樹脂下塗層(2)および第1無機保護層(3a)を介し
て設けることによって、虹彩層(4)とプラスチックフ
イルム(1)との間の密着性が向上され、そのため漂
白、染色、精練などの加工処理に対する抵抗性、あるい
は耐洗濯性がきわめて良好で、これら処理による虹彩色
の劣化あるいは消失が防止されている。この効果は、と
くに第1図に示されるごとき第1無機保護層(3a)のう
えに虹彩化合物薄膜層(4a)が直接積層されている態様
のばあいに顕著である。
さらに第1無機保護層(3a)は樹脂層にくらべて高屈
折率であるから虹彩層(4)の色彩をより一層豊富、強
力にし、かつ光沢を向上するという作用効果を有する。
従来より知られている硫化亜鉛などの薄膜層に上塗樹脂
層を積層した虹彩色積層体は前記薄膜層の厚さによって
光沢および発色性が大きく変化する欠点があったが、本
発明においては第1無機保護層(3a)を積層することに
よって虹彩化合物薄膜層の厚さに左右されず高屈折率が
えられるため光沢および発色性が向上するという作用効
果も有する。
さらに第1、2図のごとく虹彩層(4)の第1無機保
護層(3a)と反対の側には第2無機保護層(3b)を介し
て透明樹脂上塗層(5)が設けられているので、漂白、
染色、精練などの加工処理や洗濯に際して虹彩層(4)
が充分に保護され、下塗層および第1無機保護層の効果
と相俟って、前記加工処理や耐洗濯性に極めてすぐれた
性能を示す。また第2図のばあいのごとく虹彩化合物薄
膜層(4a)が不均一な厚さを有する樹脂層(4b)の上に
あるばあいは第2無機保護層が虹彩化合物薄膜層と透明
樹脂上塗層(5)との密着性を向上させる効果も有す
る。
さらに第2無機保護層(3b)は第1無機保護層(3a)
とともに本発明の虹彩積層体の発色性、光沢を一層高め
る作用効果も示す。
本発明に用いる透明プラスチックフイルム(1)とし
てはとくに制限はなく、従来から金銀糸などの用途に用
いられているフイルム、たとえばポリエステル、ポリア
ミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリ塩
化ビニル、フッ素樹脂などの樹脂フイルムが適宜用いら
れる。透明プラスチックフイルムの厚さは通常4〜100
μmの範囲、より好ましくは6〜50μmの範囲から適宜
気選ばれる。金銀糸用途のばあいは、透明プラスチック
フイルムの機械的性質がほぼそのまま金銀糸の機械的性
質を左右して製織性や風合いを決定するので、これらを
考慮して適宜選択使用される。
本プラスチックフイルムにはその透明性、柔軟性を失
わない範囲において染料、顔料などの着色剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤などのプラスチック老化防止剤、帯電
防止剤などを添加することができる。
また本発明において、透明樹脂下塗層(2)の厚さは
通常0.01〜5μmの範囲、より好ましくは0.02〜3μm
の範囲から選ばれる。透明樹脂下塗層の厚さが0.01μm
未満では洗濯、漂白、染色および精練などに対する抵抗
性が劣り好ましくない。一方5μmをこえると金銀糸な
どの用途のばあいにおいて全体として硬直なものとな
り、製織性および風合いに欠けるので好ましくない。
透明樹脂下塗層(2)を形成するための樹脂としては
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外
線硬化性樹脂などの各種樹脂がいずれも使用可能で、た
とえばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル−ス
チレン共重合体、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチ
ラール、ポリカーボネート、ニトロセルロース、セルロ
ースアセテート、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミ
ン系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ア
ルキッド系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ロジン変性
マレイン酸樹脂などの単独または混合物が好ましく用い
られる。とくに硬化性樹脂が好ましい。
透明樹脂下塗層(2)の形成は、前記樹脂の有機溶剤
溶液、水溶液などをたとえばグラビアコーティング法、
スプレイコーティング法などの通常のコーティング法に
より均一な厚さに塗布し、乾燥(熱硬化性樹脂、電子線
硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などのばあいは硬化)す
ることによって行なわれる。
本発明における透明な第1無機保護層(3a)は樹脂下
塗層(2)と虹彩層(4)との間の密着性を向上しうる
無機物質の透明薄膜層であり、たとえばケイ素、ケイ素
酸化物〔SiO、SiO2、SiOx(x=0.3〜2、なかんづく0.
