JP2856837B2 - ポリビニルアルコール系繊維およびその製造法 - Google Patents
ポリビニルアルコール系繊維およびその製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は強度、弾性率および耐熱水性にすぐれたポリ
ビニルアルコール(以下PVAと略記する)系繊維および
その製造法に関するものであり特に産業資材用および複
合材の強化用に適したPVA繊維を得ようとするものであ
る。
ビニルアルコール(以下PVAと略記する)系繊維および
その製造法に関するものであり特に産業資材用および複
合材の強化用に適したPVA繊維を得ようとするものであ
る。
<従来の技術> 従来PVA繊維は、ポリアミド、ポリエステル、ポリア
クリロニトリル系繊維に比べ、強度、モジユラスが高
く、その主用途である産業資材用繊維としてはもちろ
ん、最近ではアスベスト代替繊維としてセメントの補強
材にも使用されようとしている。
クリロニトリル系繊維に比べ、強度、モジユラスが高
く、その主用途である産業資材用繊維としてはもちろ
ん、最近ではアスベスト代替繊維としてセメントの補強
材にも使用されようとしている。
しかしこれまで得られたPVA繊維は、芳香族ポリアミ
ド(アラミド)繊維や超高分子量ポリエチレン繊維の如
き高い強度やジユラスを有していなかつた。
ド(アラミド)繊維や超高分子量ポリエチレン繊維の如
き高い強度やジユラスを有していなかつた。
PVA繊維は通常PVA水溶液を紡糸原液として用い凝固性
無機塩水溶液中で湿式紡糸し、延伸、乾燥、熱処理等の
処理を施す方法により製造されているが、このPVA繊維
の強度および弾性率を向上させるために各種の方法が提
案されてきた。
無機塩水溶液中で湿式紡糸し、延伸、乾燥、熱処理等の
処理を施す方法により製造されているが、このPVA繊維
の強度および弾性率を向上させるために各種の方法が提
案されてきた。
たとえば特公昭43−16675号公報にはPVAのジメチルス
ルホキシド(以下DMSOと略す)溶液を紡糸原液としてメ
タノール、エタノール、ベンゼン、クロロホルム等の有
機溶剤中に湿式紡糸する方法、特開昭56−128309号公報
には湿式または乾式紡糸法によつて得られたPVA繊維を
少なくとも10倍以上に延伸した後熱処理する方法が提案
されている。また特公昭37−14422号公報や特公昭47−3
2142号公報にはホウ酸またはホウ酸塩を含有するPVA水
溶液を種々の塩を含むアルカリ性凝固浴中に紡糸し、ホ
ウ酸をPVAに架橋させた後、再びホウ酸またはその架橋
物をその後の中和、水洗などの工程で除去する方法が開
示されている。しかしこれらの方法によつて得られるPV
A繊維の延伸倍率は15倍以下であり、得られる繊維の強
度は12g/dr以下、モジユラスは350g/dr以下であった。
ルホキシド(以下DMSOと略す)溶液を紡糸原液としてメ
タノール、エタノール、ベンゼン、クロロホルム等の有
機溶剤中に湿式紡糸する方法、特開昭56−128309号公報
には湿式または乾式紡糸法によつて得られたPVA繊維を
少なくとも10倍以上に延伸した後熱処理する方法が提案
されている。また特公昭37−14422号公報や特公昭47−3
2142号公報にはホウ酸またはホウ酸塩を含有するPVA水
溶液を種々の塩を含むアルカリ性凝固浴中に紡糸し、ホ
ウ酸をPVAに架橋させた後、再びホウ酸またはその架橋
物をその後の中和、水洗などの工程で除去する方法が開
示されている。しかしこれらの方法によつて得られるPV
A繊維の延伸倍率は15倍以下であり、得られる繊維の強
度は12g/dr以下、モジユラスは350g/dr以下であった。
一方特開昭62−85013号公報には高重合度と低濃度紡
糸−超延伸の考え方を応用して重合度12000のPVAをエチ
レングリコールに溶解する際、低濃度紡糸が可能になる
ようにホウ酸またはホウ酸塩を添加してゲル紡糸し、そ
の後延伸することによつて、強度が21.9g/d、弾性率が6
28g/dのモノフイラメントを得ることが示されている。
しかしこの場合、添加したホウ酸またはホウ酸塩が繊維
中に残り、延伸倍率が下つて、強度や弾性率が低下した
り、耐熱水性が不十分となつた。さらには耐ゴム疲労性
が低下するなどの問題があつた。
糸−超延伸の考え方を応用して重合度12000のPVAをエチ
レングリコールに溶解する際、低濃度紡糸が可能になる
ようにホウ酸またはホウ酸塩を添加してゲル紡糸し、そ
の後延伸することによつて、強度が21.9g/d、弾性率が6
28g/dのモノフイラメントを得ることが示されている。
しかしこの場合、添加したホウ酸またはホウ酸塩が繊維
中に残り、延伸倍率が下つて、強度や弾性率が低下した
り、耐熱水性が不十分となつた。さらには耐ゴム疲労性
が低下するなどの問題があつた。
<発明が解決しようとする課題> 以上の背景をふまえて本発明は、高強力、高弾性率を
維持しながら、耐熱水性や耐ゴム疲労性にすぐれたPVA
系繊維を提供しようとするものである。
維持しながら、耐熱水性や耐ゴム疲労性にすぐれたPVA
系繊維を提供しようとするものである。
<課題を解決するために手段> 本発明者らは、上記課題解決に向けて鋭意検討した結
果、高重合度PVAの低濃度紡糸において、ホウ酸または
ホウ酸塩を添加して曳糸性を向上させ、紡糸を安定化さ
せると共に界面活性剤を添加することにより延伸性や耐
熱水性さらには耐ゴム疲労性が向上することを見出し、
本発明に至つたものである。
果、高重合度PVAの低濃度紡糸において、ホウ酸または
ホウ酸塩を添加して曳糸性を向上させ、紡糸を安定化さ
せると共に界面活性剤を添加することにより延伸性や耐
熱水性さらには耐ゴム疲労性が向上することを見出し、
本発明に至つたものである。
すなわち、本発明は 「(1)粘度平均重合度が1500以上のPVA系重合体にホ
ウ酸またはホウ酸塩と界面活性剤とを添加した紡糸原液
より得られたPVA系繊維であつて、繊維中にPVAに対し0.
