JP2852414B2 - 粒子強化型チタン基複合材料とその製造方法 - Google Patents
粒子強化型チタン基複合材料とその製造方法Info
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- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、粒子強化型チタ
ン基複合材料とその製造方法に関するものである。さら
に詳しくは、この発明は、航空機や自動車等の輸送機器
の各種軽量構造部材、耐熱部材、耐磨耗部材として有用
な粒子強化型チタン基複合材料とその製造方法に関する
ものである。
ン基複合材料とその製造方法に関するものである。さら
に詳しくは、この発明は、航空機や自動車等の輸送機器
の各種軽量構造部材、耐熱部材、耐磨耗部材として有用
な粒子強化型チタン基複合材料とその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、基質(マトリック
ス)であるチタンに実質的に不溶なセラミック粒子を分
散させて強化したセラミック粒子強化型チタン基複合材
料は、比強度が鉄やニッケル合金と比較して大きく、ま
た、耐熱性、耐磨耗性等にも優れているため、各種軽量
構造部材、耐熱部材、耐磨耗部材として有望視されてき
ている(金属、Vol.62,No.5,p.41〜47,1992年参
照)。
ス)であるチタンに実質的に不溶なセラミック粒子を分
散させて強化したセラミック粒子強化型チタン基複合材
料は、比強度が鉄やニッケル合金と比較して大きく、ま
た、耐熱性、耐磨耗性等にも優れているため、各種軽量
構造部材、耐熱部材、耐磨耗部材として有望視されてき
ている(金属、Vol.62,No.5,p.41〜47,1992年参
照)。
【0003】そして、航空機、自動車などの輸送機器の
構造部材においては、機械的特性の中でもとりわけ高サ
イクル疲労特性が重要視されており、この特性が優れて
いればいるほど機器の信頼性は向上することから、粒子
強化型チタン基複合材料を輸送機器の構造部材に適用し
ようとする場合にも、その高サイクル疲労特性は可能な
限り優れていることが望まれている。
構造部材においては、機械的特性の中でもとりわけ高サ
イクル疲労特性が重要視されており、この特性が優れて
いればいるほど機器の信頼性は向上することから、粒子
強化型チタン基複合材料を輸送機器の構造部材に適用し
ようとする場合にも、その高サイクル疲労特性は可能な
限り優れていることが望まれている。
【0004】粒子強化型チタン基複合材料の製造方法と
しては、従来より、溶解法と粉末冶金法とが知られてお
り、このうちの溶解法は、Tiなどの各種の金属原料と
セラミック粉末を一緒に溶解して複合材料とし、次い
で、鍛造・圧延、機械加工などを施し、所定の形状の部
材に仕上げる方法であり、粉末冶金法は、Tiなどの各
種の金属粉末とセラミック粉末を混合した後、冷間で圧
縮成型し、次いで合金化のために真空焼結を行い、所定
の形状の部材を製造する方法であって、真空焼結後の合
金中に存在する空隙を封減させ、緻密な部材を得るため
熱間静水圧プレスを行う場合もある。
しては、従来より、溶解法と粉末冶金法とが知られてお
り、このうちの溶解法は、Tiなどの各種の金属原料と
セラミック粉末を一緒に溶解して複合材料とし、次い
で、鍛造・圧延、機械加工などを施し、所定の形状の部
材に仕上げる方法であり、粉末冶金法は、Tiなどの各
種の金属粉末とセラミック粉末を混合した後、冷間で圧
縮成型し、次いで合金化のために真空焼結を行い、所定
の形状の部材を製造する方法であって、真空焼結後の合
金中に存在する空隙を封減させ、緻密な部材を得るため
熱間静水圧プレスを行う場合もある。
【0005】これら従来の方法で製造されたセラミック
粒子強化型チタン基複合材料については、未強化の基質
合金と比較して優れた高サイクル疲労特性を示すこと
が、この発明の発明者らの報告を含めて既に2〜3例報
告されている(豊田中央研究所R&Dレビュー、Vol.2
9, No.3, p.49, 1994年参照)。その特性の向上の程度
はセラミック粒子の含有量に依存しており、この量が増
すにつれて特性は向上するが、このような特性向上の理
由の一つとしては、セラミック粒子の分散によりヤング
