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JP2866397B2 - 中空複合体 - Google Patents

中空複合体

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JP2866397B2
JP2866397B2 JP20542689A JP20542689A JP2866397B2 JP 2866397 B2 JP2866397 B2 JP 2866397B2 JP 20542689 A JP20542689 A JP 20542689A JP 20542689 A JP20542689 A JP 20542689A JP 2866397 B2 JP2866397 B2 JP 2866397B2
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昭司 鈴木
恒生 四方
元亨 大和
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Nippon Zeon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、中空複合体に関し、さらに詳しくは、熱可
塑性ポリマーで形成された中空体の内面に、熱硬化性ポ
リマー被覆層を一体に形成して成る中空複合体に関す
る。
〔従来の技術〕
オレフィン系ポリマーなどの熱可塑性ポリマーから形
成されたパイプやチューブ等の中空体は、各種用途に汎
用されているが、これらの中空体は、強度や耐熱性が充
分ではない。一方、熱硬化性ポリマーは、強度や耐熱性
が良好なものが多い。そこで、熱可塑性ポリマー製の中
空体内面に、熱硬化性ポリマーを積層して中空複合体と
するならば、強度や耐熱性を向上させ、新たな機能を付
与し、また、新たな用途展開が可能となる。
しかしながら、このような中空複合体は、成形法が複
雑となるために生産性に難があり、また、一般に、積層
界面における両者の接着性が不充分であるため、接着剤
なしで製造するのは極めて困難である。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、熱可塑性ポリマー製の中空体を内側
から熱硬化性ポリマー層で補強された構造の中空複合体
を提供することにある。
また、本発明の目的は、良好な界面接着性を有する中
空複合体を生産性よく提供することにある。
本発明者らは、前記問題点を克服するために鋭意研究
した結果、塊状重合用反応液を金型内に供給して硬化さ
せる反応射出成形(RIM)法を応用して、熱可塑性ポリ
マーから形成された中空体の内部を金型のかわりに用
い、成形法として回転成形法を採用することにより、中
空体の内面に熱硬化性ポリマー被覆層を有する中空複合
体が容易に得られることを見出した。
また、この場合、塊状重合用反応液として、熱可塑性
ポリマーで形成された中空体と良好な接着性を有する熱
硬化性ポリマーを成形可能なものを用いることにより、
接着剤なしでも界面接着性の良好な中空複合体を得るこ
とができる。
中空複合体とすることにより、熱可塑性ポリマー製中
空体の補強や耐熱性付与が可能となるが、さらに、熱硬
化性ポリマーの形状記憶性(形状回復性)と、熱可塑性
ポリマーの熱融着性や熱可塑性、弾性等を生かして、こ
の中空複合体を各種パイプの接合部材(継手部材)や封
止材(シール材)などの用途に使用できることを見出し
た。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至った
ものである。
〔課題を解決するための手段〕
かくして、本発明によれば、熱可塑性ポリマーで形成
された中空体の内部に、該中空体と接着性を有する熱硬
化性ポリマーを形成可能な塊状重合用反応液を供給し、
中空体を回転しながら反応液を硬化させ、中空体の内面
に熱硬化性ポリマー被覆層を設けて成ることを特徴とす
る中空複合体が提供される。
以下、本発明の構成要素について詳述する。
(熱硬化性ポリマーと反応液) 本発明の中空複合体において、被覆層(内層)となる
熱硬化性ポリマーとしては、ポリノルボルネン系樹脂、
ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂な
どが挙げられる。
一般に、これらの熱硬化性ポリマーから成る成形品
は、互いに反応して速やかにポリマーを生成する2種以
上の低粘度原料を混合し、次いで、密閉型(金型)内に
供給して型内で硬化させる、いわゆるRIM法により製造
することができる。
例えば、反応液として、メタセシス触媒と活性剤とか
ら成る触媒系を含有するノルボルネン系モノマーを用
い、金型内で塊状で開環重合させるとポリノルボルネン
系樹脂成形品が得られる。
また、ポリオールとイソシアネートを含む反応液をRI
M法により金型内で硬化させると、ポリウレタン樹脂成
形品が得られる。
同様に、例えば、ポリエステルアミドプレポリマーと
カプロラクタムを反応液とするナイロンRIM;エポキシ化