6重量%以下のホウ酸またはホウ酸塩に相当するホウ素
が存在し、かつ5重量%以下の界面活性剤が共存した繊
維であり、単繊維の引張強度が16g/d以上、初期弾性率
が次式を満足し、かつ、200mg/d荷重下の熱水溶断温度
が125℃以上であるPVA系繊維 YM≧224×(A)0.11 (YM:単繊維の初期弾性率(g/d) A:PVA系重合体の粘度平均重合度) (2)粘度平均重合度が1500以上のPVA系重合体を少な
くとも有機薬品を含む溶剤に溶解する際にホウ酸または
ホウ酸塩を該重合体に対し、0.1〜5重量%、界面活性
剤を該重合体に対し0.3〜15重量%添加して紡糸原液と
し、該原液をノズルより吐出させてゲル糸条を形成し、
しかる後該ゲル糸条から溶媒の除去を行い、さらに該重
合体に対しホウ酸またはホウ酸塩を0.6重量%以下、界
面活性剤5重量%以下となるように除去を行い、しかる
後に全延伸倍率が17倍以上となるように延伸することを
特徴とするPVA系繊維の製造法。」 に関するものである。
ウ酸またはホウ酸塩と界面活性剤とを添加した紡糸原液
より得られたPVA系繊維であつて、繊維中にPVAに対し0.
6重量%以下のホウ酸またはホウ酸塩に相当するホウ素
が存在し、かつ5重量%以下の界面活性剤が共存した繊
維であり、単繊維の引張強度が16g/d以上、初期弾性率
が次式を満足し、かつ、200mg/d荷重下の熱水溶断温度
が125℃以上であるPVA系繊維 YM≧224×(A)0.11 (YM:単繊維の初期弾性率(g/d) A:PVA系重合体の粘度平均重合度) (2)粘度平均重合度が1500以上のPVA系重合体を少な
くとも有機薬品を含む溶剤に溶解する際にホウ酸または
ホウ酸塩を該重合体に対し、0.1〜5重量%、界面活性
剤を該重合体に対し0.3〜15重量%添加して紡糸原液と
し、該原液をノズルより吐出させてゲル糸条を形成し、
しかる後該ゲル糸条から溶媒の除去を行い、さらに該重
合体に対しホウ酸またはホウ酸塩を0.6重量%以下、界
面活性剤5重量%以下となるように除去を行い、しかる
後に全延伸倍率が17倍以上となるように延伸することを
特徴とするPVA系繊維の製造法。」 に関するものである。
以下本発明を詳しく説明する。
本発明に使用されるPVA系ポリマーと30℃の水溶液の
極限粘度から求めた粘度平均重合度が1,500以上、好ま
しくは4,000以上、さらに好ましくは10,000以上のもの
であり、ケン化度が98モル%以上で分岐度の低い直鎖状
のPVAが好ましい。なお、2モル%以下の他のビニル化
合物を共重合したものや、3重量%以下の酸化防止剤、
紫外線吸収剤などの添加剤を加えることも可能である。
極限粘度から求めた粘度平均重合度が1,500以上、好ま
しくは4,000以上、さらに好ましくは10,000以上のもの
であり、ケン化度が98モル%以上で分岐度の低い直鎖状
のPVAが好ましい。なお、2モル%以下の他のビニル化
合物を共重合したものや、3重量%以下の酸化防止剤、
紫外線吸収剤などの添加剤を加えることも可能である。
PVA重合度が高くなるにつれて、強度、弾性率、耐熱
水性が増大することはすでに解つていたが、本発明では
同一重合度のPVA繊維と比べた場合さらに高性能を示す
繊維を提供せんとするものである。
水性が増大することはすでに解つていたが、本発明では
同一重合度のPVA繊維と比べた場合さらに高性能を示す
繊維を提供せんとするものである。
本発明に使用されるPVA系ポリマーの溶剤としてはエ
チレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、グリセリン等の多価アルコールやジメチ
ルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド、ジエ
チレントリアミンなどの有機薬品さらにはこれらの2種
以上の混合系あるいは、これらと水との混合系やプロパ
ノール水溶液などが挙げあられる。特にこれらの中でも
透明で均一なゲル状繊維を得る上では多価アルコールや
DMSOおよびそれらと水との混合溶剤が好ましい。本発明
では少なくとも有機薬品を含む溶剤が最適であり、これ