率が増加することによるものであるとの指摘がなされて
いる。
粒子強化型チタン基複合材料については、未強化の基質
合金と比較して優れた高サイクル疲労特性を示すこと
が、この発明の発明者らの報告を含めて既に2〜3例報
告されている(豊田中央研究所R&Dレビュー、Vol.2
9, No.3, p.49, 1994年参照)。その特性の向上の程度
はセラミック粒子の含有量に依存しており、この量が増
すにつれて特性は向上するが、このような特性向上の理
由の一つとしては、セラミック粒子の分散によりヤング
率が増加することによるものであるとの指摘がなされて
いる。
【0006】しかしながら、セラミック粒子の含有量を
増大することにおのずと限界があることは明らかであっ
て、チタン基金属複合材料としての基本的な特徴を失わ
ずに、しかも高サイクル疲労特性を向上させるために
は、セラミック粒子の含有量の増大とは別の観点からの
新しい技術手段の実現が求められていた。だが、現実的
には、これまでのところ、この別の観点からの新しい技
術手段は依然として確立されていないのが実情である。
増大することにおのずと限界があることは明らかであっ
て、チタン基金属複合材料としての基本的な特徴を失わ
ずに、しかも高サイクル疲労特性を向上させるために
は、セラミック粒子の含有量の増大とは別の観点からの
新しい技術手段の実現が求められていた。だが、現実的
には、これまでのところ、この別の観点からの新しい技
術手段は依然として確立されていないのが実情である。
【0007】たとえば、実際上の手がかりとして、チタ
ン合金の高サイクル疲労特性は金属組織に依存して変化
することが従来より知られていることから、セラミック
粒子を含むチタン基複合材料でも、高サイクルの疲労特
性は、セラミック粒子の含有量だけではなく基質の金属
組織にも依存すると考えられることがある。この手がか
りは、この発明の発明者によって、従来公知の方法によ
って製造した粒子強化型チタン基複合材料に対して行っ
た高サイクル疲労試験後の疲労き裂の発生個所の走査電
子顕微鏡を用いての観察によっても現実的なものである
ことが確認された。それと言うのも、TiBまたはTi
Cセラミック粒子を含有するチタン基複合材料では、疲
労き裂の発生個所は、この粒子の内部あるいは粒子と基
質との界面ではなく、常に複合材料の基質中であること
が見出されたからである。
ン合金の高サイクル疲労特性は金属組織に依存して変化
することが従来より知られていることから、セラミック
粒子を含むチタン基複合材料でも、高サイクルの疲労特
性は、セラミック粒子の含有量だけではなく基質の金属
組織にも依存すると考えられることがある。この手がか
りは、この発明の発明者によって、従来公知の方法によ
って製造した粒子強化型チタン基複合材料に対して行っ
た高サイクル疲労試験後の疲労き裂の発生個所の走査電
子顕微鏡を用いての観察によっても現実的なものである
ことが確認された。それと言うのも、TiBまたはTi
Cセラミック粒子を含有するチタン基複合材料では、疲
労き裂の発生個所は、この粒子の内部あるいは粒子と基
質との界面ではなく、常に複合材料の基質中であること
が見出されたからである。
【0008】しかし、この問題の解決はそれほど簡単で
はなく、むしろ極めて困難なのである。チタン合金にお
いては、同一の組成であっても種々な金属組織が出現す
るが、これらの金属組織は、基本的には、等軸α粒組
織、針状α相組織、コロニー粒組織の3種類に大別でき
る。針状α相組織およびコロニー粒組織は熱処理のみに
より出現可能であるが、等軸α粒組織は加工歪を与えた
後熱処理を行うことが必要である。このような3種類の
金属組織と高サイクル疲労特性との関連性はこの発明の
発明者らの研究を含めて詳細な研究がなされており、こ
れらによると、高サイクル疲労強度に影響を及ぼす金属
組織因子とは、具体的には、等軸α粒の直径、針状α相
の幅、コロニー粒の直径であり、これらの直径あるいは
幅が小さいほど疲労強度は高い値を示すことが結論づけ
られている。等軸α粒組織と針状α相組織とで比較する
と、熱処理・加工履歴を変化させても等軸α粒の直径と
針状α相の幅とは概略的にほぼ等しい場合が多く、その
ため、両金属組織の疲労強度には大きな差は無いことが
指摘されている。一方、コロニー粒組織では個々のコロ