合物とポリアミン、ポリアミドなどの硬化剤を反応液と
するエポキシRIM;不飽和ポリエステル、ビニルモノマー
および触媒を反応液とするポリエステルRIM;などによる
各種の熱硬化性ポリマーがある。
これらの中でも、RIM法によるポリノルボルネン系樹
脂の成形は、通常の熱可塑性樹脂の射出成形に比べ、射
出圧力が著しく低いため、安価で軽量の金型を使用で
き、また、金型内での原料の流動性がよいので、大型成
形品や複雑な形状の成形品を製造するのに好ましい。
本発明において内層となるポリノルボルネン系樹脂
は、三環体以上の多環ノルボルネン系モノマーを用いて
製造する。三環体以上であることによって、熱変形温度
の高い重合体が得られ複合材料として要求される耐熱性
を満たすことができる。また、本発明においては、生成
する重合体を熱硬化型とすることが必要であり、そのた
めには全モノマー中の少なくとも10重量%、好ましくは
30重量%以上の架橋性モノマーを使用する。
三環体以上のノルボルネン系モノマーとしては、ジシ
クロペンタジエンやジヒドロジシクロペンタジエンなど
のごとき三環体、テトラシクロドデセンなどのごとき四
環体、トリシクロペンタジエンなどのごとき五環体、テ
トラシクロペンタジエンなどのごとき七環体、これらの
アルキル置換体(例えば、メチル、エチル、ピロピル、
ブチル置換体など)、アルキリデン置換体(例えば、エ
チリデン置換体など)、アリール置換体(例えば、フェ
ニル、トリル、ナフチル置換体など)などが例示され
る。なかでも、入手の容易さ、反応性、耐熱性等の見地
から、三環体ないし五環体が賞用される。
架橋性モノマーは、反応性の二重重合を2個以上有す
る多環ノルボルネン系モノマーであり、その具体例とし
てジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、テ
トラシクロペンタジエンなどが例示される。したがっ
て、ノルボルネン系モノマーと架橋性モノマーが同一物
である場合には格別他の架橋性モノマーを用いる必要は
ない。
なお、上記三環体以上のノルボルネン系モノマーの1
種以上と共に開環重合し得る2−ノルボルネンなどの二
環体のノルボルネン系モノマー、あるいはシクロブテン
などの単環シクロオレフィンなどを、本発明の目的を損
なわない範囲で併用することができる。
用いる触媒は、ノルボルネン系モノマーの開環重合用
触媒として公知のメタセシス触媒系であればいずれでも
よく、具体例としては、タングステン、モリブデン、タ
ンタルなどのハロゲン化物、オキシハロゲン化物、酸化
物、有機アンモニウム塩などが挙げられ、また、活性剤
(共触媒)の具体例としては、アルキルアルミニウムハ
ライド、アルコキシアルキルアルミニウムハライド、ア
リールオキシアルキルアルミニウムハライド、有機スズ
化合物などが挙げられる。
メタセシス触媒は、ノルボルネン系モノマーの1モル
に対し、通常、約0.01〜50ミリモル、好ましくは0.1〜1
0ミリモルの範囲で用いられる。活性剤(共触媒)は、
触媒成分に対して、好ましくは2〜10(モル比)の範囲
で用いられる。
メタセシス触媒および活性剤は、いずれもモノマーに
溶解して用いる方が好ましいが、生成物の性質を本質的
に損なわない範囲であれば少量の溶剤に懸濁または溶解
させて用いてもよい。
ポリノルボルネン系樹脂の好ましい製造法では、三環
体以上のノルボルネン系モノマーを二液に分けて別の容
器に入れ、一方にはメタセシス触媒を、他方には活性剤
を添加し、二種類の安定な反応液を調製する。この二種
類の反応液を混合し、次いで所定形状の金型または型枠
中(本発明では、中空体の内部)に注入し、そこで塊状
による開環重合を行なう。
本発明の複合成形品の製造法においては、上記のRIM
法による各種の熱硬化性ポリマーの製造法を基本的に採
用することができる。本発明では、金型のかわりに熱可
塑性ポリマーから形成された中空体の中空部を使用し、
後述する回転成形により中空体内部に熱硬化性ポリマー
被覆層を形成する。
また、これらの熱硬化性ポリマーには、酸化防止剤、
充填材、補強材、発泡剤、顔料、着色剤、エラストマー
などの添加剤を配合することができる。
熱硬化性ポリマーを発泡体とするときは、発泡剤を反
応液に添加する。好ましい発泡剤は、通常は液体で、容
易に揮発する低沸点有機化合物、例えば、ペンタン、ヘ
キサンなどの炭化水素、メチレンクロライド、トリクロ
ロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタンなどのハ
ロゲン化炭化水素など、あるいは窒素、アルゴンなどの
不活性ガスが挙げられる。
エラストマーとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、
ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SB
R)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体