は均一なゲル糸を得て、強度、耐熱水性を高くするのに
優位なためである。
チレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、グリセリン等の多価アルコールやジメチ
ルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド、ジエ
チレントリアミンなどの有機薬品さらにはこれらの2種
以上の混合系あるいは、これらと水との混合系やプロパ
ノール水溶液などが挙げあられる。特にこれらの中でも
透明で均一なゲル状繊維を得る上では多価アルコールや
DMSOおよびそれらと水との混合溶剤が好ましい。本発明
では少なくとも有機薬品を含む溶剤が最適であり、これ
は均一なゲル糸を得て、強度、耐熱水性を高くするのに
優位なためである。
本発明は高重合度PVAを低濃度紡糸し、分子鎖からみ
の少ない状態でゲル化(凝固)させて、高性能化を計る
が、この場合PVA濃度が低下するほど曳糸性がなくな
り、単糸切れが起こり易い。この点を解決するために、
本発明では紡糸原液にホウ酸またはホウ酸塩を添加し、
一部架橋により曳糸性を維持させる。しかし多量に添加
したり残存量が多いと、紡糸や熱延伸時に延伸しずらく
なつたり、耐ゴム疲労性が悪化するので好ましくない。
の少ない状態でゲル化(凝固)させて、高性能化を計る
が、この場合PVA濃度が低下するほど曳糸性がなくな
り、単糸切れが起こり易い。この点を解決するために、
本発明では紡糸原液にホウ酸またはホウ酸塩を添加し、
一部架橋により曳糸性を維持させる。しかし多量に添加
したり残存量が多いと、紡糸や熱延伸時に延伸しずらく
なつたり、耐ゴム疲労性が悪化するので好ましくない。
本発明ではホウ酸またはホウ酸塩の添加量はPVA重合
体に対し0.1〜5重量%好ましく、さらに好ましくは0.3
〜3重量%である。なおPH調整で架橋(増粘)を柔げる
ために酸を添加するのは何ら問題ない。ホウ酸またはホ
ウ酸塩に相当するホウ素の残存量は0.6重量%以下、好
ましくは0.03〜0.3重量%である。0.6重量%を超える
と、延伸倍率が低下し、強度、弾性率さらには耐ゴム疲
労性が低下して好ましくない。
体に対し0.1〜5重量%好ましく、さらに好ましくは0.3
〜3重量%である。なおPH調整で架橋(増粘)を柔げる
ために酸を添加するのは何ら問題ない。ホウ酸またはホ
ウ酸塩に相当するホウ素の残存量は0.6重量%以下、好
ましくは0.03〜0.3重量%である。0.6重量%を超える
と、延伸倍率が低下し、強度、弾性率さらには耐ゴム疲
労性が低下して好ましくない。
本発明のもう1つの特徴は、界面活性剤をホウ酸と共
に紡糸原液に添加する点にある。
に紡糸原液に添加する点にある。
界面活性剤添加の効果として次の3つが考えられる。
第1は低濃度紡糸の安定化のために添加したホウ酸また
はホウ酸塩を溶剤と共に除去するのを助ける。これによ
り、残存ホウ酸が多いと問題になるところの延伸倍率の
低下や耐ゴム疲労性の低下を抑える点である。また第2
は、界面活性剤自身が平滑剤的役割をし延伸倍率を増大
させ高強度、高弾性率の繊維を得る点である。また第3
は界面活性剤の添加により、理由は明らかでないがゲル
形成時の微細構造の変化が一因と思われる耐熱水性が向
上する点である。
第1は低濃度紡糸の安定化のために添加したホウ酸また
はホウ酸塩を溶剤と共に除去するのを助ける。これによ
り、残存ホウ酸が多いと問題になるところの延伸倍率の
低下や耐ゴム疲労性の低下を抑える点である。また第2
は、界面活性剤自身が平滑剤的役割をし延伸倍率を増大
させ高強度、高弾性率の繊維を得る点である。また第3
は界面活性剤の添加により、理由は明らかでないがゲル
形成時の微細構造の変化が一因と思われる耐熱水性が向
上する点である。
界面活性剤の添加量はPVA重合体に対し、0.3〜15重量
%、好ましくは1〜8重量%である。0.3重量%未満で
は上述の効果が少なく、15重量%を超えると紡糸が不安
定になつたり除去するのに手間がかかる。
%、好ましくは1〜8重量%である。0.3重量%未満で
は上述の効果が少なく、15重量%を超えると紡糸が不安