7〜1.8)〕、アルミニウム酸化物〔Al2O3、Al2Ox(x=
1〜3)〕などの薄膜層が好適である。前記のごとくこ
れら無機物質の薄膜層は虹彩層(4)の色彩をより豊富
にしかつ光沢をより向上する作用効果をも有する。また
ケイ素酸化物薄膜層はそれ自体虹彩色を呈するものであ
るため、えられる積層体の虹彩色がより良好なものとな
る。
第1無機保護層(3a)は通常25〜1000nmの範囲、より
好ましくは30〜500nmの範囲の均一な厚さとされる。該
保護層(3a)の厚さが25nm未満では各種処理に対する虹
彩色の劣化防止効果が充分でなく、一方1000nmをこえる
と透明性が低下したり、あるいはクラックなどが入りや
すくなり、各種処理に対する抵抗性が低下するので好ま
しくない。
前記第1無機保護層(3a)の形成は、相当する蒸発源
材料を用いて抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレ
クトロンビーム加熱方式などの通常の蒸着方式の薄膜形
成方法により行えばよい。蒸発源材料としては、ケイ素
保護層のばあいはSiが、ケイ素酸化物保護層のばあいは
SiOやSiO2、またはこれらの混合物、さらにSiとSiO2
混合物などをプレス成形したものが、アルミニウム酸化
物保護層のばあいはAl2O3をプレス成形したものなどが
適宜用いられる。
なお、前記第1無機保護層(3a)の膜厚は水晶振動子
膜厚モニターによる測定値である。
本発明における虹彩化合物薄膜層(4a)としては硫化
亜鉛、酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化チタン、酸
化ケイ素、酸化亜鉛、フッ化マグネシウム、フッ化カリ
ウム、氷晶石などの薄膜層があげられる。虹彩色が美麗
である点および前記各種処理に対する抵抗性がすぐれて
いる点から、硫化亜鉛、酸化ビスマス〔BiO、Bi2O3、Bi
2O4、Bi2O5、Bi2Ox(x=2〜5)〕および酸化アンチ
モン〔Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5、Sb2Ox(x=2〜5)〕の
薄膜層が好ましい。
虹彩化合物薄膜層(4a)は通常5〜100nmの範囲、よ
り好ましくは20〜80nmの範囲の均一な厚さとされる。薄
膜層の厚さが5nm未満では虹彩光沢がえられず好ましく
ない。一方100nmをこえるとかえって虹彩光沢が劣り、
しかもクラックが入りやすくなり、精練などの処理に対
する抵抗性も低下するので好ましくない。
前記虹彩化合物薄膜層(4a)の形成は、相当する蒸発
源材料を用いて抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式ある
いはエレクトロンビーム加熱方式などの通常の蒸着方式
の薄膜形成方法により行えばよい。
前記虹彩化合物薄膜層(4a)を形成する際の蒸発源材
料としてはとくに制限はない。たとえば硫化亜鉛薄膜層
形成用の蒸発源材料としては、硫化亜鉛(ZnS)の純度
が70重量%以上の粉末をプレス成形したものであれば適
宜使用できるが、純度90重量%以上の硫化亜鉛粉末をプ
レス成形したものがより好ましく用いられる。酸化ビス
マス薄膜層形成用の蒸発源材料としては、酸化ビスマス
の純度が80重量%以上の粉末をプレス成形したものであ
れば適宜使用できるが、純度90重量%以上の酸化ビスマ
ス粉末をプレス成形したものがより好ましく用いられ
る。酸化アンチモン薄膜層形成用の蒸発源材料としては
酸化アンチモンの純度が80重量%以上の粉末をプレス成
形したものであれば適宜使用できるが、純度90重量%以
上の酸化アンチモン粉末をプレス成形したものがより好
ましく用いられる。
前記虹彩化合物薄膜層の膜厚は水晶振動子膜厚モニタ
ーでの測定値である。
不均一な厚さを有する樹脂層(4b)を通常0.01〜5μ
mの範囲内、より好ましくは0.02〜3μmの範囲内で不
均一な厚さとされる。樹脂層の厚さが0.01μm未満では
ほとんど虹彩光沢がえられず好ましくない。一方5μm
をこえるとかえって虹彩光沢が劣り、さらに金銀糸など
の用途のばあいには全体として硬直なものとなり製織性
および風合いに欠けるので好ましくない。樹脂層(4b)
の厚さの不均一な程度[樹脂層の厚いところと薄いとこ
ろの差(以下、不均一度という)]は0.1〜1μm程度
とするのが好ましい。不均一度が0.1μm未満では発色
が単調で色彩豊富な虹彩色がえられがたく、一方1μm