(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー
(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)およ
びこれらの水素化物などが挙げられる。これらのエラス
トマーを塊状重合用反応液に添加すると、得られる熱硬
化性ポリマーに耐衝撃性が付与されるだけではなく、反
応液の粘度を調節することができる。
(熱可塑性ポリマーの中空体) 本発明で中空体形成用に使用する熱可塑性ポリマー
は、中空体に成形でき、かつ、後述する回転成形の金型
のかわりに供することができるものであれば特に限定さ
れない。
具体例としては、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン
テレフタレート、軟質ポリウレタン(軟質PU)など各種
の熱可塑性ポリマーを挙げることができる。
熱可塑性ポリマーからなる中空体は、パイプ、チュー
ブなどの所望の形状の中空体であって、所望の厚みのも
のが使用できる。また、顔料等を添加して任意の色に着
色したもの、あるいはエンボス加工などにより模様を付
けたものなどを使用すれば、所望の表面状態を有する中
空複合体を得ることができる。
これらの熱可塑性ポリマーから成る中空体は、その内
部に、該中空体と接着性を有する熱硬化性ポリマーを形
成可能な塊状重合用反応液を供給して、回転させながら
硬化させることにより、中空複合体とする。つまり、熱
可塑性ポリマーと熱硬化性ポリマーとは、相互に良好な
接着性を有する組み合わせで用いることが必要である。
このような組み合わせとしては、例えば、熱硬化性ポ
リマーとしてポリウレタン樹脂を用いる場合には、中空
体用材料として、軟質PUやEVAを用いる。
また、塊状重合体としてポリノルボルネン系樹脂を用
いる場合には、中空体用材料として、オレフィン系ポリ
マーおよび/または炭化水素系熱可塑性エラストマーを
用いる。
オレフィン系ポリマーの具体例としては、例えば、高
密度ポリエチレン(PE)、中密度PE、低密度PE、架橋P
E、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン
−1共重合体、エチレン含量の高いエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン含量の高いエチレン−アクリレー
ト共重合体、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン−1、
ポリペンタン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリ
スチレン、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレ
ン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)などが挙
げられる。上記オレフィン系ポリマー中のエラストマー
は、架橋ポリマーまたは部分架橋ポリマーの形で用いら
れる。これらのオレフィン系ポリマーの中では、架橋エ
ラストマーに比較しプラスチックの方がポリノルボルネ
ン系樹脂との接着性に優れている。しかし、EPRやEPDM
のようなエラストマーの部分架橋物とPE、PPなどのプラ
スチックの適当量とからなる混合物は、熱可塑性エラス
トマーの性質を有するが、このような混合物を用いる場
合には、プラスチックのもつ接着性を損なわずにエラス
トマーの性質を付与した表面層を得ることができる。
また、炭化水素系熱可塑性エラストマーの具体例とし
ては、スチレン(S)に代表されるビニル芳香族化合物
と、イソプレン(I)、ブタジエン(B)などの共役ジ
エンから構成される各種ブロック共重合体が挙げられ、
具体的には、S−I型、S−B型、S−I−S型、S−
B−S型、S−I−S−I−S型、これらの水素化物な
どが例示される。これらの炭化水素系熱可塑性エラスト
マーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組合わせて
用いることができる。さらに、これらの炭化水素系熱可
塑性エラストマーは、上記オレフィン系ポリマーと任意
の割合で混合して使用することができる。
(回転成形) 本発明においては、RIM用の塊状重合用反応液を用
い、通常の成形金型のかわりに熱可塑性ポリマーで形成
された中空体を用いて、回転成形により中空複合体を成
形する。
すなわち、熱可塑性ポリマーで形成された中空体の内
部(中空部)に、塊状重合用反応液を供給し、中空体を
回転しながら反応液を硬化させ、中空体の内面に熱硬化
性ポリマー被覆層を設けて中空複合体を製造する。
具体的には、回転可能に保持した中空体の内部に、塊
状重合用反応液を供給し、常温または加熱下に、単軸回
転または二軸回転による遠心力で反応液を中空体内面に
均等の肉厚で密着させ、回転させながら硬化させる。
中空体を回転可能に保持する方法としては、例えば、
回転可能な金型内に中空体を装着するか、あるいは中空