定になつたり除去するのに手間がかかる。
界面活性剤の繊維中での残存量は5重量%以下、好ま
しくは0.05〜2重量%である。5重量%を超えると水に
対する親和性が増大したり、水の繊維内部への浸透を助
長して、逆に耐熱水性を低下させるので好ましくない。
しくは0.05〜2重量%である。5重量%を超えると水に
対する親和性が増大したり、水の繊維内部への浸透を助
長して、逆に耐熱水性を低下させるので好ましくない。
界面活性剤はPVA溶液の中で100μ以下の大きさで分散
しているか、または溶解しているものが好ましい。500
μを超えて大きな凝集物があると、紡糸時に断糸した
り、分子配向を乱したり、除去時の空隙で欠陥部をつく
り易く、繊維性能が低下する。
しているか、または溶解しているものが好ましい。500
μを超えて大きな凝集物があると、紡糸時に断糸した
り、分子配向を乱したり、除去時の空隙で欠陥部をつく
り易く、繊維性能が低下する。
界面活性剤はPVA溶液に微粒子分散または溶解し、か
つそれ自体分解や着色の少ないものがあれば、一般に市
販されているノニオン系、アニオン系、カチオン系およ
び両性系のいずれであつても、また2種以上であつても
何んら支障ない。
つそれ自体分解や着色の少ないものがあれば、一般に市
販されているノニオン系、アニオン系、カチオン系およ
び両性系のいずれであつても、また2種以上であつても
何んら支障ない。
このようにして得られた、ホウ酸またはホウ酸塩と、
界面活性剤を添加した低濃度PVA溶液をノズルより押出
し、繊維状に形成せしめるが、その方法は、一般に行な
われている湿式法または乾湿式法(ゲル紡糸法も含む)
がある。乾式法はPVA濃度を高くしなければならず高強
力高弾性糸は得がたい。なお、均一なゲル糸を得る点で
は乾湿式紡糸が好ましい。
界面活性剤を添加した低濃度PVA溶液をノズルより押出
し、繊維状に形成せしめるが、その方法は、一般に行な
われている湿式法または乾湿式法(ゲル紡糸法も含む)
がある。乾式法はPVA濃度を高くしなければならず高強
力高弾性糸は得がたい。なお、均一なゲル糸を得る点で
は乾湿式紡糸が好ましい。
凝固浴としては、メタノール、エタノールなどのアル
コール類や、アセトンおよびそれらと溶剤または水との
混合系、あるいはアルカリや硫酸ナトリウムなどの無機
塩水溶液などいずれでも構わない。また均一で透明なゲ
ル糸を得るために凝固浴温度を20℃以下にするのは好ま
しい。
コール類や、アセトンおよびそれらと溶剤または水との
混合系、あるいはアルカリや硫酸ナトリウムなどの無機
塩水溶液などいずれでも構わない。また均一で透明なゲ
ル糸を得るために凝固浴温度を20℃以下にするのは好ま
しい。
このようにして得られたゲル糸(凝固糸)より溶剤の
ほとんど全部をアルコールや水あるいはそれらの混合液
を用いて除去するが、この時ホウ酸またはホウ酸塩や界
面活性剤の一部が除去されても何んら問題ない。多量に
添加した場合は、むしろ積極的に除去し、本発明で言う
残存量にする必要がある。
ほとんど全部をアルコールや水あるいはそれらの混合液
を用いて除去するが、この時ホウ酸またはホウ酸塩や界
面活性剤の一部が除去されても何んら問題ない。多量に
添加した場合は、むしろ積極的に除去し、本発明で言う
残存量にする必要がある。
次いで乾燥によりアルコールや水などの抽出剤を蒸発
させて、紡糸原糸を得たあと、常法により高倍率に熱延
伸し、PVA分子鎖の配向と結晶化を高める。なお紡糸工
程において、溶剤を含んだ状態で2〜6倍の湿延伸を行
なうことは配向を促進する点で好ましいが、湿延伸倍率
を含めて全延伸倍率が17倍以上好ましくは19倍以上とな
るように乾熱延伸を行なう。
させて、紡糸原糸を得たあと、常法により高倍率に熱延
伸し、PVA分子鎖の配向と結晶化を高める。なお紡糸工
程において、溶剤を含んだ状態で2〜6倍の湿延伸を行
なうことは配向を促進する点で好ましいが、湿延伸倍率
を含めて全延伸倍率が17倍以上好ましくは19倍以上とな
るように乾熱延伸を行なう。
延伸倍率と共に単繊維の初期弾性率も増大するが、特
に本発明では前記の如くYM≧224×(A)0.11を満足