ニー粒の直径は通常極めて大きく、この粗大な組織形態
に起因して高サイクル疲労強度は他の二つの金属組織よ
りも大幅に低い値を示すことが明らかにされている。さ
らに、同一の金属組織内にあっては、前記のα相の直径
あるいは幅と疲労強度との関連性より、直径あるいは幅
を小さくすれば、すなわち等軸α粒組織ではα粒の直径
を、針状α相組織ではα相の幅を、また、コロニー粒組
織ではコロニー粒の直径をより小さくすれば疲労強度は
改善されることが指摘されている(鉄と鋼、Vol.76,N
o.12,p.2182,1990年参照)。
はなく、むしろ極めて困難なのである。チタン合金にお
いては、同一の組成であっても種々な金属組織が出現す
るが、これらの金属組織は、基本的には、等軸α粒組
織、針状α相組織、コロニー粒組織の3種類に大別でき
る。針状α相組織およびコロニー粒組織は熱処理のみに
より出現可能であるが、等軸α粒組織は加工歪を与えた
後熱処理を行うことが必要である。このような3種類の
金属組織と高サイクル疲労特性との関連性はこの発明の
発明者らの研究を含めて詳細な研究がなされており、こ
れらによると、高サイクル疲労強度に影響を及ぼす金属
組織因子とは、具体的には、等軸α粒の直径、針状α相
の幅、コロニー粒の直径であり、これらの直径あるいは
幅が小さいほど疲労強度は高い値を示すことが結論づけ
られている。等軸α粒組織と針状α相組織とで比較する
と、熱処理・加工履歴を変化させても等軸α粒の直径と
針状α相の幅とは概略的にほぼ等しい場合が多く、その
ため、両金属組織の疲労強度には大きな差は無いことが
指摘されている。一方、コロニー粒組織では個々のコロ
ニー粒の直径は通常極めて大きく、この粗大な組織形態
に起因して高サイクル疲労強度は他の二つの金属組織よ
りも大幅に低い値を示すことが明らかにされている。さ
らに、同一の金属組織内にあっては、前記のα相の直径
あるいは幅と疲労強度との関連性より、直径あるいは幅
を小さくすれば、すなわち等軸α粒組織ではα粒の直径
を、針状α相組織ではα相の幅を、また、コロニー粒組
織ではコロニー粒の直径をより小さくすれば疲労強度は
改善されることが指摘されている(鉄と鋼、Vol.76,N
o.12,p.2182,1990年参照)。
【0009】そこで、粒子強化型チタン基複合材料の金
属組織についてみると、溶解法での製造によると、鍛造
・圧延は、通常、β単相域で行われ、その後、徐冷され
るので、基質は組長いα相が一方向に揃った、いわゆ
る、コロニー粒組織と呼ばれる金属組織となる。また、
粉末冶金法での製造でも、真空焼結はβ相単相域(通常
1200℃前後)で行われ、その後、ゆっくりと冷却さ
れるので、基質の金属組織はコロニー粒組織となる。
属組織についてみると、溶解法での製造によると、鍛造
・圧延は、通常、β単相域で行われ、その後、徐冷され
るので、基質は組長いα相が一方向に揃った、いわゆ
る、コロニー粒組織と呼ばれる金属組織となる。また、
粉末冶金法での製造でも、真空焼結はβ相単相域(通常
1200℃前後)で行われ、その後、ゆっくりと冷却さ
れるので、基質の金属組織はコロニー粒組織となる。
【0010】このような知見からは、粒子強化型チタン
基複合材料の高サイクル疲労強度をより一層向上させる
ためには、チタン合金基質のコロニー粒組織について、
個々のコロニー粒を直接小さくし、微細なコロニー粒組
織とすることが考えられる。しかしながら、基質のコロ
ニー粒組織の微細化は、強化粒子の体積率が一定の場合
には、強化粒子の直径をより小さくして強化粒子の数を
増やすことにより達成可能なように考えられるが、実際
には、このような微細な強化粒子を基質中に均一に分散
した複合材料を製造することは、高温で溶解あるいは真
空焼結を行う関係上、強化粒子が粗大化する傾向にある
ため、技術的に極めて困難である等の問題がある。
基複合材料の高サイクル疲労強度をより一層向上させる
ためには、チタン合金基質のコロニー粒組織について、
個々のコロニー粒を直接小さくし、微細なコロニー粒組
織とすることが考えられる。しかしながら、基質のコロ
ニー粒組織の微細化は、強化粒子の体積率が一定の場合
には、強化粒子の直径をより小さくして強化粒子の数を
増やすことにより達成可能なように考えられるが、実際
には、このような微細な強化粒子を基質中に均一に分散