をこえるとやはり発色が淡くなり好ましくない。不均一
な厚さの周期(隣接する厚い部分間の距離または隣接す
る薄い部分間の距離をいう)は虹彩模様の密度に対応
し、通常は0.5〜20cm程度が好ましいが、この範囲に限
定されるものではない。なお周期は一定でもよく、一定
でなくてもよい。不均一なパターンは通常は縞模様とさ
れるが、これに限定されるものではない。
不均一な厚さを有する透明樹脂層(4b)を形成するた
めの樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線
硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などの各種樹脂がいずれ
も使用可能で、たとえばアリクル系樹脂、スチレン系樹
脂、アクリル−スチレン共重合体、塩化ビニル系樹脂、
酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ニトロセル
ロース、セルロースアセテート、ウレタン系樹脂、尿素
系樹脂、メラミン系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、エポ
キシ系樹脂、アルキッド系樹脂、アミノアルキッド系樹
脂、ロジン変性マレイン酸樹脂などの単独または混合物
が好ましく用いられる。
不均一な厚さを有する透明樹脂層(4b)の形成は、前
記樹脂の有機溶剤溶液、水溶液などをたとえばグラビア
コーティング法、スプレイコーティング法などの通常の
コーティング法により不均一な厚さに塗布し、乾燥(熱
硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂など
のばあいは硬化)することによって行なわれる。
本発明の透明な第2無機保護層(3b)は虹彩層(4)
と透明な上塗層の密着性を向上しうる無機物質の透明薄
膜層であり、用いうる材料、塗設方法については第1無
機保護層(3a)のばあいと同様である。第1無機保護層
の材料と第2無機保護層の材料とは必ずしも同じである
必要はない。その好ましい厚さの範囲も第1無機保護層
のばあいと同様である。第2無機保護層(3b)を設ける
ことにより、透明樹脂上塗層(5)と虹彩層(4)との
密着が向上し、さらにえられる積層体の虹彩色が第1無
機保護層のみのものより良好となる。なお耐加工性、耐
洗濯性も向上する。とくに虹彩化合物薄膜層(4a)が該
第2無機保護層(3b)と接する層構成のばあいにその効
果が著しい。
本発明における透明樹脂上塗層(5)の厚さは通常0.
01〜5μmの範囲、より好ましくは0.02〜3μmの範囲
から選ばれる。透明樹脂上塗層の厚さが0.01μm未満で
は前記各処理に対する抵抗性が充分でなく好ましくな
い。一方5μmをこえると金銀糸などの用途のばあいに
おいて全体として硬直なものとなり製織性および風合い
に欠けるので好ましくない。
前記透明樹脂上塗層(5)を形成するための樹脂とし
ては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、
紫外線硬化性樹脂などの各種樹脂がいずれも使用可能
で、たとえばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリ
ル−スチレン共重合体、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル
系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニル
ブチラール、ポリカーボネート、ニトロセルロース、セ
ルロースアセテート、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メ
ラミン系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、エポキシ系樹
脂、アルキッド系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂などの単独または混合物が好まし
く用いられる。とくに硬化性樹脂が好ましく用いられ
る。
前記透明樹脂上塗層(5)の形成は、前記樹脂の有機
溶剤溶液、水溶液などをたとえばグラビアコーティング
法、スプレイコーティング法などの通常のコーティング
法により不均一な厚さに塗布し、乾燥(熱硬化性樹脂、
電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などのばあいは硬