した繊維が得られるもので、これは通常のホウ酸または
/および界面活性剤を添加しないで製造した繊維に比べ
て50g/d以上高い値を示すものである。
に本発明では前記の如くYM≧224×(A)0.11を満足
した繊維が得られるもので、これは通常のホウ酸または
/および界面活性剤を添加しないで製造した繊維に比べ
て50g/d以上高い値を示すものである。
乾熱延伸の温度は200℃以上、好ましくは220℃以上で
ある。高温、高倍率延伸は、高配向、高結晶化を伴い、
強度弾性率と共に耐熱水性も向上させるので望ましい
が、高温度になりすぎてPVAの分解が起こらないように
注意する必要がある。
ある。高温、高倍率延伸は、高配向、高結晶化を伴い、
強度弾性率と共に耐熱水性も向上させるので望ましい
が、高温度になりすぎてPVAの分解が起こらないように
注意する必要がある。
<発明の効果> 以上により得られたホウ素および界面活性剤入りPVA
系繊維は、単繊維の引張強度が16g/d以上、初期弾性率
がYM≧224×(A)0.11を満足しており、かつ200mg/d
荷重下の熱水溶断温度が125℃以上を示す。特に重合度
が10,000以上の場合は強度が22g/d以上、弾性率が600g/
d以上、熱水溶断温度が140℃以上と従来にみられない高
性能PVA系繊維となり、かつ、ホウ素含有繊維にもかか
わらず耐ゴム疲労性のすぐれたものであり産業資材やゴ
ム、プラスチツク、セグメントなどの補強材などの新規
用途への活用が期待され、その有用性は極めて大きい。
系繊維は、単繊維の引張強度が16g/d以上、初期弾性率
がYM≧224×(A)0.11を満足しており、かつ200mg/d
荷重下の熱水溶断温度が125℃以上を示す。特に重合度
が10,000以上の場合は強度が22g/d以上、弾性率が600g/
d以上、熱水溶断温度が140℃以上と従来にみられない高
性能PVA系繊維となり、かつ、ホウ素含有繊維にもかか
わらず耐ゴム疲労性のすぐれたものであり産業資材やゴ
ム、プラスチツク、セグメントなどの補強材などの新規
用途への活用が期待され、その有用性は極めて大きい。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
なお以下に述べる実施例中における各種の物性値は以下
の方法で測定されたものである。
なお以下に述べる実施例中における各種の物性値は以下
の方法で測定されたものである。
1) PVAの粘度平均重合度(A) JIS K−6726に準じ30℃の水溶液の極限粘度[η]の
測定値より次式によつて算出した。
測定値より次式によつて算出した。
logA=1.63log([η]×104/8.29) 2) 単繊維の引張強伸度、弾性率 JIS L−1013に準じ予め調湿された単繊維を試長10cm
で0.25g/dの初荷重および100%/分の引張強度にて破断
強伸度および初期弾性率を求め、10点以上の平均値を採
用した。デニールはデニコン法により測定した。
で0.25g/dの初荷重および100%/分の引張強度にて破断
強伸度および初期弾性率を求め、10点以上の平均値を採
用した。デニールはデニコン法により測定した。
3) 耐熱水性(WTb) 単繊維25本にデニール当り200mgの荷重をかけ、水を
満したガラス製円筒状密封容器の中間に吊し、周囲より
水を1〜2℃/分の速度で加熱昇温させていき繊維が溶
断したときの温度を読んだ。
満したガラス製円筒状密封容器の中間に吊し、周囲より
水を1〜2℃/分の速度で加熱昇温させていき繊維が溶
断したときの温度を読んだ。
4) ホウ素残存量 乾燥後の紡糸原糸を95℃の水で溶解しホウ素と反応し
易いマンニツト(関東化学製)を添加して、NaOHの滴定
により算出した。
易いマンニツト(関東化学製)を添加して、NaOHの滴定
により算出した。
5) 界面活性剤残存量 乾燥後の紡糸原糸を真空下で100℃の水で溶解しNMR測
定によりPVA自体のピーク面積に対するホウ素または界
面活性剤のピーク面積の比より残存量を求めた。
定によりPVA自体のピーク面積に対するホウ素または界
面活性剤のピーク面積の比より残存量を求めた。
6) 耐ゴム疲労性 JIS L−1017のA法(フアイアストン法)に準じ1500