した複合材料を製造することは、高温で溶解あるいは真
空焼結を行う関係上、強化粒子が粗大化する傾向にある
ため、技術的に極めて困難である等の問題がある。
【0011】この発明は、以上のとおりの事情を鑑みて
なされたものであり、上記の課題を解決し、従来のセラ
ミック粒子強化型チタン基複合材料よりもより優れた高
サイクル疲労特性を有する、新しい粒子強化型チタン基
複合材料とその製造方法を提供することを目的としてい
る。
なされたものであり、上記の課題を解決し、従来のセラ
ミック粒子強化型チタン基複合材料よりもより優れた高
サイクル疲労特性を有する、新しい粒子強化型チタン基
複合材料とその製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、TiBまたはTiC粒子を含有
し、α−β型チタン合金を基質とする粒子強化型チタン
基複合材料であって、基質の金属組織が、コロニー粒組
織が消去されて微細な針状α相組織に制御されているこ
とを特徴とする粒子強化型チタン基複合材料(請求項
1)を提供する。
を解決するものとして、TiBまたはTiC粒子を含有
し、α−β型チタン合金を基質とする粒子強化型チタン
基複合材料であって、基質の金属組織が、コロニー粒組
織が消去されて微細な針状α相組織に制御されているこ
とを特徴とする粒子強化型チタン基複合材料(請求項
1)を提供する。
【0013】そしてまた、この発明は、TiB(硼化チ
タン)またはTiC(炭化チタン)粒子を含有し、α−
β型チタン合金を基質とする粒子強化型チタン基複合材
料を熱処理して合金基質のコロニー粒組織を消去し、基
質の金属組織を微細な針状のα相組織へと制御すること
を特徴とする粒子強化型チタン基複合材料の製造方法
(請求項2)を提供する。
タン)またはTiC(炭化チタン)粒子を含有し、α−
β型チタン合金を基質とする粒子強化型チタン基複合材
料を熱処理して合金基質のコロニー粒組織を消去し、基
質の金属組織を微細な針状のα相組織へと制御すること
を特徴とする粒子強化型チタン基複合材料の製造方法
(請求項2)を提供する。
【0014】さらに、この発明は、上記粒子強化型チタ
ン基複合材料の製造方法においては、熱処理として、β
変態温度以上の温度域から常温、またはそれ以下の温度
において焼き入れし、次いで、800℃以上β変態温度
以下のα−β2相域内に温度を保持する方法(請求項
3)等の態様をも提供する。
ン基複合材料の製造方法においては、熱処理として、β
変態温度以上の温度域から常温、またはそれ以下の温度
において焼き入れし、次いで、800℃以上β変態温度
以下のα−β2相域内に温度を保持する方法(請求項
3)等の態様をも提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明においては、強化用セラ
ミック粒子の種類は、TiBまたはTiCであることが
必要とされる。この二つ以外のセラミック粒子では、粒
子とチタン合金基質との界面において脆弱な反応相が形
成されるため、この脆弱な反応相が疲労き裂の発生箇所
となり、この発明の効果が十分に得られない。
ミック粒子の種類は、TiBまたはTiCであることが
必要とされる。この二つ以外のセラミック粒子では、粒
子とチタン合金基質との界面において脆弱な反応相が形
成されるため、この脆弱な反応相が疲労き裂の発生箇所
となり、この発明の効果が十分に得られない。
【0016】TiBまたはTiC粒子を含むチタン基複
合材料の製造方法は、溶解法および粉末冶金法とも、公
知の製造手法を用いればよい。これらの公知方法の採用
と、そのための諸条件については適宜に選択すればよ
い。いずれの場合でも、この発明においては、これまで
に実現されてこなかった金属組織を持つ複合材料が実現
され、この材料によって、高サイクル疲労特性は大きく
向上することになる。
合材料の製造方法は、溶解法および粉末冶金法とも、公
知の製造手法を用いればよい。これらの公知方法の採用
と、そのための諸条件については適宜に選択すればよ
い。いずれの場合でも、この発明においては、これまで
に実現されてこなかった金属組織を持つ複合材料が実現
され、この材料によって、高サイクル疲労特性は大きく
向上することになる。
【0017】複合材料の熱処理の手段の一つとして、上
記のようにβ変態温度以上の温度域から室温またはそれ