化)することによって行なわれる。
なお、前記透明樹脂下塗層(2)、不均一な厚さを有
する透明樹脂層(4b)、および透明樹脂上塗層(5)は
透明性を損なわないかぎり染料および(または)顔料な
どで適宜着色してもよい。また帯電防止剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤などを添加することができる。
本発明においては、前記積層体を2枚プラスチックフ
イルム(1)の側を内側にしてあるいはその反対側を内
側にして接着剤を用いて積層して2プライ構成としても
よい。プラスチックフイルム(1)の反対側を内側にし
て2プライ構成にしたばあいは、精練処理などはもとよ
り、ジョーゼット処理にも耐えうる金銀糸がえられる。
接着剤としてはウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、ポ
リエステル樹脂系、アクリル樹脂系、合成ゴム系などの
接着剤が適宜使用される。
本発明の虹彩色積層体は、包装材料、ラベル、スパン
コール、ポスター、ボタン、ベンダント、その他の各種
装飾材料などの用途に使用されるが、とくに金銀糸の用
途に好適に使用される。
虹彩色金銀糸は前記虹彩色積層体を適宜の巾、たとえ
ば0.15〜2mmの巾にスリットすることによりえられる。
つぎに実施例をあげて本発明を説明する。
実施例1 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの
片面に、熱硬化性アクリル樹脂100部(重量部、以下同
様)、ポリイソシアネート5部、トルエン50部、キシレ
ン30部、n−ブチルアルコール20部からなる透明樹脂塗
剤をグラビヤコーターで塗布乾燥し、160℃×20秒の条
件で硬化させて厚さ0.2μmの均一な厚さを有する透明
樹脂下塗層を形成し、そのうえにSiとSiO2をプレス成形
したペレットを蒸発源として抵抗加熱方式で蒸着して厚
さ40nmの均一な厚さを有するケイ素酸化物第1保護層を
形成し、そのうえに純度99%の硫化亜鉛(ZnS)粉末を
プレス成形したペレットを蒸発源として抵抗加熱方式で
蒸着して、厚さ40nmの均一な厚さを有する硫化亜鉛薄膜
層を形成し、そのうえに熱硬化性アクリル樹脂50部、ポ
リイソシアネート5部、トルエン50部、キシレン30部、
n−ブチルアルコール20部からなる透明樹脂塗剤をグラ
ビヤコーターで塗布乾燥し、160℃×20秒の条件で硬化
させて不均一な厚さを有する透明樹脂層(平均厚さ0.5
μm、最大厚さ0.8μm、最小厚さ0.2μm、厚さの不均
一度0.6μm、不均一の周期20mm、平行縞状パターン)
を形成した。さらにそのうえにSiとSiO2をプレス成形し
たペレットを蒸発源とし、抵抗加熱方式で厚さ40nmの均
一な厚さを有するケイ素酸化物からなる第2保護層を蒸
着形成し、そのうえに熱硬化性アクリル樹脂50部、ポリ
イソシアネート5部、トルエン20部からなる透明樹脂塗
剤をグラビヤコーターで塗布乾燥し、160℃×20秒の条
件で硬化させ、厚さ0.2μmの均一な厚さを有する透明
樹脂上塗層を形成して美麗な虹彩色を呈する積層体をえ
た。
えられた積層体を120切(0.252mm幅)にマイクロスリ
ットして虹彩色金銀糸をえた。
実施例2 実施例1において、硫化亜鉛薄膜層にかえて、蒸発源
として酸化ビスマス(Bi2O3)を用いて均一な厚さを有
する酸化ビスマス薄膜層を形成したほかは実施例1と同
様にして虹彩色積層体および虹彩色金銀糸をえた。
実施例3 実施例1において、硫化亜鉛薄膜層にかえて、蒸発源
として酸化アンチモン(Sb2O3)を用いて均一な厚さを
有する酸化アンチモン薄膜層を形成したほかは実施例1
と同様にして虹彩色積層体および虹彩色金銀糸をえた。
実施例4 実施例1において、ケイ素酸化物保護層にかえて、蒸
発源としてケイ素を用いて厚さ30nmの均一な厚さを有す
るケイ素保護層を形成したほかは実施例1と同様にして
虹彩色積層体および虹彩色金銀糸をえた。
実施例5 実施例1において、ケイ素酸化物保護層にかえて、蒸
発源として酸化アルミニウム(Al2O3)を用いて厚さ50n
mの均一な厚さを有する酸化アルミニウム保護層を形成
したほかは実施例1と同様にして虹彩色積層体および虹
彩色金銀糸をえた。
実施例6 実施例1でえられた積層体2を、ポリエチレンテレフ
タレートフイルムを内側にして厚さ2μmのウレタン樹
脂系接着剤層を介して貼合せて2プライ構成の虹彩色積