デニールのヤーンに22T/inchの下撚をかけ、さらにそれ
らを3本合わせて22T/inchの上撚をかけてコードにした
あと、RFL(レゾルシンホルマリン樹脂液)のデイツプ
処理を施し、15本ずつ2層に並べてゴムに入れ加硫す
る。得られたベルトを25mmφのプーリーにかけ25℃で42
kgの荷重下で10万回曲げ圧縮をくり返したあと、ゴムよ
り該コードを引出し引張強力を測定する。
デニールのヤーンに22T/inchの下撚をかけ、さらにそれ
らを3本合わせて22T/inchの上撚をかけてコードにした
あと、RFL(レゾルシンホルマリン樹脂液)のデイツプ
処理を施し、15本ずつ2層に並べてゴムに入れ加硫す
る。得られたベルトを25mmφのプーリーにかけ25℃で42
kgの荷重下で10万回曲げ圧縮をくり返したあと、ゴムよ
り該コードを引出し引張強力を測定する。
デイツプ処理後疲労前のコード強力に対する強力保持
率をもつて耐ゴム疲労性を評価した。
率をもつて耐ゴム疲労性を評価した。
実施例1,2および比較例1,2 粘度平均重合度が7,000(実施例1)および18,000
(実施例2)の完全ゲル化PVAをそれぞれ7.5重量%およ
び4重量%になるようにグリセリンに混合し、同時にホ
ウ酸をPVAに対し1重量%とシヨ糖脂肪酸エステルの界
面活性剤をPVAに対し5重量%になるように添加して、1
80℃にて溶解せしめた。
(実施例2)の完全ゲル化PVAをそれぞれ7.5重量%およ
び4重量%になるようにグリセリンに混合し、同時にホ
ウ酸をPVAに対し1重量%とシヨ糖脂肪酸エステルの界
面活性剤をPVAに対し5重量%になるように添加して、1
80℃にて溶解せしめた。
実施例1,2のいずれ場合も透明な溶液となつたが、次
いで該溶液をホール数300、孔径0.18mmのノズルより空
気中に吐出させ、20mm下の凝固浴に落下させた。該凝固
浴の組成はメタノール/グリセリン=7/3(重量比)で
あり、温度は−10℃に保つた。この段階でいずれの場合
も、ほぼ真円に近い透明なゲル繊維を得た。続いて40℃
のメタノール中で4倍の湿延伸を行ない、さらに続くメ
タノール浴でほぼ完全に溶剤を抽出した。なお凝固浴か
ら抽出までの間に大半のホウ酸および界面活性剤が除去
され、90℃熱風乾燥後の紡糸原糸のホウ酸および界面活
性剤の残存量は、実施例1がそれぞれ0.25重量%および
0.87重量%、実施例2がそれぞれ0.17重量%および0.59
重量%であつた。
いで該溶液をホール数300、孔径0.18mmのノズルより空
気中に吐出させ、20mm下の凝固浴に落下させた。該凝固
浴の組成はメタノール/グリセリン=7/3(重量比)で
あり、温度は−10℃に保つた。この段階でいずれの場合
も、ほぼ真円に近い透明なゲル繊維を得た。続いて40℃
のメタノール中で4倍の湿延伸を行ない、さらに続くメ
タノール浴でほぼ完全に溶剤を抽出した。なお凝固浴か
ら抽出までの間に大半のホウ酸および界面活性剤が除去
され、90℃熱風乾燥後の紡糸原糸のホウ酸および界面活
性剤の残存量は、実施例1がそれぞれ0.25重量%および
0.87重量%、実施例2がそれぞれ0.17重量%および0.59
重量%であつた。
次に該原糸を重合度7000の場合(実施例1、比較例
2)は251℃の熱風炉で全延伸倍率が20.4倍、重合度18,
000の場合(実施例2、比較例1)は258℃の熱風炉で全
延伸倍率が19.6倍になるように延伸した。
2)は251℃の熱風炉で全延伸倍率が20.4倍、重合度18,
000の場合(実施例2、比較例1)は258℃の熱風炉で全
延伸倍率が19.6倍になるように延伸した。
比較例1は、実施例2でホウ酸を0.05重量%に少なく
して添加したが4重量%のPVA濃度では曳糸性がなく、
単糸切れが起こり紡糸不能であつた。従つて比較例1で
は紡糸が可能なPVA濃度5.5重量%を採用して、以下実施
例1と同様に紡糸延伸を行なつた。ただし、PVA濃度が
高い為か全延伸倍率は18.1倍と低くなつた。
して添加したが4重量%のPVA濃度では曳糸性がなく、
単糸切れが起こり紡糸不能であつた。従つて比較例1で