以下の温度に焼入れするのは、この温度域の保持によ
り、複合材料のコロニー粒組織を消滅させ、その状態の
金属組織を保持するためである。この温度域の下限温度
がβ変態温度よりも低いとコロニー粒組織を消滅させる
ことが難しくなる。
記のようにβ変態温度以上の温度域から室温またはそれ
以下の温度に焼入れするのは、この温度域の保持によ
り、複合材料のコロニー粒組織を消滅させ、その状態の
金属組織を保持するためである。この温度域の下限温度
がβ変態温度よりも低いとコロニー粒組織を消滅させる
ことが難しくなる。
【0018】微細な針状のα相組織とするためには、好
適には、焼き入れした複合材料を800℃以上β変態温
度までのα−β2相域で保持する。800℃より低いと
元素の拡散が十分に起こらないため、微細な針状α相組
織が得られにくくなる。また、β変態温度を越えると冷
却時に再びコロニー粒組織が形成され、高サイクル疲労
強度は向上しない。
適には、焼き入れした複合材料を800℃以上β変態温
度までのα−β2相域で保持する。800℃より低いと
元素の拡散が十分に起こらないため、微細な針状α相組
織が得られにくくなる。また、β変態温度を越えると冷
却時に再びコロニー粒組織が形成され、高サイクル疲労
強度は向上しない。
【0019】また、熱処理は、製造の最終工程で行う場
合(溶解法および粉末冶金法)と、粉末冶金法では真空
焼結後に熱処理を行う場合とが考えられるが、後者の場
合、最後の工程で熱間静水圧プレスを行っても、真空焼
結後に存在している空隙が封減されるだけで、金属組織
形態は前者の場合と同じである。また、この発明におい
ては、基質として使用するチタン合金としては、Ti
に、Al,V,Mo,Cr,Fe,Zr,Sn等の1種
または2種以上の元素が添加された各種のチタン合金が
適用可能である。合金組成の限定なしに、コロニー粒組
織が消滅し得るα−β型チタン合金であればよい。
合(溶解法および粉末冶金法)と、粉末冶金法では真空
焼結後に熱処理を行う場合とが考えられるが、後者の場
合、最後の工程で熱間静水圧プレスを行っても、真空焼
結後に存在している空隙が封減されるだけで、金属組織
形態は前者の場合と同じである。また、この発明におい
ては、基質として使用するチタン合金としては、Ti
に、Al,V,Mo,Cr,Fe,Zr,Sn等の1種
または2種以上の元素が添加された各種のチタン合金が
適用可能である。合金組成の限定なしに、コロニー粒組
織が消滅し得るα−β型チタン合金であればよい。
【0020】以下、実施例を示してさらに詳しく粒子強
化型チタン基複合材料とその製造方法について説明す
る。
化型チタン基複合材料とその製造方法について説明す
る。
【0021】
【実施例】実施例1 α−β型チタン合金であるTi−6Al−2Sn−4Z
r−2Moを基質として、10体積%のTiB粒子を分
散させた複合材料(Ti−6Al−2Sn−4Zr−2
Mo/10TiBと記す)を真空焼結後に熱間静水圧プ
レスを行う従来公知の粉末冶金法を用いて製造した。
r−2Moを基質として、10体積%のTiB粒子を分
散させた複合材料(Ti−6Al−2Sn−4Zr−2
Mo/10TiBと記す)を真空焼結後に熱間静水圧プ
レスを行う従来公知の粉末冶金法を用いて製造した。
【0022】製造手順としては、まず、Ti−6Al−
2Sn−4Zr−2Mo基質合金用母合金として、2
6.7Ti−33.3Al−26.7Sn−13.3M
o(数字はいずれも重量%)からなる組成および41.
2Ti−47.1Zr−11.8Moからなる組成の2
種類の母合金をアーク溶解にて溶製し、これらをボール
ミルにより粉砕し、それぞれ母合金粉末およびを得
た。次に、純チタン粉末、母合金粉末、母合金粉末
およびTiB2 粉末を重量比で79.6:6.75:
7.65:6.0の割合で混合し、同混合粉末を成型の
ために冷間静水圧プレス処理を施し、次いで、合金化の
ために真空焼結を行い、最後に熱間静水圧プレス処理を
施し、緻密な焼結体を得た。なお、真空焼結は1300
℃、3時間の条件を用い、また、熱間静水圧プレスは2
t/cm2 の圧力、900℃、3時間の条件を用いた。
2Sn−4Zr−2Mo基質合金用母合金として、2
6.7Ti−33.3Al−26.7Sn−13.3M
o(数字はいずれも重量%)からなる組成および41.