体そのものを回転軸に装着する方法などがある。金型内
に中空体を装着する方法では、肉厚が薄い中空体でも使
用可能であり、また、中空体そのものを回転軸に装着す
る方法では、比較的強度の高い中空体を使用する必要が
ある。金型または中空体の開口部の一方は、ゴム栓等で
封鎖できるようにしておく。
反応液の供給方法としては、2種以上の低粘度原料を
RIM機のミキシング・ヘッドで瞬間的に混合し、次い
で、中空体内部に注入するか、あるいはポットライフが
長い反応液の場合には、ミキサー中で混合が完了してか
ら、中空体内部に1回または数回にわたって射出または
注入してもよい。これらの操作は、必要に応じて不活性
ガス雰囲気下で行なう。
反応液の供給量は、中空体内部の容積よりも少量で、
かつ、被覆層が所望の肉厚となるような量とする。
回転速度は、反応液の粘度や中空体の形状、大きさ、
寸法等により調節し、反応液が中空体内壁に均一に分布
するような回転速度を選択する。
塊状重合用反応液を加熱しながら硬化させる場合に
は、ヒーターなどの加熱手段を外部に設け、中空体を加
熱するようになる。
回転時間は、反応液が硬化するに充分な時間とする。
これらの諸条件の詳細は、熱硬化性ポリマーの回転成
形の常法にしたがって、当業者であれば予め試行するこ
とにより容易に定めることができる。例えば、米国特許
第4,104,357号明細書には、ポリウレタン、ポリエステ
ルなどの回転成形が、また、米国特許第4,800,364号明
細書には、ジシクロペンタジエンのポリマーの回転成形
が記載されているので、これらの公知技術に基づき諸条
件を容易に決定することができる。
通常の回転成形では、成形後、成形品を脱型させる
が、本発明では、熱硬化性ポリマー層が中空体と一体と
なった中空複合体として取り出す。
(中空複合体) 本発明の中空複合体は、熱可塑性ポリマーの外層と、
熱硬化性ポリマーの内層が、回転成形により一体に成形
された中空構造を有する複合体である。
熱可塑性ポリマーと熱硬化性ポリマーとは、相互に接
着性が良好なものを組み合わせているため、接着剤の使
用なしでも、界面における接着性は良好であり、また、
RIM用反応液を用いた回転成形を採用しているため、成
形法も簡単である。
内層に熱硬化性ポリマーを使用しているため、熱可塑
性ポリマーの中空体は、強度や耐熱性が向上したものと
なる。また、成形法を工夫することにより、長尺の中空
体を製造することが可能である。
さらに、ポリノルボルネン系樹脂、ポリウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの形状記憶性
を有する熱硬化性ポリマーを使用すると、本発明の中空
複合体は、内層の形状記憶性と、外層の熱融着性、熱可
塑性または弾性とが相まって、各種パイプの接合部材や
封止部材などとして使用できる。
すなわち、適当な長さと、接合するパイプの内径と同
じかそれより少し大きめの外径を有する中空複合体を、
常温または加熱下に、外力を加えて変形(例えば、縮
径)し、2つのパイプの接合部分に挿入して、接合部分
を合わせた後、熱硬化性ポリマーの熱変形温度以上の温
度に加熱すると、中空複合体が内層の形状記憶性により
元の形状にまで復元し、パイプの接合部を内側から強固
に保持する。
接合するパイプが金属製の場合には、その内側には腐
食による凹凸が形成されているが、接合部材となる中空
複合体の外層が熱可塑性ポリマーなので、加熱して形状
を復元させる際に、加熱変形して該凹凸面に密着する。
接合するパイプがポリエチレンなどのポリオレフィンの
場合には、中空複合体の外層を融点の低いオレフィン系
ポリマーで形成しておくと、加熱して形状を復元させる
際に、パイプの内表面と中空複合体の外層の一部が融着
して密着し、気密性が付与される。加熱の方法は、ホッ
ト・エアーをパイプの外側または内側から吹き付ける
か、加熱オーブン中に入れるなど、任意の方法が採用で
きる。
したがって、例えば、道路表示等のパイプが破損した
ときに、その部分を切断し、補修用パイプを挿入して内
部より中空複合体で接合すれば、外観を損なうことなく
接合することができる。
また、部分的に腐食の激しいパイプなどの場合には、
縮径した中空複合体を挿入し形状回復温度以上に加熱す
ることにより内側から補修または補強することができ
る。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるもので
はない。なお、部や%などは、断わりのない限り重量基
準である。
[実施例1] 第1図に示す金属製の円筒金型3(長さ100mm、内径2
9mm)内に、熱可塑性ポリマー製の中空体として、ポリ
エチレン(三井石油化学社製、商品名ミラソン141)製
のパイプ(長さ100mm、内径25mm、厚み2mm)を装着し
た。
塊状重合用反応液として、ジシクロペンタジエン(以
下、DCPという)にフェノール系の酸化防止剤であるイ
ルガノックス259(チバガイギー社製)を2%溶解さ
せ、これを2つの容器に入れ、一方にはDCPに対しジエ
チルアルミニウムクロリド(DEAC)を40ミリモル濃度、
n−プロパノールを44ミリモル濃度、四塩化ケイ素を20
ミリモル濃度になるように添加した。他方には、DCPに
対しトリ(トリデシル)アンモニウムモリブデートを10
ミリモル濃度になるように添加した。
前記円筒金型および中空体の内部を窒素ガスで置換
し、ヒーター6で40℃に加熱してから、開口部8より、
両反応液を1:1の比率で混合したもの18gを注入した。注
入後、開口部8をゴム栓で閉じてから、変速機付電動機
1を始動し、プーリー2,2とベルトを介して中空回転軸
4を回転させ、回転速度700rpmで硬化(塊状開環重合反
応)を行なった。7分で重合反応は完了し、中空複合体
を円筒金型から脱型した。
このようにして得られた中空複合体は、外層と内層と
が完全に接着した一体構造の複合体であり、また、内層
の内面は平滑で、肉厚(4mm)に偏りは見られなかっ
た。
[実施例2] 中空体として、ポリエチレン(実施例1と同じ)製の
長さ100mm、内径25mm、厚さ4mmのパイプを、円筒金型3
のかわりに金型として装着した以外は、実施例1と同様
にして回転成形を行ない中空複合体を得た。
得られた中空複合体は、外層と内層とが完全に接着し
た一体構造の複合体であり、また、内層の内面は平滑
で、肉厚(4mm)に偏りは見られなかった。
[実施例3] 中空体として、エチレン−酢酸ビニル系共重合体(三
井デュポンポリケミカル社製、商品名エルバロイ742)
製のパイプ(長さ100mm、内径25mm、厚み2mm)を用い、
塊状重合用反応液として、イソシアネートプレポリマー
とポリオールの二液型ウレタン系反応液(日本ゼオン社
製硬質ウレタン樹脂、商品名クインネート999)を用
い、窒素ガス置換をしなかった以外は、実施例1と同様
にして中空複合体を得た。硬化時間は、7分であった。
得られた中空複合体は、界面における接着性に優れて
おり、一体化した複合構造を有するものであった。
[実施例4] オレフィン系熱可塑性エラストマー(三井石化社製、
商品名ミラストマー8030N)製中空体を用いること以
外、実施例1と同様にして中空複合体を製造した。
このようにして得られた中空複合体は、外層と内層と
が完全に接着した一体構造の複合体であり、また、内層
の内面は平滑で、肉厚に偏りは見られなかった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、RIM用の塊状重合用反応液を用い、
回転成形を応用することにより、界面における密着性に
優れた中空複合体を容易に提供することができる。
本発明の中空複合体は、強度や耐熱性が改良されてお
り、また、各種パイプの接合部材や封止材、あるいは補
強材等の用途に使用できる。この中空複合体は、建築用
部材、電気部材など広範な分野で使用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、回転成形に用いる装置の概要を示す略図であ
る。 1……変速機付電動機、2……プーリー、 3……円筒金型、4,5……中空回転軸、 6……ヒーター、7……鏡板、8……開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−72780(JP,A) 特開 昭52−47879(JP,A) 特開 昭52−53983(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 41/00 - 41/52 B05D 7/00 - 7/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性ポリマーで形成された中空体の内
    部に、該中空体と接着性を有する熱硬化性ポリマーを形
    成可能な塊状重合用反応液を供給し、中空体を回転しな
    がら反応液を硬化させ、中空体の内面に熱硬化性ポリマ
    ー被覆層を設けて成ることを特徴とする中空複合体。
  2. 【請求項2】中空体を形成する熱可塑性ポリマーがオレ
    フィン系ポリマーおよび/または炭化水素系熱可塑性エ
    ラストマーであり、かつ、塊状重合用反応液が三環体以
    上のノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む
    反応液である請求項1記載の中空複合体。
  3. 【請求項3】オレフィン系ポリマーおよび/または炭化
    水素系熱可塑性エラストマーからなる外層と、三環体以
    上のノルボルネン系モノマーをメタセシス触媒系を用い
    て塊状開環重合した熱硬化型ポリノルボルネン系樹脂の
    内層とからなる中空複合体。
  4. 【請求項4】外層が熱融着性を有し、内層が形状記憶性
    を有する請求項3記載の中空複合体。
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JPH0369357A (ja) 1991-03-25

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