は紡糸が可能なPVA濃度5.5重量%を採用して、以下実施
例1と同様に紡糸延伸を行なつた。ただし、PVA濃度が
高い為か全延伸倍率は18.1倍と低くなつた。
比較例2は実施例1で界面活性剤を0.1重量%に少な
くして添加したが、ホウ酸が除去されずらく、ホウ酸残
存量は0.65重量%と多くなつた。このため全延伸倍率は
18.5倍に低下した。
くして添加したが、ホウ酸が除去されずらく、ホウ酸残
存量は0.65重量%と多くなつた。このため全延伸倍率は
18.5倍に低下した。
得られた延伸糸の性能評価結果をそれぞれ第1表に示
した。
した。
実施例1は単繊維強度が22.9%、弾性率が617g/dと高
い値を示し、かつ熱水溶断温度(WTb)が145℃と耐熱水
性にすぐれたものであつた。また耐ゴム疲労性も高いレ
ベルを維持し産業資材や補強材に活用できる繊維となつ
た。
い値を示し、かつ熱水溶断温度(WTb)が145℃と耐熱水
性にすぐれたものであつた。また耐ゴム疲労性も高いレ
ベルを維持し産業資材や補強材に活用できる繊維となつ
た。
実施例2は重合度18,000の繊維であるが、単繊維強度
が24.8g/d、弾性率が672g/dを示し、アラミドやポリア
リレートなどに匹敵するものであつた。またWTbも153℃
を示し通常のPVA繊維の領域を高く越えたものとなつ
た。さらに耐ゴム疲労性も良好であり、商品価値に富ん
だ繊維が得られた。
が24.8g/d、弾性率が672g/dを示し、アラミドやポリア
リレートなどに匹敵するものであつた。またWTbも153℃
を示し通常のPVA繊維の領域を高く越えたものとなつ
た。さらに耐ゴム疲労性も良好であり、商品価値に富ん
だ繊維が得られた。
比較例1は実施例2でホウ酸の添加量を少なくし、PV
A濃度を上げ、界面活性剤を5重量%添加したものであ
るが、PVA濃度が5.5重量と高いため、延伸倍率が低下
し、強度、弾性率および耐熱水性が低くなつた。
A濃度を上げ、界面活性剤を5重量%添加したものであ
るが、PVA濃度が5.5重量と高いため、延伸倍率が低下
し、強度、弾性率および耐熱水性が低くなつた。
比較例2は実施例1で界面活性剤の添加量を少なく
し、ホウ酸を10重量%添加したものであるが、ホウ酸残
存量が多く、延伸倍率が低下して、強度、WTbが低くな
りかつ耐ゴム疲労性も満足するものではなかつた。
し、ホウ酸を10重量%添加したものであるが、ホウ酸残
存量が多く、延伸倍率が低下して、強度、WTbが低くな
りかつ耐ゴム疲労性も満足するものではなかつた。
実施例3 粘度平均重合度が4,200でケン化度が99.6モル%のPVA
を7重量%になるようにDMSOを混合し、同時にホウ酸0.
8重量%、POE(40)ノニルフエノールエーテル10重量
%、およびPH調整のために酢酸を0.1重量%/ドープ添
加して70℃×4時間N2下で撹拌溶解した。次いで該溶液
をホール数500、孔径0.12mmのノズルより吐出させ、乾
湿式法にてメタノール/DMSO=6/4、5℃の凝固浴へ落下
せしめた。得られたゲル糸は円形断面で透明感を有し紡
糸時のトラブルはなかつた。続いてメタノール浴で5倍
の湿延伸を行なつたあと、さらにメタノール浴で溶剤お
よび添加剤を抽出し、100℃で乾燥した。得られた紡糸
原糸のホウ酸残存量は0.09重量%界面活性剤残存量は1.
23重量%であり、これを244℃の熱風炉で全延伸倍率21.
7倍で延伸した。
を7重量%になるようにDMSOを混合し、同時にホウ酸0.
8重量%、POE(40)ノニルフエノールエーテル10重量
%、およびPH調整のために酢酸を0.1重量%/ドープ添
加して70℃×4時間N2下で撹拌溶解した。次いで該溶液
をホール数500、孔径0.12mmのノズルより吐出させ、乾
湿式法にてメタノール/DMSO=6/4、5℃の凝固浴へ落下
せしめた。得られたゲル糸は円形断面で透明感を有し紡
糸時のトラブルはなかつた。続いてメタノール浴で5倍
の湿延伸を行なつたあと、さらにメタノール浴で溶剤お
よび添加剤を抽出し、100℃で乾燥した。得られた紡糸
原糸のホウ酸残存量は0.09重量%界面活性剤残存量は1.
23重量%であり、これを244℃の熱風炉で全延伸倍率21.