層体をえた。
さらにこの積層体を実施例1と同様にストットして虹
彩色金銀糸をえた。
実施例7 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの
片面上に実施例1と同様にして樹脂下塗層およびケイ素
酸化物保護層を順次形成し、そのうえに熱硬化性アクリ
ル樹脂100部、ポリイソシアネート5部、トルエン50
部、キシレン30部、n−ブチルアルコール20部からなる
透明樹脂塗剤をグラビヤコーターで塗布乾燥し、160℃
×20秒の条件で硬化させて不均一な厚さを有する透明樹
脂層(平均厚さ0.6μm、最大厚さ1μm、最小厚さ0.2
μm、厚さの不均一度0.8μm、不均一の周期30mm、平
行縞状パターン)を形成し、そのうえに純度99%の硫化
亜鉛粉末をプレス成形したペレットを蒸発源として抵抗
加熱方式で蒸着し、厚さが40nmの均一な厚さを有する硫
化亜鉛薄膜層を形成した。さらにそのうえにSiとSiO2
プレス成形したペレットを蒸発源とし、抵抗加熱方式で
厚さ40nmの均一な厚さを有するケイ素酸化物からなる第
2保護層を蒸着形成し、そのうえに熱硬化性アクリル樹
脂50部、ポリイソシアネート5部、トルエン50部、キシ
レン30部、n−ブチルアルコール20部からなる透明樹脂
塗剤をグラビヤコーターで塗布乾燥し、160℃×20秒の
条件で硬化させて厚さ0.2μmの均一な厚さを有する透
明樹脂上塗層を形成して美麗な虹彩色を呈する積層体を
えた。
えられた積層体を実施例1と同様にスリットして虹彩
色金銀糸をえた。
比較例1 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの
片面に、熱硬化性アクリル樹脂100部、ポリイソシアネ
ート5部、トルエン50部、キシレン30部、n−ブチルア
ルコール20部からなる透明樹脂塗剤をグラビヤコーター
で塗布乾燥し、160℃×20秒の条件で硬化させて厚さ0.2
μmの均一な厚さを有する透明樹脂下塗層を形成し、そ
のうえに硫化亜鉛を真空蒸着して厚さ40nmの均一な厚さ
を有する硫化亜鉛層を形成し、そのうえに熱硬化性アク
リル樹脂50部、ポリイソシアネート5部、トルエン50
部、キシレン30部、n−ブチルアルコール20部からなる
透明樹脂塗剤をグラビアコーターで塗布乾燥し、160℃
×20秒の条件で硬化させて厚さ0.2μmの均一な厚さを
有する透明樹脂上塗層を形成して虹彩色積層体をえた。
さらにこの積層体を実施例1と同様にスリットして虹
彩色金銀糸をえた。
比較例2 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの
片面に、硫化亜鉛を真空蒸着して厚さ40nmの均一な厚さ
を有する硫化亜鉛層を形成し、そのうえに熱硬化性アク
リル樹脂50部、ポリイソシアネート5部、トルエン50
部、キシレン30部、n−ブチルアルコール20部からなる
透明樹脂塗剤をグラビアコーターで塗布乾燥し、160℃
×20秒の条件で硬化させて不均一な厚さを有する透明樹
脂層(平均厚さ0.5μm、最大厚さ0.8μm、最小厚さ0.
2μm、厚さの不均一度0.6μm、不均一の周期20mm、平
行縞状パターン)を形成して虹彩色積層体をえた。
さらにこの積層体を実施例1と同様にスリットして虹
彩色金銀糸をえた。
比較例3 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの
片面に、熱硬化性アクリル樹脂100部、ポリイソシアネ
ート5部、トルエン50部、キシレン30部、n−ブチルア
ルコール20部からなる透明樹脂塗剤をグラビアコーター
で塗布乾燥し、160℃×20秒の条件で硬化させて厚さ0.2
μmの均一な厚さを有する透明樹脂下塗層を形成し、そ
のうえに硫化亜鉛を真空蒸着して厚さ40nmの均一な厚さ
を有する硫化亜鉛層を形成し、そのうえに熱硬化性アク
リル樹脂50部、ポリイソシアネート5部、トルエン50
部、キシレン30部、n−ブチルアルコール20部からなる
透明樹脂塗剤をグラビアコーターで塗布乾燥し、160℃
×20秒の条件で硬化させて不均一な厚さを有する透明樹
脂層(平均厚さ0.6μm、最大厚さ1μm、最小厚さ0.2
μm、厚さの不均一度0.8μm、不均一の周期20mm、平
行縞状パターン)を形成して虹彩色積層体をえた。
さらにこの積層体を実施例1と同様にスリットして虹
彩色金銀糸をえた。
えられた各虹彩色金銀糸について虹彩色を目視で観察
し、つぎの基準によって評価した。
◎……虹彩色が色彩、光沢共に強力である。
○……虹彩色が強い。
△……虹彩色が単調である。
×……虹彩色が淡い。
また各虹彩色金銀糸についてつぎの各処理を行なった
のち虹彩色の変化を目視で観察し、つぎの基準によって
評価した。この評価においては、処理前後の虹彩色の変
化をみているので、たとえば処理前の虹彩色が劣るもの
であっても処理前後で虹彩色が変化しなければ評価はA
ということになる。
A……虹彩色に変化がみられない。
B……虹彩層がわずかに剥離した。
C……虹彩層が剥離した。
処理方法 (1)漂白 処理液:次亜塩素酸ナトリウム4g、水1 処理温度:70℃ 処理時間:90分 (2)ナイロン染色 処理液:氷酢酸1g、アミラジンD0.5g 酸性染料(Diacid Brill.Blue BR) 5%owf、水1 処理温度:95℃ 処理時間:90分 (3)レーヨン染色 処理液:無水芒硝15g、モノゲン(170T)1g、直接染料
(Direct Deep Black EX)5%owf、水1 処理温度:95℃ 処理時間:90分 (4)ウール染色 処理液1:無水芒硝3.3g、酢酸1g、アボランSC0.5g、酸性
染料(Kayalon Milling Black TLB)5%owf、水1 処理温度:95℃ 処理時間:90分 処理液2:アシドミンスーパー2g、水1 処理温度:40℃ 処理時間:30分 (5)反応染色 処理液:無水芒硝40g、炭酸ナトリウム15g、反応染料
(Cibacron Brill.Red BE)5%owf、水1 処理温度:60℃ 処理時間:90分 (6)絹精練 処理液:マルセン石鹸3g、ハイドロサルファイト0.8g、
珪酸ソーダ3.9g、水1 処理温度:95℃ 処理時間:9時間 結果を第1表に示す。
[発明の効果] 虹彩色積層体において、虹彩層を虹彩化合物薄膜層と
不均一な厚さを有する樹脂層とを積層した構成とし、か
つこの虹彩層を透明樹脂下塗層および透明無機保護層を
介してプラスチックフィルム上に設け、虹彩層の他の側
には透明無機保護層を介して透明樹脂上塗層を設けた構
成とすることにより、虹彩色の色彩が非常に豊富かつ強
力で光沢がいちじるしくすぐれ、きわめて鮮明な虹彩模
様を呈すると共に、精練、漂白などの織物の整理処理に
対する抵抗性がきわめてすぐれ、またナイロン、ウール
などの後染め加工が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の虹彩色積層体の一実施例を示す概略部
分断面図、第2図は他の実施例を示す概略部分断面図で
ある。 (図面の符号) (1):透明プラスチックフィルム (2):透明樹脂下塗層 (3a):第1透明無機保護層 (3b):第2透明無機保護層 (4):虹彩層 (4a):虹彩化合物薄膜層 (4b):不均一な厚さを有する透明樹脂層 (5):透明樹脂上塗層

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明なプラスチックフイルムの片面に、虹
    彩化合物薄膜層と不均一な厚さを有する透明な樹脂層と
    が積層されてなる透明な虹彩層が設けられてなる積層体
    であって、前記虹彩層が前記プラスチックフイルム上
    に、透明な樹脂下塗層および透明な第1無機保護層の順
    で積層された層を介して設けられ、前記虹彩層の前記第
    1無機保護層と反対側に、透明な第2無機保護層を介し
    て透明な樹脂上塗層が設けられてなることを特徴とする
    虹彩色積層体。
  2. 【請求項2】透明なプラスチックフイルムの片面に透明
    な樹脂下塗層、透明な第1無機保護層、虹彩化合物薄膜
    層、不均一な厚さを有する透明な樹脂層、透明な第2無
    機保護層および透明な樹脂上塗層がこの順に設けられて
    なる請求項1記載の虹彩色積層体。
  3. 【請求項3】透明なプラスチックフイルムの片面に透明
    な樹脂下塗層、透明な第1無機保護層、不均一な厚さを
    有する透明な樹脂層、虹彩化合物薄膜層、透明な第2無
    機保護層および透明な樹脂上塗層がこの順に設けられて
    なる請求項1記載の虹彩色積層体。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載の虹彩色積層体
    のスリット糸であることを特徴とする虹彩色金銀糸。
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