2Ti−47.1Zr−11.8Moからなる組成の2
種類の母合金をアーク溶解にて溶製し、これらをボール
ミルにより粉砕し、それぞれ母合金粉末およびを得
た。次に、純チタン粉末、母合金粉末、母合金粉末
およびTiB2 粉末を重量比で79.6:6.75:
7.65:6.0の割合で混合し、同混合粉末を成型の
ために冷間静水圧プレス処理を施し、次いで、合金化の
ために真空焼結を行い、最後に熱間静水圧プレス処理を
施し、緻密な焼結体を得た。なお、真空焼結は1300
℃、3時間の条件を用い、また、熱間静水圧プレスは2
t/cm2 の圧力、900℃、3時間の条件を用いた。
【0023】添付した図面の図1(a)は、このように
して製造した複合材料の光学顕微鏡写真を示したもので
ある。この図1(a)に示したように、白く針のように
見えるのがTiB粒子である。また基質においては白く
米粒のように見えるα相が重なり合うように存在してお
り、コロニー粒組織を呈している。そこで次に、前記の
複合材料をβ単相域である1200℃で15分間保持し
た後、水中に焼き入れ、さらに同焼き入れ材を930℃
で3時間保持した後空冷した。
して製造した複合材料の光学顕微鏡写真を示したもので
ある。この図1(a)に示したように、白く針のように
見えるのがTiB粒子である。また基質においては白く
米粒のように見えるα相が重なり合うように存在してお
り、コロニー粒組織を呈している。そこで次に、前記の
複合材料をβ単相域である1200℃で15分間保持し
た後、水中に焼き入れ、さらに同焼き入れ材を930℃
で3時間保持した後空冷した。
【0024】添付した図面の図1(b)は、このように
して製造した複合材料の光学顕微鏡写真を示したもので
ある。図1(b)に示したように、基質の金属組織は図
1(a)とは異なり微細な針状のα相組織となってい
る。実施例2 α−β型チタン合金であるTi−6Al−1.7Fe−
0.1Siを基質とし、10体積%のTiB粒子を分散
させた複合材料(Ti−6Al−1.7Fe−0.1S
i/10TiBと記す)を真空焼結後に熱間静水圧プレ
スを行う従来公知の粉末冶金法を用いて製造した。
して製造した複合材料の光学顕微鏡写真を示したもので
ある。図1(b)に示したように、基質の金属組織は図
1(a)とは異なり微細な針状のα相組織となってい
る。実施例2 α−β型チタン合金であるTi−6Al−1.7Fe−
0.1Siを基質とし、10体積%のTiB粒子を分散
させた複合材料(Ti−6Al−1.7Fe−0.1S
i/10TiBと記す)を真空焼結後に熱間静水圧プレ
スを行う従来公知の粉末冶金法を用いて製造した。
【0025】製造手順としては、まず、Ti−6Al−
1.7Fe−0.1Siを基質合金用母合金として、3
5.5Ti−49.6Al−14.0Fe−0.83S
i(数字はいずれも重量%)からなる組成の母合金をア
ーク溶解にて溶製し、これらをボールミルにより粉砕
し、母合金粉末を得た。次に、純チタン粉末、母合金粉
末およびTiB2 粉末を重量比で83.1:10.9:
6.0の割合で混合し、同混合粉末を成型のために冷間
静水圧プレス処理を施し、次いで、合金化のために真空
焼結を行い、最後に熱間静水圧プレス処理を施し、緻密
な焼結体を得た。なお、真空焼結は1300℃、3時間
の条件を用い、また、熱間静水圧プレスは2t/cm2
の圧力、900℃、3時間の条件を用いた。
1.7Fe−0.1Siを基質合金用母合金として、3
5.5Ti−49.6Al−14.0Fe−0.83S
i(数字はいずれも重量%)からなる組成の母合金をア
ーク溶解にて溶製し、これらをボールミルにより粉砕
し、母合金粉末を得た。次に、純チタン粉末、母合金粉
末およびTiB2 粉末を重量比で83.1:10.9:
6.0の割合で混合し、同混合粉末を成型のために冷間
静水圧プレス処理を施し、次いで、合金化のために真空
焼結を行い、最後に熱間静水圧プレス処理を施し、緻密
な焼結体を得た。なお、真空焼結は1300℃、3時間
の条件を用い、また、熱間静水圧プレスは2t/cm2
の圧力、900℃、3時間の条件を用いた。
【0026】添付した図面の図2(a)は、このような
従来の方法により製造した複合材料の光学顕微鏡写真を
示したものである。図面の図2(a)に示したように、
白く針のように見えるのがTiB粒子である。また基質
は極めてマッシブなコロニー粒組織を呈している。そこ
で次に、前記複合材料をβ単相域である1200℃で1
5分間保持した後、水中に焼き入れ、さらに同焼き入れ
材を930℃で1.5時間保持した後空冷した。
従来の方法により製造した複合材料の光学顕微鏡写真を
示したものである。図面の図2(a)に示したように、
白く針のように見えるのがTiB粒子である。また基質
は極めてマッシブなコロニー粒組織を呈している。そこ
で次に、前記複合材料をβ単相域である1200℃で1
5分間保持した後、水中に焼き入れ、さらに同焼き入れ
材を930℃で1.5時間保持した後空冷した。
【0027】添付した図面の図2(b)は、このように
して製造した複合材料の光学顕微鏡写真を示したもので
ある。図2(b)に示したように、基質の金属組織は微
細な針状のα相組織となっている。また、製造したTi
−6Al−1.7Fe−0.1Si/10TiB複合材
料(a)と、熱処理しない状態の従来法により製造した
ままの複合材料(b)と、基質合金(c)の各々につい
て高サイクル疲労試験を行った。
して製造した複合材料の光学顕微鏡写真を示したもので
ある。図2(b)に示したように、基質の金属組織は微
細な針状のα相組織となっている。また、製造したTi
−6Al−1.7Fe−0.1Si/10TiB複合材
料(a)と、熱処理しない状態の従来法により製造した
ままの複合材料(b)と、基質合金(c)の各々につい
て高サイクル疲労試験を行った。
【0028】図3はその結果を示したものである。この
図3に示したように、この発明の複合材料(曲線
(a))では、繰返し107 回における高サイクル疲労
強度は560MPaの結果が得られ、基質合金(曲線
(c))または従来の方法(曲線(b))によるものと
比べて著しく高いサイクル疲労強度を持つものとなるこ
とが確認された。実施例3 α−β型チタン合金であるTi−5Al−8.7Crを
基質として、7体積%のTiC粒子を分散させた複合材
料(Ti−5Al−8.7Cr/7TiCと記す)を真
空焼結後に熱間静水圧プレスを行う従来公知の粉末冶金
法を用いて製造した。
図3に示したように、この発明の複合材料(曲線
(a))では、繰返し107 回における高サイクル疲労
強度は560MPaの結果が得られ、基質合金(曲線
(c))または従来の方法(曲線(b))によるものと
比べて著しく高いサイクル疲労強度を持つものとなるこ
とが確認された。実施例3 α−β型チタン合金であるTi−5Al−8.7Crを
基質として、7体積%のTiC粒子を分散させた複合材
料(Ti−5Al−8.7Cr/7TiCと記す)を真
空焼結後に熱間静水圧プレスを行う従来公知の粉末冶金
法を用いて製造した。
【0029】製造手順としては、まず、Ti−5Al−
8.7Cr基質合金用母合金として、37.2%Ti−
62.8%Al(数字はいずれも重量%)からなる組成
の母合金をアーク溶解にて溶製し、これらをボールミル
により粉砕し、母合金粉末を得た。次に、純チタン粉
末、母合金粉末およびCr3 C2 粉末を重量比で82:
8:10の割合で混合し、同混合粉末を成型のために冷
間静水圧プレス処理を施し、次いで、合金化のために真
空焼結を行い、最後に熱間静水圧プレス処理を施し緻密
な焼結体素材を得た。なお、真空焼結は1300℃、3
時間の条件を用い、また、熱間静水圧プレスは2t/c
m2 の圧力、900℃、3時間の条件を用いた。
8.7Cr基質合金用母合金として、37.2%Ti−
62.8%Al(数字はいずれも重量%)からなる組成
の母合金をアーク溶解にて溶製し、これらをボールミル
により粉砕し、母合金粉末を得た。次に、純チタン粉
末、母合金粉末およびCr3 C2 粉末を重量比で82:
8:10の割合で混合し、同混合粉末を成型のために冷
間静水圧プレス処理を施し、次いで、合金化のために真
空焼結を行い、最後に熱間静水圧プレス処理を施し緻密
な焼結体素材を得た。なお、真空焼結は1300℃、3
時間の条件を用い、また、熱間静水圧プレスは2t/c
m2 の圧力、900℃、3時間の条件を用いた。
【0030】添付した図面の図4(a)は、このような
従来の方法により製造した複合材料の光学顕微鏡写真を
示したものである。図面の図4(a)に示したように、
白く丸く見えるのがTiC粒子である。基質の金属組織
は極めて粗いコロニー粒組織を呈している。また基質と
TiC粒子との界面にはマッシブな反応相は形成されて
いない。
従来の方法により製造した複合材料の光学顕微鏡写真を
示したものである。図面の図4(a)に示したように、
白く丸く見えるのがTiC粒子である。基質の金属組織
は極めて粗いコロニー粒組織を呈している。また基質と
TiC粒子との界面にはマッシブな反応相は形成されて
いない。
【0031】そこで次に、前記複合材料をβ単相域であ
る1100℃で15分間保持した後、水中に焼き入れ、
さらに同焼き入れ材を800℃で15時間保持した後徐
冷した。添付した図面の図4(b)はこのようにして製
造した複合材料の光学顕微鏡写真を示したものである。
図4(b)に示したように、基質の金属組織は微細な針
状のα相組織となっている。
る1100℃で15分間保持した後、水中に焼き入れ、
さらに同焼き入れ材を800℃で15時間保持した後徐
冷した。添付した図面の図4(b)はこのようにして製
造した複合材料の光学顕微鏡写真を示したものである。
図4(b)に示したように、基質の金属組織は微細な針
状のα相組織となっている。
【0032】
【発明の効果】この発明により、以上詳しく説明したと
おり、この発明により得られる粒子強化型チタン基複合
材料は、従来の方法により得られる材料に比べて、基質
の金属組織は極めて微細であり、これにより著しく高い
サイクル疲労強度が付与されるもので、航空機、自動車
などの産業分野において有用な材料である。
おり、この発明により得られる粒子強化型チタン基複合
材料は、従来の方法により得られる材料に比べて、基質
の金属組織は極めて微細であり、これにより著しく高い
サイクル疲労強度が付与されるもので、航空機、自動車
などの産業分野において有用な材料である。
【図1】Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Mo/10
TiB複合材料の組織を示した図面に代わる光学顕微鏡
写真である。 (a)従来の方法により製造したもの (b)この発明の方法により製造したものを示したもの
である。
TiB複合材料の組織を示した図面に代わる光学顕微鏡
写真である。 (a)従来の方法により製造したもの (b)この発明の方法により製造したものを示したもの
である。
【図2】Ti−6Al−1.7Fe−0.1Si/10
TiB複合材料の組織を示した図面に代わる光学顕微鏡
写真である。 (a)従来の方法により製造したもの (b)この発明の方法により製造したもの
TiB複合材料の組織を示した図面に代わる光学顕微鏡
写真である。 (a)従来の方法により製造したもの (b)この発明の方法により製造したもの
【図3】高サイクル疲労試験の結果を示した図である。
【図4】Ti−5Al−8.7Cr/7TiC複合材料
の組織を示した図面に代わる光学顕微鏡写真である。 (a)従来の方法により製造したもの (b)この発明の方法により製造したもの
の組織を示した図面に代わる光学顕微鏡写真である。 (a)従来の方法により製造したもの (b)この発明の方法により製造したもの
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 630 C22F 1/00 630E 682 682 687 687 691 691B 691C 692 692Z (56)参考文献 特開 平6−200305(JP,A) 特開 平6−81091(JP,A) 特開 平6−256872(JP,A) 社団法人日本鉄鋼協会発行「材料とプ ロセス」Vol.5,No.2(1992) P.756 社団法人日本金属学会発行「まてり あ」第34巻第5号(1995)PP.611− 613 社団法人日本材料学会発行「第45期日 本材料学会学術講演会講演論文集」(平 成8年5月22日)PP.95−96 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22F 1/18 C22C 14/00 C22C 32/00
Claims (3)
- 【請求項1】 TiBまたはTiC粒子を含有し、α−
β型チタン合金を基質とする粒子強化型チタン基複合材
料であって、基質の金属組織が、コロニー粒組織が消去
されて微細な針状α相組織に制御されていることを特徴
とする粒子強化型チタン基複合材料。 - 【請求項2】 TiBまたはTiC粒子を含有し、α−
β型チタン合金を基質とする粒子強化型チタン基複合材
料を熱処理して合金基質のコロニー粒組織を消去し、基
質金属組織を微細な針状のα相組織へと制御することを
特徴とする粒子強化型チタン基複合材料の製造方法。 - 【請求項3】 熱処理は、β変態温度以上の温度域から
常温、またはそれ以下の温度においての焼入れと、これ
に続いての800℃以上β変態温度以下のα−β2相域
内温度での保持として行われる請求項2の粒子強化型チ
タン基複合材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15242596A JP2852414B2 (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | 粒子強化型チタン基複合材料とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15242596A JP2852414B2 (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | 粒子強化型チタン基複合材料とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH101760A JPH101760A (ja) | 1998-01-06 |
JP2852414B2 true JP2852414B2 (ja) | 1999-02-03 |
Family
ID=15540242
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15242596A Expired - Lifetime JP2852414B2 (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | 粒子強化型チタン基複合材料とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2852414B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3041277B2 (ja) * | 1998-10-29 | 2000-05-15 | トヨタ自動車株式会社 | 粒子強化型チタン合金の製造方法 |
US20060016521A1 (en) * | 2004-07-22 | 2006-01-26 | Hanusiak William M | Method for manufacturing titanium alloy wire with enhanced properties |
CN106676326B (zh) * | 2017-03-09 | 2018-03-30 | 盐城工学院 | 一种钛基复合材料及其制备方法 |
CN114058902A (zh) * | 2021-11-23 | 2022-02-18 | 西安稀有金属材料研究院有限公司 | 一种高硬度钛基复合材料及其制备方法 |
-
1996
- 1996-06-13 JP JP15242596A patent/JP2852414B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
社団法人日本材料学会発行「第45期日本材料学会学術講演会講演論文集」(平成8年5月22日)PP.95−96 |
社団法人日本金属学会発行「まてりあ」第34巻第5号(1995)PP.611−613 |
社団法人日本鉄鋼協会発行「材料とプロセス」Vol.5,No.2(1992)P.756 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH101760A (ja) | 1998-01-06 |
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Legal Events
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