7倍で延伸した。
得られた延伸糸の単繊維強度は21.5g/d弾性率は581g/
d、WTbは139℃であり、強度、弾性率および耐熱水性に
すぐれたPVA繊維となつた。なお上記界面活性剤を添加
しない場合は、繊維中のホウ酸を除去しずらく、その残
存量は0.68重量%であり、全延伸倍率が17.8倍に減少し
た。得られた繊維の単繊維強度は18.9g/d、弾性率は490
g/dと低い値であつた。
d、WTbは139℃であり、強度、弾性率および耐熱水性に
すぐれたPVA繊維となつた。なお上記界面活性剤を添加
しない場合は、繊維中のホウ酸を除去しずらく、その残
存量は0.68重量%であり、全延伸倍率が17.8倍に減少し
た。得られた繊維の単繊維強度は18.9g/d、弾性率は490
g/dと低い値であつた。
実施例4 粘度平均重合度が1750でケン化度が99.9モル%のPVA
を14重量%になるように水/エチレングリコール=8/2
重量比の溶剤に混合し、同時にホウ酸2.8重量POE(30)
ラウリルスルホン酸ナトリウム塩3重量%を添加して10
0℃×8時間で溶解した。
を14重量%になるように水/エチレングリコール=8/2
重量比の溶剤に混合し、同時にホウ酸2.8重量POE(30)
ラウリルスルホン酸ナトリウム塩3重量%を添加して10
0℃×8時間で溶解した。
得られた溶液を80℃にしてホール数1000、孔径0.08mm
のノズルより湿式法にて、250g/NaOH水溶液からなる2
0℃の凝固浴中に紡糸しゲル化させた。次いで中和後90
℃の300g/硫酸ナトリウム水溶液中で5倍湿延伸した
あと水洗を十分に行ない、溶剤および添加剤を除去し
た。110℃で乾燥原糸を230℃で全延伸倍率20.3倍になる
ように延伸した。紡糸原糸のホウ酸残存量は0.39重量
%、界面活性剤残存量は2.9重量%であつた。
のノズルより湿式法にて、250g/NaOH水溶液からなる2
0℃の凝固浴中に紡糸しゲル化させた。次いで中和後90
℃の300g/硫酸ナトリウム水溶液中で5倍湿延伸した
あと水洗を十分に行ない、溶剤および添加剤を除去し
た。110℃で乾燥原糸を230℃で全延伸倍率20.3倍になる
ように延伸した。紡糸原糸のホウ酸残存量は0.39重量
%、界面活性剤残存量は2.9重量%であつた。
得られた延伸糸は、そのPVA重合度は低いが、単繊維
強度は18.0g/d、弾性率524g/dWTbは130℃を示し、強
度、耐熱水性にすぐれた繊維となつた。なおこの場合
も、界面活性剤を添加しない場合は、ホウ酸残存量は1.
2重量%で、全延伸倍率は16.9倍となり、単繊維強度15.
4g/d、弾性率410g/dと低いものとなつた。
強度は18.0g/d、弾性率524g/dWTbは130℃を示し、強
度、耐熱水性にすぐれた繊維となつた。なおこの場合
も、界面活性剤を添加しない場合は、ホウ酸残存量は1.
2重量%で、全延伸倍率は16.9倍となり、単繊維強度15.
4g/d、弾性率410g/dと低いものとなつた。
Claims (2)
- 【請求項1】粘度平均重合度が1500以上のポリビニルア
ルコール系重合体にホウ酸またはホウ酸塩と界面活性剤
とを添加した紡糸原液より得られたポリビニルアルコー
ル系繊維であって、繊維中にポリビニルアルコールに対
し0.6重量%以下のホウ酸またはホウ酸塩に相当するホ
ウ素が存在し、かつ5重量%以下の界面活性剤が共存し
た繊維であり、単繊維の引張強度が16g/d以上、初期弾
性率が次式を満足し、かつ、200mg/d荷重下の熱水溶断
温度が125℃以上であるポリビニルアルコール系繊維。 YM≧224×(PA)0.11 (YM:単繊維の初期弾性率(g/d)、PA:ポリビニルアル
コール系重合体の粘度平均重合度) - 【請求項2】粘度平均重合度が1500以上のポリビニルア
ルコール系重合体を少なくとも有機薬品を含む溶剤に溶
解する際に、ホウ酸またはホウ酸塩を該重合体に対し0.
1〜5重量%、界面活性剤を該重合体に対し0.3〜15重量
%添加して紡糸原液とし、該原液をノズルより吐出させ
てゲル糸条を形成し、しかる後該ゲル糸条から溶媒の除
去を行い、さらに該重合体に対しホウ酸またはホウ酸塩
を0.6重量%以下、界面活性剤を5重量%以下となるよ
うに除去を行い、しかる後全延伸倍率が17倍以上となる
ように延伸することを特徴とするポリビニルアルコール
系繊維の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11546290A JP2856837B2 (ja) | 1990-04-30 | 1990-04-30 | ポリビニルアルコール系繊維およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11546290A JP2856837B2 (ja) | 1990-04-30 | 1990-04-30 | ポリビニルアルコール系繊維およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0418113A JPH0418113A (ja) | 1992-01-22 |
JP2856837B2 true JP2856837B2 (ja) | 1999-02-10 |
Family
ID=14663142
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11546290A Expired - Fee Related JP2856837B2 (ja) | 1990-04-30 | 1990-04-30 | ポリビニルアルコール系繊維およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2856837B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111101219B (zh) * | 2018-10-26 | 2022-08-12 | 中国石油化工股份有限公司 | 高强高模聚乙烯醇长丝及其制备方法 |
TR201909816A2 (tr) * | 2019-07-01 | 2019-07-22 | Veritas Tekstil Konfeksiyon Pazarlama San Ve Tic A S | Yüksek mukavemet ve elasti̇ki̇yete sahi̇p poli̇vi̇ni̇lalkol fi̇lament li̇f üreti̇m yöntemi̇ |
-
1990
- 1990-04-30 JP JP11546290A patent/JP2856837B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0418113A (ja) | 1992-01-22 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |